JP3533459B2 - 被覆金属準微粒子の製造法 - Google Patents

被覆金属準微粒子の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属準微粒子表面に被
覆形成物質を被覆した被覆金属準微粒子、この被覆金属
準微粒子又はこの被覆金属準微粒子を含む混合物を焼結
する金属基焼結体の製造法、及びこの方法で得られる金
属基焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】金属基焼結体について、その組織の微細
化や均質化を図るための開発研究が精力的に進められて
きているが、これは大気中で比較的安定な限られた種類
の金属についてのものであって、活性金属を始め、近年
活発に研究が進められつつある金属間化合物や微細な粉
体粒子にした場合に化学的安定性が十分でない多くの金
属にあっては10μmを越える粒子径の金属準微粒子の
サイズのものを焼結することが多用されている。
【0003】このような状況の中で、金属基焼結体の高
性能化のために、可能な範囲での粒子の微細化や粒子径
の粗大化の抑止、更に異種の物質の分散添加を始めとす
る複合化及びそうした微組織の均質化が強く望まれてい
る。
【0004】このような金属基焼結体の製造には、殆ど
の場合は粉末冶金法が適用される。粉末冶金法では、目
的とする金属基材料を製造するために最適な原料粉末を
調製することが重要であり、この金属準微粒子の表面で
の、金属基焼結体を高性能化させる基体と同種及び/又
は基体と異種の物質、例えばこの金属準微粒子とは化学
的に反応しない物質、或いはこの金属準微粒子との反応
により生成する反応生成物等が焼結体中でむらなく分布
することが不可欠である。
【0005】この原料粉末の段階で添加が可能な方法と
して、メカニカルアロイング法がある。この方法は、金
属とセラミックス、合金或いは金属間化合物等とを混合
後、アトライターと呼ばれる鋼球を入れた強力なボール
ミルで混練する方法であり、この混練時の金属準微粒子
の破砕、及びこの破砕粒子への他種の粒子の凝着の過程
を経て金属準微粒子内に他の粒子を分散添加させること
が可能であり、更に準微粒子の大きさや種類等の選択の
自由度が大きいという特徴から、多用されるようになっ
てきた。
【0006】しかし、メカニカルアロイング法は、一般
的な粉体混合法以上に不純物の混入が避けられないのみ
ならず、原理的に組織の均一化に限度があり、目的の金
属基材料とする同種又は異種の金属、セラミックス或い
は金属間化合物等の添加物質の粒子が微細であっても理
想的な均一な混合、即ち金属準微粒子にこの添加物質の
粒子がむらなく行き渡る均ーな分散は極めて困難であ
る。仮にこの均一な分散が実現されたとしても、添加物
質粒子が粒子単位で混合されるために、微視的に均一の
意味にも限界がある。特に相対的にその量が少ない場
合、分布むらが必然的に出来ることになる。
【0007】現実には、多くの場合、金属準微粒子が集
中し、又はこの添加物質の粒子が凝集して金属基焼結体
中に塊状に存在したり、或いはこの焼結体中において偏
在して金属基焼結体の性能を著しく低下させる。
【0008】従って、微視的に均質化を実現するために
は、金属準微粒子一個一個に確実にこの添加物質を分布
させる必要がある。しかも、金属準微粒子表面への高度
に制御された均一な被覆即ち個々の金属準微粒子の表面
に一様な形態の被覆で、且つこの一様な被覆が個々の全
ての金属準微粒子に漏れがなく成される被覆が要求され
る。しかも、この高度に制御された均一な被覆は、その
粒子径が大きいものについては、未被覆部分が殆どない
均一な被覆が求められる。
【0009】このように、高度に制御された均一な被覆
による被覆金属準微粒子の製造、及びこの被覆金属準微
粒子による高性能な金属基焼結体の製造が強く望まれて
いる。
【0010】この金属準微粒子への被覆形成物質の被覆
法としては、気相法、湿式メッキ法など種々の方法が考
慮されうるが、中でも気相法は、原理的に、(1)雰囲
気の制御が容易である、(2)基本的に被覆形成物質の
選択に制限がなく、活性金属を始めとする金属単体物
質、窒化物、炭化物、硼素物、酸化物など、いろいろな
種類の物質を被覆できる、(3)目的とする被覆形成物
質を、不純物を混入することなく被覆出来る、(4)被
覆量を任意に制御できるなど、他の被覆法では成し得な
い大きな特徴がある。
【0011】しかし、以下の理由により、公知の技術と
して提案されている種々の被覆装置や被覆方法では前記
高度に制御された均一な被覆が成し得なかった。
【0012】即ち、金属準微粒子は微粒子程には凝集力
が強くはないが、それでもこの準微粒子芯粒子粉体の粒
子又は主に準微粒子からなる芯粒子粉体の粒子である金
属準微粒子を一個一個単位の単一粒子状態とすることが
できなかった。このため、凝集して他の金属準微粒子に
より遮られたところではこの金属準微粒子表面に未被覆
部分が残存した。前記のように高度に制御された均一な
被覆が求められているにもかかわらず、金属準微粒子で
はこの程度の凝集力とは言えこの凝集力による影響が甚
大で、大変深刻な問題となっていたというのが実状であ
る。
【0013】例えば、特開昭58−31076号公報に
開示されている装置・方法によれば、PVD装置内に設
置された容器の中に芯粒子粉体の粒子を入れ、容器を電
磁気的な方法により振動させ、前記容器内の芯粒子を転
動させながらPVD法により被覆する。また、特開昭6
1−30663号公報に開示されている装置によれば、
PVD装置内に設置された容器の中に芯粒子粉体の粒子
を入れ、容器を機械的な方法により振動させ、前記容器
内の芯粒子を転動させながらPVD法により被覆するこ
とができるとされている。しかし、これらの容器の振動
により芯粒子粉体の粒子を転動させながら被覆する装置
或いは方法では、実際には、準微粒子芯粒子粉体の粒子
又は主に準微粒子からなる芯粒子粉体の粒子は何層にも
重なった状態で摺動するのみで単一粒子状態で被覆でき
なかった。
【0014】特開平3−153864号公報に開示され
ている装置及び方法は、内面に障壁及び/又は凹凸を備
えた回転容器内に粒子を入れ、回転容器を回転しながら
蒸着法により芯粒子表面に表面を行なうことを目的とす
るものであるが、このような装置或いは方法において
は、準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子からな
る芯粒子粉体の粒子は、何層にも重なった状態で多くの
粒子が接触したまま軽く撹拌されるだけで、単一粒子状
態で被覆できなかった。
【0015】特開昭58−141375号公報には、反
応ガス雰囲気中におかれた粉体を反応ガスの流れと重力
の作用とによって浮遊させて、反応ガスの化学反応によ
り生成される析出物質によって粉体の表面を被覆する装
置が開示されている。又、特開平2−43377号公報
には、粒子を減圧下において流動化させながら、熱化学
反応処理を行い被覆を行なう方法が開示されている。
又、特開昭64−80437号公報には、低・高周波合
成音波により芯粒子粉体の凝集体を崩して流動化させ被
覆する方法が開示されている。しかし、これらの気流や
振動により準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子
からなる芯粒子粉体の粒子の流動層利用する方法又は装
置では、全ての芯粒子を同じ様に単一粒子状態で独立に
流動、浮遊させることは事実上不可能であり、粒子同士
が陰になってできる各粒子の被覆むらをなくすことがで
きなかった。
【0016】特開昭54−153789号公報には、金
属の蒸気を発生させた真空容器内を粉末材料を落下させ
金属を被覆する装置が開示されている。又、特開昭60
−47004号公報には真空槽中の高周波プラズマ領域
にモノマーガスと粉体粒子を導入し、プラズマ重合によ
り有機物の被覆膜を形成させる方法が開示されている。
これらの装置或いは方法の如く、導入するだけでは準微
粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子からなる芯粒子
粉体の粒子は、単一粒子状態でない凝集体を形成して落
下するだけで、粒子の陰ができて被覆むらができたり、
凝集体の内部の粒子は全く被覆されなかったり、或いは
単一粒子に被覆されたものにくらべ被覆量の違いが生じ
てしまった。
【0017】特開昭62−250172号公報には、前
処理として、ジェットミル処理した粉体を、減圧加熱処
理室で滞留せしめ、ここで加熱処理を施した後、粉体フ
ィーダーでスパッタリング室に自然落下により導入せし
め、ターゲットを垂直に設けた円筒状のスパッタリング
室に自然落下させ被覆させる装置及び方法が開示されて
いる。又、特開平2−153068号公報には、前処理
として、ジェットミル処理した粉体を、減圧加熱処理室
で滞留させ、ここで加熱処理を施した後、粉体フィーダ
ーでスパッタリング室のスパッタリング源を納めた回転
容器に(単一粒子でない)粉体状で導入し、容器を回転
させた状態でスパッタリングする装置及び方法が開示さ
れている。これら装置及び方法では、被覆前の加熱工程
で、ジェットミル処理した芯粒子粉体を滞留させる工程
があり、加熱工程でのこの粉体の滞留のため再び単一粒
子状態でない凝集体を形成し、結局被覆工程ではこの凝
集体は単一粒子状態にはならない。
【0018】以上のように、これまでのものでは、いず
れも準微粒子の金属粒子である芯粒子粉体の粒子又は主
に準微粒子の金属粒子からなる芯粒子粉体の粒子に被覆
する装置或いは方法としての問題解決はなされておら
ず、準微粒子の金属粒子である芯粒子粉体の粒子又は主
に準微粒子の金属粒子からなる芯粒子粉体の粒子は、現
実には接触したままの凝集体の状態で被覆処理に供さ
れ、そのために各粒子への高度に制御された均一な被覆
がなされることはなかった。すなわち高度に制御された
均一な被覆がなされる被覆準微粒子の製造方法もそのた
めの製造装置もなかった。それが為、事実上、上記問題
が解消できなかった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従って、現実に、被覆
されるべき金属準微粒子であって、例えば10μmを越
える平均粒径の粒子である準微粒子の芯粒子粉体の粒子
又は主に準微粒子からなる芯粒子粉体の粒子の単一粒子
単位に、被覆形成物質で被覆をした被覆された金属準微
粒子の提供と、この被覆された金属準微粒子による高性
能な金属基焼結体及びその製造方法の実現が強く求めら
れている。
【0020】本発明は、準微粒子の金属粒子である芯粒
子粉体の粒子又は主に準微粒子の金属粒子からなる芯粒
子粉体の粒子の単一粒子単位に、被覆形成物質で被覆を
施した被覆された金属粒子、及びこの被覆された金属準
微粒子による、組織が微細で、かつ均質であり、そして
高性能な金属基焼結体及びその製造法を提供することを
目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、準微粒子の金属
粒子である芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子の金属粒
子からなる芯粒子粉体の粒子の単一粒子単位に、目的の
金属基焼結体製造のための添加物質を被覆形成物質とし
て被覆させるためには、体積基準頻度分布で平均粒子径
が10μmを越える金属粒子である芯粒子粉体の粒子が
主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物中のこの芯粒子粉体の粒子に、分散度
βが準微粒子の粒径に応じて80%以上、90%以上、
95%以上、97%以上、99%以上である高い分散状
態の被覆空間の被覆開始領域で、被覆を開始しなければ
ならないことを見出した。
【0022】即ち、本発明の被覆金属準微粒子は、金属
の準微粒子からなる芯粒子粉体を被覆空間に投入し、気
相を経て生成する被覆形成物質前駆体及び/又は気相状
態の被覆形成物質前駆体を、この芯粒子粉体の粒子に接
触及び/又は衝突させて、芯粒子粉体の粒子の表面を被
覆形成物質で被覆して得られる被覆金属準微粒子であっ
て、 (A) 準微粒子高分散処理手段群の最終処理手段が、
(a) この芯粒子粉体の粒子を気中に分散させる分散
手段、及び(b) 芯粒子粉体の粒子を気中に分散させ
た芯粒子粉体の粒子と気体との混合物において低分散芯
粒子粉体部分を分離し、芯粒子粉体の粒子が主に単一粒
子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体
混合物を選択する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物
選択手段とこの高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選
択手段により選択分離された低分散芯粒子粉体部分を準
微粒子高分散処理手段群中の分散手段の内の最終分散手
段及び/又は最終分散手段以前の処理手段に搬送するフ
ィードバック手段とを備えた高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物選択手段、から選ばれる準微粒子高分散処理
手段群により、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μ
mを越える準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子
からなる芯粒子粉体の粒子を、気中に分散させて高分散
芯粒子粉体の粒子・気体混合物とする分散工程、 (B) この分散工程で分散させた芯粒子粉体の粒子
を、その平均粒子径が10μmを越え20μm以下のと
きには分散度βが80%以上、20μmを越え50μm
以下のときには分散度βが90%以上、50μmを越え
300μm以下のときには分散度βが95%以上、30
0μmを越え800μm以下のときには分散度が97%
以上、800μmを越えるときには分散度が99%以上
の分散状態で、被覆空間の被覆開始領域において被覆形
成物質前駆体と接触及び/又は衝突させて被覆を開始す
る被覆工程、からなる被覆手段によって調製された被覆
金属準微粒子に関する。
【0023】更に本発明は、前記被覆金属準微粒子が、
被覆された金属準微粒子の被覆形成物質を介して接触状
態で集合塊を形成した被覆された金属準微粒子の集合塊
を、解砕及び/又は破砕する被覆された金属準微粒子集
合塊の解砕・破砕工程、及び/又はこの被覆されたセラ
ミック準微粒子集合塊と一次粒子単位の被覆された金属
準微粒子とを選択分離する選択分離工程を更に経て調製
されたものであることを特徴とする被覆金属準微粒子に
も関するものである。
【0024】更に本発明は、被覆された金属準微粒子が
体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越え20μ
m以下の芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段群の最
終処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを
80%以上とする分散性能を有する準微粒子高分散処理
手段群、又は体積基準頻度分布で平均粒子径が20μm
を越え50μm以下の芯粒子粉体を、準微粒子高分散処
理手段群の最終処理により気中に分散させて高分散芯粒
子粉体の粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子
の分散度βを90%以上とする分散性能を有する準微粒
子高分散処理手段群、又は体積基準頻度分布で平均粒子
径が50μmを越え300μm以下の芯粒子粉体を、準
微粒子高分散処理手段群の最終処理により気中に分散さ
せて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、その芯
粒子粉体の粒子の分散度βを95%以上とする分散性能
を有する準微粒子高分散処理手段群、又は体積基準頻度
分布で平均粒子径が300μmを越え800μm以下の
芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段群の最終処理に
より気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを97%以
上とする分散性能を有する準微粒子高分散処理手段群、
又は
【0025】体積基準頻度分布で平均粒子径が800μ
mを越える芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段群の
最終処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒
子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度β
を99%以上とする分散性能を有する準微粒子高分散処
理手段群による分散工程を設け、準微粒子高分散処理手
段群によるり分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体
混合物を被覆工程に直接放出するか、又は分散工程と被
覆工程の間に、準微粒子高分散処理手段群により分散さ
せた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を放出する放
出部から、搬送に不可避の、中空部材、中空を形成する
部材からなる中間部材、及びパイプから選択される一種
類又はそれ以上の部材を介して搬送するか、及び/又
は、前記分散性能で気中に分散させた高分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物中の粒子の気中分散状態を維持する
気中分散維持手段、前記分散性能で気中に分散させた高
分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物中の粒子の気中分散
状態を高める気中分散促進手段、芯粒子粉体の粒子と気
体との混合物の内の、低分散芯粒子粉体部分を分離し、
芯粒子粉体の粒子が主に単一粒子状態で気中に存在する
高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を選択する高分散
芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段の一種類又はそ
れ以上を介して搬送して調製されたものであることを特
徴とする被覆された金属準微粒子にも関するものであ
る。
【0026】更に本発明は、被覆された金属準微粒子
が、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越え2
0μm以下の芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段群
の最終処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度
βを80%以上とする分散性能を有する準微粒子高分散
処理手段群、又は体積基準頻度分布で平均粒子径が20
μmを越え50μm以下の芯粒子粉体を、準微粒子高分
散処理手段群の最終処理により気中に分散させて高分散
芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の
粒子の分散度βを90%以上とする分散性能を有する準
微粒子高分散処理手段群、又は体積基準頻度分布で平均
粒子径が50μmを越え300μm以下の芯粒子粉体
を、準微粒子高分散処理手段群の最終処理により気中に
分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、
その芯粒子粉体の粒子の分散度βを95%以上とする分
散性能を有する準微粒子分散処理手段群、又は体積基準
頻度分布で平均粒子径が300μmを越え800μm以
下の芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段群の最終処
理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを97
%以上とする分散性能を有する準微粒子高分散処理手段
群、又は体積基準頻度分布で平均粒子径が800μmを
越える芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段群の最終
処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを9
9%以上とする分散性能を有する準微粒子高分散処理手
段群による分散工程の一部以上と前記被覆工程の一部以
上とを、空間を一部以上有して行うことにより調製され
たものであることを特徴とする、被覆された金属準微粒
子にも関する。
【0027】更に本発明は、被覆された金属準微粒子
が、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越え2
0μm以下の芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段群
の最終処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度
βを80%以上とする空間領域、又は体積基準頻度分布
で平均粒子径が、20μmを越え50μm以下の芯粒子
粉体を、準微粒子高分散処理手段群の最終処理により気
中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物と
し、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを90%以上とす
る空間領域、又は体積基準頻度分布で平均粒子径が、5
0μmを越え300μm以下の芯粒子粉体を、準微粒子
高分散処理手段群の最終処理により気中に分散させて高
分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉
体の粒子の分散度βを95%以上とする空間領域、又は
体積基準頻度分布で平均粒子径が、300μmを越え8
00μm以下の芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段
群の最終処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散
度βを97%以上とする空間領域、又は体積基準頻度分
布で平均粒子径が、800μmを越える芯粒子粉体を、
準微粒子高分散処理手段群の最終処理により気中に分散
させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、その
芯粒子粉体の粒子の分散度βを99%以上とする空間領
域の内の当該高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物中の
芯粒子粉体の粒子の全ての粒子が通過する面を含む空間
領域に、被覆空間の被覆開始領域を位置せしめるか、又
は体積基準頻度分布で平均粒子径が、10μmを越え2
0μm以下の芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段群
の最終処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度
βを80%以上とする空間領域、又は
【0028】体積基準頻度分布で平均粒子径が20μm
を越え50μm以下の芯粒子粉体を、準微粒子高分散処
理手段群の最終処理により気中に分散させて高分散芯粒
子粉体の粒子・気体混合物とし、芯粒子粉体の粒子の分
散度βを90%以上とする空間領域、又は体積基準頻度
分布で平均粒子径が、50μmを越え300μm以下の
芯粒子粉体を準微粒子高分散処理手段群の最終処理によ
り気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを95%とす
る空間領域、又は体積基準頻度分布で平均粒子径が30
0μmを越え800μm以下の芯粒子粉体を、準微粒子
高分散処理手段群の最終処理により気中に分散させて高
分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、芯粒子粉体の
粒子の分散度βを97%以上とする空間領域、又は体積
基準頻度分布で平均粒子径が、800μmを越える芯粒
子粉体を準微粒子高分散処理手段群の最終処理により気
中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物と
し、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを99%以上とす
る空間領域の内の、回収手段の回収部に回収する全ての
粒子が通過する面を含む空間領域に、被覆空間の被覆開
始領域を位置せしめることにより調製されたものである
ことを特徴とする被覆された金属準微粒子にも関する。
【0029】更に本発明は、使用する、芯粒子粉体の準
微粒子の粒度分布が、平均粒子径をDMとしたとき、体
積基準頻度分布で(〔DM/5,5DM〕,≧90%)で
あることを特徴とする被覆された金属準微粒子にも関す
るものである。
【0030】そして本発明は、上記した被覆された金属
準微粒子又は被覆された金属準微粒子を含む混合物を焼
結することを特徴とする金属基焼結体の製造法にも関す
る。そして本発明はまた上記した金属基焼結体の製造法
により製造した金属基焼結体にも関する。
【0031】而して、本発明によれば、金属の準微粒子
からなる芯粒子粉体の準微粒子又は主に同準微粒子から
なる芯粒子粉体の準微粒子であって、その表面が被覆形
成物質で被覆されたものを、焼結して金属基焼結体を製
造するに際して、上記した表面が被覆形成物質で被覆さ
れた芯粒子の粉体として、気相法により気相を経て生成
する被覆形成物質前駆体及び/又は気相状態の被覆形成
物質前駆体と、準微粒子高分散処理手段群の最終処理手
段により気中に分散させた10μmを越える準微粒子か
らなる高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とを、被覆
空間の被覆開始領域で、高分散芯粒子粉体の粒子・気体
混合物中の芯粒子粉体の粒子の分散度を準微粒子の粒径
に応じて上記の値とした分散状態で合流させ、接触及び
/又は衝突させて芯粒子粉体の粒子の表面を被覆形成物
質で被覆したものを用いることにより、これまでに得ら
れなかった組織が微細で均質でありそして高性能な金属
基焼結体を得ることができた。そして、上記した被覆芯
粒子の調製に際して、被覆形成物質前駆体は、原子、分
子、イオン、クラスター、原子クラスター、分子クラス
ター、クラスターイオン等からなる気相状態、或は気相
を経て生成したばかりのもので、高分散状態の芯粒子と
接触及び/又は衝突を始めることにより、一次粒子状態
の個々の芯粒子の表面に被覆形成物質は強固に結合し、
その結果、芯粒子粉体の表面を被覆形成物質により単一
粒子単位で被覆を施した被覆された金属準微粒子が製造
できるのである。
【0032】以下に本発明を詳細に説明する前に、本明
細書中に使用する用語をはじめに定義することにし、そ
して必要によってその用語の具体的内容を説明し、次い
で被覆形成物質で被覆された金属準微粒子の調製がどの
ような技術的手段によって行なわれるものであるのかの
説明を行うことにする。
【0033】被覆された金属粒子 被覆された金属粒子とは、被覆が施された下記する金属
粒子をいう。例えば、具体的には、被覆形成物質が、超
微粒子状、島状、連続質状、一様な膜状、突起物状等の
内の一種以上の形態で芯粒子に被覆された粒子をいう。
【0034】金属粒子用原料粉体粒子 本発明に係る、金属粉体粒子が準微粒子芯粒子粉体の粒
子又は主に準微粒子からなる芯粒子粉体の粒子である金
属粒子は、一種類以上の被覆形成物質と反応及び/又は
合金化しない単位の金属、半金属、半導体等を始め、一
種類以上の被覆形成物質と反応及び/又は合金化等をし
て目的とする無機化合物、合金、金属間化合物等を生成
する単位の金属、半金属、半導体等の一種類以上が選択
できる。
【0035】気相被覆法 気相被覆法とは、被覆形成物質の原料が、分子流、イオ
ン流、プラズマ、ガス、蒸気、エアロゾルの一種以上か
らなる気相状態を少なくとも一度は経て被覆する方法、
又は気相状態の被覆形成物質の原料により被覆する方法
をいう。
【0036】芯粒子 芯粒子とは、被覆を施す対象物となる金属準微粒子をい
う。これはまた、母材粒子、種粒子或いは被覆される準
微粒子ともいう。
【0037】この芯粒子を構成する物質は、周期律表第
1a、2a、3a、4a、5a、6a、7a、1b、2
b、3b、4b、8族の金属、半導体、半金属、希土類
金属の一種類または二種類以上を構成成分とする金属、
合金または金属間化合物からなるもので、その具体例に
は、例えばAl、B、Si、Fe、Ni、Co、Ti、
Nb、V、Zr、Hf、Ta、W、Re、Cr、Cu、
Mo、Y、La、TiAl、Ti3Al、TiAl3、T
iNi、NiAl、Ni3Alを挙げることができる。
【0038】芯粒子粉体 芯粒子粉体とは、芯粒子からなる粉体をいう。芯粒子粉
体の準微粒子とは、芯粒子粉体を構成する準微粒子をい
う。本発明において被覆に供する準微粒子芯粒子粉体の
粒子又は主に準微粒子からなる芯粒子粉体の粒子は、平
均粒子径が体積基準頻度分布で10μmを越えるもので
ある。
【0039】好ましくは、平均粒子径をDMとしたと
き、粒度分布が体積基準頻度分布で(〔DM/5,5
M〕,≧90%)のものである。このような比較的分
布の幅の狭い粉体では、平均粒子径で粉体の分散特性又
は凝集特性が特徴付けられ、DMの値に適した条件で微
粒子高分散処理手段群を作動させれば分散できる。
【0040】平均粒子径が10μmを越える芯粒子粉体
の粒子の粒度分布が、幅広い分布又は互いに離れた複数
のピークを持つ分布の粉体では、好適には適当な選択分
離処理、例えば分級処理を行ってそれぞれ分級された粉
体ごとに、被覆処理を施す。これにより、それぞれ分級
された粉体ごとに上記条件の下で、被覆空間の被覆開始
領域で分散度βが80%以上、90%以上、95%以
上、97%以上又は99%以上の状態の被覆が開始さ
れ、芯粒子粉体の粒子一つ一つの準微粒子に被覆が可能
となる。
【0041】被覆形成物質 被覆形成物質とは、被覆を施す対象物に被覆を形成する
物質をいう。例えば、具体的には、超微粒子状、島状、
連続質状、一様な膜状、突起物状等の一種以上からなる
形態で芯粒子粉体の粒子被覆を形成する物質をいう。
【0042】特に、被覆形成物質の形態が超微粒子状の
場合、この超微粒子の粒子径は、例えば0.005μm
〜0.5μmの範囲のものをいう。
【0043】この被覆形成物質は、被覆形成物質自体が
そのままで被覆を形成するか、又は被覆形成物質と芯粒
子の金属とが反応して及び/又は金属粒子に固溶して及
び/又は合金化して及び/又は二種類以上の被覆形成物
質同志が反応して及び/又は固溶して被覆を形成するた
めの目的とする無機化合物、合金、金属間化合物等の一
種類又はそれ以上を生成し、被覆された金属準微粒子の
焼結を促進する焼結助剤及び/又は結合材となる単体物
質及び/又は化合物及び/又は金属準微粒子の表面改質
剤となる単体物質及び/又は化合物から選択される。金
属準微粒子の粒界を制御せしめる表面改質剤を被覆形成
物質としても選択可能である。例えば、金属準微粒子に
表面改質剤を被覆形成物質として被覆し、金属準微粒子
の粒成長を抑止することができる。また、金属準微粒子
と反応及び/又は合金化及び/又は固溶する被覆形成物
質と金属準微粒子の間に表面改質剤を被覆形成物質とし
て被覆し、反応、固溶、合金化等の速度を抑制すること
ができる。或は金属準微粒子の焼結を促進する焼結助剤
及び/又は結合材を被覆形成物質として被覆する場合
に、焼結助剤及び/又は結合材との化学結合性を高めた
り、又は個々の金属準微粒子を任意の物質から隔離せし
め、これにより、金属準微粒子と任意の物質との反応を
抑止せしめることができる。何れも、被覆形成物質の選
択の幅が飛躍的に大きく広がり好適である。
【0044】また、金属基焼結体用被覆形成物質は、前
記金属準微粒子よりも高融点の無機化合物、及び/又は
前記金属準微粒子と反応して及び/又は金属準微粒子に
固溶して、及び/又は二種類以上からなる被覆形成物質
同士が反応及び/又は合金化して生成する反応生成物
が、金属準微粒子よりも高融点の無機化合物である反応
生成物を生成せしめる被覆形成物質が選択できる。これ
らの被覆形成物質は、周期律表1a、2a、3a、4
a、5a、6a、7a、1b、2b、3b、4b、5
b、6b、7b、8族の金属、半導体、半金属、希土類
金属、非金属及びその酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化
物、酸炭化物、炭窒化物、酸炭窒化物、硼化物、珪化物
の一種類又はそれ以上、例えばAl、B、Si、Fe、
Ni、Co、Ti、Nb、V、Zr、Hf、Ta、W、
Re、Cr、Cu、Mo、Y、La、TiAl、Ti
Al、TiAl、TiNi、NiAl、NiAl、
SiC、TiC、ZrC、BC、WC、WC、Hf
C、VC、TaC、TaC、NbC、MoC、Cr
、Si、TiN、ZrN、SiO、
AlN、HfN、VN(x=1〜3)、NbN、Ta
N、TaN、TiB、TiB、ZrB、VB、V
、VB、NbB、NbB、TaB、Ta
、MoB、MoB、MoB、MoB、WB、
B、W、LaB、B13、MoS
、BP、Al、ZrO、MgAl
(スピネル)、AlSiO(ムライト)の一種類
又はそれ以上を含む物質であることができる。
【0045】均一な被覆 一様な膜状の被覆形成物質の場合には、単一粒子におい
て被覆膜の厚さがいたるところで均一であることをい
う。被覆形成物質が超微粒子状、島状又は突起物状の場
合には、超微粒子状、島状又は突起物状の被覆形成物質
が均一な分布で被覆することをいう。被覆形成物質の生
成過程で、避けられない不均一さは、均一の範疇に含ま
れるものである。
【0046】被覆空間に投入の定義 被覆空間に投入とは、例えば、自由落下等の落下によっ
て芯粒子粉体を被覆空間に導入することをいう。搬送ガ
スにより投入する場合には、芯粒子粉体を芯粒子粉体の
準微粒子・気体混合物の流れの方向に乗せて導入した
り、気体に乗って流れの方向へ、或いは気体に乗り方向
が変えられて導入することをいう。または、搬送ガスの
作用を受けて導入することをもいう。例えば、搬送ガス
の波動現象、具体的には非線系波動によって導入するこ
とをもいう。或いは、ガス中の音波、超音波、磁場、電
子線等によって被覆空間に導入することをもいう。ま
た、外場、例えば電場、磁場、電子線等により導入する
ことをもいう。具体的には、電場、磁場、電子線等によ
り粉体粒子を帯電させ、又は帯磁させ引力又は斥力によ
り被覆空間に導入することをもいう。また、ガスの背圧
や減圧によって吸い込まれ、導入することも含む。
【0047】被覆空間 被覆空間とは、被覆形成物質の原料から気相を経て生成
する被覆形成物質前駆体及び/又は気相状態の被覆形成
物質前駆体と芯粒子粉体の粒子が接触及び/又は衝突す
る空間をいう。或いは、芯粒子粉体の粒子の表面を被覆
形成物質で被覆する空間領域をいう。
【0048】被覆室 被覆室とは、被覆空間を一部以上有する室をいう。より
具体的には、被覆室とは、被覆空間を含む仕切られた、
又は略仕切られた(略閉じた、半閉じた)室であって、
被覆空間を一部以上含む室である。
【0049】気中 気中とは、真空又は気相状態の空間内をいう。ここで、
本発明において、気相状態とは、分子流、イオン流、プ
ラズマ、ガス、蒸気、エアロゾル等の状態をいう。真空
とは、技術的には、減圧状態をさす。どんな減圧下で
も、厳密にはガス、分子、原子、イオン等が含まれる。
【0050】被覆形成物質前駆体 被覆形成物質前駆体とは、被覆形成物質の前駆体であ
る。より詳しくは、気相状態の被覆形成物質の原料がそ
のまま、又は被覆形成物質の原料から気相を経て形成及
び/又は合成され、被覆を施す対象物となる準微粒子で
ある芯粒子に被覆を形成する直前までの物質をいう。被
覆形成物質前駆体は、被覆形成物質の原料から、気相を
経て形成及び/又は合成する限り、状態の制限はない。
被覆形成物質の原料が気相の場合、この原料が被覆形成
物質前駆体にもなりうる。被覆形成物質前駆体そのもの
が気相であってもよい。また、被覆形成物質前駆体が反
応性物質の場合は、反応前でもよく、反応中でもよく、
反応後でもよい。被覆形成物質前駆体の具体例として
は、イオン、原子、分子、クラスター、原子クラスタ
ー、分子クラスター、クラスターイオン、超微粒子、ガ
ス、蒸気、エアロゾル等が挙げられる。
【0051】被覆形成物質の原料 被覆形成物質の原料とは、気相を経て被覆を形成する物
質となる原料物質をいう。被覆形成物質の原料の形態の
具体例として、塊状の固体、粉体粒子、気体、液体等が
挙げられる。
【0052】分散度β 分散度βとは、粉体分散装置の分散性能を評価する指数
として増田、後藤氏らが提案(化学工学、第22回、秋
季大会研究発表講演要旨集、P349(1989)参
照)したように、全粒子の重量に対する、見かけの一次
粒子状態の粒子の重量の割合と定義する。ここで、見か
けの一次粒子状態の粒子とは、任意の分散状態の粉体粒
子の質量基準の頻度分布fm2と完全分散されている粉体
粒子の質量基準の頻度分布fm1のオーバーラップしてい
る部分の割合を示し、次の式のβで表される。
【0053】
【数1】 上式において、粒子径の単位(μm)は規定されるもの
ではない。
【0054】上式は質量基準で表した粒度分布を基準に
して分散度を評価しているが、本来分散度は体積基準で
表した粒度分布を基にして評価されるべきものである。
しかし粒体粒子密度が同じである場合には質量基基準で
表した粒度分布と体積基準で表した粒度分布は同じにな
る。そこで実用上測定が容易な質量基準の粒度分布を測
定し、それを体積基準の粒度分布として用いている。従
って本来の分散度βは次の式及び図1(a)の斜線部分
の面積で表される。
【0055】
【数2】 上式において、粒子径の単位(μm)は規定されるもの
ではない。そして芯粒子粉体の分布及び平均粒子径は、
特に断らない限り基本的には体積基準を用いることとす
る。
【0056】体積基準頻度分布 体積基準頻度分布とは、粒子径の分布をある粒子径に含
まれる体積割合をもって表したものをいう。
【0057】(〔D1,D2〕,≧90%)の定義 (〔D1,D2〕,≧90%)分布とは、D1、D2を粒子
径、但しD1<D2とするとき、D1以上でD2以下の粒子
が体積で90%以上含まれる分布を表し、図1(b)の
ように斜線の部分の割合が90%以上である粒子からな
る粉体を表す。
【0058】体積基準頻度分布(〔DM/5,5DM〕,
≧90%)の定義 粒度分布が、体積基準頻度分布で(〔DM/5,5
M〕,≧90%)分布とは、DMを体積基準の平均粒子
径とするとき、DMの1/5倍の粒子径以上、DMの5倍
の粒子径以下の粒子を体積で90%以上含む分布を表
す。例えば、平均粒子径DMが20μmで体積基準頻度
分布が(〔DM/5,5DM〕,≧90%)とは、体積基
準の平均粒子径が20μmで、4μm以上且つ100μ
m以下の粒子径の粒子が体積で90%以上含まれるよう
な分布を表す。ここで、体積基準の平均粒子径DMは、
【数3】 f(D):体積基準頻度分布 又は技術的には、ある粒子径間隔をDi±△Di/2(△
iは区分の幅)内にある粒子群の体積をviとすると、 DM=Σ(vii)/Σvi と表される。
【0059】被覆開始領域 微粒子高分散処理手段群の最終処理後、初めて被覆が開
始される領域を被覆開始領域という。従って、準微粒子
高分散処理手段群の最終処理以前では、初めて被覆が開
始される領域でも、ここでいう被覆開始領域ではない。
【0060】被覆開始領域での分散度β 本発明では、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm
を越える芯粒子粉体を、微粒子高分散処理手段群の最終
の分散処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度
βをこの準微粒子の平均粒径に応じて80%以上、90
%以上、95%以上、97%以上又は99%以上とした
領域に被覆空間の被覆開始領域を位置せしめる被覆室を
設ける。この被覆空間の被覆開始領域における分散度で
あれば、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越
える準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子からな
る芯粒子粉体の粒子を、実質的に粒子一個一個の単位に
気中に分散して被覆に供することができ、被覆空間の被
覆開始領域を通過する全ての芯粒子粉体の粒子の表面の
少なくとも一部と、被覆形成物質前駆体とは接触及び/
又は衝突するため、必ず準微粒子一個一個の単位に被覆
形成物質を付けることができる。平均粒子径が10μm
を越える準微粒子において、上記分散度βは、芯粒子粉
体の平均粒子径と共に連続的に変化するが表現困難なた
め便宜的に段階的な表現とした。
【0061】好適には、被覆空間の被覆開始領域におい
て、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越え2
0μm以下の芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段群
の最終処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度
βを90%以上とするか、体積基準頻度分布で平均粒子
径が20μmを越え50μm以下の芯粒子粉体を、準微
粒子高分散処理手段群の最終処理により気中に分散させ
て高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、その芯粒
子粉体の粒子の分散度βを95%以上とするか、体積基
準頻度分布で平均粒子径が50μmを越え300μm以
下の芯粒子粉体を、準微粒子高分散処理手段群の最終の
分散処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒
子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度β
を97%以上とするか、又は体積基準頻度分布で平均粒
子径が300μmを越える芯粒子粉体を準微粒子高分散
処理手段群の最終の分散処理により気中に分散させて高
分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉
体の粒子の分散度βを99%以上とする。
【0062】この被覆空間の被覆開始領域での分散度で
あれば、芯粒子粉体の準微粒子が体積基準頻度分布で平
均粒子径が10μmを越える準微粒子芯粒子粉体の粒子
又は主に準微粒子からなる芯粒子粉体の粒子に対して事
実上芯粒子同士による閉ざされた部分がなく、一個一個
の粒子の表面のいたるところに被覆形成物質前駆体を接
触及び/又は衝突させることが可能であり、一個一個の
粒子表面にほぼ一様に被覆できる。
【0063】体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm
を越える準微粒子の芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子
からなる芯粒子粉体の粒子は気中に於いては凝集作用が
働き、粒子同士で接触及び/又は衝突しあい高分散芯粒
子粉体の粒子・気体混合物中の芯粒子粉体の粒子の分布
が不均一になる。しかし、上記分散度のごとき分散状態
で被覆を開始すれば、準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主
に準微粒子からなる芯粒子粉体の粒子一個一個単位によ
り均一に、被覆形成物質を被覆でき、且つ各粒子ごとに
より均一な量に被覆形成物質を被覆できる。
【0064】準微粒子高分散処理手段群準微粒子高分散
処理手段群とは、 (A) 少なくとも分散手段を1以上有し、 (B) 最終の処理手段として、(a) 芯粒子粉体の
準微粒子を気中に分散させる分散手段、又は(b) 芯
粒子粉体の準微粒子を気中に分散させた芯粒子粉体の粒
子と気体との混合物において低分散芯粒子粉体部分を分
離し、芯粒子粉体の粒子が主に単一粒子状態で気中に存
在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を選択する
高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段とこの高
分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段により分離
された低分散芯粒子粉体部分をこの準微粒子高分散処理
手段群中の分散手段の内の最終分散手段及び/又は最終
分散手段以前の処理手段に搬送するフィードバック手段
とを備えた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手
段、を有するものである。
【0065】好適には、(1)体積基準頻度分布で平均
粒子径が10μmを越え20μm以下の芯粒子粉体を準
微粒子高分散処理手段群の最終処理により気中に分散さ
せて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、その芯
粒子粉体の粒子の分散度βを80%以上とするか、又は
(2)体積基準頻度分布で平均粒子径が20μmを越え
50μm以下の芯粒子粉体を準微粒子高分散処理手段群
の最終処理により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度
βを90%以上とするか、又は(3)体積基準頻度分布
で平均粒子径が50μmを越え300μm以下の芯粒子
粉体を準微粒子高分散処理手段群の最終処理により気中
に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物と
し、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを95%以上とす
るか、又は(4)体積基準頻度分布で平均粒子径が30
0μmを越え800μm以下の芯粒子粉体を準微粒子高
分散処理手段群の最終処理により気中に分散させて高分
散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とし、その芯粒子粉体
の粒子の分散度βを97%以上とするか、又は(5)体
積基準頻度分布で平均粒子径が800μmを越える芯粒
子粉体を、準微粒子高分散処理手段群の最終処理により
気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物
とし、その芯粒子粉体の粒子の分散度βを99%以上と
する分散性能を有するものである。
【0066】前記被覆開始領域における種々の分散度、
例えばβ≧70%、80%、90%に対応してそれらと
同等以上の分散性能の準微粒子高分散処理手段群を設け
ることにより、被覆開始領域において、各分散度に応じ
た高品位な被覆を施すことができる。
【0067】最終処理手段 準微粒子高分散処理手段群の最終の処理手段が分散手段
の場合、分散処理手段を準微粒子高分散処理手段群の最
終処理手段という。又、準微粒子高分散処理手段群の最
終の処理手段が、準微粒子高分散処理手段の最終の分散
手段へ、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択処理
工程時に於いて低分散状態であったために選択分離され
た部分を搬送するフィードバック手段を備えた高分散芯
粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段、又は最終の分散
手段より前の処理手段に、高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物選択処理工程時に於いて低分散状態であったた
めに選択分離された部分を搬送するフィードバック手段
を備えた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段
の場合この高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手
段を準微粒子高分散処理手段群の最終処理手段という。
【0068】尚、この準微粒子高分散処理手段群の最終
処理手段であるフィードバック手段を備えた高分散芯粒
子粉体の粒子・気体混合物選択手段より前に設ける(例
えば、このフィードバック手段を備えた高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物選択手段と最終分散手段の間、或
いは最終分散手段より前)高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物選択手段は、フィードバック手段の有無にかか
わらず準微粒子高分散処理手段群の構成要素である。
【0069】分散手段 準微粒子を分散するために用いる手段を分散手段とい
う。この分散手段は少しでも或いは僅かでも分散効果を
有するものは分散手段として使用可能であり、これを分
散手段とする。例えば、一般に供給手段として用いる空
気輸送用のロータリーフィーダーやインジェクションフ
ィーダー(粉体工学会編:“粉体工学便覧”、日刊工業
新聞社(1986)P568、P571)は、分散効果
も有するので、分散目的の手段として使用する場合は分
散手段である。後述の分散維持・促進手段も分散目的で
(βを高める目的で)使用する場合は分散手段となる。
そしてこの分散手段は単一の装置、機器である場合も、
複合された装置、機器である場合もあり、これらを総称
して分散処理手段群と呼ぶ。
【0070】この準微粒子高分散処理手段群は、芯粒子
粉体の粒子の加速及び/又は速度勾配に置く気流による
分散、芯粒子粉体の粒子の制止障害物及び/又は回転体
である障害物への衝突による分散、芯粒子粉体の粒子の
流動層及び/又は脈流及び/又は回転ドラム及び/又は
振動及び/又は掻取りからなる機械的解砕による分散等
の内の選択された一種類以上の分散の機構を備えたもの
をいう。
【0071】具体的には、準微粒子高分散処理手段群
は、エジェクタ型分散機、ベンチュリ型分散機、細管、
撹拌機、気流中の障害物を利用した分散機、ジェットの
吹付けを利用した分散機、螺旋管、回転羽根を利用した
分散機、回転するピンを利用した分散機(ケージミ
ル)、流動層型分散機、脈流を利用した分散機、回転ド
ラムを利用した分散機、振動を利用した分散機、振動ふ
るい、スクレーパによる掻取りを利用した分散機、SA
EI、Gonell式分散機、中条式分散機、Roller式分散
機、オリフィス型分散機、B.M式分散機、Timbnell式分
散機、Wright式分散機等の内の選択された一種以上から
なる分散手段を備えたものである(粉体工学会編:“粉
体工学便覧”、日刊工業新聞社(1986)P43
0)。
【0072】又、特開昭56−1336号に記載の撹拌
羽根を利用した分散機、特開昭58−163454号に
記載の高速気流と分散ノズルを利用した分散機、特開昭
59−199027号に記載の回転羽根による分散作用
とプラズマイオンによる分散作用を利用した分散機、特
開昭59−207319号に記載のプラズマイオンによ
る分散作用を利用した分散機、特開昭59−21661
6号に記載のエジェクタとプラズマイオンによる分散作
用を利用した分散機、特開昭59−225728号に記
載のエジェクタとイオン流の分散作用を利用した分散
機、特開昭59−183845号に記載のプラズマイオ
ンの分散作用を利用した分散機、特開昭63−1664
21号に記載の分散羽根と圧力気体による分散作用を利
用した分散機、特開昭62−176527号に記載のラ
イン状又はリング状スリット型噴出口を用いた分散機、
特開昭63−221829号に記載の網状羽根を利用し
た分散機、特開昭63−1629号に記載の噴射ノズル
からの高速気流による分散作用を利用した分散機、実開
昭63−9218号に記載の多数の細孔を利用した分散
機、実開昭62−156854号に記載のエジェクタ型
分散機、実開昭63−6034号に記載の細孔とオリフ
ィスを利用した分散機等の公報に記載のものも使用可能
である。
【0073】準微粒子高分散処理手段群に好適な分散手
段として、特願昭63−311358号、特願平1−7
1071号、特願平2−218537号等に記載の装置
が挙げられる。
【0074】高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択
手段 高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段とは、芯
粒子粉体の粒子・気体混合物から、低分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物を分離し、主に単一粒子状態の粒子を
含む高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を選択する手
段をいう。一次粒子の集合体である凝集粒子は、見かけ
の粒子径が一次粒子の粒子径に比べ大きくなることか
ら、例えば乾式分級手段により分離が可能である。この
高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段には重力
を利用した分級手段、慣性力を利用した分級手段、遠心
力を利用した分級手段、静電気を利用した分級手段、流
動層を利用した分級手段等から一種以上選択された乾式
分級手段が挙げられる。
【0075】この高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物
選択手段の例としては、重力分級機、慣性分級機、遠心
分級機、サイクロン、エアセパレータ、ミクロンセパレ
ータ、ミクロプレックス、ムルチプレックス、ジグザク
分級機、アキュカット、コニカルセパレータ、ターボク
ラシファイア、スーパセパレータ、ディスパージョンセ
パレータ、エルボジェット、流動層分級機、バーチュア
ルインパクタ、O−Sepa、ふるい、バイブレーティ
ングスクリーン、シフタ(粉体工学会編:“粉体工学便
覧”日刊工業新聞社、P514(1986))等が挙げ
られる。
【0076】芯粒子粉体の粒子・気体混合物 芯粒子粉体の粒子・気体混合物とは、(a)芯粒子粉体
の粒子が気中に一様に浮遊した均質流れ(一様な浮遊流
れ)、(b)芯粒子粉体の粒子が気中のある領域で非一
様な分布を示す不均質流れ(非均質浮遊流れ)、(c)
芯粒子粉体の粒子の摺動層を伴う流れ(摺動流れ)、又
は(d)芯粒子粉体の粒子の静止層を伴う流れをいう。
【0077】低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物 低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とは、芯粒子粉体
の粒子・気体混合物の内、芯粒子粉体の粒子が主に単一
粒子状態以外の状態で気中に存在する芯粒子粉体の粒子
・気体混合物をいう。
【0078】高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物 高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とは、芯粒子粉体
の粒子が主に単一粒子状態で気中に存在する芯粒子粉体
の粒子・気体混合物をいう。高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物は、極めて高分散であっても、実際には凝集
粒子を含む。低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物は、
実際には、凝集していない単粒子を含み、選択分離して
低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物と高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物に分けられる。低分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物は、凝集粒子の選択分離及び/又は
再分散により、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物と
なる。
【0079】回収手段 被覆空間で被覆した被覆準微粒子を取り出す手段を回収
手段という。回収手段の内で回収処理の行われる部分を
回収部という。被覆空間の被覆開始領域を通過して被覆
した被覆準微粒子は、気中から直接取り出して回収する
か、又は気中から取り出して一時的に蓄えてから回収す
るか、又は、気体と共に回収される。
【0080】回収手段の回収部としては、隔壁(障害
物)を利用した回収手段の回収部、重力を利用した回収
手段の回収部、慣性力を利用した回収手段の回収部、遠
心力を利用した回収手段の回収部、帯電による引力を利
用した回収手段の回収部、熱泳動力を利用した回収手段
の回収部、ブラウン拡散を利用した回収手段の回収部、
ガスの背圧や減圧等による吸引力を利用した回収手段の
回収部等が利用可能である。
【0081】この回収手段の回収部の好適な例として
は、重力集塵機、慣性集塵機、遠心力集塵機、濾過集塵
機、電気集塵機、洗浄集塵機、粒子充填層、サイクロ
ン、バグフィルター、金属フィルター、スクラバー等が
挙げられる。
【0082】次に、本発明で用いる被覆された金属準微
粒子を調製する場合に採用される準微粒子高分散処理手
段群を添付の図面に基づいて説明することにする。
【0083】準微粒子高分散処理手段群の図の説明 図2(a)は被覆された金属準微粒子を調製する際の準
微粒子高分散処理手段群の基本的な構成の一例を表すブ
ロック図である。芯粒子粉体の準微粒子を分散させる最
終の分散手段A、最終の分散手段以前の分散処理手段群
の構成要素dで構成されている。εは、芯粒子粉体の準
微粒子の内、主に単一粒子状態で気中に存在する高分散
芯粒子粉体の粒子・気体混合物である。構成要素dとし
ては、分散手段、供給手段、高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物選択手段等任意の処理手段を単独又は組み合
わせて使用できる。構成要素dは、必ずしも設けなくと
も良い。準微粒子高分散処理手段群は、最終の処理手段
である分散手段Aの処理後、(1)体積基準頻度分布で
平均粒子径が10μmを越え20μm以下の芯粒子粉体
に対し、分散度βが80%以上、又は(2)体積基準頻
度分布で平均粒子径が20μmを越え50μm以下の芯
粒子粉体に対し、分散度βが90%以上、又は(3)体
積基準頻度分布で平均粒子径が50μmを越え300μ
m以下の芯粒子粉体に対し、分散度βが95%以上、又
は(4)体積基準頻度分布で平均粒子径が300μmを
越え800μm以下の芯粒子粉体に対し、分散度βが9
7%以上、又は(5)体積基準頻度分布で平均粒子径が
800μmを越える芯粒子粉体に対し、分散度βが99
%以上を実現できる構成のものである。
【0084】図2(b)は被覆された金属準微粒子を調
製する際の準微粒子高分散処理手段群の基本的な構成の
他の一例を表すブロック図である。芯粒子粉体の粒子を
分散させる最終の分散手段A、最終の分散手段Aへ芯粒
子粉体の粒子が、主に単一粒子状態で気中に存在する高
分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物、以外の低分散芯粒
子粉体の粒子・気体混合物ηをフィードバックさせるフ
ィードバック手段Cを備えた最終の高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物選択手段B、最終の分散手段以前の分
散処理手段群の構成要素d、最終分散手段と最終選択手
段の間の準微粒子高分散処理手段群の構成要素eで構成
されている。εは、芯粒子粉体の粒子の内、主に単一粒
子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体
混合物である。構成要素dとしては、分散手段、供給手
段、選択手段等任意の処理手段を単独又は組み合わせて
使用できる。構成要素eとしては、分散手段以外の処理
手段、例えば供給手段、選択手段等任意の処理手段を単
独又は組み合わせて使用できる。構成要素d及びeは、
必ずしも設けなくとも良い。準微粒子高分散処理手段群
は、最終の処理手段である選択手段Bによる処理後、前
記平均粒子径の芯粒子粉体に対し前記分散度を実現でき
る構成である。
【0085】図2(c)は、被覆された金属準微粒子を
調製する際の準微粒子高分散処理手段群の基本的な構成
の他の一例を表すブロック図である。芯粒子粉体の粒子
を分散させる最終の分散手段A、最終の分散手段Aより
前の処理手段へ芯粒子粉体の粒子が、主に単一粒子状態
で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物、以外の低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物ηをフ
ィードバックさせるフィードバック手段Cを備えた高分
散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段B、最終の分
散手段以前の準微粒子高分散処理手段群の構成要素d、
最終の分散手段と最後の選択手段の間の準微粒子高分散
処理手段群の構成要素eで構成されている。εは、芯粒
子粉体の粒子の内、主に単一粒子状態で気中に存在する
高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物である。構成要素
dとしては、分散手段、供給手段、選択手段等任意の処
理手段を単独又は組み合わせて使用できる。構成要素d
としては、分散手段以外の処理手段、例えば供給手段、
選択手段等任意の処理手段を単独又は組み合わせて使用
できる。構成要素d及びeは、必ずしも設けなくともよ
い。準微粒子高分散処理手段群は、最終の処理手段であ
る選択手段Bによる処理後、前記平均粒子径の芯粒子粉
体に対し前記分散度を実現できる構成である。
【0086】なお、以上のような構成であるから、供給
槽、芯粒子生成手段等の粉体の供給源も本準微粒子高分
散処理手段群の構成に含めてもよい。例えば図2(c)
の場合、フィードバック手段Cのフィードバック先を供
給槽とする構成も高分散処理手段群の構成としてよいこ
とは言うまでもない。又、準微粒子高分散処理手段群の
分散工程の前に、芯粒子粉体の準微粒子を解砕及び/又
は粉砕する解砕工程を入れても良いことは言うまでもな
い。
【0087】上記した準微粒子高分散処理手段群の基本
的な構成の具体的な代表例をより詳細にしたブロック図
に基づいて更に詳しく説明することにする。
【0088】構成1 図3(a)は、被覆された金属準微粒子を調製する際の
準微粒子高分散処理手段群の第1の構成を説明するブロ
ック図であって図2(a)に対応するものである。本例
は、被覆される芯粒子粉体を供給する供給槽100、被
覆される芯粒子粉体を分散させる最終分散手段Aから構
成されている。εは、芯粒子粉体の粒子の内、主に単一
粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物である。
【0089】構成2 図3(b)は、被覆された金属準微粒子を調製する際の
準微粒子高分散処理手段群の第2の構成を説明するブロ
ック図であって図2(a)に対応するものである。本例
は、被覆される芯粒子粉体を供給する供給槽100、被
覆される芯粒子粉体を分散させる分散手段a、被覆され
る芯粒子粉体を分散させる最終分散手段Aから構成され
ている。εは、芯粒子粉体の粒子の内、主に単一粒子状
態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物である。
【0090】構成3 図3(c)は、被覆された金属準微粒子を調製する際の
準微粒子高分散処理手段群の第3の構成を説明するブロ
ック図であって図2(a)に対応するものである。本例
は、被覆される芯粒子粉体を供給する供給100、被覆
される芯粒子粉体を分散させる分散手段a、分散手段a
で分散させた芯粒子粉体の粒子・気体混合物のうちから
主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物、以外の低分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物ηを分散手段aへフィードバックさせるフィー
ドバック手段C、主に高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
合物を最終の分散手段Aへ導入する高分散芯粒子粉体の
粒子・気体混合物選択手段b、被覆される芯粒子粉体を
分散させる最終分散手段A、から構成されている。ε
は、芯粒子粉体の粒子の内、主に単一粒子状態で気中に
存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物である。
【0091】構成4 図3(d)は、被覆された金属準微粒子を調製する際の
準微粒子高分散処理手段群の第4の構成を説明するブロ
ック図であって図2(b)に対応するものである。本例
は、被覆される芯粒子粉体を供給する供給槽100、被
覆される芯粒子粉体を分散させる最終分散手段A、最終
分散手段Aで分散させた芯粒子粉体の粒子・気体混合物
のうちから主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯
粒子粉体の粒子・気体混合物、以外の低分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物ηを分散手段Aへフィードバックす
るフィードバック手段C、高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物を放出する最終の高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物選択手段Bから構成されている。εは、芯粒子
粉体の粒子の内、主に単一粒子状態で気中に存在する高
分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物である。
【0092】構成5 図3(e)は、被覆された金属準微粒子を調製する際の
準微粒子高分散処理手段群の第5の構成を説明するブロ
ック図であって図2(b)に対応するものである。本例
は、被覆される芯粒子粉体を供給する供給槽100、被
覆される芯粒子粉体を分散させる分散手段a、被覆され
る芯粒子粉体を分散させる最終分散手段A、最終分散手
段Aで分散させた芯粒子粉体の粒子・気体混合物のうち
から主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物、以外の低分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物ηを分散手段Aへフィードバックするフィ
ードバック手段C、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物を放出する最終の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物選択手段Bから構成されている。εは、芯粒子粉体の
粒子の内、主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯
粒子粉体の粒子・気体混合物である。
【0093】構成6 図3(f)は、被覆された金属準微粒子を調製する際の
準微粒子高分散処理手段群の第6の構成を説明するブロ
ック図であって図2(b)に対応するものである。本例
は、被覆される芯粒子粉体を供給する供給槽100、芯
粒子粉体の粒子・気体混合物のうちから主に低分散芯粒
子粉体の粒子・気体混合物を取り除き、主に高分散芯粒
子粉体の粒子・気体混合物を分散手段Aへ導入する高分
散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段b、選択分離
された芯粒子粉体の粒子を分散させる最終分散手段A、
最終分散手段Aで分散させた芯粒子粉体の粒子・気体混
合物のうちから主に単一粒子状態で気中に存在する高分
散芯粒子粉体の粒子・気体混合物、以外の低分散芯粒子
粉体の粒子・気体混合物ηを分散手段Aへフィードバッ
クさせるフィードバック手段C、高分散芯粒子粉体の粒
子・気体混合物を放出する最終の高分散芯粒子粉体の粒
子・気体混合物選択手段Bから構成されている。εは、
芯粒子粉体の粒子の内、主に単一粒子状態で気中に存在
する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物である。
【0094】構成7 図3(g)は、被覆された金属準微粒子を調製する際の
準微粒子高分散処理手段群の第7の構成を説明するブロ
ック図であって図2(c)に対応するものである。本例
は、被覆される芯粒子粉体を供給する供給槽100、被
覆される芯粒子粉体を分散させる分散手段a、被覆され
る芯粒子粉体を分散させる最終分散手段A、最終分散手
段Aで分散させた芯粒子粉体の粒子・気体混合物のうち
から主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物、以外の低分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物ηを分散手段aへフィードバックするフィ
ードバック手段C、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物を放出する最終の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物選択手段Bから構成されている。εは、芯粒子粉体の
粒子の内、主に単一粒子状態で気中に存在する高分散芯
粒子粉体の粒子・気体混合物である。
【0095】このようにして達成された準微粒子の高分
散状態を維持するために、気中分散維持手段を準微粒子
高分散処理手段群と被覆室の間に付加することもでき
る。ここでいう気中分散維持手段とは、気中に分散担持
された芯粒子粉体の粒子の再凝集を防止して分散度βを
維持する手段をという。又、このようにして達成された
芯粒子の高分散状態を促進するために、気中分散促進手
段を微粒子高分散処理手段群と被覆室の間に付加するこ
ともできる。ここでいう気中分散促進手段とは、気中に
分散担持された芯粒子粉体の粒子のうち主に再凝集した
粒子の再分散を促進し、分散状態を低下を鈍らせたり、
一旦低下した分散状態を元の高分散の状態まで回復する
ように再分散を促す手段をいう。
【0096】この気中分散維持手段又は気中分散促進手
段の好適な例としては、パイプ振動装置、パイプ加熱装
置、プラズマ発生装置、荷電装置等が挙げられる。
【0097】パイプ振動装置は、発振器を設置したパイ
プの振動により、気中に分散している粒子に分散機とは
言えない振動を与えることで、再凝集を抑制し高分散状
態を維持する手段又は再凝集した粒子の分散を促進する
手段である。
【0098】パイプ加熱装置は、加熱したパイプにより
搬送気体の外側から熱を加えて搬送気体を膨張させ、分
散機とは言えないほどに流速を加速して再凝集を抑制
し、再凝集した粒子の分散を促進する手段である。
【0099】プラズマ発生装置は、芯粒子粉体を分散担
持している気中にプラズマを発生させ、そのプラズマイ
オンと芯粒子との衝突により、再凝集を抑制し高分散状
態を維持する手段又は再凝集した粒子の分散を促進する
手段である。
【0100】荷電装置は、芯粒子粉体を分散担持してい
る気中に、コロナ放電、電子ビーム、放射線等の方法で
単極イオンを発生させ、単極イオン雰囲気中を通過させ
ることで粒子を単極に帯電させ、静電気の斥力により再
凝集を抑制し高分散状態を維持する手段又は再凝集した
準微粒子の分散を促進する手段である。
【0101】このようにして形成された準微粒子の高分
散状態の芯粒子粉体の準微粒子の表面を被覆形成物質で
被覆するために被覆室に送られる。この被覆室には被覆
開始領域を含む被覆空間が設けられている。
【0102】準微粒子高分散処理手段群と被覆室とは直
結することが望ましいが、搬送に不可避の中空部材及び
/又はパイプを使って接続しても良い。この場合にも、
被覆開始領域での分散度βを上記した範囲の値とするこ
とが不可欠である。
【0103】準微粒子高分散処理手段群と被覆室を別々
に置いてその間を連結する場合は、芯粒子粉体をその分
散状態のまま被覆室へ導入してやれば良い。そのために
は、この間に芯粒子粉体の分散状態を維持するための装
置である気中分散維持手段及び/又は分散状態を高める
ための装置である気中分散促進手段及び/又は芯粒子粉
対の粒子・気体混合物から、低分散芯粒子粉体部分を分
離し、主に単一粒子状態の粒子を含む高分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物を選択する高分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物選択手段を設けることもできる。
【0104】又、被覆された金属準微粒子を調製するに
際して、準微粒子高分散処理手段群が、(1)被覆室、
又は(2)被覆空間、又は(3)被覆開始領域と一部以
上空間を有することもできる。
【0105】例えば、準微粒子高分散処理手段群中の分
散空間と被覆室とを、又は準微粒子高分散処理手段群中
の分散空間と被覆開始領域を有する被覆空間とを、又は
準微粒子高分散処理手段群中の分散空間と被覆開始領域
とを、空間的に共有することもできる。
【0106】ここで被覆開始領域とは、芯粒子の平均粒
子径に応じて、前記分散度の分散状態で搬送された高分
散状態の芯粒子粉体に気相を経て生成する被覆形成物質
前駆体及び/又は気相状態の被覆形成物質前駆体が接触
及び/又は衝突し、被覆を開始する領域を指し、次の図
4(a)〜(e)で示される態様が考慮される。
【0107】すなわち、図4(a)〜(e)において被
覆開始領域は2で示される領域である。
【0108】図4(a)において芯粒子の平均粒子径に
応じて、前記分散度の分散状態で被覆を始める被覆空間
の被覆開始領域2を準微粒子高分散処理手段群又は準微
粒子高分散処理手段群の放出部1を覆って設ける。
【0109】図4(b)において準微粒子高分散処理手
段群又は準微粒子高分散処理手段群の放出部1から放出
される芯粒子粉体の粒子4が全て通る前記分散度の分散
状態で被覆を始める被覆空間の被覆開始領域2を設け
る。上記の構成により、全ての芯粒子粉体の粒子は上記
した分散度βで被覆が始められる。
【0110】図4(c)において準微粒子高分散処理手
段群又は準微粒子高分散処理手段群の放出部1から放出
される芯粒子粉体の粒子4の内、回収部5に入る準微粒
子は必ず通過する前記分散度の分散状態で被覆を始める
被覆空間の被覆開始領域2を設ける。
【0111】図4(d)において回収部5を囲む前記分
散度の分散状態で被覆を始める被覆空間の被覆開始領域
2を設ける。図4(e)において高分散芯粒子粉体の粒
子・気体混合物の粒子のみが到達可能な位置に回収部5
を設ける。従って、ここでの領域6は重力を利用した選
択手段となる。回収部に入る高分散芯粒子粉体の粒子・
気体混合物の粒子が、必ず通過する前記分散度の分散状
態で被覆を始める被覆空間の被覆開始領域2を図の斜線
部のように設ける。
【0112】前記分散度βの分散状態で被覆始めた芯粒
子のみ回収でき、被覆開始領域を通っていない芯粒子と
被覆開始領域を通過した被覆された準微粒子とは混ざる
ことはない。
【0113】上記したところから、被覆された金属準微
粒子を製造するための装置は、準微粒子高分散処理手段
群と被覆室と回収手段から構成されるものであるが、こ
れらの装置の構成要素は、種々の組み合わせ方をするこ
とが可能で、これらの装置の構成例を図面に基づいて説
明すると次のとおりである。
【0114】装置の構成1 図5(a)は、被覆された金属準微粒子を製造するため
の第一の装置の構成を説明するブロック図である。本例
のこの装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室
2−B1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、
準微粒子高分散処理手段群2−C1、回収手段2−Dか
ら構成されている。準微粒子高分散処理手段群2−C1
は、被覆室2−B1に直結してある。
【0115】装置の構成2 図5(b)は、被覆された金属準微粒子を製造するため
の第二の装置の構成を説明するブロック図である。本例
のこの装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室
2−B1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、
準微粒子高分散処理手段群2−C1、不可避の中空部材
2−C2、回収手段2−Dから構成されている。準微粒
子高分散処理手段群2−C1は、被覆室2−B1に不可
避の中空部材2−C2を介して接続してある。
【0116】装置の構成3 図5(c)は、被覆された金属準微粒子を製造するため
の第三の装置の構成を説明するブロック図である。本例
のこの装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室
2−B1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、
準微粒子高分散処理手段群2−C1、気中分散維持手段
2−C3、回収手段2−Dから構成されている。準微粒
子高分散処理手段群2−C1は、被覆室2−B1に気中
分散維持手段2−C3を介して接続してある。
【0117】装置の構成4 図5(d)は、被覆された金属準微粒子を製造するため
の第四の装置の構成を説明するブロック図である。本例
のこの装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室
2−B1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、
準微粒子高分散処理手段群2−C1、回収手段2−Dか
ら構成されている。準微粒子高分散処理手段群2−C1
は、被覆室2−B1と空間を共有している。
【0118】装置の構成5 図5(e)は、被覆された金属準微粒子を製造するため
の第五の装置の構成を説明するブロック図である。本例
のこの装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室
2−B1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、
準微粒子高分散処理手段群2−C1、回収手段2−Dか
ら構成されている。準微粒子高分散処理手段群2−C1
は、被覆室2−B1中に設けている。
【0119】装置の構成6 図5(f)は、被覆された金属準微粒子を製造するため
の第六の装置の構成を説明するブロック図である。本例
のこの装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室
2−B1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、
準微粒子高分散処理手段群2−C1、回収手段2−Dか
ら構成されている。準微粒子高分散処理手段群2−C1
の分散空間中に、被覆室2−B1を設けている。
【0120】装置の構成7 図5(g)は、被覆された金属準微粒子を製造するため
の第七の装置の構成を説明するブロック図である。本例
のこの装置は、被覆装置の製造装置本体2−A、被覆室
2−B1、被覆空間2−B2、被覆開始領域2−B3、
準微粒子高分散処理手段群2−C1、回収手段2−D、
再被覆供給手段2−Eから構成されている。回収手段2
−Dから被覆後の被覆準微粒子を高分散処理手段群2−
C1の再被覆供給手段2−Eにより搬送して、繰り返し
て被覆処理が行える。かかる構成の装置のいずれかによ
り、被覆された金属準微粒子が製造されるものである。
【0121】上記のようにして金属準微粒子で芯粒子粉
体を被覆形成物質で被覆を施した被覆された準微粒子に
ついて、再び被覆形成物質で被覆すること、又はこの再
被覆を反復することもできる。この場合、被覆された準
微粒子は再被覆供給手段に送られる。ここで再被覆供給
手段とは、再被覆を行うために被覆後の被覆された準微
粒子を準微粒子高分散処理手段群へ搬送する手段をい
う。具体的には、(a)被覆された準微粒子の回収する
回収手段、及び(b)回収手段から準微粒子高分散処理
手段群にこの被覆された準微粒子を搬送する被覆粒子搬
送手段を備えた手段である。又は、(a)被覆された準
微粒子を回収する回収手段、(b)この回収手段から準
微粒子高分散処理手段群に被覆された準微粒子を搬送す
る被覆粒子搬送手段、(c)及び被覆後の被覆された準
微粒子を分級する被覆粒子分級手段を備えた手段であ
る。被覆量が多い場合、被覆前の芯粒子粉体の粒子の粒
度分布と被覆後の被覆された準微粒子の粒度分布は変わ
ってしまう。そこで、被覆後の被覆された準微粒子の粒
度分布を被覆粒子分級手段により調整し、再被覆処理を
行えば効果的である。
【0122】この再被覆処理は、必要によって繰り返す
ことができ、そして被覆形成物質の被覆量を所望のもの
に設定することができる。更に、この被覆形成物質の種
類を変えてこの被覆処理を繰り返すことができ、このよ
うにして複数成分の物質を被覆形成物質として多重被覆
することもできる。
【0123】本発明で用いる被覆された準微粒子の製造
装置は、被覆形成物質が、気相を経る気相法によって、
芯粒子粉体の粒子表面に被覆が施される被覆された準微
粒子の製造装置であれば制限はない。例えば、化学蒸着
(CVD)装置としては、熱CVD装置、プラズマCV
D装置、電磁波を利用したCVD(可視光線CVD、レ
ーザCVD、紫外線CVD、赤外線CVD、遠赤外線C
VD)装置、MOCVD装置等、或いは、物理蒸着(P
VD)装置としては、真空蒸着装置、イオンスパッタリ
ング装置、イオンプレーティング装置等が適用可能であ
る。より具体的には、例えば特開平3−75302号公
報の超微粒子で表面が被覆された粒子及びその製造方法
に記載の被覆粒子製造装置が好適である。
【0124】以上述べたとおり、本発明では金属の準微
粒子からなる芯粒子粉体、又は主に準微粒子からなる芯
粒子粉体の粒子を被覆空間に投入し、気相を経て生成す
る被覆形成物質前駆体及び/又は気相状態の被覆形成物
質前駆体をこの芯粒子粉体の粒子に接触及び/又は衝突
させてこの芯粒子粉体の粒子の表面を被覆形成物質で被
覆して被覆された金属準微粒子が製造されるが、この準
微粒子からなる芯粒子を被覆するための基本的な工程を
要約するとつぎの通りである。
【0125】I (A) 準微粒子高分散処理手段群により、体積基準頻
度分布で平均粒子径が10μmを越える準微粒子芯粒子
粉体の粒子又は主に準微粒子からなる芯粒子粉体の粒子
芯粒子粉体の粒子を、気中に分散させて高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物とする分散工程、(B) この分
散工程で分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物の芯粒子粉体の粒子を、分散度βを上記した範囲の値
とする分散状態で、被覆空間の被覆開始領域において被
覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝突させて被覆を開
始する被覆工程、を設けた被覆法。
【0126】II (A) 体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越
える準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子からな
る芯粒子粉体の粒子芯粒子粉体の粒子を、準微粒子高分
散処理手段群により分散させた高分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物の芯粒子粉体の粒子の分散度βを粒子径に
応じて上記した範囲の値とすることを実現する準微粒子
高分散処理手段群により気中に分散させて高分散芯粒子
粉体の粒子・気体混合物とする分散工程、(B) この
分散工程で分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
合物の芯粒子粉体の粒子を、分散度βを上記した範囲の
値とする分散状態で、被覆空間の被覆開始領域において
被覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝突させて被覆を
開始する被覆工程、を設けた被覆法。
【0127】III (A) 体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越
える準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子からな
る芯粒子粉体の粒子芯粒子粉体の粒子を、準微粒子高分
散処理手段群により分散させた高分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物の芯粒子粉体の粒子の分散度βを上記した
範囲の値とすることを実現する微粒子高分散処理手段群
により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体
混合物とする分散工程、(B) この分散工程で分散さ
せた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体
の粒子を、被覆工程に直接搬送する搬送工程、(C)
この搬送工程で搬送した高分散芯粒子粉体の粒子・気体
混合物の芯粒子粉体の粒子を、分散度βを上記した範囲
の値とする分散状態で、被覆空間の被覆開始領域におい
て被覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝突させて被覆
を開始する被覆工程、を設けた被覆法。
【0128】IV (A) 体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越
える準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子からな
る芯粒子粉体の粒子芯粒子粉体の粒子を、準微粒子高分
散処理手段群により分散させた高分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物の芯粒子粉体の粒子の分散度βを上記した
範囲の値とすることを実現する準微粒子高分散処理手段
群により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物とする分散工程、(B) この分散工程で分散
させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉
体の粒子を、搬送に不可避の、中空部材、中空を形成す
る部材からなる中空部材、及びパイプから選択される1
種類又はそれ以上の部材を介して搬送する搬送工程、
(C) この搬送工程で搬送した高分散芯粒子粉体の粒
子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子を、分散度βを上記
した範囲の値とする分散状態で、被覆空間の被覆開始領
域において被覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝突さ
せて被覆を開始する被覆工程、を設けた被覆法。
【0129】V (A) 体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越
える準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子からな
る芯粒子粉体の粒子芯粒子粉体の粒子を、準微粒子高分
散処理手段群により分散させた高分散芯粒子粉体の粒子
・気体混合物の芯粒子粉体の粒子の分散度βを上記した
範囲の値とすることを実現する準微粒子高分散処理手段
群により気中に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気
体混合物とする分散工程、(B) この分散工程で分散
させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉
体の粒子を、この分散性能で気中に分散させた高分散芯
粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子の気中
分散状態を維持する気中分散維持手段、高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子の気中分散状
態を高める気中分散促進手段、芯粒子粉体の粒子と気体
との混合物において低分散芯粒子粉体の粒子・気体混合
物を分離し、芯粒子粉体の粒子が主に単一粒子状態で気
中に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を選
択する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段の
1種類又はそれ以上を介して被覆工程に搬送する搬送工
程、(C) この搬送工程で搬送した高分散芯粒子粉体
の粒子・気体混合物の芯粒子粉体の粒子を、分散度βを
上記した範囲の値とする分散状態で、被覆空間の被覆開
始領域において被覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝
突させて被覆を開始する被覆工程、を設けた被覆法。
【0130】以上、I〜Vの全てにおいて、好適には、
体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越える準微
粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子からなる芯粒子
粉体の粒子を、準微粒子高分散処理手段群により分散さ
せた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の芯粒子粉体
の粒子の分散度βを上記した範囲の値とすることを実現
する空間領域の内の、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
合物中の芯粒子粉体の粒子の全ての粒子が通過する面を
含む空間領域に、被覆空間の被覆開始領域を位置させる
か、又は、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを
越える準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子から
なる芯粒子粉体の粒子を、準微粒子高分散処理手段群に
より分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の
芯粒子粉体の粒子の分散度βを上記した範囲の値とする
ことを実現する空間領域の内の、回収手段の回収部に回
収する全ての粒子が通過する面を含む空間領域に、被覆
空間の被覆開始領域を位置させるか、又は、前記I及び
IIにおいて、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μm
を越える準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子か
らなる芯粒子粉体の粒子を、準微粒子高分散処理手段群
により分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物
の芯粒子粉体の粒子の分散度βを上記した範囲の値とす
ることを実現する準微粒子高分散処理手段群により気中
に分散させて高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物とす
る分散工程の一部以上と前記被覆工程の一部以上とを、
空間を一部以上共有して行うものである。
【0131】本発明によれば、上記のようにして得られ
た被覆された金属準微粒子は金属粒子焼結のための慣用
の圧力および温度で焼結されて金属基の焼結体とされ
る。
【0132】本発明で用いる被覆された金属準微粒子
は、上記したように気相法によりその表面を被覆するの
で基本的に被覆形成物質に制限はない。金属基焼結体
を、用途に応じて任意に材料設計する上で必要に応じ
て、被覆を施す前に、金属準微粒子表面に事前に、同種
及び/又は異種の被覆形成物質を同種及び/又は異種の
被覆方法により被覆を施してもよい。
【0133】例えば、金属準微粒子表面に、目的とする
金属の炭化物からなる被覆を形成する場合、事前に炭素
の被覆を施した被覆された金属準微粒子を使用すればよ
い。事前に物質を被覆する方法は、特に制限するもので
はないが、例えば、特開平2−252660号公報に記
載の溶融塩浸漬法を始め、電気メッキ法、無電解メッキ
法、クラッド法、物理蒸着法(スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法等)や化学蒸着法が好適である。目
的とする金属化合物の金属の種類は、本発明の結合材及
び/又は焼結助剤として適用可能の範囲であれば特に制
限されない。
【0134】前記、被覆された金属準微粒子は、被覆さ
れた準微粒子の被覆形成物質を介して、接触状態で集合
塊を形成する場合がある。この被覆された金属準微粒子
からなる粉体は、単一粒子状態の被覆された状微粒子
と、この単一粒子状態の被覆された準微粒子が数個から
数十個接触した集合塊、更に多数個の単一粒子状態の被
覆された準微粒子が接触した集合塊から構成され、その
形状及び大きさが不均一で不規則になる。この単一粒子
状態の被覆された準微粒子からなる集合塊は、解砕及び
/又は破砕してから成形又は焼結処理に供するのが好ま
しい。この被覆された金属準微粒子の集合塊の解砕及び
/又は破砕には、種々の解砕手段、例えば、ボールミ
ル、振動ボールミル、乳鉢、ジェットミル等が利用可能
である。また、単一粒子状態の被覆された準微粒子と、
この単一粒子状態の被覆された準微粒子の集合塊とを選
択分離して、単一粒子状態の被覆された準微粒子のみを
成形又は焼結処理に供してもよい。
【0135】金属基焼結体 本発明の金属基焼結体は、被覆された金属準微粒子又は
被覆された金属準微粒子を含む混合物を焼結することに
より製造される。この金属基焼結体は、被覆された金属
準微粒子又は被覆された金属準微粒子を含む混合物を、
好ましくは射出成形、型押し、泥漿鋳込み、熱間押し出
し、冷間押し出し等の選択される一種以上で成形され
る。こうして成形された被覆された金属準微粒子又は被
覆された金属準微粒子を含む混合物は、射出成形、型押
し、熱間押し出し、冷間押し出し等の成形後、必要に応
じて塑性加工、鍛造加工、切削加工等の二次の成形を行
うことができる。或いは予備焼結を施して仮焼結体と
し、これを更に加工した後、本焼結に供することもでき
る。
【0136】この成形されてなる被覆された金属準微粒
子又は被覆された金属準微粒子を含む混合物は、従来公
知の焼結法により焼結される。具体的には真空真空法又
は雰囲気焼結法、又はホットプレス(HP)法、カプセ
ルHIP法、擬HIP法、カプセル・フリーHIP法、
カプセル超高圧HIP法、カプセル・フリー超高圧HI
P法、超高圧焼結法等の一種以上で焼結される。この焼
結法の一例としてHP法について述べると、先ず、金属
準微粒子表面に被覆形成物質で被覆を施した被覆された
金属準微粒子を、HP装置のSiC製の型に入れてパン
チをセットする。10-3torrの脱気を数回繰り返す。そ
の後Arガスを流しながら加圧し、所定の焼結温度まで
加熱して所定時間、圧力、温度を保持して焼結する。し
かる後、炉冷し、圧力を開放して、焼結体を取り出すこ
とからなる。
【0137】焼結温度は使用する個々の金属によって異
なり、例えばアルミニウムの400°程度の温度からタ
ングステンの2000℃又はそれ以上に至る温度が使用
される。
【0138】或いはまた上記した成形を行うことなく、
ホットプレスを用いて焼結と成形を同時に行うこともで
きる。このようにして、結合材及び/又は焼結助剤の分
布が制御された、均一で緻密で、高度に制御された微組
織を有する、特徴的な被覆された金属準微粒子から構成
された高性能な金属基焼結体を得る。
【0139】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明する。 実施例1 平均粒子径DMが40μmで、体積基準頻度分布が
(〔DM/5,5DM〕,≧90%)のTiAl金属間化
合物の準微粒子をチタン金属の硼化物である硼化チタン
(TiB2)で被覆した。使用した装置は、図6及びそ
の部分拡大図である図7に示したものである、図5
(a)に示した構成の具体例である。
【0140】本例の装置は、プラズマトーチ3−A、プ
ラズマ室3−a、被覆形成物質前駆体生成室の冷却槽3
−B、被覆形成物質前駆体生成室3−b、狭義の被覆室
冷却室3−C、狭義の被覆室3−c、被覆準微粒子冷却
室の冷却槽3−D、被覆準微粒子冷却室3−d、被覆形
成物質の原料の供給側に、供給装置3−E1、芯粒子粉
体の供給側に、撹拌式分散機3−F1とエジェクター式
分散機3−H1、細管分散機107及び被覆準微粒子回
収部3−Gより成る。供給装置3−E1は被覆形成物質
の原料粉体の供給槽を備えた供給機112に、撹拌式分
散機3−F1は芯粒子粉体の供給槽を備えた供給機11
1にそれぞれ結合される。本例における被覆室は、定義
ではプラズマ室3−a、被覆形成物質前駆体生成室3−
b、狭義の被覆室3−c、被覆粒子冷却室3−dから構
成されており、ここではこれらを広義の被覆室と称す
る。この広義の被覆室の内、主に被覆処理の行われる室
3−cを狭義の被覆室と称する。
【0141】本例における準微粒子高分散処理手段群α
は、供給槽を備えた供給機111、撹拌式分散機3−F
1とエジェクター式分散機3−H1及び内径4mmのス
テンレス製細管分散機107で構成されており、図2
(a)に示したものであり、図3(b)に示した構成に
属するの準微粒子高分散処理手段群の具体例である。準
微粒子高分散処理手段群は、D=40μmの(〔D
/5,5D〕,≧90%〕の芯粒子粉体に対して出力
時β≧90%を実現できるように構成されている。準微
粒子高分散処理手段群の最終処理手段である細管107
は被覆室3−cに直結してあり、被覆空間の3−L2の
被覆開始領域3−L1においてβ≧90%を実現できる
ように構成されている。
【0142】プラズマトーチ3−Aの上部に設けられた
ガス噴出口101に供給源102からアルゴンガスを2
0リットル/分の割合で供給する。このアルゴンガスは
印加された高周波によってプラズマ化され、プラズマト
ーチ3−A内プラズマ室3−aでプラズマ焔を形成す
る。
【0143】被覆形成物質の原料の供給槽を備えた供給
機112から供給した被覆形成物質の原料である平均粒
子径2μmの硼化チタンの粉末は、5リットル/分のキ
ャリアガス103に担持されて、プラズマトーチ3−A
の下部に設けられた被覆形成物質の原料の投入口104
から、プラズマ焔中に0.2g/分の割合で導入され、
プラズマ焔の熱により蒸発して気相を経て、被覆形成物
質前駆体生成室3−bで被覆形成物質前駆体となる。
【0144】芯粒子粉体の供給槽を備えた供給機111
から2.0g/分で供給される平均粒子径40μmのT
iAl金属間化合物の芯粒子を、撹拌式分散機3−F1
により分散させ、5リットル/分の割合で供給されるキ
ャリアガス105により担持され、10リットル/分の
流量の分散ガス106によるエジェクター式分散機3−
H1及び細管分散機107により分散度β=94%の分
散状態に分散させ、被覆室に導入する。
【0145】高分散状態のTiAl準微粒子は、被覆空
間の3−L2の被覆開始領域3−L1において被覆形成
物質前駆体とβ=94%の分散状態で接触及び/又は衝
突し始める。
【0146】このようにして生成した。前記被覆形成物
質で表面が被覆が施された被覆された準微粒子は、気体
と共に被覆準微粒子冷却室3−dを降下し、被覆準微粒
子回収部3−Gに至る。この被覆準微粒子からなる製品
は、フィルター110により気体と分離し、集められ取
り出される。
【0147】得られた被覆された準微粒子である、硼化
チタンで表面に被覆を施したTiAl準微粒子を走査型
電子顕微鏡で観察したところ、図8に示す通り、個々の
粒子は、いずれも、一様に0.005μm程度の硼化チ
タンが超微粒子状に被覆したものであった。硼化チタン
の被覆量は、体積で5%であった。
【0148】実施例2 平均粒子径DMが15μmで、体積基準頻度分布が
(〔DM/5,5DM〕,≧90%)のタングステン準微
粒子を窒化チタン(TiN)で被覆した。
【0149】使用した装置は、図9及びその部分拡大図
である図10に示したものであり、図5(d)に示した
構成の具体例である。本例の被覆形成物質前駆体を生成
する装置の構成は実施例1と同一である。準微粒子高分
散処理手段群αは、供給槽を備えた供給機214、撹拌
式分散機5−F1、細管分散機211及び衝突板を利用
した分散機5−H2で構成されており、図2(a)に示
したものであり、図3(b)に示した構成に属するの準
微粒子高分散処理手段群の具体例である。細管分散機2
11は、内径4mmのステンレス製である。準微粒子高
分散処理手段群αの最終分散手段である衝突板を利用し
た分散機5−H2は、SiC製の衝突板213がステン
レス製のホルダー212により設置された構成である。
この衝突板を利用した分散機5−H2の狭義の被覆室5
−cの中に設けられており、準微粒子高分散処理手段群
αと狭義の被覆室5−cは共有の空間を有している。ま
た、被覆空間5−L1及び被覆空間の被覆開始領域5−
L2は、狭義の被覆室5−c内に設けてある。本装置の
準微粒子高分散処理手段群は、平均粒子径Dが15μ
mで、体積基準頻度分布が(〔D/5,5D〕,≧
90%)の芯粒子粉体の粒子を、最終の分散処理である
衝突板を利用した分散機5−H2の衝突板213を衝突
直後、分散度β≧80%に分散できる。従って、分散度
β≧80%の状態で被覆が開始される。
【0150】プラズマトーチ5−Aの上部に設けられた
ガス噴出口201に供給源202から20リットル/分
のアルゴンガスを供給する。このアルゴンガスは印加さ
れた高周波によってプラズマ化され、プラズマトーチ5
−A内プラズマ室5−aでプラズマ焔を形成する。
【0151】被覆形成物質の原料の供給槽を備えた供給
機215から1.2g/分で供給した被覆形成物質の原
料である平均粒子径2μmの窒化チタンの粉末は、5リ
ットル/分のキャリアガス203に担持されて、プラズ
マトーチ5−Aの下部に設けられた被覆形成物質の原料
の投入口204から、プラズマ焔中に導入され、プラズ
マ焔の熱により蒸発して気相を経て、被覆形成物質前駆
体生成室5−bで被覆形成物質前駆体となる。
【0152】芯粒子粉体の供給槽を備えた供給機214
から15.0g/分で供給されるタングステンの芯粒子
は、撹拌式分散機5−F1により分散させ、20リット
ル/分の割合で供給されるキャリアガス205により担
持され、細管分散機211を経て、被覆室中に設けた衝
突板を利用した分散機5−H2によって、分散度β=8
9%に気中に分散させる。
【0153】高分散状態のタングステンの芯粒子は、被
覆空間5−L2の被覆開始領域5−L1において被覆形
成物質前駆体とβ=89%の分散状態で接触及び/又は
衝突し始める。
【0154】このようにして生成した、被覆形成物質で
表面に被覆が施された被覆された準微粒子は気体と共に
被覆準微粒子冷却室5−dを降下し、被覆準微粒子回収
部5−Gに至る。この被覆準微粒子からなる製品は、フ
ィルター210により気体と分離し、集められ取り出さ
れる。
【0155】得られた被覆準微粒子である、窒化チタン
で表面を被覆したタングステン準微粒子を、走査型電子
顕微鏡で観察したところ、個々の粒子は、いずれも一様
に0.005μm程度の窒化チタンが超微粒子状に被覆
したものであった。窒化チタンの被覆量は、体積で20
%であった。
【0156】実施例3 平均粒子径DMが120μmで、体積基準頻度分布が
(〔DM/5,5DM〕,≧90%)のチタン準微粒子を
アルミニウムで被覆した。
【0157】使用した装置は、図11及び、その部分拡
大図である図12に示したものであり、図5(b)に示
した構成の具体例である。本例の被覆形成物質前駆体を
生成する装置の構成は実施例1と同一である。準微粒子
高分散処理手段群αは、供給槽を備えた供給機313、
分散手段である撹拌式分散機6−F1、高分散芯粒子粉
体の粒子・気体混合物選択手段であるサイクロン6−I
で構成されており、図2(b)に示したものであり、図
3(b)に示した構成の具体例である。サイクロン6−
Iの高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物の放出部は、
搬送に不可避のパイプ307で狭義の被覆室6−cへ接
続してあり、低分散芯粒子粉体部分の放出部は、ホッパ
ー6−J、ロータリーバルブ6−Kを介して搬送管31
0で撹拌式分散機6−F1へ接続してある。本装置の準
微粒子高分散処理手段群によれば、体積基準の粒度分布
として、平均粒子径DMが120μmで、体積基準頻度
分布が(〔DM/5,5DM),≧90%)の芯粒子粉体
の粒子を、最終の処理手段であるサイクロン6−Iの高
分散芯粒子粉体流の放出部で、分散度β≧98%に分散
できる。狭義の被覆室6−cに図のごとく被覆空間6−
L2及び被覆空間の被覆開始領域6−L1が設けてあ
る。6−Cと6−Dを結合するフランジ部の制約による
搬送に不可避のパイプ307による分散度βの低下は少
なくとどめられる。従って、被覆開始領域において、分
散度β≧95%で被覆が開始される。
【0158】プラズマトーチ6−Aの上部に設けられた
ガス噴出口301に供給源302からアルゴンガスを2
0リットル/分で供給する。このアルゴンガスは印加さ
れた高周波によってプラズマ化され、プラズマトーチ6
−A内プラズマ室6−aでプラズマ焔を形成する。
【0159】被覆形成物質の原料の供給槽を備えた供給
機314から1.8g/分で供給した被覆形成物質の原
料であるアルミニウムの粉末は、5リットル/分のキャ
リアガス303に担持されて、プラズマトーチ6−Aの
下部に設けられた被覆形成物質の原料の投入口304か
ら、プラズマ焔中に導入され、プラズマ焔の熱により蒸
発して気相を経て、被覆形成物質前駆体生成室6−bで
被覆形成物質前駆体となる。
【0160】芯粒子粉体の供給槽を備えた供給機313
から3.0g/分で供給されるチタンの芯粒子は、撹拌
式分散機6−F1により分散させ、15リットル/分の
キャリアガス305により担持されパイプ306を介し
てサイクロン6−Iに搬送される。サイクロン6−I
は、微粉側の最大粒子径が150μmとなるように調節
されており、主に単一粒子からなるβ=98%の分散状
態の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を、搬送に不
可避のパイプ307を介し放出口308から狭義の被覆
室6−cに放出させる。一方、サイクロン6−Iにより
選択分離した低分散芯粒子粉体部分は、ホッパー6−
J、ロータリーバルブ6−Kを経て、10リットル/分
のキャリアガス309によりパイプ310中を搬送さ
れ、撹拌式分散機6−F1へフィードバックする。
【0161】高分散状態のチタンの芯粒子は、被覆空間
6−L2の被覆開始領域6−L1において被覆形成物質
前駆体とβ=96%の分散状態で接触及び/又は衝突し
始める。
【0162】このようにして生成した。前記被覆形成物
質で表面に被覆を施された被覆された準微粒子は、気体
と共に被覆準微粒子冷却室6−dを降下し、被覆準微粒
子回収部6−Gに至る。この被覆された準微粒子からな
る製品は、フィルター312により気体と分離し、集め
られ取り出される。
【0163】得られた被覆された準微粒子である、アル
ミニウムで表面を被覆したチタン準微粒子を、走査型電
子顕微鏡で観察したところ、個々の粒子は、いずれも、
一様に0.005μm程度のアルミニウムが超微粒子状
に被覆したものであった。アルミニウムの被覆量は、モ
ルで50%であった。
【0164】実施例4 実施例1で得られた硼化チタン(TiB2)で被覆した
TiAl準微粒子を、直径16mm、厚さ10mmの円盤状
に型押し成形し、その外側に六方晶窒化硼素(h−B
N)粉末を充填した黒鉛製の型を装備するホットプレス
(HP)装置に配置し、10-3torrで200℃まで脱気
後、アルゴンガスを流しながら、温度1200℃、圧力
20MPaで3時間保持して焼結した。その後炉冷し圧力
を開放して焼結体を取り出した。
【0165】得られた焼結体をX線回折で調べたとこ
ろ、TiAlとTiB2のみ存在していた。焼結体の相
対密度は測定誤差内で99%以上と大変緻密であり、ビ
ッカース硬度は230であった。この焼結体の研磨面の
電子顕微鏡写真(×1000)を図13に示す。図13
から焼結体には未焼結部や気孔、欠陥等は全くなく、T
iAl粒子の周りに硼化チタンが均一に分布する高度に
制御された微組織の焼結体であることが分かる。
【0166】比較のために実施例1で用いたTiAl準
微粒子で硼化チタンを被覆していないものと、相当する
量の硼化チタン粒子とを混合した粉末を実施例4と同一
の焼結条件で焼結した。このようにして得られた焼結体
の研磨面の電子顕微鏡写真(×1000)を図14に示
す。この図から同一の焼結条件にもかかわらず粒子は粒
成長して粗大となり、硼化チタンの分布が不均一でしか
も気孔が多数認められ、微組織が全く制御されていない
ことがわかる。
【0167】実施例5 実施例2で得られた窒化チタン(TiN)で被覆したタ
ングステン準微粒子を、直径16mm、厚さ10mmの円盤
状に型押し成形し、その外側に六方晶窒化硼素(h−B
N)粉末を充填したパイレックスガラス製のカプセルに
配置し、10-6torrで400℃、12時間脱気後封入
し。このカプセルをアルゴンガスを圧力媒体とするHI
P装置に配置し、焼結温度1800℃、圧力200MPa
で3時間保持して焼結した。その後炉冷し圧力を開放し
て、焼結体を取り出した。
【0168】得られた焼結体は、相対密度が測定誤差内
で99%以上と大変緻密であり、ビッカース硬度は70
0であった。また、焼結体には未焼結部分や気孔、欠陥
等は全くなく、タングステン粒子の周りに窒化チタンが
均一に分布した高度に制御された微組織の焼結体であっ
た。
【0169】実施例6 実施例3で得られたアルミニウムで被覆したTi準微粒
子を直径16mm、厚さ10mmの円盤状に押し出し成形
し、その外側に六方晶窒化硼素(h−BN)粉末を充填
した黒鉛製の型を装備するホットプレス(HP)装置に
配置し、10-3torrで200℃まで脱気後、アルゴンガ
スを流しながら、焼結温度1200℃、焼結圧力20MP
aで2時間保持して焼結した。その後炉冷し圧力を開放
して、焼結体を取り出した。得られた焼結体をX線回折
で調べたところ、TiAlのみ存在していた。焼結体の
相対密度は測定誤差内で99%以上と大変緻密であり、
ビッカース硬度は230であった。また、焼結体には未
焼結部分や気孔、欠陥等は全くなく、TiAlからなる
粒成長が制御された微組織の焼結体であった。
【0170】実施例7 実施例3と略同様の条件により、平均粒子径DMが12
0μmで、体積基準頻度分布が(〔DM/5,5DM〕,
≧90%)のチタン準微粒子をアルミニウムで被覆し、
アルミニウムをモルで50%被覆した被覆チタン準微粒
子粉体を得た。このアルミニウムで被覆したチタン準微
粒子にアルミナ(Al23)ウィスカーを体積で15%
加えて混合し、直径16mm、厚さ10mmの円盤状に押し
出し成形し、h−BN粉体を充填したパイレックスガラ
ス製のカプセルに配置し、10-6torr、400℃、12
時間脱気後封入した。このカプセルをアルゴンガスを圧
力媒体とするHIP装置に配置し、焼結温度1200
℃、焼結圧力200MPaで2時間保持して焼結した。そ
の後、炉冷し圧力を開放して、焼結体を取り出した。得
られた焼結体をX線回折で調べたところ、TiAlとア
ルミナのみ存在していた。焼結体の相対密度は測定誤差
内で99%以上と大変緻密であり、ビッカース微小硬度
が230であった。また、焼結体の未焼結部分や気孔、
欠陥等は全くなく、TiAlからなる粒成長が制御され
アルミナウィスカーが均一に分布した微組織の焼結体で
あった。
【0171】実施例8 実施例3と略同様の条件により、平均粒子径DMが12
0μmで、体積基準頻度分布が(〔DM/5,5DM〕,
≧90%)のチタン準微粒子を硼化チタン(TiB2
で被覆し、更にこの被覆された準微粒子をアルミニウム
で被覆して硼化チタンをモルで2.0%、アルミニウム
をモルで49.0%被覆したチタン準微粒子粉体を得
た。この被覆されたチタン準微粒子を押し出し成形機、
直径16mm、厚さ10mmの円盤状に、h−BN粉体を充
填したパイレックスガラス製のカプセルに配置し、10
-6torr、400℃、12時間脱気後封入した。
【0172】このカプセルをアルゴンガスを圧力媒体と
するHIP装置に配置し、焼結温度1200℃、焼結圧
力200MPaで2時間保持して焼結した。その後炉冷し
圧力を開放して、焼結体を取り出した。得られた焼結体
をX線回折で調べたところ、TiAlとTiB2のみが
存在していた。焼結体の相対密度は測定誤差内で99%
以上と大変緻密で、ビッカース微小硬度は230であっ
た。また、焼結体には未焼結部分や気孔、欠陥等は全く
なく、TiAl粒子の周りに硼化チタンが均一に分布し
た制御された微組織の焼結体であった。
【0173】実施例9 実施例1と略同様の条件により、平均粒子径DMが40
μmで、体積基準頻度分布が(〔DM/5,5DM〕,≧
90%)のTiAl準微粒子をアルミナ(Al23)で
被覆し、アルミナを体積で5%被覆した被覆TiAl準
微粒子粉体を得た。このアルミナで被覆したTiAl準
微粒子を、直径16mm、厚さ5mmの円盤状に型押し成形
し、その外側に六方晶窒化硼素(h−BN)粉体を充填
した黒鉛製の型を装備するホットプレス(HP)装置に
配置し、10-3torrで200℃まで脱気後、アルゴンガ
スを流しながら、焼結温度1200℃、焼結圧力200
MPaで2時間保持して焼結した。その後炉冷し圧力を開
放して、焼結体を取り出した。得られた焼結体をX線回
折で調べたところ、TiAlとα−アルミナのみが存在
していた。焼結体の相対密度は測定誤差内で99%以上
と大変緻密であり、ビッカース硬度は230であった。
また、焼結体には未焼結部分や気孔、欠陥等は全くな
く、TiAl準微粒子の周りにアルミナが均一に分布し
た高度に制御された微組織の焼結体であった。
【0174】実施例10 実施例1と略同様の条件により、平均粒子径DMが40
μmで、体積基準頻度分布が(〔DM/5,5DM〕,≧
90%)のTiAl準微粒子を硼化チタン(TiB2
で被覆し、硼化チタンを体積で5%被覆した被覆TiA
l準微粒子粉体を得た。この硼化チタンで被覆したTi
Al準微粒子にアルミナウィスカーを体積で15%加え
て混合し、直径16mm、厚さ10mmの円盤状に型押し成
形し、その外側に六方晶窒化硼素(h−BN)粉体を充
填した黒鉛製の型を装備するホットプレス(HP)装置
に配置し、10-3torrで200℃まで脱気後、アルゴン
ガスを流しながら、焼結温度1200℃、焼結圧力20
MPaで2時間保持して焼結した。その後炉冷し圧力を開
放して、焼結体を取り出した。焼結体の相対密度は測定
誤差内で99%以上と大変緻密であり、ビッカース硬度
は230であった。また、焼結体には未焼結部分や気
孔、欠陥等は全くなく、TiAl準微粒子の周りに硼化
チタン及びアルミナウィスカーが均一に分布した高度に
制御された微組織の焼結体であった。
【0175】実施例11 実施例2と略同様の条件により、平均粒子径DMが20
μmで、体積基準頻度分布が(〔DM/5,5DM〕,≧
90%)のニッケル準微粒子をアルミニウムで被覆し、
アルミニウムをモルで50%被覆した被覆ニッケル準微
粒子粉体を得た。このアルミニウム被覆されたニッケル
準微粒子を直径16mm、厚さ10mmの円盤状に押し出し
成形し、h−BN粉体を充填したパイレックスガラス製
のカプセルに配置し、10-6torr、400℃、12時間
脱気後封入した。このカプセルをアルゴンガスを圧力媒
体とするHIP装置に配置し、焼結温度1200℃、焼
結圧力200MPaで2時間保持して焼結した。その後炉
冷し圧力を開放して、焼結体を取り出した。得られた焼
結体をX線回折で調べたところ、NiAlのみ存在して
いた。焼結体の相対密度は測定誤差内で99%以上と大
変緻密であり、ビッカース硬度は700であった。ま
た、焼結体には未焼結部分や気孔、欠陥等は全くなく、
粒成長が制御された微組織の焼結体であった。
【0176】実施例12 実施例2と略同様の条件により、平均粒子径DMが20
μmで、体積基準頻度分布が(〔DM/5,5DM〕,≧
90%)のニッケル準微粒子をアルミニウムで被覆し、
アルミニウムをモルで25%被覆した被覆ニッケル準微
粒子粉体を得た。更にこの被覆されたニッケル準微粒子
に実施例2と略同様の条件により、体積で5%のアルミ
ナ(Al23)を再被覆した被覆されたニッケル準微粒
子を得た。この被覆されたニッケル準微粒子を直径16
mm、厚さ5mmの円盤状に押し出し成形し、h−BN粉体
を充填したパイレックスガラス製のカプセルに配置し、
10-6torr、400℃、12時間脱気後封入した。この
カプセルをアルゴンガスを圧力媒体とするHIP装置に
配置し、焼結温度1200℃、焼結圧力200MPaで2
時間保持して、炉冷し、圧力を開放して、焼結体を取り
出した。得られた焼結体をX線回折で調べたところ、N
3Alとα−アルミナのみ存在していた。焼結体の相
対密度は測定誤差内で99%以上と大変緻密であり、ビ
ッカース硬度は750であった。また、焼結体には未焼
結部分や気孔、欠陥等は全くなく、Ni3Alの粒子の
周りをアルミナが均一に分布する高度に制御された微組
織の焼結体であった。
【0177】
【発明の効果】本発明によれば、体積基準頻度分布で平
均粒子径が10μmを越える金属準微粒子からなる芯粒
子粉体を気中に分散させ、この分散した芯粒子粉体の準
微粒子を粒子径に応じて分散度βが80%以上、90%
以上、95%以上、97%以上、99%以上である分散
状態で被覆形成物質前駆体と接触又は衝突させることに
よって、単一粒子状態でその表面を被覆形成物質で被覆
した被覆された金属準微粒子が得られる。この被覆され
た金属準微粒子を焼結することにより、均一で、緻密
で、且つ強固に焼結された、高度に制御された微組織を
有する高性能な金属基焼結体が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉体粒子の分布図であり、(a)は分散度βを
表わし、(b)は粒径D1〜D3の範囲の粒子が体積で9
0%を占める粉体の粒径対体積基準頻度を表わす。
【図2】(a)〜(c)は準微粒子高分散処理手段群の
基本構成を示すブロック図。
【図3】(a)〜(g)は準微粒子高分散処理手段群の
構成をより詳細に説明するブロック図。
【図4】(a)〜(e)は芯粒子粉体に被覆が開始され
る態様を示す図。
【図5】(a)〜(g)は被覆された金属粒子を製造す
るための装置の構成を説明するブロック図。
【図6】実施例1で用いる装置を示す図。
【図7】実施例1で用いる装置の部分拡大図。
【図8】実施例1で得られた被覆粒子の走査電子顕微鏡
写真。
【図9】実施例2で用いる装置を示す図。
【図10】実施例2で用いる装置の部分拡大図。
【図11】実施例3で用いる装置を示す図。
【図12】実施例3で用いる装置の部分拡大図。
【図13】実施例4で得られた焼結体の研磨面の電子顕
微鏡写真。
【図14】比較例の焼結体の研磨面の電子顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 粂 正市 愛知県津島市鹿伏兎町字二之割150番地 の2 (72)発明者 山田 幸良 埼玉県比企郡川島町八幡3丁目6番18号 (72)発明者 冬木 正 埼玉県入間郡大井町緑ヶ丘2丁目23番16 号 (72)発明者 秋山 聡 埼玉県川越市稲荷町17番22号 (72)発明者 濱田 美明 埼玉県川越市末広町3丁目4番8号 (72)発明者 黒田 英輔 埼玉県川越市西小仙波町2丁目16番4号 (56)参考文献 特開 平3−245835(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 1/02 C23C 16/44

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の準微粒子からなる芯粒子粉体を被
    覆空間に投入し、気相を経て生成する被覆形成物質前駆
    体及び/又は気相状態の被覆形成物質前駆体を、この芯
    粒子粉体の粒子に接触及び/又は衝突させて、この芯粒
    子粉体の粒子の表面を被覆形成物質で被覆して得られる
    被覆金属準微粒子の製造法であって、(A)最終処理手
    段として、 (a)芯粒子粉体の粒子を気中に分散させる分散手段、
    及び (b)芯粒子粉体の粒子を気中に分散させた芯粒子粉体
    の粒子と気体との混合物において低分散芯粒子粉体部分
    を分離し、芯粒子粉体の粒子が主に単一粒子状態で気中
    に存在する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を選択
    する高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段とこ
    の高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段により
    選択分離された低分散芯粒子粉体部分を準微粒子高分散
    処理手段群中の分散手段の内の最終分散手段及び/又は
    最終分散手段以前の処理手段に搬送するフィードバック
    手段とを備えた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選
    択手段、 から選ばれる手段を有する準微粒子高分散処理手段群に
    より、体積基準頻度分布で平均粒子径が10μmを越え
    る準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒子からなる
    芯粒子粉体の粒子を、気中に分散させて高分散芯粒子粉
    体の粒子・気体混合物とする分散工程、並びに (B)この分散工程で分散させた芯粒子粉体の粒子を、 その平均粒子径が10μmを越え20μm以下のときに
    は分散度βが80%以上、 20μmを越え50μm以下のときには分散度βが90
    %以上、 50μmを越え300μm以下のときには分散度βが9
    5%以上、 300μmを越え800μm以下のときは分散度βが9
    7%以上、そして800μmを越えるときは分散度βが
    99%以上の分散状態で、被覆空間の被覆開始領域にお
    いて被覆形成物質前駆体と接触及び/又は衝突させて被
    覆を開始する被覆工程を備えることを特徴とする、被覆
    金属準微粒子の製造法。
  2. 【請求項2】 前記被覆金属準微粒子が、 被覆金属準微粒子の集合塊を、解砕及び/又は破砕する
    工程及び/又はこの被覆金属準微粒子集合塊と一次粒子
    単位の被覆金属準微粒子とを選択分離する選択分離工程
    を更に経て調製されたものであることを特徴とする、請
    求項1に記載の被覆金属準微粒子の製造法。
  3. 【請求項3】 前記芯粒子粉体の粒子が、溶融塩浴を用
    いる浸漬法により、浸漬法に由来する被覆物質で一層以
    上被覆された準微粒子芯粒子粉体の粒子又は主に準微粒
    子からなる芯粒子粉体の粒子であることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の被覆金属準微粒子の製造法。
  4. 【請求項4】 被覆金属準微粒子が、 平均粒子径が10μmを越え20μm以下のときには分
    散度βが80%以上、 20μmを越え50μm以下のときには分散度βが90
    %以上、 50μmを越え300μm以下のときには分散度βが9
    5%以上、 300μmを越え800μm以下のときは分散度βが9
    7%以上、そして800μmを越えるときは分散度βが
    99%以上とする分散性能を有する準微粒子高分散処理
    手段群の最終処理により気中に分散させる分散工程を設
    け、 (A)当該分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混
    合物を被覆工程に直接放出するか、又は (B)分散工程と被覆工程の間に、 当該分散させた高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物を
    放出する放出部から、搬送に不可避の中空部材、中空を
    形成せしめる部材からなる中間部材、及びパイプから選
    択される一種類又はそれ以上の部材を介して搬送する
    か、及び/又は、気中分散維持手段、気中分散促進手
    段、高分散芯粒子粉体の粒子・気体混合物選択手段の一
    種類又はそれ以上を介して搬送して調製されることを特
    徴とする、請求項1に記載の被覆金属準微粒子の製造
    法。
  5. 【請求項5】 被覆金属準微粒子が、 平均粒子径が10μmを越え20μm以下のときには分
    散度βが80%以上、 20μmを越え50μm以下のときには分散度βが90
    %以上、 50μmを越え300μm以下のときには分散度βが9
    5%以上、 300μmを越え800μm以下のときは分散度βが9
    7%以上、そして800μmを越えるときは分散度βが
    99%以上とする分散性能を有する準微粒子高分散処理
    手段群の最終処理により気中に分散させる分散工程の一
    部以上と前記被覆工程の一部以上とを、空間を一部以上
    共有して行うことにより調製されることを特徴とする、
    請求項1に記載の被覆金属準微粒子の製造法。
  6. 【請求項6】 被覆された金属準微粒子が、 平均粒子径が10μmを越え20μm以下のときには分
    散度βが80%以上、 20μmを越え50μm以下のときには分散度βが90
    %以上、 50μmを越え300μm以下のときには分散度βが9
    5%以上、 300μmを越え800μm以下のときは分散度βが9
    7%以上、そして800μmを越えるときは分散度βが
    99%以上とする空間領域の内の当該高分散芯粒子粉体
    の粒子・気体混合物中の芯粒子粉体の粒子の全ての粒子
    が通過する面を含む空間領域に、被覆空間の被覆開始領
    域を位置せしめるか、又は平均粒子径が10μmを越え
    20μm以下のときには分散度βが80%以上、 20μmを越え50μm以下のときには分散度βが90
    %以上、 50μmを越え300μm以下のときには分散度βが9
    5%以上、 300μmを越え800μm以下のときは分散度βが9
    7%以上、そして800μmを越えるときは分散度βが
    99%以上とする空間領域の内の、回収手段の回収部に
    回収する全ての粒子が通過する面を含む空間領域に、被
    覆空間の被覆開始領域を位置せしめることによって調整
    されることを特徴とする、請求項1、2又は3のいずれ
    かに記載の被覆金属準微粒子の製造法。
  7. 【請求項7】 使用する芯粒子粉体の粒子の粒度分布
    が、平均粒子径をDMとしたとき、体積基準頻度分布で
    (〔DM/5,5DM〕,≧90%)であることを特徴と
    する、請求項1、4、5又は6のいずれかに記載の被覆
    金属準微粒子の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の製造法
    によって被覆された被覆金属準微粒子又は同粒子を含む
    混合物を焼結することを特徴とする、被覆金属準微粒子
    焼結体の製造法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の被覆金属微粒子焼結体
    の製造法により製造することを特徴とする、被覆金属準
    微粒子焼結体。
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