JP3546217B2 - 物品移載装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品を載置して搬送するコンベヤの搬送方向に対して直交または略直交する方向から前記物品を移載する搬出コンベヤにおける搬送方向終端部に設けられて、前記コンベヤ上に、そのコンベヤの側脇から物品を載置搬送して移載する物品移載装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
このような物品移載装置としては、大別すると、物品を搬送するコンベヤに対し、その搬送方向の上手側から湾曲径路に沿って徐々に物品の向きを変更しながら搬送し、前記コンベヤ上に移載する斜交型のものと、コンベヤの搬送方向に直交する方向から物品を移載する直交型のものとがある。
【０００３】
前者の斜交型としては、従来、物品を移載すべきコンベヤの搬送方向に対し、斜めに交差する湾曲径路を有し、かつ、多数の駆動ローラを備えたローラコンベヤで構成されたものが知られている。
【０００４】
また、後者の直交型としては、物品を移載すべきコンベヤの搬送方向と略直交する搬送径路を有するチェンコンベヤで構成され、かつ、物品を移載すべきコンベヤがローラコンベヤで構成されていて、そのローラコンベヤに対し前記チェンコンベヤを平面視で干渉しない状態に配置するとともに、そのチェンコンベヤを上下に昇降可能にし、物品がチェンコンベヤの端部に至ると、チェンコンベヤを下降させて、チェンコンベヤ上の物品を前記ローラコンベヤ上に移載するように構成したものが知られている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した斜交型のものでは、ローラコンベヤによって物品の向きを徐々に変更しながらコンベヤ上に移載するものであるから、どうしてもローラコンベヤの搬送径路が長くなり、それだけ大きな床面積を必要とし、設置面で問題がある。
【０００６】
その点、上述した直交型のものでは、斜交型ほど大きな床面積を必要としないのであるが、反面、物品がチェンコンベヤの端部に至った時点で、チェンコンベヤによる物品の搬送を停止し、その物品の搬送停止状態においてチェンコンベヤ上の物品をローラコンベヤ上に移載するものであるから、物品の移載時に、物品の流れが一旦停止することになり、移載に要する時間が長くなって能率が低下するという問題がある。
【０００７】
本発明は、このような従来の問題点を解消するもので、その目的は、設置のためにさほど大きな床面積を必要とせず、かつ、物品移載時に物品を停止させる必要もなく、しかも、物品の姿勢を乱すことなく円滑に移載できる物品移載装置の提供にある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項１に記載の発明によれば、物品を載置して搬送するコンベヤの搬送方向に対して直交または略直交する方向から前記物品を移載する搬出コンベヤにおける搬送方向終端部に設けられて、前記コンベヤ上に、そのコンベヤの側脇から物品を載置搬送して移載する物品移載装置において、物品をコンベヤの搬送方向に沿って、そのコンベヤの搬送速度と同速度または略同速度で搬送する搬送手段と、前記物品を前記コンベヤの搬送方向と直交または略直交する搬入方向へ搬送して前記コンベヤ上へ搬入する搬入手段とを設け、前記搬送手段と搬入手段とを同時に作動させて、前記物品を前記コンベヤ上に移載するものであるから、移載すべき物品は、搬送手段と搬入手段との同時作動によって、前記コンベヤに対して斜め方向に移動しながらコンベヤ上に搬入移載されることになる。
したがって、上述した従来の斜交型のような大きな設置床面積を必要とせず、また、従来の直交型のように物品の流れを停止させる必要もなく、物品をコンベヤ上に移載することができる。しかも、前記搬送手段の搬送速度が、コンベヤの搬送速度と同速度または略同速度に構成されているので、物品の姿勢を乱すことなく整然とコンベヤ上に移載することができる。
【０００９】
請求項２に記載の発明によれば、前記搬送手段が、コンベヤの搬送方向に沿って移動して移載面上の物品を押圧搬送するスライド部材で構成され、前記搬入手段が、前記搬入方向へ移動して物品を押し込み搬入する押圧部材で構成されるものであるから、コンベヤの搬送方向に沿って移動するスライド部材による押圧搬送と、コンベヤへの搬入方向へ移動して物品を押圧搬入する押圧部材との協働によって、移載すべき物品をコンベヤ上へ整然と移載することができる。
【００１０】
請求項３に記載の発明によれば、前記押圧部材が、前記スライド部材に対して移動可能に設けられているため、例えば、押圧部材とスライド部材とを互いに分離した状態で各別に移動させる場合に比して、構造が簡単で、しかも、押圧部材とスライド部材との同時作動における同期も確実となる。
【００１１】
請求項４に記載の発明によれば、前記スライド部材および押圧部材の下方に、物品を前記搬入方向へ送り作用を備えるように駆動される移載用コンベヤを設けるので、その移載用コンベヤが、前記搬入方向への物品搬送の一部を分担し、押圧部材による押し込み搬入作用が軽減されるとともに、その移載用コンベヤの送り速度を押圧部材の移動速度よりも遅くすることで、押圧部材による物品の押し込み搬入を所望通りに行うことができ、しかも、前記搬出コンベヤとして、前記移載用コンベヤの送り方向上手側に、その移載用コンベヤ上に物品を供給する物品供給部を設けるので、移載用コンベヤを利用して移載すべき物品を確実に移載用コンベヤ上に供給することができる。
【００１２】
請求項５に記載の発明によれば、前記搬送手段が、前記コンベヤの搬送方向に沿って移動する台車で構成され、前記搬入手段が、前記台車上に設けられた押し込み用コンベヤで構成されるものであるから、コンベヤの搬送方向に沿って移動する台車による移動搬送と、その台車上に設けられた押し込み用コンベヤとの協働によって、移載すべき物品をコンベヤ上へ移載でき、しかも、押し込み用コンベヤの搬送速度を前記コンベヤの搬送速度よりも速くして、物品を前記コンベヤ上へ押し込み搬入することにより、前記コンベヤ上に物品を整然と移載することができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
本発明による物品移載装置を自動倉庫に適用した例を基に図面に基づいて説明する。
このような自動倉庫は、図１に示すように、一対の物品収納棚１が、互いに間口を相対向させた状態で設置され、この対をなす物品収納棚１が複数対平行に設置され、各対の物品収納棚１の間には、物品収納棚１の間口に沿って移動可能なスタッカークレーン２が設けられている。
各スタッカークレーン２には、出退可能なフォークを備えた昇降台が設けられ、スタッカークレーン２の自走と昇降台の上下昇降、ならびに、フォークの出退作動によって、各種の物品を収納したコンテナや段ボール箱のような物品Ａを物品収納棚１の物品収納部に載置搬入したり、物品収納部から搬出できるように構成されている。
【００１４】
各物品収納棚１の搬入側には、物品Ａを搬入するための搬入用スラットコンベヤ３が設けられ、各対の物品収納棚１と搬入用スラットコンベヤ３との間には、それぞれ搬入コンベヤ４が設けられ、各搬入コンベヤ４の搬送方向終端部には、スタッカークレーン２との間で物品Ａを移載するための搬入リフタ５が設けられている。
前記搬入コンベヤ４には、図２に示すように、構造の異なる２種類の搬入コンベヤがあって、ひとつは搬入用スラットコンベヤ３の搬送方向に対して略直角に交差する方向に物品Ａを搬送する直交型搬入コンベヤ４ａで、他のひとつは搬入用スラットコンベヤ３の搬送方向に対して斜めに湾曲しながら物品Ａを搬送する斜交型搬入コンベヤ４ｂである。
【００１５】
すなわち、各物品Ａは、平面視において長方形をなし、その長方形の物品Ａを物品収納棚１に収納する際、原則として、スタッカークレーン２側から見て縦向きにして収納するように構成されている。しかし、自動倉庫の建屋の条件などにより、物品収納棚１を全て同じ向きにし、各物品Ａを全て縦向きにして収納するのが不利な場合がある。
この実施形態の例では、図１に示すように、建屋の中央に複数の柱Ｐがあるため、物品Ａの全てを縦向きにして収納しようとすると、柱Ｐが邪魔になって柱Ｐの近くに空間が生じ、その分だけ物品収納棚１の個数が減ることになる。そこで、その空間を利用して、物品Ａをスタッカークレーン２から見て横向きにして収納する物品収納棚１ｂを一対設け、その一対の物品収納棚１ｂの間にもスタッカークレーン２を設けてあり、同じ理由から、建屋の右側の壁の近くにも、物品Ａを横向きにして収納する物品収納棚１ｂを一対設けてある。
【００１６】
このように、物品収納棚１には、物品Ａを縦向きに収納する物品収納棚１ａと、横向きに収納する物品収納棚１ｂとの２種類の棚があり、縦向きに収納する物品収納棚１ａへ物品Ａを搬入する搬入コンベヤが、前記直交型搬入コンベヤ４ａに構成され、搬入用スラットコンベヤ３により縦向きで搬送されてきた物品Ａを、前記直交型搬入コンベヤ４ａによって横向きのまま搬送するように構成されている。
他方、物品Ａを横向きに収納する物品収納棚１ｂへ搬入する搬入コンベヤの方は、前記斜交型搬入コンベヤ４ｂで構成され、搬入用スラットコンベヤ３により縦向きで搬送されてきた物品Ａを徐々に姿勢変更し、物品Ａを縦向きにして搬送するように構成されている。
【００１７】
各物品収納棚１の搬出側には、物品Ａを搬出するための搬出用スラットコンベヤ６が設けられ、各対の物品収納棚１と搬出用スラットコンベヤ６との間には、それぞれ搬出コンベヤ７が設けられ、各搬出コンベヤ７の搬送方向始端部には、スタッカークレーン２との間で物品Ａを移載するための搬出リフタ８が設けられている。
搬出コンベヤ７にも２種類あって、図３に示すように、ひとつは物品Ａを横向きで搬送して搬出用スラットコンベヤ６に対して直交または略直交する方向から物品Ａを横向きのまま移載する直交型搬出コンベヤ７ａで、その搬送方向終端部に後述する物品移載装置２６を備えていて、物品Ａを縦向きで収納する物品収納棚１ａに対応して設けられている。他のひとつは物品Ａを縦向きで搬送して搬出用スラットコンベヤ６に対して斜めに斜交しながら、物品Ａの姿勢を徐々に搬出用スラットコンベヤ６に対して縦向きになるように姿勢変更して移載する斜交型搬出コンベヤ７ｂであり、物品Ａを横向きにして収納する物品収納棚１ｂに対応して設けられている。
【００１８】
前記搬入用スラットコンベヤ３と搬出用スラットコンベヤ６とは、共に同じ構造であり、図４および図５に示すように、搬送方向から見て左右一対のフレーム９が設けられ、そのフレーム９の両端に駆動用スプロケットと遊転スプロケットとが設けられていて、それら両スプロケット間に左右一対の無端状のチェン１０が巻き掛けられ、電動モータ１１によって駆動用スプロケットを駆動することで、左右一対のチェン１０が、前記フレーム９の上方において搬送方向に向けて回転駆動し、フレーム９の下方において逆方向に回転駆動するように構成されている。
左右一対のチェン１０間にわたっては、複数本の細長いスラット１２が取り付けられ、各スラット１２には、物品Ａを押圧して搬入コンベヤ４側へ押圧移送する押圧シュー１３が、各スラット１２に沿って移動可能に外嵌され、各押圧シュー１３の下方には、ピン１４が突設されていて、そのピン１４にガイド輪１５が遊転可能に取り付けられている。
【００１９】
左右一対のフレーム９の内側には、図６および図７に示すように、各押圧シュー１３のガイド輪１５を案内する主ガイド１６が、チェン１０に沿う状態で左右一対設けられ、その左右一対の主ガイド１６の上方においては、図６に示すように、各直交型搬入コンベヤ４ａに対応して、両主ガイド１６を斜めに連結する状態で複数本の直交用分岐ガイド１７ａが設けられ、かつ、図７に示すように、各斜交型搬入コンベヤ４ｂに対応して、両主ガイド１６を斜めに連結する状態で１本の斜交用分岐ガイド１８ａが設けられている。
さらに、主ガイド１６の下方においては、両主ガイド１６を斜めに連結する１本のリターンガイド１９（図４参照）が設けられ、したがって、左右一対の主ガイド１６のうち、一方は無端状のチェン１０の全長に沿う状態で、他方は上方に位置するチェン１０に沿って、かつ、リターンガイド１９部分で終端するように設けられている。
【００２０】
前記直交用分岐ガイド１７ａの近傍には、主ガイド１６に案内されてきた複数のガイド輪１５を直交用分岐ガイド１７ａ側に一挙に方向転換するため、複数の方向転換部材１７ｃを備えた直交用方向転換具１７ｂが設けられ、その直交用方向転換具１７ｂが、直交用エアシリンダ２０により出退可能に構成されて、前記直交用分岐ガイド１７ａや直交用方向転換具１７ｂなどによって、複数の押圧シュー１３を搬入用スラットコンベヤ３の搬送方向に沿う略直線状に切換える直交用切換え手段１７が構成されている。
同様に、斜交用分岐ガイド１８ａの近傍には、主ガイド１６により案内されてきた複数のガイド輪１５を斜交用分岐ガイド１８ａ側に順次方向転換するための斜交用方向転換具１８ｂが、斜交用エアシリンダ２１によって出退可能に構成されて、斜交用分岐ガイド１８ａや斜交用方向転換具１８ｂなどによって、複数の押圧シュー１３を搬入用スラットコンベヤ３の搬送方向に対して順次斜めに横切る状態に切換える斜交用切換え手段１８が構成されている。
【００２１】
搬入用スラットコンベヤ３と搬出用スラットコンベヤ６とは、上述のように構成されていて、駆動用スプロケットによって左右一対のチェン１０が回転駆動されると、各スラット１２とそれに外嵌の押圧シュー１３もチェン１０と一緒に回転駆動され、スラット１２上に載置された物品Ａを搬送する。
そして、物品Ａを直交型搬入コンベヤ４ａに移載する際には、図６の（ロ）に示すように、直交用エアシリンダ１０によって直交用方向転換具１７ｂが主ガイド１６側に突出され、その主ガイド１６に沿って移動してきた複数のガイド輪１５を支持するピン１４が、各方向転換部材１７ｃに接当して案内され、複数のガイド輪１５が一挙に各直交用分岐ガイド１７ａ側に方向転換され、各スラット１２の搬送方向への移動と各ガイド輪１５に対する直交用分岐ガイド１７ａの案内作用により、図８に示すように、複数の押圧シュー１３が、スラットコンベヤ３，６の搬送方向に沿って略直線状になった状態で、物品Ａを押圧移送して直交型搬入コンベヤ４ａ上に移載する。
【００２２】
また、物品Ａを斜交型搬入コンベヤ４ｂに移載する際には、図７の（ロ）に示すように、斜交用エアシリンダ２１によって斜交用方向転換具１８ｂが主ガイド１６側に突出され、その主ガイド１６に沿って移動してきた複数のガイド輪１５を支持するピン１４が、斜交用方向転換具１８ｂに接当して案内され、順次斜交用分岐ガイド１８ａ側に方向転換され、各スラット１２の搬送方向への移動と各ガイド輪１５に対する斜交用分岐ガイド１８ａの案内作用により、図９に示すように、複数の押圧シュー１３が、スラットコンベヤ３，６の搬送方向に対して斜めに横切る状態で物品Ａを押圧分岐して斜交型搬入コンベヤ４ｂに移載するのであり、直交型搬入コンベヤ４ａや斜交型搬入コンベヤ４ｂへの移載に供した押圧シュー１３は、その後、リターンガイド１９によって元の主ガイド１６側に戻される。
このように、各押圧シュー１３は、直交型搬入コンベヤ４ａと斜交型搬入コンベヤ４ｂへの移載とを兼用するため、各押圧シュー１３には、直交型搬入コンベヤ４ａへの移載時に作用する直交用押圧面２２ａと、斜交型搬入コンベヤ４ｂへの移載時に作用する斜交用押圧面２２ｂとを備えている。
【００２３】
前記直交型搬入コンベヤ４ａ、斜交型搬入コンベヤ４ｂ、ならびに、斜交型搬出コンベヤ７ｂは、全て回転可能な複数のローラを備えたローラコンベヤで構成され、斜交型搬入コンベヤ４ｂと斜交型搬出コンベヤ７ｂとは、搬送方向が異なるだけで同じ構造であり、図９に示すように、長さの異なる複数の斜交用ローラ２３が、徐々に角度を変えながら大きく湾曲するように配置され、かつ、各斜交用ローラ２３が、図外の電動モータによって互いに同期しながら回転駆動されるように構成されている。
それに対し、直交型搬入コンベヤ４ａは、図８に示すように、長さの異なる複数の直交用ローラ２４が、急速に角度を変えるように配置され、その直交用ローラ２４も図外の電動モータによって互いに同期しながら回転駆動されるように構成されている。
【００２４】
前記直交型搬出コンベヤ７ａも、図１０に示すように、図外の電動モータによって回転駆動される複数のローラ２５からなる物品供給部としてのローラコンベヤ２５Ａを備え、かつ、その搬送方向終端部には、物品移載装置２６が備えられている。
この物品移載装置２６は、図１１〜図１５に詳しく示すように、平面視で略長方形に枠組みされたフレーム枠２７を備え、そのフレーム枠２７に搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に沿う複数の移載用ローラ２８が回転自在に軸支され、フレーム枠２７に取り付けられたローラ用電動モータ２９によって各移載用ローラ２８が同速度で回転駆動されるように構成されている。
そして、前記ローラ用電動モータ２９によって各移載用ローラ２８を回転駆動することにより、複数の移載用ローラ２８により構成される移載用コンベヤ２８Ａが、物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６の横側脇から略直交する方向へ搬送して、物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６上へ移載するのであり、各移載用ローラ２８の上面が、物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６上に移載する移載面２８ａを形成する。
【００２５】
前記移載用ローラ２８の下方には、移載用ローラ２８に沿って１本の螺軸３０が位置されてフレーム枠２７に相対回転のみ自在に軸支され、その螺軸３０がフレーム枠２７に取り付けられた螺軸用電動モータ３１に連動連結されるとともに、前記螺軸３０の両側方には、ガイド棒３２が螺軸３０に沿ってぞれぞれ位置されてフレーム枠２７に固着されている。
前記螺軸３０には、ナット部材３３が螺合され、かつ、２本のガイド棒３２には、それぞれガイドブロック３４がスライド自在に外嵌され、ナット部材３３やガイドブロック３４を連結保持する保持部材３５から連設の部材が移載用ローラ２８の間を挿通して上方に延出され、その延出端に物品Ａを押圧する押圧部３６ａを備えた搬送手段としてのスライド部材３６が固着保持されて移載用ローラ２８の上方に位置されている。
【００２６】
前記スライド部材３６は、搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に直交し、かつ、前記移載面２８ａのほぼ全幅にわたる長さを備えた細長い形状に構成され、そのスライド部材３６の上方には、その長手方向に沿ってエア駆動式のロッドレスシリンダ３７が取り付けられ、そのロッドレスシリンダ３７のピストンに連設のピストン部材３７ａに可動枠３８が取り付けられている。
その可動枠３８には、上下方向に沿うピン３９を介して、物品Ａを押し込み搬入する搬入手段としての押圧部材４０が揺動可能に取り付けられ、その押圧部材４０を揺動操作するためのエアシリンダ４１が、前記可動枠３８の長手方向に沿って取り付けられ、かつ、エアシリンダ４１のロッド４１ａの伸縮方向に沿ってスライドガイド棒４２が取り付けられている。
【００２７】
前記エアシリンダ４１のロッド４１ａには、スライドブロック４３が取り付けられ、そのスライドブロック４３が、前記スライドガイド棒４２にスライド可能に外嵌されるとともに、そのスライドブロック４３に取り付けられた遊転ローラからなるカムフォロア４４が、前記押圧部材４０に穿設のへの字型のカム孔４５内に嵌合位置されている。
そして、エアシリンダ４１を伸縮作動することにより、カムフォロア４４とカム孔４５とを介して前記押圧部材４０を揺動し、スライド部材３６側へ収納する退避姿勢と、スライド部材３６に対して略直交する状態に突出する突出姿勢とに切り換え可能に構成され、かつ、押圧部材４０を突出姿勢に維持して、前記ロッドレスシリンダ３７を作動することにより、前記押圧部材４０が、スライド部材３６に沿って往復移動するように構成されている。
【００２８】
かかる構成の物品移載装置２６は、各移載用ローラ２８が回転駆動されている状態でローラコンベヤ２５Ａから物品Ａが搬入され、物品Ａの搬入完了を物品移載装置２６の入口側に設けた在荷検出手段４６ａが検出すると、エアシリンダ４１が作動してロッド４１ａを伸長し、押圧部材４０を突出姿勢に切り換えるとともに、ロッドレスシリンダ３７が作動して可動枠３８を搬出用スラットコンベヤ６側へ移動させる。
この可動枠３８の移動は、移載用コンベヤ２８Ａによる搬送速度よりも速い速度に設定されているので、可動枠３８の移動に伴って、突出姿勢にある押圧部材４０が物品Ａを押圧して、強制的に搬出用スラットコンベヤ６側へ移送する。
そして、物品移載装置２６の出口側に設けた在荷検出手段４６ｂが物品Ａを検出すると、可動枠３８を移動させたままで、螺軸用電動モータ３１により螺軸３０を回転駆動し、スライド部材３６を螺軸３０に沿って、つまり、搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に沿って移動させ、スライド部材３６に設けた押圧部３６ａが物品Ａを押圧する。
【００２９】
このように、前記スライド部材３６を搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に沿って移動させ、その押圧部３６ａにより物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に沿って搬送するとともに、そのスライド部材３６に沿って移動する押圧部材４０により物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向と略直交する搬入方向へ搬送するので、物品Ａは移載面２８ａ上の斜めに横切りながら搬出用スラットコンベヤ６へ押し込み搬入されて移載される。
そして、前記スライド部材３６の移動速度が、搬出用スラットコンベヤ６の搬送速度と略同じになるように設定されているので、物品Ａは搬出用スラットコンベヤ６の搬送速度と同期した状態で移載され、移載時における姿勢乱れが防止される。
【００３０】
以上のような構成からなる自動倉庫の作動は、全てマイクロコンピュータ利用の制御手段としての制御装置Ｈによって制御される。
その制御装置Ｈは、図１６に示すように、各スタッカークレーン２を制御するスタッカークレーン用制御部Ｈ１と通信可能に構成され、操作装置４７からの指令に基づいて、搬入用スラットコンベヤ３の切換え手段１７，１８などを制御する。
【００３１】
前記制御装置Ｈによる自動倉庫の制御作動について説明すると、物品Ａを搬入する場合には、その搬入する物品Ａに関する情報を操作装置４７に入力する。すると、その入力情報に基づいて、制御装置Ｈが、物品Ａを搬入する物品収納棚１とその物品収納部とを選定し、搬入用スラットコンベヤ３により搬送されてきた物品Ａが、搬入すべき物品収納棚１に対応する搬入コンベヤ４に対して所定の位置に至ると、図外の在荷検出手段からの信号に基づいて切換え手段１７，１８を作動させる。
つまり、その搬入コンベヤ４が、直交型搬入コンベヤ４ａであれば、直交用エアシリンダ２０によって直交用切換え手段１７を主ガイド１６側に突出させる。すると、所定数の押圧シュー１３のガイド輪１５が、主ガイド１６から直交用分岐ガイド１７ａ側に方向転換され、所定数の押圧シュー１３が、搬入用スラットコンベヤ３の搬送方向に沿った状態で、物品Ａを押圧して直交型搬入コンベヤ４ａに移載する。斜交型搬入コンベヤ４ｂであれば、斜交用エアシリンダ２１によって斜交用切換え手段１８を主ガイド１６側に突出させ、所定数の押圧シュー１３を搬入用スラットコンベヤ３の搬送方向に対して順次斜めに横切る状態で移動させ、物品Ａを押圧して斜交型搬入コンベヤ４ｂに移載する。
【００３２】
物品Ａが搬入リフタ５上に至ると、図外の在荷検出手段からの信号に基づいて搬入リフタ５を上昇させ、スタッカークレーン２のフォークによって物品Ａを掬い取る。
その後、スタッカークレーン２のフォークを出退させて、物品Ａをスタッカークレーン２の昇降台上に移載し、スタッカークレーン２の自走と昇降台の上下昇降、ならびに、フォークの出退作動によって、物品Ａを物品収納棚１の物品収納部に載置するのであり、その物品収納棚１が物品Ａを縦向きに収納する物品収納棚１ａであれば、物品Ａを縦向きにして、横向きに収納する物品収納棚１ｂであれば、物品Ａを横向きにしてそれぞれ収納し、物品Ａの搬入作業を終了する。
【００３３】
物品Ａを搬出する場合には、搬出する物品Ａに関する情報を操作装置４７に入力すると、その入力情報に基づいて、制御装置Ｈが、搬出する物品Ａが収納されている物品収納棚１とその物品収納部とを選定する。
すると、上述した搬入作業とは逆に、スタッカークレーン２が、選定された物品収納棚１の物品収納部から物品Ａを搬出して、搬出リフタ８上に移載する。その後、搬出リフタ８を下降させて搬出コンベヤ７上に移載するのであり、その搬出コンベヤ７が、直交型搬出コンベヤ７ａであれば、その搬送方向の終端部に設けられた物品移載装置２６により、上述したようにスライド部材３６の押圧部３６ａと押圧部材４０との協働作動で、物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６の搬送速度と同期させた状態で搬出用スラットコンベヤ６上に搬出する。
【００３４】
つまり、物品移載装置２６の各移載用ローラ２８が回転駆動されている状態で、ローラコンベヤ２５Ａから物品Ａが搬入されて在荷検出手段４６ａが検出すると、エアシリンダ４１の作動で押圧部材４０を突出姿勢に切り換え、かつ、ロッドレスシリンダ３７の作動で可動枠３８を搬出用スラットコンベヤ６側へ移動させ、突出姿勢にある押圧部材４０で物品Ａを押圧し、強制的に搬出用スラットコンベヤ６側へ搬送する。そして、物品移載装置２６の出口側に設けた在荷検出手段４６ｂが物品Ａを検出すると、可動枠３８を移動させたまま、螺軸用電動モータ３１の作動で螺軸３０を回転駆動してスライド部材３６を搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に沿って移動させ、そのスライド部材３６に設けた押圧部３６ａにより物品Ａを押圧する。
このように、前記スライド部材３６と押圧部材４０の移動による協働作用によって、物品Ａを移載面２８ａ上を斜めに横切る状態で、かつ、スラットコンベヤ６の搬送速度と同期した速度で、搬出用スラットコンベヤ６へ移載するのであり、移載完了後においては、螺軸用電動モータ３１の逆転作動でスライド部材３６が元の位置に、また、エアシリンダ４１の作動で押圧部材４０が元の退避姿勢に戻される。
【００３５】
搬出コンベヤ７が、斜交型搬出コンベヤ７ｂであれば、適宜回転駆動式のローラ２３を回転駆動して搬出用スラットコンベヤ６上に搬出するのであり、その後、物品Ａは、搬出用スラットコンベヤ６の切換え手段１７，１８の作動で、所定の箇所の搬出されて搬出作業を終了する。
【００３６】
〔別実施形態〕
（１）先の実施形態では、移載用コンベヤ２８Ａを設け、各移載用ローラ２８の上面で移載面２８ａを形成した例を示したが、このようなコンベヤを設けず、物品Ａを載置できる板状体などを設け、その上面を移載面とすることもできる。
また、移載用コンベヤ２８Ａを設ける場合、ローラ駆動式のコンベヤに限らず、ベルト駆動式のコンベヤで代用することもでき、さらに、ローラ式の場合、遊転ローラを用いるなど、種々の改変が可能である。
【００３７】
（２）図１７〜図１９は、物品移載装置２６の別の実施形態を示し、この物品移載装置２６は、平面視でほぼ長方形に枠組みされたフレーム枠２７Ａ上に車輪４８を備えた搬送手段としての台車４９が移動可能に搭載され、前記フレーム枠２７Ａには、搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に沿ってエア駆動式のロッドレスシリンダ３７Ａが取り付けられている。そのロッドレスシリンダ３７Ａのピストンに連設のピストン部材３７ａに前記台車４９が連結され、ロッドレスシリンダ３７Ａを作動することにより、台車４９が、搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に沿って往復移動するように構成されている。
前記台車４９には、搬入手段としてのベルト駆動式の押し込み用コンベヤ２８Ｂが取り付けられ、フレーム枠２７Ａに取り付けられたベルト用電動モータ２９Ａによって、前記押し込み用コンベヤ２８Ｂが、物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６側へ搬送して移載する。
この別の実施形態においては、押し込み用コンベヤ２８Ｂのベルト上面が、物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６上に移載する移載面２８ａを形成し、また、押し込み用コンベヤ２８Ｂの搬送速度が、搬出用スラットコンベヤ６の搬送速度よりも高速に設定され、押し込み用コンベヤ２８Ｂによって物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６上へ押し込み搬入するように構成されている。
【００３８】
この別の実施形態の物品移載装置２６は、押し込み用コンベヤ２８Ｂが回転駆動されている状態で物品Ａが搬入され、物品Ａの搬入完了を物品移載装置２６に設けた図外の在荷検出手段が検出すると、押し込み用コンベヤ２８Ｂによって物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６側へ搬送しながら、ロッドレスシリンダ３７Ａが作動して台車４９を搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に沿って移動させる。
このように、押し込み用コンベヤ２８Ｂを有する台車４９を搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に沿って移動させ、押し込み用コンベヤ２８Ｂ上の物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に沿って搬送するとともに、押し込み用コンベヤ２８Ｂにより物品Ａを搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向と略直交する搬入方向から搬出用スラットコンベヤ６側へ搬送するので、物品Ａは搬出用スラットコンベヤ６へ押し込み搬入されるのであり、前記台車４９の移動速度が、搬出用スラットコンベヤ６の搬送速度と略同じになるように設定されているので、物品Ａは搬出用スラットコンベヤ６の搬送速度と同期した状態で移載される。
【図面の簡単な説明】
【図１】自動倉庫の全体平面図
【図２】搬入用スラットコンベヤと搬入コンベヤの斜視図
【図３】搬出用スラットコンベヤと搬出コンベヤの斜視図
【図４】スラットコンベヤの断面図
【図５】スラットコンベヤの一部切欠き斜視図
【図６】スラットコンベヤのガイドレールの平面図
【図７】スラットコンベヤのガイドレールの平面図
【図８】搬入用スラットコンベヤと搬入コンベヤの平面図
【図９】搬入用スラットコンベヤと搬入コンベヤの平面図
【図１０】搬出用スラットコンベヤと搬出コンベヤの平面図
【図１１】物品移載装置の一部切欠き平面図
【図１２】物品移載装置の縦断正面図
【図１３】物品移載装置の要部の側面図
【図１４】物品移載装置の要部の正面図
【図１５】物品移載装置の要部の平面図
【図１６】制御装置の概略ブロック図
【図１７】物品移載装置の別実施形態の平面図
【図１８】物品移載装置の別実施形態の正面図
【図１９】物品移載装置の別実施形態の縦断側面図
【符号の説明】
６ コンベヤ
２５Ａ 物品供給部
２６ 物品移載装置
２８Ａ 移載用コンベヤ
２８Ｂ 搬入手段としての押し込み用コンベヤ
３６ 搬送手段としてのスライド部材
４０ 搬入手段としての押圧部材
４９ 搬送手段としての台車
Ａ 物品

Claims (5)

1. 物品を載置して搬送するコンベヤの搬送方向に対して直交または略直交する方向から前記物品を移載する搬出コンベヤにおける搬送方向終端部に設けられて、前記コンベヤ上に、そのコンベヤの側脇から物品を載置搬送して移載する物品移載装置であって、
   前記物品を前記コンベヤの搬送方向に沿って、そのコンベヤの搬送速度と同速度または略同速度で搬送する搬送手段と、前記物品を前記コンベヤの搬送方向と直交または略直交する搬入方向へ搬送して前記コンベヤ上へ搬入する搬入手段とを設け、前記搬送手段と搬入手段とを同時に作動させて、前記物品を前記コンベヤ上に移載するように構成してある物品移載装置。
2. 前記搬送手段が、前記コンベヤの搬送方向に沿って移動して前記物品を押圧搬送するスライド部材で構成され、前記搬入手段が、前記搬入方向へ移動して前記物品を押し込み搬入する押圧部材で構成されている請求項１に記載の物品移載装置。
3. 前記押圧部材が、前記スライド部材に対して移動可能に設けられている請求項２に記載の物品移載装置。
4. 前記スライド部材および押圧部材の下方に、前記物品を前記搬入方向へ送り作用を備えるように駆動される移載用コンベヤを設け、その移載用コンベヤの送り速度を前記押圧部材の移動速度よりも遅くし、かつ、前記搬出コンベヤとして、前記移載用コンベヤの送り方向上手側に、その移載用コンベヤ上に物品を供給する物品供給部を設けてある請求項２または３に記載の物品移載装置。
5. 前記搬送手段が、前記コンベヤの搬送方向に沿って移動する台車で構成され、前記搬入手段が、前記台車上に設けられた押し込み用コンベヤで構成され、その押し込み用コンベヤの搬送速度を前記コンベヤの搬送速度よりも速くして、前記物品を前記コンベヤ上へ押し込み搬入するように構成されている請求項１に記載の物品移載装置。

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