JP3544535B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソース・ドレイン領域にシリサイド層を有する半導体装置およびその製造方法に係り、特に、接合リークの低減対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSI中のMISFETの超微細化、高速動作化に伴って、MISFETのスケーリングに応じた寸法の縮小が要求されており、特にゲート電極の側面上のサイドウォールの幅の縮小や、ゲート電極とソースドレイン領域とのコンタクトマージンの縮小がますます必要となってきている。また、ソース・ドレイン領域の低抵抗化のために、ソース・ドレイン領域の表面部とゲート電極の表面部とをシリサイド化するいわゆるサリサイド工程が採用されることも多い。
【0003】
このようなサリサイドプロセスを採用する場合、一般的に、サイドウォールの材質として、サリサイド形成用金属膜の堆積前のフッ酸系溶液によるウェットエッチング工程での膜減りを防止するために、ウェットエッチング耐性の高いシリコン窒化膜が用いられている。また、ソース・ドレインコンタクトがゲート電極やサイドウォールにオーバーラップして形成されても、コンタクトとゲート電極あるいはコンタクトとサイドウォール下方の半導体基板内の領域(例えばエクステンション領域(又はLDD領域))との短絡を防止できるように、ゲート電極の上方の絶縁膜とサイドウォールとをドライエッチ耐性の高いシリコン窒化膜により構成している。しかしながら、ゲート電極の側面上に直接シリコン窒化膜を形成すると、シリコン窒化膜から半導体基板のチャネル領域にストレスが作用したり、含有水素の影響によりホットキャリア耐性が劣化することや、シリコン窒化膜が高誘電率であることからシリコン窒化膜単層のサイドウォール構造では、ゲートオーバーラップ容量が増大し、回路の速度が低下することが知られており、通常は、窒化膜とゲート電極および半導体基板の間にシリコン酸化膜を介在させた2層構造をとっている。
【0004】
また、半導体基板上には、I/O部に配置されるMISFETも設けられており、I/O部に用いるMISFETにおいては、ゲート酸化膜耐性、ESD耐性を確保するために、ソース、ドレイン領域にシリサイド層を設けない構造が採用されている。つまり、1つの半導体基板に、シリサイド形成領域と非シリサイド形成領域とがあることになる。
【0005】
図6(a)〜(e)は、従来のポリメタルゲート構造を有する半導体装置の製造工程を有する断面図を示す図である。図6(a)〜(e)においては、n型MISFET形成領域のみ図示されているが、基板上の別の部位にはp型MISFETが形成される。
【0006】
まず、図6(a)に示す工程において、半導体基板101の上に、酸窒化膜と、n型ポリシリコン膜と、金属膜と、シリコン窒化膜とを順に堆積する。その後、フォトリソグラフィー工程により、シリコン窒化膜上にエッチングマスクとなるフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜をマスクとするエッチングにより、シリコン窒化膜,金属膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸化膜をパターニングして、ゲート上シリコン窒化膜105と、金属膜からなる上部ゲート電極104と、ポリシリコン膜からなる下部ゲート電極103と、ゲート絶縁膜102とを形成する。さらに、p型MISFET形成領域(図示せず)を覆うフォトレジスト膜(図示せず)を形成した上で、n型MISFET形成領域において、ゲート上シリコン窒化膜105,各ゲート電極104,103をマスクとして、例えば砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.0×1014atoms ・cm−2の条件で、半導体基板101内に導入して、n型エクステンション領域(又はLDD領域)106を形成する。
【0007】
次に、図6(b)に示す工程で、例えばLP−CVD法により、厚みが約20nmのシリコン酸化膜107と、厚みが約80nmのシリコン窒化膜108とを順次形成する。
【0008】
次に、図6(c)に示す工程で、異方性エッチングにより、シリコン窒化膜108とシリコン酸化膜107とをエッチバックして、窒化物サイドウォール108aと、断面がL字状のL字状サイドウォール107aとを形成する。その後、ゲート上シリコン窒化膜105,各ゲート電極104,103及び各サイドウォール108a,107aをマスクとして、例えば砒素イオンを、加速エネルギーが約50keV,ドーズ量が5.0×1015atoms ・cm−2の条件で、半導体基板101内に注入し、さらに、1000℃,10秒間の高速加熱処理を行なって、n型の高濃度ソース・ドレイン領域109を形成する。
【0009】
次に、図6(d)に示す工程で、高濃度ソース・ドレイン領域109上にシリサイド層を形成するに先立って、非シリサイド形成領域(図示せず)にシリサイド化を防止するためために、以下の処理を行なう。まず、例えばLP−CVD法により、基板上に厚み約50nmの反応防止用シリコン酸化膜を堆積した後、反応防止用シリコン酸化膜の上に、非シリサイド形成領域を覆い、シリサイド形成領域(例えば図6(d)に示す領域)を開口したフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜をエッチングマスクとして、例えば20:1に希釈されたバッファードフッ酸溶液により、30秒程度の間、反応防止用シリコン酸化膜のウェットエッチングを行い、反応防止用シリコン酸化膜のうちシリサイド形成領域に位置する部分を除去する。このとき、反応防止用シリコン酸化膜をできるだけ完全に除去するために、オーバーエッチングが行なわれるが、このウェットエッチングのオーバーエッチングにより、L字状サイドウォール107aの下端部で窒化物サイドウォール108aと半導体基板101とに挟まれた部分がエッチングされて、図6(d)に示すような,酸化膜除去部Rdeが形成される。
【0010】
次に、図6(e)に示す工程で、アッシング,RCA洗浄などを行なってフォトレジスト膜を除去した後、その処理の際にシリコン層(高濃度ソース・ドレイン領域109など)の表面に形成されるシリコン酸化膜を除去するために、例えば100:1のフッ酸溶液でウェットエッチングを行なう。その際にも、L字状サイドウォール107aがエッチングされる。その後、基板上に、厚みが約8nmのCo膜を堆積し、例えば550℃,60秒間の熱処理を加えて、シリコン層とCo膜とが互いに接している部分でCoとSiとを反応させる。その結果、高濃度ソース・ドレイン領域109の上に、CoSi からなるコバルトシリサイド層111が形成される。その後、選択ウェットエッチングにより、Co膜のうちSiと反応していない部分を除去する。
【0011】
以上の工程により、いわゆるサリサイド構造を有する,微細化に適したMISFETが得られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体装置の製造方法においては、以下のような不具合がある。図6(d)に示す状態で、酸化膜除去部Rdeにおいて、半導体基板101の一部(高濃度ソース・ドレイン領域109及びn型エクステンション領域(又はLDD領域)106の各一部)が露出しているので、窒化物サイドウォール108の下方においてコバルトシリサイド層111が酸化膜除去部Rde内を横方向に成長する。つまり、pn接合部が浅く形成されているn型エクステンション領域(又はLDD領域)106の一部がシリサイド化されることで、コバルトシリサイド層111の一部と半導体基板101の基板領域(ここではp型ウェル領域)とが直接接するか、あるいはn型エクステンション領域(又はLDD領域)106のごく薄い層を挟んで両者が対向することになるので、コバルトシリサイド層111とp型ウェルである半導体基板101の基板領域との間でリーク電流が発生する。また、n型エクステンション領域(又はLDD領域)がなく高濃度ソース・ドレイン領域のみがある場合には、シリサイド層がチャネル領域に接触するので、リーク電流がより生じやすくなると考えられる。
【0013】
そこで、このような酸化膜除去部Rdeが形成されることを防ぐ手段として、例えば特開平11−345963に記載されているように、酸化膜からなるL字状サイドウォールと窒化物サイドウォールとの2層構造からなるサイドウォールにおいて、酸化物サイドウォールが除去された端部,つまり、上述の酸化膜除去部Rdeを別の窒化膜で塞ぐ構造も提案されている。しかし、この場合、この別の窒化膜と半導体基板のチャネル領域に近い部分とが直接接することによる半導体基板の界面準位の発生や、ストレスによるホットキャリア耐性の劣化や、ゲート絶縁膜の信頼性の劣化という不具合がある。また、厚みが10〜20nm程度の狭い空間である酸化膜除去部が、窒化膜によっては完全に塞がらないという不具合も懸念される。
【0014】
本発明の目的は、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜とを積層したサイドウォールを備えた半導体装置において、窒化膜に対してゲート電極や半導体基板が直接接することに起因する特性不良を回避しつつ、ソース・ドレイン領域をシリサイド化したときのリーク電流の発生を抑制することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の半導体装置は、半導体層を有する基板と、上記半導体層の上に設けられたゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、上記ゲート電極の側面上に設けられたシリコン窒化膜からなる窒化物サイドウォールと、上記ゲート電極と窒化物サイドウォールとの間から上記半導体層と窒化物サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状のストレス緩和用サイドウォールと、上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に設けられたソース・ドレイン領域と、上記ソース・ドレイン領域の上部に設けられたシリサイド層とを備え、上記ストレス緩和用サイドウォールは、L字状の酸化膜サイドウォールの下端部に酸窒化部が形成されている
【0016】
これにより、ストレス緩和用サイドウォールの存在により窒化物サイドウォールがゲート電極及び半導体層に接触することに起因するホットキャリア耐性やゲート絶縁膜の信頼性などの特性の悪化を回避しつつ、ストレス緩和用サイドウォールの下端部が酸窒化膜により構成されていることで、ストレス緩和用サイドウォールの下方までシリサイド層が形成されるのを防止することができる。したがって、ホットキャリア耐性などの特性を良好に維持しつつ、リーク電流が抑制された半導体装置の提供を図ることができる。
【0017】
上記ストレス緩和用サイドウォールの下端部だけでなく、その全体を酸窒化膜により構成することもできる。
【0018】
本発明の第2の半導体装置は、半導体層を有する基板と、上記半導体層の上に設けられたゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、上記ゲート電極の側面上に上記半導体層と下端部が接するように設けられたシリコン窒化膜からなる窒化物サイドウォールと、上記ゲート電極と窒化物サイドウォールとの間に介在するストレス緩和機能を有する絶縁体サイドウォールと、上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に設けられたソース・ドレイン領域と、上記ソース・ドレイン領域の上部に設けられたシリサイド層とを備え、記窒化膜サイドウォールは、化学量論的組成よりもシリコンリッチな組成を有するシリコン窒化膜により構成されている
【0019】
これによっても、ストレス緩和機能を有する絶縁体サイドウォールの存在により窒化物サイドウォールがゲート電極に接触することに起因するホットキャリア耐性やゲート絶縁膜の信頼性などの特性の悪化を回避しつつ、窒化物サイドウォールの存在により絶縁体サイドウォールの下方までシリサイド層が形成されるのを防止することができる。したがって、電気的特性のよい,リーク電流が抑制された半導体装置の提供を図ることができる。
【0020】
上記窒化物サイドウォールが、化学量論的組成よりもシリコンリッチな組成を有するシリコン窒化膜により構成されていることにより、窒化物サイドウォールが半導体層に接触していても、半導体層へのストレスの印加を抑制することができる。
【0021】
上記ストレス緩和機能を有する絶縁体サイドウォールが、上記ゲート電極の側面と上記窒化物サイドウォールとの間に設けられたシリコン窒化膜からなるもう1つの窒化物サイドウォールと、上記ゲート電極と上記もう1つの窒化物サイドウォールとの間から上記半導体層と上記もう1つの窒化物サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状の酸化物サイドウォールとにより構成されていてもよい。
【0022】
本発明の第1の半導体装置の製造方法は、基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程(a)と、上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に、エクステンション領域又はLDD領域を形成する工程(b)と、上記工程(b)の後に、基板上に、酸化膜のウエットエッチに対する耐性を有する絶縁膜及びシリコン窒化膜を堆積した後、上記絶縁膜及びシリコン窒化膜を異方性エッチングによりエッチバックして、上記ゲート電極の側面上に、窒化物サイドウォールと、上記ゲート電極と窒化物サイドウォールとの間から上記半導体層と窒化物サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状のストレス緩和用絶縁膜とを形成する工程(c)と、上記工程(c)の後に、上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に不純物をイオン注入し、熱処理を行なうことによりソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、上記ソース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする工程(e)を含み、上記工程(c)では、CVDによりシリコン酸化膜を堆積した後、上記シリコン窒化膜を堆積する前に、上記シリコン酸化膜の焼き締めのための熱処理を行なうことにより、上記酸化膜のウエットエッチに対する耐性を有する絶縁膜を形成する
【0023】
この方法により、ソース・ドレイン領域にシリサイド層を形成するための前処理において、ストレス緩和用絶縁膜の下端部がエッチングされることがないので、工程(d)においてシリサイド層がストレス緩和用絶縁膜の下方に延びてチャネル領域やエクステンション領域(又はLDD領域)に到達することはない。したがって、シリサイド層から基板領域へのリーク電流の少ない半導体装置を形成することができる。
【0024】
上記工程(b)では、CVDによりシリコン酸化膜を堆積した後、シリコン酸化膜の焼き締めのための熱処理を行なうことにより、上記酸化膜のウエットエッチに対する耐性を有する絶縁膜を形成することができる。
【0025】
また、上記工程(b)では、上記酸化膜のウエットエッチに対する耐性を有する絶縁膜として、シリコン酸窒化膜を形成することもできる。
【0026】
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程(a)と、基板上にシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を堆積した後、上記シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を異方性エッチングによりエッチバックして、上記ゲート電極の側面上に、窒化膜サイドウォールと、上記ゲート電極と上記窒化膜サイドウォールとの間から上記半導体層と上記窒化膜サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状の酸化膜サイドウォールとを形成する工程(b)と、上記酸化膜サイドウォールの下端部のうち露出している表面部の窒化処理を行なって、上記酸化膜サイドウォールの下端部に酸窒化部を形成する工程(c)と、上記工程(b)の後に、上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に、ソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、上記ソース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする工程(e)とを含んでいる。
【0027】
この方法によっても、第2の半導体装置の製造方法と同様に、シリサイド層から基板領域へのリーク電流の少ない半導体装置を形成することができる。
【0028】
本発明の第3の半導体装置の製造方法は、基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程(a)と、上記ゲート電極の側面上に、ストレス緩和機能を有する絶縁体サイドウォールを形成する工程(b)と、基板上にシリコン窒化膜を堆積する工程(c)と、上記シリコン窒化膜の上に、反応防止用酸化膜を形成する工程(d)と、上記反応防止用酸化膜のうち非シリサイド形成領域に位置する部分を残して、シリサイド形成領域に位置する部分を選択的に除去する工程(e)と、上記シリコン窒化膜のうちシリサイド形成領域に位置する部分の異方性エッチングを行なって、上記絶縁体サイドウォールの上に上記半導体層に接する窒化物サイドウォールを形成する工程(f)と、上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に、ソース・ドレイン領域を形成する工程(g)と、上記ソース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする工程(h)とを含み、上記工程(c)では、上記シリコン窒化膜として、化学量論的組成よりもシリコンリッチな組成を有するシリコン窒化膜を形成する
【0029】
この方法により、工程(e)においてシリサイド形成領域の反応防止用酸化膜を除去する際に、シリサイド形成領域がシリコン窒化膜によって覆われているので、絶縁体サイドウォールの下端部はほとんどエッチングされない。したがって、その後の工程(g)においてシリサイド層が絶縁体サイドウォールの下方に延びてチャネル領域やエクステンション領域(又はLDD領域)に到達することはない。よって、シリサイド層から基板領域へのリーク電流の少ない半導体装置を形成することができる。
【0030】
上記工程(b)では、基板上にシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を堆積した後、上記シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を異方性エッチングによりエッチバックして、上記ゲート電極の側面上に、窒化物サイドウォールと、上記ゲート電極と窒化物サイドウォールとの間から上記半導体層と窒化物サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状のストレス緩和用酸化膜とを形成することができる。
【0031】
上記工程(c)では、上記シリコン窒化膜として、化学量論的組成よりもシリコンリッチな組成を有するシリコン窒化膜を形成することにより、半導体層へのストレスの印加などの悪影響をできるだけ低減することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。図1(a)〜(d)には、nMISFET領域のみが図示されているが、基板にはpMISFET領域も存在することが前提である。pMISFET領域においては、基板領域やエクステンション領域(又はLDD領域),高濃度ソース・ドレイン領域の導電型がnMISFET領域とはすべて逆になっている。
【0033】
まず、図1(a)に示す工程において、Si基板1上に、厚みが約3.0のシリコン酸窒化膜と、下部ゲート電極となる厚みが約100nmのポリシリコン膜と、上部ゲート電極となるメタル膜と、ゲート上保護膜となるシリコン窒化膜とを順に形成する、その後、フォトリソグラフィーにより、上記シリコン窒化膜の上に、所望ゲート電極パターンを形成するためのレジストマスク(図示せず)を形成した後、このレジストマスクを用いたドライエッチングにより、シリコン窒化膜、メタル膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜をパターニングして、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3及び上部ゲート電極4からなるゲート電極15と、ゲート上保護膜5とを形成する。さらに、pMISFET領域を覆うレジストマスク(図示せず)を形成した後、nMISFET領域において、砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.0×1014atoms ・cm−2の条件でSi基板1内に注入して、n型エクステンション領域(又はLDD領域)6を形成する。
【0034】
次に、図1(b)に示す工程で、LP−CVD法により、基板上に、厚みが約20nmのシリコン酸窒化膜17と、厚みが約80nmのシリコン窒化膜8とを順次形成する。
【0035】
さらに、図1(c)に示す工程で、シリコン酸窒化膜17とシリコン窒化膜8との異方性エッチングを行なって、ゲート電極15及びゲート上保護膜5の側面上に、断面がL字状の酸窒化物サイドウォール17aと、窒化物サイドウォール8aとの積層膜からなる積層サイドウォール20Aを形成する。その後、ゲート上保護膜5,ゲート電極15及び積層サイドウォール20Aをマスクとして、砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約50keV,ドーズ量が約5.0×1015atoms ・cm−2の条件で、Si基板1内に注入し、さらに1000℃,10秒間の高速加熱処理により、n型の高濃度ソース・ドレイン領域9を形成する。
【0036】
次に、図1(d)に示す工程で、高濃度ソース・ドレイン領域9上にシリサイド層を形成するに先立って、非シリサイド形成領域(図示せず)におけるシリサイド化反応を防止するために、以下の処理を行なう。まず、例えばLP−CVD法により、基板上に厚み約50nmの反応防止用シリコン酸化膜を堆積した後、シリコン酸化膜の上に、非シリサイド形成領域を覆い、シリサイド形成領域(例えば図1(d)に示す領域)を開口したフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜をエッチングマスクとして、例えば20:1に希釈されたバッファードフッ酸溶液により、30秒程度の間、反応防止用シリコン酸化膜のウェットエッチングを行い、反応防止用シリコン酸化膜のうちシリサイド形成領域に位置する部分を除去する。このとき、反応防止用シリコン酸化膜をできるだけ完全に除去するために、オーバーエッチングが行なわれるが、窒化物サイドウォール8aとL字状の酸窒化物サイドウォール17aとは、フッ酸溶液に対するエッチング耐性が高いためほとんど除去されない。つまり、図6(d)に示すような,酸化膜除去部Rdeは形成されない。
【0037】
その後、アッシング,RCA洗浄などを行なって、フォトレジスト膜を除去した後、その処理の際にシリコン層(高濃度ソース・ドレイン領域9など)の表面に形成されるシリコン酸化膜を除去するために、例えば100:1のフッ酸溶液でウェットエッチングを行なう。その際にも、窒化物サイドウォール8aとL字状の酸窒化物サイドウォール17aとはほとんどエッチングされない。その後、基板上に、厚みが約8nmのCo膜を堆積し、例えば550℃,60秒間の熱処理を加えて、シリコン層とCo膜とが互いに接している部分でCoとSiとを反応させる。その結果、高濃度ソース・ドレイン領域9の上に、CoSi からなるコバルトシリサイド層11が形成される。その後、選択ウェットエッチングにより、Co膜のうちSiと反応していない部分を除去する。
【0038】
本実施形態の半導体装置又はその製造方法によると、図1(d)に示す工程で、Si基板1上のL字状の酸窒化物サイドウォール17aがフッ酸溶液にエッチングされずに残るので、図6(d)に示すような酸化膜除去部Rdeが形成されることはなく、積層サイドウォール20Aの下方には、ほとんどコバルトシリサイド層11が形成されない。つまり、コバルトシリサイド層11は積層サイドウォール20Aの下端部よりもほぼ外方にのみ形成され、コバルトシリサイド層11が横方向に成長して接合深さの浅いn型エクステンション領域(又はLDD領域)6に達することはない。したがって、コバルトシリサイド層11の底部は高濃度ソース・ドレイン領域9によって囲まれ、コバルトシリサイド層11とSi基板1の基板領域(ここではp型ウェル領域)との間におけるリーク電流の発生が抑制されることになる。
【0039】
また、窒化物サイドウォール8は、ゲート電極15及びSi基板1に接触していないので、Si基板1の界面準位の発生や、窒化物サイドウォール8からのストレスに起因するホットキャリア耐性の劣化,ゲート絶縁膜2の信頼性の低下をも抑制することができる。
【0040】
なお、本実施形態の製造方法では、図1(b)に示す工程において、LP−CVD法により、シリコン酸窒化膜17を形成したが、本発明の半導体装置の製造方法は、斯かる実施形態に限定されるものではなく、例えば、プラズマCVD法や、シリコン酸化膜を形成した後にアンモニア(NH )やN Oガス中でシリコン酸化膜の窒化を行なうことにより、シリコン酸窒化膜を形成してもよい。
【0041】
(第2の実施形態)
図2(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態の製造工程を示す断面図である。図2(a)〜(c)には、nMISFET領域のみが図示されているが、基板にはpMISFET領域も存在することが前提である。pMISFET領域においては、基板領域やエクステンション領域(又はLDD領域),高濃度ソース・ドレイン領域の導電型がnMISFET領域とはすべて逆になっている。
【0042】
まず、図2(a)に示す工程において、Si基板1上に、厚みが約3.0のシリコン酸窒化膜と、下部ゲート電極となる厚みが約100nmのポリシリコン膜と、上部ゲート電極となるメタル膜と、ゲート上保護膜となるシリコン窒化膜とを順に形成する、その後、フォトリソグラフィーにより、上記シリコン窒化膜の上に、所望ゲート電極パターンを形成するためのレジストマスク(図示せず)を形成した後、このレジストマスクを用いたドライエッチングにより、シリコン窒化膜、メタル膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜をパターニングして、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3及び上部ゲート電極4からなるゲート電極15と、ゲート上保護膜5とを形成する。さらに、pMISFET領域を覆うレジストマスク(図示せず)を形成した後、nMISFET領域において、砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.0×1014atoms ・cm−2の条件でSi基板1内に注入して、n型エクステンション領域(又はLDD領域)6を形成する。
【0043】
次に、LP−CVD法により、基板上に、厚みが約20nmのシリコン酸化膜と、厚みが約80nmのシリコン窒化膜とを順次形成した後、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との異方性エッチングを行なって、ゲート電極15及びゲート上保護膜5の側面上に、断面がL字状の酸化物サイドウォール7と、窒化物サイドウォール8aとの積層膜からなる積層サイドウォール20Bを形成する。
【0044】
その後、図2(b)に示す工程で、ゲート上保護膜5,ゲート電極15及び積層サイドウォール20Bをマスクとして、砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約50keV,ドーズ量が約5.0×1015atoms ・cm−2の条件で、Si基板1内に注入し、さらに窒素を含む雰囲気(例えば、NH ガス,N Oガスなど)で1000℃,10秒間の高速加熱処理により、n型の高濃度ソース・ドレイン領域9を形成するとともに、酸化物サイドウォール7の下端部のうち露出している表面部を窒化して、酸窒化部21を形成する。このとき、高濃度ソース・ドレイン領域9に注入された不純物の活性化のための熱処理と、酸窒化部21の形成のための熱処理(活性化のための熱処理よりも低めの温度,例えば900℃程度が好ましい)とを分けて行なってもよい。また、酸窒化部21の形成を窒素分以下によるプラズマ処理によって行なってもよい。
【0045】
次に、図2(c)に示す工程で、高濃度ソース・ドレイン領域9上にシリサイド層を形成するに先立って、非シリサイド形成領域(図示せず)におけるシリサイド化反応を防止するためにために、以下の処理を行なう。まず、例えばLP−CVD法により、基板上に厚み約50nmの反応防止用シリコン酸化膜を堆積した後、反応防止用シリコン酸化膜の上に、非シリサイド形成領域を覆い、シリサイド形成領域(例えば図2(c)に示す領域)を開口したフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜をエッチングマスクとして、例えば20:1に希釈されたバッファードフッ酸溶液により、30秒程度の間、反応防止用シリコン酸化膜のウェットエッチングを行い、反応防止用シリコン酸化膜のうちシリサイド形成領域に位置する部分を除去する。このとき、反応防止用シリコン酸化膜をできるだけ完全に除去するために、オーバーエッチングが行なわれるが、窒化物サイドウォール8aとL字状の酸化物サイドウォール7の下端部の酸窒化部21とはフッ酸溶液に対するエッチング耐性が高いためほとんど除去されない。つまり、図6(d)に示すような,酸化膜除去部Rdeは形成されない。
【0046】
その後、アッシング,RCA洗浄などを行なって、フォトレジスト膜を除去した後、その処理の際にシリコン層(高濃度ソース・ドレイン領域9など)の表面に形成されるシリコン酸化膜を除去するために、例えば100:1のフッ酸溶液でウェットエッチングを行なう。その際にも、窒化物サイドウォール8aとL字状の酸化物サイドウォール7の酸窒化部21とはほとんどエッチングされない。その後、基板上に、厚みが約8nmのCo膜を堆積し、例えば550℃,60秒間の熱処理を加えて、シリコン層とCo膜とが互いに接している部分でCoとSiとを反応させる。その結果、高濃度ソース・ドレイン領域9の上に、CoSi からなるコバルトシリサイド層11が形成される。その後、選択ウェットエッチングにより、Co膜のうちSiと反応していない部分を除去する。
【0047】
本実施形態の半導体装置又はその製造方法によると、図2(c)に示す工程で、Si基板1上のL字状の酸化物サイドウォール7の酸窒化部21がフッ酸溶液にエッチングされずに残るので、図6(d)に示すような酸化膜除去部Rdeが形成されることはなく、積層サイドウォール20Bの下方には、ほとんどコバルトシリサイド層11が形成されない。つまり、コバルトシリサイド層11は積層サイドウォール20Bの下端部よりもほぼ外方にのみ形成され、コバルトシリサイド層11が横方向に成長して接合深さの浅いn型エクステンション領域(又はLDD領域)6に達することはない。したがって、コバルトシリサイド層11の底部は高濃度ソース・ドレイン領域9によって囲まれ、コバルトシリサイド層11とSi基板1の基板領域(ここではp型ウェル領域)との間におけるリーク電流の発生が抑制されることになる。
【0048】
また、窒化物サイドウォール8は、ゲート電極15及びSi基板1に接触していないので、Si基板1の界面準位の発生や、窒化物サイドウォール8からのストレスに起因するホットキャリア耐性の劣化,ゲート絶縁膜2の信頼性の低下をも抑制することができる。
【0049】
(第3の実施形態)
図3(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態の製造工程を示す断面図である。上記第1,第2の実施形態においては、シリサイド形成領域の処理のみを図示したが、本実施形態において、図3(a)〜(d)には、シリサイド形成領域Rscと非シリサイド形成領域Rnsとが図示されている。ただし、図3(a)〜(d)には、nMISFET領域のみが図示されているが、基板にはpMISFET領域も存在することが前提である。pMISFET領域においては、基板領域やエクステンション領域(又はLDD領域),高濃度ソース・ドレイン領域の導電型がnMISFET領域とはすべて逆になっている。
【0050】
まず、図3(a)に示す工程において、Si基板1上に、シリサイド形成領域Rscと非シリサイド形成領域Rnsとを区画する溝型の素子分離12を形成した後、シリサイド形成領域Rsc及び非シリサイド形成領域Rnsにおいて、厚みが約3.0のシリコン酸窒化膜と、下部ゲート電極となる厚みが約100nmのポリシリコン膜と、上部ゲート電極となるメタル膜と、ゲート上保護膜となるシリコン窒化膜とを順に形成する、その後、フォトリソグラフィーにより、上記シリコン窒化膜の上に、所望ゲート電極パターンを形成するためのレジストマスク(図示せず)を形成した後、このレジストマスクを用いたドライエッチングにより、シリコン窒化膜、メタル膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜をパターニングして、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3及び上部ゲート電極4からなるゲート電極15と、ゲート上保護膜5とを形成する。さらに、pMISFET領域を覆うレジストマスク(図示せず)を形成した後、nMISFET領域において、砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.0×1014atoms ・cm−2の条件でSi基板1内に注入して、n型エクステンション領域(又はLDD領域)6を形成する。
【0051】
次に、LP−CVD法により、シリサイド形成領域Rsc及ぶ非シリサイド形成領域Rnsの双方において、基板上に、厚みが約20nmのシリコン酸化膜と、厚みが約80nmのシリコン窒化膜とを順次形成した後、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との異方性エッチングを行なって、ゲート電極15及びゲート上保護膜5の側面上に、断面がL字状の酸化物サイドウォール7と、窒化物サイドウォール8aとの積層膜からなる積層サイドウォール20Cを形成する。
【0052】
その後、図3(b)に示す工程で、シリサイド形成領域Rsc及び非シリサイド形成領域Rnsの双方において、ゲート上保護膜5,ゲート電極15及び積層サイドウォール20Cをマスクとして、砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約50keV,ドーズ量が約5.0×1015atoms ・cm−2の条件で、Si基板1内に注入し、さらに1000℃,10秒間の高速加熱処理により、n型の高濃度ソース・ドレイン領域9を形成する。
【0053】
次に、高濃度ソース・ドレイン領域9上にシリサイド層を形成するに先立って、非シリサイド形成領域Rnsにおけるシリサイド化反応を防止するために、以下の処理を行なう。まず、基板上に、例えばLP−CVD法により、厚みが約5nmのシリコン窒化膜23と、厚み約50nmのシリコン酸化膜24(反応防止用シリコン酸化膜)とを順次堆積した後、シリコン酸化膜24の上に、非シリサイド形成領域Rnsを覆い、シリサイド形成領域Rscを開口したフォトレジスト膜30を形成する。
【0054】
次に、図3(c)に示す工程で、フォトレジスト膜30をエッチングマスクとして、例えば20:1に希釈されたバッファードフッ酸溶液により、30秒程度の間、シリコン酸化膜24のウェットエッチングを行い、シリコン酸化膜24のうちシリサイド形成領域Rscに位置する部分を除去する。このとき、シリコン酸化膜24をできるだけ完全に除去するために、オーバーエッチングが行なわれるが、シリサイド形成領域Rscがシリコン窒化膜23によって覆われているために、L字状の酸化物サイドウォール7の下端部はほとんど除去されない。つまり、図6(d)に示すような,酸化膜除去部Rdeは形成されない。
【0055】
その後、ドライエッチング(異方性エッチングにより、シリコン窒化膜23をエッチバックして、酸化物サイドウォール7及び窒化物サイドウォール8aからなる積層サイドウォール20Cの側面を覆う窒化物サイドウォール23aを形成する。このとき、シリコン窒化膜23の厚みは5nmと薄いため、シリコン窒化膜からなるゲート上保護膜5をほとんど除去することなく、シリコン窒化膜23のエッチバックを行なうことが可能である。
【0056】
次に、図3(d)に示す工程で、アッシング,RCA洗浄などを行なって、フォトレジスト膜30を除去した後、その処理の際にシリコン層(高濃度ソース・ドレイン領域9など)の表面に形成されるシリコン酸化膜を除去するために、例えば100:1のフッ酸溶液でウェットエッチングを行なう。その際にも、L字状の酸化物サイドウォール7の下端部の側面は、窒化物サイドウォール23aによって覆われているために、ほとんどエッチングされない。その後、基板上に、厚みが約8nmのCo膜を堆積し、例えば550℃,60秒間の熱処理を加えて、シリコン層とCo膜とが互いに接している部分でCoとSiとを反応させる。その結果、高濃度ソース・ドレイン領域9の上に、CoSi からなるコバルトシリサイド層11が形成される。その後、選択ウェットエッチングにより、Co膜のうちSiと反応していない部分を除去する。
【0057】
本実施形態の半導体装置又はその製造方法によると、図3(c)に示す工程で、L字状の酸化物サイドウォール7の下端部がシリコン窒化膜23又は窒化物サイドウォール23aによって覆われていることから、酸化物サイドウォール7の下端部がフッ酸溶液にほとんどエッチングされずに残るので、図6(d)に示すような酸化膜除去部Rdeが形成されることはなく、積層サイドウォール20Cの下方には、ほとんどコバルトシリサイド層11が形成されない。つまり、コバルトシリサイド層11は積層サイドウォール20Cの下端部よりもほぼ外方にのみ形成され、コバルトシリサイド層11が横方向に成長して接合深さの浅いn型エクステンション領域(又はLDD領域)6に達することはない。したがって、コバルトシリサイド層11の底部は高濃度ソース・ドレイン領域9によって囲まれ、コバルトシリサイド層11とSi基板1の基板領域(ここではp型ウェル領域)との間におけるリーク電流の発生が抑制されることになる。
【0058】
また、窒化物サイドウォール8は、ゲート電極15に接触していないので、窒化物サイドウォール8からのストレスに起因するホットキャリア耐性の劣化,ゲート絶縁膜2の信頼性の低下をも抑制することができる。なお、窒化物サイドウォール23aはSi基板1のごく一部には接しているが、チャネル領域とは酸化物サイドウォール7を挟んで離間していることから、MISFETの動作にはほとんど悪影響を与えない。
【0059】
なお、本実施形態においても、後述する第4の実施形態と同様に、窒化物サイドウォール23aを化学量論的組成(Si )よりもシリコンリッチな組成を有するシリコン窒化膜により構成してもよい、その場合には、MISFETの動作への悪影響をより効果的に抑制することができる。
【0060】
(第4の実施形態)
図4(a)〜(d)は、本発明の第4の実施形態の製造工程を示す断面図である。図4(a)〜(d)には、nMISFET領域のみが図示されているが、基板にはpMISFET領域も存在することが前提である。pMISFET領域においては、基板領域やエクステンション領域(又はLDD領域),高濃度ソース・ドレイン領域の導電型がnMISFET領域とはすべて逆になっている。
【0061】
まず、図4(a)に示す工程において、Si基板1上に、厚みが約3.0のシリコン酸窒化膜と、下部ゲート電極となる厚みが約100nmのポリシリコン膜と、上部ゲート電極となるメタル膜と、ゲート上保護膜となるシリコン窒化膜とを順に形成する。その後、フォトリソグラフィーにより、上記シリコン窒化膜の上に、所望ゲート電極パターンを形成するためのレジストマスク(図示せず)を形成した後、このレジストマスクを用いたドライエッチングにより、シリコン窒化膜、メタル膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜をパターニングして、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3及び上部ゲート電極4からなるゲート電極15と、ゲート上保護膜5とを形成する。さらに、pMISFET領域を覆うレジストマスク(図示せず)を形成した後、nMISFET領域において、砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.0×1014atoms ・cm−2の条件でSi基板1内に注入して、n型エクステンション領域(又はLDD領域)6を形成する。
【0062】
次に、LP−CVD法により、基板上に、厚みが約20nmのシリコン酸化膜を形成した後、シリコン酸化膜の異方性エッチングを行なって、ゲート電極15及びゲート上保護膜5の側面上に、酸化物サイドウォール25を形成する。
【0063】
次に、図4(b)に示す工程で、基板上に、化学量論的組成よりもシリコンリッチな組成を有する厚みが約80nmのシリコン窒化膜を堆積した後、シリコン窒化膜をドライエッチング(異方性エッチング)によりエッチバックして、酸化物サイドウォール25を覆うように窒化物サイドウォール26を形成する。本実施形態においては、酸化物サイドウォール25及び窒化物サイドウォール26により、積層サイドウォール20Dが構成されている。ここで、窒化物サイドウォール26は、窒化シリコンの組成をSi1−x で表したときに、2/7<x<4/7の範囲にあるように構成されている。つまり、Si (x=4/7)よりもシリコンの含有率が高い材料により構成されている。
【0064】
その後、図4(c)に示す工程で、ゲート上保護膜5,ゲート電極15及び積層サイドウォール20Dをマスクとして、砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約50keV,ドーズ量が約5.0×1015atoms ・cm−2の条件で、Si基板1内に注入し、さらに1000℃,10秒間の高速加熱処理により、n型の高濃度ソース・ドレイン領域9を形成する。
【0065】
次に、図4(d)に示す工程で、高濃度ソース・ドレイン領域9上にシリサイド層を形成するに先立って、非シリサイド形成領域(図示せず)におけるシリサイド化反応を防止するために、上記第3の実施形態と同様に、以下の処理を行なう。まず、例えばLP−CVD法により、基板上に厚み約50nmの反応防止用シリコン酸化膜を堆積した後、反応防止用シリコン酸化膜の上に、非シリサイド形成領域を覆い、シリサイド形成領域(例えば図4(d)に示す領域)を開口したフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜をエッチングマスクとして、例えば20:1に希釈されたバッファードフッ酸溶液により、30秒程度の間、反応防止用シリコン酸化膜のウェットエッチングを行い、反応防止用シリコン酸化膜のうちシリサイド形成領域に位置する部分を除去する。このとき、反応防止用シリコン酸化膜をできるだけ完全に除去するために、オーバーエッチングが行なわれるが、積層サイドウォール20Dのうち酸化物サイドウォール25の下端部の側面は、フッ酸溶液に対するエッチング耐性が高い窒化物サイドウォール26により覆われているので、ほとんどエッチングされない。つまり、図6(d)に示すような,酸化膜除去部Rdeは形成されない。
【0066】
その後、アッシング,RCA洗浄などを行なって、フォトレジスト膜を除去した後、その処理の際にシリコン層(高濃度ソース・ドレイン領域9など)の表面に形成されるシリコン酸化膜を除去するために、例えば100:1のフッ酸溶液でウェットエッチングを行なう。その際にも、酸化物サイドウォール25の下端部は窒化物サイドウォール26によって覆われているので、ほとんどエッチングされない。その後、基板上に、厚みが約8nmのCo膜を堆積し、例えば550℃,60秒間の熱処理を加えて、シリコン層とCo膜とが互いに接している部分でCoとSiとを反応させる。その結果、高濃度ソース・ドレイン領域9の上に、CoSi からなるコバルトシリサイド層11が形成される。その後、選択ウェットエッチングにより、Co膜のうちSiと反応していない部分を除去する。
【0067】
本実施形態の半導体装置又はその製造方法によると、図4(d)に示す工程で、Si基板1上の酸化物サイドウォール25の下端部がフッ酸溶液にエッチングされずに残るので、図6(d)に示すような酸化膜除去部Rdeが形成されることはなく、積層サイドウォール20Dの下方には、ほとんどコバルトシリサイド層11が形成されない。つまり、コバルトシリサイド層11は積層サイドウォール20Dの下端部のほぼ外方にのみ形成され、コバルトシリサイド層11が横方向に成長して接合深さの浅いn型エクステンション領域(又はLDD領域)6に達することはない。したがって、コバルトシリサイド層11の底部は高濃度ソース・ドレイン領域9によって囲まれ、コバルトシリサイド層11とSi基板1の基板領域(ここではp型ウェル領域)との間におけるリーク電流の発生が抑制されることになる。
【0068】
また、窒化物サイドウォール26は、ゲート電極15に接触していないので、窒化物サイドウォール26からのストレスに起因するホットキャリア耐性の劣化,ゲート絶縁膜2の信頼性の低下をも抑制することができる。なお、窒化物サイドウォール26はSi基板1のごく一部には接しているが、チャネル領域とは酸化物サイドウォール25を挟んで離間していることから、MISFETの動作にはほとんど悪影響を与えない。特に、本実施形態においては、窒化物サイドウォール26の組成が化学量論的組成(Si )よりもシリコンリッチな組成であることにより、MISFETの動作への悪影響をより効果的に抑制することができる。ただし、本実施形態において、必ずしも窒化物サイドウォール26をシリコンリッチな組成を有するシリコン窒化膜により構成する必要はない。
【0069】
(第5の実施形態)
図5(a)〜(d)は、本発明の第5の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。図5(a)〜(d)には、nMISFET領域のみが図示されているが、基板にはpMISFET領域も存在することが前提である。pMISFET領域においては、基板領域やエクステンション領域(又はLDD領域),高濃度ソース・ドレイン領域の導電型がnMISFET領域とはすべて逆になっている。
【0070】
まず、図5(a)に示す工程において、Si基板1上に、厚みが約3.0のシリコン酸窒化膜と、下部ゲート電極となる厚みが約100nmのポリシリコン膜と、上部ゲート電極となるメタル膜と、ゲート上保護膜となるシリコン窒化膜とを順に形成する、その後、フォトリソグラフィーにより、上記シリコン窒化膜の上に、所望ゲート電極パターンを形成するためのレジストマスク(図示せず)を形成した後、このレジストマスクを用いたドライエッチングにより、シリコン窒化膜、メタル膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜をパターニングして、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3及び上部ゲート電極4からなるゲート電極15と、ゲート上保護膜5とを形成する。さらに、pMISFET領域を覆うレジストマスク(図示せず)を形成した後、nMISFET領域において、砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約10keV,ドーズ量が約5.0×1014atoms ・cm−2の条件でSi基板1内に注入して、n型エクステンション領域(又はLDD領域)6を形成する。
【0071】
次に、図5(b)に示す工程で、約400℃のLP−CVD法により、基板上に、厚みが約20nmのノンドープのLTO膜(Low Temperature Oxide )27を形成した後、LTO膜27を焼き締めるための熱処理を兼ねて、n型エクステンション領域(又はLDD領域)6の不純物活性化のための熱処理として、N 雰囲気下,約850℃,10secの条件でRTAを行なう。これにより、比較的多くの内部空隙を有するLTO膜27の密度が大幅に高くなり、その厚みは減少する。
【0072】
ただし、焼き締めのための温度は、800℃〜1000℃の範囲で任意に選択することができる。
【0073】
さらに、図5(c)に示す工程で、LP−CVD法により、LTO膜27の上に、図1(b)に示すような厚みが約80nmのシリコン窒化膜8(図示せず)を形成した後、LTO膜27とシリコン窒化膜8との異方性エッチングを行なって、ゲート電極15及びゲート上保護膜5の側面上に、断面がL字状のLTOサイドウォール27aと、窒化物サイドウォール8aとの積層膜からなる積層サイドウォール20Eを形成する。その後、ゲート上保護膜5,ゲート電極15及び積層サイドウォール20Eをマスクとして、砒素イオン(As )を、加速エネルギーが約50keV,ドーズ量が約5.0×1015atoms ・cm−2の条件で、Si基板1内に注入し、さらに1000℃,10秒間の高速加熱処理により、n型の高濃度ソース・ドレイン領域9を形成する。
【0074】
次に、図5(d)に示す工程で、高濃度ソース・ドレイン領域9上にシリサイド層を形成するに先立って、非シリサイド形成領域(図示せず)におけるシリサイド化反応を防止するために、以下の処理を行なう。まず、例えばLP−CVD法により、基板上に厚み約50nmの反応防止用シリコン酸化膜を堆積した後、シリコン酸化膜の上に、非シリサイド形成領域を覆い、シリサイド形成領域(例えば図5(d)に示す領域)を開口したフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜をエッチングマスクとして、例えば20:1に希釈されたバッファードフッ酸溶液により、30秒程度の間、反応防止用シリコン酸化膜のウェットエッチングを行い、反応防止用シリコン酸化膜のうちシリサイド形成領域に位置する部分を除去する。このとき、反応防止用シリコン酸化膜をできるだけ完全に除去するために、オーバーエッチングが行なわれるが、窒化物サイドウォール8aは、フッ酸溶液に対するエッチング耐性が高いため除去されてない。また、焼き締めによって密度が高くなったL字状のLTOサイドウォール27aは、反応防止用シリコン酸化膜よりもフッ酸溶液に対するエッチング耐性が高いため、オーバーエッチング条件を適宜調整すれば、ほとんど除去されない。つまり、図6(d)に示すような,酸化膜除去部Rdeは形成されない。
【0075】
その後、アッシング,RCA洗浄などを行なって、フォトレジスト膜を除去した後、その処理の際にシリコン層(高濃度ソース・ドレイン領域9など)の表面に形成されるシリコン酸化膜を除去するために、例えば100:1のフッ酸溶液でウェットエッチングを行なう。その際にも、窒化物サイドウォール8aとL字状のLTOサイドウォール27aとはほとんどエッチングされない。その後、基板上に、厚みが約8nmのCo膜を堆積し、例えば550℃,60秒間の熱処理を加えて、シリコン層とCo膜とが互いに接している部分でCoとSiとを反応させる。その結果、高濃度ソース・ドレイン領域9の上に、CoSi からなるコバルトシリサイド層11が形成される。その後、選択ウェットエッチングにより、Co膜のうちSiと反応していない部分を除去する。
【0076】
本実施形態の半導体装置又はその製造方法によると、図5(d)に示す工程で、Si基板1上のL字状のLTOサイドウォール27aがフッ酸溶液にエッチングされずに残るので、図6(d)に示すような酸化膜除去部Rdeが形成されることはなく、積層サイドウォール20Eの下方にはほとんどコバルトシリサイド層11が形成されない。つまり、コバルトシリサイド層11は積層サイドウォール20Eの下端部よりもほぼ外方にのみ形成され、コバルトシリサイド層11が横方向に成長して接合深さの浅いn型エクステンション領域(又はLDD領域)6に達することはない。したがって、コバルトシリサイド層11の底部は高濃度ソース・ドレイン領域9によって囲まれ、コバルトシリサイド層11とSi基板1の基板領域(ここではp型ウェル領域)との間におけるリーク電流の発生が抑制されることになる。
【0077】
また、窒化物サイドウォール8は、ゲート電極15及びSi基板1に接触していないので、Si基板1の界面準位の発生や、窒化物サイドウォール8からのストレスに起因するホットキャリア耐性の劣化,ゲート絶縁膜2の信頼性の低下をも抑制することができる。
【0078】
また、シリコン窒化膜8の堆積前にLTO膜27の焼き締めを行なっておくことで、LTO膜27内におけるn型エクステンション領域(又はLDD領域)内の不純物の拡散を抑制することができる。
【0079】
なお、本実施形態の製造方法では、図5(b)に示す工程において、LP−CVD法により、LTO膜27を形成したが、LTO膜の代わりに、堆積温度が800℃程度であるHTO膜(High Temperature Oxide)を用いてもよい。
【0080】
また、本実施形態においては、第1の実施形態におけるL字状サイドウォール17aを形成するためのシリコン酸窒化膜17に代えて、焼き締められたLTO膜(又はHTO膜)を用いたが、第3の実施形態におけるL字状サイドウォール17aを形成するためのシリコン酸窒化膜17に代えて、焼き締められたLTO膜(又はHTO膜)を用いてもよい。
【0081】
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、ソース・ドレイン領域のみにシリサイド層を設けたが、上部ゲート電極を金属膜ではなくシリサイド膜により構成してもよい。その場合、ゲート上保護膜は設けずに、下部ゲート電極を構成するポリシリコン膜の上部をソース・ドレイン領域のシリサイド化工程と同時にシリサイド化してもよいし、ソース・ドレイン領域のシリサイド化工程とは別の時点でポリシリコン膜の上部をシリサイド化する工程を行なってから、このポリサイド膜をパターニングして上部ゲート電極と下部ゲート電極とからなるゲート電極を形成してもよい。
【0082】
また、上記各実施形態においては、配線層を形成するための工程については説明及び図示を省略したが、層間絶縁膜を形成した後に、コンタクトをゲート電極に対してセルフアラインに形成するいわゆるSAC構造を採ることができる。いずれの実施形態においても、シリコン窒化膜からなるゲート上保護膜と、窒化物サイドウォールとが設けられているからである。
【0083】
なお、上記各実施形態においては、いずれもエクステンション領域(又はLDD領域)と高濃度ソース・ドレイン領域とを有するいわゆるLDD構造のMISFETについて説明したが、本発明は斯かる実施形態に限定されるものではなく、単一のソース・ドレイン領域を有する半導体装置についても適用しうる。その場合にも、本発明により、シリサイド層がサイドウォールの端部よりもゲート電極の内方に延びることはないので、シリサイド層がチャネル領域に接することなくソース・ドレイン領域によって囲まれるからである。
【0084】
【発明の効果】
以上のように、本発明の半導体装置及びその製造方法により、ホットキャリヤ耐性と回路性能を維持できるサイドウォールの構造を採りながら、サイドウォール形成後の絶縁膜除去のウェットエッチング工程を経てもサイドウォール下端部のサイドエッチを防止でき、リーク電流の少ない半導体装置の提供を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の第4の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の第5の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】(a)〜(e)は、従来のポリメタルゲート構造を有する半導体装置の製造工程を有する断面図を示す図である。
【符号の説明】
1 Si基板
2 ゲート絶縁膜
3 下部ゲート電極
4 上部ゲート電極
5 ゲート上保護膜
6 n型エクステンション領域
7 酸化物サイドウォール
8 シリコン窒化膜
8a 窒化物サイドウォール
9 高濃度ソース・ドレイン領域
11 コバルトシリサイド層
12 素子分離
15 ゲート電極
17 シリコン酸窒化膜
17a 酸窒化物サイドウォール
20 サイドウォール
23 シリコン窒化膜
23a 窒化物サイドウォール
24 シリコン酸化膜
25 酸化物サイドウォール
26 窒化物サイドウォール
27 LTO膜
27a LTOサイドウォール

Claims (11)

  1. 半導体層を有する基板と、
    上記半導体層の上に設けられたゲート絶縁膜と、
    上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
    上記ゲート電極の側面上に設けられたシリコン窒化膜からなる窒化膜サイドウォールと、
    上記ゲート電極と窒化膜サイドウォールとの間から上記半導体層と窒化膜サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状のストレス緩和用サイドウォールと、
    上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に設けられたソース・ドレイン領域と、
    上記ソース・ドレイン領域の上部に設けられたシリサイド層とを備え、
    上記ストレス緩和用サイドウォールは、L字状の酸化膜サイドウォールの下端部に酸窒化部が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    上記ゲート電極は、ポリシリコン膜からなる下部ゲート電極と、金属膜又はシリサイド膜からなる上部ゲート電極で構成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 半導体層を有する基板と、
    上記半導体層の上に設けられたゲート絶縁膜と、
    上記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
    上記ゲート電極の側面上に上記半導体層と下端部が接するように設けられたシリコン窒化膜からなる窒化膜サイドウォールと、
    上記ゲート電極と窒化膜サイドウォールとの間に介在するストレス緩和機能を有する絶縁体サイドウォールと、
    上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に設けられたソース・ドレイン領域と、
    上記ソース・ドレイン領域の上部に設けられたシリサイド層とを備え、
    記窒化膜サイドウォールは、化学量論的組成よりもシリコンリッチな組成を有するシリコン窒化膜により構成されていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項3記載の半導体装置において、
    上記ストレス緩和機能を有する絶縁体サイドウォールは、上記ゲート電極の側面と上記窒化膜サイドウォールとの間に設けられたシリコン窒化膜からなるもう1つの窒化膜サイドウォールと、上記ゲート電極と上記もう1つの窒化膜サイドウォールとの間から上記半導体層と上記もう1つの窒化膜サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状の酸化物サイドウォールとにより構成されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程(a)と、
    上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に、エクステンション領域又はLDD領域を形成する工程(b)と、
    上記工程(b)の後に、基板上に、酸化膜のウエットエッチに対する耐性を有する絶縁膜及びシリコン窒化膜を堆積した後、上記絶縁膜及びシリコン窒化膜を異方性エッチングによりエッチバックして、上記ゲート電極の側面上に、窒化物サイドウォールと、上記ゲート電極と窒化物サイドウォールとの間から上記半導体層と窒化物サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状のストレス緩和用絶縁膜とを形成する工程(c)と、
    上記工程(c)の後に、上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に不純物をイオン注入し、熱処理を行なうことによりソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、
    上記ソース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする工程(e)を含み、
    上記工程(c)では、CVDによりシリコン酸化膜を堆積した後、上記シリコン窒化膜を堆積する前に、上記シリコン酸化膜の焼き締めのための熱処理を行なうことにより、上記酸化膜のウエットエッチに対する耐性を有する絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5記載の半導体装置の製造方法において、
    上記焼き締めのための熱処理の温度は、800℃〜1000℃の範囲であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程(a)と、
    基板上にシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を堆積した後、上記シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を異方性エッチングによりエッチバックして、上記ゲート電極の側面上に、窒化膜サイドウォールと、上記ゲート電極と上記窒化膜サイドウォールとの間から上記半導体層と上記窒化膜サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状の酸化膜サイドウォールとを形成する工程(b)と、
    上記酸化膜サイドウォールの下端部のうち露出している表面部の窒化処理を行なって、上記酸化膜サイドウォールの下端部に酸窒化部を形成する工程(c)と、
    上記工程(b)の後に、上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に、ソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、
    上記ソース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする工程(e)とを含む半導体装置の製造方法。
  8. 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(c)の窒化処理は、窒素を含むガス雰囲気で熱処理することによって行なうことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程(a)と、
    上記ゲート電極の側面上に、ストレス緩和機能を有する絶縁体サイドウォールを形成する工程(b)と、
    基板上にシリコン窒化膜を堆積する工程(c)と、
    上記シリコン窒化膜の上に、反応防止用酸化膜を形成する工程(d)と、
    上記反応防止用酸化膜のうち非シリサイド形成領域に位置する部分を残して、シリサイド形成領域に位置する部分を選択的に除去する工程(e)と、
    上記シリコン窒化膜のうちシリサイド形成領域に位置する部分の異方性エッチングを行なって、上記絶縁体サイドウォールの上に上記半導体層に接する窒化物サイドウォールを形成する工程(f)と、
    上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に、ソース・ドレイン領域を形成する工程(g)と、
    上記ソース・ドレイン領域の上部をシリサイド層にする工程(h)とを含み、
    上記工程(c)では、上記シリコン窒化膜として、化学量論的組成よりもシリコンリッチな組成を有するシリコン窒化膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(b)では、基板上にシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を堆積した後、上記シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を異方性エッチングによりエッチバックして、上記ゲート電極の側面上に、窒化物サイドウォールと、上記ゲート電極と窒化物サイドウォールとの間から上記半導体層と窒化物サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状のストレス緩和用酸化膜とを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 基板の半導体層の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程(a)と、
    上記工程(a)の後に、基板上にシリコン酸化膜及び第1のシリコン窒化膜を順次堆積した後、上記シリコン酸化膜及び第1のシリコン窒化膜を異方性エッチングによりエッチバックして、上記ゲート電極の側面上に、第1の窒化膜サイドウォールと、上記ゲート電極と上記第1の窒化膜サイドウォールとの間から上記半導体層と上記第1の窒化膜サイドウォールとの間に亘って介在する断面がL字状の酸化膜サイドウォールとからなる積層サイドウォールを形成する工程(b)と、
    上記工程(b)の後に、上記半導体層のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に、ソース・ドレイン領域を形成する工程(c)と、
    上記工程(c)の後に、基板上に第2のシリコン窒化膜を堆積する工程(d)と、
    上記第2のシリコン窒化膜の上に、反応防止用酸化膜を形成する工程(e)と、
    上記反応防止用酸化膜のうち非シリサイド形成領域に位置する部分を残して、シリサイド形成領域に位置する部分を選択的に除去する工程(f)と、
    記工程(f)の後に、上記第2のシリコン窒化膜のうちシリサイド形成領域に位置する部分の異方性エッチングを行なって、シリサイド形成領域の上記積層サイドウォールの上に上記半導体層に接する第2の窒化膜サイドウォールを形成する工程(g)と、
    上記工程(g)の後に、シリサイド形成領域に位置する上記ソース・ドレイン領域の上部にシリサイド層をする工程(h)とを含み、
    上記工程(d)では、上記酸化膜サイドウォールの下端部で上記第1の窒化膜サイドウォールと上記半導体層とに挟まれた部分に酸化膜除去部が形成されていない状態で、上記第2のシリコン窒化膜を堆積し、
    上記工程(h)では、非シリサイド形成領域上は上記第2のシリコン窒化膜で覆われており、シリサイド形成領域に位置する上記酸化膜サイドウォールの下端部の側面は上記第2の窒化膜サイドウォールによって覆われていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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