JP3543314B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録用紙の幅方向に移動する記録ヘッドを有し、印刷データに基づいてインク滴を記録用紙に向かって吐出することで、記録用紙上に印字を行うインクジェット式記録装置であって、特にインク滴を吐出するノズル開口の目詰まりを解消するためのキャッピング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータの発達によりグラフィック処理が比較的簡単に実行できるようになったため、ディスプレイに表示される例えばカラー画像のハードコピーを高品質で出力できる記録装置が求められている。このような要求に応えるためにインクジェット式記録ヘッドを搭載した記録装置が提供されている。
【0003】
このインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、カラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
【0004】
このようなインクジェット式記録装置は、インク貯蔵手段からのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、印字信号に応じて記録ヘッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させてドットを形成することで記録が行われる。
【0005】
そしてキャリッジにブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクの吐出が可能な記録ヘッドを設け、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0006】
このようなインクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化によるノズル開口の目詰まりを発生したり、塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより吐出異常となり、印刷不良を起こすという問題がある。
【0007】
このために、インクジェット式記録装置は通常、非印刷時に記録ヘッドのノズル形成面であるノズルプレートを封止するためのキャッピング手段と、必要に応じてノズルプレートを清掃するクリーニング部材を備えている。
【0008】
このキャッピング手段は、前記したノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じたり、気泡の混入により吐出異常に陥った場合には、キャップ部材によりノズルプレートを封止し、負圧発生手段としての吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引してノズル開口の目詰まりを解消したり、混入した気泡をノズル開口から排出する機能をも備えている。
【0009】
記録ヘッドの目詰まり解消や、混入した気泡をノズル開口から排出するために行うインクの強制的な排出処理は、通常クリーニング操作と呼ばれ、記録装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、またユーザが印字かすれを認識してクリーニングスイッチを操作した場合に実行され、キャッピング手段によってノズルプレートを封止してインクを排出させた後に、ゴムなどの弾性板からなるクリーニング部材によりノズルプレートのワイピングが行われる。
【0010】
ところで、この種のインクジェット式記録装置に用いられているキャッピング手段は、例えば図10および図11に示すような構成とされている。すなわち、図10は記録ヘッドをキャッピングした状態におけるキャッピング手段の縦断面図であり、図11はキャッピング手段により封止された記録ヘッドを透視した状態で示したものである。
【0011】
図10および図11において、キャッピング手段としてのキャップユニット13は、上面が解放された方形状のキャップホルダ21と、このキャップホルダ21内に収納され、耐インク性を有する可撓性物質、特にゴムなどの弾性部材により形成されたカップ状のキャップ部材22とにより構成されている。そして、前記キャップ部材22はその上側縁がキャップホルダ21よりも若干突出した状態に形成されている。
【0012】
また、キャップ部材22の内底部には耐インク性およびインク吸収性に優れた多孔質材料からなるインク吸収材23が収納されている。さらに前記キャップホルダ21の下底部を支持するスライダ24が具備され、キャリッジがキャッピング手段側に移動したとき、図示せぬ回動アーム等の作用によって前記スライダ24をほぼ水平姿勢に保ったまま上方に移動して記録ヘッド8のノズルプレート8aをキャップ部材22によって封止できるように構成されている。
【0013】
一方、キャップ部材22を貫通するようにキャップケース22に吸引口25が形成されており、キャップケース22の吸引口25には、吸引チューブ26が接続されて負圧発生手段としての吸引ポンプに連結されている。なお、図11には示されていないが、必要に応じて前記キャップ部材22を貫通するように大気解放口が形成され、エアーバルブの開弁によりキャップケース22内が大気開放できるように構成されている。
【0014】
前記した構成において、キャリッジのキャッピング手段側への移動により、前記スライダが押し上げられ、キャップ部材22の上端縁22aが記録ヘッド8のノズルプレート8aを封止する。そして、前記吸引ポンプを動作させることで、吸引チューブ26を介してキャップケース22内に負圧が印加される。これにより、記録ヘッド8のノズル開口8bよりインクが吸引され、吸引されたインクはキャップ部材22内に収納されたインク吸収材23に吸収されてキャップ部材22内に貯留される。
【0015】
また、記録ヘッド8のノズル開口8bよりインクの吸引が終了した時点で、図示せぬ前記エアーバルブを開弁することにより、キャップ部材22内は正圧に戻される。このエアーバルブが開弁した状態で、図示せぬ前記吸引ポンプを動作させることにより、キャップ部材22内に貯留されたインクは、吸引ポンプにより吸引されて図示せぬ排インクタンクに排出される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前記したキャップユニット13によれば、記録ヘッド8のノズルプレート8aを封止できるようにするために、キャップ部材22はゴムまたはエラストマなどの弾性部材により形成されている。そして、その材料の持つ弾力性によってノズルプレート8aとの間で密封状態をとるようになされている。
【0017】
したがって、キャップ部材22内を負圧にしてノズル開口8bからインクを吸引しようとした場合には、図10および図11に示すようにキャップ部材22は負圧により内側に変形するという問題が発生する。
【0018】
一般に、キャップユニット13は、キャリッジの移動に基づいて前記した回動アーム等によって記録ヘッド8に対して上下動できるように構成されており、キャップ部材22に低弾性材料を用いることにより、キャリッジの移動の負荷、すなわちキャリッシモータに対する負荷を軽減させるように配慮されている。しかしながら前記キャップ部材22の材質が低弾性であればある程、前記した変形の度合いが顕著となる。
【0019】
加えて、昨今においては、ノズルプレート8aに配備されるノズル開口8bの数も増大しており、これに伴い、吸引ポンプの吸引能力も増大するように構成されていて、吸引ポンプによる吸引時の最大負圧はおおよそ−0.8気圧程度に達する場合がある。
【0020】
このような条件下においては、キャップ部材22の上端縁22aが内側に倒れるように変形し、さらにこの状態でキャップ部材22の上端縁22aがノズルプレート8a側に圧着される作用が与えられるために、なおさら上端縁22aが内側に倒れ込んだ変形状態となされる。
【0021】
このためにキャップ部材22の上端縁22aによって形成されるシール部分が、図11に示すようにノズル開口8a部分に達して、ノズル開口からの正常なインクの吸引動作が成し得なくなるという問題が発生する。
【0022】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、キャップ部材がノズルプレート側に圧着される作用を所定の範囲で抑制させることにより、キャップ部材の顕著な倒れこみ現象を防止し得るキャッピング手段の構成を提供しようとするものであり、これにより信頼性を向上させたインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装置における好ましい実施の形態によれば、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャップ部材を備えるとともに負圧発生手段からの負圧を受けてノズル開口からインクを吸引するキャッピング手段を搭載したインクジェット式記録装置であって、前記キャッピング手段には、ノズル形成面の封止によるキャップ部材の変形に基づいて前記ノズル形成面に当接するスペース部材が具備され、前記スペース部材は、キャップ部材を収納するキャップホルダに一体成形され、その先端部に頭部を形成し、前記頭部によってキャップ部材の内底部に配置されたインク吸収材がノズルプレート側に変形するのを阻止する固定部材を兼ねた構成とされていることを特徴とする
【0024】
この場合の好ましい1つの形態においては、前記スペース部材は、キャップ部材を収納するキャップホルダの開口周縁部に配置された構成とされる。
【0025】
またこの場合の他の好ましい形態においては、前記スペース部材は、キャップ部材を収納するキャップホルダの内底部より直立した状態で形成される。
【0026】
そして前記いずれの形態においても、前記スペース部材は、ノズル形成面を構成する部材よりも軟質部材により形成されていることが好ましい。
【0027】
また前記スペース部材のノズル形成面に当接する先端部は、その縦断面が円弧状になされていることが好ましく、さらに前記スペース部材は、キャッピング手段に3個以上形成されていることが好ましい。
【0028】
さらにまた前記スペース部材は、キャッピング手段が記録ヘッドのノズル形成面を封止した状態において、記録ヘッドのノズル開口に対向する位置を避けて配置されていることが望ましい。
【0029】
また、前記したいずれの場合であっても、好ましくは前記スペース部材は、キャップ部材の内底部に配置されたインク吸収材がノズルプレート側に変形するのを阻止する固定部材を兼ねた構成とされる。
【0030】
この場合の好ましい形態においては、前記スペース部材は先端に頭部を有する別体のピン部材を、キャップ部材を収納するキャップホルダに植設して構成され、前記頭部によってキャップ部材の内底部に配置されたインク吸収材がノズルプレート側に変形するのを阻止する固定部材を兼ねた構成とされる。
【0031】
またこの場合の他の好ましい形態においては、前記スペース部材は、キャップ部材を収納するキャップホルダに一体成形され、その先端を加熱変形させることによって頭部を形成し、前記頭部によってキャップ部材の内底部に配置されたインク吸収材がノズルプレート側に変形するのを阻止する固定部材を兼ねた構成とされる。
【0032】
そしてこれらのいずれの場合においても、前記スペース部材には、その頭部にインク誘導溝が施され、スペース部材の頭部に付着したインク滴をインク吸収材に誘導できるように構成されていることが望ましい。
【0033】
以上のように構成されたキャッピング手段を備えたインクジェット式記録装置によると、キャッピング手段には負圧発生手段からの負圧によるキャップ部材の変形に基づいて、ノズル形成面に当接するスペース部材が具備されているので、キャップ部材として比較的低弾性の材料を用いても、前記スペース部材がノズル形成面に当接してキャップ部材の過度な倒れこみ現象を阻止することができる。
【0034】
これにより、キャップ部材の上端縁によって形成されるシール部分が、ノズル開口部分に達して、ノズル開口からの正常なインクの吸引動作が成し得なくなるという問題を阻止することができ、正常なヘッドクリーニング作用を保証することができる。
【0035】
そして、前記スペース部材はノズル形成面であるノズルプレートに当接して機能するため、両者の間の寸法を一定に保つことができ、常に安定して正常なヘッドクリーニング作用を反復して実行することができる。
【0036】
また、前記スペース部材をキャップ部材の内底部に配置されたインク吸収材がノズルプレート側に変形するのを阻止する固定部材を兼ねた構成とすることによりキャップ部材内に収容されたインク吸収材が、たとえ膨潤してもインク吸収材の上面に発生するインクの泡によるノズル開口への悪影響を低減させることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用されたインクジェット式記録装置の一実施例を示すものであり、図中符号1はキャリッジであり、キャリッジモータ3の駆動により往復動するタイミングベルト2を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
【0038】
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側には、ブラック用記録ヘッド7、およびカラー用記録ヘッド8が搭載され、またその上方にはそれぞれの記録ヘッドにインクを供給するブラック用インクカートリッジ9、およびカラー用インクカートリッジ10が着脱可能に装填されている。
【0039】
図中符号11は、非印字領域外に配置されたキャッピング装置であって、ブラックヘッド用のキャッピング手段を構成するキャップユニット12とカラーヘッド用のキャッピング手段を構成するキャップユニット13が配置されている。そしてキャッピング装置11の下方には、キャッピング装置11の各キャップユニットに対して負圧を与えるための吸引ポンプ16が配置されている。
【0040】
前記キャップユニット12,13は記録装置の休止期間中のノズル開口の乾燥を防止するキャッピング手段として機能する他、前記吸引ポンプ16からの負圧を記録ヘッド7、8に作用させて、インクを吸引する手段としての機能も兼ね備えている。またキャッピング装置11の近傍には、ゴムなどの弾性物質により形成されたクリーニング部材17が配置され、キャリッジのキャッピング装置11側への移動に伴い、各記録ヘッド7,8におけるノズルプレートのワイピングが実行できるように構成されている。
【0041】
図2は前記キャップユニット12,13のうちの一方、例えばカラーヘッド用のキャップユニット13の第1の実施の形態を断面状態で示したものである。なおこのキャップユニット13の基本構成は、前記した図10に示したものと同様であり、それぞれの相当部分は同一符号で示しており、したがって前述した各部の説明は省略する。
【0042】
図2において、キャップユニット13を構成するキャップホルダ21には、キャップホルダ21の開口周縁部にスペース部材31が上方に向かって立ち上がるように配置されている。そしてスペース部材31は、その縦断面が円弧状になされており、その先端部の高さはキャップ部材22の上端縁22aに対してわずかに低くなるように設定されている。
【0043】
図3は、このスペース部材31が配置されたキャップユニット13によって、記録ヘッド8のノズルプレート8aを封止した状態を示している。図3に示されたようにキャップユニット13によって記録ヘッド8のノズルプレート8aを封止した場合には、ゴムまたはエラストマにより形成されたキャップ部材22の上端縁22aがノズルプレート8aに当接して変形し、またこの変形に伴ってスペース部材31の先端がノズルプレート8aに当接される。
【0044】
この作用により、キャップ部材22の弾性力に伴う適正な圧力でキャップ部材22の上端縁22aがノズルプレート8aに密着し、ノズルプレート8aに形成された各ノズル開口8bを封止することができる。
【0045】
また図4は図3に示す状態において、記録ヘッド8を透視した状態で示している。図4に示されたように、前記スペース部材31は方形状のキャップホルダ21の一辺にそれぞれ離間するように2つ配置され、またこれに対向する他の一辺の中央部に1つ配置されて、合計3つのスペース部材31が存在している。
【0046】
このようにキャップホルダ21の対向する周縁に3つのスペース部材31を配置することにより、スペース部材31はノズルプレート8aに対して3点支持された形で当接することとなり、したがって、キャップ部材22の上端縁22aは均等に変形して方形状の上端縁22aがノズルプレート8aに対して均一に密着することになる。
【0047】
なお、前記各スペース部材31は記録ヘッド8のノズルプレート8aを構成する例えばステンレス鋼に比較して軟質部材である合成樹脂等により構成されていることが望ましく、このような構成によりノズルプレート8aに損傷を与えるという問題を回避することができる。
【0048】
図2乃至図4に示す第1の実施の形態によると、キャップユニット13によって記録ヘッド8のノズルプレート8aを封止した状態において、吸引チューブ26を介して吸引ポンプ16により負圧を与えた場合、キャップ部材22の上端縁22aが若干内側へ湾曲するという作用を受けるものの、スペース部材31の存在によって位置規制されるため、キャップ部材22の上端縁22がなおも変形して内側に倒れ込むという助長現象は発生しない。
【0049】
したがって、図11に示した従来の例のように、吸引および押圧の相乗作用によりキャップ部材22の上端縁22aが極端に内側に倒れ込み、その上端縁22aがノズル開口8a部分に達して、ノズル開口からの正常なインクの吸引動作が成し得なくなるという問題を効果的に回避することができる。
【0050】
なお、図2乃至図4に示す第1の実施の形態においては、3つのスペース部材を配置した構成を示しているが、このスペース部材は例えば4つ以上配置されていてもよい。
【0051】
次に図6は、キャップユニットの第2の実施の形態を断面状態で示したものである。なお図6において既に説明した各部に相当する部分は同一符号で示しており、したがって当該部分の説明は省略する。
【0052】
図6に示す第2の実施の形態においては、合成樹脂により構成されるキャップホルダ21と一体にスペース部材31が直立した状態で形成され、その先端部がインク吸収材23を貫通して上部に突出された構成とされている。
【0053】
このスペース部材31の先端部は半球状になされており、その先端部の高さはキャップ部材22の上端縁22aに対してわずかに低くなるように設定されている。そして、スペース部材31は後述する図8に示す形態と同様に6か所に配置され、これら6本のスペース部材31によって、ノズルプレート8aに対して多点支持された形で当接するように構成されている。
【0054】
したがって、キャップ部材22の上端縁22aは均等に変形して方形状の上端縁22aがノズルプレート8aに対して均一に密着することになる。
【0055】
次に図7は、キャップユニットの第3の実施の形態を断面状態で示したものであり、また図8図7に示す状態において、記録ヘッド8を透視した状態で示している。なお図7および図8において既に説明した各部に相当する部分は同一符号で示しており、したがって当該部分の説明は省略する。
【0056】
図7および図8に示す第3の実施の形態においては、キャップホルダ21の内底部より一体に立ち上げた6本のスペース部材31が、インク吸収材23を貫通して上部に突出され、その先端部を加熱変形させることによって頭部31aを形成した構成とされている。
【0057】
この頭部31aは、キャップ部材22の内底部に配置されたインク吸収材23がノズルプレート8a側に変形するのを阻止する固定部材を兼ねた構成とされている。これによりインク吸収材23がインクを吸収して膨潤しても、キャッピング状態においてインク吸収材23と記録ヘッド8の各ノズル開口8bとの距離を確保することができる。
【0058】
したがってキャップユニット内を大気開放した際に発生するインクの泡がノズル開口8bに達するのを阻止できるか、またはその程度を低減させることが可能となる。よって、インクの泡がノズル開口8bに侵入するなどしてノズル開口8bのメニスカスを破壊し、いわゆるドット抜けを発生させたり混色が発生するなどの印字不良を起こすという問題を回避することが可能となる。
【0059】
なお、前記頭部31aは半球状の凹面を有する加熱部材を押し当てることによって形成させることが可能である。この場合、好ましくは6本のスペース部材31を同時に一工程で加熱変形させることで、共に同一高さに仕上げることができ、またキャップ部材22の上端縁22aに対してわずかに低くなるように設定させることができる。
【0060】
また図8に示すように、前記スペース部材31は、キャッピング手段が記録ヘッドのノズル形成面を封止した状態において、記録ヘッドのノズル開口8bに対向する位置を避けて配置されている。すなわち、図8に示すように各スペース部材31の頭部31aは、それぞれ各ノズル開口8bにより形成されたノズル列の直下を避けて、各ノズル列の間に位置するように配置されている。これにより、インク吸引時において、記録ヘッド8より排出されたインクがスペース部材31の頭部31aにインク滴となって残留する度合いを低減させることができ、インクの掃けを良好になし得る。
【0061】
図5はキャップユニットの第4の実施の形態における一部を拡大断面状態で示したものである。なお図5において既に説明した各部に相当する部分は同一符号で示しており、したがって当該部分の説明は省略する。
【0062】
図5に示す第4の実施の形態においては、キャップホルダ21の内底部より一体に立ち上げたスペース部材31の上端部を加熱変形させて頭部31aを形成させる場合に、半球状の頭部31aにさらにインク誘導溝31bを施した状態を示している。
【0063】
このインク誘導溝31bは、半球状の凹面内に例えば板状の部材を配置して成る加熱部材を押し当てることによって形成させることが可能である。
【0064】
このようにインク誘導溝31bを施すことにより、記録ヘッド8より排出されてスペース部材31の頭部31aに付着したインクは、前記誘導溝31bを通りインク吸収材23側に即座に吸収される。なお、前記インク誘導溝31bは、図に示すように1本に限られることはなく、半球状頭部の大きさに応じて適宜の本数が施される。またこの場合、インク誘導溝がクロスするように配置されていても良い。
【0065】
以上説明した例は、いずれもスペース部材31をキャップホルダ21に一体に形成させた形態を示しているが、スペース部材31としては別体のピン状部材を用いるようにしてもよい。すなわち、別体のピン状部材を例えばキャップホルダ21に植設することにより、前記と同様な形態および同様な作用効果を得ることができる。
【0066】
図9はキャップホルダに植設される各種のスペース部材の外観構成を示したものである。すなわち、図9(a)に示すスペース部材31は、その頭部31aの上面が平坦状に成されたものである。この図9(a)に示したスペース部材においては、頭部31aの上面が平坦に成されているがため、インクの表面張力によりその上面にインクが乗って、キャッピング装置からのインクの排出工程後においても、インクが残留するという問題が残される。
【0067】
そこで、図9(b)に示すようにスペース部材31の頭部31aを半球状に形成することが好ましい。このようにスペース部材の頭部を半球状に形成することで、スペース部材31の頭部31aに表面張力によりインクが残留する現象を低減でき、スペース部材31周りのインクはインク吸収材23側に吸収される。
【0068】
また、図9(c)および図9(d)はスペース部材31を互いに直交する正面および側面方向から視た状態で示しており、図のようにスペース部材31の頭部31aを半球状に形成させると共に、半球状頭部の上面にさらにインク誘導溝31bを施すように構成することがさらに好ましい。このようにインク誘導溝31bを施すことにより、スペース部材31の頭部31aに付着したインクは誘導溝31bを通りインク吸収材23側に即座に吸収される。
【0069】
図9に示した各スペース部材31を、その頭部先端の高さがキャップ部材22の上端縁22aに対してわずかに低くなるようにそれぞれキャップホルダ21に植設するすることで、前記した各形態と同様にキャップ部材22の弾性力に伴う適正な圧力でキャップ部材22の上端縁22aがノズルプレート8aに密着し、ノズルプレート8aに形成された各ノズル開口8bを封止することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明にかかるインクジェット式記録装置は、キャッピング手段にノズル形成面の封止によるキャップ部材の変形に基づいてノズル形成面に当接するスペース部材を具備させたので、キャップ部材がノズルプレート側に圧着される作用を所定の範囲で抑制させることができる。
【0071】
したがって、負圧および圧着の相乗作用によりキャップ部材の顕著な倒れこみ現象を防止しすることができ、正常なヘッドクリーニング作用を保証することができる。
【0072】
また、前記スペース部材をインク吸収材の固定手段として兼用した構成とすることにより、キャップ部材内に収容されたインク吸収材がたとえ膨潤しても、インク吸収材の上面に発生するインクの泡によるノズル開口への悪影響を低減させることができる。これによりインクの泡がノズル開口に侵入するなどしてノズル開口のメニスカスを破壊し、いわゆるドット抜けなどの印字障害を発生させる問題を有効に回避することができる信頼性の高い記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置に搭載されるキャッピングユニットの第1の実施の形態を示した断面図である。
【図3】図2に示すキャッピングユニットによって記録ヘッドのノズル開口を封止した状態を示す断面図である。
【図4】図3に示す封止状態において記録ヘッドを透視した状態で示す平面図である。
【図5】図1に示す記録装置に搭載されるキャッピングユニットの第4の実施の形態を示した断面図である
【図6】図1に示す記録装置に搭載されるキャッピングユニットの第2の実施の形態を示した断面図である
【図7】図1に示す記録装置に搭載されるキャッピングユニットの第3の実施の形態を示した断面図である
【図8】図7に示すキャッピングユニットによって記録ヘッドを封止した場合の記録ヘッドを透視した状態で示す平面図である
【図9】キャッピングユニットに植設される各種のスペース部材の外観構成図である。
【図10】従来のキャッピングユニットによって記録ヘッドを封止した場合を示す断面図である。
【図11】図10に示すキャッピングユニットによって記録ヘッドを封止した場合の記録ヘッドを透視した状態で示す平面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
5 プラテン
6 記録用紙
7 ブラックインク用記録ヘッド
8 カラーインク用記録ヘッド
8a ノズルプレート
8b ノズル開口
9 ブラック用インクカートリッジ
10 カラー用インクカートリッジ
12 キャップユニット(ブラックインク用)
13 キャップユニット(カラーインク用)
16 吸引ポンプ(負圧発生手段)
17 クリーニング部材
21 キャップホルダ
22 キャップ部材
22a 上端縁
23 インク吸収材
24 スライダ
25 吸引口
26 吸引チューブ
31 スペース部材
31a 頭部
31b インク誘導溝

Claims (10)

  1. ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャップ部材を備えるとともに負圧発生手段からの負圧を受けてノズル開口からインクを吸引するキャッピング手段を搭載したインクジェット式記録装置であって、
    前記キャッピング手段には、ノズル形成面の封止によるキャップ部材の変形に基づいて前記ノズル形成面に当接するスペース部材が具備され、
    前記スペース部材は、キャップ部材を収納するキャップホルダに一体成形され、その先端部に頭部を形成し、前記頭部によってキャップ部材の内底部に配置されたインク吸収材がノズルプレート側に変形するのを阻止する固定部材を兼ねた構成とされていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 前記スペース部材は、キャップ部材を収納するキャップホルダの開口周縁部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 前記スペース部材は、キャップ部材を収納するキャップホルダの内底部より直立した状態で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記スペース部材は、ノズル形成面を構成する部材よりも軟質部材により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  5. 前記スペース部材のノズル形成面に当接する先端部は、その縦断面が円弧状になされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  6. 前記スペース部材は、キャッピング手段に3個以上形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  7. 前記スペース部材は、キャッピング手段が記録ヘッドのノズル形成面を封止した状態において、記録ヘッドのノズル開口に対向する位置を避けて配置されていることを特徴とする請求項1または請求項3乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  8. ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャップ部材を備えるとともに負圧発生手段からの負圧を受けてノズル開口からインクを吸引するキャッピング手段を搭載したインクジェット式記録装置であって
    記キャッピング手段には、ノズル形成面の封止によるキャップ部材の変形に基づいて前記ノズル形成面に当接するスペース部材が具備され、
    前記スペース部材は、先端に頭部を有する別体のピン部材を、キャップ部材を収納するキャップホルダに植設して構成され、前記頭部によってキャップ部材の内底部に配置されたインク吸収材がノズルプレート側に変形するのを阻止する固定部材を兼ねた構成とされていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  9. 前記頭部は、キャップホルダの先端部を加熱変形させることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置
  10. 前記スペース部材は、その頭部にインク誘導溝が施され、スペース部材の頭部に付着したインク滴をインク吸収材に誘導できるように構成したことを特徴とする請求項1、請求項8または請求項9に記載のインクジェット式記録装置。
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