JP3543374B2 - 刺繍ミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、予め定められた縫目模様を形成するための処理手順を示す縫製データに従って制御され、加工布に縫目模様を形成する刺繍ミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の刺繍ミシンは、予め設定された縫製データに従って動作し、刺繍糸を担持する縫針を上下動させると共に、加工布をこの縫針に対して相対的に移動させる動作を連続的に行うことにより、加工布に縫目模様を形成するようにされている。
【0003】
なお、縫製データとは、縫製ミシンの1動作に対応した制御を行なうための制御データが処理順に並べられたものであり、具体的な制御データとしては、例えば、刺繍糸を担持する縫針を上下動させると共に、この縫針と加工布とを相対的に移動させて加工布に1つの縫目を形成するための「ステッチ」、縫針に担持された糸を切断する「糸切り」、縫針を別の色を担持したものに変更する「色替え」、縫目を形成することなく、縫針と加工布との相対位置のみを移動させる「フィード」等がある。
【0004】
即ち、これらの制御データに応じて、刺繍ミシンの各部が順次駆動制御されることにより、加工布に縫目模様が形成されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような刺繍ミシンにおいては、通常、制御データは1つずつ実行されるため、互いに他の制御に依存しない独立した制御を連続して行なう場合であっても、前の制御が終了するまで次の制御は開始されず、各制御の待時間が長くなり、延いては縫製時間が長くなるという問題があった。
【0006】
また、縫製データに、「ステッチ」以外の制御データ、即ち、「色替え」「糸切り」「フィード」等の制御データが頻繁に現れる場合、これらの制御データは、直接縫目を形成するものではないため、この縫製データを実行した場合には、加工布に形成される縫目の総数の割に、縫製時間が長くかかってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するために、縫製時間を短縮できる縫製ミシンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、図1に例示するように、上糸を担持する縫針を上下動させ、加工布に縫目を形成する縫目形成手段と、上記加工布が上記縫針の上下動通路を横切るように、上記加工布を保持する加工布ホルダと上記縫針とを相対的に移動させる移動手段と、少なくとも上記縫目形成手段および上記移動手段を順次制御して上記加工布に縫目模様を形成するための処理手順を示す縫製データが記憶された記憶手段と、該記憶手段に記憶された各処理を順次読み出し、該読み出された処理に従って上記縫目形成手段および上記移動手段を各々駆動制御して、上記加工布に縫目模様を形成する制御手段と、を備えた刺繍ミシンにおいて、上記制御手段に、上記記憶手段から処理を読み出した際に、該処理の次に実行すべき次処理を読み出して、該処理と次処理との同時実行が可能であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段により少なくとも上記2つの処理が同時実行可能であると判定されると、上記各処理を同時実行する同時実行手段と、を設けたことを特徴とする。なお、前記判定手段としては、請求項2に記載の発明のように、上記縫製データの各処理を実行する際に、その都度同時実行性を判断するか、請求項6に記載の発明のように、上記縫製データの内容に応じて、同時実行性の判定基準を変更可能に構成してもよい。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の刺繍ミシンであって、上記判定手段は、上記制御手段が上記記憶手段に記憶された上記縫製データに従って駆動制御を開始する前に、予め、上記縫製データの全ての処理について、連続する少なくとも2つの処理が同時実行可能であるか否かを判定して、該判定結果を表す識別データを上記各処理毎に上記記憶手段に格納し、上記同時実行手段は、上記制御手段が上記記憶手段から上記縫製データの各処理を順次読み出して該処理を実行する際に、該処理に対応した上記識別データを読み出し、該識別データが次処理との同時実行が可能であることを表していれば、上記記憶手段から次に実行すべき処理を読み出して同時実行することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の刺繍ミシンにおいて、更に、上記判定手段が上記記憶手段に記憶された縫製データの連続する2つの処理が同時実行可能であるか否かを判定するための判定基準を入力する判定基準入力手段を設け、
上記判定手段は、該判定基準入力手段により入力された判定基準に基づき判定を行うことを特徴とする。なお、前記判定基準入力手段は、上記判定基準を任意に指定する指定手段を有する構成とすることができる。そして、前記各発明において、前記同時実行可能な縫製データの処理は、例えば、色替えおよびフィードとすることができる。
【0011】
【作用および発明の効果】
上記のように構成された請求項1に記載の発明においては、制御手段が、記憶手段に記憶された縫製データに基づき、少なくとも縫目形成手段および移動手段を順次駆動制御して、加工布に縫目模様を形成する。
【0012】
そして、制御手段では、記憶手段から実行すべき処理を読み出した時に、判定手段が、該処理の次に実行すべき次処理も読み出して、これら少なくとも2つの処理の同時実行が可能であるか否かを判定する。その結果、同時実行が可能である場合は、同時実行手段が、これらの処理を同時実行する。
【0013】
従って、本発明によれば、縫製データを単純に1処理づつ実行する場合に比べ、処理時間を短縮することができる。
なお、同時実行が可能な処理の組み合せは、その処理により駆動制御される各手段の構成により異なるので、適用する機器に応じて決めればよい。
【0014】
また、縫製データは、始めから記憶手段に格納されていてもよいし、外部から読み込んで記憶手段に格納するようにしてもよい。
次に、請求項に記載の発明においては、制御手段が縫製データに基づく駆動制御を開始する前に、判定手段が、予め、縫製データの全ての処理について、連続する少なくとも2つの処理が同時実行可能であるか否かを判定し、その判定結果を表す識別データを各処理毎に記憶手段に格納する。
【0015】
そして、制御手段が縫製データに基づく駆動処理を開始し、記憶手段から縫製データの各処理を順次読み出して該処理を実行する際に、同時制御手段が、読み出した処理に対応する識別データを読み出し、この識別データが次処理との同時実行が可能であることを表していれば、記憶手段から次に実行すべき処理を読み出して同時実行する。
【0016】
従って、本発明によれば、縫目模様を形成するための駆動制御を開始する前に同時実行可能性の判定が行われるため、駆動制御中は、次の処理を読み出すことなく判定結果である識別データを参照するだけで同時実行できるか否かを知ることができ、この駆動制御中における同時実行可能性の判定に要する時間を短縮することができ、延いては、縫目模様を形成するために要する処理時間をより短縮することができる。特に、同じ縫製データを用いて連続して縫製する場合、同時実行性の判定を最初に一度だけ行えばよいため、非常に効果的である
また、次に請求項に記載の発明においては、外部操作により、判定基準入力手段から、判定手段が上記記憶手段に記憶された縫製データの連続する少なくとも2つの処理が同時実行が可能であるか否かを判定するための判定基準が入力され、判定手段は、この入力された判定基準に基づき判定を行う。
【0017】
従って、本発明によれば、縫製データの内容に応じた、最適な同時実行の判定基準を設定することができ、縫目模様を形成するために要する処理時間を更に短縮することができる。
【0018】
即ち、例えば、ある処理の組み合せで同時実行すると、他の処理の組み合せで同時実行できない場合に、縫製データの内容に応じて、使用者がより処理時間を短縮できる方の処理の組み合せを選択して指定し、それに応じて処理を同時実行させることにより、より処理時間の短縮を図ることができるのである。
【0019】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図2は、本実施例の刺繍ミシンの全体構成を表す斜視図である。
【0020】
図2に示すように、刺繍ミシン2は、ミシンテーブル4の後部に立設され、ミシンテーブル4の前方に向けて延設されたミシンアーム6と、同じくミシンテーブル4上の後部に立設された操作パネル8と、ミシンアームの前端面6aにミシンテーブル4の上面に対して平行移動可能に支持され、6本の縫針34を支持する支持ケース10と、ミシンアーム6上部に突設され、支持ケース10を移動駆動する色替モータ12と、ミシンアーム6後部に突設され、ミシンアーム6の内部の駆動機構を介して支持ケース10に支持された縫針34を上下動させる主軸モータ14と、ミシンテーブル4の前方において支持ケース10の下部に配設されたミシンベッド部16と、加工布Wを縫針34とミシンベッド部16との間に保持する刺繍枠18と、刺繍枠18を移動駆動することにより縫針34を刺繍枠18の範囲内で相対的に移動させる移動機構20と、操作パネル8に内蔵され、操作パネル8に加えられる外部操作を検出すると共に、所定の手順に従って、色替モータ12、主軸モータ14,ミシンベッド部16,移動機構20等の駆動を制御する制御装置22(図3参照)とを備える。
【0021】
ここで、操作パネル8には、内蔵された制御装置22への各種指令を入力するためのキーボード24と、操作に応じた表示を行うための表示装置25と、制御装置22に読み取らせる刺繍データ等が記憶されたフロッピディスクを挿入するためのフロッピディスク挿入口26とが設けられている。なお、キーボード24は、実行中の処理を終了させるための終了キー,縫製開始を指示するための縫製開始キー等を有する。
【0022】
次に、支持ケース10は、主軸モータ14の回転が伝達されることにより上下動する針棒28と、針棒28と同期して上下動し、縫目の形成に伴って刺繍糸を繰り出すと共に糸を回収して糸締めを行う天秤30と、刺繍糸に適度な送り抵抗を与える糸調子器32とを夫々6組備え、ミシンアーム6の前端面6aに沿って一列に配置されている。そして、各針棒28の先端に、夫々縫針34が取り付けられており、これらの各縫針34には、図示しない糸供給源から、夫々色の異なる刺繍糸が糸調子器32および天秤30を介して供給される。
【0023】
また、主軸モータ14の駆動力は、所定の駆動位置にある一本の針棒28にのみ伝達されるように構成されており、色替モータ12により支持ケース10を移動駆動して、所定の駆動位置に配置される針棒28を選択的に切り替えることにより、使用される刺繍糸の色が切り替えられる。
【0024】
なお、色替モータ12はステップモータからなり、図3に示す色替モータ駆動回路36により駆動される。この色替モータ駆動回路36は、制御装置22より駆動信号が供給されると、主軸モータ14の回転に同期したパルス信号を出力して色替モータ12を駆動する。
【0025】
また、主軸モータ14は、図3に示す主軸モータ駆動回路38により駆動され、上述のように針棒28を上下動させるだけでなく、刺繍ミシン2の各部を同期して動作させるためのタイミング信号を生成するため等にも使用される。
【0026】
次に、ミシンベッド部16には、縫針34の上下動に同期して駆動され、縫針34の上下動により形成される刺繍糸の糸輪を下糸で補足することにより、加工布Wに縫目を形成する糸輪補足器(図示せず)と、縫針34に担持された刺繍糸を切断する糸切器40(図3参照)とが配設されている。糸切器40は、ソレノイド等からなる糸切器駆動回路42に通電することにより駆動される。
【0027】
なお、針棒28,天秤30,糸調子器32,縫針34,糸補足器,主軸モータ14が本発明の縫目形成手段に相当する。
一方、移動機構20は、ミシンテーブル4上においてミシンテーブル4の前後方向(図2に示すY軸方向)に移動可能に支持され、ミシンテーブル4の左右方向(図2に示すX軸方向)に延びる移動フレーム44と、移動フレーム44に沿ってX軸方向に移動可能に移動フレーム44に支持されたY軸方向に平行に延びる一対の支持レール46と、ステップモータからなり移動フレーム44をY軸方向に移動駆動するY軸モータ50(図3参照)と、同じくステップモータからなり移動フレーム44に支持された支持レール46をX軸方向に移動駆動するX軸モータ48(図3参照)と、X軸モータ48を駆動するX軸モータ駆動回路52(図3参照)と、Y軸モータ50を駆動するY軸モータ駆動回路54(図3参照)とからなる。
【0028】
なお、X軸モータ駆動回路52およびY軸モータ駆動回路54は、制御装置22より各モータ48,50を駆動するステップ数が示された駆動信号が供給されると、主軸モータ14の回転に同期して駆動信号に示されたステップ数だけパルス信号を夫々X軸モータ48およびY軸モータ50に供給して、支持レール46をX軸方向およびY軸方向へ所定の距離だけ移動駆動する。
【0029】
また、支持レール46には、刺繍枠18に嵌合する図示しない枠が固定されており、この枠上に加工布Wを載置し、刺繍枠18を嵌合させることにより、加工布Wは、支持レール46上に保持される。
【0030】
このように、刺繍枠18により支持レール46上に保持された加工布Wは、支持レール46と共に移動駆動され、縫針34に対して相対的に移動する。
なお、移動フレーム44,支持レール46,X軸モータ48,Y軸モータ50,X軸モータ駆動回路52,Y軸モータ駆動回路54が、本発明の移動手段に相当する。
【0031】
次に、刺繍ミシンの電気的な構成について、図3に示すブロック図に沿って説明する。
図3に示すように、制御装置22は、CPU56,ROM58,RAM60,入出力ポート62およびこれら各部を結ぶバスライン64を備えた周知のマイクロコンピュータとして構成されており、更に、フロッピディスクを駆動するためのフロッピディスクドライブ装置(FDD)63を備えている。
【0032】
入出力ポート62には、表示装置25を駆動する表示駆動回路66、キーボード、主軸モータ14を駆動する主軸モータ駆動回路38、X軸モータ48を駆動するX軸モータ駆動回路52、Y軸モータ50を駆動するY軸モータ駆動回路54、色替モータ12を駆動する色替モータ駆動回路36、糸切器40を駆動する糸切器駆動回路42が接続されている。
【0033】
ROM58には、後述する縫製制御処理等のプログラムが格納されており、CPU56は、キーボード24より所定の指令が入力されると、ROM58に格納されたプログラムに従って、各種処理を実行する。
【0034】
FDD63は、外部記憶装置であるフロッピディスクから、縫目模様を形成するための刺繍データを読み込むためのものであり、読み込まれた刺繍データは、RAM60に格納される。
【0035】
また、RAM60は、図4に示すように、FDD63等から読み込んだ刺繍データを格納する刺繍データ記憶エリアDA、後述する縫製制御処理により、刺繍データを変換して得られるステッチデータを格納するステッチデータ記憶エリアSA、縫製制御処理において使用されるカウンタエリアCA、ワークエリアWA等を有する。なお、ステッチデータ記憶エリアSAが本発明の記憶手段に相当する。
【0036】
ここで、ステッチデータ記憶エリアSAに格納されるステッチデータとは、刺繍ミシン2の1動作に対応して、その動作を制御するための最小単位の制御データが処理順に並べられたものであり、その例を[表1]に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003543374
【0038】
[表1]に示すように、ステッチデータは、「ステッチ」,「フィード」,「糸切り」,「色替え」,「エンド」といった制御データが、処理順に並べられていると共に、各制御データ毎に、他の制御データとの同時実行性を表す識別データが付加されている。
【0039】
なお、「ステッチ」とは、縫針34を上下動させると共に、移動機構20を移動駆動して縫針34と刺繍枠18に保持された加工布Wとを相対的に移動させることにより加工布Wに1つの縫目を形成するための制御データであり、「フィード」とは、移動機構20を移動駆動して、縫目を形成することなく、縫針と加工布との相対位置を移動させるための制御データであり、「糸切り」とは、糸切器40を駆動して縫針34に担持された刺繍糸を切断するための制御データであり、「色替え」とは、色替モータ12により支持ケース10を移動駆動して、主軸モータ14により上下駆動される縫針34を別の色の刺繍糸を担持したものに変更するための制御データである。また、「エンド」とは、ステッチデータの終了を表す制御データである。
【0040】
また、識別データの‘×’は、その識別データが付加された制御データは、その前後の制御データとの同時実行が不可能であることを示し、‘△’は、次の制御データとの同時実行が可能であることを示し、‘○’は、前の制御データとの同時実行が可能であることを示している。
【0041】
次に、制御装置22が実行する縫製制御処理について、図5に示すフローチャートに沿って説明する。
なお、CPU56は、電源が投入されると、制御装置22の各部および入出力ポート62に接続された各回路等を初期化する初期化処理を実行した後、縫製制御処理を実行する。
【0042】
図5に示すように、縫製制御処理が開始されると、まず、S110にて、キーボード24の終了キーが操作されたか否かを判断し、終了キーが操作されていれば、そのまま本縫製制御処理を終了し、終了キーが操作されていなければ、S120に進む。
【0043】
S120では、FDD63に挿入されたフロッピディスクから刺繍データを読み込み、読み込んだ刺繍データをRAM60の刺繍データ記憶エリアDAに格納してS130に進む。なお、刺繍データの読み込みは、外部から特別な操作を加えることなく自動的に行ってもよいし、フロッピディスクに複数の刺繍データが格納されているのであれば、その格納されている刺繍データのファイル名等を表示装置25に表示して、希望する刺繍データをキーボード24の操作により指定させるようにしてもよい。
【0044】
S130では、読み込んだ刺繍データを、縫目模様を形成するために、刺繍ミシン2の1動作に夫々対応する制御データを処理順に並べたステッチデータに変換し、続くS140にて、変換されたステッチデータの総制御データ数NをワークエリアWAに格納する。
【0045】
ここで、S120にて読み込まれる刺繍データは、刺繍する文字や図形そのものの形状や大きさ等を表す汎用的なデータであり、そのままでは縫製ミシン2を制御することができないので、S130にて、刺繍ミシン2の制御に適したステッチデータに変換するのである。このステッチデータが本発明の縫製データに相当する。
【0046】
なお、S120にて読み込まれる刺繍データは、ステッチデータそのものであってもよく、その場合、S130の処理は省略される。また、S120にて、違う機種の刺繍ミシンに使用されるステッチデータが刺繍データとして読み込まれた場合、S130では、刺繍ミシン2の制御に適したフォーマットのステッチデータにフォーマット変換する処理を行うようにしてもよい。
【0047】
続くS150では、S130にて生成されたステッチデータを構成する各制御データについて、連続する2つの制御データの同時実行が可能であるか否かを判定し、その判定結果を識別データとして各制御データに付加する。このS150により、ステッチデータは、上述した[表1]のようになる。
【0048】
なお、同時実行性の判定基準は、予め定められており、ここでは、「色替え」と「フィード」が連続する場合は、これら2つの制御データは、同時に実行できるものと判定している。
【0049】
即ち、「色替え」は、色替モータ12を駆動し、「フィード」は、移動機構20を駆動するので、同時に駆動することができ、また、これらの処理は、互いの動作に依存しない独立した動作であるため、同時実行ができるのである。例えば、「ステッチ」と「フィード」は、同じ移動機構20を使用するため、同時に実行することができず、また、「ステッチ」と「糸切り」とを同時に行うと、正しく縫目間を結ぶ糸が切断されてしまうことになり、これも同時に実行することができないのである。
【0050】
次に、S160では、キーボード24の縫製開始キーが操作されたか否かを判断し、操作されていなければ、再度S160を実行し、縫製開始キーが操作されるまで待機する。この時、縫製を開始する準備が終了した旨を表示装置25に表示するようにしてもよい。
【0051】
一方、S160にて、縫製開始キーが操作されたと判断されると、S170に移行し、カウンタPの初期値を1に設定してS180に進む。
S180では、カウンタPの値がステッチデータの総制御データ数Nより大きいか否か、即ち、ステッチデータの全制御データについて制御が実行されたか否かを判断し、全制御データについて制御が実行されたと判断されると、S110に戻る。
【0052】
一方、S180にて、まだ、制御が実行されていない制御データがあると判断されると、S190に移行し、カウンタPにより示された番号の制御データを実行する。即ち、P=1であれば、「フィード」が実行される。
【0053】
次に、S200では、P番目の制御データに付加された識別データを参照し、P+1番目の制御データとの同時実行が可能であるか否かを判断し、同時実行が不可能であれば、そのままS230に移行する。一方、同時実行可能であると判断されると、S210にてカウンタPをインクリメントした後、S220にて、P番目の制御データを実行してS230に進む。
【0054】
S230では、現在実行中のP番目あるいはP−1番目の制御データに基づく制御が終了したか否かを判断し、制御が終了していなければ、再度S230を実行して制御が終了するまで待機し、制御が終了したことが確認されると、S240にて、カウンタPの値をインクリメントし、S180に戻る。
【0055】
なお、制御が終了したか否かの判断は、例えば、主軸モータ14の回転軸に取り付けられたエンコーダで主軸モータ14の回転を計測することにより、行なうことができる。即ち、「ステッチ」,「フィード」により制御されるX軸モータ駆動回路52,Y軸モータ駆動回路54、及び「色替え」により制御される色替モータ駆動回路36の場合は、主軸モータ14の回転に同期して動作するので、制御を開始させる指令を出力した後、主軸モータ14の回転を計測することにより、制御の終了を予測することができるのである。また、針棒28の上下動位置を検出するセンサ等を使用して、制御の終了を確認してもよい。
【0056】
以後、ステッチデータの全制御データについて制御が実行されるまで、S180〜S240の処理を繰り返す。
例えば、[表1]における4番目の制御データである「糸切り」を実行する場合、この4番目の制御データに付加された識別データは、次の制御データとの同時実行が不可能であることを示しているので、「糸切り」による制御の終了が確認された後に、5番目の制御データである「色替え」が実行される。この5番目の制御データに付加された識別データは、次の制御データとの同時実行が可能であることを示しているので、「色替え」による制御の終了が確認されることなく6番目の制御データである「フィード」が同時に実行される。そして、その両方の制御の終了が確認されると、次の7番目の制御データである「ステッチ」が実行される。
【0057】
なお、本実施例において、S150が判定手段に相当し、S200〜S220が同時実行手段に相当する。
以上、説明したように、本実施例の刺繍ミシン2においては、制御データの「色替え」および「フィード」が連続している場合、これらの制御データを同時実行するようにされている。
【0058】
従って、単純に、制御データを1つづつ実行する場合に比べ、縫製時間を短縮することができる。特に、「色替え」や「フィード」を頻繁に行うような複雑な模様を形成する場合に、大幅に縫製時間を短縮することができる。また、実際に縫目を形成しない「色替え」と「フィード」を同時に実行して縫製時間を短縮しているので、「色替え」や「フィード」が頻繁に行われても、縫目の割に縫製時間が極端に長くなってしまうことがない。
【0059】
また、単に、同時実行が可能な場合に、同時実行させるだけでなく、予め各制御データ毎に同時実行性を判定し、制御データに識別データを付加しておくことにより、縫製をしながら同時実行性の判定を行う必要がなく、縫製時の処理を削減することができ、より縫製時間を短縮することができる。
【0060】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができる。
【0061】
例えば、上記実施例では、予めステッチデータの各制御データについて同時実行性を判断して、制御データに同時実行性を示す識別データを付加し、縫製中は識別データに基づき同時実行を行うか否かを決めているが、識別データを使用せず、制御データを実行する際に、次の制御データも参照して、その都度同時実行性を判断するように構成してもよい。この場合、識別データを格納するための記憶エリアを余分に設ける必要がないので、装置を安価に構成できる。
【0062】
また、上記実施例においては、ステッチデータの連続する2つの制御データの同時実行が可能であると判定されるのは、「ステッチ」と「色替え」とが連続している場合であり、この判定基準はに予め設定されているが、この判定基準を、キーボード24を操作することにより任意に指定できるようにしてもよい。
【0063】
つまり、刺繍ミシンの構成によっては、様々な組み合せで同時実行ができる場合があり、その場合、一方の組み合せで同時実行を行うと他方の組み合せでの同時実行ができなくなることがある。その場合、刺繍データの内容に応じて、同時実行の判定基準を変更することにより、より短時間で処理を実行させることがでっきるようになる。
【0064】
また、2ステップの同時実行だけでなく、3ステップ以上の同時実行ができるようにしてもよい。例えば、図5のフローチャートにおいて、3ステップの同時実行を可能にするには、S200〜S220までの処理を、S220とS230との間に挿入すればよい。
【0065】
更に、上記実施例においては、刺繍データをFDD63に挿入されるフロッピディスクより読み込んでいるが、制御装置22にハードディスク装置を付加し、このハードディスク装置に刺繍データを格納して、ハードディスク装置から読み込むようにしてもよい。また、制御装置22に通信装置を付加して、通信線を介して外部のパーソナルコンピュータ等から刺繍データを読み込むようにしてもよい。
【0066】
また更に、上記実施例では、刺繍データを読み込んでからステッチデータに展開して、同時実行性の判定を行った後、続けて縫製を開始するように構成されているが、同時実行性の判定が行われることにより各制御データ毎に識別データが付加されたステッチデータを、フロッピディスク等に保存できるようにしてもよい。そして、刺繍ミシンがこの識別データが付加されたステッチデータを読み込んだ場合は、ステッチデータのステップ数を確認する手順を踏んだ後、直ちに縫製を開始するように構成すればよい。
【0067】
また、上記実施例では、縫製を開始する前に、一度刺繍データを全て読み込んでいるが、刺繍データをフロッピディスク等の外部記憶装置から数針または数ブロックずつ読み込みながら、同時実行性の判定や縫製を行うようにしてもよい。なお、刺繍データの最後は、データの最後に付加される終了コード等で判断すればよい。これによって、RAM60における刺繍データ記憶エリアDAおよびステッチデータ記憶エリアSAを大幅に削減することができ、装置を安価に構成することができる。
【0068】
更に、上記実施例では、支持ケース10は、針棒28のみを保持しているが、例えば、加工布を裁断したり加工布に飾り孔等を形成するレーザ,カッター等からなる裁断器や孔開器等を保持してもよい。
【0069】
また更に、上記実施例では、縫目模様を形成するためのミシンアーム6やミシンベッド部16(頭部と呼ぶ)を1つだけ備えた刺繍ミシンについて説明したが、複数の頭部を有する多頭立ての刺繍ミシンに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】本実施例の刺繍ミシン2の全体構成を表す斜視図である。
【図3】刺繍ミシン2の電気的な構成を表すブロック図である。
【図4】RAM60の内容を表す説明図である。
【図5】CPU56にて実行される縫製制御処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
2…刺繍ミシン 4…ミシンテーブル 6…ミシンアーム
8…操作パネル 10…支持ケース 12…主軸モータ
12…色替モータ 14…主軸モータ 16…ミシンベッド部
18…刺繍枠 20…移動機構 22…制御装置 24…キーボード
25…表示装置 26…フロッピディスク挿入口 28…針棒
30…天秤 32…糸調子器 34…縫針 36…色替モータ駆動回路
38…主軸モータ駆動回路 40…糸切器 42…糸切器駆動回路
44…移動フレーム 46…支持レール 48…X軸モータ
50…Y軸モータ 52…X軸モータ駆動回路 54…Y軸モータ駆動回路56…CPU 58…ROM 60…RAM 62…入出力ポート
63…フロッピディスクドライブ装置(FDD) 64…バスライン
66…表示駆動回路

Claims (7)

  1. 上糸を担持する縫針を上下動させ、加工布に縫目を形成する縫目形成手段と、
    上記加工布が上記縫針の上下動通路を横切るように、上記加工布を保持する加工布ホルダと上記縫針とを相対的に移動させる移動手段と、
    少なくとも上記縫目形成手段および上記移動手段を順次制御して上記加工布に縫目模様
    を形成するための処理手順を示す縫製データが記憶された記憶手段と、 該記憶手段に記憶された各処理を順次読み出し、該読み出された処理に従って上記縫目形成手段および上記移動手段を各々駆動制御して、上記加工布に縫目模様を形成する制御手段と、
    を備えた刺繍ミシンにおいて、
    上記制御手段に、
    上記記憶手段から処理を読み出した際に、該処理の次に実行すべき次処理を読み出して、該処理と次処理との同時実行が可能であるか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段により少なくとも上記2つの処理が同時実行可能であると判定されると、上記各処理を同時実行する同時実行手段と、
    を設けたことを特徴とする刺繍ミシン。
  2. 上記判定手段は、上記縫製データの各処理を実行する際に、その都度同時実行性を判断することを特徴とする請求項1に記載の刺繍ミシン。
  3. 上記判定手段は、上記制御手段が上記記憶手段に記憶された上記縫製データに従って駆動制御を開始する前に、予め、上記縫製データの全ての処理について、連続する少なくとも2つの処理が同時実行可能であるか否かを判定して、該判定結果を表す識別データを上記各処理毎に上記記憶手段に格納し、
    上記同時実行手段は、上記制御手段が上記記憶手段から上記縫製データの各処理を順次読み出して該処理を実行する際に、該処理に対応した上記識別データを読み出し、該識別データが次処理との同時実行が可能であることを表していれば、上記記憶手段から次に実行すべき処理を読み出して同時実行することを特徴とする請求項1に記載の刺繍ミシン。
  4. 上記判定手段が上記記憶手段に記憶された縫製データの連続する少なくとも2つの処理が同時実行可能であるか否かを判定するための判定基準を入力する判定基準入力手段を設け、
    上記判定手段は、該判定基準入力手段により入力された判定基準に基づき判定を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の刺繍ミシン。
  5. 上記判定基準入力手段は、上記判定基準を任意に指定する指定手段を有することを特徴とする請求項4に記載の刺繍ミシン。
  6. 上記判定手段は、上記縫製データの内容に応じて、同時実行の判定基準を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の刺繍ミシン。
  7. 上記同時実行可能な縫製データの処理は、色替えおよびフィードであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の刺繍ミシン。
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