JP3536759B2 - 熱電モジュール - Google Patents
熱電モジュールInfo
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Description
却等に使用される熱電モジュールに関し、特に、熱応力
による基板の反りにより発生する歪の量が低減された熱
電モジュールに関する。
の接合部を有する回路を構成し、一方の接合部を高温に
加熱し、他方の接合部を低温に冷却すると、接合部の温
度差に基づく起電力が発生する。この現象をゼーベック
効果という。
を流すと、一方の接合部で熱を吸収し、他方の接合部で
熱を発生する。この現象をペルチェ効果という。
温度勾配を有する方向に電流を流すと、この物質内で熱
の吸収又は発生がある。この現象をトムソン効果とい
う。
びトムソン効果は熱電効果といわれる可逆反応であり、
ジュール効果及び熱伝導等の非可逆現象と対比される。
これらの可逆過程及び非可逆過程を組み合わせて、電子
冷熱等に利用されている。
的上面図である。従来の熱電モジュールにおいては、例
えばアルミナ等からなる放熱側絶縁基板(図示せず)の
上に複数枚の薄板状で長方形の下部電極(図示せず)が
メタライズ層の上にハンダ付けされるか、耐熱性接着剤
(図示せず)により接着されるか、又は熱圧着法により
接合されて配設されている。また、下部電極をメタライ
ズ層の上に直接メッキ法により形成してもよい。そし
て、各下部電極上には、その横断面が正方形である1対
のp型熱電素子11a及びn型熱電素子11bがハンダ
層(図示せず)により接合されている。また、p型熱電
素子11aの上端は、隣接する下部電極上に配置された
n型熱電素子11bに上部電極12をハンダ層(図示せ
ず)により接合することにより接続され、n型熱電素子
11bの上端は、隣接する別の下部電極上に配置された
p型熱電素子11aに上部電極12をハンダ層により接
合することにより接続されている。この下部電極及び上
部電極12によりp型熱電素子11aとn型熱電素子1
1bとが交互に直列に接続されている。こうして、p型
熱電素子11a、n型熱電素子11b、上部電極12及
び下部電極から熱電素子が構成される。
からなる吸熱側絶縁基板13が配設されている。吸熱側
絶縁基板13の上部電極12と接着される側にはメタラ
イズ層が形成され、このメタライズ層と上部電極12と
がハンダ付けされるか、耐熱性接着剤により接着される
か、又は熱圧着法により接合されている。また、吸熱側
基板13にメタライズ層を形成し、その上に上部電極1
2を直接メッキ法により形成し、その後、その上部電極
12とp型熱電素子11a及びn型熱電素子11bとを
ハンダ層により接合してもよい。更に、この熱電素子の
直列接続体の両端に配置された上部電極12又は下部電
極にはリード線(図示せず)が接続されている。放熱側
絶縁基板及び吸熱側絶縁基板13としては、アルミナ板
の他に、窒化アルミニウム又はアルマイト処理が施され
たアルミニウム板等が使用されている。
子の横断面は正方形であるが、円形の熱電素子が使用さ
れる場合もある。
ルにおいては、リード線に所定の方向から電流を通電す
ると、下部電極で熱が発生し、上部電極12で熱が吸収
される。これにより、吸熱側絶縁基板13の外表面と接
している空間又は物体が冷却され、放熱側絶縁基板の外
表面と接している空間又は物体が加熱される。
従来の熱電モジュールを使用していると、熱応力により
熱電モジュールが変形し、電極と熱電素子との間の接合
部にて剥離が生じるという問題点がある。一般的に放熱
側絶縁基板(高温側)は膨張し、吸熱側絶縁基板13
(低温側)は収縮する。これにより、熱応力が生じて、
電極と熱電素子との間の接合部にて剥離が生じたり、又
は熱電素子にひびが入る虞がある。
熱電モジュールの高温側と低温側との基板に温度差が生
じたとき、即ち、電流のオン・オフの繰り返し時に大き
な熱応力が生じ、基板が反って断線してしまうという問
題点がある。
のであって、熱応力による基板長手方向の基板の反りに
より、熱電素子と電極との間に発生する歪及び熱電素子
内に発生する歪の量を低減し、信頼性が高い熱電モジュ
ールを提供することを目的とする。
ールは、長方形の基板と、この基板上に複数個配設され
た下部電極と、前記各下部電極上に夫々1対形成された
p型熱電素子及びn型熱電素子と、隣接する前記下部電
極上のp型熱電素子とn型熱電素子との上端を接続する
複数個の上部電極とを有する熱電モジュールにおいて、
前記熱電素子の横断面は長方形又は楕円であり、この熱
電素子断面における長手方向又は長軸方向と前記基板の
長手方向とが交差することを特徴とする。
楕円とし、その横断面における長手方向又は長軸方向と
基板の長手方向とが交差するよう配置されているため、
従来の、正方形又は円形の断面の熱電素子を有するもの
より基板の長手方向の素子断面の1辺の長さが短く、こ
れにより、熱電モジュールの使用時に熱応力により基板
の長手方向が反っても、各熱電素子に対する歪の量を低
減することができる。
ついて、更に具体的に説明する。本願発明者等は、上述
の課題を解決するべく鋭意実験研究した結果、長方形の
ように一方向が長い基板の場合、温度差のオン・オフ、
即ち、電流のオン・オフの繰り返し時に大きな熱応力が
生じて断線するのは、基板の長手方向の反り量の大きさ
に起因することを知見し、この反りにより、熱電素子と
電極との間に発生する歪及び熱電素子内に発生する歪の
量を低減する方法を見い出した。即ち、基板に配置する
熱電素子の断面の形状が正方形ではなく、長方形又は楕
円とし、基板の長手方向に交差する方向に長手方向又は
長軸方向を有するような熱電素子を使用することによ
り、基板の長手方向の反りにより発生する歪を低減する
ことができることを見い出した。即ち、基板長手方向に
対し熱電素子の断面の長手方向の長さを短くすれば基板
と電極との間の界面に基板の反りにより発生する応力が
小さくなると共に、基板の反りにより発生する熱電素子
の内部応力も、基板と熱電素子との長手方向の接する長
さが短いほど小さくなることを見い出した。
式的上面図である。図1に示すように、本実施例の熱電
モジュールにおいては、上述の従来の熱電モジュールと
同様に、例えばアルミナ等からなる長方形の放熱側絶縁
基板(図示せず)の上に複数枚の薄板状で長方形の下部
電極(図示せず)がメタライズ層の上にハンダ付けされ
るか、耐熱性接着剤(図示せず)により接着されるか、
又は熱圧着法により接合されて配設されている。また、
下部電極をメタライズ層の上に直接メッキ法により形成
してもよい。そして、各下部電極上には1対のp型熱電
素子1a及びn型熱電素子1bがハンダ層(図示せず)
により接合されている。本実施例のp型及びn型の熱電
素子は、その横断面が長方形になっており、その長手方
向が絶縁基板の長手方向とは直交する方向になるように
配置されている。
る下部電極上に配置されたn型熱電素子1bに上部電極
2をハンダ層(図示せず)により接合することにより接
続され、n型熱電素子1bの上端は、隣接する別の下部
電極上に配置されたp型熱電素子1aに上部電極2をハ
ンダ層により接合することにより接続されている。この
下部電極及び上部電極2によりp型熱電素子1aとn型
熱電素子1bとが交互に直列に接続されている。こうし
て、p型熱電素子1a、n型熱電素子1b、上部電極2
及び下部電極から熱電素子が構成される。
らなる吸熱側絶縁基板3が配設されている。吸熱側絶縁
基板3の上部電極2と接着される側にはメタライズ層が
形成され、このメタライズ層と上部電極2とがハンダ付
けされるか、耐熱性接着剤により接着されるか、又は熱
圧着法により接合されている。また、吸熱側基板3にメ
タライズ層を形成し、その上に上部電極2を直接メッキ
法により形成し、その後、その上部電極2とp型熱電素
子1a及びn型熱電素子1bとをハンダ層により接合し
てもよい。更に、この熱電素子の直列接続体の両端に配
置された上部電極2又は下部電極にはリード線(図示せ
ず)が接続されている。このリード線に所定の方向から
電流を通電すると、下部電極で熱が発生し、上部電極2
で熱が吸収される。これにより、吸熱側絶縁基板3の外
表面と接している空間又は物体が冷却され、放熱側絶縁
基板の外表面と接している空間又は物体が加熱される。
ては、アルミナ板の他に、窒化アルミニウム又はアルマ
イト処理が施されたアルミニウム板等を使用することも
できる。
ュールは、熱電素子を、その断面の長手方向が基板の長
手方向とは直交する方向になるように配置することによ
り、基板長手方向に発生し易い熱応力を緩和することが
できる。即ち、本発明の熱電素子は、断面積が同じでそ
の形状が正方形である従来の熱電素子よりも基板の長手
方向の熱電素子の断面の一辺の長さが短いため、基板が
長手方向に大きく反った場合でも1つ1つの熱電素子に
生じる歪が小さい。従って、熱電モジュールの使用時の
温度差によって生じる基板の長手方向の反りにより発生
する歪を低減し、信頼性が高い熱電モジュールを得るこ
とができる。
手方向が絶縁基板の長手方向とは直交するように配置す
ることが好ましいが、直交のみではなく交差するように
配置することが可能である。交差するように配置するこ
とにより、基板の長手方向に対して、熱電素子の断面の
長手方向が平行になるように配置した場合と比べるとそ
の断面は短くなるため、1つの熱電素子に生じる基板長
手方向の歪を低減することができる。また、熱電素子を
楕円形とし、その横断面における長軸方向を基板の長手
方向と交差するように配置してもよい。
について、本発明の範囲から外れる比較例と比較してそ
の効果を説明する。図1及び図2に示す夫々実施例及び
比較例の構造の熱電モジュールを作成した。96質量%
のアルミナからなる絶縁基板を使用し、基板の厚さを
0.5mmとした。また、上部電極及び下部電極は、メ
ッキ法にて直接絶縁基板上に形成した。これらの電極の
厚さを0.1mmとした。熱電素子は高さを1mmとし
た。基板サイズ、熱電素子サイズ、及び基板上に形成し
たn型熱電素子及びp型熱電素子の対数を下記表1に示
す。熱電素子サイズのチップ幅1及びチップ幅2は熱電
素子の横断面における夫々基板長手方向に平行な方向及
び基板長手方向に直交する方向の幅とする。また、p型
及びn型熱電素子の形状は同一である。
ュールの信頼性を評価するためのテストを行った。テス
トは、熱電モジュールの放熱側(高温側)基板温度を常
時80℃に保持し、駆動電流の最大電流をImax、オ
ン時間を1.5分、オフ時間を4.5分として、通電を
オン・オフする操作を繰り返し、通電が不可になった時
点の回数を耐久回数として測定した。最大電流Imax
及び耐久回数を下記表1に示す。
び比較例2並びに実施例3及び比較例3は、チップ幅1
及びチップ幅2の値が異なるのみで、他の条件は同一と
しているため、熱電素子のチップ総断面積も同一であ
る。従って、熱電モジュールの放熱側基板と吸熱側基板
との最大温度差ΔTmax及び熱電モジュールの最大吸
熱量Qmax等のモジュール特性は同一である。
々比較例1乃至3とモジュール特性が同一にも拘わら
ず、基板の長手方向と熱電素子の断面の長手方向とを直
交するように配置したため、実施例1乃至3の耐久回数
が増加した。熱電素子のチップ幅1に対するチップ幅2
の長さの比が大きい方が耐久回数の増加率が高くなり、
実施例2の耐久回数は比較例2耐久回数の3倍に増加し
た。
絶縁基板上に形成する熱電素子の断面の形状を長方形又
は楕円とし、絶縁基板の長手方向と熱電素子の断面の長
手方向又は長軸方向とを交差するように配置したため、
熱電モジュール使用時の長手方向の熱応力による基板の
反りによって生じる基板と熱電素子との間の歪及び熱電
素子内部の歪の量を低減し、極めて高い信頼性を得るこ
とができる。
面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 長方形の基板と、この基板上に複数個配
設された下部電極と、前記各下部電極上に夫々1対形成
されたp型熱電素子及びn型熱電素子と、隣接する前記
下部電極上のp型熱電素子とn型熱電素子との上端を接
続する複数個の上部電極とを有する熱電モジュールにお
いて、前記熱電素子の横断面は長方形又は楕円であり、
この熱電素子断面における長手方向又は長軸方向と前記
基板の長手方向とが交差することを特徴とする熱電モジ
ュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000004073A JP3536759B2 (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | 熱電モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000004073A JP3536759B2 (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | 熱電モジュール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001196649A JP2001196649A (ja) | 2001-07-19 |
JP3536759B2 true JP3536759B2 (ja) | 2004-06-14 |
Family
ID=18532899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000004073A Expired - Lifetime JP3536759B2 (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | 熱電モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3536759B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP2002329897A (ja) * | 2001-05-01 | 2002-11-15 | Eco Twenty One:Kk | 熱電変換素子ならびにそれを用いた光通信用モジュール |
-
2000
- 2000-01-12 JP JP2000004073A patent/JP3536759B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001196649A (ja) | 2001-07-19 |
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