JP4722276B2 - 電動機の固定子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業用機器、事務用機器、家電用機器に使用される電動機の固定子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の実施例を図7に示し説明する。図7には3相4極の固定子を示している。前記電動機の固定子鉄心1は、軸方向に薄板の電磁鋼板を多数積層させた積層体により形成されている。この積層体を一体固着させる方法としては、積層体の外周部を溶接により固着したものや、プレス等により凸凹部を各薄板の電磁鋼板に形成し、この凸凹部を其々嵌め合わすことにより一体固着した周知のオートクランプ方式等により固定子鉄心1を形成している。
【0003】
固定子鉄心1にはスロット5が形成されており、固定子歯部S1、S2、S3、S4、S5、S6にはスロット絶縁4を介して集中巻方式により直接巻線が巻き付けられている。歯部S1にはU1相の巻線3が巻き付けられており、同様に歯部S2にはV1相、歯部S3にはW1相、歯部S4にはU2相、歯部S5にはV2相、歯部S6にはW2相の巻線3が巻き付けられている。U1相とU2相、V1相とV2相、W1相とW2相は、其々各相を繋ぐ渡り線により結ばれており、各相の一方の端部は接続され中性点を形成し他方の端部は口出線に接続し三相Y結線(直列)を構成している。
【0004】
また、別の結線方法としてU1相とU2相とを並列に配置しU1相の一方の端部とU2相の一方の端部、U1相の他方の端部とU2相の他方の端部を其々接続し、U1相とU2相の一方の端部を中性点へ接続し、U1相とU2相の他方の端部を口出線に接続する。その他の相においてはV1相とV2相、W1相とW2相を其々同様に接続し三相2Y結線(並列)を構成している。
【0005】
近年、このような電動機においては、小型で高性能な電動機の要求が非常に強くなってきており、この要求に対して高性能な永久磁石を有した永久磁石形電動機が増えてきている。通常、この永久磁石形電動機の永久磁石を備えた回転子に着磁を施す場合、電動機のハウジング等に組み付ける前に、着磁巻線を備えた着磁装置にセットし、この着磁巻線に直流電流を通電することによって回転子を永久磁石化している。
【0006】
しかしながら、前記界磁を製作した回転子を電動機のハウジング等に組み込むまでの工程において、永久磁石化された回転子に鉄粉等が付着して電動機運転中に回転障害を起こしたり、回転子が磁性体の治具に吸着して扱い難いといった問題が発生していた。
【0007】
前記問題を解決するために電動機ハウジングに固定子と回転子を組み込んだ後に、この固定子巻線を着磁巻線として使用することにより、固定子と対向配置された回転子に着磁を施すいわゆる組み込み着磁と称される着磁方法が採用されている。図8は、電動機の固定子により組み込み着磁を行う場合の着磁結線を示している。前記した直列接続の三相Y結線、並列接続の三相2Y結線において同様の方法で組み込み着磁をすることができるため、ここでは直列接続された三相Y結線についてのみ説明する。
【0008】
固定子巻線のU1相の口出線側を着磁電源Eのプラス側に接続した場合、V1相及びW1相はマイナス側に接続し、この固定子巻線に直流の大電流を流すことにより固定子内に対向配置された回転子を着磁することができる。また、前記結線は固定子の三相巻線全てを使用し組み込み着磁する方法であるが、固定子巻線の特定の2相を使用し1回目の着磁を施した後に、所定の角度分着磁位置を変え2回目の着磁を施す着磁方法でも着磁をすることが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の集中巻された電動機においては、固定子スロット内に集中巻される巻線の割合がそれ程高くなかったため固定子スロット内での隣り合う相の絶縁空間距離を保つことができていたが、前述したように小形、高性能化の要求に伴い固定子スロット内に集中巻される巻線の割合が非常に高くなっており固定子スロット内の各相の絶縁を保つことが出来なくなっている。
【0010】
特に、電動機の起動時にはスロット内の隣り合う相の巻線に大電流が流れるため各相の巻線が振動し巻線の被膜を傷つけ相間の電位差により絶縁破壊を引き起こし重大な市場不良となっている。その結果、著しく信頼性を損ねている。
【0011】
また最近、エアコン及び冷蔵庫の駆動源となる圧縮機に搭載する電動機には、固定子の歯に直接巻線を巻き付けた集中巻方式の電動機を採用するようになってきている。このような電動機において小型、高性能化するために回転子に永久磁石を備えた永久磁石形電動機が用いられる様になってきている。
【0012】
このような永久磁石形電動機を用いられる圧縮機においては、前述したように圧縮機に組み込む前の永久磁石を有する回転子に着磁を施すと、回転子に鉄粉等が付着し易く、そのまま圧縮機に組み込まれると運転障害となったり、また回転子が磁性体の治具に吸着して圧縮機ハウジングに組み付けしずらいといった問題があるため、圧縮機ハウジングに固定子と回転子を組み込んだ後に、この固定子巻線を着磁巻線として固定子と対向配置された回転子に着磁をおこなっている。
【0013】
エアコン及び冷蔵庫の圧縮機に採用される電動機は、小型、高性能化の要求に伴い固定子スロット内に集中巻される巻線の割合が非常に高いため固定子巻線を着磁巻線として使用した場合、固定子のスロット内の隣り合う相の巻線に非常に大きな着磁電流が流れるため各相の巻線が激しくぶつかり合うことにより巻線の被膜を傷つけ、相間の電位差により絶縁破壊を引き起こしている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
固定子の歯に直接巻線を巻き付ける集中巻方式の電動機において、前記固定子の各スロット内で隣接する巻線相互間に介挿される相間絶縁樹脂の断面形状がV字に形成された絶縁部材であって、前記相間絶縁樹脂の断面形状がV字に形成された絶縁部材の開口部を、前記固定子内径側の各スロット開口部に面して介挿し、
前記相間絶縁樹脂の断面形状がV字に形成された絶縁部材の開口部の端部にスロット開口部とは反対側に折り曲げられた折り曲げ部が形成され、前記折り曲げ部が固定子の歯に巻き付けられた巻線と、固定子スロット内の固定子内径側の鉄心部側との間に介挿した電動機の固定子とする。
【0015】
また、電動機の固定子のスロット数が3n個(nは自然数)であり、極数が2n個(nは自然数)である電動機の固定子とする。
【0016】
また、永久磁石を備えた回転子を具備する電動機とする。
【0017】
また、前記固定子の各スロット内で隣接する巻線相互間に介挿される前記相間絶縁樹脂の絶縁部材の材料が、エンプラ(エンジニアリング・プラスチック)または、スーパーエンプラ(スーパー・エンジニアリング・プラスチック)である電動機の固定子とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について図面を用いて説明する。図1は本実施例における電動機の固定子のスロット拡大図である。固定子鉄心1のスロット5にスロット絶縁4が挿入されている。このスロット絶縁4は、樹脂で一体成形したものや薄板の絶縁フィルムで形成したものがある。このスロット絶縁4が固定子鉄心1に施された後、スロットとスロットにより挟まれた歯部2に直接巻線が巻かれる集中巻方式により巻線3が巻かれている。スロット5内の隣り合う相の巻線3には、電動機の起動時に大電流が流れるため各相の巻線3が振動し巻線3同士が擦れ被膜を傷つけることになる。その後、相間の電位差によりこの傷ついて薄く弱い部分において絶縁破壊を起こしている。
【0019】
本発明はこのことに鑑みてなされたものであり、固定子鉄心1のスロット5内の巻線3を断面形状がV字に形成された相間絶縁樹脂7(以下、V字形相間絶縁樹脂7とする)を介挿することにより確実に隣り合う相を分けることができ巻線3同士が振動し擦れることを防ぎ、大きな電位差を生じても絶縁破壊が起こらないようにするものである。固定子鉄心1の各スロット開口部6側に面してV字形相間絶縁樹脂7の絶縁部材の開口部側をスロット開口部6側に面して介挿している。また、V字形相間絶縁樹脂7の開口部側端部は、スロット5内の固定子内径側鉄心部側に突き当てるように介挿することによってスロット5内でV字形相間絶縁樹脂7が湾曲し各巻線3をスロット5内に押さえ込む効果を有している。然るに、従来より問題となっている巻線3の固定子内径への飛び出しも同時に防ぐことができる。
【0020】
従って、V字形相間絶縁樹脂7が狭い巻線相互間の間に介挿することにより、このV字形相間絶縁樹脂7のバネ効果を得ることができ固定子鉄心1より巻線3の飛び出しを防ぎ尚且つ、固定子鉄心1からV字形相間絶縁樹脂7が脱落することがないのでスロット5内の隣り合う巻線3の相互間を確実に分けることができ、巻線3同士が振動し擦れることを防ぎ、大きな電位差を生じても絶縁破壊が起こらないようにすることができる。尚、図2は本実施例のV字形相間絶縁樹脂7の斜視図である。また、V字形相間絶縁樹脂7の開口部の開口角度は適宜巻線3の使用量により決定され、バネ効果を損なわない程度に設定すると良い。
【0021】
また、別の実施例を図3に示して説明する。図3は固定子のスロット拡大図である。図1と同様に固定子鉄心1のスロット5にスロット絶縁4が挿入されている。このスロット絶縁4は、樹脂で一体成形したものや薄板の絶縁フィルムで形成したものがありスロット絶縁4が固定子鉄心1に施された後に、スロットとスロットにより挟まれた歯部2に直接巻線が巻かれる集中巻方式により巻線3が巻かれている。本実施例は図3に示すようにスロット5内の巻線3が占める割合が少ない場合において適用することにより、非常に良好な効果を得ることができる。
【0022】
固定子鉄心1の歯部に直接巻きつけられた巻線3とスロット5内に装着したスロット絶縁4との間に断面形状がV字に形成された絶縁部材の相間絶縁樹脂8(以下、V字形相間絶縁樹脂8とする)のV字形状端部においてスロット開口部6側とは反対側に折り曲げられた折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部を巻線3と固定子鉄心1との間に挟み込むことによってV字形相間絶縁樹脂8を更に確実にスロット5内の相間に固定することができる。この場合、V字形状端部の折れ曲がり部は固定子鉄心1とスロット絶縁4の間に挟み込んでも良いが、巻線3とスロット絶縁4との間に挟み込んでも良い。また、V字形状端部の折れ曲がり角度は、前記V字形相間絶縁樹脂8のバネ効果を損なわない角度に設定することが好ましい。
【0023】
従って、特にスロット5内の巻線3が占める割合が少ない場合においても、スロット5内の隣り合う巻線3の相互間を確実に分けることができ、尚且つV字形相間絶縁樹脂8が固定子鉄心1より脱落することなく確実に固定することができるため、巻線3同士が振動し擦れることを防ぎ、大きな電位差を生じても巻線3の被膜を破壊し絶縁不良を生じることは無い。尚、図4は本実施例のV字形の端部に折れ曲がり部を備えたV字形相間絶縁樹脂8の斜視図である。
【0024】
また、固定子鉄心1のスロットとスロットにより挟まれた歯部2に直接巻線が巻かれる集中巻方式により巻線3が巻かれ、スロット5内において隣り合う相の巻線3同士が振動し擦れ、巻線3の被膜を破壊し絶縁不良を生じる電動機や、相間に大きな電位差を生じる電動機、つまり固定子のスロット数が3n個(nは自然数)であり、極数が2n個(nは自然数)である電動機において、スロット5内の巻線3をV字形相間絶縁樹脂7及び8を介挿することにより隣り合う相を確実に分けることができるため、巻線3同士が振動し擦れることがなくなり、大きな電位差を生じても巻線3の被膜を破壊するような絶縁破壊を起こすことがなくなる。
【0025】
また、図5及び図6に示す電動機は、固定子鉄心1のスロット5に樹脂で一体成形したものか、もしくは薄板の絶縁フィルムで形成したスロット絶縁4が施された後、このスロットとスロットにより挟まれた歯部2に直接巻線が巻かれる集中巻方式により巻線3が巻かれており、この固定子内径には、永久磁石11を備えた回転子9,10を配置している。
【0026】
このような永久磁石を有した回転子を備えた電動機を、特にエアコン及び冷蔵庫の駆動源となる圧縮機に採用した場合、圧縮機に組み込む前に回転子9,10に着磁を施すと回転子9,10に鉄粉等が付着し易くなり、そのまま圧縮機に組み込まれると圧縮機の運転障害となったり、また着磁した回転子9,10が磁性体の治具に吸着して圧縮機ハウジングに組み込みしずらいといった問題が発生する。このため圧縮機ハウジングに固定子と回転子9,10を組み込んだ後に、固定子の巻線3を着磁巻線として回転子9,10を着磁している。
【0027】
この場合、固定子の1つのスロット内に集中巻された隣り合う相の巻線3に非常に大きな着磁電流が流れ各相の巻線3が激しくぶつかり合い巻線3の被膜を傷つけ相間の電位差により絶縁破壊を引き起こしてしまう。然るに、このような絶縁破壊を防ぐためにV字形相間絶縁樹脂7及び8を介挿することによりスロット内の隣り合う相の巻線3を確実に分けることができため絶縁不良を起こすことがなくなる。従って、固定子の歯に直接巻線を巻き付ける集中巻方式の電動機をケーシングに組み込んだ後に、前記電動機の固定子巻線を利用して永久磁石を備えた回転子を問題なく着磁することができる。
【0028】
尚、回転子の構造は図5に示すように永久磁石を回転子鉄心内に埋め込む、埋め込み形永久磁石回転子でも、図6に示す永久磁石を回転子表面に装着させた、表面装着形永久磁石回転子であてもよい。
【0029】
また、固定子の各スロット5内で隣接する相間に介挿するV字形相間絶縁樹脂7及び8の材料を、電動機の運転環境が100℃以上ある場合はエンプラを、電動機の運転環境が150℃以上ある場合はスーパーエンプラを使用することにより電動機の温度上昇による絶縁材料の劣化に起因する絶縁不良を減らすことができる。その結果、固定子スロット5内の隣り合う相の巻線3同士が振動し絶縁材料を破壊することもなく、大きな電位差を生じても巻線3の被膜を破壊し絶縁不良を起こすこともなくなる。また、電動機の仕様によってエンプラまたは、スーパーエンプラを適宜選択することにより材料費を節約することもできる。
【0030】
また、スロット内の巻線の占積率が非常に高い場合、スロット内の巻線相互間に介挿するV字形相間絶縁樹脂7及び8をエンプラまたは、スーパーエンプラのフィルム形状にすることによって相間の隙間が少ない場合でも確実に介挿することができるため、巻線3の被膜が破壊され絶縁不良となることはない。尚、V字形相間絶縁樹脂7及び8をフィルム形状にすることにより絶縁材料の使用量の低減及び加工性が向上し、更に固定子スロット内への挿入性もよくなり取り扱いを容易にすることができる。
【0031】
エンプラとしては、例えばポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)等がある。また、スーパーエンプラとしては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー樹脂(LCP)、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等がある。
【0032】
また、特に環境問題等により従来、エアコンや冷蔵庫に使用される冷媒がCFC12、CFC22等で冷凍機油がナフテン系、パラフィン系の鉱油またはアルキルベンゼン系油を採用していたが、代替冷媒であるHFC134a、HFC410a、HFC407c等の冷媒と、冷凍機油であるポリアルキレングリコール系油やポリエステル系油またはエーテル系油等の混合油を使用する場合、V字形相間絶縁樹脂7及び8の材料をスーパーエンプラとすることにより冷凍機油内に含まれる水分量による絶縁物の加水分解を極力少なくすることができる。尚、説明するまでも無いが、スロット絶縁4の材料をスーパーエンプラとすることによりスロット絶縁4の加水分解も極力少なくすることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、電動機の固定子の歯に直接巻線を巻きつける集中巻方式の電動機において1つのスロット内に隣り合う相の巻線間に、V字形相間絶縁樹脂を介挿することにより確実に隣り合う相を分けることができ、巻線同士が振動により擦れることを防ぎ、大きな電位差が生じても巻線の被膜が破壊することがなくなる。
【0034】
また、固定子鉄心内径側のスロットの開口部側に面してV字形相間絶縁樹脂の開口部側を介挿し、前記V字形相間絶縁樹脂の開口部の端部にスロット開口部とは反対側に折り曲げられた折り曲げ部を形成し、前記折り曲げ部を固定子の歯に巻き付けられた巻線と、固定子スロット内の固定子内径側の鉄心部側との間に介挿することによって、スロット内のV字形相間絶縁樹脂が脱落することなく確実に固定することができる。また、従来より問題となっている巻線の固定子内径への飛び出しもV字形相間絶縁樹脂のバネ効果によって、巻線をスロット内に押さえ込むことができるため巻線の固定子内径への飛び出しも防いでいる。
【0035】
特に、スロット内の巻線が占める割合が少ない場合においても、スロット内の隣り合う巻線の相互間を確実に分けることができ、尚且つV字形相間絶縁樹脂が固定子鉄心より脱落することなく確実に固定することができる
【0036】
また、電動機の固定子のスロット数が3n個(nは自然数)であり、極数が2n個(nは自然数)の固定子に本発明を適用することによって確実に1つのスロット内に隣り合う相の巻線間を絶縁することができる。
【0037】
また、前記電動機の回転子に永久磁石を備えている永久磁石形電動機において本発明を適用することにより、ハウジング内に組み込まれた後に固定子巻線を着磁巻線として着磁する場合においても、着磁電流に起因する巻線の絶縁破壊をなくすことができる。
【0038】
また、前記固定子の各スロット内で隣接する巻線相互間に介挿される前記V字形相間絶縁樹脂の材料が、エンプラまたは、スーパーエンプラとすることによってエアコンや冷蔵庫の駆動源である圧縮機に仕様することができる。
【0039】
これらのことより、V字形相間絶縁樹脂によって、隣り合う相間の絶縁を確実に行うことができ電位差による巻線の絶縁不良をなくすことができるため品質及び信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す固定子の部分断面図。
【図2】 図1のV字形相間絶縁樹脂の斜視図。
【図3】 本発明の実施例を示す固定子の部分断面図。
【図4】 図3のV字形相間絶縁樹脂の斜視図。
【図5】 本発明の実施例を示す回転子に永久磁石を備えた電動機の横断面図。
【図6】 本発明の実施例を示す回転子に永久磁石を備えた電動機の横断面図。
【図7】 従来例を示す固定子の横断面図。
【図8】 本発明の電動機の固定子巻線を着磁巻線として使用する場合の結線図。
【符号の説明】
1…固定子鉄心、2,S1〜S6…歯部、3…巻線、4…スロット絶縁、5…スロット、6…スロット開口部、7,8…V字形相間絶縁樹脂、9,10…回転子、11…永久磁石、U1,V1,W1,U2,V2,W2…相、E…着磁電源。

Claims (4)

  1. 固定子の歯に直接巻線を巻き付ける集中巻方式の電動機において、前記固定子の各スロット内で隣接する巻線相互間に介挿される相間絶縁樹脂の断面形状がV字に形成された絶縁部材であって、前記相間絶縁樹脂の断面形状がV字に形成された絶縁部材の開口部を、前記固定子内径側の各スロット開口部に面して介挿し、
    前記相間絶縁樹脂の断面形状がV字に形成された絶縁部材の開口部の端部にスロット開口部とは反対側に折り曲げられた折り曲げ部が形成され、前記折り曲げ部が固定子の歯に巻き付けられた巻線と、固定子スロット内の固定子内径側の鉄心部側との間に介挿したことを特徴とする電動機の固定子。
  2. 前記電動機の固定子のスロット数が3n個(nは自然数)であり、極数が2n個(nは自然数)であることを特徴とする請求項1項に記載の電動機の固定子。
  3. 前記電動機は、永久磁石を具備する回転子を備えたことを特徴とする請求項2項に記載の電動機。
  4. 前記固定子の各スロット内で隣接する巻線相互間に介挿される相間絶縁樹脂の絶縁部材の材料が、エンプラ(エンジニアリング・プラスチック)またはスーパーエンプラ(スーパー・エンジニアリング・プラスチック)であることを特徴とする請求項1項または請求項2項に記載の電動機の固定子。
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