JP3550063B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、***された体液を吸収、保持する使い捨ておむつに関する。
【０００２】
【従来の技術】
使い捨ておむつの一例としては、透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、コアの両側縁部の外側に位置して縦方向へ延びるサイドフラップと、コアの両側縁部近傍に位置しておむつの内面から起立性向を有する防漏カフとを有するものがある。サイドフラップは、コアの両側縁部からおむつの横方向外方に位置して縦方向へ延びる裏面シートの両側部分と、カフの固定側部からおむつの横方向外方に位置して縦方向へ延びるカフの両側部分とから形成されている。サイドフラップでは、表面シートの両側部分がコアの両側縁部の外側近傍で終わり、表面シートの両側部分からさらに横方向外方へ裏面シートの両側部分とカフの両側部分とが延びている。そのようなおむつとしては、特開平８−２８９９０２号公報と特開平８−３２２８７６号公報とに開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
サイドフラップとカフとは着用者の脚周りを囲繞し、それらの一部は***物が漏れ易くかつ蒸れ易い着用者の股間に位置するので、***物の漏れとおむつ内の蒸れとを防ぐためにサイドフラップとカフとにおいて耐水性と通気性との両者を向上させることが好ましい。
【０００４】
裏面シートにプラスチックフィルムを使用する場合では、高い耐水性を得ることはできるが、通気性を得ることができない。プラスチックフィルムに微細な開孔を形成したとしても、おむつ内の蒸れを防ぐことができる程の通気性を得ることはできない。
【０００５】
裏面シートとカフとに不織布を使用する場合では、不織布を形成する合成樹脂繊維の単位面積当たりの坪量を多くして耐水性を向上させると、不織布における繊維密度が高くなって通気性が低下してしまう。不織布を形成する繊維の単位面積当たりの坪量を少なくして通気性を向上させると、不織布における繊維密度が低くなって耐水性が低下してしまう。
【０００６】
本発明の課題は、サイドフラップとカフとが最適な耐水圧と通気抵抗とを有し、サイドフラップとカフとにおいて高い耐水性と良好な通気性との両者を兼ね備えた使い捨ておむつを提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための本発明は、透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、前記コアの両側縁部から横方向外方に位置して縦方向へ延びるサイドフラップと前記コアの両側縁部から横方向内方に位置して縦方向へ延びる防漏カフとが形成された使い捨ておむつを改良することにある。
【０００８】
改良にかかる本発明の特徴は、前記サイドフラップが、前記コアの両側縁部近傍に位置する前記表面シートの両側部分に連接されて前記縦方向へ延びる通気かつ液抵抗性の第１側部シートと、前記表面シートの両側部分と前記コアの両側縁部近傍に位置する前記裏面シートの両側部分とのうちの少なくとも前記裏面シートの両側部分に連接されて前記第１側部シートの下面の側で前記縦方向へ延びる二枚の通気かつ液抵抗性の第２側部シートとから形成され、前記防漏カフが、前記第１側部シートから形成され、前記第１側部シートと前記第２側部シートとが、熱可塑性合成樹脂繊維で形成された不織布であり、前記第１側部シートの耐水圧が、前記第２側部シートのそれよりも高いことにある。
【０００９】
本発明の実施の態様の一例としては、前記第１側部シートが、前記表面シートの上面の側に位置して前記表面シートの両側部分から前記おむつの横方向内方へ延びて前記おむつの内面から起立性向を有する防漏カフを形成し、前記防漏カフが、前記表面シートの両側部分に固着されて前記縦方向へ延びる固定側部と、前記固定側部から前記横方向内方に位置して前記縦方向へ延びる自由側部と、前記横方向内方と前記横方向外方とのいずれか一方に倒伏された状態で前記おむつの縦方向両端部に固着された固定端部とを有し、前記自由側部が、前記縦方向へ弾性的な伸縮性を有する。
【００１０】
本発明の実施の態様の他の一例としては、前記第１側部シートと前記第２側部シートとがＳＭＳ不織布である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照して、本発明に係る使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１２】
図１，２は、使い捨ておむつ１の部分破断斜視図と、図１のＡ−Ａ線矢視断面図とである。おむつ１は、透液性表面シート２と、熱可塑性合成樹脂で形成されたプラスチックフィルム製の不透液性裏面シート３と、表面シート２と裏面シート３との間に介在し、それらシート２，３の少なくとも一方のシート面に接合された吸液性コア４とを主要な構成部材とする。おむつ１は、縦方向に前胴周り域２０と、後胴周り域２２と、前後胴周り域２０，２２との間に位置する股下域２１とを有し、コア４の両側縁部４ａの外側に位置して縦方向へ延びるサイドフラップ５と、おむつ１の内面から起立性向を有する防漏カフ６ａとを有する。
【００１３】
サイドフラップ５は、コア４の両側縁部４ａ近傍に位置する表面シート２の両側部分２ａに固着されて縦方向へ延びる第１側部シート６と、表面シート２の両側部分２ａとコア４の両側縁部４ａ近傍に位置する裏面シート３の両側部分３ａとに固着されて縦方向へ延びる第２側部シート７とから形成されている。サイドフラップ５では、第１側部シート６が表面シート２の上面の側に位置し、第２側部シート７が第１側部シート６の下面の側に位置している。第１側部シート６と第２側部シート７とは、熱可塑性合成樹脂繊維で形成された不織布製のものである。サイドフラップ５は、股下域２１においておむつ１の横方向内方へ弧を画いて延びている。ゆえに、おむつ１はその輪郭形状において砂時計型を呈する。サイドフラップ５では、縦方向へ延びる脚周り用弾性伸縮性部材８が第１側部シート６と第２側部シート７との間に介在し、第１側部シート６と第２側部シート７との少なくとも一方にのシート面に伸長状態で取り付けられている。
【００１４】
第１側部シート６は、表面シート２の両側部分２ａからおむつ１の横方向内方へ延びて防漏カフ６ａを形成している。防漏カフ６ａは、表面シート２の上面の両側部分２ａに接着剤を介して固着されて縦方向へ延びる固定側部６ａ１と、固定側部６ａ１から横方向内方に位置して縦方向へ延びる自由側部６ａ２と、おむつ１の前後胴周り域２０，２２に位置し、おむつ１の横方向内方へ倒伏された状態で表面シート２の上面に固着された固定端部６ａ３とを有する。防漏カフ６ａの自由側部６ａ２には、縦方向へ延びる弾性伸縮性部材９が自由側部６ａ２の一部に被覆された状態で伸長下に取り付けられている。
【００１５】
第１側部シート６と第２側部シート７とは、それら側部シート６，７各々の耐水圧が１００〜１５００ｍｍの範囲、それら側部シート６，７各々の通気抵抗が０．０３〜０．８Ｋｐａ・ｓ／ｍの範囲にある。通気抵抗は、０．０５〜０．６Ｋｐａ・ｓ／ｍの範囲にあることが好ましい。
【００１６】
側部シート６，７各々の耐水圧を高くするための一例としては、不織布を形成する合成樹脂繊維の単位面積当たりの坪量を増やし、かつ、繊維どうしの間隙を小さくすることが考えられる。通気抵抗を低くするための一例としては、不織布を形成する繊維の単位面積当たりの坪量を減らし、かつ、繊維どうしの間隙を大きくすることが考えられる。このように、耐水圧を高くすることと通気抵抗を低くすることとは互いに相反する関係にある。しかし、おむつ１は、第１側部シート６と第２側部シート７との耐水圧と通気抵抗とが上記範囲にあるので、耐水性と通気性とのいずれか一方を低下させることなく、サイドフラップ５とカフ６ａとにおいて高い耐水性と良好な通気性との両者を兼ね備えることができる。
【００１７】
側部シート６，７各々の耐水圧が１００ｍｍ未満の場合は、***物がそれら側部シート６，７から滲出しておむつ１の外側へ漏れてしまうことがある。側部シート６，７各々の耐水圧が１５００ｍｍを超過する場合は、側部シート６，７を形成する繊維の単位面積当たりの坪量が多くなって不織布における繊維密度が増加し、通気性が低下するとともに、側部シート６，７の剛性が増加してサイドフラップ５とカフ６ａとが着用者の股間に当接したときに不快感を与える。
【００１８】
側部シート６，７各々の通気抵抗が０．０３Ｋｐａ・ｓ／ｍ未満の場合は、側部シート６，７を形成する繊維の単位面積当たりの坪量が少なくなり、側部シート６，７の耐水性が低下するとともに、側部シート６，７が弱化して破損することがある。側部シート６，７各々の通気抵抗が０．８Ｋｐａ・ｓ／ｍを超過する場合は、側部シート６，７を形成する繊維の単位面積当たりの坪量が多くなり、通気性が低下しておむつ１内の湿気をサイドフラップ５とカフ６ａとから外部へ逃がすことができず蒸れを防ぐことができない。
【００１９】
サイドフラップ５では、第１側部シート６と第２側部シート７とが互いに重なり合っているので、サイドフラップ５の耐水圧と通気抵抗とはそれら側部シート６，７が有する耐水圧と通気抵抗との略二倍の値になる。サイドフラップ５では、第１側部シート６と第２側部シート７とが重なり合っていても、一方の側部シートの剛性が他方の側部シートの剛性を増加させることはないので、サイドフラップ５においてその剛性が倍増することはない。
【００２０】
サイドフラップ５では、図２に示すように、表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａがコア４の両側縁部４ａの外側近傍で終わり、表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａからさらに横方向外方へ第１側部シート６と第２側部シート７とが延びている。第２側部シート７は、その一部が表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａの間に介在し、表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａに接着剤を介して固着されている。第１側部シート６と第２側部シート７とは、互いに重なり合った状態でそれら側部シート６，７のシート面どうしが接着剤を介して間欠的に固着されている。おむつ１には、カフ６ａと表面シート２とがおむつ１の横方向内方へ向かって開口するポケットＰを形成している。第２側部シート７は、裏面シート３の下面の側に位置して第２側部シート７の一部が裏面シート３の両側部分３に固着されていてもよい。
【００２１】
おむつ１の前後胴周り域２０，２２には、前後胴周り域２０，２２の端縁部に沿って、横方向へ延びるフィルム状の胴周り用弾性伸縮性部材１０が表面シート２と裏面シート３との間に介在し、表面シート２と裏面シート３とのうちの少なくとも一方のシート面に伸長状態で取り付けられている。後胴周り域２２に位置するサイドフラップ５には、横方向内方へ延びるテープファスナ１１の基端部が取り付けられている。おむつ１の前胴周り域２０には、テープファスナ１１の止着域となる矩形のターゲットテープ１２が裏面シート３のシート面に取り付けられている。
【００２２】
図１では、脚周り用弾性部材８と胴周り用弾性部材１０とカフ６ａの自由側部６ａ２に取り付けられた弾性部材９の伸長状態が解除され、おむつ１の前後胴周り域２０，２２の端縁部とカフ６ａの自由側部６ａ２とに沿ってギャザーが形成されている。おむつ１は、その内面を内側にして縦方向へ湾曲し、カフ６ａの自由端部６ａ２に取り付けられた弾性部材９が収縮してカフ６ａの自由側部６ａ２がおむつ１の内面から起立している。
【００２３】
おむつ１は、テープファスナ１１の自由端部の内面に塗布された粘着剤（図示せず）を介して、ターゲットテープ１２にテープファスナ１１の自由端部を止着すると、左右一対の脚周り開口と、胴周り開口とが形成される（図示せず）。
【００２４】
図３，４は、図１とは異なる態様のおむつ１の部分破断斜視図と、図３のＢ−Ｂ線矢視断面図とである。おむつ１は、表面シート２と裏面シート３との間にコア４が介在し、前後胴周り域２０，２２と、前後胴周り域２０，２２との間に位置する股下域２１と、コア４の両側縁部４ａの外側に位置して縦方向へ延びるサイドフラップ５と、おむつ１の内面から起立性向を有する防漏カフ６ａとを有する点において図１のそれと同一である。
【００２５】
図３に示すおむつ１のサイドフラップ５は、表面シート２の両側部分２ａに固着されて縦方向へ延びる第１側部シート６と、表面シート２の両側部分２ａと裏面シート３の両側部分３ａとに固着されて縦方向へ延びる２枚の第２側部シート７ａ，７ｂとから形成されている。
【００２６】
第２側部シート７ａ，７ｂ各々は、互いに重なり合った状態でそれら第２側部シート７ａ，７ｂのシート面どうしが接着剤を介して間欠的に接合されている。第１側部シート６と第２側部シート７ａ，７ｂ各々との耐水圧は、１００〜１５００ｍｍの範囲、第１側部シート６と第２側部シート７ａ，７ｂ各々との通気抵抗は、０．０３〜０．８Ｋｐａ・ｓ／ｍの範囲にある。通気抵抗は、０．０５〜０．６Ｋｐａ・ｓ／ｍの範囲にあることが好ましい。
【００２７】
おむつ１では、サイドフラップ５を第１側部シート６と二枚の第２側部シート７ａ，７ｂとで形成しているので、サイドフラップ５における耐水圧と通気抵抗とは、第１側部シート６と第２側部シート７ａ，７ｂ各々とが有する耐水圧と通気抵抗との略三倍の値になる。おむつ１では、サイドフラップ５を第１側部シート６と一枚の第２側部シート７とで形成する場合と比較して通気性は低下するが、耐水性が向上するので、***物の***量が多い大人用のおむつ１に好適である。サイドフラップ５の第２側部シート７ａ，７ｂ各々が互いに重なり合っていても、一方の第２側部シートの剛性が他方の第２側部シートの剛性を増加させることはないので、サイドフラップ５においてその剛性が倍増することはない。
【００２８】
おむつ１では、図４に示すように、表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａがコア４の両側縁部４ａの外側近傍で終わり、第１側部シート６と第２側部シート７ａ，７ｂ各々とが表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａからさらに横方向外方へ延びている。第２側部シート７ａ，７ｂは、表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａの間に介在し、一方の第２側部シート７ａが表面シート２に接着剤を介して固着され、他方の第２側部シート７ｂが裏面シート３に接着剤を介して固着されている。第１側部シート６と第２側部シート７ａとは、互いに重なり合った状態でそれら側部シート６，７ａのシート面どうしが接着剤を介して間欠的に固着されている。
【００２９】
おむつ１には、防漏カフ６ａが形成されていなくてもよい。この場合は、第１側部シート６が表面シート２の両側部分２ａからおむつ１の横方向内方へ延びることなく、表面シート２の両側部分２ａで終わり、表面シート２の両側部分２ａに位置する第１側部シート６の部分が表面シート２の上面と下面とのいずれか一方に固着される。おむつ１では、サイドフラップ５が第１側部シート６と互いに重なり合う三枚以上の第２側部シートとから形成されていてもよい。
【００３０】
第１側部シート６と第２側部シート７，７ａ，７ｂとの耐水圧は、第１側部シート＞第２側部シートの関係にあることが好ましい。***物のうちの便には、タンパク質や脂質等の有機物が多く含まれているので、不織布に対する表面張力が小さい。また、不織布を形成する繊維がポリオレフィン系樹脂である場合、便中の有機物とポリオレフィン系樹脂とが親和性を有するので、便が不織布に滲入し易い。おむつ１は、第２側部シート７，７ａ，７ｂの耐水圧よりも第１側部シート６のそれを高くすることで、カフ６ａからサイドフラップ５の側へ便が滲出することを防止することができるとともに、サイドフラップ５において第１側部シート６から第２側部シート７，７ａ，７ｂへの便の滲出を防止することができる。
【００３１】
第１側部シート６と第２側部シート７，７ａ，７ｂとの通気抵抗は、カトーテック株式会社製の商品番号ＫＥＳ−Ｆ８を使用して測定した。通気抵抗の測定は、一つの試料に対して５回行い。５回の測定値の平均値を第１側部シート６と第２側部シート７，７ａ，７ｂとの通気抵抗とした。
【００３２】
表面シート２には、透液性の不織布や開孔プラスチックフィルム、好ましくは透液性であって親水性のシートが使用される。裏面シート３には、プラスチックフィルムの他に、疎水性の不織布とプラスチックフィルムとのラミネートシートを使用することができる。
【００３３】
不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンド等の不織布を使用することができる。また、高い耐水性を有するメルトブローン不織布の両面を高い強度を有しかつ柔軟性に富んだスパンボンド不織布で挟んだもの（ＳＭＳ不織布）を使用することもできる。ＳＭＳ不織布は、メルトブローン不織布をスパンボンド不織布で挟んだ後、プレス加工の技術を利用してメルトブローン不織布とスパンボンド不織布とを互いに固着して製造される。不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン／ポリプロピレンまたはポリエステルの複合繊維等を使用することができる。
【００３４】
コア４は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物であり、所要の厚みに圧縮され、全体がティシュペーパ等の透水性シート（図示せず）によって被覆されている。コア４の接合、弾性部材８，９，１０の取り付け、シート２，３，６，７，７ａ，７ｂどうしの固着には、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤の他に、熱溶着の技術を利用することができる。
【００３５】
【発明の効果】
本発明に係る使い捨ておむつは、熱可塑性合成樹脂繊維で形成された通気かつ液抵抗性不織布の第１側部シートと、第１側部シートよりも耐水圧が高い熱可塑性合成樹脂繊維で形成された通気かつ液抵抗性不織布の第２側部シート、という２種のシートを用い、カフを第１側部シートから形成し、サイドフラップを第１側部シートと二枚の第２側部シートの合計三枚のシートから形成したことによって、カフからサイドフラップ側への***物の滲出とサイドフラップからの***物の漏れとを防止するとともに、おむつ内の湿気をサイドフラップから外部へ逃がすことができる。
【００３６】
防漏カフを有するおむつでは、カフからの***物の漏れを防ぐことができるとともに、おむつ内の湿気をカフから外部へ逃がし、おむつ内の漏れを防ぐことができる。さらに、第１側部シートの耐水圧を第２側部シートのそれよりも高することで、カフからサイドフラップの側へ***物が滲出することを防止することができるとともに、サイドフラップにおいて第１側部シートから第２側部シートへの***物の滲出を防止することができる。
【００３７】
サイドフラップが第１側部シートと二枚以上の第２側部シートとから形成されているものは、サイドフラップが第１側部シートと一枚の第２側部シートとから形成されているものよりも耐水性を向上させることができ、***物の***量が多い大人用のおむつに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図１】使い捨ておむつの部分破断斜視図。
【図２】図１のＡ−Ａ線矢視断面図。
【図３】図１とは異なる態様のおむつの部分破断斜視図。
【図４】図３のＢ−Ｂ線矢視断面図
【符号の説明】
１ 使い捨ておむつ
２ 透液性表面シート
２ａ 両側部分
３ 不透液性裏面シート
３ａ 両側部分
４ 吸液性コア
４ａ 両側縁部
５ サイドフラップ
６ 第１側部シート
６ａ 防漏カフ
６ａ１ 固定側部
６ａ２ 自由端部
６ａ３ 固定端部
７ 第２側部シート
７ａ 第２側部シート
７ｂ 第２側部シート
【発明の属する技術分野】
本発明は、***された体液を吸収、保持する使い捨ておむつに関する。
【０００２】
【従来の技術】
使い捨ておむつの一例としては、透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、コアの両側縁部の外側に位置して縦方向へ延びるサイドフラップと、コアの両側縁部近傍に位置しておむつの内面から起立性向を有する防漏カフとを有するものがある。サイドフラップは、コアの両側縁部からおむつの横方向外方に位置して縦方向へ延びる裏面シートの両側部分と、カフの固定側部からおむつの横方向外方に位置して縦方向へ延びるカフの両側部分とから形成されている。サイドフラップでは、表面シートの両側部分がコアの両側縁部の外側近傍で終わり、表面シートの両側部分からさらに横方向外方へ裏面シートの両側部分とカフの両側部分とが延びている。そのようなおむつとしては、特開平８−２８９９０２号公報と特開平８−３２２８７６号公報とに開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
サイドフラップとカフとは着用者の脚周りを囲繞し、それらの一部は***物が漏れ易くかつ蒸れ易い着用者の股間に位置するので、***物の漏れとおむつ内の蒸れとを防ぐためにサイドフラップとカフとにおいて耐水性と通気性との両者を向上させることが好ましい。
【０００４】
裏面シートにプラスチックフィルムを使用する場合では、高い耐水性を得ることはできるが、通気性を得ることができない。プラスチックフィルムに微細な開孔を形成したとしても、おむつ内の蒸れを防ぐことができる程の通気性を得ることはできない。
【０００５】
裏面シートとカフとに不織布を使用する場合では、不織布を形成する合成樹脂繊維の単位面積当たりの坪量を多くして耐水性を向上させると、不織布における繊維密度が高くなって通気性が低下してしまう。不織布を形成する繊維の単位面積当たりの坪量を少なくして通気性を向上させると、不織布における繊維密度が低くなって耐水性が低下してしまう。
【０００６】
本発明の課題は、サイドフラップとカフとが最適な耐水圧と通気抵抗とを有し、サイドフラップとカフとにおいて高い耐水性と良好な通気性との両者を兼ね備えた使い捨ておむつを提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための本発明は、透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、前記コアの両側縁部から横方向外方に位置して縦方向へ延びるサイドフラップと前記コアの両側縁部から横方向内方に位置して縦方向へ延びる防漏カフとが形成された使い捨ておむつを改良することにある。
【０００８】
改良にかかる本発明の特徴は、前記サイドフラップが、前記コアの両側縁部近傍に位置する前記表面シートの両側部分に連接されて前記縦方向へ延びる通気かつ液抵抗性の第１側部シートと、前記表面シートの両側部分と前記コアの両側縁部近傍に位置する前記裏面シートの両側部分とのうちの少なくとも前記裏面シートの両側部分に連接されて前記第１側部シートの下面の側で前記縦方向へ延びる二枚の通気かつ液抵抗性の第２側部シートとから形成され、前記防漏カフが、前記第１側部シートから形成され、前記第１側部シートと前記第２側部シートとが、熱可塑性合成樹脂繊維で形成された不織布であり、前記第１側部シートの耐水圧が、前記第２側部シートのそれよりも高いことにある。
【０００９】
本発明の実施の態様の一例としては、前記第１側部シートが、前記表面シートの上面の側に位置して前記表面シートの両側部分から前記おむつの横方向内方へ延びて前記おむつの内面から起立性向を有する防漏カフを形成し、前記防漏カフが、前記表面シートの両側部分に固着されて前記縦方向へ延びる固定側部と、前記固定側部から前記横方向内方に位置して前記縦方向へ延びる自由側部と、前記横方向内方と前記横方向外方とのいずれか一方に倒伏された状態で前記おむつの縦方向両端部に固着された固定端部とを有し、前記自由側部が、前記縦方向へ弾性的な伸縮性を有する。
【００１０】
本発明の実施の態様の他の一例としては、前記第１側部シートと前記第２側部シートとがＳＭＳ不織布である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照して、本発明に係る使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１２】
図１，２は、使い捨ておむつ１の部分破断斜視図と、図１のＡ−Ａ線矢視断面図とである。おむつ１は、透液性表面シート２と、熱可塑性合成樹脂で形成されたプラスチックフィルム製の不透液性裏面シート３と、表面シート２と裏面シート３との間に介在し、それらシート２，３の少なくとも一方のシート面に接合された吸液性コア４とを主要な構成部材とする。おむつ１は、縦方向に前胴周り域２０と、後胴周り域２２と、前後胴周り域２０，２２との間に位置する股下域２１とを有し、コア４の両側縁部４ａの外側に位置して縦方向へ延びるサイドフラップ５と、おむつ１の内面から起立性向を有する防漏カフ６ａとを有する。
【００１３】
サイドフラップ５は、コア４の両側縁部４ａ近傍に位置する表面シート２の両側部分２ａに固着されて縦方向へ延びる第１側部シート６と、表面シート２の両側部分２ａとコア４の両側縁部４ａ近傍に位置する裏面シート３の両側部分３ａとに固着されて縦方向へ延びる第２側部シート７とから形成されている。サイドフラップ５では、第１側部シート６が表面シート２の上面の側に位置し、第２側部シート７が第１側部シート６の下面の側に位置している。第１側部シート６と第２側部シート７とは、熱可塑性合成樹脂繊維で形成された不織布製のものである。サイドフラップ５は、股下域２１においておむつ１の横方向内方へ弧を画いて延びている。ゆえに、おむつ１はその輪郭形状において砂時計型を呈する。サイドフラップ５では、縦方向へ延びる脚周り用弾性伸縮性部材８が第１側部シート６と第２側部シート７との間に介在し、第１側部シート６と第２側部シート７との少なくとも一方にのシート面に伸長状態で取り付けられている。
【００１４】
第１側部シート６は、表面シート２の両側部分２ａからおむつ１の横方向内方へ延びて防漏カフ６ａを形成している。防漏カフ６ａは、表面シート２の上面の両側部分２ａに接着剤を介して固着されて縦方向へ延びる固定側部６ａ１と、固定側部６ａ１から横方向内方に位置して縦方向へ延びる自由側部６ａ２と、おむつ１の前後胴周り域２０，２２に位置し、おむつ１の横方向内方へ倒伏された状態で表面シート２の上面に固着された固定端部６ａ３とを有する。防漏カフ６ａの自由側部６ａ２には、縦方向へ延びる弾性伸縮性部材９が自由側部６ａ２の一部に被覆された状態で伸長下に取り付けられている。
【００１５】
第１側部シート６と第２側部シート７とは、それら側部シート６，７各々の耐水圧が１００〜１５００ｍｍの範囲、それら側部シート６，７各々の通気抵抗が０．０３〜０．８Ｋｐａ・ｓ／ｍの範囲にある。通気抵抗は、０．０５〜０．６Ｋｐａ・ｓ／ｍの範囲にあることが好ましい。
【００１６】
側部シート６，７各々の耐水圧を高くするための一例としては、不織布を形成する合成樹脂繊維の単位面積当たりの坪量を増やし、かつ、繊維どうしの間隙を小さくすることが考えられる。通気抵抗を低くするための一例としては、不織布を形成する繊維の単位面積当たりの坪量を減らし、かつ、繊維どうしの間隙を大きくすることが考えられる。このように、耐水圧を高くすることと通気抵抗を低くすることとは互いに相反する関係にある。しかし、おむつ１は、第１側部シート６と第２側部シート７との耐水圧と通気抵抗とが上記範囲にあるので、耐水性と通気性とのいずれか一方を低下させることなく、サイドフラップ５とカフ６ａとにおいて高い耐水性と良好な通気性との両者を兼ね備えることができる。
【００１７】
側部シート６，７各々の耐水圧が１００ｍｍ未満の場合は、***物がそれら側部シート６，７から滲出しておむつ１の外側へ漏れてしまうことがある。側部シート６，７各々の耐水圧が１５００ｍｍを超過する場合は、側部シート６，７を形成する繊維の単位面積当たりの坪量が多くなって不織布における繊維密度が増加し、通気性が低下するとともに、側部シート６，７の剛性が増加してサイドフラップ５とカフ６ａとが着用者の股間に当接したときに不快感を与える。
【００１８】
側部シート６，７各々の通気抵抗が０．０３Ｋｐａ・ｓ／ｍ未満の場合は、側部シート６，７を形成する繊維の単位面積当たりの坪量が少なくなり、側部シート６，７の耐水性が低下するとともに、側部シート６，７が弱化して破損することがある。側部シート６，７各々の通気抵抗が０．８Ｋｐａ・ｓ／ｍを超過する場合は、側部シート６，７を形成する繊維の単位面積当たりの坪量が多くなり、通気性が低下しておむつ１内の湿気をサイドフラップ５とカフ６ａとから外部へ逃がすことができず蒸れを防ぐことができない。
【００１９】
サイドフラップ５では、第１側部シート６と第２側部シート７とが互いに重なり合っているので、サイドフラップ５の耐水圧と通気抵抗とはそれら側部シート６，７が有する耐水圧と通気抵抗との略二倍の値になる。サイドフラップ５では、第１側部シート６と第２側部シート７とが重なり合っていても、一方の側部シートの剛性が他方の側部シートの剛性を増加させることはないので、サイドフラップ５においてその剛性が倍増することはない。
【００２０】
サイドフラップ５では、図２に示すように、表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａがコア４の両側縁部４ａの外側近傍で終わり、表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａからさらに横方向外方へ第１側部シート６と第２側部シート７とが延びている。第２側部シート７は、その一部が表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａの間に介在し、表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａに接着剤を介して固着されている。第１側部シート６と第２側部シート７とは、互いに重なり合った状態でそれら側部シート６，７のシート面どうしが接着剤を介して間欠的に固着されている。おむつ１には、カフ６ａと表面シート２とがおむつ１の横方向内方へ向かって開口するポケットＰを形成している。第２側部シート７は、裏面シート３の下面の側に位置して第２側部シート７の一部が裏面シート３の両側部分３に固着されていてもよい。
【００２１】
おむつ１の前後胴周り域２０，２２には、前後胴周り域２０，２２の端縁部に沿って、横方向へ延びるフィルム状の胴周り用弾性伸縮性部材１０が表面シート２と裏面シート３との間に介在し、表面シート２と裏面シート３とのうちの少なくとも一方のシート面に伸長状態で取り付けられている。後胴周り域２２に位置するサイドフラップ５には、横方向内方へ延びるテープファスナ１１の基端部が取り付けられている。おむつ１の前胴周り域２０には、テープファスナ１１の止着域となる矩形のターゲットテープ１２が裏面シート３のシート面に取り付けられている。
【００２２】
図１では、脚周り用弾性部材８と胴周り用弾性部材１０とカフ６ａの自由側部６ａ２に取り付けられた弾性部材９の伸長状態が解除され、おむつ１の前後胴周り域２０，２２の端縁部とカフ６ａの自由側部６ａ２とに沿ってギャザーが形成されている。おむつ１は、その内面を内側にして縦方向へ湾曲し、カフ６ａの自由端部６ａ２に取り付けられた弾性部材９が収縮してカフ６ａの自由側部６ａ２がおむつ１の内面から起立している。
【００２３】
おむつ１は、テープファスナ１１の自由端部の内面に塗布された粘着剤（図示せず）を介して、ターゲットテープ１２にテープファスナ１１の自由端部を止着すると、左右一対の脚周り開口と、胴周り開口とが形成される（図示せず）。
【００２４】
図３，４は、図１とは異なる態様のおむつ１の部分破断斜視図と、図３のＢ−Ｂ線矢視断面図とである。おむつ１は、表面シート２と裏面シート３との間にコア４が介在し、前後胴周り域２０，２２と、前後胴周り域２０，２２との間に位置する股下域２１と、コア４の両側縁部４ａの外側に位置して縦方向へ延びるサイドフラップ５と、おむつ１の内面から起立性向を有する防漏カフ６ａとを有する点において図１のそれと同一である。
【００２５】
図３に示すおむつ１のサイドフラップ５は、表面シート２の両側部分２ａに固着されて縦方向へ延びる第１側部シート６と、表面シート２の両側部分２ａと裏面シート３の両側部分３ａとに固着されて縦方向へ延びる２枚の第２側部シート７ａ，７ｂとから形成されている。
【００２６】
第２側部シート７ａ，７ｂ各々は、互いに重なり合った状態でそれら第２側部シート７ａ，７ｂのシート面どうしが接着剤を介して間欠的に接合されている。第１側部シート６と第２側部シート７ａ，７ｂ各々との耐水圧は、１００〜１５００ｍｍの範囲、第１側部シート６と第２側部シート７ａ，７ｂ各々との通気抵抗は、０．０３〜０．８Ｋｐａ・ｓ／ｍの範囲にある。通気抵抗は、０．０５〜０．６Ｋｐａ・ｓ／ｍの範囲にあることが好ましい。
【００２７】
おむつ１では、サイドフラップ５を第１側部シート６と二枚の第２側部シート７ａ，７ｂとで形成しているので、サイドフラップ５における耐水圧と通気抵抗とは、第１側部シート６と第２側部シート７ａ，７ｂ各々とが有する耐水圧と通気抵抗との略三倍の値になる。おむつ１では、サイドフラップ５を第１側部シート６と一枚の第２側部シート７とで形成する場合と比較して通気性は低下するが、耐水性が向上するので、***物の***量が多い大人用のおむつ１に好適である。サイドフラップ５の第２側部シート７ａ，７ｂ各々が互いに重なり合っていても、一方の第２側部シートの剛性が他方の第２側部シートの剛性を増加させることはないので、サイドフラップ５においてその剛性が倍増することはない。
【００２８】
おむつ１では、図４に示すように、表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａがコア４の両側縁部４ａの外側近傍で終わり、第１側部シート６と第２側部シート７ａ，７ｂ各々とが表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａからさらに横方向外方へ延びている。第２側部シート７ａ，７ｂは、表面シート２と裏面シート３との両側部分２ａ，３ａの間に介在し、一方の第２側部シート７ａが表面シート２に接着剤を介して固着され、他方の第２側部シート７ｂが裏面シート３に接着剤を介して固着されている。第１側部シート６と第２側部シート７ａとは、互いに重なり合った状態でそれら側部シート６，７ａのシート面どうしが接着剤を介して間欠的に固着されている。
【００２９】
おむつ１には、防漏カフ６ａが形成されていなくてもよい。この場合は、第１側部シート６が表面シート２の両側部分２ａからおむつ１の横方向内方へ延びることなく、表面シート２の両側部分２ａで終わり、表面シート２の両側部分２ａに位置する第１側部シート６の部分が表面シート２の上面と下面とのいずれか一方に固着される。おむつ１では、サイドフラップ５が第１側部シート６と互いに重なり合う三枚以上の第２側部シートとから形成されていてもよい。
【００３０】
第１側部シート６と第２側部シート７，７ａ，７ｂとの耐水圧は、第１側部シート＞第２側部シートの関係にあることが好ましい。***物のうちの便には、タンパク質や脂質等の有機物が多く含まれているので、不織布に対する表面張力が小さい。また、不織布を形成する繊維がポリオレフィン系樹脂である場合、便中の有機物とポリオレフィン系樹脂とが親和性を有するので、便が不織布に滲入し易い。おむつ１は、第２側部シート７，７ａ，７ｂの耐水圧よりも第１側部シート６のそれを高くすることで、カフ６ａからサイドフラップ５の側へ便が滲出することを防止することができるとともに、サイドフラップ５において第１側部シート６から第２側部シート７，７ａ，７ｂへの便の滲出を防止することができる。
【００３１】
第１側部シート６と第２側部シート７，７ａ，７ｂとの通気抵抗は、カトーテック株式会社製の商品番号ＫＥＳ−Ｆ８を使用して測定した。通気抵抗の測定は、一つの試料に対して５回行い。５回の測定値の平均値を第１側部シート６と第２側部シート７，７ａ，７ｂとの通気抵抗とした。
【００３２】
表面シート２には、透液性の不織布や開孔プラスチックフィルム、好ましくは透液性であって親水性のシートが使用される。裏面シート３には、プラスチックフィルムの他に、疎水性の不織布とプラスチックフィルムとのラミネートシートを使用することができる。
【００３３】
不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンド等の不織布を使用することができる。また、高い耐水性を有するメルトブローン不織布の両面を高い強度を有しかつ柔軟性に富んだスパンボンド不織布で挟んだもの（ＳＭＳ不織布）を使用することもできる。ＳＭＳ不織布は、メルトブローン不織布をスパンボンド不織布で挟んだ後、プレス加工の技術を利用してメルトブローン不織布とスパンボンド不織布とを互いに固着して製造される。不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン／ポリプロピレンまたはポリエステルの複合繊維等を使用することができる。
【００３４】
コア４は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物であり、所要の厚みに圧縮され、全体がティシュペーパ等の透水性シート（図示せず）によって被覆されている。コア４の接合、弾性部材８，９，１０の取り付け、シート２，３，６，７，７ａ，７ｂどうしの固着には、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤の他に、熱溶着の技術を利用することができる。
【００３５】
【発明の効果】
本発明に係る使い捨ておむつは、熱可塑性合成樹脂繊維で形成された通気かつ液抵抗性不織布の第１側部シートと、第１側部シートよりも耐水圧が高い熱可塑性合成樹脂繊維で形成された通気かつ液抵抗性不織布の第２側部シート、という２種のシートを用い、カフを第１側部シートから形成し、サイドフラップを第１側部シートと二枚の第２側部シートの合計三枚のシートから形成したことによって、カフからサイドフラップ側への***物の滲出とサイドフラップからの***物の漏れとを防止するとともに、おむつ内の湿気をサイドフラップから外部へ逃がすことができる。
【００３６】
防漏カフを有するおむつでは、カフからの***物の漏れを防ぐことができるとともに、おむつ内の湿気をカフから外部へ逃がし、おむつ内の漏れを防ぐことができる。さらに、第１側部シートの耐水圧を第２側部シートのそれよりも高することで、カフからサイドフラップの側へ***物が滲出することを防止することができるとともに、サイドフラップにおいて第１側部シートから第２側部シートへの***物の滲出を防止することができる。
【００３７】
サイドフラップが第１側部シートと二枚以上の第２側部シートとから形成されているものは、サイドフラップが第１側部シートと一枚の第２側部シートとから形成されているものよりも耐水性を向上させることができ、***物の***量が多い大人用のおむつに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図１】使い捨ておむつの部分破断斜視図。
【図２】図１のＡ−Ａ線矢視断面図。
【図３】図１とは異なる態様のおむつの部分破断斜視図。
【図４】図３のＢ−Ｂ線矢視断面図
【符号の説明】
１ 使い捨ておむつ
２ 透液性表面シート
２ａ 両側部分
３ 不透液性裏面シート
３ａ 両側部分
４ 吸液性コア
４ａ 両側縁部
５ サイドフラップ
６ 第１側部シート
６ａ 防漏カフ
６ａ１ 固定側部
６ａ２ 自由端部
６ａ３ 固定端部
７ 第２側部シート
７ａ 第２側部シート
７ｂ 第２側部シート
Claims (3)
- 透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、前記コアの両側縁部から横方向外方に位置して縦方向へ延びるサイドフラップと前記コアの両側縁部から横方向内方に位置して縦方向へ延びる防漏カフとが形成された使い捨ておむつにおいて、
前記サイドフラップが、前記コアの両側縁部近傍に位置する前記表面シートの両側部分に連接されて前記縦方向へ延びる通気かつ液抵抗性の第１側部シートと、前記表面シートの両側部分と前記コアの両側縁部近傍に位置する前記裏面シートの両側部分とのうちの少なくとも前記裏面シートの両側部分に連接されて前記第１側部シートの下面の側で前記縦方向へ延びる二枚の通気かつ液抵抗性の第２側部シートとから形成され、
前記防漏カフが、前記第１側部シートから形成され、
前記第１側部シートと前記第２側部シートとが、熱可塑性合成樹脂繊維で形成された不織布であり、前記第１側部シートの耐水圧が、前記第２側部シートのそれよりも高いことを特徴とする前記おむつ。 - 前記第１側部シートが、前記表面シートの上面の側に位置して前記表面シートの両側部分から前記おむつの横方向内方へ延びて前記おむつの内面から起立性向を有する防漏カフを形成し、前記防漏カフが、前記表面シートの両側部分に固着されて前記縦方向へ延びる固定側部と、前記固定側部から前記横方向内方に位置して前記縦方向へ延びる自由側部と、前記横方向内方と前記横方向外方とのいずれか一方に倒伏された状態で前記おむつの縦方向両端部に固着された固定端部とを有し、前記自由側部が、前記縦方向へ弾性的な伸縮性を有する請求項１記載のおむつ。
- 前記第１側部シートと前記第２側部シートとがＳＭＳ不織布である請求項１または請求項２記載のおむつ。
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