JP3549159B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を選択的に飛翔させて記録媒体に文字や画像を記録するようにしたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置に用いられるインクには、水性インク、油性インク、溶剤インク等がある。このような各種のインクは、それらのインクを付着させて記録する記録媒体の種類やインクジェット記録装置における定着メカニズムの種類等を考慮して適宜選択される。
【0003】
水性インクや油性インクは、一般的に、水分を吸収する記録媒体に用いられる点で共通する。その反面、水性インクと油性インクとは、その定着メカニズムがそれぞれ異なる。定着時、水性インクの方は、溶媒の蒸発と記録媒体への浸透との両方の作用によって定着がなされるのに対して、油性インクの方は、専ら記録媒体への浸透によって定着がなされる傾向が支配的である。もっとも、いずれの種類のインクも、記録媒体への浸透によって定着がなされる点では共通しているために、水性インクと油性インクとのいずれもが、水分を吸収しにくい記録媒体に対する定着が非常に困難である。
【0004】
そこで、従来、水分を吸収しにくい記録媒体に対しては、これまで溶剤インクが多く用いられてきた。しかしながら、溶剤インクは、溶剤の蒸発に伴い定着が行なわれることから、溶剤の蒸発に伴い発生した揮発性有機化合物を回収するシステムが必要となる。
【0005】
しかも、溶剤インクは揮発性が高く、オリフィスプレートに形成されたインクノズルにおいて溶剤の蒸発乾燥による目詰まりの発生頻度が高く、しばしば不吐出が発生し、スピットやパージといったメンテナンスを頻繁に行なう必要がある。
【0006】
このようなことから、近年、UVインク(紫外線硬化型インク)に代表されるような電磁輻射線硬化型のインクの使用が注目されている。一例としてUVインクについて説明すると、UVインクは、光重合性オリゴマー、光重合成モノマー、光重合開始剤、有機又は無機の顔料からなる色材等を主要な組成とする。このようなUVインクは、紫外線照射によって光重合開始剤からラジカルが発生し、反応性モノマーやオリゴマーを攻撃し活性化させる。その後、活性化した反応性モノマーやオリゴマー同士が反応し高分子化され、これによって記録媒体に定着される。このため、水分を吸収しにくい記録媒体に対しても、確実な定着が得られる。
【0007】
また、紫外線照射によるUVインクの反応は、非常に短時間で行われ、揮発性有機化合物を発生させることもない。
【0008】
さらには、揮発性が非常に低く、溶剤インクで問題となるオリフィスプレートに形成されたインクノズルでの蒸発乾燥による目詰まりも非常に少ない。
【0009】
このようなUVインクの優れた定着メカニズム、低揮発性、インクの低粘度化が評価され、近年においては、水分を吸収しにくい記録媒体に対してUVインクを使ったインクジェット記録方式の需要が高まっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
UVインクは、水性インクや油性インクとは異なり、インクジエット記録ヘッドから吐出されたインクが記録媒体に付着後、所定のタイミングで紫外線を照射することにより、インクを増粘または硬化させて記録媒体への浸透や横への広がりを制御することが可能であり、所望の定着条件(画像品質)を実現できる特性を有している。
【0011】
しかしながら、画像濃度、インクの記録媒体への定着性、残留未硬化インクの低減化(臭気の低減)を満足するための所定条件、つまりインクを記録媒体に着弾させてから紫外線を照射してインクを硬化・定着させるためのタイミング設定は、インク物性(粘度、表面張力等)や記録媒体の種類(特性)によって変動幅が大きく、所望の条件設定を確実に行なうことが困難であるという問題がある。
【0012】
このため、電磁輻射線硬化型のインク、例えばUVインクに電磁輻射線である紫外線を照射して硬化させて記録媒体に画像形成を行なう場合には、所望の画像濃度が得られない、定着性が悪く剥離し易い、画像形成後の記録媒体から臭気が発生する、というような各種の不都合が発生し易く、その管理が極めて困難である。
【0013】
本発明の目的は、インクを記録媒体に着弾させてから紫外線を照射してインクを硬化・定着させるためのタイミング設定を容易にすることである。
【0014】
本発明の目的は、電磁輻射線硬化型のインク、例えばUVインクを用いて記録媒体に画像形成を行なった場合に、所望の画像濃度を得ることである。
【0015】
本発明の目的は、電磁輻射線硬化型のインク、例えばUVインクを用いて記録媒体に画像形成を行なった場合に、記録媒体に対するインクの定着性を良好にすることである。
【0016】
本発明の目的は、電磁輻射線硬化型のインク、例えばUVインクを用いて記録媒体に画像形成を行なった場合に、画像形成後の記録媒体から臭気が発生しないようにすることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、インク滴を選択的に飛翔させるインクジェット記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させるインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体に付着した電磁輻射線硬化型のインクに電磁輻射線を照射してインクを硬化させる電磁輻射線照射部と、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体にインクが付着してからこのインクに前記電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を、前記記録媒体にインクが浸透する最適な浸透量Vxについて、
Vr≦Vx≦0.7Vmax
但し、
Vr:ブリストー法で定義されている粗さ指数
Vx:媒体表面凹凸充填インク量と記録媒体への浸透量とを加算した量
Vmax:記録媒体に付着したインク滴の量
の関係を満たすように可変調節する電磁輻射線照射時間制御手段と、を具備する。ここで、Vrである「ブリストー法で定義されている粗さ指数」は、インクが記録媒体を濡らすまでの間に記録媒体表面の凹凸に入り込むインク量であって、ブリストー法によって測定された量を意味する。このような用語の解釈は、本明細書の全体を通じて共通である。
【0018】
請求項2記載の発明は、インク滴を選択的に飛翔させるインクジェット記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させるインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体に付着した電磁輻射線硬化型のインクに電磁輻射線を照射してインクを硬化させる電磁輻射線照射部と、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体にインクが付着してからこのインクに前記電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を、前記記録媒体にインクが浸透する最適な浸透量Vxについて、
Vr≦Vx≦0.3Vmax
但し、
Vr:ブリストー法で定義されている粗さ指数
Vx:媒体表面凹凸充填インク量と記録媒体への浸透量とを加算した量
Vmax:記録媒体に付着したインク滴の量
の関係を満たすように可変調節する電磁輻射線照射時間制御手段と、を具備する。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のインクジェット記録装置において、電磁輻射線照射時間制御手段は、インクジェット記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な移動方向に前記インクジェット記録ヘッドと前記電磁輻射線照射部とを相対的に移動させる移動機構を含み、この移動機構によって前記インクジェット記録ヘッドと前記電磁輻射線照射部との間の相対的距離を調整する。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置において、前記記録媒体を搬送して前記インクジェット記録ヘッド及び前記電磁輻射線照射部と前記記録媒体とを相対的に移動させる記録媒体移動機構を備え、電磁輻射線照射時間制御手段は、前記記録媒体移動機構による前記電磁輻射線照射部に対する前記記録媒体の移動速度を可変させてインクに前記電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を可変するようにした。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載のインクジェット記録装置において、前記電磁輻射線硬化型のインクは、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型のインクである。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4又は5記載のインクジェット記録装置において、前記電磁輻射線硬化型のインクは、粘度を下げる成分を含有する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
ここでは、まず、本実施の形態における発明の原理について説明した後、実施の形態の詳細を説明する。
【0025】
1.発明の原理
この出願の発明者は、電磁輻射線硬化型のインク、例えばUVインクに電磁輻射線である紫外線を照射して硬化させて記録媒体に画像形成を行なう場合、所望の画像濃度が得られないことがあったり、定着性が劣化したり、画像形成後の記録媒体から臭気が発生したりすることがあるという問題に対して、その解決に向けて各種のアプローチを試みた。
【0026】
図1は、図示しないインクジェット記録ヘッドから吐出されたインク滴が記録媒体に向けて飛翔した後、記録媒体に着弾し、記録媒体に浸透する様子を時間の流れで示す模式図である。
【0027】
図1に示すように、記録媒体1に向けて飛翔したインク滴IKDは、記録媒体1に着弾後、徐々に浸透し、最終的にその全てが記録媒体1に浸透する。このような過程で、インクIKとして電磁輻射線硬化型のインク、例えばUVインク(紫外線硬化型のインク)が用いられるとすると、そのインクIKは、記録媒体1に着弾した後、紫外線照射されることで硬化し、記録媒体1に定着される。
【0028】
本出願の発明者は、図1中、インクIKが記録媒体1に着弾した後、記録媒体1に100%浸透する間のどのタイミングで紫外線照射をすればよい結果が得られるかを知るために、ブリストー法を用いた液体吸湿法試験を試みた。
【0029】
<ブリストー法について>
図2は、ブリストー法による液体吸収性試験の方法を説明するための模式図、図3は、ブリストー法による液体吸収性試験ヘッドボックスを説明するための模式図である。
【0030】
ブリストー法というのは、紙パルプ技術協会の規格であるJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−81の紙及び板紙の液体吸収性試験方法のことである。ブリストー法による測定は、図2に示すように、ヘッドボックス11に予め決められた液体、この場合にはインクIKを収容し、収容されたインクIKを回転可能なドラム12の周囲に貼り付けた記録媒体1に転移させ、その転移量を求めることによって行なう。発明者が実施したブリストー法では、ドラム12の回転速度を変化させることで、接触時間0.004〜2秒の間の記録媒体1に対するインクIKの転移量を測定することが可能となっている。
【0031】
ヘッドボックス11は、図3に示すように、1mm幅のスリット13が15mmの長さで形成された構造のものである。ヘッドボックス11に収容されたインクIKは、そのスリット13を通って外部に流出し、ドラム12の周囲に貼り付けられた記録媒体1に転移する。
【0032】
図4は、ブリストー法による液体吸収性試験における記録媒体に対するインクの接触時間と記録媒体に対するインクの転移量(浸透量、吸収量)との関係を示すグラフである。このグラフは、一般的に、吸収曲線と称されており、横軸は接触時間を表わし、スケールを時間の平方根で表わしている。そして、吸収曲線であるグラフの傾きは吸収係数(Ka)となる。また、接触時間0秒時のインク転移量を粗さ指数(Vr)と呼び、これは紙表面の凹凸に入るインクの量を表わしている。すなわち、この紙表面の凹凸に入るインクの量というのは、図1(濡れ詳細図)を参照してインク滴IKDが記録媒体1に着弾することを考えた場合、インクIKが記録媒体1の表面に着弾し濡れるまでの間、図1(濡れ詳細図)に示すような記録媒体1の表面の僅かな凹凸に入るインクIKの量に相当することになる。ブリストー法を実施すると、記録媒体1に対するインクIKの接触初期には、記録媒体1に対してインクIKの吸収が発生しない時間(Tw)があり、この部分をインク濡れ時間と呼んでいる。これは、記録媒体1がインクIKによって濡れるのに要する時間である。
【0033】
ここで、図4のグラフは、
V=Vr+Ka√(T−Tw)
で表わされる。ここに、
V:転移量
Vr:粗さ指数
Ka:吸収係数
T:吸収時間
Tw:濡れ時間
をそれぞれ示している。インク吸収係数(Ka)は記録媒体1表面の状態、インクIKの物性、インクIK及び記録媒体1の濡れ性によって決定され、Kaが大きいほど記録媒体1に対するインクIKの浸透速度が速く、小さいほど浸透速度が遅いと判断される。
【0034】
<画像濃度について>
図5は、インクIKの記録媒体1への浸透量と記録媒体1に形成された画像の画像濃度との関係を示すグラフである。浸透量は、ブリストー法にいう転移量を意味する。
【0035】
本出願の発明者は、10%〜100%までの間における10%間隔での記録媒体1への浸透状態を示す未硬化のインクIKに紫外線を照射して硬化させ、そのインク濃度を調べた。その結果、図5のグラフから明らかなように、記録媒体1に対するインクIKの浸透量が70%以下である場合には画像濃度が100%の状態が維持される反面、浸透量が70%を超えると画像濃度が低下し、浸透量が100%では画像濃度が40%程度まで低下してしまうことが判明した。
【0036】
したがって、図5に示す結果から、良好な画像濃度を維持する上では、記録媒体1に対するインクIKの浸透量を70%以下とする必要があることが分る。
【0037】
<定着性について>
図6は、JISが規定するクロスカット法による剥離評価基準を説明するための模式図、図7は、インクIKの記録媒体1への浸透量と記録媒体1に形成された画像の定着性との関係を示すグラフである。
【0038】
インク硬化膜の定着性については、JISが規定するクロスカット法(JISK 5600−5−6)による塗膜の機械的性質である付着性試験を参考に評価を行った。つまり、記録媒体1上に塗布されて硬化したインク硬化膜に対して、インク硬化膜のみ傷つくよう、カッターナイフを用いて約1mm間隔で碁盤目状にスクラッチを入れる。このとき、スクラッチが記録媒体1まで達しないようにする。そして、粘着テープを対象物に密着するように貼り付け、その後、貼り付けた粘着テープをゆっくりと対象物面に対して約45°の方向に引っ張りながら剥離し、粘着テープ側及び記録媒体1側の双方の状態を評価した。この際、粘着テープとしては、3M製ScotchクリアテープCP−18を用いた。このようなクロスカット法では、図6に例示するように、0〜5までの6段階評価を行なう。
【0039】
本出願の発明者は、10%〜70%までの間における10%間隔での記録媒体1への浸透状態を示す未硬化のインクIKに紫外線を照射して硬化させ、その定着性をクロスカット法によって評価した。その結果は、図7に示すように、浸透量が10%〜40%の場合には定着性評価が2、つまり、クロスカット法にいう分類2に相当し、浸透量が50%〜70%の場合には定着性評価が1、つまり、クロスカット法にいう分類1に相当することが分った。
【0040】
ここで、図6に示すように、定着性評価(クロスカット法分類)1、2共、実用上問題がないレベルであることから、浸透量が10%〜70%の範囲で不都合がない密着性が得られることが分る。
【0041】
<臭気について>
表1は、インクの記録媒体への浸透量と画像が形成された記録媒体の臭気に関する官能臭気判定の結果との関係を示している。
【0042】
【表1】
Figure 0003549159
【0043】
本出願の発明者は、0%〜100%までの間における10%間隔での記録媒体1への浸透状態を示す未硬化のインクIKに紫外線を照射して硬化させ、記録媒体1の臭気を評価した。評価方法としては、インクIKを硬化させて定着させた記録媒体1を24時間放置した後の匂いを複数人に嗅いでもらい、
○:臭気が気にならない
△:臭気がやや気になる
×:臭気が気になる
の三段階で評価する、という臭気官能評価による。
【0044】
ここで、図1に示すように、インクIKがUVインク等のような電磁輻射線硬化型インクである場合には、記録媒体1に浸透するインクIKに対して紫外線(電磁輻射線)を照射すると、インクIKの表面だけが硬化し、インクIKの記録媒体1に浸透した領域まで硬化させることは困難である。このため、記録媒体1に対する浸透量が増加するほど、インクIK中の未硬化残存領域が多くなってしまう。そこで、このようなインクIK中の未硬化残存領域では、インクIKに含まれているモノマーが臭気を発する。
【0045】
このような理由から、記録媒体1に対するインクIKの浸透量が30%以下であると、臭気が気にならない(○)という評価が得られる反面、浸透量が40%になると臭気がやや気になる(△)という評価となり、浸透量が50%を超えると臭気が気になる(×)という評価となってしまう。
【0046】
したがって、表1に示す結果から、記録済みの記録媒体1において臭気を抑制するためには、記録媒体1に対するインクIKの浸透量を30%以下とする必要があることが分る。
【0047】
<吸収係数Kaについて>
図8は、吸収係数と円形度係数との関係を示すグラフである。
【0048】
本出願の発明者は、前述したブリストー法における吸収曲線であるグラフの傾き吸収係数Kaについて、吸収係数KaとインクIKにより形成されるドットの真円度との関係を調べてみた。
【0049】
そのために、発明者は、任意に抽出したサンプル20種類の組み合わせでフェザリングの試験を行なった。まず、フェザリングを調べるために、記録媒体1にドット画像を作成した。この画像は、暫定的にインクが記録媒体1に若干浸透する程度のタイミング、具体的には、インクIKが記録媒体1に着弾してから紫外線を照射してインクIKを硬化させるまでの時間を2秒に設定して実験した。そして、こうして作成したドット画像を王子計測機械社製のドットアナライザー(画像評価装置)で測定し、円形度係数を求めた。測定は、10個のドットを測定して平均をとり、円形度係数をフェザリングの良否判定のための数値として用いた。
【0050】
ここで、円形度係数というのは、ドットの面積と周囲長との値から導かれる数値であり、
円形度係数=4π×ドット面積/(ドットの周囲長)
を意味し、この円形度係数が1に近いほど真円性が高く、1より小さくなるほど真円性に欠け、フェザリングによって円の変形度合が大きいと判断することができる。このような結果に基づく良否の判断基準としては、0.7以上でフェザリングが少ないと評価し得る。そこで、図8にグラフより、0.7以上は吸収係数Kaが0〜1.0(ml/m )√(ms)の範囲に相当することが分る。
【0051】
したがって、図8に示す結果から、吸収係数Kaが0〜1.0(m/m )√msの範囲となるような記録媒体1及びインクIKの組み合わせを選定することが望ましいことが分る。
【0052】
<記録媒体1にインクIKが浸透する最適な浸透量>
本出願の発明者は、以上の実験結果より、記録媒体1にインクIKが浸透する最適な浸透量を想定した。この最適な浸透量をVxとすると、最適な浸透量Vxは、
Vr≦Vx≦0.7Vmax …(1)
あるいは、
Vr≦Vx≦0.3Vmax …(2)
の関係を満たす値であることが望ましい(図4のグラフ参照)。
【0053】
上記(1)式及び(2)式中、Vrは、図1(濡れ詳細図)を参照してインク滴IKDが記録媒体1に着弾することを考えた場合、インクIKが記録媒体1の表面に着弾し濡れるまでの間、図1(濡れ詳細図)に示すような記録媒体1の表面の凹凸に入るインクIKの量(粗さ指数)を意味する。ブリストー法では、記録媒体1に対するインクIKの接触初期には、記録媒体1に対してインクIKの吸収が発生しない時間(Tw)があり、これは、記録媒体1がインクIKによって濡れるのに要する時間である。この部分はインク濡れ時間と呼ばれている。上記(1)式及び(2)式では、この触れ時間の間、記録媒体1の表面の凹凸に入り込んだインクIKの量を粗さ指数として定義している。
【0054】
上記(1)式及び(2)式中、Vmaxは、記録媒体1に付着したインク滴IKDの量を定義している。つまり、インク滴IKDが全て記録媒体1に浸透した場合の単位面積当りの浸透量である。ここで、
X:解像度(Xdpi)
v:インク液IKDの量(v pl)
とした場合の単位面積当りのインク量V(ml/m )は、
V=v×10−9/{(25400/X)×10−6
となり、例えば、v=14plの場合、Vは約7.8ml/m となる。したがって、この場合のVmaxも、約7.8ml/m となる。
【0055】
ここで、上記(1)式は、画像濃度の問題を解決し得る最適な浸透量Vxを定義し、上記(2)式は、画像濃度だけでなく、臭気の問題をも解決し得る最適な浸透量Vxを定義する。
【0056】
2.実施の形態
図9は、インクジェット記録装置の側面図、図10は、その斜視図である。
【0057】
記録媒体101を搬送する搬送ベルト構造の媒体搬送部102が設けられ、この媒体搬送部102に記録媒体101を供給する媒体供給部103が設けられている。そして、媒体搬送部102が記録媒体101を搬送する媒体搬送路104には、媒体供給部103に近い方から順に、インクジェット記録ヘッド105、電磁輻射線照射部としての紫外線照射装置106が配置されている。
【0058】
媒体搬送部102は、記録媒体移動機構を構成し、駆動ローラ107と従動ローラ108との間に搬送ベルト109が掛け渡され、図示しない駆動原から動力を得て回転駆動される駆動ローラ107の回転によって搬送ベルト109を転動させ、これによって搬送ベルト109上に位置する記録媒体101を搬送する構造のものである。
【0059】
媒体供給部103は、複数枚の記録媒体101を積層して収納し、最上位に位置する記録媒体1を媒体搬送部10に向けてピックアップ給送する構造のものである。
【0060】
インクジェット記録ヘッド105は、直線上に配列された図示しない複数個のノズルから選択的に紫外線硬化型のインクによるインク滴を吐出させて飛翔させる構造のライン型のヘッドである。本実施の形態においては、インクを吐出して飛翔させるためのメカニズムに関しては、その種類を問わない。このようなインクジェット記録ヘッド105は、そのインク吐出側の端部を媒体搬送路104に対面させて配置されている。
【0061】
紫外線照射装置106は、水銀ランプやメタルハライドランプ等のような紫外線ランプによるバルブ110からの発光光を直接的及び反射板111で反射して媒体搬送路104上を搬送される記録媒体101に照射する構造のものである。紫外線照射装置106は、電磁輻射線照射部の一態様であり、本実施の形態において紫外線を照射する紫外線照射装置106を電磁輻射線照射部として用いているのは、本実施の形態のインクジェット記録ヘッド105がインクとして紫外線硬化型のインクを用い、これを記録媒体101に向けて吐出するからである。
【0062】
また、図10に示すように、紫外線照射装置106では、バルブ110及び反射板111の部分が紫外線照射ユニット112として構築され、この紫外線照射ユニット112は、記録媒体101の媒体搬送路104に沿わせて配置された一対のレール113にスライド自在に保持されている。そして、紫外線照射装置106には、紫外線照射ユニット112に駆動力を付与してスライドさせる図示しないアクチュエータが設けられている。ここに、移動機構が構成されている。
【0063】
ここで、インクジェット記録ヘッド105から吐出させるインクについて説明する。このインクとしては、通常、印刷インクとして用いられている印刷インク(1000〜10000mPa・s)に比較し、大幅にインク粘度を下げる必要がある(30mPa・s以下:25℃における粘度)。そこで、粘度を下げるために、所定の要求性能、例えば、
a)希釈性が良好であること
b)密着性、硬化性を阻害しないこと
c)臭気が少ないこと
d)沸点や引火点が高いこと
e)安全性が高いこと
等の性能を持ったモノマーなどを溶剤として入れる。インクに求められる各種の要求性能を満たしつつ粘度を下げることができる添加剤として、本実施の形態では、以下の1種又は2種のモノマーを所定量添加して粘度を下げている。
【0064】
エトキシジエチレングリコールアクリレート
ヘキサンジオールジアクリレート
フェノキシジエチレングリコールアクリレート
ネオペンチルグリコールジアクリレート

また、これらのモノマーと併用して、オリゴマー類、例えば、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等が用いられる。
【0065】
図11は、インクジェット記録装置のハードウエア構造を示すブロック図である。
【0066】
本実施の形態のインクジェット記録装置は、前述した媒体搬送部102、媒体供給部103、インクジェット記録ヘッド105及び紫外線照射装置106を主要な構成要件として備えているが、これらの各部は、基本的にはマイクロプロセッサの制御によって駆動制御される。したがって、インクジェット記録装置は、マイクロプロセッサであるCPU、CPUにバス接続されてマイクロコンピュータを構築するROM及びRAM(全て図示せず)を備えており、ROM又はRAMに格納された動作プログラムに従い各部が駆動制御される。このような駆動制御の下で、媒体搬送部102、媒体供給部103、インクジェット記録ヘッド105及び紫外線照射装置106は、次のように動作する。
【0067】
まず、印字データは、記録装置コントローラ201に転送され、この記録装置コントローラ201によって印字データ転送回路202に印字データが送られ、ヘッド駆動回路203に印字のための駆動信号が送られる。ヘッド駆動回路203は、インクジェット記録ヘッド105を駆動し、インクジェット記録ヘッド105は、印字データ転送回路202に転送されてきた印字データに応じて図示しないノズルからインクをインク滴として吐出する。
【0068】
この際、記録装置コントローラ201は、記録媒体搬送制御部204及び紫外線照射装置制御部205にも駆動信号を送信する。これにより、駆動ローラ107が駆動されて搬送ベルト109が転動し、搬送ベルト109上に位置する記録媒体101が搬送されると共に、紫外線照射装置106においてバルブ110が付勢されて点灯する。そこで、このような記録媒体101の搬送による副走査方向への移動と、図示しないノズルが主操作方向にライン上に配列されたインクジェット記録ヘッド105からの選択的なインクの吐出との組み合わせによって記録媒体101上に印字データに応じた画像が形成される。形成された画像、つまりインクは、紫外線照射装置106の位置まで搬送されるとバルブ110からの照射光によって紫外線照射され、硬化して記録媒体101に定着する。
【0069】
ここで、本実施の形態では、紫外線照射装置制御部205によって、紫外線照射装置106における紫外線照射ユニット112が駆動され、インクジェット記録ヘッド105と紫外線照射装置106との間の距離の最適化が図られている。ここに、電磁輻射線照射時間制御手段の機能が実行される。
【0070】
つまり、本実施の形態では、画像品質(画像濃度、定着性、残留未硬化インクによる臭気低減)を確保するため、紫外線照射によるインクの硬化タイミングの設定(単位面積あたりの浸透量の設定)を、インクの特性(粘度、表面張力など)や記録媒体の特性(表面濡れ性、表面空隙率など)によるインクの浸透量の変動に対処しながら実行している。これを実現するために、本実施の形態では、ブリストー法で測定して求めたインクと記録媒体101との組み合わせによるインクの記録媒体101への浸透特性(吸収曲線)と画像濃度、定着性、臭気をそれそれ評価し、最適な紫外線照射タイミング(単位面積あたりの最適浸透量の設定)となるように、インクジェット記録ヘッド105と紫外線照射装置106との間の距離を最適化している。この場合、本実施の形態では、インクの記録媒体101に対する最適な浸透量Vxとして、前述した(1)式又は(2)式、つまり、
Vr≦Vx≦0.7Vmax …(1)
Vr≦Vx≦0.3Vmax …(2)
の関係を満たす値となるようにしている。もっとも、本実施の形態では、より範囲が狭い上記(2)式を満たす浸透量Vxが設定されるよう、インクジェット記録ヘッド105と紫外線照射装置106との間の距離を最適化している。
【0071】
ここで、上述したようにインクジェット記録ヘッド105と紫外線照射装置106との間の距離を設定するために、本実施の形態では、紫外線照射ユニット112を駆動して移動させ、インクジェット記録ヘッド105と紫外線照射ユニット112との間の距離を設定している。その移動量の根拠として、マイクロコンピュータの図示しないRAMには、各インクと記録媒体101との組み合わせについて、上記(2)式を求めた結果によって算出される紫外線照射ユニット112の位置情報を記憶している。そこで、各インクと記録媒体101との組み合わせ情報が入力されると、そのRAMが記憶する紫外線照射ユニット112の位置情報に応じて紫外線照射装置制御部205の駆動制御によって紫外線照射装置106を移動させる。
【0072】
別の実施の形態として、紫外線照射ユニット112は位置不動としながら、記録媒体搬送駆動部207による記録媒体101の搬送速度を制御して上記(2)式を満たす浸透量Vxを設定するようにしても良い。
【0073】
さらに別の実施の形態として、紫外線照射ユニット112の移動と記録媒体搬送駆動部207による記録媒体101の搬送速度の変更とを組み合わせて上記(2)式を満たす浸透量Vxを設定するようにしても良い。
【0074】
図12は、各種のバルブにおける発光波長と相対出力との関係を示すグラフ、図13は、紫外線照射装置の照度プロファイルを例示するグラフである。
【0075】
図12より明らかなように、一概にバルブ110といっても、その発光波長と相対出力との関係やその照度プロファイルについては、各製造メーカや各製品間で異なる。このため、図13に例示する照度プロファイルは、各バルブ110について異なる。そこで、インクジェット記録ヘッド105によって記録された画像のインクが紫外線照射装置106における紫外線照射位置に達するまでの距離や時間という概念中、インクが紫外線照射位置に達した位置とはどの位置なのかが問題となる。本実施の形態では、この位置、つまり、インクが紫外線照射位置に達した位置を、バルブ110の照度プロファイルの達した位置であると想定している。この場合のバルブ110の照度プロファイルというのは、バルブのピーク照度、つまり、ある照度プロファイルにおける頂点照度から1/e の位置である。
【0076】
【実施例】
本出願の発明者は、上記実施の形態を実際に実施した。その結果、良好な結果が得られた。実施例の条件は、次の通りである。
・インク:紫外線硬化型インク(インクジェット用UVインク)
・記録媒体:印刷用コート紙(坪量104.7g/m
・搬送速度:25m/min
・紫外線照射用のバルブ:“D”バルブ(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製)
・ピーク照度:約2500mW/cm
・積算光量:約500mJ/cm
・最適な記録媒体にインク付着からUV照射までの時間:0.2〜2秒
【0077】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、インク滴を選択的に飛翔させるインクジェット記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させるインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体に付着した電磁輻射線硬化型のインクに電磁輻射線を照射してインクを硬化させる電磁輻射線照射部と、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体にインクが付着してからこのインクに前記電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を、前記記録媒体にインクが浸透する最適な浸透量Vxについて、
Vr≦Vx≦0.7Vmax
但し、
Vr:ブリストー法で定義されている粗さ指数
Vx:媒体表面凹凸充填インク量と記録媒体への浸透量とを加算した量
Vmax:記録媒体に付着したインク滴の量
の関係を満たすように可変調節する電磁輻射線照射時間制御手段と、を具備するので、記録媒体に付着させたインクによって形成された画像について、所望の画像濃度を得ることができる。
【0078】
請求項2記載の発明は、インク滴を選択的に飛翔させるインクジェット記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させるインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体に付着した電磁輻射線硬化型のインクに電磁輻射線を照射してインクを硬化させる電磁輻射線照射部と、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体にインクが付着してからこのインクに前記電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を、前記記録媒体にインクが浸透する最適な浸透量Vxについて、
Vr≦Vx≦0.3Vmax
但し、
Vr:ブリストー法で定義されている粗さ指数
Vx:媒体表面凹凸充填インク量と記録媒体への浸透量とを加算した量
Vmax:記録媒体に付着したインク滴の量
の関係を満たすように可変調節する電磁輻射線照射時間制御手段と、を具備するので、記録媒体に付着させたインクによって形成された画像について、所望の画像濃度を得ることができる上に、記録媒体に対するインクの定着性を良好にすることができ、さらに、画像形成後の記録媒体から発生することがある臭気を抑制することもできる。
【0079】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のインクジェット記録装置において、電磁輻射線照射時間制御手段は、インクジェット記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な移動方向に前記インクジェット記録ヘッドと前記電磁輻射線照射部とを相対的に移動させる移動機構を含み、この移動機構によって前記インクジェット記録ヘッドと前記電磁輻射線照射部との間の相対的距離を調整するので、記録媒体にインクが付着してからインクに電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を容易に可変することができる。また、記録媒体にインクが付着してからインクに電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間の可変を、記録媒体の移動速度を変化させることなく実現することができるため、インクジェット記録ヘッドと記録媒体移動機構との間での印字タイミング制御等の変更が不要であり、制御の複雑化を回避することができる。
【0080】
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置において、前記記録媒体を搬送して前記インクジェット記録ヘッド及び前記電磁輻射線照射部と前記記録媒体とを相対的に移動させる記録媒体移動機構を備え、電磁輻射線照射時間制御手段は、前記記録媒体移動機構による前記電磁輻射線照射部に対する前記記録媒体の移動速度を可変させてインクに前記電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を可変するようにしたので、記録媒体にインクが付着してからインクに電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を容易に可変することができる。また、記録媒体にインクが付着してからインクに電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間の可変を、特別な機構を用いることなく実現することができるため、装置の小型か簡略化を図ることができる。
【0081】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載のインクジェット記録装置において、前記電磁輻射線硬化型のインクは、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型のインクであるので、紫外線の照射によって容易に硬化させることができ、インクを硬化させる構造の単純化することができる。
【0082】
請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4又は5記載のインクジェット記録装置において、前記電磁輻射線硬化型のインクは、粘度を下げる成分を含有するので、インクジェット記録ヘッドから容易にインクを吐出させることができ、また、インク吐出口でのインクの目詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図示しないインクジェット記録ヘッドから吐出されたインク滴が記録媒体に向けて飛翔した後、記録媒体に着弾し、記録媒体に浸透する様子を時間の流れで示す模式図である。
【図2】ブリストー法による液体吸収性試験の方法を説明するための模式図である。
【図3】ブリストー法による液体吸収性試験ヘッドボックスを説明するための模式図である。
【図4】ブリストー法による液体吸収性試験における記録媒体に対するインクの接触時間と記録媒体に対するインクの転移量(吸収量)との関係を示すグラフである。
【図5】インクの記録媒体への浸透量と記録媒体に形成された画像の画像濃度との関係を示すグラフである。
【図6】JISが規定するクロスカット法による剥離評価基準を説明するための模式図である。
【図7】インクの記録媒体への浸透量と記録媒体に形成された画像の定着性との関係を示すグラフである。
【図8】吸収係数と円形度係数との関係を示すグラフである。
【図9】インクジェット記録装置の側面図である。
【図10】その斜視図である。
【図11】インクジェット記録装置のハードウエア構造を示す機能ブロック図である。
【図12】各種のバルブにおける発光波長と相対出力との関係を示すグラフである。
【図13】紫外線照射装置の照度プロファイルを例示するグラフである。
【符号の説明】
101 記録媒体
102 記録媒体移動機構(媒体搬送部)
105 インクジェット記録ヘッド
106 電磁輻射線照射部(紫外線照射装置)
IK 紫外線硬化型のインク

Claims (6)

  1. インク滴を選択的に飛翔させるインクジェット記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させるインクジェット記録装置において、
    前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体に付着した電磁輻射線硬化型のインクに電磁輻射線を照射してインクを硬化させる電磁輻射線照射部と、
    前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体にインクが付着してからこのインクに前記電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を、前記記録媒体にインクが浸透する最適な浸透量Vxについて、
    Vr≦Vx≦0.7Vmax
    但し、
    Vr:ブリストー法で定義されている粗さ指数
    Vx:媒体表面凹凸充填インク量と記録媒体への浸透量とを加算した量
    Vmax:記録媒体に付着したインク滴の量
    の関係を満たすように可変調節する電磁輻射線照射時間制御手段と、
    を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. インク滴を選択的に飛翔させるインクジェット記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させるインクジェット記録装置において、
    前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体に付着した電磁輻射線硬化型のインクに電磁輻射線を照射してインクを硬化させる電磁輻射線照射部と、
    前記インクジェット記録ヘッドから吐出されて前記記録媒体にインクが付着してからこのインクに前記電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を、前記記録媒体にインクが浸透する最適な浸透量Vxについて、
    Vr≦Vx≦0.3Vmax
    但し、
    Vr:ブリストー法で定義されている粗さ指数
    Vx:媒体表面凹凸充填インク量と記録媒体への浸透量とを加算した量
    Vmax:記録媒体に付着したインク滴の量
    の関係を満たすように可変調節する電磁輻射線照射時間制御手段と、
    を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 電磁輻射線照射時間制御手段は、インクジェット記録ヘッドと前記記録媒体との相対的な移動方向に前記インクジェット記録ヘッドと前記電磁輻射線照射部とを相対的に移動させる移動機構を含み、この移動機構によって前記インクジェット記録ヘッドと前記電磁輻射線照射部との間の相対的距離を調整することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録媒体を搬送して前記インクジェット記録ヘッド及び前記電磁輻射線照射部と前記記録媒体とを相対的に移動させる記録媒体移動機構を備え、電磁輻射線照射時間制御手段は、前記記録媒体移動機構による前記電磁輻射線照射部に対する前記記録媒体の移動速度を可変させてインクに前記電磁輻射線照射部によって電磁輻射線を照射するまでの時間を可変するようにしたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記電磁輻射線硬化型のインクは、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型のインクであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記電磁輻射線硬化型のインクは、粘度を下げる成分を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のインクジェット記録装置。
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