JP3552782B2 - ドライラミネート装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、基材とラミネート材とを接着剤によって接着するドライラミネート装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ドライラミネート装置は、図5に示すように、透明フィルム等からなる基材1に接着剤を転写する接着剤転写ロール3と、転写された接着剤を乾燥させる乾燥部31と、上記基材1とラミネート材32とを接着するピンチロール33とを有している。上記接着剤転写ロール3は、図6に示すように、接着剤が収容された容器34内に下端部が浸漬された版胴からなり、圧胴2に沿って搬送される基材1の搬送方向と同方向に回転駆動されつつ、上記容器34内の接着剤を汲み上げるように構成されている。
【0003】
そして、上記接着剤転写ロール3によって汲み上げられた余分な接着剤をドクター刃35によって除去した後、上記圧胴2と接着剤転写ロール3との間に形成された転写部において、上記接着剤転写ロール3の周面に付着した接着剤を基材1に転写するとともに、基材1の搬送方向と逆方向に回転駆動されるスムージングロール36によって基材1上の接着剤を平滑化することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記ドライラミネート装置に使用される接着剤は、一般に溶剤型であり、多量の溶剤が揮発することによって環境に悪影響が与えられるのを防止するとともに、基材上に溶剤が残留するのを防止するには、接着剤中の樹脂成分の割合を多くした高濃度の接着剤を使用することが望ましい。しかし、上記高濃度の溶剤型接着剤は粘度が高いため、上記接着剤転写ロール3が基材1から離間する際に、この接着剤転写ロール3側に基材1上の接着剤が引っ張られて、いわゆる糸引き現象が発生し、これによって製品の透明度が著しく低下するという問題がある。
【0005】
なお、図7に示すように、圧胴2と接着剤転写ロール3との間にオフセットロール37を配設し、このオフセットロール37と上記圧胴2との周速を異ならせることによって上記糸引き現象の発生を防止することが行われているが、このように構成した場合には、上記接着剤転写ロール3によって汲み上げられた接着剤がオフセットロール37を経て基材1に転写される過程で、接着剤中の溶剤が揮発し易いために、接着剤の粘度が変動して基材1上に転写される接着剤量を一定に維持することが困難であるという問題がある。
【0006】
また、溶剤が揮発することによって環境に悪影響が与えられるのを防止するとともに、基材上に溶剤が残留した場合においても支障がないように、上記接着剤として水溶性の接着剤を使用することも行われているが、この水溶性の接着剤は膜厚を均一化することが困難であり、基材の接着剤転写面に縦筋が形成されて製品の透明度が低下し易いという問題がある。
【0007】
しかも、上記水溶性の接着剤は発泡し易いという性質があり、上記接着剤転写ロール3の回転速度を早くすると容器7内において大量の泡が発生することになるため、上記容器7内の接着剤6中に消泡剤を添加する必要があり、この消泡剤の存在によって接着剤の透明度が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、接着剤中の溶剤の揮発を抑制して環境を良好に維持しつつ、製品の透明度が低下するのを効果的に防止できるドライラミネート装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、基材に接着剤を転写する接着剤転写ロールと、転写された接着剤を乾燥させる乾燥部と、上記基材とラミネート材とを接着するピンチロールとを備えたドライラミネート装置において、密閉空間を有する接着剤塗布部材を上記接着剤転写ロールに沿って設置するとともに、上記接着剤塗布部材の密閉空間部内に接着剤を供給する供給ポンプと、上記接着剤転写ロールを基材の搬送方向と逆方向に回転駆動する回転駆動部とを備え、上記接着剤塗布部材に、接着剤が導入される凹部を有するチャンバー本体と、この凹部の接着剤転写ロールの回転方向下流側部をシールするドクター刃と、凹部の接着剤転写ロールの回転方向上流側部をシールするシールプレートとを設け、上記ドクター刃の先端部が当接する接着剤転写ロールの当接点を通る法線よりも接着剤転写ロールの回転方向の下流側にドクター刃を配設することにより、このドクター刃を接着剤転写ロールの回転方向に対向させて設置するとともに、上記シールプレートの先端部が当接する接着剤転写ロールの当接点を通る法線よりも接着剤転写ロールの回転方向の上流側にシールプレートを配設することにより、このシールプレートを接着剤転写ロールの回転方向に沿って設置したものである。
【0010】
請求項2に係る発明は、上記請求項1記載のドライラミネート装置において、接着剤転写ロールの回転速度を制御する制御手段を設けたものである。
【0011】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2記載のドライラミネート装置において、接着剤中の樹脂成分の割合が45〜55%程度に設定された高濃度の溶剤型接着剤を接着剤塗布部材の密閉空間部内に供給するように構成したものである。
【0012】
請求項4に係る発明は、上記請求項1または2記載のドライラミネート装置において、水溶性接着剤を接着剤塗布部材の密閉空間部内に供給するように構成したものである。
【0013】
【作用】
上記請求項1記載の発明によれば、供給ポンプによって接着剤塗布部材の密閉空間内に充填された接着剤が接着剤転写ロールの周面に付着し、この接着剤転写ロール上の接着剤が基材に沿って摺動しつつ、基材側に転写されることになる。
【0014】
上記請求項2記載の発明によれば、制御手段によって接着剤転写ロールの回転速度を変化させることにより、基材上に転写される接着剤量が調節されることになる。
【0015】
上記請求項3記載の発明によれば、高濃度の溶剤型接着剤が密閉状態で接着剤塗布部材に供給され、この接着剤中の溶剤が揮発することが抑制されつつ、上記高濃度の溶剤型接着剤が接着剤転写ロールから基材に効果的に転写されることになる。
【0016】
上記請求項4記載の発明によれば、水溶性の接着剤を接着剤塗布部に供給する供給路を密閉状態とすることにより、上記接着剤中に消泡剤等を添加することなく上記接着剤の発泡が抑制されることになる。
【0017】
【実施例】
図1は、本発明に係るドライラミネート装置の実施例を示している。このドライラミネート装置は、透明のプラスチックフィルム等からなる基材1を搬送する圧胴2と、上記基材1に接着剤を転写する接着剤転写ロール3と、この接着剤転写ロール3に沿って設置された接着剤塗布部材4と、この接着剤塗布部材4に接着剤を供給する供給ポンプ5と、接着剤の収容タンク6と、上記基材1の搬送方向と逆方向、つまり上記圧胴2の回転方向と逆方向に接着剤転写ロール3を回転駆動する回転駆動部7とを有している。
【0018】
上記接着剤塗布部材4は、圧胴2と接着剤転写ロール3との間に形成された転写部の近傍において接着剤転写ロール3の回転方向の上流側部に配設されたチャンバー本体8と、このチャンバー本体8に形成された凹部9からなる密閉空間の前面上端部、つまり上記接着剤転写ロール3の回転方向の下流側部に設置されたステンレス板または鋼板材等からなるドクター刃10と、上記チャンバー本体8の前面下端部、つまり上記接着剤転写ロール3の回転方向の上流側部に設置されたプラスチック板等からなるシールプレート11とを有している。
【0019】
上記ドクター刃10は、接着剤転写ロール3の回転方向に対向して設置され、このドクター刃10の先端部が接着剤転写ロール3の周面に圧接されることにより、上記凹部9の前面上端部がシールされるとともに、接着剤転写ロール3の回転に応じてその周面に付着した余分な接着剤が上記ドクター刃10によって掻き取られるようになっている。また、上記シールプレート11は、接着剤転写ロール3の回転方向に沿って設置され、このシールプレート11の先端部が接着剤転写ロール3の周面に圧接されることにより、上記凹部9の前面下端部がシールされている。
【0020】
上記チャンバー本体8の後面方部には、供給ポンプ5から吐出された接着剤を上記凹部9に導入する接着剤供給管12が接続されるとともに、その後面方部には、凹部9に導入された接着剤を収容タンク6に導出する接着剤排出管13が接続されている。また、上記チャンバー本体8に形成された凹部9の壁面には、テフロンコート層が形成され、あるいはメッキ処理が施される等により、接着剤の付着を防止するための被覆層が形成されている。さらに上記接着剤転写ロール3および接着剤塗布部材4の設置部の下方には、接着剤の転写部を保護するカバー14が設置されている。
【0021】
上記チャンバー本体8の側辺部には、図2および図3に示すように、上記凹部9の側端部を覆う側壁板15が設けられ、この側壁板15には、合成ゴムまたは発泡プラスチック材等の弾性体からなるシール部材16が取り付けられている。上記接着剤転写ロール3は、周面に接着剤の付着効率を向上させるために多数の溝部3aが所定間隔で形成された版胴からなり、その左右両側端部の周面に平滑面17が形成され、この平滑面17に上記シール部材16が圧接されるように構成されている。
【0022】
上記収容タンク6内には、接着剤中の樹脂成分の割合が45〜55%程度に設定された高濃度の溶剤型接着剤、例えばポリウレタン樹脂とポリイソシアネート樹脂とを主成分とする二液硬化型ポリウレタン系接着剤等が収容されている。この接着剤は、上記接着剤供給管12を通って接着剤塗布部材4の凹部9内に供給された後、上記接着剤排出管13を通って収容タンク6に導出されることにより、外気と接触することなく収容タンク6と上記凹部9との間を循環するように構成されている。
【0023】
上記構成において、供給ポンプ5を作動させて収容タンク6内の接着剤を上記接着剤塗布部材4の凹部9に供給しつつ、上記回転駆動部7によって接着剤転写ロール3を回転駆動することにより、上記凹部9内に充填された接着剤を接着剤転写ロール3の周面に接触させて塗布するとともに、この接着剤転写ロール3の周面に付着した余分な接着剤をドクター刃10によって掻き取った後、上記接着剤転写ロール3の回転に応じて上記接着剤を、圧胴2と接着剤転写ロール3との間の転写部に搬送する。
【0024】
そして、上記接着剤転写ロール3の周面に塗布された接着剤を、上記転写部において圧胴2に支持された基材1の下面に転写させた後、図外の乾燥部を経てピンチロールの設置部に搬送し、このピンチロールの設置部において上記基材1とラミネート材とを上記接着剤によって接着する。
【0025】
このように上記ドクター刃10およびシールプレート11によってシールされた接着剤塗布部材4の凹部9からなる密閉空間内に接着剤を供給し、この接着剤を接着剤転写ロール3の周面に塗布するように構成したため、供給ポンプ5によって収容タンク6から接着剤供給管12を介して上記接着剤塗布部材4に接着剤を供給する接着剤の供給部と、上記接着剤排出管13を介して収容タンク6内に接着剤を排出する接着剤の排出部とを密閉状態とし、上記接着剤を外気に触れさせることなく給排することができる。
【0026】
したがって、開放状態の容器34に収容された接着剤中に接着剤転写ロール3を浸漬した状態で、この接着剤転写ロール3を回転させることによって転写部に接着剤を汲み上げるように構成された図6に示す従来装置のように、汲み上げられた接着剤が外部に飛散したり、接着剤中の溶剤が揮発したりするという問題を生じることなく、基材1に対する接着剤の転写を行うことができ、これによって環境汚染の発生を効果的に防止することができる。
【0027】
さらに、上記接着剤中の溶剤が揮発するのを効果的に抑制できるため、この接着剤として上記高濃度の溶剤型接着剤を使用した場合においても、上記溶剤の揮発に起因する接着剤の粘度変化が生じることがなく、基材1上に転写される接着剤量を一定に維持することができる。しかも、上記接着剤転写ロール3を浸漬させる容器34を設けた図5および図6に示す従来構造のように、この容器34中に大量の接着剤を収容させる必要がないので、接着剤の使用量を必要最小限度に抑えることができる。
【0028】
そして、上記接着剤転写ロール3を基材1の搬送方向と逆方向に回転駆動するように構成したため、接着剤転写ロール3の周面に塗布された接着剤が基材1の下面に沿って摺動しつつこの基材1に転写され、この接着剤が接着剤転写ロール3側に引っ張られることに起因した糸引き現象の発生を防止することができるとともに、基材1上に形成された接着剤層の厚さを均一に形成することができる。
【0029】
すなわち、圧胴2と接着剤転写ロール3とを同方向に回転させるようにした従来装置の構成によると、接着剤転写ロール3が基材1から徐々に離間するため、基材1に転写された接着剤の一部が接着剤転写ロール3側に引っ張られることによる糸引き現象が発生するのを防止できないのに対し、上記のように圧胴2と接着剤転写ロール3とを逆方向に回転させるように構成した場合には、接着剤転写ロール3が基材1から離間する際に、基材1に転写された接着剤に剪断力が付与されてこの接着剤から接着剤転写ロール3が瞬時に離間されるため、上記糸引き現象の発生を効果的に防止することができる。
【0030】
また、接着剤転写ロール3の周面が基材1の搬送方向と逆方向に移動する際に、基材1上に転写された接着剤の表面が平滑に均されるため、スムージングロール等を設けることなく接着剤層の膜厚を均一に設定し、接着剤層の厚みにばらつきが生じることに起因した縞模様等の生成を効果的に防止することができる。
【0031】
上記のようにドクター刃10の先端部が当接する接着剤転写ロール3の当接点を通る法線よりも接着剤転写ロール3の回転方向の下流側にドクター刃10を配設することにより、ドクター刃10を接着剤転写ロール3の回転方向に対向させて設置するとともに、上記シールプレート11の先端部が当接する接着剤転写ロール3の当接点を通る法線よりも接着剤転写ロール3の回転方向の上流側にシールプレート11を配設することにより、シールプレート11を接着剤転写ロール3の回転方向に沿わせて設置したため、上記ドクター刃10およびシールプレート11を接着剤転写ロール3の周面に圧接させる方向に、上記凹部9に供給された接着剤の圧力を作用させることができ、これによって上記凹部9のシール性を効果的に向上させることができる。
【0032】
また、上記接着剤を変更する場合には、洗浄剤を接着剤塗布部材4の凹部9内に供給することにより、接着剤塗布部材4の内部と接着剤転写ロール3の周面とを同時に効率よく洗浄することができるとともに、この洗浄作業時に上記洗浄剤が飛散することを確実に防止することができる。そして、上記洗浄剤の供給部と、この洗浄剤の廃液が排出される排出部との間を密閉状態とすることにより、洗浄剤の揮発および流失を抑制して環境の悪化を防止することができる。
【0033】
また、上記実施例では、接着剤塗布部材4の側壁板15に弾性体からなるシール部材16を設け、このシール部材16を接着剤転写ロール3の側端部周面に圧接させるように構成したため、簡単な構成で上記接着剤塗布部材4の側辺部を確実にシールすることができる。さらに、上記シール部材16が圧接される接着剤転写ロール3の側端部周面を平滑面17に形成した場合には、接着剤転写ロール3の回転に伴って上記シール部材16と接着剤転写ロール3との間に作用する摩擦抵抗を小さくすることにより、シール部材16の摩耗を効果的に抑制できるという利点がある。
【0034】
また、上記のようにチャンバー本体8に形成された凹部9の内壁面に、接着剤の付着を防止するための被覆層を形成した場合には、上記チャンバー本体8内に供給される接着剤および洗浄剤が上記内壁面に付着することを防止して、接着剤転写ロール3に対する接着剤の付着効率および洗浄剤による洗浄効率を効果的に向上させることができる。
【0035】
なお、上記実施例では、溶剤の揮発量を抑制するとともに、基材1上に溶剤が残留することを極力防止するために接着剤中の樹脂成分の割合が45〜55%程度に設定された高濃度の溶剤型接着剤を使用した例について説明したが、上記樹脂成分の割合が25%以下に設定された通常の溶剤型の接着剤を使用するドライラミネート装置について、本発明の構成を採用できることは勿論である。
【0036】
また、溶剤が揮発することによって環境に悪影響が与えられることがなく、かつ基材上に溶剤が残留した場合において何ら支障のない水溶性の接着剤、例えば水分散ポリウレタンエマルジョンからなる主剤と無溶剤型硬化剤とを有する二液型接着剤、またはアクリル系エマルジョン型水溶性接着剤等を使用するドライラミネート装置についても、本発明の構成を採用することができる。
【0037】
すなわち、収容タンク6内に収容された水溶性接着剤を供給ポンプ5によって接着剤塗布部材4の凹部9内に供給し、この水溶性接着剤を接着剤転写ロール3の周面に付着させた状態で、この接着剤転写ロール3を基材1の搬送方向と逆方向に回転駆動することにより、上記水溶性接着剤を基材1に転写させるように構成してもよい。
【0038】
上記のように構成した場合には、水溶性接着剤の給排路を密閉状態とすることにより、消泡剤等を使用することなく、上記水溶性接着剤が発泡するのを防止することができるとともに、接着剤転写ロール3の周面に付着した水溶性接着剤を基材1の下面に沿って摺動させることにより、この水溶性接着剤を均一な厚みで基材1に転写することができる。
【0039】
したがって、上記水溶性接着剤中に消泡剤が混入されたり、基材1に形成された接着剤層の厚さが不揃いになったりすることに起因して製品の透明度が低下することを効果的に防止することができ、上記基材1と図外のラミネート材とを接合することによって形成された積層フィルム製品の外観を良好状態に維持することができる。
【0040】
また、図4に示すように、基材1に形成される接着剤層の厚みの目標値を入力する入力手段18と、この入力手段18によって入力された接着剤層の厚みに対応した接着剤転写ロール3の回転速度を設定する速度設定手段19と、この速度設定手段19によって設定された回転速度に応じて上記接着剤転写ロール3の回転駆動部7を駆動する駆動回路20とを有する制御手段21を設けた構造としてもよい。
【0041】
上記構成によれば、制御手段21によって接着剤転写ロール3の回転速度を制御し、この接着剤転写ロール3と、上記圧胴2に沿って搬送される基材1との相対速度を変化させることにより、基材1に転写される接着剤の厚みを調節することができる。例えば、上記接着剤転写ロール3の回転速度を上昇させて、その周面と、基材1との接触時間を短縮することにより、基材1に転写される接着剤の厚みを低減することができ、また接着剤転写ロール3の回転速度を低下させて、その周面と、基材1との接触時間を延長することにより、基材1に転写される接着剤の厚みを増大させることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、密閉空間を有する接着剤塗布部材を上記接着剤転写ロールに沿って設置するとともに、上記接着剤塗布部材の密閉空間部内に接着剤を供給する供給ポンプと、上記接着剤転写ロールを基材の搬送方向と逆方向に回転駆動する回転駆動部とを備え、上記接着剤塗布部材に、接着剤が導入される凹部を有するチャンバー本体と、この凹部の接着剤転写ロールの回転方向下流側部をシールするドクター刃と、凹部の接着剤転写ロールの回転方向上流側部をシールするシールプレートとを設け、上記ドクター刃の先端部が当接する接着剤転写ロールの当接点を通る法線よりも接着剤転写ロールの回転方向の下流側にドクター刃を配設することにより、このドクター刃を接着剤転写ロールの回転方向に対向させて設置するとともに、上記シールプレートの先端部が当接する接着剤転写ロールの当接点を通る法線よりも接着剤転写ロールの回転方向の上流側にシールプレートを配設することにより、このシールプレートを接着剤転写ロールの回転方向に沿って設置したため、上記接着剤の給排部を密閉状態とし、上記接着剤を外気に触れさせることなく接着剤の塗布部に給排することができる。
【0043】
したがって、接着剤中の溶剤が揮発することによる環境汚染の発生を効果的に防止することができるとともに、この接着剤として上記高濃度の溶剤型接着剤を使用した場合においても、上記溶剤の揮発に起因した接着剤の粘度の変動を生じることがなく、基材上に転写される接着剤量を一定に維持することができる。しかも、上記接着剤転写ロールを基材の搬送方向と逆方向に回転駆動して接着剤転写ロールの周面に付着した接着剤を基材の下面に沿って摺動させることにより、基材上に転写された接着剤が接着剤転写ロール側に引っ張られることに起因した糸引き現象の発生を防止し、基材上の接着剤層を均一な厚みに形成できるという利点がある。
【0044】
また、発泡し易いとともに膜厚を均一化することが困難な水溶性の接着剤を使用た場合においても、この水溶性接着剤の給排路を上記のように密閉状態とすることにより、水溶性接着剤の発泡を効果的に抑制できるとともに、接着剤転写ロールの周面に付着した水溶性接着剤を基材の下面に沿って摺動させることにより、この水溶性接着剤を均一な厚みで基材に転写することができる。したがって、溶剤が揮発することによって環境に悪影響が与えられることがなく、かつ基材上に溶剤が残留したとしても何ら支障のない水溶性接着剤を使用することにより、環境の悪化等を効果的に防止することができる。そして、消泡剤等を使用することなく接着剤の発泡を抑制できるため、上記水溶性接着剤中に消泡剤が混入されることに起因して接着剤層の透明度が低下することを効果的に防止し、これによって上記基材とラミネート材とを接合することによって形成された積層フィルム製品の外観を良好状態に維持できるという利点がある。
【0045】
また、上記接着剤転写ロールの回転速度を制御する制御手段を設け、この制御手段によって接着剤転写ロールと基材との相対速度を変化させるように構成した場合には、接着剤転写ロールの回転速度を上昇させてこの接着剤転写ロールと、上記圧胴に沿って搬送される基材との相対速度を大きくすることにより、基材に転写される接着剤の厚みを低減し、あるいは接着剤転写ロールの回転速度を低下させて、この接着剤転写ロールと、上記基材との相対速度を小さくすることにより、基材に転写される接着剤の厚みを増大させることができ、接着剤層の厚みを容易かつ適正に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るドライラミネート装置の要部を示す説明図である。
【図2】接着剤塗布部材の内部構造を示す平面断面図である。
【図3】図2のA−A線矢視図である。
【図4】接着剤転写ロールの制御手段の構成を示すブロック図である。
【図5】ドライラミネート装置の全体構造を示す説明図である。
【図6】接着剤転写部の従来構造を示す説明図である。
【図7】接着剤転写部の従来構造の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基材
3 接着剤転写ロール
4 接着剤塗布部材
5 供給ポンプ
7 回転駆動部
9 凹部(密閉空間)
21 制御手段
31 乾燥部
32 ラミネート材
33 ピンチロール

Claims (4)

  1. 基材に接着剤を転写する接着剤転写ロールと、転写された接着剤を乾燥させる乾燥部と、上記基材とラミネート材とを接着するピンチロールとを備えたドライラミネート装置において、密閉空間を有する接着剤塗布部材を上記接着剤転写ロールに沿って設置するとともに、上記接着剤塗布部材の密閉空間部内に接着剤を供給する供給ポンプと、上記接着剤転写ロールを基材の搬送方向と逆方向に回転駆動する回転駆動部とを備え、上記接着剤塗布部材に、接着剤が導入される凹部を有するチャンバー本体と、この凹部の接着剤転写ロールの回転方向下流側部をシールするドクター刃と、凹部の接着剤転写ロールの回転方向上流側部をシールするシールプレートとを設け、上記ドクター刃の先端部が当接する接着剤転写ロールの当接点を通る法線よりも接着剤転写ロールの回転方向の下流側にドクター刃を配設することにより、このドクター刃を接着剤転写ロールの回転方向に対向させて設置するとともに、上記シールプレートの先端部が当接する接着剤転写ロールの当接点を通る法線よりも接着剤転写ロールの回転方向の上流側にシールプレートを配設することにより、このシールプレートを接着剤転写ロールの回転方向に沿って設置したことを特徴とするドライラミネート装置。
  2. 接着剤転写ロールの回転速度を制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のドライラミネート装置。
  3. 接着剤中の樹脂成分の割合が45〜55%程度に設定された高濃度の溶剤型接着剤を接着剤塗布部材の密閉空間部内に供給するように構成したことを特徴とする請求項1または2記載のドライラミネート装置。
  4. 水溶性接着剤を接着剤塗布部材の密閉空間部内に供給するように構成したことを特徴とする請求項1または2記載のドライラミネート装置。
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