JP3546811B2 - 調理家電機器の予約時刻設定システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭内ネットワークを用いて炊飯ジャー、電気ポットのような調理家電機器の予約時刻を容易に設定するための予約時刻設定装置及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭用電気製品(以下、家電機器という)の多くにマイクロプロセッサが搭載され多機能化が進んでいる。また、パーソナルコンピュータを中心とする通信技術の進展に伴って、パーソナルコンピュータとテレビジョン受像機等の映像・音響機器とを相互に接続してデータ交換を行うことが実用化されつつある。将来的には、パーソナルコンピュータと家電製品との融合、更には、コンピュータ通信技術を用いた家電製品のネットワーク化が進むといわれている。
【0003】
従来、家電製品のネットワーク化の研究は映像・音響機器を中心に行われて来た。電子レンジ(マイクロ波加熱調理器)のような比較的高機能の調理用家電製品においても、ネットワークを介してレシピを取得するといったコンピュータ通信技術の応用が提案され、そのような機能を有する製品が実用化されている。しかし、電気炊飯器(以下、炊飯ジャーという)や電気湯沸器(以下、電気ポットという)のような比較的機能が限られた家電製品に関するネットワーク化の研究は現在のところほとんどなされていない。
【0004】
一方、近年の炊飯ジャーはマイクロプロセッサを備えたものがほとんどである。マイクロプロセッサは、温度センサ等の検出情報に基づいて火加減の調節をきめ細かく行い、内蔵ROMに記憶されたプログラムにしたがって所定の炊飯制御を実行する。また、リアルタイムクロック機能を備え、炊き上がり時刻の予約設定(炊飯予約)ができるものが多い。電気ポットについても、マイクロプロセッサを備え、保温温度の調節や湯量の監視、表示等をマイクロプロセッサの制御によって実現すると共に、リアルタイムクロックを用いて沸き上がり時刻の予約設定ができるものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
炊飯ジャーや電気ポットのような調理家電機器の予約時刻の設定は一般に容易であるとは言いがたい。今や家庭内には調理家電機器に限らず数多くの家電機器にディジタル表示の時計が備えられているが、時刻の設定方法は機器ごとに異なる。この種の機器操作に慣れていない使用者にとっては、各機器の時刻設定すら骨の折れる仕事である。予約時刻を設定したつもりが正しく設定されていなかったために、予定の時刻になっても機器が所望の動作を開始しないといった失敗もよくあることである。
【0006】
一方、多くの人が目覚まし時計のような時計機能及びアラーム時刻設定機能を備えた機器を毎日使用しており、そのアラーム時刻設定が難しくてできないという人はごく少数であろう。ディジタル式の目覚まし時計のアラーム時刻設定は、電気機器の時刻設定と同様に、慣れていない人にとっては難しいかもしれないが、この時刻設定だけであればすぐに慣れるであろう。
【0007】
また、炊飯ジャーや電気ポットのような調理家電機器の予約時刻の設定機能は、朝食の準備のために使用されることが多い。したがって、起床(目覚まし)時刻として設定するアラーム時刻と同じ時刻、又はその時刻を基準に定める時刻を他の家電機器の予約時刻として用いることができれば、各家電機器の予約時刻の設定を容易に行うことができ、かつ、設定ミスも少なくなるであろう。
【0008】
そこで、本発明は、目覚まし時計のようなアラーム時刻設定機能を有する機器に通信機能を設け、同じく通信機能を有する調理家電機器と接続することにより、調理家電機器の予約時刻の設定を容易かつ確実に行うことができる予約時刻設定システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による調理家電機器の予約時刻設定システムは、予約時刻設定装置と、炊飯ジャー及び電気ポットを含む複数の調理家電機器とが通信によって接続され、予約時刻設定装置は、時計手段と、アラーム時刻設定手段と、通信手段と、アラーム時刻設定手段を用いて設定した時刻に、調理家電機器ごとに可変の遅延時間を加えた時刻の情報を通信手段を用いて調理家電機器に送信するか否かを切換設定する連動切換設定手段とを備え、調理家電機器のそれぞれは、予約時刻設定装置から送信された時刻の情報を受信する通信手段と、該通信手段が受信した時刻の情報に基づいて、該調理家電機器の予約時刻の設定を行う処理手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
このような構成により、例えば目覚ましのために設定されたアラーム時刻に所定の遅延時間を加えた時刻を炊飯ジャー及び電気ポットを含む複数の調理家電機器に送信し、予約設定時刻として用いることができるので、複数の調理家電機器の予約時刻の設定を容易かつ確実に行うことができる。また、アラーム時刻設定手段を用いて設定した時刻(目覚まし時刻)に所定の遅延時間(例えば30分)を加えた時刻の情報を調理家電機器の予約時刻(例えば飯の炊上り時刻や湯の沸き上り時刻)として設定することができるので、無駄な保温時間を短縮して省電力に貢献することもできる。
【0014】
好ましくは、調理家電機器の処理手段は、予約時刻の設定が完了すると、その旨の通知を通信手段を介して予約時刻設定装置に送信し、該通知を受信した予約時刻設定装置は、所定の表示又は音声出力によって調理家電機器における予約時刻の設定完了を報知する。これにより、使用者は調理家電機器の予約時刻の設定が完了したことを予約時刻設定装置で知ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0016】
まず、本発明の実施形態に係る予約時刻設定システムを構成する炊飯ジャー及び電気ポットについて説明する。これらはいずれも予約時刻(炊き上がり時刻又は沸き上がり時刻)の設定機能を有する。
【0017】
図1(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係る予約時刻設定システムを構成する電気ポット1及び炊飯ジャー2の主な構成を示すブロック図である。
【0018】
図1(a)に示すように、電気ポット1は、水量センサ11、温度センサ12、操作パネル13、表示部14、制御部15、ブザー16、通信インターフェイス17、吐出ポンプ18及びヒータ19を備えている。残湯量を検出するための水量センサ11の検出信号と湯温(水温)を検出するための温度センサ12の検出信号は共に制御部15に入力される。
【0019】
また、操作パネル13は、給湯、温度設定等の操作を行うために用いられ、その操作信号が制御部15に入力される。表示部14は、残湯量(水量)のバーグラフ表示を行う残湯量表示部(第1表示部)と、現在湯温及び設定湯温等を表示する第2表示部とを含む。
【0020】
制御部15は、マイクロプロセッサ等によって構成され、内蔵ROM(リードオンリーメモリ)に記憶されたプログラムにしたがって、水量センサ11及び温度センサ12の検出信号と操作パネル13からの入力信号を処理すると共に、表示部14の駆動制御、ブザー16の鳴動制御、吐出ポンプ18の駆動制御、ヒータ19の通電制御等を行う。また、通信インターフェイス17を介して他の家電機器(特に予約時刻設定装置)との間で行う通信の制御も司る。ブザー16は、お湯の沸き上がりの報知や残湯量が少なくなったときの警報に使用される。
【0021】
通信インターフェイス17は、いわゆる家電ネットワークに接続し、炊飯ジャー2を含む他の家電機器との間で通信を行うための通信手段である。本実施形態では、後述する予約時刻設定装置との通信を行うために必要である。具体的な通信手段については、種々の公知技術を用いることができる。例えばRS232C、RS422等の規格に基づいたシリアル通信を用いることができる。
【0022】
あるいは、データ変調された高周波信号を商用電源電圧(AC100V)に重畳することにより、商用電源の屋内配線を介してデータ伝送を行う方法も実用化されている。更には、パーソナルコンピュータと周辺機器とのデータ伝送の主流になると期待されているUSBやIEEE1394のインターフェイスを用いることも可能である。また、有線による通信に限らず、ブルートゥース(Bluetooth)と呼称される無線方式の通信インターフェイスを用いてもよい。
【0023】
後述する炊飯ジャー2及び予約時刻設定装置の通信手段についても同様に、上記のような種々の公知技術の中から選択することができる。以下の説明において、具体的な通信手段は特に限定しない。また、物理的な通信線とその接続用コネクタの図示は省略する。例えば、商用電源ラインを用いる通信又は無線通信のための手段(インターフェイス)が各家電機器に備えられているものとする。
【0024】
吐出ポンプ18は、電気ポット1のタンク内のお湯を注ぎ口から出湯(給湯)するための電動ポンプである。ヒータ19は、お湯を沸かすためのヒータであり、電気ポット1のタンク底部に設けられている。
【0025】
図2は電気ポット1を前面から見た外観図である。また、図3は電気ポット1の側面から見た断面図である。真空層を挟んだ二重ステンレススチール製のタンク30の底部にヒータ19が設けられている。電気ポット1の底部にはマイクロプロセッサ(制御部15)を搭載した制御基板15Aと、吐出ポンプ18が設けられている。なお、この電気ポット1は、真空層を挟んだ二重ステンレススチール製のタンク30を有することにより、無通電状態でも保温が可能ないわゆる魔法瓶としての機能を有する。
【0026】
上部蓋31の手前に位置する本体上面には、操作パネル部13及び第2表示部14Aが設けられている。本体前面には、タンク30内の残湯量(水量)を表示する残湯量表示部14Bが設けられている。残湯量表示部14Bは、6個の赤色LED(発光ダイオード)32を用いて残湯量のバーグラフ表示を行う。つまり、満水時は6個のLED32が点灯し、湯量が減少するにしたがって、一番上のLED32から順に消灯する。残湯量表示部14Bの内側には、電気ポット1の底部に設けられた吐出ポンプ18から上部の吐出口33に至る縦方向の吐出管内の残湯量を検出する水量センサ11が設けられている。
【0027】
図4は、電気ポット1の操作パネル13及び第2表示部14Aを示す図である。操作パネル13は、給湯スイッチ38、解除スイッチ39、保温スイッチ40、沸騰スイッチ41、キッチンタイマースイッチ42、予約スイッチ43及び時刻設定スイッチ43aを備えている。給湯スイッチ38を押すと吐出ポンプ18が作動し、タンク30内のお湯が吐出口33から吐出する。ただし、安全のために、解除スイッチ39を押した後、所定時間(例えば20秒間)だけ給湯スイッチ38の押下が有効になる。この間は解除インジケータ(LED)39aが点灯する。給湯後、所定時間(例えば20秒間)が経過すれば元のロック状態に戻る。
【0028】
保温スイッチ40を押すことにより、保温(設定)温度を設定することができる。第2表示部14Aの下部に示されるように、98℃、90℃、60℃の3通りの温度を設定することができる。現在の設定温度は三角マークによって示され、保温スイッチ40を押すたびに三角マークが98(℃)、90(℃)、60(℃)の上を順番に移動する。保温状態のときは保温インジケータ40aが点灯する。
【0029】
沸騰スイッチ41は、(再)沸騰を行うときに押下する。沸騰動作中は沸騰インジケータ41aが点灯する。キッチンタイマースイッチ42は、付加的な機能として、第2表示部14Aの4桁7セグメント表示部の下2桁を用いたキッチンタイマー機能を実行するときに押下する。押下するたびに、タイマー表示(設定時間)が1分ずつインクリメントされ、3秒以上再押下が無ければタイマーのカウントダウンが始まる。
【0030】
予約スイッチ43は、お湯の沸き上がり時刻の予約設定に使用される。この予約スイッチ43を押すと、第2表示部14Aの4桁7セグメント表示部と時刻設定スイッチ(時・分スイッチ)43aを用いて沸き上がり時刻の設定を行うことができる。続けて予約スイッチ43を再度押すと、湯沸かしの予約が制御部15の内蔵メモリに登録され、予約インジケータ43bが点灯する。そして、予約設定の完了がブザーの鳴動によって報知される。この後、予約時刻の少し前(湯沸かしに必要な時間)までヒータ19の通電は切られ、待機状態となる。制御部15は、測定した水量に基づいて湯沸かしに必要な時間を概算し、ほぼ予約時刻に湯が沸き上がるように、予約時刻の少し前からヒータ19の通電を始める。
【0031】
第2表示部14Aの4桁7セグメント表示は、通常は現在時刻を表示しているが、湯沸かし中は図4に示すように、温度センサ12によって検出されたタンク30内の湯温が下2桁を用いて表示される。このとき、下2桁の上の「温度」の表示が点灯する。
【0032】
図1(b)を参照して、炊飯ジャー2は、温度センサ21、表示部22、操作パネル23、制御部24、ブザー25、ヒータ26、通信インターフェイス27を備えている。温度センサ21は、内釜の温度を検出するために用いられ、その検出信号は制御部24に入力される。表示部22は、炊飯モードの表示、現在時刻の表示、炊飯予約時刻の表示等に使用される。操作パネル23は、炊飯の開始、時刻設定、予約炊飯の設定等の操作を行うために用いられ、その操作信号が制御部24に入力される。
【0033】
制御部24は、マイクロプロセッサ等によって構成され、内蔵ROM(リードオンリーメモリ)に記憶されたプログラムにしたがって、温度センサ21の検出信号と操作パネル23からの入力信号を処理すると共に、表示部22の駆動制御、ブザー25の鳴動制御、ヒータ26の通電制御等を行う。また、通信インターフェイス27を介して他の家電機器(特に予約時刻設定装置)との間で行う通信の制御も司る。ブザー25は、炊き上がりの報知等に使用される。ヒータ26は炊飯用のメインヒータ、保温用ヒータ及び結露防止用ヒータを含む。
【0034】
通信インターフェイス27は、電気ポット1の通信インターフェイス17と同様に、他の家電機器との間で通信を行うための通信手段である。本実施形態では、後述する予約時刻設定装置との通信を行うために必要であり、有線・無線を問わず種々の公知手段を用いることができる。
【0035】
図5は、炊飯ジャー2の側面から見た断面図である。内釜44の底部を覆うようにメインヒータ26Aが設けられ、内釜44の保持部材44aの側部にはリング状の保温用ヒータ26Bが設けられている。また、内釜44の上部開口を閉じる内蓋45を熱伝導によって加熱するリング状の結露防止用ヒータ26Cが設けられている。内釜44の底部中心には、サーミスタ温度センサ21が設けられている。
【0036】
炊飯ジャー2の前面(図5では左側)の上部には、表示部22及び操作パネル23が設けられ、その内側にマイクロプロセッサ(制御部24)を搭載した制御基板24Aが設けられている。また、電源回路及びヒータ通電制御回路等を搭載した電源基板46が制御基板24Aの下方に設けられている。制御基板24A及び電源基板46と内釜44及びヒータ26A,26Bとの間には断熱材47が介装されている。
【0037】
図6は、炊飯ジャー2の操作パネル23及び表示部22を示す図である。操作パネル23は、炊飯スイッチ47、予約スイッチ48、メニュースイッチ49、時刻設定スイッチ50、再加熱スイッチ51、取消スイッチ52、保温スイッチ53を備えている。炊飯スイッチ47を押すと炊飯が開始し、炊飯インジケータ47aが点灯する。
【0038】
予約スイッチ48は炊飯予約の設定に使用される。この予約スイッチ48を押すと、表示部22の時刻表示部(7セグメント表示部)22aと時刻設定スイッチ(時・分スイッチ)50を用いて炊き上がり時刻(予約時刻)の設定を行うことができる。この後、炊飯スイッチ47を押すと、予約時刻が制御部24の内蔵メモリに記憶され、予約インジケータ48aが点灯する。この際、予約設定の完了がブザーの鳴動によって報知される。制御部24は、予約時刻より炊飯に必要な時間だけ手前の時刻から炊飯を開始し、ほぼ予約時刻にご飯が炊き上がるように制御する。
【0039】
メニュースイッチ49は、炊飯メニューの設定に用いられる。このメニュースイッチ49を押すと、表示部22の右端部で点灯するメニューが白米、早炊き、炊込み、おこわ、おかゆ、玄米と順番に変わり、点灯したメニューが選択される。メニュースイッチ49を押さなければデフォルトとして白米が設定される。時刻設定スイッチ50は上述の炊飯時刻の予約設定及び現在時刻の設定に用いられる。時、分の各スイッチを押せば時刻表示部22aのうち、上2桁(時)又は下2桁(分)がインクリメントされる。再加熱スイッチ51は、冷めたご飯を再加熱するのに用いられる。取消スイッチ52は予約設定、保温等の取り消しに用いられる。保温を取り消した場合は、保温スイッチ53を押せば再び保温が始まる。
【0040】
図7は、上記のような電気ポット1及び炊飯ジャー2を含む家電ネットワークに接続され、電気ポット1及び炊飯ジャー2の予約時刻の設定を容易に行うことができる予約時刻設定装置のブロック図である。
【0041】
予約時刻設定装置3は、時計処理部(時計手段)61、表示部62、アラーム時刻設定部(アラーム時刻設定手段)63、連動切換設定部(連動切換設定手段)64、通信インターフェイス65、及びブザー66を備えている。
【0042】
時計処理部61は、リアルタイムクロック(時計用)ICやCPU(プロセッサ)からなり、現在時刻の計時や入出力信号の処理等を行う。表示部62は、例えば4桁7セグメントの液晶表示器で構成され、時計処理部61の出力信号に基づいて、現在時刻やアラーム設定時刻等を表示する。
【0043】
アラーム時刻設定部63は、複数のキー(押釦)スイッチで構成され、アラームを発すべき月日(曜日)及び時刻を設定するために用いられる。アラーム時刻設定用のキースイッチは、現在時刻の設定にも用いられる。
【0044】
連動切換設定部64は、アラーム時刻設定部63を用いて設定された時刻の情報を通信インターフェイス65を介して炊飯ジャー2や電気ポット1に送信するか否かを切換設定するために用いられる。例えばスライド式の切換スイッチで構成される。キー(押釦)スイッチを押すたびに交互に切り換わるようにしてもよい。
【0045】
通信インターフェイス65は、電気ポット1の通信インターフェイス17や炊飯ジャー2の通信インターフェイス27と同様に、有線・無線を問わず種々の公知手段を用いることができる。電気ポット1、炊飯ジャー2等の家電機器との間で通信を行うための通信手段である。
【0046】
ブザー66はアラーム報知に用いられる他に、キー操作音を発するのにも用いられる。また、アラーム設定時刻を電気ポット1、炊飯ジャー2等の家電機器に送信した後、その家電機器から応答があったときに鳴動して情報の授受が正常に行われたことを報知するのにも用いられる。
【0047】
図8(a)及び(b)は上記のような予約時刻設定装置3が電気ポット1及び炊飯ジャー2と通信で接続された様子を示す模式図である。図8(a)は有線による通信で接続される場合を示し、図8(b)は近年パーソナルコンピュータ関連の通信手段として注目されつつあるブルートゥースのような無線通信を用いた場合を示している。いずれの場合も、電気ポット1及び炊飯ジャー2に限らず、電子レンジ、コーヒーメーカー、オーブントースター等、種々の家電機器と予約時刻設定装置3を相互に接続することができる。もちろん、各家電機器は、予約時刻の設定機能及び所定の通信インターフェイス(RS232C、RS422、IEEE1394、ブルートゥース等)を備えている必要がある。
【0048】
上記の予約時刻設定装置3は、いわば目覚まし時計のようなアラームクロックに通信機能等を付加したものである。本発明のシステムによれば、予約時刻設定装置3でアラーム時刻(起床時刻)を設定すれば、通信によって接続された炊飯ジャーや電気ポット等の予約時刻が自動的に設定される。このような処理の一例を図9に示す。
【0049】
図9は、予約時刻設定装置3で設定した時刻の情報が通信を介して炊飯ジャー2に伝送され、炊飯ジャー2の予約炊飯時刻として設定される一連の処理を示すフローチャートである。予約時刻設定装置3の処理と炊飯ジャー2の処理を個別に示している。
【0050】
予約時刻設定装置3でアラーム時刻の設定が行われる(ステップ#101及びステップ#102)。このとき、連動切換設定部の設定がONになっていると、すなわち、設定したアラーム時刻の情報を他の家電機器に送信するように設定されていると(ステップ#103のYes)、設定時刻のデータが通信インターフェイス65を介して炊飯ジャー2等に送信される(ステップ#104)。連動切換設定部の設定がOFFの場合(ステップ#103のNo)は、アラーム時刻の設定は他の家電機器の予約設定に何ら影響することなく終了する。
【0051】
ステップ#151で予約時刻設定装置3からの設定時刻データを受信した炊飯ジャー2は、ステップ#152で予約時刻の自動設定を行う。すなわち、炊飯ジャー2の制御部24は、前述の操作パネル23の予約スイッチ48及び時刻設定スイッチ50を用いて設定した場合と同様に、炊き上がり時刻の予約設定を行う。この際、受信したアラーム時刻をそのまま炊き上がり時刻として設定してもよいし、例えばアラーム時刻より30分後の時刻を炊き上がり時刻とするといった演算を行ってもよい。
【0052】
炊き上がり時刻の予約設定が完了すると、炊飯ジャー2(の制御部24)は設定完了応答を送信し(ステップ#153)、予約時刻の自動設定処理を終了する。
【0053】
予約時刻設定装置3は、ステップ#105で炊飯ジャー2からの設定完了応答を受信すると、予約時刻の設定完了を示す所定の表示を表示部62上に行うと共に、ブザー66を所定のパターンで鳴動させる。これにより、予約時刻の設定完了を使用者に報知する。音声合成技術を用いて、音声メッセージを出力するようにしてもよい。
【0054】
電気ポット1やその他の家電機器の予約時刻設定についても、各家電機器は上記の炊飯ジャー2と同様に、予約時刻設定装置3から受信したアラーム時刻に基づいて予約時刻の自動設定を行う。したがって、使用者は予約時刻設定装置3(例えば目覚まし時計)のアラーム時刻を設定するだけで、複数の家電機器の予約時刻設定を行うことができる。
【0055】
上記実施形態の構成において、予約時刻設定装置3の連動切換設定部64を家電機器ごとに設けてもよい。つまり、例えば炊飯ジャー2にはアラーム設定時刻を伝送するが電気ポット1には伝送しないというように、家電機器ごとにアラーム設定時刻を伝送するか否か、すなわちアラーム時刻に基づく予約時刻の自動設定を行うか否かの設定ができるようにしてもよい。
【0056】
また、前述のように、アラーム時刻から少し遅れた時刻を予約時刻とする演算を行う場合に、その遅延時間を家電機器ごとに異なる値としてもよい。これは、各家電機器の制御部の予約時刻自動設定処理のプログラム又はパラメータを変えることによって実現する。
【0057】
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明はこれらの実施形態及び変形例に限らず、種々の形態で実施することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、例えば目覚ましのために設定されたアラーム時刻を通信手段を介して炊飯ジャー等の調理家電機器に送信し、予約設定時刻として用いることができる。したがって、1又は複数の調理家電機器の予約時刻の設定を容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る予約時刻設定システムを構成する電気ポット及び炊飯ジャーの主な構成を示すブロック図
【図2】電気ポットを前面から見た外観図である。
【図3】電気ポットの側面から見た断面図である。
【図4】電気ポットの操作パネル及び第2表示部を示す図である。
【図5】炊飯ジャーの側面から見た断面図である。
【図6】炊飯ジャーの操作パネル及び表示部を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る予約時刻設定装置のブロック図である。
【図8】予約時刻設定装置が電気ポット及び炊飯ジャーと通信で接続された様子を示す模式図である。
【図9】予約時刻設定装置で設定した時刻の情報が通信を介して炊飯ジャーに伝送され、炊飯ジャーの予約炊飯時刻として設定される一連の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電気ポット(調理家電機器)
2 炊飯ジャー(調理家電機器)
3 予約時刻設定装置
15,24 処理手段
17,27,65 通信手段
61 時計手段
63 アラーム時刻設定手段
64 連動切換設定手段
66 報知手段
Claims (2)
- 予約時刻設定装置と、炊飯ジャー及び電気ポットを含む複数の調理家電機器とが通信によって接続され、
前記予約時刻設定装置は、時計手段と、アラーム時刻設定手段と、通信手段と、前記アラーム時刻設定手段を用いて設定した時刻に、調理家電機器ごとに可変の遅延時間を加えた時刻の情報を前記通信手段を用いて調理家電機器に送信するか否かを切換設定する連動切換設定手段とを備え、
前記複数の調理家電機器のそれぞれは、前記予約時刻設定装置から送信された時刻の情報を受信する通信手段と、該通信手段が受信した時刻の情報に基づいて、該調理家電機器の予約時刻の設定を行う処理手段とを備えていることを特徴とする調理家電機器の予約時刻設定システム。 - 前記調理家電機器の処理手段は、前記予約時刻の設定が完了すると、その旨の通知を前記通信手段を介して前記予約時刻設定装置に送信し、該通知を受信した前記予約時刻設定装置は、所定の表示又は音声出力によって前記調理家電機器における予約時刻の設定完了を報知することを特徴とする
請求項1記載の調理家電機器の予約時刻設定システム。
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