JP3534940B2 - 薄膜気相成長装置 - Google Patents

薄膜気相成長装置

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JP3534940B2 JP10846596A JP10846596A JP3534940B2 JP 3534940 B2 JP3534940 B2 JP 3534940B2 JP 10846596 A JP10846596 A JP 10846596A JP 10846596 A JP10846596 A JP 10846596A JP 3534940 B2 JP3534940 B2 JP 3534940B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜気相成長装置に
係り、特にチタン酸バリウム/ストロンチウム等の高誘
電率薄膜を気相成長するのに好適な薄膜気相成長装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体産業における集積回路の集
積度の向上はめざましく、現状のメガビットオーダか
ら、将来のギガビットオーダを睨んだDRAMの研究開
発が行われている。係るDRAMにおいては、容量素子
が必須であるが、できるだけ小さな面積で、できるだけ
大きな容量が得られることが好ましい。このため、誘電
体薄膜としては、現状ではシリコン酸化膜、あるいはシ
リコン窒化膜等が用いられているが、これらは誘電率が
10以下であり、将来は誘電率が20程度である五酸化
タンタル(Ta25 )薄膜、あるいは誘電率が300程
度であるチタン酸バリウム(BaTiO3 )、チタン酸ス
トロンチウム(SrTiO3 )又はこれらの混合物である
チタン酸バリウムストロンチウム等の金属酸化物薄膜材
料が有望視されている。
【0003】これらの金属酸化物薄膜の気相成長装置と
しては、例えば特開昭63−307276号公報に開示
されたものがある。これは反応管内に複数種の有機金属
化合物のガスを導入し、その反応管内に加熱状態に保持
された基板上に、気相反応で生成した金属化合物を堆積
する金属酸化物の気相成長装置である。そしてこの装置
は有機金属化合物のガス供給系の壁面を加熱する加熱装
置と、反応管の加熱装置と、酸素含有ガスの供給装置
と、該供給装置からの酸素含有ガスを反応管内に誘導
し、基板に接近して酸素含有ガスを吐出する酸素含有ガ
ス誘導管と、有機金属化合物のガス供給系からのガスを
反応管内に誘導する誘導管とを設けている。
【0004】一般に有機金属化合物ガスは、酸素中で非
常に不安定であるので、反応系内に酸素を導入すると爆
発や基板上外での早期反応が起こりやすい。このため、
有機金属化合物ガス導入管と、酸素ガス導入管とを別々
に基板近傍に導き、急速な均一混合化を図ることにより
基板上に金属酸化物薄膜を成長させることができる。こ
の際、有機金属化合物ガスは常温では液体であるため、
これが凝縮しないようにするため、反応部に至るまでの
ガス導入管と、反応部全体とを加熱する必要があり、上
述したようなガス供給系の壁面を加熱する加熱装置と、
反応管の加熱装置とを備えている。また、基板を載置す
るサセプタは、気相成長反応のために適当な温度に保持
する必要があるので加熱装置を備えている。
【0005】また、特開平5−335248号公報に
は、半導体基板に気相成長を施すため、容器内に半導体
基板を載置し加熱を施す基板加熱用ヒータが配置され、
また反応容器には気相成長原料ガスを導入するためのガ
ス導入孔の内壁を、原料ガスが凝縮しないように加熱す
るヒータを備えた薄膜の気相成長装置が開示されてい
る。
【0006】また、特開平4−364024号公報に
は、有機金属化合物を原料ガスとする気相成長方法が開
示されている。この気相成長方法は、有機金属ガスを原
料とするものであって、厚みの均一なエピタキシャル成
長層を再現性よく製造することを目的としている。気相
成長中の有機金属原料ガスは、気相成長対象の基板と平
行に配置されたバッフル板の外周を回り、スロットを有
する射出盤に沿って内向きに放射状に送られる。射出盤
のスロットは放射状に広がり、その幅は均一でなく、加
熱された基板は回転しており、その上に上述したガス流
を送ることにより、堆積速度の不均一性を補償するよう
にしている。係る気相成長の結果、厚みの均一なエピタ
キシャル成長層を再現性よく得ることができるというも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チタン
酸バリウム等の金属酸化物薄膜の気相成長においては、
反応容器と基板とでは全く異なる設定温度が必要であ
る。例えば、反応容器では薄膜の原料が凝結しない下限
温度であり、かつ分解しないで気相状態を保つ上限温度
である250〜260゜Cで、±2%程度の温度精度が
要求され、一方、成膜対象の基板では400〜700゜
Cで、±1%程度の温度精度が要求される。上述した公
開公報に開示された装置では、両者の温度の独立した制
御が困難である。また、反応管の加熱装置に、電気炉ま
たは高温用リボンヒータを使用するので、基板加熱装置
から受ける輻射熱で、ガス導入部等の反応室内壁の温度
の維持が困難となる。このため、基板と反応容器とでは
それぞれ精密な温度制御が必要であるにもかかわらず、
精密な温度制御が難しいという問題があった。
【0008】特に基板に薄膜を成長させるための原料ガ
スを吐出するシャワーヘッドは、一定温度に制御された
高温・均熱なガス流を、シャワーヘッド全面にわたって
均一な密度で吐出する必要がある。上述した公開公報に
開示された装置では、両者の温度の独立した制御が困難
である。又、高温・均熱なガス流を、シャワーヘッド全
面にわたって均一な密度で吐出することが困難である。
例えば、特開平4−364024号公報に開示された装
置では、反応容器外部より高周波コイルによりサセプタ
部分が加熱され、その輻射熱により射出盤等のガス導入
マニフォルドが加熱される。そして、ガス流は幅が均一
でないスロットから吐出されるので、高温・均熱なガス
流を気相成長対象の基板に対して均一な密度のガス流と
して供給することは困難である。
【0009】本発明は上述した事情に鑑みて為されたも
ので、気相成長の際に基板を所定の温度に維持するとと
もに、反応室を取り囲む各部の温度を精密に制御するこ
とができる薄膜気相成長装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜気相成長装
置の第1の態様は、基板を搭載するステージと、該ステ
ージに対向する位置に設けられ、前記基板に薄膜を成長
させるための原料ガスを前記基板に吐出するシャワーヘ
ッドと、反応室を形成する反応容器とを有する薄膜気相
成長装置であって、前記シャワーヘッドには、基板に対
向する第1の面状部材と、原料ガスの供給側に対向する
第2の面状部材との間に中空の熱媒体循環スペースが形
成され、該熱媒体の循環スペース内に前記両部材を貫通
するノズル孔を有する多数のノズル管を設け、前記第1
の面状部材と第2の面状部材間に配設されたリブを備
え、該リブにより前記シャワーヘッドの全面にジグザグ
の熱媒体の循環経路が形成されていることを特徴とす
る。
【0011】また、本発明の第2の態様は、前記リブ
は、前記第1の面状部材と第2の面状部材を貫通する前
記ノズル孔を配設したことを特徴とする。
【0012】また、本発明の第3の態様は、前記シャワ
ーヘッドの熱媒体の循環経路が複数の経路で構成され、
前記熱媒体の循環経路は、2系統が略平行して近接配置
された部分を有し、該略平行して配置された部分におけ
る流体の流れの向きがそれぞれ逆向きになるように配設
されたことを特徴とする。
【0013】また、本発明の第4の態様は、前記複数の
経路に流れる熱媒体として、同一温度の熱媒体が供給さ
れることを特徴とする。
【0014】また、本発明の第5の態様は、前記熱媒体
として、不燃性で熱伝導特性が良好なフッ素系の液状流
体を用い、前記シャワーヘッドのノズル管を均一な温度
に加熱することを特徴とする。
【0015】また、本発明の第6の態様は、前記流路
は、反応容器の内壁と外壁との間に形成された内壁側か
ら突出したリブにより区画されたものであることを特徴
とする。
【0016】また、本発明の第7の態様は、前記熱媒体
が流通するように構成された温度制御手段の流路は、シ
ャワーヘッドと、反応容器とにそれぞれ少なくとも1系
統設けられていることを特徴とする。
【0017】また、本発明の第8の態様は、前記シャワ
ーヘッドには、垂直筒部分とノズル部分それぞれに、少
なくとも1系統の流路を備えたことを特徴とする。
【0018】また、本発明の第9の態様は、前記反応容
器には、前記シャワーヘッドに連設した釜状部分と、ス
テージの近傍に該ステージから離隔して設けられた支持
台部分それぞれに少なくとも1系統の流路を備えたこと
を特徴とする。
【0019】また、本発明の第10の態様は、前記ステ
ージと、該ステージから離隔してその近傍に設けられた
反応容器の支持台部分との間には、遮蔽板を配置したこ
とを特徴とする。
【0020】また、本発明の第11の態様は、前記熱媒
体として、フッ素系の液状流体を用いたことを特徴とす
る。
【0021】また、本発明の第12の態様は、前記薄膜
は、金属酸化物薄膜であり、前記原料ガスは、有機金属
原料ガスと酸素含有ガスであることを特徴とする。
【0022】また、本発明の第13の態様は、原料ガス
を反応室において加熱された基板に吐出することによ
り、基板に薄膜を形成する気相成長方法であって、前記
反応室を取りまくシャワーヘッドと反応容器とで構成さ
れる部分に設けられた複数の温度制御手段のうちの少な
くとも一つを熱媒体が流通するように構成し、流路に流
れる熱媒体の流量及び又は温度を調整することにより、
反応室を取り囲む部分の内壁の各部の温度を精密に制御
しつつ、薄膜を成長させることを特徴とする。
【0023】また、本発明の第14の態様は、基板を搭
載するステージと、該ステージに対向する位置に設けら
れ、前記基板に薄膜を成長させるための原料ガスを前記
基板に吐出するシャワーヘッドと、反応室を形成する反
応容器とを有する薄膜気相成長装置であって、前記シャ
ワーヘッドには、基板に対向する第1の面状部材と、原
料ガスの供給側に対向する第2の面状部材との間に中空
の熱媒体循環スペースが形成され、該熱媒体の循環スペ
ース内に前記両部材を貫通するノズル孔を有する多数の
ノズル管を設けたことを特徴とする。
【0024】また、本発明の第15の態様は、前記シャ
ワーヘッドは、前記第1の面状部材と第2の面状部材間
に配設されたリブを備え、該リブにより熱媒体の循環経
路が形成されていることを特徴とする。
【0025】また、本発明の第16の態様は、前記ノズ
ル管は、円筒状又は角型状であり、その外周部が前記熱
媒体の循環スペースに露出して、前記熱媒体に接触する
ものであることを特徴とする。
【0026】また、本発明の第17の態様は、前記熱媒
体の循環経路が複数の経路で構成されることを特徴とす
る。
【0027】また、本発明の第18の態様は、前記熱媒
体の循環経路は、2系統が略平行して近接配置された部
分を有し、該略平行して配置された部分における流体の
流れの向きがそれぞれ逆向きになるように配設されたこ
とを特徴とする。
【0028】また、本発明の第19の態様は、前記ノズ
ル管は、シャワーヘッドの基板に対向する第1の面状部
材、又は原料ガスの供給側に対向する第2の面状部材の
少なくとも一方と、一体的に形成されたものであること
を特徴とする。
【0029】また、本発明の第20の態様は、前記シャ
ワーヘッドは、前記基板に対向する第1の面状部材と、
原料ガスの供給側に対向する第2の面状部材との間に、
熱媒体循環系路を形成するリブを備え、該リブには前記
両部材を貫通する多数のノズル孔を配設したことを特徴
とする。
【0030】また、本発明の第21の態様は、前記シャ
ワーヘッドは、前記多数のノズル孔を配設した櫛の歯状
に形成した一方の面状部材と、前記リブの外周に嵌着さ
れ、その内周に該リブ間のスペースを熱媒体の循環経路
とする凹部を備えた嵌着リング部材と、前記リブのノズ
ル孔に係合した開孔を有する他方の面状部材とからなる
ことを特徴とする。
【0031】また、本発明の第22の態様は、原料ガス
を反応室において加熱された基板に吐出することによ
り、基板に薄膜を形成する気相成長方法であって、前記
基板に対向する位置に原料ガスを吐出する多数のノズル
を備えたシャワーヘッドを配置して、該シャワーヘッド
中に加温された熱媒体を循環させ、前記ノズルを熱媒体
で加熱することにより、恒温・均熱に加熱された原料ガ
スを均一な密度で前記ノズルより吐出しながら、前記基
板に薄膜を形成することを特徴とする。
【0032】本発明の好ましい態様によれば、シャワー
ヘッドと反応容器とで構成される部分には温度制御手段
を複数設け、この温度制御手段のうち少なくとも一つは
熱媒体が流通するように構成したことから、反応室を取
り囲む部分の内壁の各部の温度が任意に調節可能とな
る。このため、気相成長する基板は例えばステージに内
蔵されたヒータで550゜Cに制御されており、このス
テージが昇降可能に構成されている場合には、ステージ
の昇降により反応室各部の温度が変化するが、反応室を
取り囲む部分の内壁の各部の温度が調節可能であること
から、反応室各部の温度を例えば250゜C±2%程度
の高い制御精度で、一定温度に保持することができる。
特にシャワーヘッドは、ステージの昇降に伴い基板を加
熱するヒータの熱の影響を直接受けるが、温度制御手段
をシャワーヘッドに設けることによりシャワーヘッドの
温度を一定に保つことができることから、ノズルで原料
ガスが凝縮して付着する、あるいは反応生成物が付着す
る等の問題を防止することができ、良質な気相成長薄膜
を育成することができる。
【0033】本発明の好ましい態様によれば、検出手段
で検出された反応容器内壁温度と目標温度との差に応じ
て熱媒体の流量及び又は温度を調整することにより、熱
媒体による供給熱量を制御することができる。このた
め、反応室内壁温度を設定温度に保持することができ
る。
【0034】本発明の好ましい態様によれば、熱媒体が
流通するように構成された温度制御手段の少なくとも一
系統は、他の系統よりも低い熱媒体の温度とするように
流路の途中に冷却手段を設けたことから、例えば、高温
のステージがシャワーヘッドに近接した場合にも、シャ
ワーヘッドには低い温度の熱媒体を供給することができ
るので、シャワーヘッドの温度を一定温度に保持するこ
とが可能となる。
【0035】本発明の好ましい態様によれば、流路は、
反応容器の略水平面円周上に配設されており、水平面円
周長さより短い円周長さで反転しつつ配置されているの
で、機械加工が容易であり、比較的安価な製造コストで
反応容器等を製作することができ、且つ反応容器等を万
遍なく所定温度に制御することができる。
【0036】本発明の好ましい態様によれば、反応容器
に設けられた流路は、反応容器の内壁と外壁との間に形
成された内壁側から突出したリブにより区画されたもの
である。リブが内壁の部材と一体的に構成されているの
で、伝熱の効率が良く、熱媒体で運ばれる熱量を効率的
に反応室内壁に供給することができる。
【0037】本発明の好ましい態様によれば、熱媒体が
流通するように構成された温度制御手段の流路は、シャ
ワーヘッドと反応容器とにそれぞれ少なくとも1系統設
けられていることから、特に高精度な温度制御が要求さ
れるシャワーヘッドを容易に温度制御できる。
【0038】本発明の好ましい態様によれば、シャワー
ヘッド及び反応容器に複数系統の熱媒体流路を備えるこ
とから、反応室を取り囲む各部の温度を、必要に応じて
万遍なく制御できる。
【0039】本発明の好ましい態様によれば、ステージ
と反応容器との間に遮蔽板を配置したことから、高熱の
ステージからの輻射熱を遮蔽することができ、反応容器
の温度制御が容易となる。
【0040】本発明の好ましい態様によれば、熱媒体と
してフッ素系の液状流体を用いることから、熱伝達特性
が良好で安定な熱交換を行うことができる。
【0041】本発明の好ましい態様によれば、気相成長
薄膜は金属酸化物薄膜であり、原料ガスは金属原料ガス
と酸素含有ガスであることから、極めて誘電率の高い酸
化ストロンチウム/バリウム等の薄膜を形成できる。
【0042】本発明の好ましい態様によれば、気相成長
にあたって、基板を例えばステージに内蔵されたヒータ
により所定温度に加熱し、且つシャワーヘッド等の反応
室を取り巻く各部の温度を複数の温度制御手段を用いて
一定温度に保持しつつ気相成長を行うので、薄膜を成長
させるための温度に敏感な原料ガスを所定の温度の状態
で反応室内部に吐出することができる。このため、温度
に敏感な原料ガスを用いて、良質な気相成長薄膜を形成
できる。
【0043】本発明の好ましい態様によれば、シャワー
ヘッドは、中空の熱媒体循環スペースが形成され、該ス
ペース中に配列されたノズル管を多数備えているので、
ノズル管は熱媒体と熱交換してその温度に加熱される。
このため、熱媒体の温度が例えば、250゜C±2%に
制御されていれば、ノズル孔を通過するガス流もその温
度に加熱される。従って、高温・均熱な、且つシャワー
ヘッド全面にわたって均一な密度の原料ガスを成膜する
基板上に供給することができる。
【0044】本発明の好ましい態様によれば、シャワー
ヘッド内に容易に熱媒体の循環経路を形成することがで
きる。このため、淀みなく熱媒体シャワーヘッド内
流すことができる。
【0045】本発明の好ましい態様によれば、ノズル管
は円筒状又は角型状で、第1の面状部材と第2の面状部
材間に挟まれて、熱媒体に接触するように配置されるの
で、ノズル孔を通過するガス流と熱媒体との間に容易に
熱交換を行うことができ、高温・均熱に温度制御された
ガス流を形成できる。
【0046】本発明の好ましい態様によれば、シャワー
ヘッド内の複数ある熱媒体の循環経路の2系統が略平行
して近接配置された部分を有し、この略平行して配置さ
れた部分における流体の流れの向きがそれぞれ逆向きに
なるように配置されている。従って、流入側と流出側と
の温度差が相殺され、シャワーヘッドの全面を均一な温
度とすることができる。
【0047】本発明の好ましい態様によれば、ノズル管
を第1又は第2の面状部材と一体に形成したことから、
単体の多数のノズル管の溶接作業が不要となり、溶接に
伴う加工歪みの問題が無くなる。又、シャワーヘッドの
加工が容易となる。
【0048】本発明の好ましい態様によれば、シャワー
ヘッドのリブ内に多数のノズル孔を設けたことから、ノ
ズル管の製作及び組立加工が不要となる。これによりノ
ズル管の溶接等に伴う加工歪みという問題が無くなり、
且つシャワーヘッドの製作が容易となる。
【0049】本発明の好ましい態様によれば、上述した
構造のシャワーヘッドを用いた気相成長装置により金属
酸化物薄膜等の気相成長を行うので、基板上に供給され
る原料ガスが高温・均熱な一定密度のガス流である。従
って、基板全面にわたって均一な組成の、且つ均一な厚
さの気相成長薄膜を育成することができる。特に、有機
金属原料ガスは、温度に敏感であり、流路における温度
管理が良くないと、凝縮したり、反応生成物を生成して
管路に付着させるなどの問題を生じやすい。上述したよ
うに狭いノズル孔中を原料ガスが通過するのであるが、
温度が所定値に制御されているので、ノズル孔における
目づまり等を生じることをなく、良質な金属酸化物薄膜
を育成できる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付図面を
参照しながら説明する。なお、各図中同一符号は同一又
は相当部分を示す。
【0051】図1は、本発明の一実施例の気相成長装置
を示す。反応容器10とサセプタ13で囲まれた空間が
反応室11であり、ここでシャワーヘッド16のノズル
18から吐出される金属原料ガスと酸素含有ガスとが反
応してサセプタ12上に載置された基板13に金属酸化
物薄膜を気相成長する。ここで金属原料ガスは、例えば
Ba (DPM)2 、Sr (DPM)2 及びTi (i −O
3 7 4 等の有機金属がミキシングされて、気化さ
れ、Ar 等のキャリアガスにより運ばれたものである。
酸素含有ガスは、O2 、N2O 、H2O 等の酸化ガスが
オゾナイザにより、オゾン化されたオゾン(O3 )を含
むガスである。
【0052】反応容器10は、反応室11を取囲む、釜
状の容器部分10Aと、釜状の容器部分10Aを載置す
る支持台部分10Bとからなり、釜状の容器10Aが支
持台10B上に載置されることにより、反応室11が気
密封止される。反応室11の上部空間である反応容器1
0の中央部には、シャワーヘッド16が配置され、シャ
ワーヘッドの上部空間17は、金属原料ガスと酸素含有
ガス源に連通した導入孔20,21の導入口となってい
る。反応室11の下部空間である支持台10Bの中央部
には開口を備え、気相成長薄膜を育成する半導体等の基
板13が載置されるステージ12が、その開口中に配置
されている。ステージ12は、支持棒25により支持さ
れ、エレベータ機構15により昇降可能となっている。
図示するステージ12の位置は、気相成長時よりも少し
低い位置であり、気相成長終了後は、基板搬出入口24
まで下がり、基板搬出入口24から図示しないロボット
ハンドで基板13の出し入れが行われる。ゲートバルブ
19は、図示しない基板の搬送室と連通した基板搬出入
口24を開閉するためのものである。
【0053】金属原料ガスは、ガス導入孔21から導入
され、オゾン(O3 )等の酸素含有ガスは、ガス導入孔
20から導入され、シャワーヘッド16の上部空間17
で混合され、ノズル18から反応室11内に吐出され
る。反応室11内で、金属原料ガスと酸素含有ガスとが
反応して、チタン酸バリウムあるいはチタン酸ストロン
チウム等の金属酸化物分子が形成され、半導体等の基板
13上に金属酸化物薄膜が成長して堆積する。反応が終
了したガスや余剰ガスは、生成ガス排気口22を介して
反応室11から排出される。
【0054】金属酸化物薄膜の気相成長にあたって、良
質な膜を形成するためには、反応ガス及び成膜する基板
の温度管理が極めて重要である。基板温度としては、4
00〜700゜Cの範囲で調整可能であり、例えば55
0゜Cで±1%程度の制御が要求される。また、反応ガ
スの温度を制御するために、シャワーヘッド及び反応容
器内壁の温度は250〜260゜Cで、±2%程度に制
御することが要求される。このため、半導体基板13を
載置するステージ12には、基板ヒータユニット23が
内蔵されており、この基板ヒータユニット23は半導体
基板13を載置するサセプタ14の下方に配設されてい
る。
【0055】反応室11内の反応ガスの温度を制御する
ため、反応容器の釜状部分10A,支持台10B、シャ
ワーヘッド16及び反応ガス導入孔20,21の周囲に
は反応ガスを所定の温度に加熱するために、熱媒体の流
路を備えている。ここで熱媒体とは、温度制御対象物中
を循環させて加温するために用いられる液状流体であ
る。例えばフッ素系の液状流体のパーフルオロポリエー
テルが用いられ、これを用いることにより不燃性であり
発火爆発の危険が無く、且つ熱伝達特性が良好で安定な
熱交換を行うことができる。また、上記以外にも熱媒体
としてアルキルジフェニル、パラフィン系オイル、鉱物
系オイル、シリコン系オイル等を用いることができる。
本実施例においては、熱媒体は、5系統の流路を備えて
いる。
【0056】各第1〜第5系統の流路31,32,3
3,34,35は、それぞれ反応容器の釜状部分10
A,支持台10B及びシャワーヘッド16の各部を独立
に温度制御できるようになっている。熱媒体のタンク3
6には、加熱ヒータ37を備え、タンク内の熱媒体が電
力調整部39で設定された温度となるように加熱され
る。そして、ポンプ38で、気相成長装置の各部に配設
された各系統の流路に分岐して送られる。熱電対T0
は、ポンプ38の吐出側の熱媒体の油温を検出し、電力
調整部39にフィードバックすることにより、オイル加
熱ヒータ37により熱媒体の温度を所定の温度に保つよ
うにフィードバック制御する。分岐した各系統には、そ
れぞれ流量調整弁40が設けられ、熱媒体の流量を調整
することにより、反応容器10の各部に供給する熱量を
調整する。
【0057】また第1系統と第4系統とは、熱交換器4
1を通ることにより、冷却水と熱交換され、熱媒体の温
度を下げ、反応容器10の流路の設置部位に供給する熱
量を低減することができる。反応室11を取り囲む反応
容器10とシャワーヘッド16には、熱電対T1 ,T2
,T3 ,T4 ,T5 が設けられ、各系統の流路を設定
した反応室内壁付近の温度を検出する。熱電対T1 〜T
5 は温度表示計42に接続され、各部の温度が表示され
る。熱電対T1 〜T5 で検出された温度は、図示しない
コントローラに送られ、所定の温度になるように流量調
整弁40の開度が調整され、熱媒体の流量が調整される
ことにより、反応室内壁各部の温度が制御される。
【0058】第1系統の流路31は、ステージ12の外
周側の反応容器の支持台10Bの開口端の円筒状部に設
けられており、基板ヒータユニット23の発熱の影響を
受けやすい。このため、支持台10Bの内周部分は温度
が高くなり、例えば反応室内壁の熱電対T1 の設定温度
を250゜Cとするためには、流量調整弁40による流
量の調整だけでは十分でない。このため、熱媒体の冷却
手段である熱交換器41により熱媒体の温度を下げるこ
とが特に有効である。
【0059】ステージ12と、そのステージから離隔し
てその近傍に設けられた反応容器の支持台部分10Bと
の間には、ステージ12に連接した遮蔽板であるスカー
ト23Aを備えている。これによりステージ12のヒー
タ23からの輻射熱を遮蔽して反応容器の支持台部分1
0Bの温度制御を容易にすることができる。
【0060】また、シャワーヘッド16内に設けられた
第4系統の流路34は、反応室11を挟んでサセプタ1
4に対面しており、サセプタ14の温度は、基板ヒータ
ユニット23により例えば550゜Cと高温に保持され
ている。このため、特に気相成長時にはサセプタ14が
シャワーヘッド16に近接するので、この熱の影響を受
けてシャワーヘッド16部分の温度は上昇しがちとな
る。このため、熱交換器41により第4系統の流路の熱
媒体の温度を下げることが、シャワーヘッド16の温度
を、250゜Cプラスマイナス2%程度という温度範囲
に制御するのに特に有効である。
【0061】次に、各系統の流路の経路について、図2
乃至図6を参照して説明する。各系統の流路とも、反応
容器10A,10Bの各部を隅々迄熱媒体が循環して、
且つ途中で油の淀みが生じない様に、いわゆる一筆書き
で形成されている。各流路は、反応室11内壁に近い部
分、基板13を加熱するヒータ23に近い部分、シャワ
ーヘッド16のノズル18に近い部分等、温度管理精度
が重要である部分を上流側に配置している。
【0062】第1系統の流路31は、ステージ12の周
辺に配置されており、図2に示すように円筒状に設けら
れている。流路は略水平面円周上に配設されており、円
周の一周よりも短い円周長さで反時計方向に回り、下段
の流路に接続され、再び水平面の円周に沿って一周より
も短い円周長さで時計方向に回り、次の下段の水平面円
周上の流路に移る。これを繰り返すことにより、反応容
器の支持台10Bの中央部開口の円筒部分に配列された
流路31は、該円筒部分の温度を、250〜260゜C
に均熱化することができる。
【0063】第2系統の流路32は、反応容器の支持台
10Bの円盤(つば)状部に設けられている。図3は、
第2系統の流路の経路を示す。流路は、図示するように
温度精度が必要とされる内周側を水平面上を時計回りに
略一周して、外周側に移り、円盤状部を隅々迄加熱する
ように配設されている。
【0064】第3系統の流路33は、反応容器の釜状部
分10Aの彎曲部分に配設されている。この流路の経路
を図4に示す。流路は、入口から水平面円周上を時計回
りに一周する直前に上段の流路に移り、反時計回りに水
平面円周上を略一周し、一周する直前に更に上段の流路
に移る。そしてまた、水平面円周上を時計回りに略一周
し、一周する直前でさらに上段の流路に移る。これを繰
り返すことにより、このように彎曲した反応容器10の
全面に流路が配設され、均一に反応容器の釜状部分10
Aの彎曲部を加熱できるようになっている。
【0065】第4系統の流路34は、シャワーヘッド1
6内に設けられている。図5は、この流路の経路を示
す。この流路は、反応室11に反応ガスが導入される直
前にノズル18を通過するので、細いノズル18中で、
反応ガスが凝縮して付着したり、反応生成物が付着して
目づまりを生じないように、特に均一に、且つ正確に所
定の温度に制御する必要がある。このため、円盤状のシ
ャワーヘッド16内に入口から二方向に分岐しそれぞれ
1/4周して、ジグザグに互いに逆方向となるように平
行して流路が設けられ、ジグザグ部を終了した二本の流
路がそれぞれ外周を1/4周して一本の流路に合わさ
れ、流出する。
【0066】第5系統の流路35は、反応ガス導入孔2
0,21及びシャワーヘッド16の上部空間17を加熱
するためのものである。図6は、この流路の経路を示
す。図示するように、シャワーヘッド16の上面は、円
盤状の構造を為しており、その内周縁側上部は導入孔2
0,21を取り巻く円筒状の構造を為している。このた
め、流路は円盤状部を反時計回りに同一円周上を略一周
して、内周側に移り、時計回りにその円周上を略一周し
て更に内周側に移る。次に、徐々に円筒状部を上段側に
移り、反時計回り、及び時計回りに各円周上を略一周し
て上段側に移行することを繰り返す。
【0067】図7は、第1系統、第3系統、第5系統等
の円筒状部の流路の断面構成を示す。例えば反応容器の
釜状部分10Aは反応容器内壁の部材45と外壁の部材
46とを張り合わせた構造となっている。内壁部材45
からは一体の部材であるリブ47が突出している。そし
て、外壁部材46がリブ47の頭に電子ビーム又はプラ
グ溶接されることにより、内壁部材45と外壁部材46
とが張り合わされている。そして、流路48が反応室内
壁部材45と反応室外壁部材46との間にリブ47によ
り区画されて形成されている。この内壁45の加工は、
円筒状の内壁部材45の外側から螺旋状ではなく、同一
円周上の溝を軸方向に離隔して形成するので、施盤等に
よる機械加工が容易である。尚、施盤等で加工できない
リブは、リブ体を反応室内壁部材45に溶接するか又は
フライス盤等で機械加工する。
【0068】なお、上述した実施例では、熱交換器41
は、水冷であるが、空冷としてもよく、この場合には、
長い金属の配管を用いればよい。また、上述した実施例
では、流路48はリブ47により形成されているが、パ
イプを巻き回して構成してもよい。又、各流路の系統が
制御する反応室各部の温度は、上述の実施例では流量調
整弁40の開度の調整により熱媒体の油量を調整してい
るが、油量を一定として、各系統毎にインラインヒータ
を設け、ヒータの供給熱量を制御することにより、反応
容器内壁各部の温度を一定に制御するようにしてもよ
い。又、流量調整弁の開度の調整により、油量を調整す
ると共に、インラインヒータを併用して反応容器各部の
温度を制御するようにしてもよい。これにより、温度の
制御範囲を更に広げることができる。
【0069】次に、上述した気相成長装置を用いて金属
酸化物薄膜を気相成長する実施例について説明する。ま
ず、反応室11を真空排気する。そして、エレベータ機
構15により、ステージ12を基板搬出入口24の位置
まで下げ、ゲートバルブ19を開き、図示しないロボッ
トハンドにより基板13をサセプタ14上に載置する。
そして、ゲートバルブ19を閉じて、ステージ12を上
昇させる。基板13は、ステージ12に内蔵されたヒー
タ23により、例えば550゜C±1%に加熱する。そ
して、ポンプ38により熱媒体の循環を開始する。熱媒
体は、タンク36に内蔵されたヒータ37により、電力
調整部39で設定された温度に加熱されている。
【0070】そして、図示しない温度制御装置は、反応
容器10の内壁各部の温度を各熱電対T1 〜T5 により
検出して、一定の温度に制御する。即ち、図示しない制
御装置は、各熱電対の温度があらかじめ設定された温度
となるように流量弁40の開度を制御する。気相成長時
には、ステージ12が上昇し、シャワーヘッド16に近
接した位置に移動する。このとき、シャワーヘッド16
は、高温のサセプタ14の温度の影響を受け加熱される
が、第4系統の流路34には、冷却装置41が接続され
ているので、この冷却水の流量を変えることにより、熱
媒体の温度を下げることができる。これにより、シャワ
ーヘッド16は、高温のサセプタ14が近接した位置に
移動して、その温度を例えば250゜C程度の一定温度
に保持することができる。
【0071】この状態で、原料ガス導入孔21から有機
金属ガスが供給され、導入孔20からは、オゾン
(O3 )を含む酸素含有ガスが供給され、シャワーヘッ
ド上部空間17で混合され、ノズル18を通してステー
ジ12上の基板13に吐出される。反応室11では金属
原料ガスと酸素含有ガスとの反応が起こり、金属酸化物
分子が形成され、基板13上に堆積し気相成長薄膜が育
成される。気相成長が終了すると、エレベータ機構15
によりステージ12が基板の搬出入口24の位置まで下
がり、ゲートバルブ19が開き図示しないロボットハン
ドにより基板13が取り出される。
【0072】なお、以上の実施例の説明では、反応容器
10の釜状部分10A,支持台部分10B,シャワーヘ
ッド16に5系統の流路を備えている。しかしながら、
流路の数は、反応容器内部及び反応ガスの供給路を一定
温度に保持することができればよいのであって、必ずし
も5系統である必要はなく、装置の構成及び気相成長条
件に従って、適宜設定すればよい。
【0073】図8は、シャワーヘッドの平面図であり、
図9はそのBB線に沿った部分断面図であり、図10
は、図9に於けるA部の拡大図であり、図11は、他の
実施例のA部の拡大図である。
【0074】シャワーヘッド16は、基板側に対向する
円盤状の第1の面状部材(下側部材)25と、ガス供給
源側に対向する円盤状の第2の面状部材26との間に挟
まれた中空部分(スペース)を有している。中空部分
(スペース)には、部材26側からリブ27が立設さ
れ、熱媒体の循環経路を区画している。部材26の外周
に近いところには、円環状の突起28を備え、この内周
側には多数のノズル管18A(又は18B)が埋設され
ている。図8において、図中の点線で示すところが熱媒
体の循環経路である。ノズル管18A(18B)は、そ
れぞれ熱媒体の循環経路の中央部分に配置されている。
尚、円環状の突起28は、シャワーヘッド16を反応容
器の釜状部分10Aに嵌着するためのものである。
【0075】熱媒体の循環経路は、本実施例のシャワー
ヘッドでは2系統34A,34Bが設けられている。系
統34Aは、ポート29Aから部材25,26間の中空
部分に入り、点線で図示するようにジクザクに配置さ
れ、ポート30Aに抜ける。また、系統34Bは、ポー
ト29Bから入り、同様にジグザクに部材25,26間
の中空部分をリブ27で区画されて配置され、ポート3
0Bに抜ける。図示するように系統34Aと系統34B
とは平行に、且つジグザクにシャワーヘッド16の全面
に万遍なく形成されている。そしてポート29Aと29
Bとには、図示しないが、反応容器10Aに入る直前で
第4系統の流路が2分され、同一温度の熱媒体が供給さ
れる。系統34Aの流入ポート29Aと系統34Bの流
出ポート30Bとが近接して配置され、系統34Bの流
入ポート29Bと系統34Aの流出ポート30Aとが近
接して配置されているので、流入側と流出側との温度差
が相殺され、シャワーヘッド16の全面を均一な温度と
することができる。
【0076】図10の拡大図に示すように、ノズル管1
8Aは、中央部にノズル孔18を有し、円筒状の外周部
がリブ27で区画された熱媒体の循環経路に配置され、
所定温度に加温された熱媒体に浸漬されるようになって
いる。ノズル管18Aは、部材25と部材26のそれぞ
れのノズル嵌合孔に、嵌合されて固定されている。ノズ
ル管の外周部は、部材25,26にそれぞれ全周にわた
って溶接されている。尚、本実施例ではリブ27は、部
材26から立設されて部材25に当設するようになって
いるが、部材25側から立設して部材26に当設するよ
うにしてもよい。
【0077】図11は、図10とは異なる形状のノズル
管18Bを用いたノズル部の構成例である。本実施例で
は部材25,26を溶接等により固定した後で、多数の
嵌合孔にノズル管18Bを挿入して外周部を溶接すれば
よいので、シャワーヘッドの組み立て工程が簡単とな
る。
【0078】図12は、円筒状のノズル管をシャワーヘ
ッドの面状部材と一体形成した例を示す。第1の面状部
材25にはリブ27が一体形成されると共に、ノズル管
18Aが一体形成されている。ノズル管18Aの中央に
はガスを吐出するノズル孔18を備えていることは前述
の実施例と同様である。ノズル管18Aの上端は第2の
面状部材26に嵌着され、溶接によりシールされる。こ
のようにノズル管を面状部材と一体形成することで、溶
接箇所を低減して溶接歪みの発生を防止でき、且つ製作
容易になる。
【0079】図13は、角柱状のノズル管18Bをシャ
ワーヘッドの面状部材25と一体形成した例を示す。前
述の円筒状のノズル管を角柱状としたものであるが、碁
盤目状に角柱状のノズル管18Bを配設することによ
り、更に機械加工が容易となる。
【0080】図14は、リブにノズル孔を配設した例を
示す。シャワーヘッドの第1の面状部材25の外周に
は、円筒状の壁25Aが立設され、リブ27が交互に間
挿するように立設され、リブ27間には熱媒体の循環流
路となる。第1の面状部材25と、その外周の円筒状壁
25Aと、リブ27とは一体形成されている。そして、
リブ27にはノズル孔18が多数設けられている。第2
の面状部材26はノズル孔18と係合した開孔18Hを
備え、第2の面状部材26と第1の面状部材25とを固
着した時に開孔18Hとノズル孔18との位置が合うよ
うに製作される。係る構造により熱媒体をリブ27間の
流路に淀みなく一様に流すことができ、リブ27の温度
を均一に保つことができ、その結果ノズル孔の温度を均
一に保つことができる。そして、係る構造によれば、ノ
ズル管の製作が不要となるので、大幅に機械加工の手間
を低減できると共に、溶接の手間を低減できる。これに
より、溶接が減り溶接歪みを低減でき、且つシャワーヘ
ッドの製作コストを低減できる。
【0081】図15は、前述したリブにノズル孔を設け
たシャワーヘッドの加工性を更に改良したものである。
図15(B)に示す第1の面状部材25には、櫛の歯状
にリブ27が一体形成されており、リブ27にはノズル
孔18が穿孔されている。図15(C)に示すリング状
部材25Rは、リブ27の外周に嵌着する部材であり、
その内周面にはU字型の凹部25Uを備えている。図1
5(D)は、(B)と(C)の部材を嵌着した状態を示
し、リング25Rの凹部25Uがリブ27間の熱媒体の
折返し部を形成している。これにフタ部材(第2の面状
部材)26を固着した状態のAA断面が、図15(E)
に示すものとなる。この構造によれば、図14に示す実
施例と異なりリブ間の熱媒体流路の折返し部が、別体の
リング部材に設けられているので、制作時の機械加工が
極めて簡単になる。
【0082】気相成長に際しては、シャワーヘッド16
の多数の満遍なく配置されたノズル18から、高温・均
熱にコントロールされた有機金属原料ガスと酸素含有ガ
スとが混合して、基板全面にわたって均一な密度で吐出
される。このため、均一な組成の金属酸化物薄膜を、均
一な成長速度で基板全面にわたって育成することができ
る。又、有機金属原料ガスは、温度に大変敏感に反応す
るが、上述したように高温・均熱に高精度に制御される
ので、良質な金属酸化物薄膜を育成できる。同様に反応
室11に入る前に、狭いノズル孔18中で凝縮する、或
いは反応生成物が付着する等の問題を回避することがで
きる。
【0083】なお、以上の実施例の説明では、熱媒体の
循環経路は、第1の面状部材25と、第2の面状部材2
6と、リブ27とで形成するようにしたが、これに代え
て、パイプ状部材で上述したような配置の2系統の流路
34A、34Bを形成し、このパイプ状部材を組合わせ
て接合するようにしてもよい。また、シャワーヘッド1
6は、2系統の流路34A、34Bを備えている。しか
しながら、流路の系統数は、シャワーヘッド16の全面
を一定温度に保持することができればよいのであって、
必ずしも2系統である必要はなく、装置の構成及び気相
成長条件に従って、適宜設定すればよい。
【0084】また、部材25,26間の中空部分(スペ
ース)を複数の区画に細かく分割し、各区画毎に熱媒体
の循環経路を設けるようにすれば、各経路長さを短くす
ることが可能となるため、流入側と流出側との温度差を
小さくすることができるので、上記のように2つの経路
を設けなくとも良好な温度制御が可能である。なお、こ
の場合においても上記のように2つの経路を配置しても
よいことはいうまでもない。
【0085】また、上述した実施例の気相成長装置にお
いては、薄膜生成時の反応室内の真空度が、例えば数T
orr程度になるようにしている。しかしながら薄膜生
成時の真空度はこれに限るものでなく、成膜するガスの
条件などに応じて適宣決められるべきである。
【0086】また、本実施例はチタン酸バリウム等の金
属酸化物の気相成長の例について説明したが、厳格な温
度管理の要求される希土類元素を用いた超伝導薄膜の気
相成長等にも用いることができるのは勿論のことであ
る。
【0087】
【発明の効果】以上に説明したように本発明は、気相成
長装置の反応室の周囲に、複数系統の熱媒体が循環する
流路を設け、各系統の流路毎に反応室各部の温度を調整
できるようにしたものである。従って、気相成長する基
板部分と反応室部分とをそれぞれ所定の温度に高精度で
調整することが可能となる。それ故、本発明の気相成長
装置によれば、チタン酸バリウム等の金属酸化物薄膜を
良好な成育条件で成長させることができる。
【0088】又、各系統の流路は、同一タンクに戻され
て再加熱されて循環するので、比較的簡単な装置構成
で、きめ細かな反応室各部の温度管理を行える。
【0089】又、本発明は、気相成長装置のシャワーヘ
ッドに、満遍なくノズル孔を配置すると共に、熱媒体の
循環経路を設け、該経路中にノズル管を浸漬するように
したものである。従って、気相成長する基板に、高温・
均熱の所定温度に制御された原料ガスを、均一な密度で
基板全面に吐出することができる。
【0090】更に、シャワーヘッドの一方の面状部材に
立設したりブに、ノズル孔を配置することにより、溶接
箇所が低減でき、シャワーヘッド部分の機械加工を簡素
化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の気相成長装置の説明図。
【図2】第1系統の流路の経路を示す説明図。
【図3】第2系統の流路の経路を示す説明図。
【図4】第3系統の流路の経路を示す説明図。
【図5】第4系統の流路の経路を示す説明図。
【図6】第5系統の流路の経路を示す説明図。
【図7】反応容器の部分断面図。
【図8】図1におけるシャワーヘッドの平面図。
【図9】図1におけるシャワーヘッドの側部分断面図。
【図10】ノズル部分の拡大図。
【図11】他の実施例のノズル部分の拡大図。
【図12】更に他の実施例のノズル部分の拡大図。
【図13】更に他の実施例のノズル部分の拡大図。
【図14】リブにノズル孔を配置した実施例の斜視図。
【図15】他の実施例の(A)フタ(面状)部材の斜視
図、(B)リブを立設した面状部材の斜視図、(C)リ
ング部材の斜視図。(D)熱媒体の流路の経路を示す上
面図、(E)(D)のAA線に沿った断面図。
【符号の説明】
10 反応容器 10A 反応容器の釜状部分 10B 反応容器の支持台部分 11 反応室 12 ステージ 13 基板 16 シャワーヘッド 31,32,33,34,35 流路 40 流量調整弁 18 ノズル孔 18A,18B ノズル管 25 第1の部材 26 第2の部材 34A,34B 熱媒体の循環経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 究 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会 社 荏原製作所内 (72)発明者 中庭 勝 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会 社 荏原製作所内 (72)発明者 松田 尚起 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会 社 荏原製作所内 (56)参考文献 特開 平7−58101(JP,A) 特開 平5−343331(JP,A) 特開 平5−335248(JP,A) 特開 昭57−50423(JP,A) 特開 昭58−153332(JP,A) 特開 昭63−307276(JP,A) 特開 平4−349196(JP,A) 特開 平4−364024(JP,A) 特開 平8−218171(JP,A) 米国特許5273588(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 C23C 16/00 - 16/56 H01L 21/205 EUROPAT(QUESTEL)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を搭載するステージと、該ステージ
    に対向する位置に設けられ、前記基板に薄膜を成長させ
    るための原料ガスを前記基板に吐出するシャワーヘッド
    と、反応室を形成する反応容器とを有する薄膜気相成長
    装置であって、 前記シャワーヘッドには、基板に対向する第1の面状部
    材と、原料ガスの供給側に対向する第2の面状部材との
    間に中空の熱媒体循環スペースが形成され、該熱媒体の
    循環スペース内に前記両部材を貫通するノズル孔を有す
    る多数のノズル管を設け、前記第1の面状部材と第2の
    面状部材間に配設されたリブを備え、該リブにより、前
    記シャワーヘッドの全面にジグザグの熱媒体の循環経路
    が形成されていることを特徴とする薄膜気相成長装置。
  2. 【請求項2】 前記リブに、前記第1の面状部材と第2
    の面状部材を貫通する前記ノズル孔を配設したことを特
    徴とする請求項1記載の膜気相成長装置
  3. 【請求項3】 前記シャワーヘッドの熱媒体の循環経路
    が複数の経路で構成され、前記熱媒体の循環経路は、2
    系統が略平行して近接配置された部分を有し、該略平行
    して配置された部分における流体の流れの向きがそれぞ
    れ逆向きになるように配設されたことを特徴とする請求
    又は記載の薄膜気相成長装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の経路に流れる熱媒体として、
    同一温度の熱媒体が供給されることを特徴とする請求項
    3記載の薄膜気相成長装置。
  5. 【請求項5】 前記熱媒体として、不燃性で熱伝導特性
    が良好なフッ素系の液状流体を用い、前記シャワーヘッ
    ドのノズル管を均一な温度に加熱することを特徴とする
    請求項1記載の薄膜気相成長装置。
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