JP3540364B2 - 雲台の平衡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、雲台の平衡装置に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、傾動時の回転力と釣り合う適正な復元力を簡便な構造で発生させ、搭載したカメラ、ビデオカメラ、ムービーカメラ等の撮影機器を安定かつ円滑に傾動させることができ、しかも種々の重量の撮影機器にも容易に復元力を対応させることのできる雲台の平衡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来より、三脚等の支持装置にカメラ、ビデオカメラ、ムービーカメラ等の撮影機器を固定するとともに、傾動および水平回転を円滑かつ自在に行うための装置として、雲台が広く用いられてきている。雲台の中には、搭載した撮影機器を下方に傾動させた時に、撮影機器が急激に回転し落下するのを防止するために、平衡装置を内蔵したものが知られてもいる。
【0003】
この雲台の平衡装置は、傾動時に、撮影機器の重心の移動により発生する回転力と釣り合う復元力を、バネ等の弾性体により発生させるものであり、この回転力と平衡する復元力により、撮影機器の落下を防止し、安定かつ円滑に傾動を行わせ、その操作性を良好なものとしている。
このような雲台の平衡装置については、たとえば特公平2−27560 号公報、実公平3−13037 号公報などに記載された装置がこれまでに提供されている。しかしながら、これらの装置においては、いずれも雲台の傾動にともなって偏心して回転するクランクやカムを用いており、その設計には種々の因子を考慮しなければならず、設計が面倒であるとともに難しく、また、装置構造が複雑でもあり、コスト高となり、しかも操作性も余り良好なものとは言えなかった。
【0004】
この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の雲台の平衡装置の欠点を解消し、傾動時の回転力と釣り合う適正な復元力を簡便な構造で発生させ、搭載したカメラ、ビデオカメラ、ムービーカメラ等の撮影機器を安定かつ円滑に傾動させることができ、しかも種々の重量の撮影機器にも容易に復元力を対応させることのできる、新しい雲台の平衡装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するものとして、傾動時に回転力に釣り合う適正な復元力を発生し、安定かつ円滑に傾動させる雲台の平衡装置であって、基部に対して垂直に配設した縦軸に傾動自在に支持された支柱の傾動の中心軸と一致する水平軸と、縦軸の内部に配置され、前記水平軸に水平移動自在に支持された左右一対のホルダーと、ホルダー間を水平方向に貫通し、縦軸の左右両側に固定されたキャップに固定され、同軸上に設けられた複数のシャフトと、シャフトの周囲に配設され、ホルダー間に水平方向に支持された圧縮された弾性体と、少なくとも一方のホルダーと連結し、傾動時にはそのホルダーとともに縦軸内部内側に水平移動するガイドピンと、周縁端部にガイドピンの側面と当接する湾曲面を有し、支柱に接続され、この支柱とともに回動し、傾動時には前記湾曲面によりガイドピンを縦軸内部内側に水平方向に押し込み、ホルダー間に弾性体をさらに圧縮させる回動部材とからなることを特徴とする雲台の平衡装置を提供する。
【0006】
またこの発明においては、ネジ部材を有し、弾性体の弾性力を調節する調節ツマミを支柱前面部に回転自在に配置するとともに、前記ネジ部材に対応するネジ穴を水平軸の一端部に形成し、調節ツマミの回転によりネジ部材をネジ穴に挿脱自在として水平軸を水平方向に移動自在とし、さらに、ネジ穴と反対側の水平軸の端部にガイドピンを設けないホルダーを接続し、調節ツマミの回転による水平軸の水平移動にともなわせてそのホルダーを水平移動させ、ガイドピンを接続したホルダーとの間に弾性体をさらに圧縮し、弾性体の弾性力を調節することを好ましい態様の一つとしている。あるいはまた、支柱前面部に配置され、弾性体の弾性力を調節する調節ツマミを水平軸に固定し、この調節ツマミとともに水平軸を回転自在とし、かつ水平軸の端部外周面にネジ部を形成するとともに、このネジ部と噛み合う別のネジ部を回動部材内周面に設け、調節ツマミの回転により回動部材を支柱に接続したまま水平移動させ、ガイドピンを介してホルダー間に弾性体をさらに圧縮し、弾性体の弾性力を調節することを好ましい態様としてもいる。
【0007】
さらにこの発明においては、縦軸とホルダーとの間に、ホルダー間に配置された弾性体とは別の弾性体を配設し、この弾性体でホルダーを縦軸内部内側に押圧することをも好ましい態様の一つとしている。
【0008】
【作 用】
この発明の雲台の平衡装置は、基部に対して垂直に配設した縦軸に傾動自在に支持された支柱の傾動の中心軸と一致する水平軸と、縦軸の内部に配置され、前記水平軸に水平移動自在に支持された左右一対のホルダーと、ホルダー間を水平方向に貫通し、縦軸の左右両側に固定されたキャップに固定され、同軸上に設けられた複数のシャフトと、シャフトの周囲に配設され、ホルダー間に水平方向に支持された圧縮された弾性体と、少なくとも一方のホルダーと連結し、傾動時にはそのホルダーとともに縦軸内部内側に水平移動するガイドピンと、周縁端部にガイドピンの側面と当接する湾曲面を有し、支柱に接続され、この支柱とともに回動し、傾動時には前記湾曲面によりガイドピンを縦軸内部内側に水平方向に押し込み、ホルダー間に弾性体をさらに圧縮させる回動部材とから構成されるものである。このような構成とすることによって、傾動時の回転力と釣り合う適正な復元力を簡便な構造によって実現することができる。カメラ、ビデオカメラ、ムービーカメラ等の撮影機器を安定かつ円滑に傾動させることができ、その操作性は良好となる。製造も簡便かつ容易となり、コストの低減が図れる。
【0009】
またこの発明の雲台の平衡装置においては、支柱前面部に回転自在な調節ツマミを配置し、この調節ツマミの回転によりホルダー間に弾性体をさらに圧縮し、復元力の大きさを撮影機器の重量等に合わせて適宜に調節することができる。種々の撮影機器への対応が容易となる。
さらにこの発明の雲台の平衡装置では、縦軸とホルダーとの間に、ホルダー間に配置された弾性体とは別の弾性体を設けることができ、上記した調節ツマミによる復元力の調節を補助することができる。この縦軸とホルダーとの間に設ける弾性体の弾性力によって調節ツマミの回転力を軽減させることができ、軽い回転力でも調節ツマミは回転し、調節ツマミの回転操作がスムーズとなる。
【0010】
【実施例】
以下、図面に沿って実施例を示し、この発明の雲台の平衡装置についてさらに詳しく説明する。
図1は、この発明の雲台の平衡装置の一実施例を示した断面図である。
この図1に示した例においては、雲台本体の基部(1)に対して縦軸(2)を垂直に配設し、一体としている。縦軸(2)の左右両側には、中央部に開口を有するキャップ(3)を固定しており、このキャップ(3)の中央開口部にベアリング(4)を介して支柱(5)を接続している。この左右一対の支柱(5)の上部には、カメラ、ビデオカメラ、ムービーカメラ等の撮影機器を取り付けるためのカメラ台(6a)およびカメラ取付プレート(6b)を設けている。このようにして、左右一対の支柱(5)が、縦軸(2)のキャップ(3)に支持されて垂直方向に傾動し、撮影機器の傾動が可能となる。
【0011】
またこの例においては、雲台本体中央部に、支柱(5)の傾動の中心軸と一致する水平軸(7)を配置している。この水平軸(7)は、後述するように、水平方向にのみ移動自在としている。また、縦軸(2)に設けたキャップ(3)の内部に、左右一対のホルダー(8a)(8b)を水平軸(7)上にスライド移動自在に配設している。ホルダー(8a)(8b)の間には、これらを水平方向に貫通する複数のシャフト(9)を同軸上に設けている。これらのシャフト(9)は、その両端部において縦軸(2)のキャップ(3)に固定され、ホルダー(8a)(8b)の回転を不能にしている。また、シャフト(9)の周囲には、左右両端部をそれぞれホルダー(8a)(8b)に接続したスプリング(10)を配設している。これらのスプリング(10)は、ホルダー(8a)(8b)間に圧縮され、その弾性力は、左右一対のホルダー(8a)(8b)を外側に押圧するように作用する。このため、左側のホルダー(8a)は、水平軸(7)の左端部に設けた座金(11)にベアリング(12)を介して当接する。一方、右側のホルダー(8b)には、その側部にガイドピン(13)を上下に一本ずつベアリング(14)を介して連結し、ホルダー(8b)と一体的にガイドピン(13)を水平軸(7)上に水平移動自在としている。ガイドピン(13)は、この図1の例のように上下に一本ずつ設ける他、上下いずれかに一本とすることもできる。また、上下方向ばかりでなく、水平方向に設けてもよい。その本数単数または複数の任意とすることができる。
【0012】
さらにこの例においては、ガイドピン(13)の側面に当接する周縁端面を有する回動部材(15)を、傾動自在とした右側の支柱(5)に固定している。この回動部材(15)は、傾動時に、ガイドピン(13)をホルダー(8b)とともに縦軸(2)のキャップ(3)の内側に水平方向に押し込むためのものである。また、回動部材(15)の周縁端面は、ホルダー(8a)(8b)間に水平方向に設けたスプリング(10)の弾性力により確実にガイドピン(13)の側面に当接する。
【0013】
図2のa,bおよびcは、回動部材の一例を示した平面図、断面図および側面図である。
たとえばこの図2に示したように、回動部材(15)は、図1に例示したガイドピン(13)の側面に接する周縁端部に、平滑でなめらかな起伏を有する湾曲面(16)を形成している。この湾曲面(16)は、図2の例を展開して示した図3の例のように、前に90°、後ろに75°を傾動の限界として、90°周期で起伏が繰り返す湾曲面とすることができる。すなわち、この図3の例においては、前に90°、後ろに75°を傾動の限界とし、前後の傾動限界に対応させて山部(17)を設け、傾動しない状態には谷部(18)を対応させ、これらの山部(17)および谷部(18)をそれぞれ90°周期で設けている。こうすることにより、前後に傾動するに従って、ガイドピン(13)の側面に接触する湾曲面(16)を、谷部(18)から山部(17)へとなめらかに変化させ、ガイドピン(13)を縦軸(2)のキャップ(3)の内側、すなわち図1の左方向へ水平に移動させることができる。また、このような周期面とすることにより、山部(17)と谷部(18)とを図2aに例示したように回転対称に配置することも可能である。図1の例のようにガイドピン(13)を対称配置する場合に、傾動時にこれらのガイドピン(13)の側面に接しつつ、ガイドピン(13)を水平方向に同じ距離だけ縦軸(2)のキャップ(3)の内側に押し込むことができる。もちろん、回動部材(15)周縁端部の湾曲面(16)の形状についてはこれら図2および図3の例に限定されることはない。ガイドピン(13)の配置位置や個数、水平方向の移動距離等に応じて適宜な形状とすることができる。たとえば前後に90°ずつの傾動に対応させて湾曲面(16)の形状を設計することも可能である。
【0014】
また図1の例においては、右側の支柱(5)の前面部にベアリング(19)を介して調節ツマミ(20)を回転自在に配設している。この調節ツマミ(20)は、復元力の大きさを搭載する撮影機器の重量に応じて適当に調節するためのものである。この調節ツマミ(20)には、先端部にネジ部を有するネジ部材(21)を連結している。一方、水平軸(7)の右端内周部には、そのネジ部材(21)のネジ部と噛み合う別のネジ部を有するネジ穴を形成し、かつ右側先端部を支柱(5)の中央部に形成した空間(22)のキー溝(23)に摺動自在に接続している。こうすることにより、調節ツマミ(20)を回転させると、ネジ部材(21)が調節ツマミ(20)とともに回転し、水平軸(7)のネジ穴に噛み込まれ、水平軸(7)が空間(22)方向、すなわち図1の右方向に水平に移動する。すると、左側のホルダー(8a)が水平軸(7)左端部の座金(11)にともなわれてシャフト(9)に沿って右方向に水平移動する。このホルダー(8a)の右方向への移動により、スプリング(10)が左右一対のホルダー(8a)(8b)間においてさらに圧縮され、スプリング(10)の弾性力が強められ、傾動時に発生させる復元力を大きくすることができる。搭載する撮影機器の重量が重い時などに、傾動時の回転力に釣り合うように復元力を大きくすることができ、撮影機器の重量に応じた適正な復元力とすることができる。このような復元力の調節は撮影機器搭載時、あるいは非搭載時、さらには傾動時の任意の時期に行うことができる。その操作は簡便である。
【0015】
たとえば以上の構成を有する雲台の平衡装置は次のように作動する。
すなわち、カメラ、ビデオカメラ、ムービーカメラ等の撮影機器を、カメラ取付プレート(6b)を介してカメラ台(6a)に据え付け、前あるいは後ろに撮影機器を傾動させると、支柱(5)が傾動し、これと同時に回動部材(15)が回動する。支柱(5)の傾動により水平軸(7)が座金(11)および調節ツマミ(20)とともに回動するが、ベアリング(12)(19)の存在によりその回動はスムーズに行われ、また、その回動の影響を他の部材に与えずに済む。一方、回動部材(15)周縁端部の湾曲面(16)は、図2および図3に例示したように、初期状態には谷部(18)がガイドピン(13)の側面に当接しているが、傾動にともなって山部(17)方向に回動し、ガイドピン(13)を図1の左方向に水平方向に押し込む。回動部材(15)の湾曲面(16)は、なだらかに谷部(18)から山部(17)に移行するため、ガイドピン(13)は徐々に水平軸(7)上を左方向に水平移動する。ガイドピン(13)の水平移動は、ベアリング(14)によりスムーズに行われる。このガイドピン(13)の水平移動と一体的に右側のホルダー(8b)が、水平軸(7)上をシャフト(10)に沿って左方向に水平移動する。このホルダー(8b)の左方向への水平移動によって、左側のホルダー(8a)との間にスプリング(10)が徐々にさらに圧縮され、弾性力が大きくなる。このように、撮影機器の傾動にともなってスプリング(10)はさらに圧縮され、弾性力を増していき、復元力が大きくなる。撮影機器の傾動が大きくなると、その重心の移動により回転力が大きくなるが、上記の通り、復元力も回転力と釣り合うように大きくなるため、撮影機器がいかなる傾動状態にあっても回転力と復元力は常に釣り合い、撮影機器が急に回転し落下するのを防止することができる。しかも復元力は、前記の通りに、撮影機器の重量等に対応して調節することができ、種々の撮影機器に容易に対応することができる。一方、撮影機器を元の状態に戻すと、支柱(5)の復帰にともなって回動部材(15)が上記とは逆方向に回動し、スプリング(10)の弾性力によりガイドピン(13)がホルダー(8b)とともに押し戻され、その側面を回動部材(15)の周端側部の湾曲面(16)に接したまま図1の右方向に水平に戻る。これと同時に、スプリング(10)の弾性力は次第に小さくなり、復元力も回転力に対応して小さくなる。傾動状態に対応した復元力となり、この復元力は常時回転力と釣り合う。このように、この発明の雲台の平衡装置は、傾動時に回転力と釣り合う適正な復元力を発生することができ、撮影機器の安定かつ円滑な傾動が得られる。その操作性も良好となる。しかもそれを前記の通りの簡便な構造によって実現することができ、雲台の製造も簡便かつ容易となり、コストの低減が図れる。
【0016】
図4は、この発明の雲台の平衡装置の別の例を示した断面図である。
この図4の例においては、ガイドピン(13)をその両端部においてベアリング(14)を介して右側のホルダー(8b)に連結し、回動部材(15)によるガイドピン(13)の水平移動をより安定なものとしている。その他の構成は図1の例と同様としている。この図では、シャフト(9)およびスプリング(10)を省略して図示しているが、これらは図1の例と同様に左右一対のホルダー(8a)(8b)間に水平方向に設けられている。また、キー溝(23)も空間(22)の内周部に設けられている。
【0017】
図5は、この発明の雲台の平衡装置のまた別の例を示した断面図である。
この図5の例においては、縦軸(2)のキャップ(3)の内部に配置した左右一対のホルダー(8a)(8b)の両方の側部に、上下に一本ずつ配置したガイドピン(13a)(13b)を連結している。また、これらのガイドピン(13a)(13b)の側面に当接する湾曲面を周縁端部に有する2つの回動部材(15a)(15b)を、水平軸(7)上に対向配置している。これらの回動部材(15a)(15b)は、傾動自在な支柱(5)に対して水平方向に移動自在に接続している。また、これらの回動部材(15a)(15b)は、調節ツマミ(20)の回転により水平移動するようにしている。すなわち、この図5の例においては、水平軸(7)は、図1および図4の例と異なり、水平方向には移動せず、単に回転自在のみとしている。調節ツマミ(20)は、水平軸(7)の右端部に固定されており、この調節ツマミ(20)の回転により水平軸(7)が回転するようにしている。また、水平軸(7)の両端部の外周面には、ネジ部(24a)(24b)を形成しており、しかもこれらのネジ部(24a)(24b)に設けたネジの方向を互いに逆向きとしている。一方、ネジ部(24a)(24b)と対向する回動部材(15a)(15b)の内周面には、それらのネジ部(24a)(24b)と噛み合う別のネジ部を設けている。このため、調節ツマミ(20)を回転すると、水平軸(7)が回転し、この水平軸(7)の回転にともなって、回動部材(15a)(15b)が水平軸(7)上を水平移動する。また、ネジ部(24a)(24b)のネジの向きを互いに逆方向としているため、回動部材(15a)(15b)は相対的に水平軸(7)上を水平移動する。このような回動部材(15a)(15b)の相対的な水平移動により、これを連結したホルダー(8a)(8b)もシャフト()に沿って相対的に水平移動し、それらの間にスプリング(10)をさらに圧縮することができる。復元力の大きさを撮影機器の重量等に応じて適正に調節することができる。
【0018】
なお、この例においても傾動時に作用する復元力は、図1および図4に示した例と同様に、回転力に応じて変化し、常時釣り合い状態が保たれる。この図5の例の場合には、左右両方の回動部材(15a)(15b)が傾動にともなって回動し、ガイドピン(13a)(13b)を縦軸(2)のキャップ(3)の内側に水平に押し込み、ホルダー(8a)(8b)を内側にシャフト()に沿って水平移動させ、スプリング(10)を圧縮することができる。傾動による回転力の増大に釣り合いながら復元力も大きくなる。一方、撮影機器を元の状態に戻す時には、支柱(5)の復帰と同時に回動部材(15a)(15b)が上記とは逆方向に回動し、また、スプリング(10)の弾性力によりホルダー(8a)(8b)が縦軸(2)のキャップ(3)方向に押し戻され、ガイドピン(13a)(13b)が回動部材(1a)(1b)周縁端部の湾曲面に当接したまま元の位置まで水平移動する。これと同時に、回転力の減少にともなって復元力が小さくなり、釣り合い状態が保持される。
【0019】
図6は、この発明の雲台の平衡装置のさらにまた別の例を示した断面図である。
この例の平衡装置は、図1に例示した装置と基本的な構成において共通しているが、図1に示した側のキャップ(3)は、縦軸(2)と一体化されている。この縦軸(2)の左側および下側に雲台の制動装置(25)が連結されて雲台が組み立てられている。
【0020】
またこの例においては、縦軸(2)の内部において左側に位置するホルダー(8a)と図1の例の左側のキャップ(3)に相当する縦軸(2)の左側面との間に、上記したスプリング(10)とは別の弾性体としてのスプリング(26)が配設されている。このスプリング(26)は、ホルダー(8a)を図6の右側、すなわちホルダー(8b)方向に押圧するように、その弾性力が作用するようにしている。このようなスプリング(26)を設けることによって、調節ツマミ(20)による復元力を調節操作をスムーズなものとすることができる。スプリング(26)は、上記の通り、ホルダー(8a)をホルダー(8b)方向に押圧するため、調節ツマミ(20)を回転させて水平軸(7)を図6の右側に水平移動させ、スプリング(10)による復元力を大きくする際には、その移動を補助するように作用する。このため、調節ツマミ(20)を回転させる回転力が軽減され、さほど大きな力でなくとも調節ツマミ(20)を楽に回すことができる。一方、復元力を小さくする際には、スプリング(10)の弾性復元を妨げることなくスプリング(26)は圧縮される。これと同時に、スプリング(10)の急激な伸びが緩和される。このため、ガイドピン(13)や回部材(15)などに加わる応力が緩和され、その寿命を長くし、操作信頼性を安定に確保するのにも好適となる。
【0021】
このようなスプリング(10)等の弾性体の配設は、この図6の例に限定されることはなく、図6の右側のホルダー(8b)とキャップ(3)との間に設けることも可能である。その個数についても特に制限はなく、たとえば傾動時に発生させる復元力の大きさ等に対応して適宜な数とすることができる。
たとえば以上に示したこの発明の雲台の平衡装置は、図6にも例示したように、制動装置(25)との組合せが可能であり、このような組合せによって多機能を有する雲台が実現される。
【0022】
図6に例示した制動装置(25)は、雲台の水平回転および傾動時の回転速度を適宜な大きさに変更させることを可能とするものである。縦軸(2)の下部に設けた制動装置(25)は水平回転用のものであり、縦軸(2)の左側に隣接して設けた制動装置(25)が傾動用である。
この制動装置(25)には、同軸上に配置された複数の突片(31)を内底面に有するケース体(32)が備えられ、このケース体(32)の内部に制動円板(33)がその突片(31)方向に移動自在に配置されている。制動円板(33)には、ケース体(32)と同様に、同軸上に配置された複数の突片(34)が設けられており、この突片(34)は、ケース体(32)の突片(31)の間および最外部の突片とケース体(32)の内側面との間に挿入されるようにしている。また、制動円板(33)には、突片(34)およびその間の底面に貫通穴(35)(36)が、突片(34)の方向に形成されている。水平回転用の制動装置(25)の場合には、制動円板(33)が、雲台の回転とともに回転するように接続されており、一方、傾動用の制動装置(25)ではケース体(32)が回動するように接続されている。
【0023】
また、ケース体(32)は密閉されており、内部の密閉空間にグリース等の粘性流体が充填されている。
このように、粘性流体が封入されたケース体(32)において、制動円板(33)またはケース体(32)自体が、水平回転または傾動とともなって回転または回動することにより粘性抵抗が発生し、この抵抗が雲台の水平回転または傾動に対して制動力として作用するのである。
【0024】
このような水平回転用および傾動用の制動装置(25)においては、支軸(37)に沿って制動円板(33)がスライド移動するようにしており、ケース体(32)内での制動円板(33)の配置位置を変更させることで制動力の大小を調節可能にしてもいる。つまり、ケース体(32)および制動円板(33)にそれぞれ設けた突片(31)(34)の噛合い量を大きくすることによって制動力を大きくすることができ、噛合い量を小さくすることによって制動力は小さくなる。このような噛合い量の変更は、制動円板(33)のスライド移動で実現される。また、制動円板(33)のスライド移動に際しては、ケース体(3)の内部に充填された粘性流体が、制動円板(33)の突片(34)およびその間の底面に形成された貫通穴(35)(36)を通して移動し、制動円板(33)のスライド移動を妨げることはない。
【0025】
さらに、制動円板(34)は、ピン(38)を介してスライド軸(39)に接続されており、また、支軸(37)の側面部にピン(38)が貫通する長穴(40)が設けられ、この長穴(40)の長さを移動限界としてスライド軸(39)が、ピン(38)を介して制動円板(33)を支持しながら、支軸(37)の内側面に沿ってのスライド移動を可能としている。そして、スライド軸(39)は、雲台の表面部に設けた操作ツマミ(41)に回転力伝達機構(42)を介在させて接続されている。このため、制動力の変更は、この操作ツマミ(41)を回転させることで行うことができる。
【0026】
回転力伝達機構(42)には、ネジ部が備えられており、操作ツマミ(41)の回転をそのネジ部を通じてスライド軸(39)に伝え、スライド軸(39)の先端部を進退させるようにしている。このようなスライド軸(39)の先端部の進退に関して、回転力伝達機構(42)は、水平回転用と傾動用とで若干相違している。水平回転用の制動装置(25)の場合には、ネジ部を直接スライド軸(39)の先端部に接続することが不可能なため、垂直面内で回動するドラッグ作動板(43)を設け、ネジ部の水平方向の移動をスライド軸(39)の垂直方向の移動に変更させている。一方、傾動用の制動装置の場合には、回転力伝達機構(42)のネジ部を直接スライド軸(39)の先端部に接続している。
【0027】
このような制動装置(25)と平衡装置とを組み合わせることによって、雲台の操作性はより向上する。
もちろんこの発明は、以上の例によって限定されるものではない。弾性体の種類や個数、ガイドピンの配置位置や個数、また、ホルダーおよび回動部材の形状等の細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。
【0028】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この発明によって、傾動時の回転力と釣り合う適正な復元力を簡便な構造で発生させることができる。搭載したカメラ、ビデオカメラ、ムービーカメラ等の撮影機器を安定かつ円滑に傾動させることが可能となる。しかも復元力を撮影機器の重量に自在に対応させることができる。また、操作性が良好となり、コストも低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の雲台の平衡装置の一実施例を示した断面図である。
【図2】a,bおよびcは、各々、回動部材の一例を示した平面図、断面図および側面図である。
【図3】図2の回動部材の湾曲面の展開図である。
【図4】この発明の雲台の平衡装置の別の例を示した断面図である。
【図5】この発明の雲台の平衡装置の別の例を示した断面図である。
【図6】この発明の雲台の平衡装置のさらにまた別の例を示した断面図である。
【符号の説明】
1 基部
2 縦軸
3 キャップ
4 ベアリング
5 支柱
6a カメラ台
6b カメラ取付プレート
7 水平軸
8a,8b ホルダー
9 シャフト
10 スプリング
11 座金
12,14,14a,14b,19 ベアリング
13,13a,13b ガイドピン
15,15a,15b 回動部材
16 湾曲面
17 山部
18 谷部
20 調節ツマミ
21 ネジ部材
22 空間
23 キー溝
24a,24b ネジ部
25 制動装置
26 スプリング
31,34 突片
32 ケース体
33 制動円板
35,36 貫通穴
37 支軸
38 ピン
39 スライド軸
40 長穴
41 操作ツマミ
42 回転力伝達機構
43 ドラッグ作動板

Claims (5)

  1. 傾動時に回転力に釣り合う適正な復元力を発生し、安定かつ円滑に傾動させる雲台の平衡装置であって、基部に対して垂直に配設した縦軸に傾動自在に支持された支柱の傾動の中心軸と一致する水平軸と、縦軸の内部に配置され、前記水平軸に水平移動自在に支持された左右一対のホルダーと、ホルダー間を水平方向に貫通し、縦軸の左右両側に固定されたキャップに固定され、同軸上に設けられた複数のシャフトと、シャフトの周囲に配設され、ホルダー間に水平方向に支持された圧縮された弾性体と、少なくとも一方のホルダーと連結し、傾動時にはそのホルダーとともに縦軸内部内側に水平移動するガイドピンと、周縁端部にガイドピンの側面と当接する湾曲面を有し、支柱に接続され、この支柱とともに回動し、傾動時には前記湾曲面によりガイドピンを縦軸内部内側に水平方向に押し込み、ホルダー間に弾性体をさらに圧縮させる回動部材とからなることを特徴とする雲台の平衡装置。
  2. ネジ部材を有し、弾性体の弾性力を調節する調節ツマミを支柱前面部に回転自在に配置するとともに、前記ネジ部材に対応するネジ穴を水平軸の一端部に形成し、調節ツマミの回転によりネジ部材をネジ穴に挿脱自在とし、水平軸を水平方向に移動自在としてなる請求項1の雲台の平衡装置。
  3. ネジ穴と反対側の水平軸の端部にガイドピンを設けないホルダーを接続し、調節ツマミの回転による水平軸の水平移動にともなわせてそのホルダーを水平移動させ、ガイドピンを接続したホルダーとの間に弾性体をさらに圧縮し、弾性体の弾性力を調節する請求項2の雲台の平衡装置。
  4. 支柱前面部に配置され、弾性体の弾性力を調節する調節ツマミを水平軸に固定し、この調節ツマミとともに水平軸を回転自在とし、かつ水平軸の端部外周面にネジ部を形成するとともに、このネジ部と噛み合う別のネジ部を回動部材内周面に設け、調節ツマミの回転により回動部材を支柱に接続したまま水平移動させ、ガイドピンを介してホルダー間に弾性体をさらに圧縮し、弾性体の弾性力を調節する請求項1の雲台の平衡装置。
  5. 縦軸とホルダーとの間に、ホルダー間に配置された弾性体とは別の弾性体を配設し、この弾性体でホルダーを縦軸内部内側に押圧する請求項1の雲台の平衡装置。
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