JP3541932B2 - 液処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、微小隙間を有する被液処理物の液処理方法に関し、より詳細には、水晶振動子用金属キャップや感温ペレット型温度ヒューズ用金属ケースのような、開口部の内径寸法に比較して長さ寸法比が大きい被液処理物の酸洗いやめっき等の液処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,電子部品における金属部材は防錆やはんだ付け性などのために、めっきが施されることが多い。例えば、音叉型水晶振動子B用の金属キャップ41は、図8に示すように,円筒形状を有しその内外表面に防錆および圧入封止のためのはんだめっき層42を形成したものである。そして、この金属キャップ41の開口部に、気密端子43を圧入して封止する。この気密端子43は、円筒形状の金属外環44にガラス45を介して2本のリード46、46を気密かつ絶縁して封着したもので、そのリード46,46に、音叉型水晶振動片47の両面に形成した電極47a、47bをはんだ付け固着してある。ここで、前記金属キャップ41は、洋白と称されるCu‐Ni-Zn合金からなり、その内外表面に形成されたはんだめっき層42は、厚さが0.2〜10μm程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記金属キャップ41は、最近の電子部品の小型化の趨勢に伴って、ますます小型化されており、例えばその内径寸法が0.8〜3mmであるのに対して、長さ寸法が4〜9mmであり、長さ寸法対内径寸法比は2〜5にもなり、内奥部まではんだめっき層42を形成することがますます困難になっている。
【0004】
すなわち、一般に、この金属キャップ41のような寸法の小さな部品をめっきする場合は、回転バレル(図示省略)に数万個〜数十万個を一度に投入し、まず、酸洗い液に浸漬して、金属キャップ41の内外表面に付着している汚れ,油等を除去した後、はんだめっき液に浸漬して攪拌しながらめっきしているが、酸洗い液および/またははんだめっき液が、金属キャップ41の内奥部まで浸入しにくく、酸洗いおよび/またははんだめっきが不十分になりやすい。
【0005】
もし、酸洗いおよび/またははんだめっきが不十分であると、金属キャップ41の内奥部に錆が発生しやすくなり、万一錆が剥落して水晶振動片47に付着すると、水晶振動片47の固有の振動数が変動してしまい、基準周波数発生用の水晶振動子としての機能が損なわれる。
【0006】
このため、回転バレルの形状や攪拌棒の本数・形状等に様々な工夫が行われているが、未だ満足できるものは得られていない。
そこで、酸洗いやめっき処理の時間を長くして、金属キャップ41の内奥部まで酸洗いやめっきをするようにしているが、時間をかける割には目立った効果が得られていないのが、現状である。
また、回転バレル全体を減圧処理装置内に収納し、真空ポンプで装置内を減圧して、減圧下で酸洗いやめっき処理を行うことも提案されている。このような方法によれば、金属キャップ41の内奥部まで酸洗いやめっきを施すことは可能になるが、高湿度の空気を吸引するので精密な真空ポンプを使用できず、減圧レベルも低くポンプの寿命も短かった。さらに、真空ポンプや減圧処理装置等の設備費が著しく高くなるのみならず、金属キャップ41を入れた回転バレルを減圧処理装置内に収納した後に、密閉し減圧したり、液処理の終了後に、常圧に戻して開蓋し金属キャップ41を取り出したりしなければならず、時間当たりの金属キャップ41の処理数が著しく少なくなり、それに起因してめっき費用の高騰を招き、金属キャップ41やこの金属キャップ41を用いる水晶振動子の価格上昇が避けられないという問題点がある。
【0007】
このような問題は、上記の音叉型水晶振動子用金属キャップ41のみならず、図9に示す円板形状の水晶振動片57を縦に保持する水晶振動子C用の偏平筒状の金属キャップ51や、図10に示す感温ペレット型温度ヒューズD用の円筒形状の金属ケース61等においても同様である。
【0008】
そこで、本発明は、上記の各種水晶振動子用金属キャップや感温ペレット型温度ヒューズ用金属ケースのような、微小隙間を有する被液処理物の内奥部まで、低コストで液処理できる液処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の液処理方法は、微小隙間を有する被液処理物を液処理するに際して、被液処理物を沸騰した前処理液に浸漬し微小隙間に蒸気を満たす工程と、前処理液の温度を沸点よりも低下させることにより微小隙間内の蒸気を凝縮させ、その内圧低下により前処理液を微小隙間に浸入させる工程と、所定の処理液に浸漬して液処理を施す工程とを有することを特徴とする液処理方法である。
【0010】
【作用】
上記の方法によれば、沸騰した前処理液の蒸気が被液処理物の微小隙間に容易に浸入して、微小隙間の内奥部まで前液処理で濡らすことができ、続いて所定の処理液に浸漬することにより、処理液が前記濡れを利用して容易に被液処理物の内奥部まで浸入して、被液処理物の内奥部まで所定の処理液による液処理を低コストで実現することができる。
【0014】
本発明の請求項1及び2の発明は、開口部の内径寸法に比較して長さ寸法比が大きく、特に、長さ寸法対内径寸法比が2以上の、一端が閉じた筒形状である微小隙間を有する被液処理物を液処理するに際して、被液処理物を沸騰した前処理液に浸漬して被液処理物の微小隙間に蒸気を満たす工程と、前処理液の温度を沸点よりも低下させることにより微小隙間内の蒸気を凝縮させ、その内圧低下により前処理液を微小隙間に浸入させる工程と、所定の処理液に浸漬して液処理を施す工程とからなることを特徴とする液処理方法である。一端が閉じた筒形状は、液処理が困難な被液処理物の代表的なものであるが、このようなものでも、本発明によれば容易に液処理できる。前記前処理液は、水、アルコールおよびアルコール水溶液の群から選択されたいずれか一のものを用いるのが好ましい。
【0015】
本発明の請求項記載の発明は、微小隙間を有する被液処理物が、一端が閉じた筒形状を有し、長さ寸法と内径寸法の比が2以上であることを特徴とする液処理方法である。一端が閉じた長円筒形状を有し、長さ寸法と内径寸法の比が2以上もある被液処理物は、液処理が困難な被液処理物の最たるものであるが、このようなものでも、本発明方法によれば容易に液処理できる。
【0016】
本発明の請求項記載の発明は、微小隙間を有する被液処理物が、円筒形状を有する音叉型水晶振動子用金属キャップであることを特徴とする液処理方法である。円筒形状を有する音叉型水晶振動子用金属キャップは、その内奥部までめっき処理できない場合、その内奥部が発錆しやすく、もし封止後にその錆が剥離して水晶振動片に付着すると、水晶片の振動数が変動するが、本発明ではそのような事態が防止できる。
【0017】
本発明の請求項記載の発明は、微小隙間を有する被液処理物が、一端が閉じた偏平筒状を有する水晶振動子用の金属キャップであることを特徴とする液処理方法である。一端が閉じた偏平筒状を有する水晶振動子用の金属キャップは、円筒形状を有する音叉型水晶振動子用の金属キャップよりも開口部の面積が大きいので、円筒形状を有する音叉型水晶振動子用の金属キャップ程ではないが、内奥部まで液処理が困難なものの一つであり、このようなものでも容易に液処理できる。
【0018】
本発明の請求項記載の発明は、微小隙間を有する被液処理物が、円筒形状を有する感温ペレット型温度ヒューズ用金属ケースであることを特徴とする液処理方法である。円筒形状を有する感温ペレット型温度ヒューズ用金属ケースは、内面に発錆すると、可動接点との接触抵抗が増大して、内部抵抗大により発熱が大きくなり、それによって感温ペレットが誤溶融したり、また、感温ペレットが溶融したときに、可動接点の摺動が円滑にできず、信頼性の高い動作特性が得られなくなる事態が発生するが、そのような事態を防止できる。
【0019】
【実施例】
本発明の実施例について、以下、図面を参照して説明する。
図1は本発明の被液処理物の一実施例である音叉型水晶振動子用金属キャップ1の断面図を示す。この金属キャップ1は、洋白(45〜65wt%Cu−6〜35wt%Ni−15〜35wt%Znの組成を有するCu−Ni−Zn合金)よりなる一端が閉じた円筒形状のもので、外径寸法が0.91〜2.94mm、内径寸法が0.89〜2.63mm、長さ寸法が4.0〜9.0mmで、長さ寸法対内径寸法比は3〜5である。
【0020】
上記金属キャップ1の内外両面に、図2に示すように、防錆および圧入封止のために、0.5〜10μm程度のはんだめっき層2を形成する。
図3は、前記金属キャップ1の内外両面に、酸洗いおよびはんだめっき処理を施す前に、前液処理を施すために用いる前液処理装置の断面図を示す。
図3において、11は前処理槽で、底部に前処理液加熱用のヒータ12を配設してあり、前処理液の一例としてのイソプロピルアルコール液13(以下、単にアルコール液13と称する)が収容されている。このアルコール液13の中に、多数の金属キャップ1が収容された回転バレル14が浸漬されている。15はアルコール液13の蒸気の発散減少を防止するための開閉自在の蓋である。
【0021】
上記の構成で、ヒータ12に通電して、アルコール液13を沸点である82.4℃以上に加熱してあり、回転バレル14を浸漬することにより、内部に収容された多数の金属キャップ1に前処理を施す。この前処理時に、アルコール液13が金属キャップ1の内部に浸入する。
このとき、もし、図4(a)に示すように、アルコール液13が浸入しないでエアポケット16を有する金属キャップ1があっても、アルコール液13が沸点以上に加熱されていることにより、その金属キャップ1のエアポケット16には、図4(b)に示すように、アルコール液13の蒸気13aが容易に浸入する。このようにして、金属キャップ1のエアポケット16にアルコール液13の蒸気13aがどんどん浸入していくと、その蒸気圧が次第に上昇していき、ついにエアポケット16の気圧を上回るようになり、ついには飽和する。この後、ヒータ12への通電を遮断し加熱を停止して、一旦前処理液であるアルコール液13の温度を沸点よりも低下させる。すると、金属キャップ1のエアポケット16に浸入したアルコール液13の蒸気13aが凝結して、内部のエアポケット16内の圧力が低下し、これに伴って図4(c)に示すように、金属キャップ1の内奥部にアルコール液13が浸入して、金属キャップ1の内面がアルコール液13で濡れる。
【0022】
次に、この回転バレル14をアルコール液13から引き上げ、直接または水洗後、酸洗い槽(図示省略)の酸洗い液に浸漬して回転させる。すると、金属キャップ1の内奥部は既にアルコール液13または水洗用の洗浄水により濡れているので、この濡れを利用して金属キャップ1の内奥部に容易に酸洗い液が浸入して、酸洗いが実施できるため、金属キャップ1の内外表面に付着した汚れや油等が除去される。
【0023】
次に、この回転バレル14を酸洗い液から引き上げて、水洗槽(図示省略)の洗浄水に浸漬して回転させる。すると、酸洗い液の濡れを利用して金属キャップ1の内奥部に容易に洗浄水が浸入して、内外両面の酸洗い液が洗い流されて、清浄化される。
【0024】
次に、この回転バレル14を洗浄水から引き上げて、めつき槽(図示省略)のはんだめっき液に浸漬して回転させる。すると、洗浄水の濡れを利用して金属キャップ1の内奥部に容易にめっき液が浸入して、内外両面に容易かつ確実にはんだめっき層が形成できる。
このようにして、金属キャップ1の内外両面には、図2に示すように、容易かつ低コストで0.5〜10μm程度のはんだめっき層2が形成できるのである。
【0025】
図5は、上記のようにして内外両面にはんだめっき層2を形成した金属キャップ1の開口部に、気密端子3を圧入封止した音叉型水晶振動子Aの断面図を示す。気密端子3は、円筒形の金属外環4の内部にガラス5を介して、2本のリード6,6を気密に封着したものである。前記金属外環4は、金属キャップ1の内径寸法よりも若干大きい外径寸法を有する、例えば低炭素鋼やFe−Ni合金やFe−Ni−Co合金等よりなるものである。前記ガラス5は、ソーダライムガラスやソーダバリウムガラスやホウケイ酸ガラス等よりなる。前記リード6,6は、Fe−Ni合金やFe−Ni−Co合金等よりなり、外径寸法が0.15〜0.3mmのものである。
前記金属外環4およびリード6,6の表面には、圧入封止およびはんだ付けのために、0.5〜10μm程度のはんだめっき層(図示省略)が形成されている。前述したように、金属キャップ1の内面に0.5〜10μm程度のはんだめっき層2が形成されていると、金属外環4の外周面には必ずしもはんだめっき層は必要ではないが、リード6,6の表面にははんだめっき層が必要であり、しかもリード6,6のみに部分はんだめっきを施すことは困難ないしコスト高になるので、回転バレルめっき等により、リード6,6と同時に、金属外環4にもはんだめっき層を形成しておくことが望ましい。
7は音叉型の水晶振動片で、その両面には電極7a,7bが形成されており、これらの電極7a,7bが気密端子3のリード6,6に形成されているはんだめっき層を利用してはんだ付けされて、電気的に接続されると共に機械的に固着されている。
【0026】
上記のように、リード6,6に水晶振動片7を接続固着した気密端子3は、内外両面にはんだめっき層2を形成した金属キャップ1に圧入されて封止される。このような圧入封止は、金属キャップ1の開口端が徐々に拡開されることによる金属外環4との強い密着と、金属キャップ1の内面に被着されているはんだめっき層2(金属外環4の外周面にもはんだめっき層を形成している場合はそのはんだめっき層も)が両者間を埋めていることと相俟って、十分な気密性が得られる。この圧入封止時に、金属外環4の外径寸法と金属キャップ1の内径寸法との関係から、ガラス5は強い圧縮応力を受けるが、ガラスは圧縮応力には強いので、圧縮応力によって破壊されることはない。このように、圧入封止は、溶融ろう材による封止や低融点ガラスによる封止に比較して、封止時に加熱を必要としないので、設備的に有利であるのみならず、加熱によって水晶振動片7が劣化して特性変動を生じるといったことがない。しかも、樹脂封止に比較して、封止時または封止後に発生ガスによって、水晶振動片7が特性変動を生じるといったことがない。
【0027】
図6は、本発明の液処理方法を実施する被液処理物の第2の例である円板形状の水晶振動片を縦に保持する水晶振動子用の偏平筒形状の金属キャップ21の断面図で、図6(a)は長手方向の中心線に沿う断面図であり、図6(b)は短手方向の中心線に沿う断面図である。このような金属キャップ21は、図1の音叉型水晶振動子用金属キャップ1に比較して、開口部の面積が大きいので、金属キャップ1程には液処理は困難ではないとはいうものの、やはり液処理は容易ではない。この金属キャップ21の材質は、封止方法によって異なり、冷間圧接型のものでは、外面側がコバールまたはコバーと称されるFe−Ni−Co合金よりなり、内面側が銅よりなる、いわゆる銅クラッドコバールないし銅クラッドコバー製で、抵抗溶接型やはんだ封止型のものでは鉄製である。そして、長手方向の外径寸法が10.13〜18.29mm、内径寸法が10.03〜18.04mm、短手方向の外径寸法が3.73〜8.26mm、内径寸法が3.53〜8.06mm、長さ寸法が12.7〜19.05mm程度のもので、長さ寸法と短手寸法の内径寸法の比は2〜4である。
【0028】
このような金属キャップ21においても、その内外両面にめっき層22を形成する。このめっき層22としては、金属キャップ21の封止方法により異なり、冷間圧接型や抵抗溶接型のものでは、その内外両面に0.01〜2μm程度の金めっき層や1〜4μm程度のニッケルめっき層を形成し、はんだ封止型のものでは4〜10μm程度のSn(錫)めっき層を形成する。
このような金属キャップ21においても、前記金属キャップ1と同様の本発明方法により、その内奥部まで容易かつ確実に前処理が実施でき、したがって所望のめっき処理が容易かつ確実に低コストで実施できるものである。
このように、図1に示す金属キャップ1よりも開口部が大きい図6の金属キャップ21に対しては、前処理液の内奥部への浸入がしやすいことに鑑みて、前処理液としてはコストの高いアルコール液よりもコストの安いアルコール水溶液や水を使用する方が有利である。
【0029】
図7は、本発明の液処理方法を実施する被液処理物の第3の実施例である感温ペレット型温度ヒューズ用の円筒形状の金属ケース31の断面図を示す。
この金属ケース31は、全体として円筒形状を呈する銅よりなり、その一端側には、絶縁ブッシング(図10における符号69参照)を受け入れおよび位置決めしてかしめ固定するための薄肉部32と段部33とを有する。また、他端には、リード線(図10における符号62参照)を挿入してかしめ固定するための小径の孔34を有する。
この金属ケース31は、例えば外径寸法が4〜4.5mm、内径寸法が3.5〜4.0mm、長さ寸法が8〜9mm程度で、長さ寸法対内径寸法比は2〜3のものである。
そして、この金属ケース31の内外両面には、一部を円内に拡大して示すように、防錆のためにニッケルめっき層35を形成し、さらに可動接点(図10における符号67参照)との接触抵抗を低減するために、銀めっき層36を形成する。
この金属ケース31は、前述の水晶振動子用金属キャップ1,21に比較して、他端に小径の孔34を有し閉じていないので、全く閉じている場合よりは液処理が容易であるとはいえ、長さ寸法対内径寸法比が2〜3にも達するので、やはりめつき処理が容易ではない。
このような金属ケース31においても、本発明により前記した金属キャップ1,21と同様に、内外両面にニッケルめっき層35や銀めっき層36を、容易かつ確実に低コストで形成することができる。
【0030】
なお、本発明の上記実施例は、特定の構成の被液処理物について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲で、各種の変形が可能であることはいうまでもない。
【0031】
例えば、上記実施例においては、被液処理物として、円筒形状の音叉型水晶振動子用金属キャップ1や偏平筒形状の水晶振動子用金属キャップ21について説明したが、楕円形状の水晶振動子用金属キャップについても、同様に実施できるものである。
【0032】
また、上記実施例においては、被液処理物として水晶振動子用金属キャップ1,21や温度ヒューズ用金属ケース31について説明したが、それ以外の電子部品のめっき処理に適用することができる。
【0033】
さらに、上記実施例では、回転バレルを用いる液処理方法について説明したが、傾斜バレルその他を用いる液処理方法についても、同様に実施できるものである。
【0034】
【発明の効果】本発明方法は、微小隙間を有する被液処理物を液処理するに際して、被液処理物を沸騰した前処理液に浸漬し微小隙間に蒸気を満たす工程と、前処理液の温度を沸点よりも低下させることにより微小隙間内の蒸気を凝縮させ、その内圧低下により前処理液を微小隙間に浸入させる工程と、所定の処理液に浸漬して液処理を施す工程とを有することを特徴とする液処理方法であるから、前処理液が被液処理物の内奥部に容易に進入して濡れるので、次に所定の酸洗い液やめっき液等の処理液に浸漬した際に、前処理液の濡れを利用して処理液が被液処理物の微小隙間の内奥部まで容易かつ確実に浸入して、被液処理物の内奥部まで容易かつ低コストで液処理を施すことができる液処理方法が提供できるという特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する被液処理物の第1実施例である円筒形状の音叉型水晶振動子用金属キャップの断面図
【図2】本発明により内外両面にはんだめっき層が形成された金属キャップの断面図
【図3】本発明の液処理方法の実施例方法について説明するための前液処理装置の断面図
【図4】本発明の液処理方法について説明するための前液処理時の前処理液中における金属キャップ内の状態を示し、(a)は浸漬直後の状態、(b)は蒸気充満状態、(c)は前処理液の浸入後の状態の断面図
【図5】本発明の第1実施例の水晶振動子用金属キャップの開口部に気密端子を圧入封止した音叉型水晶振動子Aの断面図
【図6】本発明方法を適用する被液処理物の第2実施例である偏平筒形状の水晶振動子用金属キャップを示し、(a)は長手方向の中心線に沿う断面図、(b)は短手方向の中心線に沿う断面図
【図7】本発明方法を適用する被液処理物の第3実施例である感温ペレット型温度ヒューズ用金属ケースの断面図
【図8】従来の円筒形状の音叉型水晶振動子Bの断面図
【図9】従来の偏平形状の水晶振動子Cを示し、(a)は長手方向の中心線に沿う断面図、(b)は短手方向の中心線に沿う断面図
【図10】従来の感温ペレット型温度ヒューズDの断面図
【符号の説明】
1 円筒型水晶振動子用金属キャップ(被液処理物)
2 はんだめっき層
3 気密端子
4 金属外環
5 ガラス
6 リード
7 水晶振動片
7a,7b 電極
11 前液処理槽
12 ヒータ
13 前処理液(アルコール液)
13a 前処理液の蒸気
14 回転バレル
15 蓋
16 エアポケット
21 偏平円筒型水晶振動子用金属キャップ(被液処理物)
22 めっき層(金めつき層,ニッケルめっき層,錫めっき層)
31 温度ヒューズ用金属ケース(被液処理物)
35 ニッケルめっき層
36 銀めっき層

Claims (5)

  1. 開口部の内径寸法に比較して長さ寸法比が大きく、一端が閉じた筒型状の被液処理物を液処理するに際し、被液処理物を沸騰した前処理液に浸漬して被液処理物の微小隙間に蒸気を満たす工程と、前処理液の温度を沸点よりも低下させることにより微小隙間内の蒸気を凝縮させ、その内圧低下により前処理液を微小隙間に浸入させる工程と、所定の処理液に浸漬して液処理を施す工程とからなる液処理方法。
  2. 前記被液処理物の長さ寸法と内径寸法の比が2以上であることを特徴とする請求項1に記載の液処理方法。
  3. 前記被液処理物は円筒形状を有する音叉型水晶振動子用の金属キャップであることを特徴とする請求項2に記載の液処理方法。
  4. 前記被液処理物は一端が閉じた偏平筒状を有する音叉型水晶振動子用の金属キャップであることを特徴とする請求項2に記載の液処理方法。
  5. 前記被液処理物は円筒形状を有する感温ペレット型温度ヒューズ用金属ケースであることを特徴とする請求項1に記載の液処理方法。
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