JP3547727B2 - 緊急通報装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は緊急通報装置に係り、緊急事態が発生した際に救援機関に通報を行う緊急通報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両内で運転者の具合が悪くなった場合や、事故が発生した場合、通常は消防署や警察署等の救援機関に通報することになる。しかし、運転者の具合が悪くなり、同乗者がいないために緊急通報自体ができない場合がある。
そこで、緊急事態が発生した場合に、緊急連絡用のスイッチを用意しておき、緊急事態が発生したことを自動的に通報する緊急通報装置が提案されている。例えば、特開平5−5626号公報に記載された緊急通報装置では、車両の事故位置を推定すると共に、事故発生を検知し、事故を解析するための情報を記憶し、外部に連絡するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、事故や急病等の緊急事態は日常的に体験するものではないため、緊急事態に直面した際に、運転者や同乗者が必ずしも冷静に対応できない場合がある。
このため、緊急通報装置を配置したとしても、実際に緊急事態発生という立場に置かれた際に、冷静に装置を使用できない場合や、使用の際に慌てずに操作ができないという場合がある。
また、緊急事態に対する緊張やショックによる極度の心神喪失状態で、その装置そのものの存在を忘れてしまう可能性もある。
【0004】
そこで本発明は上記課題を解決するためになされたもので、乗車中における緊急事態が発生した際に所定の機関に緊急事態の通報をするために配置された緊急通報装置の使用に対する抵抗感を減らすと共に、迅速、正確に使用できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明では、車両から救援機関に緊急事態情報を通報するための練習手段を備えた緊急通報装置であって、前記練習手段は、車両の現在地に対応して、想定される緊急事態項目を表示する項目表示手段と、該表示された緊急事態項目に対応する、救援機関からの質問を模した音声を出力する質問手段と、を備えることで前記目的を達成する。
請求項2に記載した発明では、車両から救援機関に緊急事態情報を通報するための練習手段を備えた緊急通報装置であって、車両搭乗者の情報を記憶する搭乗者情報記憶手段と、車両搭乗者を特定する特定手段と、を備えるとともに、前記練習手段は、前記特定された搭乗者の情報に対応して、想定される緊急事態項目を表示する項目表示手段と、該表示された緊急事態項目に対応する、救援機関からの質問を模した音声を出力する質問手段と、を備えることで前記目的を達成する。
請求項3に記載した発明では、請求項1または請求項2に記載の緊急通報装置において、前記練習手段による練習の結果を記憶する結果記憶手段と、を備え、前記項目表示手段は、前記記憶された練習結果に基づいて、想定される緊急事態項目を表示することを特徴とする。
請求項4に記載した発明では、請求項1または請求項2に記載の緊急通報装置において、前記質問手段により出力した質問に対する搭乗者からの返答を格納する返答格納手段と、該格納した返答に対する評価を出力する練習評価手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の緊急通報装置における好適な実施の形態について、図1から図15を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態では、エージェント装置が緊急通報装置として機能するようになっている。
緊急通報装置に、緊急通報モードを選択する緊急通報スイッチと、緊急通報を擬似体験する練習モードを選択する練習モードスイッチを配置する。練習モードでは、緊急事態が発生した場合の操作を擬似体験するために、実際の緊急事態に即した仮想的な状況を想定しての練習を可能にする。
本実施形態における緊急通報モード及び練習モードは、エージェント(代理人)を車室内に出現させ、「練習モードを立ち上げますか?」等文字表示やエージェントの音声出力により、練習モードを開始してもよいか否かについての確認を取る。この確認により、ユーザーは本番の緊急通報の動作との混同をすることなく安心して練習機能を利用することができる。
練習モードによる練習中に、実際の事故・急病等の緊急事態が発生した場合には、途中から実際の緊急通報モードを割り込ませ、直ちに実際の(練習モードでない)緊急通報機能を使用することができるようにする。緊急通報モードの割り込みは、練習モードの実行中に緊急通報モードの選択スイッチを選択、または衝突センサ等が衝突と検知することで行われる。
緊急通報を行う機関としては、警察、病院、消防署等の公的救援機関や、これら公的救援機関との連絡を行う情報センタが該当する。
【0007】
なお、本実施形態におけるエージェントは、人工的な仮想人格であり、その容姿(平面的画像、ホログラフィ等の立体的画像等)が表示装置によって車両内に出現される。このように、仮想人格であるエージェントを表示装置に表示することをもって、本発明の仮想人格表示手段とする。
このエージェント装置では、車室内や車両の各種状態(ユーザの状態を含む)、過去の処理内容等を判断し、その判断結果に応じた処理を自律的に行う機能(以下代理機能という)を備えている。そして、エージェント装置は、対話型インターフェースを備えており、ユーザとの対話(ユーザに対する問いかけや、問いかけに対するユーザの回答の認識や判断、ユーザに対する提案、ユーザからの指示等)を行う。このように、エージェントがユーザとの対話による音声を出力することをもって、本発明の音声出力手段とする。
エージェント装置は、このユーザとの対話を含む各種代理機能を、車室内に出現させたエージェントの動き(表示)や音声と連動させて実行する。
例えば、ユーザにより緊急連絡ボタンが押されたことを検出すると、エージェント装置は、ユーザ対する緊急連絡の確認処理を、「緊急連絡をしますか?」といった問いかけの音声出力と、電話機を指示しながら問いかける表情と首を傾げる動作を表す画像(動画又は静止画)を表示装置へ表示する。
このように、エージェント装置の代理機能によるユーザとの対話や処理に連動して、エージェントの容姿が変化したり、音声が出力されるので、ユーザは、あたかも仮想人格であるエージェントが車両内に存在しているような体感をするようになる。以下の説明では、このようなエージェント装置の一連の代理機能の実行を、エージェントの行為や動作として説明する。
【0008】
この代理機能によるエージェントの処理としては、車両自体、搭乗者、対向車等を含む車両の状況判断と学習(状況の学習だけでなく搭乗者の応答や反応等も含む)をし、各時点での車両状況とそれまでの学習結果に基づいて、エージェントが搭乗者や車両に対して様々なバリエーションをもった対応(行為=行動と音声)をする。これにより搭乗者は、複数のエージェントを車両内に自由に呼びだしてつき合う(コミュニケーションする)ことが可能になり、車両内での環境を快適にすることができる。
ここで、本実施形態における人工的な仮想人格(エージェント)とは、特定の人間、生物、漫画のキャラクタ等の同一性があり、その同一性のある仮想人格が、主体の同一性・連続性を保つように出力(動作、音声により応答)を行うものである。また、同一性・連続性は特有の個性を持つものとして表現され、車室内に出現させる本実施形態のエージェントは、同一の車両状況であっても、過去の学習内容に応じて発声する音声や画像などが異なる。
このエージェントの各種コミュニケーション行為として、緊急時通報モードや練習モードによる緊急時処理を行わせる。
そしてエージェントが行う緊急時処理を含めた各行為を、複数のシナリオ(脚本)で構成する。各シナリオは、エージェントによる一連の連続した行為の内容を規定した複数のシナリオデータ(アプリケーションを含む)と、各シナリオデータを起動するための起動条件とにより規格化する。
【0009】
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態にエージェント装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態のエージェント装置では、コミュニケーション機能全体を制御する全体処理部9を備えている。この全体処理部9は、設定した目的地までの経路を探索して音声や画像表示により案内するナビゲーション処理部10、エージェント処理部11、ナビゲーション処理部10とエージェント処理部11に対する外部I/F部12、エージェント画像や地図画像等の画像出力や入力画像を処理する画像処理部13、エージェント音声や経路案内音声等の音声出力や入力される音声を制御する音声制御部14、車両や搭乗者に関する各種状況の検出データを処理する状況情報処理部15、及び入力制御部16を有している。
【0010】
ナビゲーション処理部10とエージェント処理部11は、データ処理及び各部の動作の制御を行うCPU(中央処理装置)と、このCPUにデータバスや制御バス等のバスラインで接続されたROM、RAM、タイマ等を備えている。両処理部10、11はネットワーク接続されており、互いの処理データを取得することができるようになっている。
本実施形態のエージェント処理部11では、シナリオに従ってナビゲーション用のデータ(目的地データや走行経路データ等)を情報センタ等の外部装置から取得した場合や、シナリオに基づくユーザとのコミュニケーションにより目的地を取得した場合に、これらのデータをナビゲーション処理部10に供給するようになっている。
ROMはCPUで制御を行うための各種データやプログラムが予め格納されたリードオンリーメモリであり、RAMはCPUがワーキングメモリとして使用するランダムアクセスメモリである。
【0011】
本実施形態のナビゲーション処理部10とエージェント処理部11は、CPUがROMに格納された各種プログラムを読み込んで各種処理を実行するようになっている。なお、CPUは、記憶媒体駆動装置23にセットされた外部の記憶媒体からコンピュータプログラムを読み込んで、記憶装置29のエージェントデータ30やナビゲーションデータ31、図示しないハードディスク等のその他の記憶装置に格納(インストール)し、この記憶装置から必要なプログラム等をRAMに読み込んで(ロードして)実行するようにしてもよい。また、必要なプログラム等を記憶媒体駆動装置23からRAMに直接読み込んで実行するようにしてもよい。
【0012】
エージェント処理部11は、搭乗者との会話を含めたエージェントの各種コミュニケーション動作を、車両や搭乗者の各種状況(場面)を想定して予め作成されたシナリオに従って行うようになっている。すなわち、車速、時間、走行地域、気温、ガソリン残量、緊急事態検出、(緊急事態に対応するための)練習モードの選択、等の各種状況をシナリオ起動条件とし、各状況におけるエージェントの行動が、各状況毎にシナリオとして規定されている。
各シナリオは、連続する複数のシーン(場面)で構成されている。シーンは、シナリオのなかの1つの場面であり、本実施形態における緊急通報後の質問シナリオでは、エージェントが救急救命に基づく情報収集のための質問を行う各場面のシーンで構成されている。
各シーンは、タイトル、リスト、吹き出し、背景、その他の小単位(パーツ)でまとまっている。各シーンは、シナリオに従って順次進行していき、シナリオによっては、特定のシーンで出される質問に対する搭乗者の回答や車両の状況等によって、選択される複数のシーンが存在する。すなわち、途中の回答に応じてシーンが分岐するシナリオが存在する。
シーンを含むシナリオのデータは後述するシナリオデータファイル302に格納されている。いつどこでシナリオを実行するのかを規定する情報(シーン起動条件)と、実行した場合にどのような画面構成で、エージェントにどのような動作や会話をさせ、ナビゲーション処理部10等のモジュールに対してどのような指示を出し、イベントを受けとった場合に次はどうするのか(どのシーンに移行するのか)を規定するデータがシーン毎にまとまってシナリオデータファイル302のシナリオデータnとして格納されている。
本実施形態では、このように規格化されたシナリオデータにより、救急救命の知識に基づいて患者の状態情報を収集するための各種質問が緊急質問としてシナリオデータ化されている。
【0013】
図2は、エージェント処理部11の構成を表したものである。
この図2に示されるように、エージェント処理部11は、状況判断部111、シナリオ実行要求判断部112、シナリオ駆動部113、シナリオデータ読み込み部114、描画処理部115、音声認識管理部116、ユーザ入力受付部117を備えている。
これら各部111〜117は、エージェント処理部11が備えるCPU及びROM等に格納された対応エンジン(ソフトウェア)により実現されるようになっている。状況判断部111等の各部を構成するエンジンは、他のエンジンにデータを伝達する場合に、対応するイベントを発行する。各部111〜117が発行するイベントの中には、分岐した後のシーンを特定するイベントが含まれる。
【0014】
状況判断部111は、時間、場所、各種入力等の状況の変化に対しイベントを発行する。状況変化の判断は、状況情報処理部15から供給される各種状況検出装置40による検出結果等に基づいて行われ、その結果のイベントをシナリオ実行要求判断部112に対して発行する。
シナリオ実行要求判断部112は、状況判断部111による状況判断結果のイベントを受け取ってシナリオを実行するか否かを判断する。シナリオを実行する場合はシナリオ起動要求のイベントをシナリオ駆動部113に対し発行する。
【0015】
シナリオ駆動部113は、シナリオ実行要求判断部112で発行されたシナリオ起動要求のイベントに対し、起動を行うか否かの判断をする。
起動を行うと判断した場合、シナリオ駆動部113は、シナリオデータの読み込みをシナリオデータ読み込み部114に依頼する。また、シナリオデータに従って、描画のリクエスト、エージェントの動作リクエストを描画処理部115に依頼する。また、シナリオデータに従って音声認識に使用する辞書を音声認識管理部116に通知する。更に、シナリオ駆動部113は、音声認識の結果や、ユーザ入力によってシナリオを駆動(シーンの推移を管理)する。
【0016】
シナリオデータ読み込み部114は、シナリオ駆動部113からの依頼に基づいて、シナリオデータファイル302から該当するシナリオデータの読み込みを行う。
描画処理部115は、シナリオ駆動部113からの依頼に基づいて、該当する場面の描画や、キャラクタ(エージェント)の描画を行う。
音声認識管理部116は、音声認識部142への指示を統括する。例えば、シナリオ駆動部113から通知される使用辞書の指定を行う。音声認識部管理116は、音声認識部142において、指定した使用辞書による音声認識の結果がでたら、認識結果に対応するイベントをシナリオ駆動部113に対して発行する。ユーザ入力受付部117は、ユーザからの入力があったら、入力内容に対応するイベントをシナリオ駆動部113に対して発行する。ユーザからの入力は、入力制御部16からの情報により判断される。
【0017】
本実施形態では、緊急通報機能を実行するモードとして緊急通報モードと練習モードがある。緊急通報部21には、緊急通報スイッチと、練習モードスイッチが配置されており、いずれかのスイッチを選択することでモードが選択される。
緊急通報モードは、事故や搭乗者の健康上のトラブルなどが発生した場合に救援機関に実際に通報を行うモードである。このモードは、状況判断部111が緊急事態検出のイベント又は緊急通報スイッチオンのイベントを発行した場合に、シナリオ実行要求判断部112がシナリオ駆動部113に、救急質問シナリオの実行を要求するイベントを発行することにより起動する。
練習モードは、ユーザが緊急通報装置の使用を擬似体験するためのモードであり、ユーザ入力受付部117がシナリオ駆動部113に練習キーのイベントを発行すると起動する。
シナリオ駆動部113では、救急質問シナリオの読み込みをシナリオデータ読み込み部に要求するイベントを発行し、読み込まれたシナリオデータに従って、描画処理部115に描画のリクエストを発行し、音声認識管理部116に音声認識のリクエストイベントを発行する。
【0018】
図1において、外部I/F部12には、緊急通報部21と記憶媒体駆動装置23と通信制御部24が接続され、画像処理部13には表示装置27及び撮像装置28が接続され、音声制御部14には音声出力装置25及びマイク(音声取得手段)26が接続され、状況情報処理部15には各種状況検出装置40が接続され、入力制御部16には入力装置22が接続されている。
【0019】
各種状況検出装置40は、現在位置検出装置41と状況検出部42と緊急事態検出装置43を備えている。
現在位置検出装置41は、車両の絶対位置(緯度、経度による)等の現在地情報を検出するためのものであり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)受信装置411と、方位センサ412と、舵角センサ413と、距離センサ414と、路上に配置されたビーコンからの位置情報を受信するビーコン受信装置415等が使用される。
GPS受信装置411とビーコン受信装置415は単独で位置測定が可能であるが、GPS受信装置411やビーコン受信装置415による受信が不可能な場所では、方位センサ412と距離センサ414の双方を用いた推測航法によって現在位置を検出するようになっている。
方位センサ412は、例えば、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガスレートジャイロや光ファイバジャイロ等のジャイロ、左右の車輪センサを配置しその出力パルス差(移動距離の差)により車両の旋回を検出することで方位の変位量を算出するようにした車輪センサ、等が使用される。
舵角センサ413は、ステアリングの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等を用いてステアリングの角度αを検出する。
距離センサ414は、例えば、車輪の回転数を検出して計数し、または加速度を検出して2回積分するもの等の各種の方法が使用される。
距離センサ414と舵角センサ413は運転操作状況検出手段としても機能する。緊急事態の擬似体験を提案する際に、前記現在位置検出装置41により検出された現在地情報を基に、例えば、車両が過密都市に居ると判断した場合、衝突事故の擬似体験を提案する。
【0020】
状況検出部42は、運転操作の状況を検出する運転操作状況検出手段として機能するブレーキセンサ421、車速センサ422、方向指示器検出器423、シフトレバセンサ424、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)センサ425を備えている。
また、状況検出部42は、機器操作の状況を検出する機器操作状況検出手段として機能するエアコン検出器427、ワイパ検出器428、オーディオ検出器429を備えている。
【0021】
ブレーキセンサ421は、フットブレーキが踏み込み状態か否かを検出する。
車速センサ422は、車速を検出する。
方向指示器検出器423は、運転者が方向指示器の操作中であるか否か、及び方向指示器が点滅中か否かを検出する。
シフトレバセンサ424は、運転者がシフトレバを操作中か否か、及びシフトレバ位置を検出する。
サイドブレーキ(パーキングブレーキ)センサ425は、運転者がサイドブレーキを操作中か否か、及びサイドブレーキの状態(オンかオフか)を検出する。
エアコン検出器427は、搭乗者がエアコンの各種スイッチ等を操作中か否かを検出する。
ワイパ検出器428は、運転者がワイパの操作中か否かを検出する。
オーディオ検出器429は、搭乗者がラジオ、CDプレーヤ、カセットプーヤー等のオーディオ機器を操作中か否か、及びオーディオ機器による音声が出力中か否かを検出する。
状況検出部42は、その他、機器操作状況検出手段として、ヘッドランプやルームランプ等のランプ類の操作状況を検出するライト検出センサ、運転席、又は助手席のシートベルト着脱操作を検出するシートベルト検出センサ、その他のセンサを備えている。
【0022】
緊急事態検出装置43は、ハザードスイッチセンサ431と衝突センサ432を備えている。
ハザードスイッチセンサ431は、ハザードスイッチのオン、オフ状態を検出し、状況情報処理部15に供給するようになっている。状況情報処理部15では、ハザードスイッチセンサ431からスイッチオン状態が所定時間t以上継続した場合に緊急事態信号をエージェント処理部11の状況判断部111に供給するようになっている。
衝突センサ432は、車両が衝突したことを検出するセンサで、本実施形態では、エアバックが発火したことを検出することで衝突を検出し、検出信号を状況情報処理部15に供給するようになっている。
【0023】
入力装置22は、搭乗者情報を入力する場合や、本実施形態によるエージェントのその他全ての問い合わせ等に対して搭乗者が応答するための1つの手段でもある。
入力装置22は、ナビゲーション処理における走行開始時の現在地(出発地点)や目的地(到達地点)、情報提供局へ渋滞情報等の情報の請求を発信したい車両の所定の走行環境(発信条件)、車内で使用される携帯電話のタイプ(型式)などを入力するためのものでもある。
入力装置22には、タッチパネル(スイッチとして機能)、キーボード、マウス、ライトペン、ジョイスティック、赤外線等によるリモコン、音声認識装置などの各種の装置が使用可能である。また、赤外線等を利用したリモコンと、リモコンから送信される各種信号を受信する受信部を備えてもよい。リモコンには、画面上に表示されたカーソルの移動操作等を行うジョイスティックの他、メニュー指定キー(ボタン)、テンキー等の各種キーが配置される。
入力制御部16は、入力装置22による入力内容に対応するデータを検出しエージェント処理部11やナビゲーション処理部10に供給する。入力制御部16は、入力操作中か否かを検出することで機器操作状況検出手段として機能する。
【0024】
緊急通報部21は、緊急通報スイッチを備えており、搭乗者によりこのスイッチがオンされると、救援機関との間で緊急の通信を確立する。
救援機関との通信は、電話回線、救急用の専用回線、インターネット等の各種通信回線の確立による。
また、緊急通報部21は、練習スイッチも備えており、このスイッチがオンされると、ユーザに対して緊急通報スイッチがオンされた場合や緊急事態が検出された場合と同様に動作する。しかし、この場合、緊急通報部21は、救援機関との通信は確立せずに仮想的に緊急事態を再現する。
なお、本実施の形態では、緊急通報部21に緊急通報スイッチと練習スイッチを備え、ユーザが何れかを選択してオンするように構成したが、この他に例えば、入力装置22に専用ボタンやタッチパネルのキー配置などで緊急通報キーと練習キーを設けても良い。
また、緊急通報スイッチと練習スイッチは必ずしも運転席付近に設ける必要はなく、助手席や後部座席など必要と思われる個所に複数個設置することができる。
【0025】
記憶媒体駆動装置23は、ナビゲーション処理部10やエージェント処理部11が各種処理を行うためのコンピュータプログラムを外部の記憶媒体から読み込むのに使用される駆動装置である。記憶媒体に記録されているコンピュータプログラムには、各種のプログラムやデータ等が含まれる。
ここで、記憶媒体とは、コンピュータプログラムが記録される記憶媒体をいい、具体的には、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、メモリチップやICカード等の半導体記憶媒体、CD−ROMやMO、PD(相変化書換型光ディスク)等の光学的に情報が読み取られる記憶媒体、紙カードや紙テープ等を用いた記憶媒体、その他各種方法でコンピュータプログラムが記録される記憶媒体が含まれる。
【0026】
記憶媒体駆動装置23は、これらの各種記憶媒体からコンピュータプログラムを読み込む他に、記憶媒体がフロッピーディスクやICカード等のように書き込み可能な記憶媒体である場合には、ナビゲーション処理部10やエージェント処理部11のRAMや記憶装置29のデータ等をその記憶媒体に書き込むことが可能である。
例えば、ICカードにエージェント機能に関する学習内容(学習項目データ、応答データ)や搭乗者情報等のデータを記憶させ、他の車両に乗車する場合でもこれらを記憶させたICカードからデータを読み出させて使用することで、自分の過去の応対の状況に応じて学習した状態のエージェントとコミュニケーションすることが可能になる。これにより、車両毎のエージェントではなく、運転者毎もしくは搭乗者毎に固有な学習内容のエージェントを車両内に出現させることが可能になる。
【0027】
通信制御部24は、各種無線通信機器からなる携帯電話が接続されるようになっている。通信制御部24は、電話回線による通話の他、道路の混雑状況や交通規制等の交通情報に関するデータなどを提供する情報提供局との通信や、車内での通信カラオケのために使用するカラオケデータを提供する情報提供局との通信を行うことができるようになっている。また、通信制御部24を介して、エージェント機能に関する学習データ等を送受信することも可能である。
本実施形態のエージェント処理部11では、通信制御部24を介してシナリオが添付された電子メールを受信することができるようになっている。
また、エージェント処理部11は、インターネット上のホームページを表示するブラウザソフトを備えており、通信制御部24を介してホームページからシナリオを含めたデータをダウンロードすることができるようになっている。
なお、通信制御部24は、携帯電話等の無線通信機能を内蔵するようにしてもよい。
【0028】
音声出力装置25は、車内に配置された複数のスピーカで構成され、音声制御部14で制御された音声、例えば、音声による経路案内を行う場合の案内音声や、エージェントによる搭乗者との通常のコミュニケーション用の会話や本実施形態の搭乗者情報取得のための質問による音声や音が出力されるようになっている。この音声出力装置25は、オーディオ用のスピーカと兼用するようにしてもよい。
音声出力装置25と音声制御部14はエージェント処理部11と共に質問手段を構成し、緊急通報がされた場合に、救急質問シナリオで規定された各シーン毎に、エージェントによる救急質問が出力される。
【0029】
マイク26は、音声制御部14における音声認識の対象となる音声、例えば、ナビゲーション処理における目的地等の入力音声や、エージェントとの搭乗者の会話(搭乗者による応答を含む)等を入出力する音声入力手段として機能する。このマイク26は、搭乗者の音声を的確に収集するために指向性のある専用のマイクが使用される。
尚、音声出力装置25とマイク26とでハンズフリーユニットを形成させて、携帯電話を介さずに、電話通信における通話を行えるようにしてもよい。
マイク26と音声認識部142は、運転者が同乗者と会話中か否かを検出する会話検出手段として機能し、この場合のマイク26、音声認識部142は、車内の状況を検出する状況検出手段として機能する。
また、マイク26と音声認識部142は、同乗者がいるか否かを会話から検出することで同乗者検出手段として機能し、更に、救急車両のサイレン音を認識して救急隊員が到着したことを認識する救急隊員到着検出手段として機能する。
【0030】
表示装置27には、ナビゲーション処理部10の処理による経路案内用の道路地図や各種画像情報が表示されたり、エージェント処理部11によるエージェントの各種行動(動画)が表示されたりするようになっている。また、撮像装置28で撮像された車両内外の画像も画像処理部13で処理された後に表示されるようになっている。
表示装置27では、本実施形態の救急質問シナリオに従って、救急隊員の容姿をした救急隊員エージェントが救急質問をする際に表示される複数の救急質問シーン画像や、質問が終了した後救急隊員が到着するまでの間表示される呼びかけシーン画像や、救急隊員に収集した患者の情報を告知する告知シーン画面などが表示されるようになっている。さらに、表示装置27は後述の提案手段により提案された項目を表示する表示手段として機能する。
表示装置27は、液晶表示装置、CRT等の各種表示装置が使用される。
なお、この表示装置27は、例えばタッチパネル等の、前記入力装置22としての機能を兼ね備えたものとすることができる。
【0031】
撮像装置28は、画像を撮像するためのCCD(電荷結合素子)を備えたカメラで構成されており、車両内を撮像する車内カメラの他、車両前方、後方、右側方、左側方を撮像する各車外カメラが配置されている。撮像装置28の各カメラにより撮像された画像は、画像処理部13に供給され、画像認識等の処理が行われ、各認識結果(同乗者の有無、運転者の認識等)をエージェントのコミュニケーションに反映させるようになっている。
【0032】
記憶装置29には本実施形態による各種エージェント機能やナビゲーション機能を実現するうえで必要な各種データ(プログラムを含む)として、エージェントデータ30とナビゲーションデータ31が格納されている。
この記憶装置29には、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、CD−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード、DVD(digital versatile disc)等の各種記憶媒体と、その駆動装置が使用される。
この場合、例えば、学習項目データ304、応答データ305、搭乗者情報307を持ち運びが容易なICカードやフロッピーディスクで構成し、その他のデータをDVDやハードディスクで構成するというように、複数種類の異なる記憶媒体と駆動装置で構成し、駆動装置としてそれらの記憶媒体を用いるようにしてもよい。
【0033】
エージェントデータ30には、エージェントプログラム301、シナリオデータファイル302、音声データ303、学習項目データ304、音声データで構成される応答データ305、エージェントの容姿や行動を画像表示するための画像データ306、搭乗者情報307、その他のエージェントによる処理に必要な各種のデータが格納されている。
【0034】
エージェントプログラム301には、エージェント機能を実現するためのエージェント処理プログラムが格納されている。
例えば、各シナリオの起動条件を満たしたか否かを判断する条件判断処理、条件判断処理で起動条件を満たすと判断した場合に、当該起動条件に対応するシナリオを起動し、そのシナリオデータに従って前記エージェントに行為をさせるシナリオ実行処理、その他の各種処理を実行する処理プログラムが格納されている。
【0035】
学習項目データ304及び応答データ305は、搭乗者の応答等によってエージェントが学習した結果を格納するデータである。
従って、学習項目データ304と応答データ305は、各搭乗者毎にそのデータが格納・更新(学習)されるようになっている。
学習項目データ304には、例えば、イグニッションオンした通算回数や1日のオン回数、前5回の燃料給油時の燃料残量のデータ等のエージェントの学習対象となる項目が格納される。この学習項目データ304に格納された学習内容に従って、例えば、イグニッションオン回数に応じてエージェント出現時の挨拶内容が変化したり、燃料残量が前5回の燃料残量の平均値以下になった場合に、エージェントが給油の提案をする。
応答データ305には、エージェントの行為に対するユーザの応答の履歴が所定のシナリオ毎に格納される。応答データ305には、応答日時と応答内容が、各応答項目毎に所定回数分格納される。応答内容としては、無視された、拒絶された、受容(容認)された、の各場合が音声認識や入力装置22の入力結果から判断され、格納される。また、緊急事態を擬似体験する練習モードの際の質問に対する返答や、擬似体験の結果もここに格納される。
【0036】
シナリオデータファイル302には、各状況、場面におけるエージェントの行為が規定されたシナリオのデータが格納されており、本実施形態の緊急通報時または擬似体験時に起動される救急質問シナリオ(質問手段)も格納されている。本実施形態におけるシナリオデータファイル302はDVDに格納されている。
図3は、シナリオデータファイル302のデータ構造とデータ内容を概念的に表したものである。
シナリオデータファイル302は、各シーンを規定する複数のシナリオデータがまとまって1つのファイルを構成している。
シナリオデータファイル302には、ファイルヘッダ、シナリオ管理テーブル、自動起動条件テーブル、手動起動可能シナリオ一覧、各シナリオデータ1〜n、及び追加リソースデータから構成されている。
【0037】
ファイルヘッダは、シナリオデータファイルのヘッダで、ファイルに関する情報が格納されている。
シナリオ管理テーブルは、シナリオデータファイルに収録されているシナリオデータを管理するためのデータ、例えば、各シナリオデータを実行する場合の優先順位等のデータが格納されている。
【0038】
自動起動条件テーブルは、シナリオデータファイルに収録されているシナリオデータを自動で起動する条件データが各シナリオデータ毎に規定され格納されている。
自動起動条件として、例えば、特定地点Aから所定距離の地点に到達した場合に実行する特定シナリオについての特定地点と距離データや、起動時にエージェントが挨拶するシナリオを実行するための条件としてのイグニッションオン、等の各種自動起動条件が格納されている。
また、自動起動を禁止する自動起動禁止条件として、例えば、(A)手動起動を優先する、(B)別のシナリオを実行中は自動起動しない、(C)例えば30分以内に実行したことがあるシナリオは起動しない、(D)音楽を聞いている場合は起動しない、(E)カーブを右左折中(ステアリング操作中)には起動しない、(F)急減速中もしくは急加速中は起動しない、(G)同乗者と会話しているときは起動しない、(H)ナビゲーション装置、オーディオ装置、エアコン装置、シフトレバ、サイドブレーキ、ワイパー、方向指示器等の各種機器の操作中は起動しない、(I)オーディオの使用中は起動しない(音楽や放送を聞いている障害とならないための条件:オーディオがオンでないこと)、(J)ナビゲーション処理部10による走行経路の案内ガイダンス中は起動しない等の自動起動禁止条件についても格納されている。
但し、これらの自動起動禁止条件を満たす場合であっても、本実施形態による緊急通報時の救急質問シナリオ等は自動起動するように、優先順位がシナリオ管理テーブルで規定されている。この自動起動禁止条件は、各シナリオに共通して適用される条件と、個別のシナリオに適用される条件とがある。
【0039】
本実施形態における、搭乗者情報を収集するためにエージェントが質問をする場合の質問シナリオを起動するのは、運転者の負荷状態が低負荷状態であると判断される場合である。このように判断できるための条件として、以下の条件やその他の条件が規定されている。
(a)1時間以内に質問をするシナリオを実行していない(頻繁に質問しすぎないようにするための条件)
(b)イグニッションオンから15分以上経過している(運転し始めた直後ではない)
(c)車内に会話がない(マイク26からの集音による)
(d)直線道路(ナビゲーションデータ31と現在位置から検出)で、速度変化が所定時間無い。
(e)信号待ちをしている(ナビゲーションデータ31、現在位置、車速から判定)
これらの質問起動条件は、起動のための必須条件かいずれか1つを満たせばよい条件かなどについて決められている。例えば、上記(a)〜(e)の条件に限ると、(a)〜(c)を全て満たし、(d)か(e)を満たした場合に質問シナリオの起動条件がみたされ、質問シナリオが起動される。
この場合でも、上記自動起動禁止条件(A)〜(J)が該当する場合には、質問シナリオの起動は禁止される。
なお、質問起動条件を含め、自動起動条件に基づく起動判定ルーチンは、例えば、1秒毎にポーリング処理されるようになっている。
【0040】
上記した各条件のうち、条件(E)、(F)、(H)、(J)、(d)、(e)により運転操作に対する負荷が判断され、条件(C)、(D)、(G)、(I)、(J)、(a)、(b)、(c)、により運転者が感じる煩わしさの程度が判断される。
【0041】
手動起動可能シナリオ一覧は、シナリオデータファイルに収録されているシナリオデータの中の手動で起動することが可能なシナリオの一覧データが格納されている。
追加リソースデータは、記憶装置の拡張用としてシナリオデータに付加するための音声データや画像データ等が格納されている。
【0042】
各シナリオデータ1〜nは、シナリオヘッダ、音声認識辞書DB、画像データ管理テーブル、シーン管理テーブル、各シーンデータ、実画像データで構成されている。各シナリオは複数のシーンで構成される。
シナリオヘッダは、シナリオデータのヘッダセクションで、シナリオに関する情報が格納されている。
音声認識辞書DBは、シナリオで使用する音声認識辞書のDBで、音声認識辞書データが格納されている。
画像データ管理テーブルは、シナリオで使用する画像を指定するためのデータが格納されている。エージェントの画像は画像データ306に格納され、シナリオに固有の画像はシナリオデータ末尾の実画像データに格納されている。
シーン管理テーブルには、シナリオに収録されているシーンデータを管理するためのデータが格納されている。
【0043】
各シーンデータ1〜mは、シーンヘッダ、画面構成データ、キャラクタ動作指示データ、各種処理指示データ、シーン分岐テーブルから構成されている。
シーンヘッダは、シーンデータのヘッダセクションで、シーンに関する情報とシーンデータに属する各データセクションを管理するデータが格納されている。 画面構成データは、当該シーンで表示する画面構成を規定するセクションで、表示装置27上に表示する画面構成の各パーツのデータが格納されている。
キャラクタ動作指示データは、当該シーンにおけるキャラクタの動作指示と話す内容に関する指示データ(使用する音声データ303を指示するデータ)が格納されている。
各種処理指示データは、当該シーンで他モジュール(例えばナビ)に処理指示依頼を行うデータが格納されている。
シーン分岐テーブルは、当該シーンから次のシーンへの分岐情報が格納されているセクションで、あるシーンにおいてイベントを受け取ったときの次のシーンを規定するデータが格納されている。
【0044】
図4は、シーンデータに基づいて表示装置27に表示されるシーン画面の一例を表したものである。
この図4に示されるシーン画面は、未入力の搭乗者情報である趣味嗜好(食事)を取得するために搭乗者に質問をする質問シナリオのシーン画面(シーン番号0x0001)である。
シーン画面は、図4に示されるように、エージェントの画像(静止画、動画)が表示されるエージェント表示画面51、エージェントの音声に対応した文字が表示される吹き出し画面52、タイトル画面53、及び、各シーン固有の画像データ(実画像データの画像や回答選択ボタン等)が表示されるシーン表示画面54から構成されている。
【0045】
エージェント処理部11は、趣味嗜好(食事)の質問シナリオを起動すると、最初にシーンヘッダで指定されるシーンの画面構成データをシナリオデータファイル302から読み出してシーン画面を表示装置27に表示すると共に、質問文に相当する質問音声を音声出力装置25から出力するようになっている。
図4(a)の質問シナリオのシーン画面では、吹き出し画面52に「どのジャンルの食事が好きですか?」と表示される。なお、吹き出し画面52の表示に対応する音声を音声出力装置25から出力されるようになっている。
また、図4(a)のシーン画面におけるシーン表示画面54には、4つの回答選択ボタン54aの「和食」、「洋食」、「中華」、「特に無し」が表示されている。
【0046】
この搭乗者に対する質問のシーンには、シーン管理テーブルに従って、搭乗者の回答に応じた複数のシーンが分岐して続くようになっている。
すなわち、図4(a)のシーン画面(シーン番号0x0001)で搭乗者が回答選択ボタン「和食」を選択すると、エージェント処理部11は、回答に応じたシーン画面(b)に分岐して表示される。このシーン画面(b)では、選択された「和食」がタイトル画面53に表示されると共に、吹き出し画面には「和食が好きなのですね。」と表示され、なお、分岐後の和食のシーン画面では、和食の実画像がシナリオデータから読み出され、シーン表示画面54に表示される。そしてエージェント処理部11により、搭乗者の回答、例えば、「和食」が搭乗者情報として、搭乗者情報307の趣味嗜好データに格納されるようになっている。
本実施形態の救急質問シナリオの場合には、各シーン毎に搭乗者の状態等に関する救急質問がされ、その質問に対する各回答が搭乗者情報307に格納されるようになっている。
このようにして、シナリオに規定された各シーン画像と音声が最後のシーンまで連続的に順次表示、出力されることで、1シナリオにおけるエージェントの行為が完了することになる。
【0047】
記憶装置29(図1)の音声データ303には、選択されたシナリオのシーンに従って、エージェントが搭乗者と会話等を行うための音声データが格納されている。エージェントによる会話の音声データは、本実施形態による、エージェントの救急質問の音声データも格納されている。
音声データ303の各データは、シーンデータのキャラクタ動作指示データにより指定される。
【0048】
画像データ306には、シナリオにより指定された各シーンで使用されるエージェントの状態を表す静止画像や、動作を表す動画(アニメーション)等が格納されている。例えば、エージェントがお辞儀をする動画、うなずく動画、右手を挙げる動画等が格納されている。これらの各静止画像や動画には画像コードが付けられている。
画像データ306に格納されるエージェントの容姿としては、人間(男性、女性)的な容姿である必要はない。例えば、非人間型のエージェントとして、タコや、ひよこ、犬、猫、カエル、ネズミ等の動物自体の容姿や、人間的に図案化(イラスト化)した動物の容姿であってもよく、更にロボット的な容姿や、フロアスタンドや木などの容姿や、特定のキャラクタの容姿等であってもよい。またエージェントの年齢としても一定である必要がなく、エージェントの学習機能として、最初は子供の容姿とし、時間の経過と共に成長していき容姿が変化していく(大人の容姿に変化し、更に老人の容姿に変化していく)ようにしてもよい。画像データ306には、これらの各種エージェントの容姿の画像が格納されており、運転者の好みによって入力装置22等から選択することができるようになっている。
【0049】
搭乗者情報307は、搭乗者に関する情報で、エージェントによる行為をより搭乗者の希望や趣味嗜好に合ったものとするため、また、緊急事態の擬似体験を提案する際に利用される。
図5は搭乗者情報307の構成を概念的に表したものである。
この図5に例示されるように、搭乗者情報307には、搭乗者のID(識別情報)、名前、年齢、性別、結婚(既婚か未婚か)、子供(有無、人数、年齢)からなる搭乗者基礎データと、趣味嗜好データと、図示しない健康管理データが格納されるようになっている。
趣味嗜好データとしては、スポーツ、飲食、旅行等の大項目と、これら大項目の概念に含まれる詳細項目とから構成されている。例えば、大項目スポーツには、好きなサッカーチーム、好きな野球の球団、ゴルフに対する興味等の詳細なデータが格納されるようになっている。
健康管理データには、健康管理上のデータで、持病がある場合にその病名や症状、かかりつけの病院名等が格納され、擬似体験時の提案や、擬似体験中の質問等に用いられる。このように、搭乗者の情報を記憶することをもって、本発明の搭乗者情報記憶手段とする。
本実施形態では、これらの搭乗者情報には優先順位が決められており、エージェントは、未だ格納されていない搭乗者情報のうち優先順位が高い順に搭乗者に質問をするようになっている。搭乗者基礎データは、趣味嗜好データよりも優先順位が高くなっている。
【0050】
搭乗者情報307は、搭乗者が複数存在する場合には、各搭乗者毎に作成される。そして、搭乗者を特定して該当する搭乗者情報が使用される。
搭乗者の特定は、例えば、イグニッションオン時に、全搭乗者に共通するエージェントが登場して搭乗者へ問い合わせをし、その回答から特定する。搭乗者の問い合わせは、入力済み搭乗者の氏名とその他を選択するボタンを表示装置に表示し、選択を促す音声を出力する。その他が選択された場合には新規ユーザ登録画面を表示する。
なお、体重、運転席(シート)の固定位置(前後位置、背もたれの角度)、ルームミラーの角度、視線の高さ、顔写真をデジタル化したデータ、音声の特徴パラメータ等の搭乗者固有の情報を少なくとも1つ搭乗者情報307に格納しておき、これらの情報から搭乗者を特定するようにしてもよい。
【0051】
ナビゲーションデータ31には、経路案内等で使用される各種データファイルとして、通信地域データファイル、描画地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、探索データファイル、写真データファイル等の各種データが格納されている。
【0052】
通信地域データファイルには、通信制御部24に接続され又は無接続で車内において使用される携帯電話が、車内から通信できる地域を表示装置27に表示したり、その通信できる地域を経路探索の際に使用するための通信地域データが、携帯電話のタイプ別に格納されている。
描画地図データファイルには、表示装置27に描画される描画地図データが格納されている。この描画地図データは、階層化された地図、例えば最上位層から日本、関東地方、東京、神田といった階層ごとの地図データが格納されている。各階層の地図データは、それぞれ地図コードが付されている。
【0053】
交差点データファイルには、各交差点を特定する交差点番号、交差点名、交差点の座標(緯度と経度)、その交差点が始点や終点になっている道路の番号、および信号の有無などが交差点データとして格納されている。
ノードデータファイルには、各道路における各地点の座標を指定する緯度、経度などの情報からなるノードデータが格納されている。すなわち、このノードデータは、道路上の一地点に関するデータであり、ノード間を接続するものをアークと呼ぶと、複数のノード列のそれぞれの間をアークで接続することによって道路が表現される。
道路データファイルには、各道路を特定する道路番号、始点や終点となる交差点番号、同じ始点や終点を持つ道路の道路番号、道路の太さ、進入禁止等の禁止情報、後述の写真データの写真番号などが格納されている。
交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイルにそれぞれ格納された交差点データ、ノードデータ、道路データからなる道路網データは、経路探索に使用される。
【0054】
探索データファイルには、経路探索により生成された経路を構成する交差点列データ、ノード列データなどが格納されている。交差点列データは、交差点名、交差点番号、その交差点の特徴的風景を写した写真番号、曲がり角、距離等の情報からなる。また、ノード列データは、そのノードの位置を表す東経、北緯などの情報からなる。
写真データファイルには、各交差点や直進中に見える特徴的な風景等を撮影した写真が、その写真番号と対応してデジタル、アナログ、またはネガフィルムの形式で格納されている。
【0055】
次に、このように構成されたエージェント装置(緊急通報装置)による、緊急通報機能の詳細について説明する。
エージェント装置の緊急通報機能では、実際に緊急事態が発生した場合に緊急連絡を行う緊急通報モードの処理と、この緊急通報モードでの操作や対応を練習する練習モードの処理がある。
なお、練習モードで使用するインターフェース類は、練習効果を効率的にするため、緊急通報装置の実使用時と同一のインターフェース類を使用している。
【0056】
以下の説明では、エージェント装置の緊急通報機能による処理動作について、(1)緊急通報モードにおける処理動作、(2)練習モードにおける処理動作、(3)練習モードで練習中に緊急事態が発生して緊急通報モードに切替える場合の処理動作、のそれぞれについて説明する。
【0057】
(1)緊急通報モードにおける処理動作
緊急通報モードでは、運転中に運転者や乗客などが病気になったり、走行中に崖崩れが発生した場合、衝突事故に遭遇した場合など、何らかの緊急事態が実際に発生し、救援機関に救助を求める場合である。
図6は、自動車と救援機関の関係を示した図である。
自動車61は、本実施の形態のエージェント装置を搭載した車両である。救援機関63は、自動車61で何らかのトラブルが発生した場合に救援業務を行う機関であって、例えば、消防署、警察署、民間の救援機関などが該当する。
自動車61でトラブルが発生して運転者が緊急通報部21(図1)の緊急通報スイッチをオンするとエージェント処理部11が通信制御部24と救援機関63の間で無線によって通信回線を確立する。緊急通報部21により確立される通信回線は、専用の通信回線のほか、電話回線を利用するようにしてもよい。
救援機関63は、エージェント装置からの通報を受けると、緊急事態の内容を通報者から確認し、必要に応じて救援隊を自動車61に派遣する。そして、エージェント装置は、救援隊が現場に到着するまでの間に、搭乗者から救助隊に提供するための情報(名前、年齢、血液型などの個人情報その他)を聞き出し、記憶装置29に格納しておく。
【0058】
図7は、緊急通報モードにおける、ユーザ、緊急通報装置(エージェント装置のエージェント処理部11)及び救援機関の各動作を表したフロー図である。
何らかの緊急事態が発生した場合、運転者あるいは乗客(以下では運転者が操作を行うものとする)は緊急通報部21の緊急通報スイッチをオン(選択)する。(ステップ11)。緊急通報スイッチがオンされると、エージェント装置は緊急通報モードでの動作を開始する。
また、各種状況検出装置40により異常事態を検出(例えば、衝突センサ432による衝突の検出)し、エージェント処理部11が自動的に緊急通報モードでの動作を開始する場合もある。
【0059】
すると、エージェント処理部11は、例えば、消防署、警察署、特定の民間の救援機関などと、各種トラブルに対応する救援機関を選択可能に表示装置27に表示する(ステップ12)。
なお、救援機関の代わりに、急病、事故、災害、などトラブルの種類を選択可能に表示しても良い。この場合、表示されるトラブルの種類は、例えば、急病の場合は消防署、事故の場合は警察署といったように、救援を求めるべき救援機関に対応付けておき、トラブルの種類が選択されると対応する救援機関が特定できるようにしておく。
【0060】
搭乗者は表示された救援機関の中から、トラブルの種類に対応する救援機関を判断して選択し、入力装置22から入力する(ステップ13)。
なお、救援機関の選択をエージェント処理部11が自動的に行うようにすることも可能である。この場合、エージェント処理部11は、各種状況検出装置40の検出信号からトラブルの種類を推測し、救援機関を特定する。例えば、車両の衝突を検出した場合には、警察署に通報し、エージェントによる「大丈夫ですか?」等の問いかけに対して、応答がない場合や救急車の要請に関連する応答が確認された場合には、さらに消防署に通報する。
あるいは、搭乗者からの入力を所定の時間だけ待ち、運転者からの入力がない場合に、救援機関を自動選択するように構成しても良い。これは、運転者の意識がある場合は搭乗者に選択してもらい、搭乗者が意識を失っている場合は、搭乗者の代わりにエージェント処理部11が選択するものである。
【0061】
次に、エージェント処理部11は、通信制御部24を用いて選択された救援機関との通信回線を確立し、救援機関への通報を開始する(ステップ14)。
救援機関では、担当のオペレータが対応する。搭乗者はマイク26を用いてオペレータに対して話しかけることができ、音声出力装置25を用いてオペレータからの問いかけを聞くことができるようになっている。
オペレータが搭乗者に対して行う、トラブルの内容、怪我・病気の有無や現在位置の質問などの問合せは、通信回線を介して救援機関からエージェント装置に送信さる。そして、エージェント装置では、エージェント処理部11が音声出力装置25を用いてオペレータの問合せを車内放送する(ステップ15)。
【0062】
そして、エージェント処理部11は、オペレータの質問に対する、搭乗者による事故の内容や怪我の有無などの返答をマイク26により取得し、通信制御部24を用いて救援機関に送信する(ステップ16)。
エージェント処理部11は、オペレータが必要な情報を得るまで上記ステップ15、16を繰り返す。
オペレータは、搭乗者から必要な情報を聞き出すと、救急隊に出動を指示すると共に(ステップ17)、搭乗者に対して救急隊が出動したことを報告する(ステップ18)。
【0063】
なお、以上の例では、搭乗者がオペレータと会話を行い、運転者が救急隊の出動を要請したが、搭乗者が意識を失っており、オペレータと会話できない場合も想定できる。
そのため、エージェント処理部11が現在位置検出装置41から搭乗者の現在位置を特定し、これを合成音声によってオペレータに伝えるように構成することもできる。このようにナビゲーションとの連携を行うこともできる。
また、この場合、緊急通報部21は、搭乗者が意識を失っていることを推測すると共に、各種状況検出装置40の検出信号から緊急事態を推測し、例えば、「トラブル発生現場は〇△町3丁目交差点付近です。衝突事故が発生した模様です。搭乗者は意識不明と思われます」などと、合成音声によってオペレータに救援を求めるように構成することもできる。緊急事態の発生位置は、現在位置検出装置41により検出される車両の現在位置が使用される。
更に、撮像装置28を用いて車内の様子や車外の様子を撮影して救援機関63に送信するよう構成することもできる。
【0064】
(2)練習モードにおける処理動作
次に、練習モードにおけるエージェント装置の処理動作について説明する。
緊急通報モードでは、救援機関のオペレータが搭乗者との対応を行ったが、練習モードでは、エージェント処理部11が所定のシナリオ(救援機関のオペレータによる、搭乗者に対する対応を想定したシナリオ)に従って、オペレータの代わりに搭乗者に質問を行う。
図8は、練習モードにおけるエージェント装置の動作を説明するための図である。一方、図9は、練習モード時に表示装置27に表示されるシーンの一例を表したものである。これらのシーンは練習シナリオに含まれているものである。
以下に図8を、図9を用いながら説明する。
【0065】
まず、搭乗者は緊急通報部21の練習スイッチをオンして選択することにより、練習モードを選択する(ステップ21)。練習モードが選択されると、エージェント装置は練習モードでの動作を開始する。このように、練習モードは搭乗者がエージェント装置に練習モードの実行を要請することにより起動する
図9(a)は、練習キーを選択する際に、エージェント処理部11が表示装置27に表示するシーン画面である選択画面の1例を示した図である。
選択画面では、エージェントが表示されると共にエージェントの吹き出しが「練習モードを立ち上げますか」などと表示される。更に、エージェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から車内放送する。
このように搭乗者に確認を取ることにより、搭乗者は本番の緊急通報の動作との混同をすることなく安心して練習機能を利用できる。
【0066】
選択画面には、更に「はい」と「いいえ」が、例えば一方がハイライトや反転表示されるなど、何れが選択されているかが識別可能に表示されている。「はい」と「いいえ」の選択は、搭乗者が入力装置22から設定し、また音声により選択することができるようになっている。図示しないが搭乗者が入力装置22で確定ボタンを押すと、エージェント処理部11は選択を確定し、次の処理に移行する。
「はい」が選択された場合は、エージェント処理部11は、練習モードによる練習を開始し、「いいえ」が選択された場合は、練習モードを終了する。
図示しないが、「はい」が選択されると表示装置27にエージェントが表示されると共に、「練習モードが選択されました」との音声が車内放送され、エージェントが練習モードの開始を宣言する。
【0067】
図8に戻り、練習モードが選択されると、エージェント処理部11は、急病用、事故用などと想定するトラブルの内容を選択式に複数提案し、その項目を表示する(ステップ22)。また、提案する手段としては、例えば、搭乗者情報307に格納された情報に、心疾患の持病がある場合、心疾患の緊急事態を提案する。このように、緊急事態の項目を提案することをもって、本発明の提案手段とする。搭乗者は、複数表示されたトラブルの内容から所望のものを選択する(ステップ23)。上記提案し、表示されたものの中から所望の項目を選択することをもって、本発明の項目選択手段とする。そして、選択したトラブルの種類により、練習内容が急病用、事故用などと分岐するようになっている。
なお、トラブルの内容の代わりに救援機関を選択するように構成しても良い。
【0068】
図9(b)は、選択画面で「はい」が選択された場合に、エージェント処理部11が表示装置27に表示するシーン画面であるトラブル提案画面の1例を示した図である。
トラブル提案画面では、エージェントが「どのような状況を想定して練習しますか」という吹き出しと共に表示される。更に、エージェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から車内放送する。
トラブル想定画面には、更に、「急病」、「事故」、「災害」などと、トラブルの内容が何れが選択されているかが識別可能に表示されている。トラブルの種類は運転者が入力装置22から設定できるようになっている。図示しないが運転者が入力装置22で確定ボタンを押すと、エージェント処理部11は選択を確定し、次の処理に移行する。
このように、搭乗者は、どのような状況にあるのか想定する状況を設定することができる。
また、ナビゲーションと連携して現在位置検出装置41より得られる情報を基に練習を行う地点により、その場所で起こりうる事故を提案することもできる。このように現在位置装置41より、現在地の情報を検出することをもって、本発明の現在地情報検出手段とする。
車両の現在位置に応じた事項を想定して緊急事態の項目を提案する場合の例として、例えば、高低差のある場所の場合、転落、滑落などが考えられる。また、過密都市の場合は衝突が、広い空間がある場所ではスピードの出しすぎによるスピンなどが考えられる。
【0069】
図8に戻り、搭乗者がトラブル提案画面でトラブルの内容を選択すると、エージェント処理部11は、搭乗者に選択した内容でよいか再確認した後、緊急通報の選択を指示する。搭乗者はエージェント処理部11の指示に従い、緊急通報装置を起動する(ステップ24)。このように、練習モードでは救援機関への通報が禁止され、緊急通報スイッチをオンしても通報は行われない。
【0070】
図9(c)は、エージェント処理部11が搭乗者に選択したトラブルの内容で処理を進めて良いか否かを確認する場合に、表示装置27に表示するシーン画面である内容確認画面の1例を示した図である。
内容確認画面では、エージェントが「事故を想定した練習モードを開始します。よろしいですか」という吹き出しと共に表示される。
更に、エージェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から車内放送する。
【0071】
選択画面には、更に「はい」と「いいえ」が、例えば一方がハイライトされるなど、何れが選択されているかが識別可能に表示されている。「はい」と「いいえ」の選択は、搭乗者が入力装置22から設定できるようになっている。図示しないが搭乗者が入力装置22で確定ボタンを押すと、エージェント処理部11は選択を確定し、次の処理に移行する。
「はい」が選択された場合は、エージェント処理部11は、選択したトラブルの内容で処理を進め、「いいえ」が選択された場合は、トラブル選択画面を再表示し、搭乗者に再度の選択を促す。
【0072】
図9(d)は、エージェント処理部11が搭乗者に緊急通報装置の起動を指示するシーン画面である起動指示画面の1例を示した図である。
起動指示画面では、エージェントが「練習モードを開始しました。通常通り緊急通報装置を起動してください」という吹き出しと共に表示される。
更に、エージェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から車内放送する。
このように、練習モードの開始を確認した後、通常どおり緊急通報部21の起動ボタン、即ち緊急通報スイッチを押す。
【0073】
図8に戻り、搭乗者が緊急通報部21を緊急通報スイッチをオンして起動すると、エージェント処理部11は、例えば、「どうされましたか」とか、「けが人はいますか」などと事故の内容や、怪我の有無、現在位置などの救援機関のオペレータの質問を模した音声を音声出力装置25から出力する(ステップ25)。上記救援機関のオペレータの質問を模した音声を出力することで、本発明の質問手段とする。また、質問に合わせて表示装置27にエージェントを吹き出しと共に表示する。
音声出力装置25から車内放送されたエージェントからの質問に対して搭乗者は、「発作がおきました」とか、「ガードレールにぶつかりました」などと返答する(ステップ26)。さらに、質問に対する返答を応答データ305に格納する。上記質問に対する返答をもって、本発明の返答受領手段とする。緊急通報部21は、マイク26から搭乗者の声を検出し、搭乗者が質問に答え終わると次の質問を行うようになっている。なお、予め想定される緊急事態の内容をリスト表示し、その中から該当する緊急状態を選択するようにしてもよい。もちろん、このリスト表示からの選択と音声による返答(緊急事態の内容を説明する返答)を併用するようにしてもよい。
また、所定の間隔をおいて次の質問をするようにしても良い。
そして、練習が終了すると、エージェント処理部11は、音声出力装置25や表示装置27から練習が終了したことを搭乗者に報告し、返答受領手段に格納された返答を基に、実際時のアドバイス、例えば、声が小さく聞きとりづらかった場合、「もっと大きな声で答えてください。」というメッセージを出力するなどの評価を行う(ステップ27)。上記実際時のアドバイスなどをすることをもって、本発明の練習評価手段とする。
なお、本実施形態では、練習が終了した後に、練習における応答に対するアドバイスを行うようにしたが、各質問に対する搭乗者の応答毎にアドバイスを行うようにしてもよい。
また、評価については各質問の終了から返答までの時間を計測し、返答時間の長短を、望ましい返答時間との比較において伝えることで、練習評価の1指標とするようにしてもよい。望ましい返答時間は、質問内容毎に設定し、各質問毎に返答時間の長短をグラフ表示することで評価するようにし、また、平均返答時間の長短により評価するようにしてもよく、これら両者を採用してもよい。
また、練習の開始から終了までの平均的な対応時間を各緊急事態毎に予め設定しておき、計測した練習開始から終了までの時間の長短を使用して評価するようにしてもよい。
【0074】
図9(e)は、エージェント処理部11が搭乗者が緊急通報部21を起動した後に表示するシーン画面である質問画面の1例を示した図である。なお、この画面は事故がおきたことを想定したものである。
質問画面では、エージェントが「どうしましたか」などといった吹き出しと共に表示される。
更に、エージェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から車内放送する。
図9(f)は、練習を終了する際に、エージェント処理部11が表示するシーン画面である終了画面の1例を示した図である。
終了画面では、エージェントが「お疲れ様でした」などといった吹き出しと共に表示される。
このように、練習モード上で想定する状況下と同様の緊急通報部21の使用方法を擬似体験することができる。上記緊急通報部の使用法を擬似体験する一連の処理をもって、本発明の練習手段とする。また、この擬似体験の結果を応答データ305に格納することをもって、本発明の結果記憶手段とし、この結果を基に、擬似体験の提案をすることができる。
【0075】
(3)練習モードで練習中に緊急通報モードに切替える場合
次に、練習モードで練習中に緊急事態が発生して緊急通報モードに切替える場合におけるエージェント装置の動作を説明する。
練習モードで練習中に緊急事態が発生した場合は、緊急通報スイッチを再度選択すると緊急通報モードに移行することができる。
このように、練習モード時に事故・急病等トラブルに見舞われた場合、途中から実使用モードを割り込ませ、すぐさま緊急通報装置を実使用することができる。
【0076】
図10は、練習モードから緊急通報モードに移行する場合のエージェント装置の動作を説明するための図である。
まず、練習モードで練習中に緊急事態が発生した場合、搭乗者は緊急通報スイッチをオンして選択する(ステップ31)。
エージェント処理部11は、緊急通報スイッチが選択され、緊急通報部21が再度作動されたことを確認すると、練習モードを終了し、トラブルの種類に該当する救援機関を提示する(ステップ32)。
以降、エージェント処理部11は、図7の図と同様に動作する。即ち、エージェント処理部11は、通信制御部24により通信回線を確立し、救援機関に通報する(ステップ34)。
次に、救援機関のオペレータがトラブルの内容、怪我・病気の有無などを搭乗者に質問し(ステップ35)、これに対して搭乗者が返答する(ステップ36)。
質問が終了するとオペレータは、救援隊の出動を要請すると共に(ステップ37)、搭乗者に救援隊が出動したことを報告する(ステップ38)。
【0077】
以上に説明したように、実施の形態は救援機関でオペレータが対応するように構成したが、これに限定するものではなく、救援機関にエージェント装置からの緊急通報を受信するサーバ装置を設けてエージェント装置からの緊急通報を自動処理するように構成することもできる。また、車両の現在位置の取得や各種状況検出装置40で検出された信号などの各種データはサーバ装置で受信し、搭乗者に対する細かな対応はオペレータが行うように構成しても良い。
また、練習モードは、以上のように車載の緊急通報装置上で行っても良いし、次の変形例で説明するようにネットワークを介して緊急通報センターなどを介しても良い。
更に、状況の想定をする際も、搭乗者が過去にどのような練習を行ったか、応答データ305に基づき、エージェントが管理し、ユーザーに「お勧め」の練習を促すことで、万遍なく種々の練習をするように構成することもできる。
次の変形例の様なセンターを介さないクローズドな練習モードの場合、エージェントとの対話形式で練習を行うため、普段のナビシステムの操作と同じ感覚で機能を使用できる。
【0078】
(実施の形態の変形例)
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
図11は、本変形例におけるネットワーク構成の1例を示した図である。本変形例のネットワーク構成はエージェント装置を搭載した自動車61、センター62、救援機関63などから構成されている。
本変形例では、センター62と自動車61が無線通信を行うことにより、運転者に一例として以下の様な各種サービスを提供している。
【0079】
本変形例のエージェント装置は、記憶装置29に格納してあるデータのうち、一部又は全部をセンター62に置いて無線回線を用いて取得するようになっている。この点を除き、自動車62が搭載しているエージェント装置は、先に説明した実施の形態のエージェント装置と概略同じである。そのため、本変形例では先の実施の形態で説明したエージェント装置の各構成要素に付した番号を援用することにする。
【0080】
本変形例では、自動車61で緊急事態が発生して緊急通報スイッチが選択された場合、緊急通報はセンター62になされるようになっている。センター62では担当のオペレータが配属されており、搭乗者の対応をするようになっている。オペレータは搭乗者から必要な情報を聞き出すと、これを元に救援機関63に救援の依頼を行う。
本変形例における緊急通報機能では、実際に緊急事態が発生した場合に緊急連絡を行う緊急通報モードの処理と、この緊急通報モードでの操作や対応を練習するする練習モードの処理があり、この場合も、練習モードで使用するインターフェース類は緊急通報装置の実使用時と同一のインターフェース類が使用される。以下の説明では、エージェント装置の緊急通報機能による処理動作について、(1)緊急通報モードにおける処理動作、(2)練習モードにおける処理動作、(3)練習モードで練習中に緊急事態が発生して緊急通報モードに切替える場合の処理動作、のそれぞれについて説明する。
【0081】
(1)緊急通報モードにおける処理動作
運転中に運転者や乗客などが病気になったり、走行中に崖崩れが発生するなど、何らかの緊急事態が実際に発生し、救援機関に救助を求める場合である。
図12は、緊急通報モードにおけるエージェント装置の動作を説明するための図である。
何らかの緊急事態が発生した場合、搭乗者は緊急通報部21の緊急通報スイッチをオンして選択する。(ステップ41)。緊急通報スイッチが選択されると、エージェント装置は緊急通報モードでの動作を開始する。
また、各種状況検出装置40が衝突の衝撃などから異常事態を検出して自動的に緊急通報モードでの動作を開始する場合もある。
【0082】
するとエージェント処理部11は、通信制御部24を用いてセンター62との間に通信回線を確立する(ステップ42)。
センター62ではオペレータが、搭乗者に応対してトラブルの内容、怪我・病気の有無、現在位置などを質問する。センター62から送信されたオペレータの質問は、通信制御部24を介してエージェント処理装置11で受信される。エージェント処理装置11は、受信したオペレータの音声を音声出力装置25を用いて車内に放送する(ステップ43)。
【0083】
次に、搭乗者は車内放送されたオペレータの質問に対してトラブルの内容や怪我の有無などの返答を行う。エージェント処理部11は、マイク26を介して運転者の返答を取得する。エージェント処理部11は、取得した搭乗者の返答を通信制御部24を介してセンター62に送信する(ステップ44)。
オペレータは、ステップ43、44を繰り返して、搭乗者から必要な情報を聞き出す。
次に、オペレータは搭乗者から聞き出した情報からトラブルの種類に該当する救援機関を判断し、救援機関63に通報する(ステップ45)。この通報は、通常の電話回線などを用いて行われる。
救援機関63は、オペレータから取得した情報に基づき、救援隊の出動を依頼すると共に(ステップ46)、オペレータに対して救援隊を派遣した旨を伝える(ステップ47)。
オペレータは救援機関62から救援隊派遣の報告を受けると、通信回線を用いて搭乗者に救援隊が派遣されたことを報告する(ステップ48)。
【0084】
(2)練習モードにおける処理動作、
次に、練習モードの場合のエージェント装置の動作を説明する。
図13は、、練習モードにおけるエージェント装置の動作を説明するための図である。
まず、搭乗者は練習スイッチを選択し、練習モードを選択する(ステップ51)。練習スイッチが選択されるとエージェント装置は、練習モードにセットされる。
エージェント処理部11は、練習モードになると、表示装置27に、例えば「急病用」、「事故用」、「災害用」などと、想定するトラブルの内容を選択式に複数提示する(ステップ52)。
搭乗者は入力装置22を用いて何れかのトラブル内容を選択する(ステップ53)。
エージェント処理部11は、搭乗者がトラブル内容を選択した後、表示装置22と音声出力装置25を用いて緊急通報部21の作動(緊急通報スイッチをオンすると作動する)を指示する(ステップ54)。
【0085】
搭乗者がエージェント処理部11の指示に従い、緊急通報部21を作動させると、エージェント処理部11は、通信制御部24を介してセンター62との無線回線を練習モードにて確立する(ステップ55)。
センター62のオペレータには、回線確立の際に、この回線の確立が練習用であること、及び搭乗者が想定したトラブルの内容が提示されるようになっている。
オペレータは、トラブルの内容や怪我の有無などを搭乗者に質問する(ステップ56)。オペレータの質問は無線回線を介してエージェント装置に送られる。エージェント装置では、エージェント処理部11が通信制御部24を介してオペレータの音声データを取得し、音声出力装置25を用いて車内放送する。
搭乗者はオペレータの質問に対してトラブルの内容や怪我の有無などを答える(ステップ57)。エージェント処理部11は、マイク26から搭乗者の返答を取得し、通信制御部24を用いてこれをセンター62に送信する。
オペレータはステップ56、57を繰り返し、搭乗者から必要な情報を聞き出した後、搭乗者に対して練習終了の報告をすると共に、その練習に対する採点や実際時のアドバイスなどを行う(ステップ58)。
【0086】
図14は、(2)の練習モードの場合のエージェント装置の動作の他の例を説明するための図である。
まず、搭乗者が緊急通報部21の練習スイッチをオンして練習モードを選択する(ステップ61)。すると、エージェント処理部11は、通信制御部24を用いて、センター62に設置された練習サーバに練習モードで無線回線を確立する(ステップ62)。
練習サーバは、想定するトラブルの内容を選択式に複数提示するための提示データをエージェント装置に送信する(ステップ64)。
【0087】
エージェント処理部11は、通信制御部24を介して提示データを受信し、トラブルの内容を選択する選択画面を表示装置27に表示する(ステップ64)。
搭乗者は選択画面を参照し、入力装置22を用いて所望のトラブルの内容を選択する(ステップ65)。
エージェント処理部11は、搭乗者が選択したトラブルの内容を通信制御部24を介して練習サーバに送信する。
練習サーバは、搭乗者にトラブルの内容や怪我・病気の有無を質問する音声データをエージェント装置に送信する(ステップ66)。また、このとき、表示装置27にエージェントや吹き出しなどを表示するための画像データを共に送っても良い。
【0088】
エージェント処理部11は、通信制御部24から音声データを受け取り、音声出力装置25を用いて練習サーバからの質問事項を車内放送する。
エージェント処理部11は、搭乗者の返答をマイク26で取得し、通信制御部24を用いて練習サーバに送信する(ステップ67)。
練習サーバはステップ66、67を繰り返し、練習が終了すると練習終了の報告と実際時のアドバイスなどをエージェント装置に送信する(ステップ68)。
【0089】
この例では、練習サーバが搭乗者に質問したが、質問はオペレータが行うようにしても良い。
また、練習サーバが行う質問を選択式にして表示装置27にエージェントと共に表示し、搭乗者が入力装置22を用いて選択するように構成しても良い。
【0090】
(3)練習モードで練習中に緊急通報モードに切替える場合
次に、図15を用いて、練習モードで練習中に緊急事態が発生して緊急通報モードに切替える場合におけるエージェント装置の動作を説明する。
練習モードで練習中に緊急事態が発生した場合は、緊急通報部21で緊急通報スイッチを再度選択すると緊急通報モードに移行することができる。
【0091】
エージェント装置が練習モードで作動している最中に実際に緊急事態が発生した場合、搭乗者は緊急通報部21で緊急通報スイッチを再度選択する(ステップ71)。
エージェント処理部11は、再度緊急通報スイッチが選択され、緊急通報部21が再作動したことを確認すると練習モードを終了し、緊急通報モードに移行する。そしてエージェント処理部11は、通信制御部24を用いてセンター62との無線通信回線を確立する(ステップ72)。
以降、エージェント処理部11が行う処理は、(1)の緊急通報モードの場合と同じである。
まず、センター62でオペレータが搭乗者に対してトラブルの内容や怪我・病気の有無などの質問を行い(ステップ73)、これに対して搭乗者が返答する(ステップ74)。オペレータはステップ73、74を繰り返して必要な情報収集した後、トラブルの種類に該当する救援機関を判断し、当該救援機関に通報する(ステップ75)。
救援機関は、救急隊に出動を依頼すると共に(ステップ76)、救援隊の出動をオペレータに報告する(ステップ77)。オペレータは、救援機関から救援隊出動の報告を受けるとこれを運転者に伝える(ステップ78)。
【0092】
なお、本変形例では、通信回線を介してセンター62から各種の緊急通報練習プログラムを送信してもらうことができる。
【0093】
以上に説明した本実施の形態及び実施の形態の変形例では以下の様な効果を得ることができる。
救援機関への通報を禁止することを付加することにより、通報装置の練習が可能になり、通報装置を迅速、且つ正確に使用することができるようになる。
センタ等を介した通報装置の練習が可能になる。
過去に練習した緊急事態の種類を記憶しておくことにより、各種緊急事態の練習が満遍なくできるようになる。また、使用者にとってなりうる可能性が高い緊急事態を優先的に練習することができる。
周囲の環境を想定することにより、その環境が、例えば高い位置にあった場合、転落事故の練習をする、過密都市にあった場合、衝突事故時の練習をする等地点での起こりうる事故に対する練習をすることができる。
使用者が行った通報装置の練習に対し、採点、アドバイス等の評価を行うことにより、通報装置の使用方法をより判りやすくすることができ、正確に使用できるようになる。
通報装置練習中に、実際の事故にあった場合、実際の通報に切り換えることができる。
通報装置にエージェントを組み込むことにより、より通報装置を使いやすくすることができる。
外部からの通報装置の練習に関するプログラムを取得することにより、より多くの通報装置の練習をすることができる。
緊急通報装置を使用することの抵抗感を少なくすることができる。
【0094】
なお、本発明の実施形態として次の(a)〜(h)に記載した緊急通報装置を採用するようにしてもよい。これら(a)〜(h)の緊急通報装置によれば、事故、急病等トラブル時における緊急通報を練習モードで練習することができ、実際の緊急事態に備えることができる。
(a)緊急事態の発生を車両から車両外の所定機関に対して通報を含めた一連の処理を行う緊急通報手段と、
前記緊急通報手段による一連の処理を開始する開始手段と、
前記緊急通報手段による一連の処理の練習をユーザに提供する練習手段と、
を具備することを特徴とする緊急通報装置。
(b)前記練習手段は、前記開始手段による開始を含めた処理の練習を提供することを特徴とする(a)に記載の緊急通報装置。
(c)前記緊急通報手段による一連の処理は、緊急事態の複数の状況をユーザが選択する処理を含み、選択された状況に対応した機関に通報する
ことを特徴とする(a)又は(b)に記載の緊急通報装置。
(d)前記練習手段は、当該練習の開始をユーザに確認する確認手段を更に具備する
ことを特徴とする(a)、(b)、又は(c)に記載の緊急通報装置。
(e)緊急通報を行う所定の機関は、警察、病院、消防署等の公的救援機関、又は、当該公的救援機関との連絡を行う情報センタであることを特徴とする(a)から(d)のうちのいずれか1に記載の緊急通報装置。
(f)前記開始手段は、前記練習手段による練習の提供中に、当該練習を中止して前記緊急通報手段による一連の処理を開始可能であることを特徴とする(a)から(e)のうちのいずれか1に記載の緊急通報装置。
(g)前記練習手段による練習をユーザに提案する提案手段
を更に備えたことを特徴とする(a)から(f)うちのいずれか1に記載の緊急通報装置。
(h)所定の容姿からなるエージェントの画像を車室内に表示するエージェント表示手段と、
音声を出力する音声出力手段と、
前記エージェントの画像と前記音声の少なくとも一方を、前記通報手段、前記開始手段、及び前記練習手段のうちの少なくとも1の処理に連動して出力することを特徴とする(a)から(g)のうちのいずれか1に記載の緊急通報装置。
【0095】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、車両から救援機関に、車両の現在地に対応して想定される緊急事態情報を通報するための練習をすることにより、実際の緊急時に的確、かつ冷静に緊急通報装置を使用することが可能となる。また、通報するための練習することにより、実際の緊急時に装置の存在を忘れてしまうことを防ぐことが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、車両から救援機関に、搭乗者の情報に対応して、想定される緊急事態を通報するための練習をすることにより、実際の緊急時に的確、かつ冷静に緊急通報装置を使用することが可能となる。また、通報するための練習することにより、実際の緊急時に装置の存在を忘れてしまうことを防ぐことが可能となる。
請求項3記載の発明によれば、記憶された過去に行った練習結果に基づいて、想定される緊急事態項目を練習することが可能となる。
請求項4記載の発明によれば、緊急事態情報を通報するための練習の返答を格納し、返答に対する評価を行うことにより、実際の緊急時において、より的確に装置を使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における緊急通報装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同上、緊急通報装置におけるエージェント処理部の構成図である。
【図3】同上、緊急通報装置におけるシナリオデータファイルのデータ構造とデータ内容を概念的に表した説明図である。
【図4】同上、シナリオのシーンデータ基づいて表示装置に表示されるシーン画面を表した説明図である。
【図5】同上、緊急通報装置における運転者情報の構成を概念的に表した説明図である。
【図6】同上、自動車と救援機関の関係を示した図である。
【図7】同上、緊急通報モードにおける緊急通報装置の動作を表した図である。
【図8】同上、練習モードにおけるエージェント装置の動作を説明するための図である。
【図9】同上、練習モード時に表示装置に表示されるシーンの一例を表したものである。
【図10】同上、練習モードから緊急通報モードに移行する場合のエージェント装置の動作を説明するための図である。
【図11】同上、実施の形態の変形例におけるネットワーク構成の1例を示した図である。
【図12】同上、緊急通報モードにおけるエージェント装置の動作を説明するための図である。
【図13】同上、練習モードにおけるエージェント装置の動作を説明するための図である。
【図14】同上、練習モードの場合のエージェント装置の動作の他の例を説明するための図である。
【図15】同上、練習モードから緊急通報モードに移行する場合のエージェント装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ
2 インターネット
3 シナリオ
4 緊急通報装置
9 全体処理部
10 ナビゲーション処理部
11 エージェント処理部
12 外部I/F部
13 画像処理部
14 音声制御部
15 状況情報処理部
16 入力制御部
17 記憶装置制御部
21 緊急通報装置
22 入力装置
24 通信制御部
25 音声出力装置
26 マイク
27 表示装置
28 撮像装置
29 記憶装置
30 エージェントデータ
31 ナビゲーションデータ
40 各種状況検出装置
41 現在位置検出装置
42 状況検出部
43 緊急事態検出装置
61 自動車
62 センター
63 救援機関

Claims (4)

  1. 車両から救援機関に緊急事態情報を通報するための練習手段を備えた緊急通報装置であって、
    前記練習手段は、
    車両の現在地に対応して、想定される緊急事態項目を表示する項目表示手段と、
    表示された緊急事態項目に対応する、救援機関からの質問を模した音声を出力する質問手段と、を備えることを特徴とする緊急通報装置。
  2. 車両から救援機関に緊急事態情報を通報するための練習手段を備えた緊急通報装置であって、
    車両搭乗者の情報を記憶する搭乗者情報記憶手段と、
    車両搭乗者を特定する特定手段と、を備えるとともに、
    前記練習手段は、
    前記特定された搭乗者の情報に対応して、想定される緊急事態項目を表示する項目表示手段と、
    表示された緊急事態項目に対応する、救援機関からの質問を模した音声を出力する質問手段と、を備えることを特徴とする緊急通報装置。
  3. 前記練習手段による練習の結果を記憶する結果記憶手段と、を備え、
    前記項目表示手段は、前記記憶された練習結果に基づいて、想定される緊急事態項目を表示する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の緊急通報装置。
  4. 前記質問手段により出力した質問に対する搭乗者からの返答を格納する返答格納手段と、
    格納した返答に対する評価を出力する練習評価手段と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の緊急通報装置。
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