JP3548241B2 - 水すすぎ後の乾燥方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水すすぎ後の乾燥方法に関するものであり、さらに詳しくは本発明は、被洗浄物を水すすぎした後、被洗浄物に残るすすぎ水を効果的かつ引火の危険性なく安全に除去できる乾燥方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被洗浄物の水すすぎ後、これを乾燥する方法としては、風力、遠心力などを利用した物理的な液切り処理、加熱処理、減圧処理、液体(溶剤)置換処理などがあるが、被洗浄物形状に対する汎用性や乾燥品質の点では、溶剤置換処理が一般的に有利である。溶剤置換処理には、水と相溶性があるイソプロピルアルコールを使用する場合と、パーフルオロアルカン等の不活性液体を使用する場合とがある。水を置換する点に関しては、水溶性であるイソプロピルアルコール等のアルコールのほうが原理的には優れているが、引火性が強く火災の危険性を伴う。また、使用するにつれて水や油脂等の汚れがイソプロピルアルコールに溶解して混入し、置換液の劣化が避けられないため、高い乾燥品質の維持には頻繁な液交換が必要であり、産業廃棄物削減対策上からも好ましくない。
【0003】
それに対して、パーフルオロアルカン等の不活性液体は、不燃性、低毒性、かつアルコールよりも優れた蒸発性を有するうえ、水や油汚れなどをほとんど溶解しないことから、適切な飛散防止対策を施せばほぼ永久的に繰り返し使用できる材料である。したがって、乾燥性能、防火対策、作業環境安全性、及び産業廃棄物削減対策の点でパーフルオロアルカン等の不活性液体が有利である。
【0004】
この置換処理について、図2を参照して従来方法(A)を説明する。これは被洗浄物を水系洗浄剤による洗浄後、水すすぎし、被洗浄物中に残るすすぎ水の乾燥を、不活性液体パーフルオロアルカンを用いた置換処理により行ったものである。
【0005】
図2において、水系洗浄剤を溶解した洗浄液により被洗浄物の汚れを溶解または剥離させて除去し[同図(a)]、水すすぎにより洗浄液を希釈・拡散させて除去する[同図(b)]。通常、これらの工程は、その効果が被洗浄物形状の汎用性、つまり、被洗浄物の形状にかかわらずその効果を促進させるために、超音波を照射する方法が一般的である。なお、水すすぎ工程では、精密洗浄の度合により、上水道水、イオン交換水、精製水が用いられる。続いて、被洗浄物をパーフルオロアルカンまたはパーフルオロポリエーテルの液中に浸漬し、その全面に付着した水を、水とパーフルオロアルカンとの比重および表面張力の差により分離して、乾燥性が良いパーフルオロアルカンと置換する[同図(c)]。この水の分離を促進するため、通常、揺動、および槽の底面または側面に取りつけられた超音波振動子(1)からの超音波照射が併用される。その後、置換液と同一のパーフルオロアルカン蒸気によりその沸点温度で被洗浄物を加温し、乾燥させる[同図(d)]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来方法(A)の水を置換する工程で使用するパーフルオロアルカンは、水との親和性に乏しいため、被洗浄物表面に付着した水を引きはがして置換する力が弱く、液流、揺動や超音波などの外力が作用しにくい被洗浄物内面や洗浄バスケットの接触部などでは水が残りやすく、乾燥不良が発生しやすい。とくに被洗浄物が複雑形状の場合、例えば、巻線組立品においては、巻線内部に水分が残留し、絶縁不良が発生するという問題がある。この点を解決するため、パーフルオロアルカンによる置換の前に、イソプロピルアルコール等のアルコールを用いて予備置換を行う手段もあるが、引火性の強い処理液を乾燥工程に使用することから、前記のように火災や爆発の危険性がある。
そのため、洗浄装置全体に火災や爆発を防止する設備が必要となり、装置や管理コストが増大するという問題点がある。
本発明は、被洗浄物の水すすぎ後、パーフルオロアルカン等の不活性剤による液体置換乾燥を行う際に生ずる上記の問題点を解決するためになされたものであり、引火性の危険を最小限度にしたうえで、複雑形状の部品や組立品などの被洗浄物を、効果的に且つ安全に乾燥することのできる乾燥方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、上記のような従来の課題を解決することができた。
【0008】
すなわち本発明は、
被洗浄物を水すすぎした後、該被洗浄物に残るすすぎ水を、エチルアルコール濃度が25〜35体積%のエチルアルコール水溶液により予備的に置換処理する第1置換工程、続いて不活性液体により、さらにすすぎ水を置換処理する第2置換工程、およびさらにその後、該第2置換工程で用いたものと同一の不活性液体を用いて、被洗浄物を蒸気乾燥処理する工程を含むことを特徴とする、水すすぎ後の乾燥方法を提供するものである。
【0009】
また本発明は、第1置換工程および第2置換工程において、高エネルギー密度の超音波を被洗浄物にむけて照射する、前記の乾燥方法を提供するものである。
【0010】
さらにまた本発明は、エチルアルコール水溶液の温度が、15〜20℃である、前記の乾燥方法を提供するものである。
【0011】
また本発明は、第2置換工程および蒸気乾燥工程に用いる不活性液体の沸点が100〜110℃の範囲にある、前記の乾燥方法を提供するものである。
【0012】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、上記のように被洗浄物の水すすぎ、エチルアルコール水溶液による予備的な第1置換工程、不活性液体による第2置換工程、該不活性液体の蒸気による蒸気乾燥処理工程を含んでいる。
【0013】
本発明における被洗浄物とは、とくに制限されないが、例えば巻線組立品、ジャイロスコープ部品等の複雑形状であるがために乾燥しにくい物品を挙げることができる。
【0014】
本発明における水すすぎとは、被洗浄物と水とを接触させる行為全般を意味し、例えば被洗浄物を水に浸漬したり、水で洗い流したりする行為が挙げられる。この水すすぎに使用される水は、洗浄の目的とする度合により、上水道水、イオン交換水、精製水などから適宜選択される。通常、この工程においては、水すすぎの効果を高めるために、超音波が照射され、且つ揺動される。
【0015】
なお、被洗浄物の水すすぎの前には、通常、水系洗浄剤により被洗浄物が洗浄されることが多い。この場合の水系洗浄剤による洗浄とは、水系の洗浄剤を用いて被洗浄物の汚れを溶解または剥離させて除去することを意味する。水系洗浄剤は、被洗浄物の汚れの程度、汚染物の種類等により適宜選択することができるが、例えば界面活性剤型、エマルジョン型、アルカリ鹸化型などの洗浄剤が挙げられる。
もちろん、このような水系洗浄剤による洗浄工程は省略されていてもよく、例えば被洗浄物の表面処理加工等のような後に、水すすぎする必要のある場合も、本発明を適用可能である。
【0016】
水すすぎ後の被洗浄物は、続いてエチルアルコール水溶液による予備的な第1置換工程に施される。
この第1置換工程は、被洗浄物を、エチルアルコール水溶液に浸漬する等によって行うことができる。エチルアルコール水溶液は、例えば被洗浄物が複雑な形状である場合、その内部の隅々まで浸透していることが、後の工程で使用される不活性液体との親和性を高め、置換を効果的に行う上で重要である。そのため、高エネルギー密度の超音波を、被洗浄物にむけて照射すれば、被洗浄物の内部の隙間部分などにエチルアルコール水溶液が十分に浸透するため好ましい。また、被洗浄物の揺動(例えば上下方向)を超音波照射と併用すれば、さらに好ましいものとなる。ここで高エネルギー密度の超音波とは、例えば40kHzで1.5〜2.3W/cm、さらに具体的には1.85W/cm(振動子面積)程度の超音波であることができ、この超音波は、1〜3分間、被洗浄物を揺動しながら照射することができる。
エチルアルコール水溶液におけるエチルアルコール濃度は、通常は60体積%前後が考えられるが、25〜35体積%が好ましく、30体積%がとくに好ましい。25体積%未満では、後の第2置換工程で用いられる不活性液体に対する親和性が失われる。また35体積%を超えると、不活性液体との親和性は増加するが、超音波を施した場合、超音波の減衰が急激に大きくなってその効果が相殺され、水を置換する能力はあまり向上しないにもかかわらず、引火の危険性が大きくなるので不利となる。
エチルアルコール水溶液の温度は、エチルアルコール(30体積%)の引火点の32℃よりも十分に低く、かつキャビテーション効果を大きく損なうことがないように15〜20℃に管理することが好ましい。
【0017】
続いて、上記のようにすすぎ水を、エチルアルコール水溶液で予備的に置換した後、不活性液体を用いて、さらにすすぎ水を置換する第2置換工程が行われる。
この第2置換工程は、被洗浄物を、不活性液体に浸漬する等して行うことができる。
なお、本明細書において、“不活性液体”とは、被洗浄物に対して、何ら化学的影響を及ぼさない不活性な液体を意味する。
本発明において、不活性液体としては、好ましくは例えば沸点が100〜110℃のパーフルオロアルカン類や、パーフルオロポリエーテル類がよい。これらの例としては、市販されているものが挙げられ、パーフルオロアルカンとして、PF−5080(住友スリーエム社製)、またパーフルオロポリエーテルとしてPFエリキッド−1(岩谷産業社製)等が挙げられ、中でも好ましくは沸点が水よりもわずかに高い102℃のPF−5080である。以下、好適な不活性液体として、パーフルオロアルカンを例にとり説明する。
パーフルオロアルカンの液温度は、後の上記乾燥処理工程で十分な凝縮量が得られる温度差を確保するため、室温〜60℃がよい。
また、この第2置換工程においても、上記の第1置換工程と同様の超音波処理を施すことが好ましい。これにより、被洗浄物に付着しているエチルアルコール水溶液の膜をひきはがして分散させ、パーフルオロアルカンと置き換えることができる。分離されたエチルアルコール水溶液は、パーフルオロアルカンにはほとんど溶解せず、かつ比重差が大きいことから、比重差分離器を用いて容易に分離することができる、また使用後のパーフルオロアルカンは、その中に含まれる微小固形粒子等を濾過材で循環除去すれば、半永久的に使用することができる。
【0018】
続いて、第2置換工程において不活性液体で置換処理された被洗浄物は、蒸気乾燥処理工程において、乾燥される。この蒸気乾燥処理工程に用いられる蒸気は、第2置換工程で用いられた不活性液体と、同じ種類のものが用いられる。
この蒸気乾燥処理工程は、適当な加熱手段により加熱蒸発した不活性液体雰囲気に被洗浄物を適当な時間、例えば1〜3分間おくことにより行うことができる。この工程により、被洗浄物中に不活性液体は凝縮し、被洗浄物を乾燥温度に高めるとともに、被洗浄物内部の表面にエマルジョン化した状態で存在する可能性がある水を凝縮液により洗い流すことができる。
不活性液体として、沸点が100〜110℃程度のものを用いれば、蒸気乾燥処理工程において、1〜3分間で被洗浄物の表面温度が水の沸点である100℃に達するため、被洗浄物内部にわずかに残留した水分があっても、これは蒸発し、水の除去を促進することができ好ましい。
さらに、沸点が100〜110℃程度の不活性液体を用いれば、蒸気乾燥処理工程における被洗浄物の加熱温度もその範囲内となり、そのため被洗浄物に対する熱ストレスを最小限度に管理することができる。
【0019】
蒸気乾燥処理工程後は、被洗浄物における蒸気を回収し、冷却して、全乾燥工程を終了させることができる。
【0020】
【作用】
本発明においては、第1置換工程でエチルアルコール水溶液、例えばエチルアルコール濃度が約30体積%のものを用いて、被洗浄物の全表面に付着している水をエチルアルコール水溶液と置き換えることにより、第2置換工程で使用するパーフルオロアルカン等の不活性液体との親和性が高められる。そして第2置換工程で、被洗浄物に付着した水が、揮発性の高いパーフルオロアルカンと効果的に置き換えられ、その結果、乾燥性能が高められる。
この親和性は、エチルアルコール濃度が高いほど大きくなるが、その反面、引火の危険性が高まることになる。従って、乾燥性能を損なうことなく、引火の危険性が最小限度になるまでエチルアルコール濃度を低くする必要がある(通常は消防法の適用を受けない60%以下で使用することになるが、この濃度でも引火の危険性がかなり存在し、洗浄装置自体に火災や爆発を防止する設備が必要となる)。
ところで、上記の各置換工程において照射する超音波の作用が強いほど、置換が効率よく行われ、乾燥性能が向上することが知られている。第1置換工程に用いられるエチルアルコール水溶液は、エチルアルコール濃度が60体積%付近で超音波の吸収が最大となり、超音波の作用力が最も弱い。それに対して、低濃度側、とくに35体積%付近以下では超音波の吸収が急激に低下するため、超音波が有効に作用しやすくなる。
一方、エチルアルコール濃度が低くなり過ぎると、後の第2置換工程でのパーフルオロアルカンとの親和性が失われるので、約25体積%以上のエチルアルコール濃度は必要である。このような理由から、エチルアルコール濃度が約25〜35体積%でも60体積%に匹敵する置換性能が得られることが可能である。また、沸点が100℃よりやや高いパーフルオロアルカンを使用することにより、第2置換工程でわずかに残留した水を蒸気乾燥処理工程で蒸発除去することができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例
図1は本発明の一実施例を示すものであり、被洗浄物を水系洗浄剤により洗浄後(a)、水すすぎ工程(b)とパーフルオロアルカンによる置換工程(c)との間に予備的な置換工程として、エチルアルコール濃度が30体積%のエチルアルコール水溶液による第1置換工程(e)を設けたものである。
【0022】
以下、この乾燥工程について説明する。洗浄工程(a)において、水系洗浄剤として液温度45℃のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルを主成分とするエマルジョン型洗浄剤(商品名:PC−N01L2100、岩谷産業社製)により、被洗浄物の汚れを溶解または剥離させて除去する。本実施例の洗浄工程(a)では、水すすぎ工程(b)でのすすぎ性や排水処理負荷を考慮して洗浄剤濃度の高い(15%)洗浄槽(a1)と洗浄剤濃度の低い(5%)洗浄槽(a2)の二段階となっている。また、各槽の容量は18リットルであり、その底部には、超音波振動子が設けられ(槽a1は28kHz、600W、槽a2は40kHz、600W)、また、被洗浄物が揺動するようになっている。
【0023】
洗浄工程(a)の後、水ですすぎ工程(b)により洗浄液を清浄な水を用いて希釈・拡散させて除去する。水すすぎ工程(b)ではすすぎの精度を高めるため、18リットル容のすすぎ槽(b1)、(b2)、(b3)の三段階とし、すすぎ槽(b2)、(b3)では純水を使用している。このすすぎ工程(b)においても、前記の洗浄工程(a)と同様に、超音波が照射するようになっており(槽b1は40kHz、600W、槽b2およびb3は40kHz、300W)、また、被洗浄物が揺動するようにもなっている。
【0024】
水すすぎ工程(b)の後は、第1置換工程(e)に施される。被洗浄物は、18リットル容の槽(e)中、エチルアルコール濃度が30体積%のエチルアルコール水溶液に浸漬され、さらに被洗浄物に対して高エネルギー密度の超音波(40kHz、600W)を1〜3分間照射しながら揺動し、被洗浄物の全表面に付着している水をエチルアルコール水溶液と置き換える。このときのエチルアルコール温度は、例えば15〜20℃とする。
【0025】
この第1置換工程(e)の後、第2置換工程(c)では、沸点が102℃のパーフルオロアルカン(商品名:PF−5080、住友スリーエム社製)を使用し、液温度は35℃とする。槽(c)は23リットル容とし、ここに被洗浄物が浸漬される。ここでも第1置換工程(e)と同様に、高エネルギー密度の超音波(40kHz、1200W)を1〜3分間照射しながら揺動する。槽(c)からオーバーフローしたパーフルオロアルカンは、予備タンク(2)に付属させた比重差分離器3で容易に浮上分離することができる。また分離したパーフルオロアルカンを濾過材で循環除去すれば、半永久的に使用できる。
【0026】
続いて、蒸気乾燥工程(d)において、第2置換工程で用いた沸点温度102℃のパーフルオロアルカンの蒸気中に被洗浄物を置いて、パーフルオロアルカンを凝縮させ、被洗浄物表面を乾燥温度に高める。同時に被洗浄物内部の表面にエマルジョン化した状態で存在する可能性のある水を洗い流す。
被洗浄物中のパーフルオロアルカンの凝縮が終了した後、被洗浄物を蒸気回収用凝縮コイル4がある冷却ゾーンへ引き上げて移動し、約30秒間停止させて、パーフルオロアルカン蒸気の回収と被洗浄物の冷却を行い、乾燥工程を終了する。
【0027】
実施例
図4および5に示される複雑形状の被洗浄物を用いて、上記実施例1の態様における本発明の乾燥方法を試験した。なお、エチルアルコール濃度は、20、30、40および60体積%で変化させた。エチルアルコール濃度が0体積%とは、エチルアルコール水溶液の代わりに水を用いたことを意味する。
図4および5において、被洗浄物は、共にハウジング5内部に巻線組立品6や機構部品などが収納された状態の複雑形状の組立品であって、隙間部分が多く存在し、乾燥が困難なものである。とくに図4の被洗浄物は、円筒形状のハウジング5の両端がシールされ(断面図b参照)、その両端面にあいたそれぞれ2か所の直径1.5mmの小さい穴7、8が内部に通じている(平面図a1および底面図a2参照)のみで、内部まで乾燥することが非常に困難であるため、この被洗浄物を用いて、乾燥処理後の残存液重量を測定し、乾燥性能の評価を行った。また、図5の被洗浄物については、電気絶縁性評価と拡大鏡による外観評価を行った。その結果を図3に示す。なお、「外観評価」とは、被洗浄物の表面に残存している水滴の有無を検査するものであり、水滴が全く確認されなければ○印を付した。
図3から、第1置換工程で用いるエチルアルコール濃度が30体積%でも60体積%に匹敵する乾燥性能が得られていることがわかる。また、電気絶縁性は、エチルアルコール濃度が30体積%で優れた結果を示していることがわかる。
【0028】
実施例
上記実施例1で示される本発明の一態様は、図6に示される態様に変更することもできる。すなわち、実施例1では、第2置換工程(c)と蒸気乾燥工程(d)をそれぞれ独立した槽で行っているが、これを図6に示すように、第2置換槽(c)の上部で蒸気乾燥処理を行うことにより1槽化して開口部面積を半減させ、高価なパーフルオロアルカン等の不活性液体の飛散による消耗量を抑制することもできる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、水すすぎ後、パーフルオロアルカン等の不活性液体で水を置換し、乾燥する場合において、パーフルオロアルカン等の不活性液体で置換する前に、エチルアルコール濃度が25〜35体積%のエチルアルコール水溶液による予備置換工程を設けることにより、従来、非常に乾燥が困難であった複雑形状の被洗浄物に対する乾燥性能を飛躍的に高めることができる。また、比較的低濃度のエチルアルコール水溶液を用いているために、引火の危険性が少なく、安全に乾燥工程を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾燥工程の一実施例を示す各工程の説明図である。
【図2】従来の乾燥工程を示す各工程の説明図である。
【図3】本発明の実施例における乾燥試験の結果を示す図である。
【図4】乾燥試験に用いられた被洗浄物の平面図a1、断面図bおよび底面図a2である。
【図5】乾燥試験に用いられた被洗浄物の平面図a1、断面図bおよび底面図a2である。
【図6】本発明の乾燥工程の別の実施例を示す各工程の説明図である。
【符号の説明】
1 超音波振動子
2 予備タンク
3 比重差分離器
4 凝縮コイル
5 ハウジング
6 巻線部
7,8 穴部

Claims (3)

  1. 被洗浄物を水すすぎした後、該被洗浄物に残るすすぎ水を、エチルアルコール濃度が25〜35体積%のエチルアルコール水溶液により予備的に置換処理する第1置換工程、続いて不活性液体により、さらにすすぎ水を置換処理する第2置換工程、およびさらにその後、該第2置換工程で用いたものと同一の不活性液体を用いて、被洗浄物を蒸気乾燥処理する工程を含む水すすぎ後の乾燥方法において、
    第1置換工程および第2置換工程で高エネルギー密度の超音波を被洗浄物にむけて照射することを特徴とする乾燥方法
  2. エチルアルコール水溶液の温度が、15〜20℃である、請求項に記載の乾燥方法。
  3. 第2置換工程および蒸気乾燥工程に用いる不活性液体の沸点が100〜110℃の範囲にある、請求項1又は2に記載の乾燥方法。
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