JP3544883B2 - 断熱性容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インスタントラーメンなどの即席食品を入れるカップ状の容器に係り、特に熱湯を注いでそのまま食することのできる断熱性に優れた容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のカップ状をした断熱性容器としては、発泡ポリスチレンなどのプラスチック製のものが多用されてきたが、これらは廃棄した場合に公害問題になることから、これに代わるものとして、例えば実開平4−45212号公報に見られるように、胴部を二重にして断熱用の空隙を形成した紙製の断熱性容器が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べた実開平4−45212号公報に記載の断熱性容器は、通常の紙カップに対してテーパーの異なった底なしの外筒を組み合わせるという簡単な構成により断熱効果を有するカップが得られるという利点がある。そして、断熱用の空隙が下方に行くほど大きくなっているので、通常の持ち方では良好な断熱効果を発揮する。しかしながら、上部寄りのところをつかんで持つ状態が長く続くと、断熱効果を発揮する空隙が無いか又は狭いので、段々と熱くなってくるという問題点がある。
【0004】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、胴部のいずれの場所を手で持っても内容物の熱が伝わり難い優れた断熱性容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る断熱性容器は、上方開口縁に外向きカール部を有する上拡がりの紙カップ本体と、上方及び下方共に開口しており下方開口縁に内向きカール部を有する上拡がりの紙製の外筒とからなり、外筒はその胴部が紙カップ本体の胴部より裾が少し拡がったテーパーを有しており、紙カップ本体はその外向きカール部に隣接する上端部分が全周に渡って外側方向にさらに拡がるように、すなわち開口部の周長に加え直径方向に0.1〜2.0mm拡がるように胴部のテーパーと異なるテーパーで斜めに曲げられており、外筒を紙カップ本体に被せて外筒の上端部分の先端を紙カップ本体における外向きカール部の内側に当接させるか食い込ませた状態にし、外筒における上端部分と内向きカール部の少なくともいずれかで紙カップ本体に接着して両者を一体とすることにより形成され、紙カップ本体と外筒の間に空隙が形成されていることを特徴としている。さらに、外筒については、その上端部分が全周に渡って内側に閉じる方向に曲げられているように構成してもよいものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、いくつかの例を挙げながら本発明の実施形態について説明する。
【0007】
図1は本発明に係る断熱性容器の一例を示すもので、左半分及び右半分がそれぞれ側面図と断面図を示す概略構成図であり、図1に示す断熱性容器10は、紙カップ本体20と、上方及び下方共に開口した中空円筒状の外筒30とを組み合わせて構成されている。
【0008】
紙カップ本体20は、内面若しくは内外両面にポリエチレン等の合成樹脂をコーティングした紙からなるもので、通常の紙カップと同様に、扇形状のブランクを丸めた胴部21の下方に円形状の底板22を巻き締めると共に上方開口縁に外向きカール部23を形成したものである。また図示紙カップ本体20は、胴部21の上方寄りの位置に、内面側に突出する幅の狭い突条24を周回方向に形成してあり、この突条24は熱湯を注ぐ時の目安となる注入基準線の役目を果たすようになっている。さらに、紙カップ本体20の胴部21の中程には、外面側に突出する周回方向の凸状部25からなる補強リブを形成してある。なお、これらの突条24や凸状部25は、紙カップ本体20と外筒30とを組み合わせる前に、雄型・雌型を用いて紙カップ本体20に形成されるものである。そして、紙カップ本体20は外向きカール部23に隣接する上端部分26が全周に渡って外側方向にさらに拡がるように曲げられている。この上端部分26の曲げは、外向きカール部23のカール形成工程時と同時に形成される。
【0009】
図1の紙カップ本体20では、図2(a)に示すように、胴部21とテーパーの異なる直線aを用いた形状により上端部分26に曲げ加工を施しているが、この他に図2(b)に示すように、曲率Rの一つの曲線b(曲率R)を用いた形状としてもよいし、或いは図2(c)に示すように、曲率R1 ,R2 の2つの曲線c,dをつないだ形状としてもよい。拡げる寸法は、開口部の周長に加え、紙の厚み、坪量及び伸度により変化するが、カール割れが生じない程度にする必要がある。具体的には、直径方向に0.1〜2.0mm、好ましくは0.1〜1.0mm程度である。
【0010】
一方、中空円筒状の外筒30は、紙単体若しくは片面又は両面にポリエチレン等の合成樹脂をコーティングした扇形状の紙からできており、胴部31の下方開口縁に内向きカール部32が形成されている。ここで、紙カップ本体20も外筒30も共に上拡がりであるが、この外筒30はその胴部31が紙カップ本体20の胴部21より裾が少し拡がったテーパーを有している。そして、外筒30の胴部上端が紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に当接するとともに、胴部31の下方開口縁の内向きカール部32が紙カップ本体20の下方の側壁外周に接触する大きさとされている。
【0011】
そして、紙カップ本体20に上記構成の外筒30を被せて差し込み、外筒30の上端部分34の先端を紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に当接させるか食い込ませた状態にし、予め紙カップ本体20の外向きカール部23の下側付近の胴部外周面に塗布したエマルジョン系接着剤等の手段により、外筒30の上端部分34を紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に接着して両者を一体化とすることにより、図1に示す断熱性容器10が形成されている。使用形態によっては、外筒30の下方開口縁に形成された内向きカール部32の部分も紙カップ本体20の下方の側壁外周面に接着して、紙カップ本体20と外筒30の結合をより確実にしてもよい。また、外筒30の上端部分34の先端を紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に十分に食い込ませるような場合は、外筒30における内向きカール部32の部分を紙カップ本体20の下方の側壁外周面に接着するだけでも固定することができる。
【0012】
上記構成の断熱性容器10においては、紙カップ本体20の胴部21と外筒30の胴部31の間に空隙が形成され、この空隙の部分が断熱作用を果たす。しかも、紙カップ本体20の外向きカール部23に隣接する上端部分26が全周に渡って外側方向にさらに拡がるように曲げられているので、下方から上方まで空隙がある程度の間隔で形成される。したがって、断熱性容器10に例えば熱湯を入れた場合、内側の胴部21の熱が外側の胴部31に伝わるのが広い範囲に渡って防止され、この種の容器において通常把持されるどの場所をつかんで持っても熱くなることがない。また、上記の例では、紙カップ本体20の胴部21に外面側に突出する周回方向の凸状部25からなる補強リブを形成してあるので、この凸状部25により紙カップ本体20の強度が上がると共に、外筒30の胴部31が内側に撓まないように支えの役目を果たすので、手で持った場合に紙カップ本体20の胴部21と外筒30の胴部31の間の空隙が狭くなるのが防止される。
【0013】
図3は本発明に係る断熱性容器の他の例を示すもので、左半分及び右半分がそれぞれ側面図と断面図を示す概略構成図であり、この例の断熱性容器10は、図1に示したのと同じ紙カップ本体20と、図1に示したのとは異なる形状の外筒30とを組み合わせて構成されている。
【0014】
この例で使用した外筒30は、図1の外筒30の構成に加え、胴部上方付近に内側に凹んだ凹状突起33を周回方向に設けている。この凹状突起33の内側面が紙カップ本体20の胴部上方付近の側壁外周面に接触するか僅かに離れると共に、胴部31の下方開口縁の内向きカール部32が紙カップ本体20の下方の側壁外周に接触する大きさとされている。さらに、図4に拡大して示すように、外筒30の上端部分34は全周に渡って内側に閉じる方向にテーパー状に曲げられており、その先端が紙カップ本体20の外向きカール部23の内側に当接する大きさになっている。なお、この上端部分34の曲げは、テーパー状に限るものではなく、図5のように湾曲状態に曲げられていてもよい。
【0015】
上記の如き外筒30において、その凹状突起33は打抜機により板紙からブランクを打ち抜く時に同時に形成されるが、上端部分34のテーパーや曲げは図6に示すような構造のマンドレル40を使用して付けられる。このマンドレル40は、扇形状のブランクを周囲に巻き付けて内向きカール部32を形成する時に使用するものであるが、このカール形成時と同時に上端部分34にテーパーを付けたり或いは上端部分34を彎曲状態にすることができる。すなわち、マンドレル40は、図6及びその一部拡大図である図7に示すように、最大径側に幅が1mm、深さが約2mmで20〜30度の角度を付けた斜めの溝41を全周に渡って設け、さらにブランクを巻き付ける時に凹状突起33が潰れないように逃げ部42を設けた構造としておく。そして、第1カール工程にてカール型を外筒30の下部に押し付ける力を利用し、図8に示す如く外筒30の上端部分34をマンドレル40の斜めの溝41に押し込み、その状態で第2カール工程にて内向きカール部32を形成する。カール部形成工程の後、外筒30をマンドレル40から外すと、外筒30の上端部分34が全周に渡って内側にテーパー状に曲げられた形態になる。或いは、溝41の形状及び溝41への押込み力を適宜設定することにより上端部分34を湾曲状に曲げられた形態にすることもできる。
【0016】
そして、紙カップ本体20に上記構成の外筒30を被せて差し込み、外筒30の上端部分34の先端を紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に当接させるか食い込ませた状態にし、予め紙カップ本体20の外向きカール部23の下側付近の胴部外周面に塗布したエマルジョン系接着剤等の手段により、外筒30の上端部分34を紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に接着して両者を一体化とすることにより、図3に示す断熱性容器10が形成されている。或いは、外筒30の凹状突起33の内側面を紙カップ本体20の胴部上方付近の側壁外周面にエマルジョン系接着剤等の手段で接着して両者を一体としてもよい。使用形態によっては、外筒30の下方開口縁に形成された内向きカール部32の部分も紙カップ本体20の下方の側壁外周面に接着して、紙カップ本体20と外筒30の結合をより確実にしてもよい。また、外筒30の上端部分34の先端を紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に十分に食い込ませるような場合は、外筒30における内向きカール部32の部分を紙カップ本体20の下方の側壁外周面に接着するだけでも固定することができる。
【0017】
上記構成の断熱性容器10においては、紙カップ本体20の胴部21と外筒30の胴部31の間に空隙が形成され、この空隙の部分が断熱作用を果たす。しかも、外筒30の胴部上方付近には内側に凹んだ凹状突起33を設けてあるので、下方からこの凹状突起33のところまで空隙がある程度の間隔で形成される。したがって、断熱性容器10に例えば熱湯を入れた場合、内側の胴部21の熱が外側の胴部31に伝わるのが広い範囲に渡って防止され、この種の容器において通常把持されるどの場所をつかんで持っても熱くなることがない。また、この例においても、紙カップ本体20の胴部21には外面側に突出する周回方向の凸状部25からなる補強リブを形成してあるので、この凸状部25により紙カップ本体20の強度が上がると共に、外筒30の胴部31が内側に撓まないように支えの役目を果たすので、手で持った場合に紙カップ本体20の胴部21と外筒30の胴部31の間の空隙が狭くなるのが防止される。
【0018】
図9は本発明に係る断熱性容器のさらに他の例を示すもので、左半分及び右半分がそれぞれ側面図と断面図を示す概略構成図であり、この例の断熱性容器10は、図3に示したのと同じ紙カップ本体20と、図3に示したのとは異なる形状の外筒30とを組み合わせて構成されている。
【0019】
この例で用いた外筒30は、胴部上方付近に内側に凹んだ凹状突起33を周回方向に設けている点は図3のものと同じであるが、外筒30の上端部分は内側に閉じる方向に曲げられてはおらず、真っ直ぐなままの状態である。胴部上方付近に凹状突起33を設けた外筒30を使用する場合、この部分が内側に出っ張るため、上端部分34が紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に当接しないことが考えられるが、紙カップ本体20における上端部分26の外側方向への曲げが大きい場合や、外筒30の凹状部分33の内側への凹みが小さい場合は、この例のように外筒30の上端部分34が真っ直ぐのままでもよい。
【0020】
図10は図3に示した断熱性容器の変形例を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ側面図と断面図で示す概略構成図である。この図10に示される断熱性容器10は、図3に示したものと略同じ構成をしているが、印刷する文字や模様が外側への浮きだし部分35を形成するようにエンボス加工を施してなる板紙にて外筒30を形成した点が異なっている。この浮きだし部分35は、すべての文字や模様の部分について形成する必要はなく、強調したい文字や模様のみにしてもよい。このような構成の断熱性容器10は図3の断熱性容器10と同様な断熱作用を発揮するが、特に浮きだし部分35では空隙が広いために断熱作用が大きくなる。
【0021】
図11は図3に示した断熱性容器の別の変形例を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ側面図と断面図で示す概略構成図である。この図11に示される断熱性容器10は、図3に示したものと略同じ構成をしているが、外側となる面の全体に渡って微細なエンボス加工を施してなる板紙にて外筒30を形成した点が異なっている。このような構成の断熱性容器10は図3の断熱性容器10と同様な断熱作用を発揮するが、紙カップ本体20と外筒30の間の空隙による断熱効果が発揮されるのに加え、外筒30の表面の微細凹凸により持ちやすい上に手に熱が伝わりにくく、全体的に断熱効果が一層優れたものとなる。なお、図11の例ではエンボス加工による凹凸模様を外筒における胴部の全面に渡って形成したが、凹凸模様を形成しない部分を一部に残した形態にしてもよい。例えば、手で持つ領域を考慮して胴部の上下に帯状に残してもよいし、またデザインを考慮して名前の部分などを模様状に残してもよい。
【0022】
図12は図3に示した断熱性容器のさらに別の変形例を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ側面図と断面図で示す概略構成図である。この図12に示される断熱性容器10は、図3に示したものと略同じ構成をしているが、外側となる面の略全体に渡って微細なエンボス加工を施すとともに、印刷する文字や模様が外側への浮きだし部分35を形成するようにエンボス加工を施してなる板紙にて外筒30を形成した点が異なっている。この浮きだし部分35は、すべての文字や模様の部分について形成する必要はなく、強調したい文字や模様のみにしてもよい。このような構成の断熱性容器10は図3の断熱性容器10と同様な断熱作用を発揮するが、特に浮きだし部分35では空隙が広いために断熱作用が大きくなり、また外筒30の表面の微細凹凸による断熱作用も加わり、全体的に断熱効果が一層優れたものとなる。なお、図12の例ではエンボス加工による凹凸模様を外筒における胴部の全面に渡って形成したが、凹凸模様を形成しない部分を一部に残した形態としてもよい。例えば、手で持つ領域を考慮して胴部の上下に帯状に残してもよいし、またデザインを考慮して浮きだし部分35となるところを残すようにしてもよい。
【0023】
図10〜図12に示した各断熱性容器も、図3の断熱性容器10と同様、紙カップ本体20にこの構成の外筒30を被せて差し込み、外筒30の上端部分34の先端を紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に当接させるか食い込ませた状態にし、予め紙カップ本体20の外向きカール部23の下側付近の胴部外周面に塗布したエマルジョン系接着剤等の手段により、外筒30の上端部分34を紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に接着して両者を一体化とすることにより組み立てられる。或いは、外筒30の凹状突起33の内側面を紙カップ本体20の胴部上方付近の側壁外周面にエマルジョン系接着剤等の手段で接着して両者を一体としてもよい。また、外筒30の下方開口縁に形成された内向きカール部32の部分も紙カップ本体20の下方の側壁外周面に接着してもよい。また、外筒30の上端部分34の先端を紙カップ本体20における外向きカール部23の内側に十分に食い込ませるような場合は、外筒30における内向きカール部32の部分を紙カップ本体20の下方の側壁外周面に接着するだけでも固定できる。
【0024】
なお、上述の各例では、熱湯を注ぐ時の目安となる注入基準線として、紙カップ本体20の胴部21の上方寄りの位置にて内面側に突出する幅の狭い突条24を周回方向に形成したが、この突条24は外面側に突出してあっても構わない。また、いずれの場合も、貼り合わせのための接着剤の位置は注入基準線よりも上方となるようにするのが好ましい。
【0025】
また、外筒30の胴部上方付近に凹状突起33を設ける場合、この凹状突起33は胴部31の繋ぎ目を残して全周に渡って帯状で連続状態で形成してもよいし、不連続状態で設けるようにしてもよい。そして、不連続に設ける場合、凹状突起の形状としては帯状の他に、円形状や楕円状を始めとしてその他の任意の形状でよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明の断熱性容器は、上方開口縁に外向きカール部を有する上拡がりの紙カップ本体と、上方及び下方共に開口しており下方開口縁に内向きカール部を有する上拡がりの紙製の外筒とからなり、外筒はその胴部が紙カップ本体の胴部より裾が少し拡がったテーパーを有しており、紙カップ本体はその外向きカール部に隣接する上端部分が全周に渡って外側方向にさらに拡がるように、すなわち開口部の周長に加え直径方向に0.1〜2.0mm拡がるように胴部のテーパーと異なるテーパーで斜めに曲げられており、外筒を紙カップ本体に被せて外筒の上端部分の先端を紙カップ本体における外向きカール部の内側に当接させるか食い込ませた状態にし、外筒における上端部分と内向きカール部の少なくともいずれかで紙カップ本体に接着して両者を一体とすることにより形成され、紙カップ本体と外筒の間に空隙が形成されている構成としたので、胴部の下部から上部に至る広い範囲に渡って断熱用の空隙がある程度の間隔で形成されることから、胴部のいずれの場所を手で持っても内容物の熱が伝わりにくいという断熱性に優れたものとなる。そして、紙カップ本体と外筒の組立に際しては、紙カップ本体の上端部分が外側に拡がっており、外筒の上端が紙カップ本体の外向きカール部の内側に当接するか食い込むので、外向きカール部の下側に衝突するのが防止されることから、外筒を紙カップ本体にスムースに差し込むことができ、外観不良を生じることがない。
【0027】
また、外筒の形状を、その胴部上方付近に内側に凹んだ凹状突起を周回方向に設けた構成とすることにより、下方からこの凹状突起のところまで空隙がある程度の間隔で形成され、手で持った場合に凹状突起が支えの役目を果たし空隙が狭くなるのが防止されることから、断熱効果が一層優れたものとなる。
【0028】
また、印刷する文字や模様が外側への浮きだし部分を形成するようにエンボス加工を施した板紙にて外筒を形成することにより、外筒の表面に印刷する文字や模様が浮きだし部分により突き出た状態になるので、断熱作用が良好になる上に、その凹凸により文字や模様が強調されるというデザイン的にも優れた意匠を付与したものとなる。
【0029】
また、外側となる面の略全体に渡って微細なエンボス加工を施してなる板紙にて外筒を形成することにより、外筒の表面にエンボス加工による凹凸があるので、手で持ちやすい上に熱が手に伝わりにくく、しかもその凹凸の模様によりデザイン的にも従来にない意匠を付与したものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る断熱性容器の一例を示すもので、左半分及び右半分がそれぞれ側面図と断面図を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す断熱性容器を構成する紙カップ本体における上端部分の曲げ加工の形態を示す説明図である。
【図3】本発明に係る断熱性容器の他の例を示すもので、左半分及び右半分がそれぞれ側面図と断面図を示す概略構成図である。
【図4】図3に示す断熱性容器を構成する外筒の右上部を示す拡大説明図である。
【図5】図4に示す外筒の変形例を示す一部拡大図である。
【図6】図3に示す断熱性容器の外筒を作製するのに使用されるマンドレルの側面図である。
【図7】図6におけるA部分の拡大断面図である。
【図8】図6のマンドレルにより外筒の上端部分にテーパーを付ける様子を示す説明図である。
【図9】本発明に係る断熱性容器のさらに他の例を示すもので、左半分及び右半分がそれぞれ側面図と断面図を示す概略構成図である。
【図10】図3に示した断熱性容器の変形例を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ側面図と断面図で示す概略構成図である。
【図11】図3に示した断熱性容器の別の変形例を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ側面図と断面図で示す概略構成図である。
【図12】図3に示した断熱性容器のさらに別の変形例を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ側面図と断面図で示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 断熱性容器
20 紙カップ本体
21 胴部
22 底板
23 外向きカール部
24 突条
25 凸状部
26 上端部分
30 外筒
31 胴部
32 内向きカール部
33 凹状突起
34 上端部分
35 浮きだし部分
40 マンドレル
41 溝
42 逃げ部
Claims (8)
- 上方開口縁に外向きカール部を有する上拡がりの紙カップ本体と、上方及び下方共に開口しており下方開口縁に内向きカール部を有する上拡がりの紙製の外筒とからなり、外筒はその胴部が紙カップ本体の胴部より裾が少し拡がったテーパーを有しており、紙カップ本体はその外向きカール部に隣接する上端部分が全周に渡って外側方向にさらに拡がるように、すなわち開口部の周長に加え直径方向に0.1〜2.0mm拡がるように胴部のテーパーと異なるテーパーで斜めに曲げられており、外筒を紙カップ本体に被せて外筒の上端部分の先端を紙カップ本体における外向きカール部の内側に当接させるか食い込ませた状態にし、外筒における上端部分と内向きカール部の少なくともいずれかで紙カップ本体に接着して両者を一体とすることにより形成され、紙カップ本体と外筒の間に空隙が形成されていることを特徴とする断熱性容器。
- 外筒の上端部分が全周に渡って内側に閉じる方向に曲げられている請求項1に記載の断熱性容器。
- 外筒の胴部上方付近に内側に凹んだ凹状突起が周回方向に設けられている請求項1又は2に記載の断熱性容器。
- 外筒の胴部上方付近に設ける周回方向の凹状突起を不連続とした請求項3に記載の断熱性容器。
- 紙カップ本体の胴部にその内面側又は外面側に突出する周回方向の突条からなる注入基準線を設けた請求項1〜4のいずれかに記載の断熱性容器。
- 紙カップ本体の胴部にその外面側に突出する周回方向の凸状部からなる補強リブを形成した請求項1〜5のいずれかに記載の断熱性容器。
- 外筒における印刷された文字や模様の部分が外側への浮きだし部分を形成してなる請求項1〜6のいずれかに記載の断熱性容器。
- 外筒における外側面の略全体に渡って微細なエンボス加工が施されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の断熱性容器。
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