JP3543992B2

JP3543992B2 - プレート式熱交換器

Info

Publication number: JP3543992B2
Application number: JP5696094A
Authority: JP
Inventors: 淳一中村
Original assignee: Hisaka Works Ltd
Current assignee: Hisaka Works Ltd
Priority date: 1994-03-28
Filing date: 1994-03-28
Publication date: 2004-07-21
Anticipated expiration: 2019-07-21
Also published as: JPH07260386A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、複数のプレートを積層してなるプレート式熱交換器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、プレート式熱交換器は、複数のプレートを積層してプレート相互間に複数の流路を形成し、これらの流路に異種の流体を交互に流通して両流体間でプレートを介して熱交換する構成となっている。
【０００３】
図６はプレート式熱交換器に使用するヘリンボーンタイプのプレート（１）を示す。このプレート（１）は、矩形の金属板の四隅部に流体の出入口となる開口（２）を形成し、中間部にプレート縦方向中心線から両側方に向って斜降せるヘリンボーン状のビード（３）を並列に装設して波形状の伝熱面（４）を形成したもので、一側上下の開口（２）を伝熱面（４）と連通し、かつ、他側上下の開口（２）を伝熱面（４）と連通しないように合成ゴム等の耐熱性を有する弾性材から製作されたガスケット（５）を装着し、これを交互に平面上で１８０°回転させて、即ち、上下反転させて順次積層することによってプレート式熱交換器を形成している。
【０００４】
上記プレート（１）は、上述したように、伝熱面（４）をヘリンボーン状のビード（３）を並列に装設して波形状に形成することにより、熱交換時の伝熱性能の向上を図るとともに、交互に上下反転させて順次積層したときに隣接するプレート（１）の伝熱面（４）に形成したビード（３）同士を交差した状態でお互いに当接させて耐圧強度の向上を図るようにしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プレート式熱交換器に使用するプレート（１）の伝熱面（４）は、ヘリンボーン状のビード（３）を並列に装設して波形状に形成されているため、伝熱面（４）への圧力（Ｐ）は、図７に示すように、ビード（３）の直交方向に影響を及ぼす。そのため、大きな圧力で使用すると、ビード（３）の直交方向に微小な伸び変形が生じ、プレート（１）全体では数多くのビード（３）が装設されているため、１つのビード（３）の微小な伸び変形は累積されて大きな伸び変形となる。従って、プレート（１）の伝熱面（４）にはビード（３）と直交する方向で大きな伸び変形が生じる。そのため、プレート（１）を交互に上下反転させて順次積層した場合、伸び変形部分が異なってプレート相互間の当り点（支持点）を確保できなかったり、ガスケットシール面のズレ等による耐圧性能の低下を避けられない。これに対処するため、プレート式熱交換器をプレート（１）のビード（３）に伸び変形が生じない範囲内の小さな圧力で使用しなければならない問題がある。
【０００６】
本発明は、上記問題点に鑑みて提案されたもので、耐圧性能の低下を避けて大きな圧力で使用できるプレート式熱交換器を提供することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプレート式熱交換器は上記目的を達するため、四隅部に流体の出入口となる開口が形成され、中間部にへリンボーン状のビードを並列に装設して波形状に形成した伝熱面が形成され、一側上下の開口を伝熱面と連通し、かつ他側上下の開口を伝熱面と連通しないようにガスケットを装着したプレートを交互に上下反転させて積層し、隣接するプレートの伝熱面に装設したビード同士を交差した状態で互いに当接させてなり、プレート相互間に異種の流体を交互に流通させる流路を備え、両流体間でプレートを介して熱交換をするプレート式熱交換器において、上記プレートの伝熱面に、上記ヘリンボーン状のビードと概ね直交する方向に、複数のビードを連続して横断する補強溝を装設し、上記補強溝の深さをビードの高さの約２分の１にしたことを特徴とするものである。
【０００８】
【作用】
プレートの伝熱面にビードと概ね直交する方向に複数のビードを連続して横断する補強溝を装設し、上記補強溝の深さをビードの高さの約２分の１にしたので、ビードの直交方向への伸び変化が補強溝により防止されてプレート全体としてビードと直交する方向への伸び変化量を少なく抑えることができる。
【０００９】
【実施例】
以下、本発明に係るプレート式熱交換器の実施例を図１〜図５に基づいて説明する。尚、図６に示したものと同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【００１０】
図１および図２は本発明に係るプレート式熱交換器の一実施例を示すもので、図１は本発明のプレート式熱交換器に使用するプレート（６）の平面図を示すものであり、図２はそのプレート（６）の図１におけるＡ−Ａ線の拡大断面図を示すものである。
【００１１】
本発明のプレート式熱交換器は、図１に示すように、プレート（６）の伝熱面（４）に、ビード（３）と直交する方向に連続してビード（３）を横断する補強溝（７）を、伝熱面（４）の横方向の全長に亘り一連に装設したもので、この補強溝（７）は圧力によるビード（３）の直交方向への変形が殆ど生じない。
【００１２】
本発明のプレート式熱交換器においては、プレート（６）の伝熱面（４）にビード（３）と直交する方向に連続してビード（３）を横断する補強溝（７）を装設したので、ビード（３）の直交方向に圧力により伸び変形が生じようとした場合、補強溝（７）は圧力によりビード（３）の直交方向に殆ど伸び変形しないため、ビード（３）の直交方向への伸び変形が補強溝（７）により防止されてビード（３）の直交方向には容易に伸び変形が生じることがない。そのため、大きな圧力で使用しても、プレート（６）全体としてビード（３）と直交する方向への伸び変形量が微小であり、プレート相互間の当り点を確保できるとともに、ガスケットシール面のズレも防止できて耐圧性能の低下を避けることができる。従って、プレート式熱交換器を大きな圧力で使用することが可能である。
【００１３】
尚、上記実施例では、伝熱面（４）の横方向に連続して補強溝（７）を装設しているが、これに限られることなく、補強溝（７）を部分的に装設してよい。また、図１に示すように、補強溝（７）を２列に設定しているが、これに限られることなく、２列以外の複数列に設定したり、単数列に設定することもできる。更に、図２に示すように、補強溝（７）の深さをビード（３）の高さと同一に設定しているが、これに限られることなく、ビード（３）の高さの範囲で任意に設定することができる。例えば、図３は、補強溝（７）の深さをビード（３）の高さの約２分の１に設定した場合である。
【００１４】
図４は本発明の他の実施例のプレート式熱交換器に使用するプレート（８）の平面図を示すもので、これはプレート（８）の伝熱面（４）に、ビード（３）と直交する方向に部分的に連続してビード（３）を横断する複数の補強溝（９）を、伝熱面（４）の横方向に配列して装設したものであり、ビード（３）の直交方向への伸び変形を補強溝（９）により防止してプレート（８）全体としてビード（３）と直交する方向への伸び変形量を少なく抑えるようにしている。
【００１５】
尚、本実施例では、伝熱面（４）の横方向に配列して装設された複数の補強溝（９）を２段に設定しているが、これに限られることなく、２段以外の複数段に設定したり、単数段に設定することもできる。また、補強溝（９）の深さは、ビード（３）の高さの範囲で任意に設定することができる。
【００１６】
図５は更に他の実施例のプレート式熱交換器に使用するプレート（10）の平面図を示すもので、これはプレート（10）の伝熱面（４）に、水平方向に連続してビード（３）を横断する補強溝（11）を、伝熱面（４）の横方向の全長に亘り一連に装設したものであり、ビード（３）の直交方向への伸び変形を補強溝（11）により防止させてプレート（10）全体としてビード（３）と直交する方向への伸び変形量を少なく抑えるようにしている。本実施例においては、補強溝（11）のビード（３）との直交性が、図１〜図４に示す実施例に比べて悪いため、補強溝（11）のビード（３）の直交方向への伸び変化の防止効果は若干劣るが、金型の加工が容易で製作コストを安く抑えることができる。
【００１７】
尚、本実施例では、伝熱面（４）の横方向に連続して補強溝（11）を装設しているが、これに限られることなく、補強溝（11）を部分的に装設してよい。また、補強溝（11）を２列に設定しているが、これに限られることなく、２列以外の複数列に設定したり、単数列に設定することもできる。更に、補強溝（11）の深さは、ビード（３）の高さの範囲で任意に設定することができる。
【００１８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、へリンボーン状のビードを並列に装設して波形状に形成した伝熱面を有するプレートの上記伝熱面に、上記ヘリンボーン状のビードと概ね直交する方向に、複数のビードを連続して横断する補強溝を装設し、上記補強溝の深さをビードの高さの約２分の１としたから、ビードの直交方向への伸び変化が補強溝により防止される。そのため、大きな圧力で使用しても、プレート全体としてビードと直交する方向への伸び変化量は微小であり、これによってプレート相互間の当り点を確保できるとともに、ガスケットシール面のズレも防止できて耐圧性能の低下を避けることができ、熱交換を何等支障なく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のプレート式熱交換器に使用するプレートの平面図を示す。
【図２】図１のＡ−Ａ線における拡大断面図を示す。
【図３】図２における補強溝の深さの変形例を示す。
【図４】本発明の他の実施例のプレート式熱交換器に使用するプレートの平面図を示す。
【図５】本発明のさらに他の実施例のプレート式熱交換器に使用するプレートの平面図を示す。
【図６】従来のプレート式熱交換器に使用するプレートの平面図を示す。
【図７】図６のＢ−Ｂ線における拡大断面図を示す。
【符号の説明】
２開口
３ビート
４伝熱面
５ガスケット
６プレート
７補強溝
８プレート
９補強溝
10 プレート
11 補強溝

Claims

四隅部に流体の出入口となる開口が形成され、中間部にへリンボーン状のビードを並列に装設して波形状に形成した伝熱面が形成され、一側上下の開口を伝熱面と連通し、かつ他側上下の開口を伝熱面と連通しないようにガスケットを装着したプレートを交互に上下反転させて積層し、隣接するプレートの伝熱面に装設したビード同士を交差した状態で互いに当接させてなり、プレート相互間に異種の流体を交互に流通させる流路を備え、両流体間でプレートを介して熱交換をするプレート式熱交換器において、
上記プレートの伝熱面に、上記ヘリンボーン状のビードと概ね直交する方向に、複数のビードを連続して横断する補強溝を装設し、上記補強溝の深さをビードの高さの約２分の１にしたことを特徴とするプレート式熱交換器。
上記補強溝を、上記伝熱面の横方向の全長に亘り連続して単数列または複数列に装設したことを特徴とする請求項１のプレート式熱交換器。
上記補強溝を、上記伝熱面の横方向に部分的に連続して単数列または複数列に装設したことを特徴とする請求項１のプレート式熱交換器。