JP3548665B2 - 位置測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工対象物の表面を加工する加工機や測定対象物の表面状態等を測定する測定機械において、対象物の位置の制御等の目的に利用される位置測定装置に関する。
また、本発明は位置測定装置を適用した電子線描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体露光装置では、あらかじめ作成された原画パターン(レチクル又はマスク)上の所望の回路パターンを、ウエハ上の露光領域に位置合わせした後、転写を行ってきた。この転写装置は高精度な縮小露光投影装置であり、転写される側のウエハ全面に露光できるように、ウエハ側は高精度なXYステージに固定されている。このウエハ光学系に対し、ステップ&リピートするための掲記転写装置はステッパと呼ばれている。
近年のLSIの高集積化により、半導体装置に要求される回路線幅は益々狭くなってきている。ステッパの縮小率は、従来1/5が主流であったが、これまでの波長限界から1μm以下のパターンは解像できないと言われてきた。しかし、光学系・照明系の改良やレチクル上での光の位相を調整する位相シフトマスク等の出現により、サブμmオーダーのパターンを解像するに至っている。解像度の向上に伴って、縮小レンズの焦点深度は浅くなり、また、あらかじめ作成された原画パターンをウエハ上に転写する精度は、いっそう厳しい値が要求されるようになってきている。このため、ステッパのアライメント光学系に対して、試料の試料面方向及び焦点方向の位置を高精度に検出することが要求されている。
【0003】
位相シフトマスクは前記原画パターン上の露光光透過部を通過する光の位相即ち透過部の光路長を、基板の厚さをエッチングすることにより減少させ、あるいは、屈折率の異なる材料を付加する等の手法で変化させるものである。したがって、位相シフトマスクの作製には、特定の光透過部の基板を厚さ方向に掘り込み、選択的に光路長を変化させる方法や、または、あらかじめパターンが描かれた基板に再度レジストを塗付し、光透過部の位相を部分的に変化させるための材料を付加した後不要部分のエッチングを行う方法が採られる。いずれの場合においても、前記パターン描画装置を用いて、所定の位置のレジストを高精度に感光させる必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
マスク上の位置合わせマークの検出に先立って、露光ビームの位置はステージ上に設けられたマーク等を用いて測定されかつ校正される。ステージの位置はレーザー干渉計により高精度にモニターされるので、レーザー干渉計の座標系を基準としてビームの位置及び変位を測定することが可能となる。
ところが、電子線露光装置では、鏡筒内部に汚れが付着すると、チャージアップのために電子ビームにドリフトが生じ、測定値が変動する。マスク上のマーク位置の測定はステージ上のマークを介した間接測定であるため、測定値に変動が生じた場合には、その原因はビームドリフトであるのか、或いは、マークそのものが変位しているためであるのかを区別することが出来ないという課題があった。
【0005】
電子ビーム描画装置やステッパにおいて、ドリフトによる影響を受けずにマーク位置を精度良く測定するための手段として、レーザー光を用いた測定光学系を設けた装置を用いる方法が考えられる。
しかし、電子ビーム描画装置やステッパでは、高精度な測定が要求されるため、複数のレーザー光を所定の回折パターンに照射し、ここで回折した回折光から位置情報を得るタイプでは、各レーザ光を照射する位置を厳密に一致させるなどの調整が必要となる。
特に、電子ビーム描画装置において採用する場合には、対象物は真空に減圧されたチャンバー内に配置される一方光源部などは、チャンバー外に配置される。そのため、チャンバーが大気圧の場合に所定の照射条件を満足していても、実際に測定が必要となるチャンバーが真空に減圧された際には所定の照射条件が崩れてしまうことが多い。
【0006】
また、対象物に平行な平面のみならず、これの法線方向の位置測定も行う場合には少なくとも3本のレーザ光束を所定の条件で照射する必要が生じる。
このように複数の測定光束を所定の条件で位置合わせ用パターンを照射できるように調節する装置の提供が望まれていた。
【0007】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、
(1)位置測定に必要とされる複数の光束を対象物面において所定の条件で照射する際に、それらを所定の条件で照射するように調整する調整光学系を有する位置測定装置を提供することにある。
(2)複数のレーザ光束で、所定の位置測定用パターンを照射するように平面方向で位置調整を行い、かつそのビームウエスト位置が位置測定用パターンと一致する様な条件で照射するように調整することができる位置測定装置を提供することにある。
(3)対象物の位置を正確に測定することができる位置測定装置を備えた小型で高精度な電子線描画装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決する手段】
本発明は、コヒーレント光束を発する光源部からの光束を複数の測定用照明光束に分離する光束分割部とを有し、第1入射角度で照射される第1測定用照明光束及び第2測定用照明光束と、第1入射角度とは異なる第2入射角度で照射される第3測定用照明光束とを形成し、該複数の測定用照明光束を平行となるようにする照明光学系と、
前記照明光学系から受け取った前記複数の測定用照明光束を平行となるようにする部分を有し、この平行となった部分において、前記複数の測定用照明光束を平行移動させるための光束シフト部及び複数の測定用照明光束のビームウエスト位置を変更するビームウエスト位置変更部を配置し、これらの第1測定用照明光束、第2測定用照明光束及び第3測定用照明光束を受け取る前記補正光学系は、その光軸を挟んで前記第1測定用照明光束及び第2測定用照明光束を配置し、前記第3測定用照明光束をこれらよりも周辺位置に配置し、前記補正光学系での第3測定用照明光束の光路中に、その第3測定用照明光束が前記2次元パターンに照射する入射角度を変化するように光軸と直交方向に回転軸を有する平行平面板が配置された補正光学系と、
前記複数の測定用照明光束を、位置の測定をすべき対象物に設けられている位置合わせ用パターンに照射する照射光学系と、
前記照射光学系によって前記複数の測定用照明光束で照射された位置合わせ用パターンからの回折光を受光する受光光学系と、
前記受光光学系で受光した回折光を受光し測定用干渉信号を形成する受光部と、
測定用干渉信号の位相に基づき対象物の位置の測定を行う信号処理部と、を有することを特徴とする位置測定装置である。
【0009】
本発明はまた、前記光束シフト部は、互いに光軸周りに回動可能に設けられた少なくとも一対のプリズムを備え、そのプリズムの交叉角度を変更することにより照射位置の移動距離を調整し、そのプリズムの交叉角度の2等分線方向を変えることにより測定用照明光束の照射位置の移動方向を調整するように構成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、小型で高精度な位置測定装置を実現することができる。
【0010】
本発明はまた、前記ビームウエスト位置変更部は、少なくとも凸レンズ及び凹レンズを有し、前記凸レンズと凹レンズとの間の間隔を変えることにより、前記複数の測定用照明光束のビームウエスト位置を変化させるように構成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、小型で高精度な位置測定装置を実現することができる。
【0011】
本発明はまた、前記照明光学系は、前記光源部の発するコヒーレント光束から第1周波数の第1測定用照明光束、及び、この第1周波数と周波数が異なる第2周波数の第2測定用照明光束を形成する周波数シフターと、この第1測定用照明光束を分離して第1平面位置測定用光束及び第1法線方向測定用照明光束を形成し、第2測定用照明光束を分離して第2平面位置測定用光束及び第2法線方向測定用照明光束を形成する光束分離部を備え、前記照射光学系は、位置合わせ用パターンとして2次元パターンを照射するものであり、
前記受光光学系は、第1測定用照明光束と第2測定用照明光束の前記2次元パターンによる高次回折光と0次回折光の組み合わせ及び高次回折光同士の組み合わせのいずれか一つの周波数が異なる回折光の組み合わせを受け取るように構成され、前記受光部は、第1測定用照明光束と第2測定用照明光束の前記2次元パターンによる高次回折光と0次回折光の組み合わせ及び高次回折光同士の組み合わせのいずれか一つの周波数が異なる回折光の組み合わせから前記対象物の2次元パターンを設けた平面内での位置測定を行う平面位置測定用干渉信号を形成し、第1測定用照明光束又は第2測定用照明光束の0次回折光と前記第3測定用照明光束の0次回折光との組合せから前記対象物の法線方向の位置測定を行う法線方向位置測定用干渉信号を形成するように構成され、
前記信号処理部は、前記平面位置測定用干渉信号の位相に基づき対象物の平面方向の位置測定を行い、法線方向測定用干渉信号の位相に基づき対象物の法線方向の位置測定を行うように構成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、小型で高精度な位置測定装置を実現することができる。
【0012】
本発明はまた、電子線描画装置において、電子線描画装置の構成部品の取付け位置及びそれらの最大作動範囲をさけるように配置されている上記の本発明の位置測定装置を備え、位置測定装置は対象物の位置を測定するための位置測定用光束を照射するための照明側光学部材と、対象物からの反射回折光を受光して対象物の位置を測定するための受光側光学部材とを有し、照明側光学部材から照射して受光側光学部材に入射される光束が、電子線描画装置の構成部品の取付け位置及びそれらの最大作動範囲をさけて透過することができるように、照明側光学部材及び受光側光学部材が電子線描画装置に配置されている構成である。
【0013】
この構成により、加工すべき対象物の位置を精確に測定することができ、電子線描画装置により極めて高い精度で加工対象物を加工することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
本発明の位置測定装置は、図1に示すように、照明光学系100と、補正光学系200と、照射光学系300と、受光光学系400とを備える。
〔1〕 照明光学系100
図1及び図1の部分拡大図である図16から図18を参照すると、光源1は照明光束となるコヒーレント光を発する光源であり、波長λ=633nmのHe−Neレーザー光源である。光源1から照射される干渉性の強いコヒーレントであるレーザー光は、リレーレンズ102を介してビームスプリッター103で、第1照明光束104と第2照明光束105とに分岐される。
【0015】
第1照明光束104はリレーレンズ106を介して第1周波数シフター108に導かれ、第1周波数シフター108は第1照明光束104を変調して第1測定用照明光束110を形成する。第2照明光束105はリレーレンズ107を介して第2周波数シフター109に導かれ、第2周波数シフター109は第2照明光束105を変調して第2測定用照明光束111を形成する。
音響光学素子(AOM)を周波数シフターとして用いるのが好ましい。第1測定用照明光束110の周波数シフターによる変調周波数は80.05MHzであり、第2測定用照明光束111の周波数シフターによる変調周波数は80.0625MHzである。周波数シフター108、109により、周波数が互いに僅かに異なる第1測定用照明光束110及び第2測定用照明光束111が形成される。この場合に、第1測定用照明光束110と第2測定用照明光束111の周波数の差Δfは12.5KHzとなる。第1測定用照明光束110と第2測定用照明光束111を互いに重ね合わせて、干渉させると、その干渉結果の強度は、周波数Δfのうなり(ビート信号)になる。
【0016】
ビームスプリッター112は、第1測定用照明光束110を第1平面位置測定用照明光束114と第1法線方向測定用照明光束115とに分岐させる。
ビームスプリッター113は、第2測定用照明光束111を第2平面位置測定用照明光束116と第2法線方向測定用照明光束117とに分岐させる。
第1平面位置測定用照明光束114、第1法線方向測定用照明光束115、第2平面位置測定用照明光束116、第2法線方向測定用照明光束117は、それぞれリレーレンズ118、119、120、121を介して調整光学系200に、その光軸に対して互いに平行な光束として導かれる。
但し、第1法線方向測定用照明光束115及び第2法線方向測定用照明光束117は、それぞれ第1平面位置測定用照明光束114及び第2平面位置測定用照明光束116とは別個の測定用照明光束から分岐させることも可能である。
【0017】
ここで、照明光学系100において、リレーレンズ102、106、107により光源1と第1周波数シフター108及び第2周波数シフター109は共役関係となる。
〔2〕 調整光学系200
調整光学系200は、図2から図4に示すように、第1平面位置測定用照明光束114、第1法線方向測定用照明光束115、第2平面位置測定用照明光束116及び第2法線方向測定用照明光束117を、所定の照射条件に適合するように補正を施す光学系である。その補正には、第1法線方向測定用照明光束115及び第2法線方向測定用照明光束117の照射角度を第1平面位置測定用照明光束114及び第2平面位置測定用照明光束116に対して調整を行う照射角度調整、これら4本の照明光束114〜117が照射する対象物上の平面位置を調整する平面位置調整、及び、これら4本の照明光束114〜117のビームウエスト位置が対象物10上に来るように調整するビームウエスト位置調整の3種類がある。
【0018】
第1法線方向測定用照明光束115及び第2法線方向測定用照明光束117の照射角度調整は、それぞれの光路に挿入されている平行平面板201、202を光軸と直交する回転軸を中心に回転させることにより行われる。第1法線方向測定用照明光束115及び第2法線方向測定用照明光束117は、平行平面板201、202の回転により鉛直方向に平行移動し、その結果、後述する投影レンズによる照射角度が変化する。ここで、「鉛直方向」とは、4本の照明光束114〜117を含むような面に対して垂直な方向をいう。
4本の測定用照明光束114〜117は、それぞれの光路で2つのミラー(図示せず)により光束の間隔を狭くされ、頂角の等しい一組のウエッジプリズム203、204に入射する。
【0019】
4本の測定用照明光束114〜117の平面位置の調整は、水平方向を調整のための中心軸として、ウエッジプリズム203、204の交差角度の調整及び交差中心方向の調整により行われる。
調整前の位置からの距離は、ウエッジプリズム203、204の交差角度を調整することによって決定される。又、調整前からの変化の方向はウエッジプリズム203、204が交差する中心方向を調整することにより決定される。このようにして調整を行うことにより、4本の測定用照明光束114〜117の平面位置の調整を上下左右の任意の方向で行うことができる。
4本の測定用照明光束114〜117は、ウエッジプリズム203、204で平面位置調整を行った後、フォーカスレンズ205、206に入射する。
【0020】
フォーカスレンズ205、206は、その間隔が変化することにより、各光束が光軸と平行であるという条件を維持しつつ、各光束と光軸との間隔を変更できるように構成されており、4本の測定用照明光束114〜117のビームウエストが対象物10上に来るように、ビームウエストの位置を光軸方向に調整することができる。
本発明の実施の形態では、光源側にある調整レンズ205は平凸レンズで形成され、対象物側の調整レンズ206は平凹レンズ206で形成されている。
従って、フォーカスレンズ205と206との間の間隔を広げると、ビームウエストの位置が光源側に近づくように変化する。
但し、光源1のある側のフォーカスレンズ205を平凹レンズ206で形成し、対象物10のある側のフォーカスレンズ206を平凸レンズで形成することも可能である。
【0021】
このように、光軸付近に第1平面位置測定用照明光束114及び第2平面位置測定用照明光束116を配置し、これらを基準として照射角度の調整を行う第1法線方向測定用照明光束115及び第2法線方向測定用照明光束117を周辺に(両脇に)配置することにより、照射角度調整を行う光学素子である平行平面板201、202をそれらの光路中に配置しかつ光軸と直交する回転軸を中心に回転可能とする機構を組み込みやすくすることができる。
〔2−1〕 マニュアル調整
上述した調整光学系200のビームの調整方法について説明する。以下では、位置を優先した調整方法について説明する。
初期状態では、ウエッジプリズム203、204は180度回転されたように反対方向を向いて配置され、見掛け上、プリズムのパワーがない状態とされている。また、調整レンズ205と206は両者の間隔が略ゼロとなるように配置され、パワーがない状態であることとする。
【0022】
この位置を優先した調整方法においては、ウエッジプリズム203、204を用いて初期状態でのビームの照射位置を本来照射したいマーク12上に移動させ、次に調整レンズ205及び206を用いて、4本の測定用照明光束114〜117のビームウエストが対象物10上に来るようにビームウエスト位置を調整する。
具体的にいえば、ビームの移動方向は、ウエッジプリズム203、204の交叉角度の2等分線方向と一致するので、初期状態におけるビーム照射位置を基準として、ビームを照射したいマーク12の方向とウエッジプリズム203、204の交叉角度の2等分線方向が一致するように両プリズムを回転させる。
次に、ビームの移動距離は、ウエッジプリズム203、204の交叉角度が180度から0度に近づくにつれてビームの移動距離が大きくなるので、ウエッジプリズム203、204の交叉角度の2等分線方向を維持したまま互いのウエッジプリズム203、204の交叉角度を調整することにより、対象物10上の2次元パターン12上を照射するように調整することができる。
【0023】
このように、4本の測定用照明光束114〜117のビーム位置を対象物10上の2次元パターン12上に来るように調整したあと、干渉信号の強度が最大となるなどの影響要素に基づき、ビームウエスト位置を対象物10上の2次元パターン12上になるように調整レンズ205と206との間の間隔を調整する。
本発明の実施の形態では、光源1のある側の調整レンズ205を平凸レンズで形成し、対象物10のある側の調整レンズ206を平凹レンズ206で形成したので、調整レンズ205と調整レンズ206との間の間隔を広げるにつれて、ビームウエスト位置は光源側に近づく。
〔3〕 照射光学系300
照射光学系300は、図2から図4に示すように、折り返しミラー301、302及び照射レンズ303を備え、第1平面位置測定用照明光束114、第2平面位置測定用照明光束116、第1法線方向測定用照明光束115及び第2法線方向測定用照明光束117の4本の光束を対象物10上の2次元パターン12上に一点に照射する。
【0024】
このとき照射光学系300は、上記補正光学系200によって所定の補正がされた結果、第1平面位置測定用照明光束114、第2平面位置測定用照明光束116をいっしょに、対象物10を含む平面の法線に対して入射角θ1で照射し、第1法線方向測定用照明光束115を入射角θ1とは異なる入射角θ2で照射し、第2法線方向測定用照明光束117をθ1及びθ2とは異なる入射角θ3で照射する。
照射レンズ303を含む照射光学系300は、ビームウエスト位置調整用の調整レンズ205及び調整レンズ206が作用しない状態で、すなわち、調整レンズ205と調整レンズ206とが互いに接触した状態で、ビームウエスト位置がビームウエスト位置調整範囲の最遠点となるように設定されている。
【0025】
ビームウエスト位置調整用の調整レンズ205と調整レンズ206との間の間隔を適当に定めることにより、対象物10上に測定照明光束のビームウエストが来るように調整することができる。種々の調整が終了した時点で、光源1、周波数シフター108、109及び対象物10はすべて共役関係を形成する。
対象物10上の2次元回折パターン12は市松格子より形成される。この市松格子はX方向及びY方向に、それぞれ等しいピッチdを持つ。
対象物10上の市松格子に入射した4本の測定用照明光束は、この市松格子により反射し、回折する。
今、第1平面位置測定用照明光束114のみに注目すると、入射角θと1次光回折光のX方向の回折角θx及びY方向の回折角θyとの関係は次式で与えられる。
【0026】
sinθx=±λ/d (1)
sinθy=sinθ±λ/d (2)
(1)式及び(2)式を満たす第1平面位置測定用照明光束の正反射光(回折0次光)、回折1次光のマッピングを、図5及び図6に示す。(2次以上の高次に関しては省略してある。)
図5は対象物10上の2次元パターン12に第1平面位置測定用照明光束114が、2次元パターン12の法線12Tに対して角度θで入射した状態を示す。
図6は対象物10上の2次元パターン12に4本の測定用照明光束114〜117が入射した状態を示す。
図7及び図8に示すように、第1平面位置測定用照明光束114、第2平面位置測定用照明光束116、第1法線方向測定用照明光束115及び第2法線方向測定用照明光束117は、対象物面法線を軸とし互いに僅かな角度+α回転させた方向から入射されているので、それぞれの0次光、回折1次光は、他の測定用照明光束の0次光、回折1次光と重ならずに、分離して単独に取り出すことが可能である。
【0027】
また入射角に関しては、図8に示すように、第1平面位置測定用照明光束114及び第2平面位置測定用照明光束116は入射角θ1で、第1法線方向測定用照明光束115は入射角θ2で、第2法線方向測定用照明光束117は入射角θ3で、それぞれ対象物10上の2次元回折パターン12に照射される。
図9は、第1平面位置測定用照明光束114及び第2平面位置測定用照明光束116の0次光及び回折1次光と第1法線方向測定用照明光束115及び第2法線方向測定用照明光束117の0次光のマッピングである。
本発明の実施の形態においては、図5、図6及び図9に示すように、回折光マッピングが反射回折となっているため、X軸の正方向は図中で左方向であり、Y軸の正方向は図中で下方向であって、一般の座標系とは異なっている。
【0028】
受光光学系400は、図10、図11及び図19に示すように、前記2次元パターン上の反射点から拡がる回折光を受光するように配置される。しかし、電子ビーム描画装置やステッパなどでは描画光学系や投影光学系などの装置の部材710がスペースの大半を占めており、受光光学系のためのスペースは限られることが多い。
従って、受光光学系全体の大きさを決める回折角が小さくでき、かつ受光部での各回折光の分岐、重ね合わせが容易になるよう互いに適度な間隔が保たれている配置が要求される。また、照射光学系側も受光光学系側と同様に、装置の部材によりそのスペースは限られている。
受光光学系側で0次光のY方向回折角は入射角と同じくθである。1次回折光のY方向回折角θyについて(2)式を参照すると、複合のマイナスの式を満たすθyはθよりも小さい値になる。つまり、−1次回折光は0次光に対し描画光学系や投影光学系など装置の部材側に現れるため、それらの部材により遮られる傾向がある。
【0029】
この場合には、受光光学系側と照射光学系側での光束の通過位置は非対称となり、−1次光が装置本来の部材に遮られないように設定すると、入射側により入射角θを大きくとりデットゾーンを設けることとなる。
また、入射角θを大きくすると反射回折光の各偏光成分(S偏光、P偏光)の回折効率の差も大きくなり、受光部での重ね合わせ干渉性に影響を及ぼす。ところが(2)式の複合のプラスの式を満たすθyはθよりも大きく、+1次回折光は0次光に対し対象物側に現れる。
したがって0次光が部材に遮られていなければ、+1次光も装置の部材710にさえぎられることは無い。よって+1次光を用いれば入射角θは部材に遮られない範囲で最小の値にでき、偏光成分による回折効率の差を小さくできる。
【0030】
(2)式の複合のプラスの式と(1)式を同時に満たす1次回折光は、X方向に+1次、Y方向に+1次の回折光とX方向に−1次、Y方向に+1次の回折光である。これらは互いに隣り合う象限((X、Y)象限及び(−X、Y)象限)に含まれており、これらの光線を用いることで受光側光学系の省スペース化にも貢献できる。
図14は、位置合わせマークで回折された回折光のうち、X、Y、Z方向の測定に用いる回折光マッピングを示す。
ここで、f1(0)は第1平面位置測定用照明光束114が位置合わせマークで回折されたあとの0次の回折光であり、f2(0)は第2平面位置測定用照明光束116が位置合わせマークで回折されたあとの0次の回折光である。
【0031】
f1(X,Y)は第1平面位置測定用照明光束114が位置合わせマークで回折されたあとのX方向が+1次でY方向が+1次の回折光である。
f1(−X,Y)は第1平面位置測定用照明光束114が位置合わせマークで回折されたあとのX方向が−1次でY方向が+1次の回折光である。
f2(X,Y)は第2平面位置測定用照明光束116が位置合わせマークで回折されたあとのX方向が+1次でY方向が+1次の回折光である。
f2(−X,Y)は第2平面位置測定用照明光束116が位置合わせマークで回折されたあとのX方向が−1次でY方向が+1次の回折光である。
f1’(0)は第1法線方向測定用照明光束115が位置合わせマークで回折されたあとの0次の回折光である。
【0032】
f2’(0)は第2法線方向測定用照明光束117が位置合わせマークで回折されたあとの0次の回折光である。
受光光学系を小さくするためのもう一つの方法は、対物レンズ410の径を小さくすることである。レンズ径を小さくするためには、0次光と1次光の回折角の差を小さくすればよい。回折角の差を小さくする方法として、(1)式、(2)式より2次元回折パターンのピッチを大きくする、または光源波長λを小さくすることが挙げられる。
通常回折パターンのピッチは数μm〜数十μm程度である。このときλ=633nmのHe−Neレーザー光源を用いると、回折角を十分小さくすることができる。また対象物面上にはレジストが塗布されていることが多いが、この波長はレジストを感光しない程度に十分長い波長である。
【0033】
さらに対物レンズ401の光軸と対象物の法線との成す角βを、第1照明光束の0次光と対象物の法線との成す角をθ、第1照明光束の+1次回折光のY方向の回折角をθyとして次式で与えられるようにする。
β=(θ+θy)/2
これは0次光と回折1次光の中間の角度で、この光軸を取ることにより対象物から遠い位置に配置しても、レンズ径を小さくできる。また対象物上の反射点から対物レンズまでの距離が長いほど各回折光の間隔が広くなり、受光部での各回折光の分岐、重ね合わせ干渉が容易になるという利点もある。
図10は、投光光学系及び受光光学系の例で、波長λ=633nm、第1平面位置測定用照明光束114及び第2平面位置測定用照明光束116の入射角θ=70°、回折格子ピッチd=20μm、照射レンズ303の焦点距離は133mm、受光側対物レンズの焦点距離は220mmである。
【0034】
照射レンズ303に入射する4本の照明光束は互いに平行で間隔が3mmであるから、この間隔は受光側対物レンズ401を通過した後に約5mmとなる。
また、1次光の回折角に関しては、(1)式及び(2)式を用いて、θx=1.8°、θy=76.25°となる。受光側対物レンズ401の光軸の角度βは73°で、このときレンズ径はφ40mmとなり、4本の照明光束を部材710に衝突することなく透過させることができる。
受光側対物レンズ401は、対象物10上の反射点から1焦点距離分の位置に配置され、対象物10上の反射点から拡がる多数の反射回折光を互いに平行にする役割を担う。受光側対物レンズ401により互いに平行にされた各回折光は、折り返しミラー402、403により受光部に導かれ、さらに折り返しミラー404、405により、0次光及び1次光は同一平面内に納められる。
【0035】
次に、受光部500の構成の詳細を図12に示す。受光部は前記受光光学系400で受光した回折光の内で、隣り合う象限、ここでは(+X、+Y)象限及び(−X、+Y)象限に含まれる第1平面位置測定用照明光束114と第2平面位置測定用照明光束116の前記2次元パターンによる高次回折光と0次光の組み合わせ及び高次回折光同士の組合せのいずれか一つの異なる周波数の回折光の組み合わせから、対象物を含む平面内での位置測定用干渉測定信号を形成する。
対象物を含む平面内のX方向の位置測定用干渉測定信号は、第1平面位置測定用照明光束114の前記2次元パターンによる回折光の内で、X方向に−1次、Y方向に+1次の回折光512と、第2平面位置測定用照明光束116の前記2次元パターンによる回折光の内、X方向に+1次、Y方向に+1次の回折光514をビームスプリッター530で重ね合わせて形成する。X位置測定用干渉信号をフォトセンサ550で受光する。
【0036】
対象物を含む平面内のY方向の位置測定用干渉測定信号は、第1平面位置測定用照明光束114の前記2次元パターンによる回折光の内で、X方向に+1次、Y方向に+1次の回折光511と、ビームスプリッター531で第2平面位置測定用照明光束116の0次光513から分岐された光線を、ビームスプリッター532で重ね合わせ形成する。Y位置測定用干渉測定信号はフォトセンサ551で受光する。
対象物を含む平面の法線方向、即ちZ方向を照射角度θ2で照射した際に得られる第1Z方向位置測定用干渉測定信号は、第2平面位置測定用照明光束116の0次光513からビームスプリッター533で分岐された光線と、第1法線方向測定用照明光束115の0次光517をビームスプリッター534で重ね合わせ形成する。Z位置測定用干渉信号はフォトセンサ552で受光する。
【0037】
対象物を含む平面の法線方向、即ちZ方向を照射角度θ3で照射した際に得られる第2Z方向位置測定用干渉測定信号は、第1平面位置測定用照明光束116の0次光510からビームスプリッター535で分岐された光線と、第2法線方向測定用照明光束115の0次光516をビームスプリッター536で重ね合わせて形成する。Z位置測定用干渉信号はフォトセンサ553で受光する。
受光部ではさらに、第1平面位置測定用照明光束114の0次光510と第2平面位置測定用照明光束の0次光513をミラー537を介してビームスプリッター538で重ね合わせて、X位置測定用干渉基準信号兼Z位置測定用基準信号を形成する。X位置測定用干渉基準信号兼Z位置測定用干渉基準信号は、フォトセンサ554で受光する。
【0038】
また、第1平面位置測定用照明光束114の0次光510からビームスプリッター539で分岐された光線と、第2平面位置測定用照明光束116の2次元パターンによる回折光の内で、X方向に−1次、Y方向に+1次の回折光515をビームスプリッター540で重ね合わせ、Y位置測定用干渉基準信号を形成する。Y位置測定用干渉基準信はフォトセンサ555で受光する。
各干渉測定信号及び干渉基準信号は僅かに異なる周波数のを持つ二つの光線の重ね合わせ干渉、即ちヘテロダイン干渉によるうなり(ビート信号)である。第1平面位置測定用照明光束及び第1法線方向測定用照明光束(両者を以下「第1測定光束」という)の周波数をf1、第2平面位置測定用照明光束及び第2法線方向測定用照明光束の周波数(両者を以下「第2測定光束」という)をf2とする。
【0039】
各光束の2次元回折パターンによる多数の回折光の内、ある回折光の複素振幅を、それぞれ、
a1=A1*exp[−i(2πf1t+φ1)]
a2=A2*exp[−i(2πf2t+φ2)]
で表すとする。ただしφ1は第1照明光束の初期位相、φ2は第2照明光束の初期位相、tは時間である。
これらの光線を重ね合わせた強度信号は、
I =A1*A1+A2*A2+2A1*A2*cos[2πΔft+(φ1−φ2)]
となる。ただしΔf=f1−f2である。
【0040】
これは周波数がΔfのビート信号で、その位相成分は、
φ1−φ2 (3)
である。
第1照明光束または第2照明光束の対象物上の2次元パターンによる多数の高次回折光の内、X方向に+1次、Y方向に+1次の回折光に注目する。2次元回折パターンを含む対象物がX方向にΔX、Y方向にΔY変位したときこの回折光の位相は、第1照明光束及び第2照明光束のいずれの場合においても、
2π(ΔX+ΔY)/d=φx+φy
だけ変化する。ここでdは2次元回折パターンのピッチである。また対象物のZ方向の移動に対しても位相は変化するので、その値をφzとする。
【0041】
したがって、対象物がX方向、Y方向、Z方向に変化したときの、この回折光の位相変化量は、
φx+φy+φz (4)
である。
X方向に−1次、Y方向に+1次の回折光の場合はφxの符号が変わり、対象物のX方向、Y方向、Z方向の変位に対する位相変化量は、
−φx+φy+φz (5)
となる。
0次光は対象物のX方向、Y方向の変位に対しては位相は変化せず、Z方向の変位に対してのみ位相変化する。ただし、第1照明光束及び第2照明光束のうち法線方向測定用照明光束は、入射角の違いから対象物のZ方向の変位ΔZ対しての位相変化量が異なる。
【0042】
対象物のZ方向の変位に対する第1照明光束の位相変化量φz及び対象物のZ方向の変位に対する第2照明光束の位相変化量φz’は、
φz =4πΔZ/λ*cosθ1 (6)
φz’=4πΔZ/λ*cosθ2 (7)
で与えられる。
X位置測定用干渉測定信号の位相成分は、(3)式のφ1に(4)式を代入し、φ2に(5)式を代入して、
(φx+φy+φz)−(−φx+φy+φz)=2φx (8)
となる。
X位置測定用干渉基準信号の位相成分は、(3)式のφ1、φ2に(6)式を代入して、
φz−φz=0 (9)
となる。
【0043】
したがって、X位置測定用干渉測定信号の(8)式とX位置測定用干渉基準信号の(9)式はY方向の位置情報を等しく含み(この場合0)、(8)式と(9)式の差をとれば2φxとして、対象物を含む平面内のX方向の位置情報が得られる。
Y位置測定用干渉測定信号の位相成分は、(4)式及び(6)式より、
(φx+φy+φz)−φz=φx+φy (10)
である。
Y位置測定用干渉基準信号の位相成分は、(5)式及び(6)式より、
φz−(−φx+φy+φz) =φx−φy (11)
である。
【0044】
したがって、Y位置測定用干渉測定信号の(9)式とY位置測定用干渉基準信号の(10)式は、X方向の位置情報を等しく含み、(9)式と(10)式の差をとれば2φyとして、対象物を含む平面内のY方向の位置情報が得られる。
また、第1Z位置測定用干渉測定信号の位相成分は、(6)式及び(7)式より、
φz’−φz=4π(cosθ2−cosθ1)/λ*ΔZ (12)
となり、また、第2Z位置測定用干渉測定信号の位相成分は、(6)式及び(7)式より、
φz’−φz=4π(cosθ3−cosθ1)/λ*ΔZ (13)
となり、これはΔZに比例した値である。
【0045】
Z位置測定用干渉基準信号(兼X位置測定用干渉基準信号)の位相成分は、式(9)より0である。
したがって、 (12)式と (9)式の差をとれば、Z方向 (対象物を含む平面の法線方向)の位置情報がそのまま (12)式として得られる。
第1Z位置測定用干渉信号とZ位置測定用干渉基準信号との位相差Φz1(ΔZ)及び第2Z位置測定用干渉信号とZ位置測定用干渉基準信号との位相差Φz2(ΔZ)は、(12)式及び(13)式より、それぞれ、
Φz1(ΔZ)=4π(cosθ1−cosθ2)/λ*ΔZ
Φz2(ΔZ)=4π(cosθ1−cosθ3)/λ*ΔZ
で与えられる。ここでは、Z位置測定用干渉基準信号からZ位置測定用干渉信号を引くこととする(つまり括弧の中の符号が反転する)。
【0046】
いま、第1Z位置測定用干渉信号の検出ストロークをZ1、第2Z位置測定用干渉信号の検出ストロークをZ2とする(Z1>Z2)。
ΔZ=Z1で、Φz1(ΔZ)=2π、
ΔZ=Z2で、Φz2(ΔZ)=2π
となるから、
Φz1(ΔZ)=2π/Z1*ΔZ (a)
Φz2(ΔZ)=2π/Z2*ΔZ (b)
と表せられる。図13の左側の波形中、実線は(a)式の信号を示し、点線は(b)式の信号を示している。
Φz2(ΔZ)とΦz1(ΔZ)の差、つまり(b)式と(a)式の差をとると、
Figure 0003548665
となる。
【0047】
(a)式、(b)式と(c)式の形を見比べると、(c)式は検出ストロークがZ1*Z2/(Z1−Z2)のZ位置測定用干渉信号を表していると考えることができる。この(c)式の信号は、図13右側の波形として示してある。
式よりθ2=70.39°、θ3=70.48°とすれば、Z1= 50μm、Z2=40μmとなる。これらを(c)式に代入すると、
ΔΦ(ΔZ)=2π/200μm*ΔZ
となる。したがってストロークが200μmのZ位置測定用干渉信号が得られる。このときサンプル数は、ストロークが50μmで分解能が25nmのときの2000に等しい。つまり、分解能が25nm、サンプル数2000のまま検出ストローク、すなわち検出可能な範囲を200μmに拡大することができる。
【0048】
いま、各方向の位置測定用干渉基準信号を便宜上、X方向が式(9)式、Y方向が(11)式、Z方向が(9)式としたが、これをX方向が(8)式、Y方向が(10)式、Z方向が(12)式としても符号が反転するだけで、各方向の位置情報を得ることができる。
(13)式より、所望のZ検出ストロークを得るための第1法線方向測定照明光束の入射角θ2が求まる。
例えば、(12)式において50μmの検出ストロークが得たい場合、左辺に2π、右辺のΔZに50μmを代入する。
ただし、θ2の値はθ1よりも大きく、つまり、第1照明光束よりも対象物側にとりたいので、第2Z位置測定用干渉基準信号から第1Z位置測定用干渉基準信号を引くと、
2π=4π(cos70°−cosθ2)/633nm×50μm
これより、θ2=70.39°を得る。
【0049】
信号処理部600は、位置測定用干渉測定信号の位相に基づき対象物を含む平面内及び対象物を含む平面の法線方向の位置を求める。X方向の位置測定用干渉測定信号はフォトセンサ550で受光し、X位置測定用干渉基準信号はフォトセンサ554で受光する。フォトセンサ550とフォトセンサ554で受光した信号の位相差を位相計610で測定する。
Y位置測定用干渉測定信号はフォトセンサ551で受光し、Y位置測定用干渉基準信号はフォトセンサ555で受光する。フォトセンサ551とフォトセンサ555で受光した信号との位相差を位相計611で測定する。
第1Z方向位置測定用干渉測定信号は、フォトセンサ552で受光し、Z位置測定用基準信号はフォトセンサ554で受光する。
【0050】
フォトセンサ552で受光した信号とフォトセンサ554で受光した信号との位相差を位相計612で測定する。
第2Z方向位置測定用信号は、フォトセンサ553で受光し、Z方向位置測定用基準信号はフォトセンサ554で受光する。
フォトセンサ553で受光した信号とフォトセンサ554で受光した信号との位相差を位相計613で測定する。
演算処理部620は、位相計610の位相差に基づき対象物を含む平面内のX方向の位置を求め、位相計611の位相差に基づき対象物を含む平面内のY方向の位置を求め、そして、位相計612及び613の位相差に基づき対象物を含む平面内のZ方向の位置を求める。演算処理部620で、対象物のXYZ変位に対し、各方向の変位成分を独立に測定することが可能となり、これにより、対象物の位置合わせを初めとする種々の制御を行うことができる。
〔4〕 本発明の位置測定装置の適用
本発明の位置測定装置は、例えば、電子線描画装置のような荷電粒子線装置、及び、半導体露光装置などの対象物の位置合わせを正確に行うことを必要とする装置に適用することができる。
【0051】
ここで、電子線描画装置を一例にとって説明する。図15を参照すると、電子線描画装置は、電子線を発生する電子銃、電子ビームの向きを変更するX方向走査電極及びY方向走査電極などを内蔵した電子光学系730と、使用の際において真空状態とされるチャンバー内に配置される描画対象物732を載置可能とし、その水平面内のX、Y方向及び法線方向であるZ方向に移動可能とするステージ734とを備える。
そして、本発明の位置測定装置の照明光学系100、補正光学系200及び照射光学系300を含む照明側光学筐体740と、受光光学系400を含む受光側光学筐体742をステージ734の両側に配置する。照明側光学筐体740及び受光側光学筐体742は、電子光学系730等の電子線描画装置の各構成部品の取付け位置及びそれらの最大作動範囲をさけるように配置されている。そして、照明側光学筐体740から照射して受光側光学筐体742に入射される光束が、電子光学系730等の電子線描画装置の各構成部品の取付け位置及びそれらの最大作動範囲をさけて透過することができるように、照明側光学筐体740及び受光側光学筐体742は配置されている。
【0052】
電子線描画装置は、制御回路からの種々の信号に応じて、電子光学系及びステージが所定の動作を行い描画対象物となるマスクやウエハなどに所定のパターンを電子線によって形成するものである。
具体的には、本発明の位置測定装置を適用した電子線描画装置により、エンコーダのパターン、位相シフトマスク等の半導体製造用マスクを加工することができる。
また、本発明の位置測定装置を適用した半導体露光装置により、半導体ウェハ、半導体製造用マスクを加工することができる。
【0053】
【発明の効果】
(1)本発明によれば、照明光学系から受け取った複数の測定用照明光束を、平行移動させるための光束シフト部及び複数の測定用照明光束のビームウエスト位置を変更するビームウエスト位置変更部を配置した補正光学系を設けることにより、複数の測定用照明光束を位置合わせ用パターンに適切に照射し、かつそのビームウエスト位置が測定用パターン位置と一致する様な条件で照射するように測定照明光束を調整することができる。
(2)本発明により、小型で高性能な位置測定装置を適用した半導体露光装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置測定装置の実施の形態の光学系を示す概略図である。
【図2】本発明の位置測定装置の実施の形態の調整光学系及び照射光学系を示す斜視図である。
【図3】本発明の位置測定装置の実施の形態の調整光学系及び照射光学系を示す平面図である。
【図4】本発明の位置測定装置の実施の形態の調整光学系及び照射光学系を示す側面図である。
【図5】本発明の位置測定装置の実施の形態における対象物上の2次元回折パターンによる第1平面位置測定用照明光束の回折光マッピングである。
【図6】本発明の位置測定装置の実施の形態における対象物上の2次元回折パターンに測定用照明光束が入射した状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の位置測定装置の実施の形態における対象物上の2次元回折パターンに測定用照明光束が入射した状態を示す平面図である。
【図8】本発明の位置測定装置の実施の形態における対象物上の2次元回折パターンに測定用照明光束が入射した状態を示す側面図である。
【図9】本発明の位置測定装置の実施の形態における対象物上の2次元回折パターンによる平面位置測定用照明光束と法線方向測定用照明光束の回折光マッピングである。
【図10】本発明の位置測定装置の実施の形態における平面位置測定用照明光束と法線方向測定用照明光束及びその回折光との装置部材との位置関係を示す側面図である。
【図11】本発明の位置測定装置の実施の形態における平面位置測定用照明光束と法線方向測定用照明光束及びその回折光との装置部材との位置関係を示す平面図である。
【図12】本発明の位置測定装置の実施の形態の受光光学系の構成を示す概略ブロック線図である。
【図13】本発明の位置測定装置の実施の形態の信号波形図である。
【図14】本発明の位置測定装置の実施の形態における位置合わせマークで回折された回折光のうち、X、Y、Z方向の測定に用いる回折光マッピングである。
【図15】本発明の位置測定装置を適用した電子線描画装置の実施の形態の概略部分断面図である。
【図16】本発明の位置測定装置の実施の形態の図1の照明光学系の部分の部分拡大図である。
【図17】本発明の位置測定装置の実施の形態の図1の対象物の部分の部分拡大図である。
【図18】本発明の位置測定装置の実施の形態の図1の受光光学系の部分の部分拡大図である。
【図19】本発明の位置測定装置の実施の形態の図11の対象物の部分の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 光源
10 対象物
12 2次元回折パターン
100 照明光学系
102 リレーレンズ
103 ビームスプリッター
104 第1照明光束
105 第2照明光束
106、107 リレーレンズ
108 第1周波数シフター
109 第2周波数シフター
110 第1測定用照明光束
111 第2測定用照明光束
112、113 ビームスプリッター
114 第1平面位置測定用照明光束
115 第1法線方向測定用照明光束
116 第2平面位置測定用照明光束
117 第2法線方向測定用照明光束
200 補正光学系
201、202 平行平面板
203、204 ウエッジプリズム
205、206 フォーカスレンズ
300 照射光学系
301、302 折り返しミラー
303 照射レンズ
400 受光光学系
401 受光側対物レンズ
402〜405 折り返しミラー
500 受光部
512 第1平面位置測定用照明光束の(−1、+1)次回折光
514 第2平面位置測定用照明光束の(+1、+1)次回折光
515 第2平面位置測定用照明光束の(−1、+1)次回折光
511 第1平面位置測定用照明光束の(+1、+1)次回折光
510 第1平面位置測定用照明光束の0次光
513 第2平面位置測定用照明光束の0次光
517 第1法線方向測定用照明光束の0次光
516 第2法線方向測定用照明光束の0次光
550〜555 フォトセンサ
600 信号処理部
610 位相計(X)
611 位相計(Y)
612 位相計(Z1)
613 位相計(Z2)
620 演算処理部

Claims (5)

  1. コヒーレント光束を発する光源部からの光束を複数の測定用照明光束に分離する光束分割部とを有し、第1入射角度で照射される第1測定用照明光束及び第2測定用照明光束と、第1入射角度とは異なる第2入射角度で照射される第3測定用照明光束とを形成し、該複数の測定用照明光束を平行となるようにする照明光学系と、
    前記照明光学系から受け取った前記複数の測定用照明光束を平行となるようにする部分を有し、この平行となった部分において、前記複数の測定用照明光束を平行移動させるための光束シフト部及び複数の測定用照明光束のビームウエスト位置を変更するビームウエスト位置変更部を配置し、これらの第1測定用照明光束、第2測定用照明光束及び第3測定用照明光束を受け取る前記補正光学系は、その光軸を挟んで前記第1測定用照明光束及び第2測定用照明光束を配置し、前記第3測定用照明光束をこれらよりも周辺位置に配置し、前記補正光学系での第3測定用照明光束の光路中に、その第3測定用照明光束が前記2次元パターンに照射する入射角度を変化するように光軸と直交方向に回転軸を有する平行平面板が配置された補正光学系と、
    前記複数の測定用照明光束を、位置の測定をすべき対象物に設けられている位置合わせ用パターンに照射する照射光学系と、
    前記照射光学系によって前記複数の測定用照明光束で照射された位置合わせ用パターンからの回折光を受光する受光光学系と、
    前記受光光学系で受光した回折光を受光し測定用干渉信号を形成する受光部と、
    測定用干渉信号の位相に基づき対象物の位置の測定を行う信号処理部と、を有することを特徴とする位置測定装置。
  2. 前記光束シフト部は、互いに光軸周りに回動可能に設けられた少なくとも一対のプリズムを備え、そのプリズムの交叉角度を変更することにより照射位置の移動距離を調整し、そのプリズムの交叉角度の2等分線方向を変えることにより測定用照明光束の照射位置の移動方向を調整するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の位置測定装置。
  3. 前記ビームウエスト位置変更部は、少なくとも凸レンズ及び凹レンズを有し、前記凸レンズと凹レンズとの間の間隔を変えることにより、前記複数の測定用照明光束のビームウエスト位置を変化させるように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の位置測定装置。
  4. 前記照明光学系は、前記光源部の発するコヒーレント光束から第1周波数の第1測定用照明光束、及び、この第1周波数と周波数が異なる第2周波数の第2測定用照明光束を形成する周波数シフターと、この第1測定用照明光束を分離して第1平面位置測定用光束及び第1法線方向測定用照明光束を形成し、第2測定用照明光束を分離して第2平面位置測定用光束及び第2法線方向測定用照明光束を形成する光束分離部を備え、前記照射光学系は、位置合わせ用パターンとして2次元パターンを照射するものであり、
    前記受光光学系は、第1測定用照明光束と第2測定用照明光束の前記2次元パターンによる高次回折光と0次回折光の組み合わせ及び高次回折光同士の組み合わせのいずれか一つの周波数が異なる回折光の組み合わせを受け取るように構成され、前記受光部は、第1測定用照明光束と第2測定用照明光束の前記2次元パターンによる高次回折光と0次回折光の組み合わせ及び高次回折光同士の組み合わせのいずれか一つの周波数が異なる回折光の組み合わせから前記対象物の2次元パターンを設けた平面内での位置測定を行う平面位置測定用干渉信号を形成し、第1測定用照明光束又は第2測定用照明光束の0次回折光と前記第3測定用照明光束の0次回折光との組合せから前記対象物の法線方向の位置測定を行う法線方向位置測定用干渉信号を形成するように構成され、
    前記信号処理部は、前記平面位置測定用干渉信号の位相に基づき対象物の平面方向の位置測定を行い、法線方向測定用干渉信号の位相に基づき対象物の法線方向の位置測定を行うように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の位置測定装置。
  5. 電子線描画装置において、
    該電子線描画装置の構成部品の取付け位置及びそれらの最大作動範囲をさけるように配置されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の位置測定装置を備え、
    前記位置測定装置は対象物の位置を測定するための位置測定用光束を照射するための照明側光学部材と、前記対象物からの反射回折光を受光して前記対象物の位置を測定するための受光側光学部材とを有し、
    前記照明側光学部材から照射して前記受光側光学部材に入射される光束が、前記電子線描画装置の構成部品の取付け位置及びそれらの最大作動範囲をさけて透過することができるように、前記照明側光学部材及び前記受光側光学部材が前記電子線描画装置に配置されていることを特徴とする電子線描画装置。
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