JP3537519B2 - 水処理用ろ材 - Google Patents
水処理用ろ材Info
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Description
素の処理性能に優れ,その中でも特に処理が困難といわ
れている結合塩素の処理性能に優れた水処理用ろ材に関
するものである。
が施されている。この塩素は水中では分子状塩素(C
l2),次亜塩素酸(HOCl)や次亜塩素酸イオン(OCl- )
といった遊離塩素と総称される形や,アンモニアや=N-H
型窒素化合物と結合した結合塩素と総称されるクロラミ
ン化合物(NH2Cl,NHCl2, =N-Cl等)及び塩素イオン(Cl
- )や有機物あるいは無機物と反応した各種塩素化合物
の状態で存在している。この中で,後者の塩素イオンや
各種塩素化合物は不活性で, 細菌に対する殺菌性はな
い。また,前者の遊離塩素や結合塩素は活性塩素と呼ば
れ, 酸化作用や塩素化作用が強くて細菌に対する殺菌性
も強く,人が飲用した場合有害となるおそれのあるもの
である。この活性塩素の中で,遊離塩素は特に細菌に対
する殺菌力が強く,有機化合物との反応性も高い。一
方,結合塩素は水中に存在するアンモニアや窒素化合物
と遊離塩素が反応して生じるもので,遊離塩素に比べて
殺菌性も低く,有機物に対する反応性も低いものである
が, 人体に対して有害という面では同様に問題がある。
からでた時点で,遊離塩素が 0.1mg/リットル以上存在
しなければならないことが決められており,一般には約
1mg/リットル程度の遊離塩素が存在している。ちな
みに,一般の人がカルキ臭として感じるのは0.4mg
/リットル以上の濃度である。水道水が一般にまずいと
いわれる第一の要因のカルキ臭は, この遊離塩素に起因
するものである。
り,浄水器等を使用して活性塩素を除去処理して飲用す
ることが多くなってきた。一般の浄水器には処理材とし
て活性炭が広く用いられており,このような浄水器は特
公平4-22616号公報等で提案されている。しかしなが
ら,従来の浄水器に用いられている活性炭はBET比表
面積が 700〜1100m2/g程度のもので,粒状のため接触面
積が小さく,吸着速度も遅いため,活性炭の吸着能力を
十分に発揮することができないという問題があった。さ
らに使用に際して初期に炭塵が生じたり,通水圧力が高
くなる等の問題もあった。
炭を使用した浄水器が特開昭57-35986号公報等で提案さ
れている。繊維状活性炭は吸着速度が速く,通水速度を
高速にしても優れた処理能力を有し,しかも炭塵の流出
がなく,水道水中の赤錆等のろ過性には優れた利点を有
している。さらに,繊維状活性炭は成型が容易で,各種
形状のフイルターに成型することができる利点もある。
活性炭を用いても,遊離塩素は十分に除去できるが,結
合塩素は反応性が低いため除去が困難で,通水速度が速
くなると通水初期よりリークするという問題があった。
特に,大都市近辺の水道水中にはアンモニア等の窒素化
合物が多く含まれているためクロラミン化合物といった
結合塩素の含有量も多く,そのリーク量が多いという問
題があった。
を解決し,通水速度を速くしても,遊離塩素はもとより
結合塩素も有効に除去できる水処理用ろ材を提供するこ
とを技術的な課題とするものである。
題を解決するために鋭意検討した結果,近年開発された
BET比表面積2000m2/g以上の粒状活性炭は,BET比
表面積1100m2/g以下の従来の粒状活性炭からは全く予想
できないほど結合塩素の除去性能が向上することを知見
して本発明に到達した。すなわち, 本発明は,繊維状活
性炭と, BET比表面積2000m2/g以上の粒状活性炭を主
成分とする結合塩素を含んだ水を処理するための水処理
用ろ材を要旨とするものである。なお,本発明でいう比
表面積は,低温窒素吸着法を用いてBET法により求め
た値である。
粒状活性炭を主成分とするものであるが,水処理用ろ材
を構成する繊維状活性炭としては,石炭ピッチ系,石油
ピッチ系,アクリル系,フェノール系,セルロース系な
どいずれでもよい。また,繊維状活性炭の比表面積は70
0m2/g 以上,特に1000m2/g以上が好ましく,比表面積が
700m2/g 未満では吸着速度,吸着容量ともに低下し,繊
維状活性炭の特長である吸着速度が速い利点が得られ難
く,流通速度を速くすると吸着性能が低下して通水初期
から遊離塩素のリークが起こりやすくなる。また,繊維
状活性炭とともに水処理用ろ材の主成分を構成する粒状
活性炭は,比表面積が2000m2/g以上,好ましくは2500m2
/g以上であれば,椰子殻,石炭コークス,石油コーク
ス,タールピッチ等,いずれを原料として得られたもの
でもよいが,特に助剤として水酸化カリウムを用いて賦
活する方法で得られたものが好ましい。粒状活性炭の比
表面積が2000m2/g未満では結合塩素の除去能力が低く,
通水初期より結合塩素がリークするので好ましくない。
されている粒状及び粉末状のいずれの活性炭でもよい
が,好ましくは平均粒子径が10〜 500μmのものであ
る。粒状活性炭の平均粒子径が10μm未満になると, ろ
材が目詰まりしやすく,圧力損失が大きくて水が流れ難
くなり,500μmを超えると, 粒子間の空隙が開きすぎて
成型加工が困難となる。
比表面積2000m2/g以上の粒状活性炭を主成分とするもの
であるが,繊維状活性炭と粒状活性炭を混合したもの,
個別の層として積層したものあるいはそれらを組み合わ
せたもの等を用いることができる。繊維状活性炭と粒状
活性炭との割合は,重量比で 90/10〜10/90 が好まし
い。ろ材の形状は円筒状,円柱状あるいは粒状に成型し
たもの,あるいはそれらを組み合わせたもの等を用いる
ことができる。
性炭と粒状活性炭以外に, ろ材の成型性を向上させるた
めに熱融着可能な低融点ポリエステル,ポリアミドやポ
リエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン,アク
リル繊維等の合成繊維,あるいは低融点のポリエステル
やポリオレフィンを鞘に,ポリエチレンテレフタレート
を芯に用いた複合繊維等を配合してもよい。さらに,有
機あるいは無機のバインダーを混合し,成型したもので
もよいが, これらの配合量は,5〜50重量%が好まし
い。
側,流出側あるいはその両側に布帛状のフィルターを設
けてもよい。布帛状のフィルターの素材は特に限定され
るものではないが,加工性のよい熱融着性を有する繊維
の織物あるいは不織布であることが好ましく,目付けが
10〜100g/m2 のものが好ましい。また,中空糸膜からな
るろ過フィルターと併用することもできる。
いて説明する。
繊維を水槽中に供給し,混合,分散させる。その浴槽中
に円筒状あるいは有底円筒状の成型用金型を浸漬し,吸
引することにより所定形状に成型する。その後,乾燥,
固化させてろ材とする。必要に応じて布帛状のフィルタ
ーを積層する。
まず,繊維状活性炭と熱融着性の合成繊維等を供給して
開繊と混合によりウエッブを形成した後, ニードルパン
チや熱処理を施して目付け50〜300g/m2 の繊維状活性炭
シートを得る。次いで,この繊維状活性炭シートを鉄芯
等にスパイラル状に巻き付けた後, 熱処理を施して円筒
状に成型する。引き続き, 粒状活性炭と合成繊維又は必
要に応じて繊維状活性炭を水槽中に供給し,混合,分散
させた浴槽中に上記で得た円筒状成型体を浸漬し,吸引
させた後,乾燥,固化させてろ材とする。
活性炭を主成分とするシートを鉄芯等に2層でスパイラ
ル状に巻き付けることにより円筒状ろ材を作成する方
法,繊維状活性炭と粒状活性炭を混合したシートを作成
し, それらを鉄芯等に巻き付けて円筒状ろ材を作成する
方法等を採用することができる。
BET比表面積2000m2/g以上の粒状活性炭を主成分とす
るものであるから,BET比表面積の大きい粒状活性炭
の作用によって結合塩素の除去能力が著しく向上し,ま
た,繊維状活性炭の存在によって,通水速度を速くして
も遊離塩素が処理水中にリークすることがない。
る。
さ約3mmに裁断したもの70重量%と, 平均粒径30μm,
比表面積2500m2/gの石油コークス系粒状活性炭25重量%
及び平均長さ約5mmのアクリル短繊維5重量%を水槽中
で混合した。次いで,その浴槽に内径50mm,長さ40mmの
円筒状金型を吸引器にセットした状態で投入して吸引し
た後,吸引物を金型より取り出して 130℃で15時間乾燥
し,外径50mm,長さ40mmの円柱状成形体からなる水処理
用ろ材を得た。得られた水処理用ろ材を用い,残留塩素
濃度 1.0ppm,結合塩素濃度0.3ppmが共存する水道水を2
リットル/分で通水し,10%破過点までの通水量を測定
したところ,表1に示す結果が得られた。
表面積1600m2/gの石炭ピッチ系繊維状活性炭を約3mmに
切断したもの95重量%とアクリル短繊維5重量%を混合
したもの(比較例1)と,比表面積2500m2/gの石油コー
クス系粒状活性炭50重量%とアクリル短繊維50重量%を
混合したもの(比較例2)から,実施例1と同様にして
外径50mm,長さ40mmの水処理用ろ材を成型した。これら
の水処理用ろ材を使用し,実施例1と同様にして遊離塩
素と結合塩素の除去性能を測定した。なお,遊離塩素と
結合塩素の濃度は,オルトトリジン法で測定した。得ら
れた結果を表1に併記する。
理用ろ材は,遊離塩素は勿論のこと,結合塩素について
も優れた除去性能を有していた。一方,繊維状活性炭の
みを主成分とする比較例1は,結合塩素の除去性能が劣
り,また,粒状活性炭のみを主成分とする比較例2は,
遊離塩素の除去性能が劣るものであった。
ものを用い,この繊維状活性炭60重量%と,メルティ40
80(ユニチカ社製,ポリエステル系芯鞘型複合バインダ
ー繊維)40重量%の割合でカーディングマシーンで開
繊,混合し,次いでニードルパンチにより交絡させた
後,熱ローラに通し,目付け67g/m2,厚み 0.5mmの繊維
状活性炭シートを得た。
分,ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘複合繊維で構成し
た目付け30g/m2の不織布をテトラフルオロエチレン樹脂
をコーティングした鉄芯に巻き付け,この上から上記で
得た繊維状活性炭シート一枚をスパイラル状に巻き付
け,150℃で180 分間熱処理して,外径35mm,内径18mm,
長さ125mm の円筒状ろ材を得た。
繊維状活性炭47.5重量%と,平均粒径30μm, 比表面積
2500m2/gの石油コークス系粒状活性炭47.5重量%及びア
クリル短繊維5重量%の割合で混合した水槽中に,上記
で得た円筒状ろ材を吸引器にセットして投入し,外から
内に吸引して外径65mmまで成形した。その後,130℃で15
時間乾燥し,外径65mm,内径18mm,長さ125mm の円筒状
をした水処理用ろ材を得た。
繊維状活性炭シートのみで,外径65mm,内径18mm,長さ
125mm の水処理用ろ材を形成した。
同様にして行った性能評価試験の結果を表2に示す。
理用ろ材は,遊離塩素は勿論のこと,結合塩素について
も優れた除去性能を有していた。一方,繊維状活性炭の
みを主成分とする比較例3は,遊離塩素の除去性能は優
れていたが,結合塩素の除去性能が劣るものであった。
と特殊な粒状活性炭の組み合わせにより,遊離塩素のみ
ならず,結合塩素の除去能力にも優れており,家庭用や
業務用の浄水器用のろ材として好適なものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 繊維状活性炭と, BET比表面積2000m2
/g以上の粒状活性炭を主成分とする結合塩素を含んだ水
を処理するための水処理用ろ材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30753594A JP3537519B2 (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 水処理用ろ材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30753594A JP3537519B2 (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 水処理用ろ材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08164333A JPH08164333A (ja) | 1996-06-25 |
JP3537519B2 true JP3537519B2 (ja) | 2004-06-14 |
Family
ID=17970268
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30753594A Expired - Lifetime JP3537519B2 (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 水処理用ろ材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3537519B2 (ja) |
-
1994
- 1994-12-12 JP JP30753594A patent/JP3537519B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08164333A (ja) | 1996-06-25 |
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