JP3532846B2 - 乗用懸垂型単軌条運搬車 - Google Patents

乗用懸垂型単軌条運搬車

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JP3532846B2
JP3532846B2 JP2000343045A JP2000343045A JP3532846B2 JP 3532846 B2 JP3532846 B2 JP 3532846B2 JP 2000343045 A JP2000343045 A JP 2000343045A JP 2000343045 A JP2000343045 A JP 2000343045A JP 3532846 B2 JP3532846 B2 JP 3532846B2
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英男 千種
寛 池川
英樹 千種
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ちぐさ技研工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は傾斜の多い都市、
町における傾斜路通行装置としての懸垂型乗用単軌条運
搬車に関する。単軌条運搬車は、もともと山間、丘陵地
に敷設された1本のレ−ルの上を積み荷を乗せて自動走
行する装置であった。一本レ−ルの上を走行するので単
軌条運搬車と言う。レ−ルの上下を車輪によって押さえ
ラック・ピニオンの噛み合わせによって推力を得てい
る。45度以上の傾斜地をも平気で上り下りすることが
できる。小型でタフな通行手段であった。
【0002】単軌条運搬車は都市交通用のモノレールと
は区別しなければならない。都市交通用モノレールは何
十人もの乗客を載せる交通手段である。これは平坦な広
い地面をタイヤ走行するものである。ラック・ピニオン
を使わない。タイヤと地面の接触によって推力を出す。
滑り摩擦に依存するので傾斜には向かない。雪に弱く平
坦地であっても雪の日は路面に砂を撒き、空滑りに注意
しながら走行しなければならない。このようなものと、
ここで言う単軌条運搬車は全く違う。
【0003】単軌条運搬車の発祥は愛媛の蜜柑園で蜜柑
や肥料、農具の運搬のために考案されたものである。側
面にラックを付けたレ−ルを地面から数十cmの辺りに
支える。支柱を立てレ−ル受けを支持し、その上に低く
レ−ルを固定する。レ−ルの上を、ピニオンを持った動
力車が運搬車を引っ張って無人走行するものであった。
【0004】動力車の駆動源はガソリンと潤滑油を含ん
だ混合油を燃料としたエンジンである。蜜柑園用の小型
単軌条運搬車は小型の動力車に250kg程度の積み荷
用の運搬車を連結していた。レ−ルの敷設が容易であり
道路のない丘陵地を傾斜に沿って真っ直ぐに上り下りで
きるから極めて便利であった。その後用途が拡大し肥料
や産物を運搬するため農業用に使われることもある。
【0005】さらに石、セメント、砂利など重量物を運
ぶため土木用に使われることもある。その場合、運搬車
は1トン〜2トン積みというような大容量のものにな
る。1本のレ−ルでは持たないので上下二本のレ−ルの
組み合わせを使う。本出願人の装置では、1本レ−ルの
場合も2本レ−ルの場合もラックは側方にあって側方の
駆動ピニオンと噛み合っている。これはどれにも共通し
ている。
【0006】駆動源はこれまでガソリンエンジンのもの
が多かった。エンジンを使う物は電線やケーブルをレ−
ルに沿って敷設する必要がない。山間僻陬の地に向いて
いる。農業、林業などで電力設備が使えない場所でも利
用できる。しかしエンジン使用では動力が限られるし操
作性もよくないから電動の単軌条運搬車も製造され使用
されることもある。電気を使うと様々な電子回路を使う
事ができるし始動や停止などが容易になる。
【0007】
【従来の技術】本発明は単軌条運搬車としては全く新規
のものである。従来の単軌条運搬車の概念を全く変える
ものである。どれほど変わるのか?それを明らかにする
ために初めに従来本出願人が製造販売している単軌条運
搬車についてのあらましを説明する必要がある。
【0008】従来、単軌条運搬車は動力車と運搬車から
なっていた。エンジン駆動の場合、動力車はエンジンに
よって駆動される。燃料は潤滑油混合ガソリンで動力車
に搭載してある。モータ駆動の場合は動力車に備えた電
動機によって駆動される。レ−ル横に電力ケーブルを敷
設し集電端子によって電力を導入する。
【0009】レ−ルは50mm角のパイプである。レ−
ルの上、下、横などにラックが溶接される。本出願人の
単軌条運搬車は全てラックは側方にある。レ−ルは1本
の場合は側方から片持ち(カンチレバー)支持される事
が多い。横向きのレ−ル受けが支柱によって支持され
る。土木用の2本レ−ルの場合は上下レ−ルが短く薄い
角筒状の継ぎ手によって結合され下レ−ルがレ−ル受
け、支柱によって支持される。走行装置の上車輪、下車
輪によってレ−ルの上下を挟むからレ−ルの支持は側方
か下方からということになる。レ−ル自体も低いもの
で、そばを歩く人間の腰より低い。運搬車や動力車の位
置も、歩行する人間の視線よりずっと低い。
【0010】動力車はエンジン、クラッチ、歯車減速機
構、ブレーキ、上車輪、下車輪、ピニオン、オイルタン
ク、手動操作レバーなどを有する。上車輪と下車輪によ
ってレ−ルを上下から挟む。エンジンの回転は遠心クラ
ッチを介して歯車減速機構に与えられる。回転力は歯車
減速機構によって減速してピニオンを廻す。ピニオンは
ラックを押して反作用で動力車が動く。駆動系が歯車列
よりなるのが本出願人の単軌条運搬車の一つの特徴であ
る。
【0011】停止制動系は3つのものがある。停止ブレ
ーキ、非常停止装置、定速ブレーキの3つである。停止
ブレーキはレ−ルの始端、終端に自動的に停止するため
の制動装置である。地面に設けたストッパに動力車の自
動停止レバーが当たり、これが回転することによって自
動的に停止ブレーキを掛けるようになっている。これは
始端、終端だけで自動停止のために機能するが、停発進
操作レバーを人手によって倒して停止ブレーキを掛ける
こともできる。これについても本出願人の特許が存在す
る(特公昭63−65541号;特願昭58−8521
3号)。
【0012】非常停止装置は非常停止ブレーキとも呼ば
れる。速度が過度に出ると危険であるから過速を検出し
た時に停止ブレーキを掛けるようにする。制動装置自体
は停止ブレーキを借用するから非常停止装置というより
は非常検出装置という方がピッタリくる。しかし歴史的
には独自のブレーキを持っていたのである。ところが動
作頻度が極端に小さい非常停止ブレーキはかえって信頼
性が低く、常時使用する停止ブレーキを共用するように
変えたのである。
【0013】定速ブレーキというのは動力伝達系につな
がる軸にブレーキシュウを取り付けドラムに摺接するよ
うにしたものである。降坂時に一定速度以上の過度の速
度が出ないようにしている。例えば本出願人の特公昭6
3−41341号(特願昭56−153262号)に定
速ブレーキについての詳しい説明がある。
【0014】運搬車も上車輪、下車輪を有する走行装置
を持つ。しかし運搬車は荷物を搭載しており自らは動か
ない。動力車によって牽引される。運搬車は停止ブレー
キなども持たない。これらは無人で荷物を運ぶものであ
った。
【0015】しかし後に乗用の単軌条運搬車も多数開発
している。例えば特公平1−24099号(特願昭58
−166843号)、特公平1−24661号(特願昭
58−166844号)、特公平1−24662号(特
願昭58−183800号)などがある。いずれもレ−
ルが地面近く人間の視線より下方にあるような装置であ
る。
【0016】本発明は吊り下げ型の単軌条運搬車を提案
する。そのような分野での従来技術には本発明を示唆す
るものはない。ないのであるが関連する従来技術を概観
しておこう。
【0017】特開平10−287231号「吊り下げ式
搬送方法及びその装置」は山の麓と頂上を結ぶ一人座乗
用リフトを提案する。人と共に遊技用の走行具(ロー
ラ)を運搬するのであるが、その装着離脱を便利にした
ものである。リフトだから独自の駆動源がなくロープで
引っ張られるようになっている。
【0018】特開平6−286605号「人荷兼用走行
台車」はダムにそって設けられたトンネルの側壁にレ−
ルを敷設し、レ−ルによって片持ち支持される台車が前
後に傾くのを防ぐため、ピンによって台車を吊り下げ自
重荷よって常に下向き姿勢を維持できるようにしたもの
である。トンネルの中を往くのであるからレ−ルは側方
の壁に設けられる。
【0019】天井を広くできないし天井にレ−ルを設置
しても支柱を立てる必要があるが、側方の壁なら支柱な
ど不要で壁に直接にレ−ルを付けることができる。台車
は側方レ−ルによって片持ち支持される。片持ち走行だ
からレ−ルの構造は特殊なものとなる。異形H型鋼をレ
−ルとし車輪は垂直軸廻りに回転する。下向きに強いト
ルクが発生する。ラックは下向き、駆動ピニオンは上向
きである。
【0020】特開平8ー295232号「リフト車両、
及びリフト車両用レ−ル」は一人乗りの吊り下げ型リフ
トの改良を提供する。ロープによって全部のリフトをひ
っぱるのではなく、それぞれがモータ、ブレーキを持っ
ており、独自に走行し停止できるようになっている。
【0021】レ−ルはH型鋼であり重量があって大型の
ものである。あくまでリフトであって通常はロープの動
きによって一斉に前進する。が、ロープを直線的に張れ
ない場所では個々のリフトが勝手に前進できるようにし
たというものである。駆動源の電動機は小型であって伝
達系は簡便なチェーンである。しかも減速器がない。こ
のような小型のモータでリフトが実際に動くのか?疑問
のあるところである。一人乗りで荷重が軽いから水平の
場所では動くかもしれない。上昇経路では動かないので
はないかと推量される。
【0022】H型鋼の下面に下向きラックを固定し駆動
ピニオンがこれにかみあう。下の車軸はフレームによっ
て両持ちされる。これは駆動輪であってスプロケット・
チェーンにより電動機につながっている。下の車軸には
下車輪が二つあってピニオンを挟んでいる。レ−ルであ
るH型鋼の幅が充分に広いから下車輪を二つと駆動ピニ
オンの3つの部材を並べてレ−ル鋼の下面に当接するこ
とができる。そのためには下面の幅は20cm程度必要
であろう。
【0023】走行装置は一つだけである。走行装置から
リフト座席が懸架されるので座席は重力に従って水平を
常に維持できる。それは利点であろうが縦揺れもあって
若い人にはよいが高齢者には危険が多すぎる。
【0024】これはスキー場などのリフトであって往き
帰りの経路に数十のリフトが懸架されるから支柱は堅固
剛健でなければならずH型鋼のレ−ルも頑健な構造物で
ある。設備費・工事費は高額で工事に日数がかかる。狭
い道路の通行にはとえも使えない。
【0025】特開平11ー171008号「懸垂型モノ
レール走行を部分併用した自動循環型普通索道の走行方
法」は、スキー場での傾斜面の上り降り、観光地での山
麓登山下山用のゴンドラに関するものである。多数のゴ
ンドラを往復の経路に走行させるものである。自力走行
するものでなく、ゴンドラには動力源を積んでいない。
ゴンドラは上方に敷設したH型鋼によるレ−ルに上車輪
を載せることによて懸垂懸架される。
【0026】下車輪はない。モータもなければ減速器も
ないしブレーキも持たない。ゴンドラはレ−ルに懸架さ
れているだけである。経路の両側にロープ2本があっ
て、これが上下(山麓・頂上)のプーリを廻って周回し
ている。プーリによって駆動力が与えられる。その点で
ケーブルカーやロープウエイと似ている。
【0027】ゴンドラは通常はロープをつかんだ状態を
保つ。ロープを掴んでいるからゴンドラはロープと同じ
速度で前進する。ところが彎曲部分では両側のロープの
回転角速度が異なる(線速度は等しいが)から両方のロ
ープを持ったままでは左右の速度の違いのためカーブを
曲がることができない。一方を離せばいいようだが、そ
うすると左右のバランスが崩れてゴンドラが廻ってしま
う。走行装置に無理がかかってゴンドラが落ちてしま
う。左右のバランスを維持しながらロープから動力を得
る必要がある。また停車場では速度を緩める必要があ
る。
【0028】そこで停車場や彎曲部ではロープの進行を
動力とする減速機構を多数経路に沿って設けるようにし
ている。減速した回転数で回転する駆動ローラをレール
の上に多数設ける。その回転ローラでゴンドラ上部の平
坦部分を摩擦する。ローラが廻っているからゴンドラが
押されて前進する。彎曲部では内側の減速比をより大き
くする。すると円滑に彎曲を曲がることができるという
わけである。
【0029】ゴンドラ自体は駆動力を全く持っておらず
ロープで引っ張られるか、駆動ローラで押されるかであ
る。左右のバランスが取りにくい構造であるから、ゴン
ドラ下方にもレ−ルを設け、ゴンドラの底板に設けたサ
イドローラによってレ−ルの側面を押さえるようにして
いる。下方のレ−ルによって左右のブレを防ぐ複雑な構
造となっている。これは減速機構を多数設ける必要があ
る。ロープから減速機構への動力伝達はすべり摩擦によ
る。駆動ローラからゴンドラへの動力伝達も滑り摩擦で
ある。はなはだこころもとない手段に頼っている。だか
ら多数の減速機構と駆動ローラを設ける必要があるので
ある。ラック・ピニオンによらないという点で本発明と
は違う。台車(ゴンドラ)自体が駆動力を持たないとい
う点でも大いに相違する。またレ−ルや付帯設備は大が
かりであって、町営の無料通行手段としては高くつきす
ぎる。
【0030】特開平11−348775号「運搬装置」
は、50cm〜70cm程度の幅のある平板レ−ルを2
0cm〜30cm程度の幅のある厚板レ−ルによって支
持した堅牢のレ−ル構造に台車を吊り下げて成り立つ運
搬装置である。平板レ−ルに上車輪を載せる。下車輪は
ない。横揺れを防ぐため厚板レ−ルの両側面にガイドロ
ーラを当てる。平坦地では上車輪を回転駆動して走行す
る。滑り摩擦によって走行する。傾斜地では上車輪は空
滑りする。そこで傾斜地だけにピンラックをレ−ルのす
ぐ下に取り付ける。下車軸には駆動ピニオンを付ける。
駆動ピニオンがピンラックに噛み合う。傾斜地ではピニ
オンがラックを押して車両が進む。上車軸が上車輪を回
転させ、下車軸がピニオンを回転させる。上車輪とピニ
オンの線速度が等しくなければならない。そこでレ−ル
より外側において、歯数が同数の歯車を噛み合わせてい
る。ピニオンと上車輪の半径を等しくし歯車が同歯数だ
からピニオン、上車輪の線速度が等しい。
【0031】上車輪は左右にあり左右で同回転するか
ら、そのままでは彎曲点を曲がることができない。そこ
で差動歯車装置を設けて左右の換向部の困難を解決して
いる。差動歯車装置は自動車などのミッションに使われ
ているから、それを転用したものであろう。そのような
問題はそもそも左右の上車輪の両方に駆動力を持たせた
ことから発生するのである。本発明のようにピニオンだ
けで推進するなら、そのようなことは初めから問題にな
らない。下車輪がないから傾斜地では駆動ピニオンがそ
の代わりをして台車をレ−ルに平行に保つ。しかし、そ
のようにすると噛み合い率が変動し好ましくない。これ
もレ−ル構造が大がかり堅牢荘重であってレ−ル敷設だ
けでも建設費が巨額のものとなる。無料の通行手段とし
ては難がある。
【0032】特開平11−348774号「運搬装置」
は左右に上レ−ルを持ち中央のピニオンを有する駆動軸
を前後二つもっている。左右の上車輪は駆動輪でなく遊
輪としている。だから換向時にも問題はない。上車輪を
遊輪としたこと、それが一つの特徴である。ガイドロー
ラを前後左右に付けてレ−ルの側面に当てて換向できる
ようにしている。合計8個のガイドローラによってレ−
ルから台車がブレないようにしている。
【0033】創意のあるところは前後のピニオンの回転
数を変えるように差動歯車装置を設けたことである。先
の従来例と同様の工夫である。上下方向にレ−ルが彎曲
する場合、前後のピニオンの回転数が異ならなければな
らない。そのような要求に応えるものである。差動歯車
を使うから前後の駆動ピニオンの回転数を自動的に変え
ることができる。簡単に言えば差動歯車というのは、右
回転数をR、左回転数をLとすると、R+L=一定とす
るものであるから、通常はR=Lであるが、上下の彎曲
点ではR≠Lとなり得るので彎曲部に対応することがで
きるのである。巧妙な発明である。しかし、それも前後
にピニオンを設けるというようなことをするから生ずる
問題である。ピニオンが一つならそのようなことは問題
になりようがない。それに前後にピニオンが必要であっ
て回転数を調整する必要がある場合もっと簡単で堅牢な
手段がある。常識にとらわれ過ぎである。思考不足とい
うべきであろう。
【0034】特開平10−67319号「走行装置」は
H型鋼のレ−ルによって懸垂される走行装置が横揺れし
て困るということを問題にする。H鋼の下面に上車輪を
載せて上車輪の一方を回転させて走行する。下車輪はな
い。平坦路だけを走行するのである。左右の揺れを止め
るためにH型レ−ルの縦の面を両側から押さえるガイド
ローラを前後に設けている。4つのガイドローラによっ
て左右の揺れを防止したというものである。ピニオン、
ラックは使っていない。下車輪もない。レ−ルが高価で
ありレ−ル支持構造も堅牢剛健であって建設費は高額と
なる。
【0035】特開平6−321093号「レ−ル走行台
車設備の走行用ラック清掃装置」はH型鋼の下面中央に
下向き固設されたラックが汚れるということを問題にす
る。回転ブラシを有する台車を作り回転駆動力をラック
に噛み合うピニオンから得るというものである。推進車
で清掃車を押して行けばブラシが勝手に廻ってラックの
歯を清掃する。もう一つ回転するブラシによってグリス
をラックに補充する。これもH型レ−ルを使う大がかり
なものである。ラックは下向きの大きいものだから自走
清掃車で清掃できる。これは清掃に充填があって本発明
とは大きく異なる。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】無人走行する小型の単
軌条運搬車は園芸用として山地、丘陵地に利用される。
土木用大型単軌条運搬車はやはり山峡、辺境の地で土石
運搬に使われる。林業用の大型の単軌条運搬車になって
初めて乗用のものとなった。林間、山峡の高地の作業地
へ通勤のために用いられる。いずれも僻陬、山岳、山峡
の地での利用であった。傾斜地に強いという特徴が生か
されている。
【0037】都市や町にも傾斜地はたくさんある。短い
傾斜であるが人の住む町にもにぎわう都市にも坂はあ
る。たとえば神戸、六甲、尾道、長崎など傾斜面に多数
の家屋が立ち並んでいる。山と海をひかえ傾斜地の風光
は美しいものである。青い空と緑成す岡を背景に並び立
つ住宅は明媚で豊かであるように見える。芦屋の山麓や
灘の山稜に見える広壮な邸宅は富貴と美の象徴のように
思える。
【0038】一方人口構成の高齢化が進行しつつある。
坂の上の家家に住む高齢者も増大しつつある。自動車が
入らない狭い道路に面する岡の上の家屋も多い。古い歴
史ある町や都市は特に道が狭いので自動車の往来が不自
由である。全く自動車が通れない坂の上の家もある。す
ると徒歩で往来するしかない。日々の買い物にも歩いて
坂を下り階段を上って行き来しなければならない。坂の
傾斜は15度〜30度もある事が多い。
【0039】階段といっても広くてゆったりしていると
は限らない。狭い険しい階段も数多い。毎日の生活の営
みのため常に坂を歩いて下り上りしなければならない。
高齢者には特に苦労の多いことである。疲労するだけで
なく危険だということもある。歩行できない人は車椅子
に乗って移動するしかないが、急傾斜の坂の上り下りは
安全でない。また階段が続くような道だと車椅子で通行
することができない。
【0040】山手に住む高齢者が毎日の生活を安楽に送
るためには傾斜道を容易に通行できるということが切に
望まれる。高齢者に限らず青少年であっても坂道を上り
下りするのは面倒なことである。
【0041】傾斜地を楽に上り下りするならエスカレー
タを付ければ良い。建物の外に敷設したエスカレータも
かなり増えてきており、都市や町の坂道に敷設すること
は可能である。エスカレータを備えた大学や歩道橋は実
在する。しかしエスカレータ、傾斜エレベータは工事費
が嵩む。50m程度で何億円といった建設費がかかる。
膨大な建設費に加えて維持費が高い。短い距離にしか向
かない。
【0042】町の通行手段として備えるなら無料で使用
でき、町の予算で運営できる程度の小規模なものでなけ
ればならない。人口の比較的多い都市や町の傾斜地での
低コストで安楽な通行手段を提供することが本発明の目
的である。
【0043】
【課題を解決するための手段】都市町での通行装置とし
て本発明はつり下げ懸架型乗用単軌条運搬車を提案す
る。単軌条運搬車というのは既に述べたように傾斜地の
上り下りに断然強い。ラックとピニオンの噛み合わせ構
造と車輪でレ−ルを上下から挟む構造によっているから
45度以上50度を越える傾斜も上り下りできる。レ−
ルは狭く一本であるから横幅をあまりとらない。レ−ル
自体は安価で敷設工事も簡単である。野ざらしになるの
はレ−ルだけであるから保守は容易である。
【0044】乗用の単軌条運搬車というのも林業用に開
発され実績がある。本発明の単軌条運搬車は、エンジン
がディーゼルエンジンであり、停発進操作レバー又は自
動停止レバーによって発進と停止の2状態をとるリミッ
トスイッチを設け、リミットスイッチが発進から停止に
切り替わった時に給油を停止し、一定時間後にディーゼ
ルエンジンの燃料供給を停止して動力車のディーゼルエ
ンジンを停止するようにしたものである。ディーゼルエ
ンジンだから点火プラグがなく点火プラグ用の高電圧を
遮断する必要はない。燃料供給を停止するだけでディー
ゼルエンジンが停止する。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明の懸垂吊り下げ型単軌条運
搬車の構造を簡単に説明する。懸垂型なのでレ−ルは地
面の上方に設けられる。空間懸架型のレ−ルであるが、
これには上下2段レ−ル構造を採用する。上下二段であ
るが、下レ−ルの側面に切り歯ラックを溶接する。ラッ
クとして軟鋼の帯鋼を波型に折り曲げたようなものがあ
る。しかし本発明の場合は、乗用であり使用頻度も高い
からプレスした軟鋼のラックでは使用に耐えないと思わ
れる。ここでは圧力角が25度の切り歯ラックを用い
る。
【0046】上レ−ルを水平のレ−ル受けによって吊り
下げる。レ−ル受けは丸パイプ形状になっており左右に
円筒形状のソケットを持つ。地中に掘った穴にコンクリ
ートを流し込んで、沈下防止プレートをコンクリートに
一部が埋まるように結合する。沈下防止板の上に支柱の
下端を保持するようにする。こうして門型の支柱、レ−
ル受けの構造体ができ上がる。レ−ル受けにレ−ル吊り
金具によって上レ−ルを吊り下げるようにする。支柱は
大体等間隔に配置する。レ−ルの単位の長さはたとえば
3mである。レ−ルの単位と支柱の周期を同一にするこ
ともできる。異なるようにしてもよい。
【0047】支柱は門型に2本立てるのが良いが、場所
によっては、2本も立てられないことがある。その場合
は1本だけの支柱を立てて一つの支柱からレ−ル受けを
片持ち保持するようにする。片持ちレ−ル受けに上レ−
ルをレ−ル吊り下げ金具によって吊り下げる。レ−ル受
けは丸パイプであるから、任意の角度をなすレ−ルを吊
り下げ金具を介して保持することができる。
【0048】この乗用単軌条運搬車は住宅地の中を走る
ので、騒音と排気ガスの出るエンジンの使用は適当でな
い。電動機を駆動源として使用する。ここでは無励磁作
動スプリング式のものを用いる。非通電時はブレーキが
効いており、通電するとブレーキが解除されるようなブ
レーキが付随した電動機である。つまり電動機が回転す
るとブレーキが解除され、電動機が止まるとブレーキが
効くようになっている。
【0049】電動機の回転力は、ミッション(動力伝達
装置)によって駆動ピニオンまで伝えられる。動力伝達
装置は減速機構を兼ねている。本発明の乗用単軌条運搬
車では歯車減速機構を用いる。チェーン・スプロケット
による減速は採用しない。チェーンは切れることがあ
る。チェーンが切れると傾斜地で暴走することもあり危
険である。歯車の場合はたとえ歯先が掛けても停止する
だけである。暴走する恐れはない。ここでは4段減速と
しているが減速段数、歯車歯数などは任意である。
【0050】前進も後進も可能であるが、前進後進の切
り替えはギヤによって行うのではなく、電動機の電流方
向の切り替えによる。
【0051】上下二段レ−ルとするのは縦方向の剛性を
増やすためである。上レ−ルはレ−ル受けによって支持
されるだけのものである。下レ−ルがレ−ルとしての機
能を担う。台車は天井の上に走行装置、動力車装置を持
つ。走行装置というのは単に走行するだけの機能を持つ
ものである。動力車装置とここで言っているのは走行装
置に駆動ピニオンを加えて自力で駆動できるようにした
装置である。
【0052】走行装置は上下左右に車輪を有する。だか
ら合計6つの車輪を有することになる。これらの車輪
は、上下前後の固定車軸に軸受によって回転自在に支持
される遊輪である。下車輪は下レ−ルを下から、上車輪
は下レ−ルを上から押さえる。上下から下レ−ルを押さ
え付けるから走行装置はレ−ルからはずれることはな
い。また走行装置は傾斜地でもレ−ルと厳密な平行性を
保持できる。
【0053】動力車装置は走行装置プラス駆動装置であ
る。走行装置と同様、前後上下に車輪を有しレ−ルにぴ
ったりと接触するようになっている。6つの車輪の他
に、駆動ピニオンがあって、レ−ル側方の切り歯ラック
に噛み合っている。駆動ピニオン軸を別に設けることが
難しいから、後方の下車軸が駆動ピニオンの動力軸をか
ねている。だから後方下車軸だけは回転軸となってい
る。下車輪と駆動ピニオンは同軸ということになるが、
回転角速度が違う。駆動ピニオンは回転軸と一体で駆動
力を発揮するようになっている。下車輪は軸受によって
支持される遊輪となっている。
【0054】ラックは圧力角25度の切り歯ラックであ
る。ピッチから歯先までの距離、ピッチから歯底までの
距離が標準歯車のものよりも低くなっており、強度のあ
るラックである。強いラックは安全な走行のため有用で
ある。
【0055】レ−ルと車輪の間隔は微調整可能である。
そのために上下いずれかの車軸を偏心軸として、この軸
を調節プレートによって回転させることができるように
なっている。適当な間隔に調整し、調節プレートを固定
することによって車輪とレ−ルの間隔を適切な値にする
ことができる。
【0056】駆動ピニオンと同じ軸に回転検出体を設け
て、軸の回転変位を測定している。回転検出体は速度と
位置の両方を常時検出できる。速度の積分が位置を与
え、位置上方の微分が速度を与えている。終点、始点に
は始点・終点棒を設けて、これに車両のレバーが当たる
ようにすることによって終点、始点を検出するようにで
きる。しかし、それがなくても回転検出センサによって
始点、終点、任意の中間点を検出することもできる。
【0057】上下2段レ−ル自体は本発明者の特許があ
る。それはリブによって上下のレ−ルを結合したもので
ある。リブの横に穴があって、そこから溶接トーチを差
し込み内側でリブとレ−ルを溶接するようになってい
た。しかし本発明ではこれでなくリブの結合について新
様式を採用する。中間部が窪んだリブを採用し、窪み中
間部外側においてリブとレ−ルを溶接する。外側での溶
接だから容易であり時間もかからない。
【0058】レ−ル受けは丸パイプだから傾斜地でもレ
−ル受けによって上レ−ルを保持できる。もしも角パイ
プだとレ−ル受け自体を廻すとか吊り金具を複雑にする
必要があろう。
【0059】レ−ルを保持するレ−ル吊り金具は上下の
二つの部材からなる。レ−ル吊り上金具はレ−ル受けに
予めはめ込んでおく。レ−ル吊り下金具はレ−ルにはめ
込んでおく。レ−ル吊り上金具にレ−ル吊り下金具の螺
穴を合わせネジを差し込みネジを締結する。そうするこ
とによって上下のレ−ル吊り金具が結合される。つまり
レ−ル受けによってレ−ルが把持される。レ−ル受けが
丸いから、レ−ル吊り上金具は自在に廻り、どのような
方向にもレ−ルを固定することができる。
【0060】経路に応じてレ−ルを側方、上下に曲げる
必要がある。側方向きのカーブは現場で曲げる。上下2
本になっているから上下方向には曲げにくい。工場で単
独レ−ルの状態で上下に曲げて、それらを組み合わせる
ようにする。
【0061】レ−ル受けの下にはトロリール(給電線)
を敷設する。走行装置に集電アームを付け、集電アーム
が給電線に接触して行くようにする。電動機、制御盤な
どの電力が必要なので、トロリールによって電力を与え
るようにする。
【0062】レ−ル側方に取り付けたラックと駆動ピニ
オンの間には潤滑油を供給する必要がある。走行台車の
方から駆動ピニオンへ潤滑油を送給する。するとレ−ル
から油が下方へ落下する。油は黒く汚れた液体であるか
ら単軌条運搬車のレ−ル下を通行している歩行者にかか
るという恐れがある。そうすると着衣、頭髪などを汚す
ので重大な問題である。これを防ぐためレ−ルのすぐ下
に油落下防止用の樋を全長にわたって設ける。レ−ルか
ら落ちた潤滑油は樋に落ちて下方へ流れてゆく。
【0063】油落下という問題は、レ−ルを上方に持っ
てきた懸架型単軌条運搬車に、新しく生じた問題であ
る。だから油落下防止用樋も懸架型単軌条運搬車に固有
の装置である。
【0064】そのような樋がレ−ルの直下にあるから、
走行装置と台車を、つの字型に彎曲したフックによって
つなぐ必要がある。フックというものも新規の工夫であ
る。先に支柱の間隔について述べた。レ−ルの単位長さ
はたとえば3mである。地表レ−ル型の場合は、支柱の
数が多くても差し支えない。邪魔にならないからであ
る。しかし本発明のような懸架吊り下げ型の場合は、支
柱が多いと通行を大いに妨げる。それに支柱は長いので
多数支柱を設置するとコストが増える。支柱の数は少な
い方がよい。
【0065】レ−ルの周期が3mなので、支柱の周期は
3m以上にしたいものである。3m周期でもよいが、本
発明の場合、レ−ルを太く(60mm×60mm×3.
2mm)すると支柱周期を5mにまで延ばす事ができ
る。
【0066】それも上下2本レ−ルで、上下方向の適当
な剛性が得られるためである。これがもしも1本レ−ル
だと、5mもの支柱間隔をとるためにはレ−ルをよほど
頑健堅固にしなければならない。より大きいレ−ルを製
造することは可能であるけれども、そうすると今度は曲
げにくい。やはり曲げやすいレ−ルを上下に二段組み合
わせる方が良いようである。
【0067】「エ」型鋼が市販されている。そのような
鋼をレ−ルとして使うと1本レ−ルでも荷重に耐えるこ
とができよう。しかしエ型鋼は重くてサイズも大きいか
ら、取扱いにくく工事が難しく費用がかかる。それにエ
型鋼をレ−ルとすると上車輪、下車輪の寸法も大きくな
り、上下車両の間隔も広がりすぎる。安定性も悪くな
る。そのような訳でエ型鋼レ−ルは望ましくない。
【0068】乗客の定員は2名で前後に座席を設ける。
座席は同じ方向を向く(上昇方向を前に)ようにしても
よい。また前は前向き、後ろは後ろ向きとすることもで
きる。イスの軸を平均傾斜に応じて傾けておいてもよ
い。さらに車イスを載せられるように後部座席を折り畳
みとすることもできる。
【0069】
【実施例】図面によって本発明の乗用懸垂型単軌条運搬
車の構成を説明する。図1は本発明の実施例にかかる乗
用懸垂型単軌条運搬車の傾斜した状態の左側面図、図2
は上方から見た正面図である。図3は同じ乗用懸架型単
軌条運搬車の水平時の左側面図である。図4は正面図で
ある。図2は両持ち、図4は片持ちの支柱構造を持つと
いう違いがある。
【0070】既成の町村での通行手段だから狭い道に支
柱、レ−ルを設置する必要がある。両持ちの門型支持構
造が可能なこともあり、場所によっては二つの支柱を並
立できないことがある。その場合は一本の支柱だけを立
てるようにする。一本支柱によって片持ち支持(カンチ
レバー)するのである。道の状況によって両持ち支柱、
片持ち支柱を暫時使い分けるようにする。何れの形式に
よってレ−ルを懸架しても、それ以外の点では同様であ
る。
【0071】乗用懸垂型単軌条運搬車1は懸架装置2と
乗用台車3よりなる。懸架装置2はレ−ルに対して乗用
台車3を走行可能に懸架するものである。懸架装置2は
ボギー走行装置4と動力車装置5とよりなる。ボギー走
行装置4はレ−ルに沿って走行するための装置である。
動力車装置5は走行装置に駆動力を加えたようなもので
ある。継ぎ手6を介してボギー走行装置4が、継ぎ手7
を介して動力車装置5が乗用台車3をつり下げる。乗用
台車3は天井板8、前枠9、後ろ枠10、床板11等よ
りなっている。この例では前部、後部は開口しており桟
19(図2参照)によって囲いがなされる。
【0072】床板11の上には2人分の座席が設けられ
る。これは2人乗りの通行装置である。前の座席12は
作り付けであるが、後ろの座席は折り畳み座席13にな
っている。後ろ座席を後ろへ折り畳むことによって生じ
た空間に車イス14を乗せることもできる。車イス14
を載せた時は車輪を後ろ座席側に引いて車輪止め17に
よって車輪を固定する。乗用台車3の前方には操作盤1
5が前に座った乗客の手の届く位置に設けられる。これ
は前進、後退、停止など簡単な運転を行うためのもので
ある。速度は一定であるか予め定められたプログラムに
よって決まる。乗客が増速、減速などの運転はしない。
天井板の上にあるのは回生制動抵抗器16である。人が
歩く速度よりも遅いか、歩く速度の程度のゆっくりした
速度で動く。坂道を上り下りするのだから、そのような
遅い速度であっても乗ってゆく価値はある。
【0073】地面には一定の間隔で縦の支柱20が2本
ずつ立てられる。支柱20は丸パイプ、或いは角パイプ
である。図1、2では両持ち支持、図3、図4では片持
ち支持を示す。
【0074】支柱20によってレ−ル22を保持するレ
ール支持部21が支柱20の上端に設けられる。レ−ル
22といっても上下2本のレ−ルからなる。上レ−ル2
3と下レ−ル24である。上レ−ル23がガイドレ−ル
であり、ラックを付けて推力を得、台車を懸架する役割
を持つのは下レ−ル24である。上レ−ル23と下レ−
ル24は薄い角型筒体であるリブ25によって相互に接
続されている。
【0075】箱型リブによって上下のレ−ルを結合する
ということは本出願人の過去の特許(特公昭63−51
202号;特願昭57−79730号)がある。箱型リ
ブの側面に大きい孔をあけ溶接トーチを孔から箱内部に
差し込んで箱の内部の辺をレ−ルに溶接している。外部
で溶接すると溶接の盛り上がりが車輪に当たって邪魔に
なるからである。今回のリブは以前のものと少し変えた
ものにしている。これについては後に説明する。
【0076】レ−ルは3mとか5mとか一定の長さに規
格化されている。ここでは3mのレ−ルを使っている。
現場でこれらのレ−ルを結合する。締結部26はレ−ル
の端部に付けた板をボルトによって繋ぎ合わせるもので
ある。これも本出願人の特許(特公昭61−58602
号;特願昭56−150269号)がある。
【0077】レ−ルであるが、これまで本出願人は50
mm×50mm×3.2mmのものを使ってきた。単位
長さは3mであった。ところが、ここではより堅牢で安
全な通行装置とするためレ−ルは60mm×60mm×
3.2mmのものを採用する。ここで60mmというの
は角パイプの外寸で縦横とも60mmだということであ
る。3.2mmというのはパイプ金属の厚みである。従
来のレ−ルの角部分断面積は2500mm2であるが、
ここで使うものは角部分断面積が3600mm2であ
る。
【0078】上下に上レ−ル、下レ−ルと重ねるのは断
面係数を高め重力による歪を小さくするためである。実
際にレ−ルとして機能しているのは下レ−ル24であ
る。上下、左右のカーブにおいてレ−ルを曲げる必要が
ある。横方向の曲げは現場で随時機械を用いて曲げる。
上下レ−ルを組み合わせてしまうと縦方向にはとても曲
がらない。上下方向の曲げが必要な場合は、上レ−ル、
下レ−ルを上下方向にあらかじめ曲げておいてからリブ
を溶接して一体化する。
【0079】レ−ル支持部21はレ−ル受け27、キャ
ップ28、レ−ル吊り金具29などよりなる。レ−ル受
け27は長手方向に直交する水平の角材又は丸管材であ
って左右の支柱20に架橋している部材である。ここで
は丸管材をレ−ル受け27としている。レ−ル受け27
の両端にキャップ28が溶接してあり、キャップ28を
支柱20の頭に差し込みボルト30によって固定する。
キャップ28を昇降してレ−ルの上下高さを調整でき
る。レ−ル受け27に対してレ−ル吊り金具29は水平
にスライドすることができる。左右の位置はレ−ル吊り
金具29の位置を調整することによって適当に決めるこ
とができる。道の状況によって右に寄せたり左に詰めた
りすることができる。位置を決めるとボルトによってレ
−ル吊り金具29を固定する。
【0080】支柱20の下には沈下防止板31がボルト
32によって取り付けられる。地面33には塊状のコン
クリート34を埋設する。コンクリートの上に沈下防止
板31を置いてアンカーボルト35によって沈下防止板
31とコンクリート34を結合する。下方が図1のよう
に階段36の場合でも同様にコンクリートブロックを地
中に埋めて支柱20を立てるようにする。
【0081】図1、図2のように二本の支柱20によっ
て両側から支えられるのでレ−ルは安定である。支柱2
0には呼出ボタン37が取り付けられる。これを押すと
単軌条運搬車が自動的にその場所まで回送されてくる。
レ−ル受け27の片側には給電トロリール38がある。
これは5本のトロリー電線を平行に引いた物である。単
軌条運搬車の側の集電子39がトロリー電線に摺接して
電流を得るようになっている。三相交流を電源とするか
ら、その給電に3本、信号伝送用に少なくとも2本の電
線が必要である。だから、ここでは5本のトロリー電線
を図示している。集電子39も5つの接触子からなって
いる。しかし、これは6本、7本…に増やすこともでき
る。
【0082】懸架構造をより複雑にする因子が存在す
る。それは下レ−ル24の直下に平行に設けられた油落
下防止用樋40である。これはレ−ルと同じように全長
にわたって空中に設けられる。支柱20から伸びる横棒
41によって油落下防止用樋40を支える。油落下防止
用樋40は上向きに開口したコ字断面の樋である。これ
はレ−ルを伝って落下した雨滴、油などを受けて流すも
のである。レ−ルには油や汚れが付着している。雨の日
には油や汚れを含んだ雨滴や滴がレ−ルから落下する。
レ−ルの下には歩行者が歩いていることもある。乗用台
車3には屋根があるが、それでもレ−ルからの雨滴が飛
んでくる可能性がある。汚れた水滴、油滴が歩行者や乗
客に飛散してはいけない。それでレ−ルに沿って、その
直下に油落下防止用樋40を設けるのである。その目的
からレ−ルの直下でなければ意味がない。レ−ルの全長
にわたって設けなければ目的に沿わない。それでこの装
置においてレ−ル全長に及ぶように油落下防止用樋40
を設ける。
【0083】油落下防止用樋40のためにボギー走行装
置4も動力車装置5も直接に乗用台車3を吊り下げるこ
とができない。そこで横に彎曲したフック42、43に
よってボギー走行装置4、動力車装置5と継ぎ手6、7
を連絡するようになっている。彎曲したフックの凹部4
4に油落下防止用樋40を通すようにする。
【0084】フック42はダクタイル鋳鉄、Al合金に
よって作る。ダクタイル鋳鉄には振動を緩衝する作用が
あり、強度も充分である。それに何よりも力によって突
然に破断するということがない。重力によって撓みが発
生すると、これが溜まって少しずつ変形してゆく。もし
も変形しているのが目視によって認められたら新しいフ
ックに交換すればよい。FCのような脆い材料だと突然
に破損して乗用台車が落下するという可能性もある。
【0085】油落下防止用樋40の雨滴、油滴は、横棒
41を伝って支柱20の側へ集めて、ここから縦樋を用
いて地面近くへ導く。或いは全部を最下端の支柱へ集め
て、そこから地面へ落とすようにすることもできる。
【0086】単軌条運搬車はこれまで上にレ−ルを持つ
というようなものは存在しなかった。常に地面から数十
cmの高さにレ−ルを設け、その上に単軌条運搬車を載
せていたのである。ところが本発明では初めてレ−ルを
空中へ上げ単軌条運搬車を吊り下げることにしたのでレ
−ルからの雨滴、油滴、汚れ落下というような問題が新
たに発生する。そのための一つの回答が、この油落下防
止用樋40とフック42、43である。軌道を走る電車
の場合は軌道に入る人が存在しないから、そのような配
慮は無用であった。しかし吊り下げ懸架式通行装置の場
合はレ−ルの直下を歩く人もいるので、そのようにこれ
まで類を見ないような配慮が要求される。
【0087】これまで述べたものは支柱が2本(門型、
両持ち)の場合も、1本(片持ち)の場合にも共通であ
る。但し図3、図4に示すように片持ちの場合は支柱2
0が太く堅固になっている。片持ちによる曲がりや不安
定性を補うためである。沈下防止板31は両持ちのもの
と共通であるが板の部分をより広くすることもできる。
【0088】さらにコンクリート34が支柱が2本の場
合より大きくなっている。大きく広いだけでなく、図4
のようにコンクリート34が台車の方向へより長く伸び
たような配置となっている。台車の重みによって発生す
る曲がりのモーメントを力強く受けるようにコンクリー
トをより堅固にしている。
【0089】またコンクリート34の中にアングルによ
る支柱台45を水平に埋め込んでいる。アングルの支柱
台45によって傾きにより強い抵抗を示す。さらにアン
カーボルト35もより長いものを用いている。両持ちの
場合は沈下防止板31には上から下向きの力が働くだけ
である。しかしカンチレバーの場合は、沈下防止板31
の背後には引っ張り力が働く。これを受けるために、よ
り長いアンカーボルト35を用いている。
【0090】図3は水平部分を進行している図である
が、座席については別の例を示す。図1のものは後ろが
折り畳み座席になっており車イスを止めることができ
た。図3の例では後部座席46も作り付けのものになっ
ている。
【0091】図5、図6、図7、図8は支柱20とレ−
ル22の組み合わせを示す。これらの図において、単軌
条運搬車1と油落下防止用樋40は省略している。単軌
条運搬車1が通過していない部分はこのような外見であ
る。狭い道にこのように平行の支柱が適当な間隔に立て
られており、それによってレ−ルが懸架される構造であ
る。
【0092】両持ちの場合を示す図5、図6において、
地面33には塊状コンクリート34が埋め込まれ、これ
に沈下防止板31がアンカーボルト35によって固定さ
れる。沈下防止板31の縦穴に支柱20の下端を差し込
む。
【0093】レ−ル受け27は初めから両端にキャップ
28、中間にレ−ルを取り付けたレ−ル吊り金具29を
持っている。支柱20の頂部にキャップ28を差し込
み、高さを調整してボルト30によって固定する。レ−
ル吊り金具29をレ−ル受け27に沿って動かし位置決
めし適当な位置に固定する。以上は両持ち支柱の場合で
あるが、図7、図8に示す片持ち支柱の場合でも手順は
殆ど同じである。
【0094】下レ−ル24の側面にラック47が歯面を
下向けにして固定してある。このラック47にも工夫が
成されている。圧力角25度で低歯高の切り歯ラックで
ある。鋼材を削って正確に圧力角25度の歯形を造形し
ている。低歯高というのは、ピッチからの歯丈が低いと
いうことである。標準歯車の場合歯先・ピッチ間は1モ
ジュール、ピッチ・歯底間は1.25ピッチとするが本
出願人のラックは歯丈をもっと低くする。それはラック
に強度を持たせるためである。
【0095】従来、単軌条運搬車のラックは長い帯状の
軟鋼材を波型に折り曲げて作ったというものが多かっ
た。その場合ラックの歯面は平面にならず正確な圧力角
を定義できない。ピニオンの歯形もインボリュートでな
くなり騒音が大きいという欠点があった。ここでは正確
な歯面を持つラックを使う。バックラッシュを少なくで
き噛み合い率を上げることができる。だから騒音は少な
い。ラック47は下レ−ル24の側面の丁度中間に取り
付ける。レ−ルの高さは60mmであるが、上車輪の鍔
がレ−ルの上面を、下車輪の鍔がレ−ル下面に接触す
る。接触代が必要なのでラック47の高さが中間に限定
される。
【0096】先に孔を開けた箱型リブによって上レ−ル
と下レ−ルを結合する本出願人の特許について述べた
(特公昭63−51202号)。孔から溶接トーチを差
し入れて内側でレ−ルとリブを溶接している。溶接によ
る盛り上がりが車輪の転動代に掛かってはいけないから
である。
【0097】しかし孔から溶接するというのはやはり能
率が悪い。そこで、ここでは図10、図11に示すよう
に、リブ25は箱型の中央部を狭くした凹レンズ型断面
のものとしている。リブ25は狭小側面48と端面49
と広幅側面51を含む。これは2枚の鋼板を継ぎ目50
において溶接して箱型にしたものである。広幅側面51
の幅は、レ−ルに接触している上車輪が掛からないよう
な幅となっている。中間部の狭小側面48は溶接代程度
狭くなっている。リブ25をレ−ルに溶接するには、狭
小側面48において外部から溶接する。側面溶接部52
の盛り上がりは広幅側面51の範囲に入り上車輪の邪魔
にならない。さらに端面49の外側にも溶接するように
なっている。端面溶接部53は上車輪の回転の邪魔にな
らない。
【0098】下レ−ル24の上面を長手方向に平行な線
によって外側帯H、中間帯J、外側帯Gに分ける。中間
帯Jはリブ25の広幅側面51、51を含む平面によっ
てレ−ルを切断した部分である。外側帯Gはラック側の
側面を含む面とラック側広幅側面を含む無限平面によっ
てレ−ルを切断した部分である。外側帯Hはラックのな
い側の側面を含む面とラックのない側の広幅側面を含む
無限平面によってレ−ルを切断した部分である。リブ2
5は中間帯Jにあって溶接部53、52を含めても中間
帯Jからはみ出さない。上車輪は外側帯H、Gを上から
押さえ外側帯G、H面を転動する。このようにH、J、
Gの部分が明確に分離しており、リブ25の存在が上車
輪の妨害にならないようしている。
【0099】箱型のリブであるが、板を端面中間点の継
ぎ目50で溶接して箱型にするのでその前は単純な板で
ある。板をコの字状に曲げるのは簡単である。狭小側面
48を加工するには一つ工程が増えるが、さしてコスト
アップにならない。外側から溶接することができるので
能率が向上する。レ−ルのリブは数が多いので溶接が単
純化したことの利益は大きい。図9(b)に示すように
3mのレ−ルでリブ25は5つある。
【0100】上下のレ−ルをリブによって繋ぐ構造とす
るのは、上下方向の断面係数を増大させて上下方向への
強度を高めるためである。レ−ルによって懸架する構造
となるのでレ−ルの撓みが台車の降下分となる。撓みが
大きいと台車が傾くし振動も増えて乗り心地が悪くな
る。レ−ル強度を増加するため従来50mm×50mm
の角型であったものを60mm×60mmの角型とする
が、それに加えて上下レ−ルをリブ25によって結合し
た構造とすることによって強度剛性をさらに増強してい
る。二本レ−ルをリブ25によって結合するので横方向
の断面係数は2倍に増える。二本レ−ルを縦方向にリブ
によって堅固に結合するから上下方向の断面係数の増加
は2倍よりずっと大きい。懸架型であるからレ−ルの上
下の撓みが問題になるが、この構造は下向き力に強い構
造になっている。
【0101】上下二本レ−ルにした理由はもう一つあ
る。レ−ルを1本として懸架型とするとレ−ルを上から
支えられない。上から支えると上車輪をレ−ルに載せら
れないからである。すると側方からレ−ルを片持ちする
しかないということである。本出願人の単軌条運搬車の
中にも、軽荷重の蜜柑農園向きに側方から片持ちするレ
−ル構造とすることはあった。しかし1本レ−ル片持ち
構造は250kg程度ならよいが、乗用台車の場合は不
向きである。片持ち(カンチレバー)の場合バランスが
悪いので、どうしても下向きの永年歪が発生する。乗用
台車はたとえ乗車定員は2名としても台車の荷重は50
0kg程度にはなる。
【0102】上下二本のレ−ルにすると下レ−ルをリブ
によって上から懸架する構造とすることができる。横か
ら片持ちするより上から懸架する方がより強い。そのよ
うなわけで本発明は上下二本レ−ル構造を採用する。2
本といっても車輪を乗せラックを付けるのは下レ−ルだ
けであって上レ−ルは走行や駆動には無関係である。上
レ−ルはレ−ルとして機能しているのではなくて、懸架
保持構造となっているだけである。
【0103】前述のような狭小側面がなく単純な箱型リ
ブの場合と、狭小側面を有するリブの強度を比較する
と、上下レ−ルのリブ長手方向結合の強さは同一であ
る。リブの横方向への曲げ強度が気になるところであ
る。狭小側面のために横方向の曲げモーメントが減少す
るからである。しかしながら従来のようにレ−ルが下に
あってこれに車両を乗せるのではなく、本発明は懸架型
になるから上下レ−ル間には圧縮力は働かず引っ張り応
力だけしかかからない。引っ張り応力だけならリブの横
曲げが起こる心配はない。だから図10のような断面の
リブは懸架型の場合に好適だということも言える。
【0104】レ−ルの単位の長さは3mである。しかし
3mに限らず任意の単位長さを選ぶことができる。レ−
ルの両端には締結部26が溶接される。これは隣接する
レ−ルを繋ぎ合わせるためのものである。図9(a)の
ようにボルト孔55、56が2つ穿孔されている。レ−
ルの一端は単に開放端となっている。他端はレ−ルの内
周面にほぼ等しい外周面を持つライナー57、58が差
し込まれ固定されている。図13に示すようにレ−ルの
ライナー端を他のレ−ルの開放端へ差し込み、締結部2
6、26をボルト54、54、ナット59、60で締結
することによってレ−ルを結合できる。だからレ−ル端
は溶接しないでよい。
【0105】図12〜図14によって支柱によるレ−ル
支持構造を説明する。図12は両持ちの場合を、図14
は片持ちの場合を示す。支柱20の下方は沈下防止板3
1が取り付けられている。これをコンクリートに固定す
ることは既に説明した。支柱20の上方にはカラー63
が差し込まれ、これがボルトナット64によって支柱に
固定される。カラー63のすぐ上にレ−ル受け27のキ
ャップ28が差し込まれてボルトナット30によって固
定される。レ−ル受け27は両端のキャップ28を介し
て支柱20に固定される。
【0106】レ−ル受け27に対してレ−ル吊り金具2
9があって、これによって上レ−ル23を保持する。レ
−ル受け27をレ−ル吊り金具29は左右に動き得る。
レ−ル吊り金具29は上金具65と下金具66を組み合
わせたものである。上金具65はレ−ル受け27の上を
回り込む鞍形状の金具である。下面は平坦な板面になっ
ている。平坦板面にはボルト孔が穿孔されている。下金
具66は上レ−ル23の下側をめぐるような形状のC型
断面の金具である。上レ−ル23の3面に接触してレ−
ル上面と同じ高さに平坦面を持つ。下金具平坦面にもボ
ルト孔が設けられている。
【0107】上金具65は平坦面を4つ持つ。上金具6
5に対して二つの下金具66が対応する。上レ−ル23
に下から差し入れた下金具66の平坦面を上金具65の
平坦面にあてて、両者をボルト67、ナット68によっ
て締結する。上金具65と下金具66とよりなるレ−ル
吊り金具29によって、レ−ル受け27と上レ−ル23
が強固に締結される。ボルト67、ナット68を緩める
と、レ−ル吊り金具29を任意の位置へ滑らせることが
できる。道の事情に応じて適当な部位にレ−ルの位置を
調整することができる。このようにレ−ルの敷設は現場
で簡単に行うことができるようになっている。
【0108】左右方向のレ−ルの曲げは現場で機械を用
いて行う。上下方向の曲げは容易でないから、上レ−
ル、下レ−ルを予め上下方向に曲げておいてリブによっ
て結合する。
【0109】下レ−ル24の側面にはラック47が取り
付けられる。ラック47は軟鋼の帯板を上下波条に折り
曲げたものが用いられることが多いのであるが、ここで
は切り歯のラックを用いる。ラックは無限大の半径を持
つ歯車なのであるから、圧力角が定義できてインボリュ
ート歯面になるべきである。ところが波板状のラックは
近似的なもので圧力角は定義できないしインボリュート
でもない。噛み合い率が低く騒音が高い。
【0110】そこで本発明の乗用単軌条運搬車の場合は
理論通りのラックを用いることにした。無限大半径の歯
車の歯面は平面である。正確な理論通りの歯形を造形す
るため棒鋼材を歯切り盤によって切削加工して歯車をひ
とつひとつ形成した。歯面は理論通りで圧力角αは25
度としている。
【0111】ところが通常の歯車理論のラックと異なる
ところもある。それは歯丈が低いということである。通
常の歯車はピッチ円から歯先までが1モジュール、ピッ
チ円から歯底までは1.25モジュールとする。しかし
そうすると歯先が弱くなる。それに窪みが深くなるから
切削量が増えて切削時間が余計にかかる。
【0112】そこで本発明者はより切削時間が短く、歯
面が強くなるように、ピッチ円から歯先を0.7〜0.
9モジュールに短縮する。同様にピッチ円から歯底を
0.875モジュール〜1.125モジュールに短縮す
る。こうすると、理論通りの歯面を持つからピニオンと
の噛み合いが滑らかで騒音が少ない。牽引力も強化され
る。
【0113】切削加工するから帯鋼を波状に折り曲げる
より時間は余計にかかるわけであるが、背の低い歯形に
しているから切削時間を縮減できる。それにずんぐりし
た歯形になって、より堅牢になる。欠けや破損が起こら
ない。ラック破損は事故のもとである。本発明のラック
は堅牢で、事故の可能性をより小さくすることができ
る。
【0114】そのようなラックの歯形は本発明者の特許
2649411号(特願平1−80900号:特開平2
ー258465号)に詳しく説明されている。
【0115】レ−ルと台車の走行装置の関係を説明す
る。図1、図3に示すように、二つの走行装置が台車を
懸架している。前の方が動力車装置5であり、これは走
行装置と動力装置の両方を備える。後ろは走行装置4だ
けである。走行装置自体は共通する。上車輪を下車輪の
組み合わせによって下レ−ルを上下から挟みこんでレ−
ルによって台車が懸垂され走行するように保持する。そ
れぞれの走行装置には前後に上車輪、下車輪が設けられ
る。力のかかる駆動ピニオンは、前後いずれの走行装置
に設けても良い。いずれに駆動ピニオンを取り付けるに
しても後ろ側の車軸と同軸になるようにする。前車軸に
駆動ピニオンを取り付けると力の配分が悪くて走行装置
が縦揺れすることがある。
【0116】走行装置はフレームと車輪、車軸などより
なっている。図15は前の動力車装置5のピニオンの存
在しない方の車軸を含む縦断面図である。車軸やモー
タ、制動装置を支持するものがフレームである。フレー
ムは3層構造になっている。Aフレーム70、Bフレー
ム71、Cフレーム72を組み合わせたものである。い
ずれもAl合金或いはダクタイル鋳鉄によって製造す
る。前方に向かって右に、Bフレーム71、Aフレーム
70が、左にCフレーム72が設けられる。これら3層
のフレームが車軸、車輪、ブレーキなどを保持する作用
を担っている。
【0117】上車輪と上車軸を説明する。これらは懸架
力が全部かかる部分である。一つの走行装置に上車輪は
4つある。前後に二つの走行装置があるから上車輪は全
部で8個ある。下レ−ル24の上面に接触することによ
って上車輪が台車等を懸架する。しかし下レ−ル24は
上面の中央部にリブ25が存在するから、上車輪は両鍔
タイプの車輪にはできない。リブ25を避けて、2つの
部分からなる左右の上車輪に分割する必要がある。しか
も左右の上車輪は僅かな部分だけで下レ−ル24の両袖
の狭い部分を押さえるという形状になる。左右の上車輪
はそれぞれ片持ちになる。
【0118】これが本出願人がこれまで製造販売してき
た跨線型(レ−ルの上に台車がある)の単軌条運搬車と
大きく相違する点である。跨線型の場合、上車輪は単一
の両鍔タイプの車輪であって、重力を受けるには最適の
形状であった。しかし本発明の場合は懸架型であるか
ら、上車輪が2分割片持ちとなるのである。これは重力
を支えるという点から言えば最適とは言えないが、従来
のものよりもレ−ルの幅を増やして(50mm角から6
0mm角へ)両袖の幅を広げているから良く、台車の重
量を担持しうる。
【0119】反対に、下車輪の方は、下レ−ルの下面が
あいているから、両鍔タイプの車輪とすることができ
る。下車輪は重力がかからず堅固である必要性は薄い
が、傾斜地などでは力がかかる。レ−ルとしっかりと挟
んでレ−ルから逸脱しないようにしなければならないと
いうこともある。だから両鍔型車輪の採用はやはり好適
なのである。具体的な構造を説明する。
【0120】A、Bフレーム70、71の上方の孔を貫
いて右上車軸73が固定される。Cフレーム72の上方
の孔を貫いて左上車軸74が固定される。いずれも片持
ち支持の車軸である。右上車軸73は右上車輪75を回
転可能に支持し、左上車軸74は左上車輪76を回転可
能に支持する。
【0121】右上車軸73の左端部には軸受77を介し
て右上車輪75が取り付けられる。フレーム71、70
を貫通した右上車軸73の右端部は雄螺子部78、スパ
ナ当て82になっている。雄螺子部78に螺合するナッ
ト79によって右上車軸73はフレームに締結される。
左端の拡径したフランジ80が軸受77を車軸73に対
し抜け止めする。右上車輪75の内周部溝に嵌入したカ
ラーリング81が軸受77を抜け止めする。右上車軸7
3の左端の拡径部において、Bフレーム71の内側壁
と、軸受77の内輪との間に、リング101が予め嵌ら
れている。フランジ80、リング101によって右上車
輪75の軸方向位置が厳密に規定される。
【0122】左上車軸74の右端拡径部にはさらに拡径
したフランジ83がある。軸受84が左上車軸74の拡
径部に差し込まれている。軸受84の外輪に左上車輪7
6が固定される。左上車軸74はCフレーム72の孔を
貫いている。左端には雄螺子部85とスパナ当て87が
形成される。雄螺子部85にナット86を螺合すること
によって左上車軸74がCフレーム72に固定される。
軸受84の内輪は予め挿通されているリング102と拡
径したフランジ83によって挟まれている。これによっ
て左上車輪76の軸方向の位置が決まる。
【0123】先に述べたように、右上車輪75、左上車
輪76ともにフランジが一方にしかない薄い車輪であ
る。レ−ルと接触する部分はごく狭い範囲である。それ
は下レ−ルの中間部がリブによって占有されているから
である。リブのない狭いレ−ル側方だけに左右上車輪7
5、76が接触している。しかも車軸を通すわけにゆか
ない。いずれも片持ちの車輪になってしまう。力の掛か
る上車輪が片持ちであって、しかも接触面積が狭いとい
うのは問題である。だから、ここでは車軸73、74を
太く堅固にしている。レ−ルも太くしている。
【0124】下車輪と下車軸を説明する。単に台車を懸
架するだけなら下車輪は不要である。懸架式公営交通で
タイヤを使う物は下車輪に対応するものはない。単軌条
運搬車というのはタイヤ式の大量交通用モノレールとは
違って必ず下車輪が存在する。上車輪と下車輪によって
レ−ルを上下から堅固に挟むようにしているから単軌条
運搬車はレ−ルに対して常に平行性を維持し傾斜地でも
安全に走行できるのである。
【0125】下車輪88は両方にフランジを持つ鼓型の
車輪でレ−ル下面の全幅に接触できる車輪である。両鍔
型下車輪88は二つの軸受89、89を介して下車軸9
0に回転自在に支持される。
【0126】下車軸90、91は下車輪を両持ちするも
ので上車軸73、74より長い車軸である。Aフレーム
70とBフレーム71の孔を貫き、Cフレームの孔をも
貫いている。B、Cフレーム71、72によってはさま
れる中間部はより太くて偏心下車軸90となっている。
Aフレーム70、Bフレーム71を挿通する部分の下車
軸91は上車軸73より細い。下車軸91の右端部には
雄螺子部92と角型部が形成され、ナット93、ワッシ
ャ94、調節プレート95が取り付けられる。
【0127】下車軸90のCフレーム72を貫く左端部
にも雄螺子部96が切られている。雄螺子部96にワッ
シャを入れナット97をねじ込み下車軸90の左端部を
締結する。偏心下車軸90に差し込んだ軸受89とフレ
ームの間にはカラー98、99がはめ込まれて下車輪の
軸方向位置を決めている。これは前の動力車装置の走行
部の構造であるからモータ100が向こう側に見えてい
る。
【0128】前述の調節プレート95はレバーになって
おり、両端のナットを緩めると調節プレート95を回転
させることができる。調節プレート95を廻すと偏心下
車軸90の中心が上下に変位する。どうして偏心下車軸
が必要なのか?それは下車輪88とレ−ル24の下面の
間隙を微妙に調節するためである。下車輪88はレ−ル
24を下から押さえており走行装置がレ−ルに対して常
に平行になるように保持している。レ−ルとの接触が強
すぎると抵抗が増えて好ましくない。レ−ルとの間隙が
開きすぎると縦揺れがおこり騒音も大きくなるという難
点がある。調節プレート95によって下車輪とレ−ルと
の間隙を好適な値に調節するのである。調節プレート9
5を廻すと偏心軸である下車軸90が上下する。適当な
高さで調節プレート95を固定する。
【0129】以上に述べたものは下レ−ルを上下から保
持するための上下車輪の構造だけである。図15におい
て背後にモータ100が見える。モータ100によって
歯車群が回転し動力を伝達する。動力伝達系の末端にあ
るのが駆動ピニオンである。駆動ピニオンがラックと組
み合わされて推進力を得るようになっている。
【0130】図16によって駆動ピニオンの部分を説明
する。これは動力車機構の後ろの車軸の部分である。図
1、図3の全体図において、走行装置は前後二つあり、
それぞれ前後に上車輪、下車輪を持つ。そのような走行
装置において、後ろ側の車輪、車軸に駆動ピニオンを組
み合わせるのがよい。だから図15は前方(上側)の車
輪構造を、図16は後方(下側)の車輪構造を図示して
いるということができる。
【0131】右上車軸103はAフレーム70、Bフレ
ーム71の穴に挿通され固定される。左上車軸104は
Cフレーム72の穴に挿通されて固定される。右上車軸
103は軸受105を介して、右上車輪106を回転自
在に支持する。右上車軸103のフレームより内側部分
(左側)は拡径しており、さらにその端はより大きい直
径のフランジ107となっている。軸受105の外輪は
車輪の内周部にはめ込んだカラー108によって抜け止
めされる。軸受105の内輪は、フランジ107と右上
車軸103に差し込んだリング109によって挟まれ
る。
【0132】右上車軸103の外端(右端)は一部が雄
螺部110、一部が角頚部114となっている。角頚部
114に調節プレート111の角穴部を差し込んであ
る。さらにワッシャ112を入れて雄螺子部110にナ
ット113を螺合させている。これによって右上車軸1
03が、Bフレーム71、Aフレーム70に対して固定
される。図15の下車軸90と同じように、この右上車
軸103も偏心軸となっている。ナット113を緩めて
調節プレート111を廻すと、右上車輪106と下レ−
ル24の間隔を自在に調節できる。これは図15の下車
輪と同様のことである。
【0133】左上車軸104はCフレーム72によって
支持される。左上車軸104は右端が拡径偏心軸115
になっており、さらに端部はフランジ116が造形され
ている。拡径偏心軸115に軸受117がはめ込まれ
る。軸受117の外輪に左上車輪118が固定してあ
る。軸受117の外輪の内端はカラー119によって左
上車輪118の内周面に固定してある。
【0134】軸受117の内輪とCフレーム72の間に
はリング120を挿入することによって軸方向位置を決
める。左上車輪118は偏心軸115に取り付けてある
から上下に微小変位できる。左上車軸104の外端(左
端)部には、角頚部121が造形され、ここへ調節プレ
ート122が差し込まれている。調節プレート122を
廻すことによって偏心軸115の上下位置を決めること
ができる。
【0135】左上車軸104のさらに端部には雄螺子部
123が形成される。ここへワッシャ124を挿入して
ナット125を締結することによって左上車軸104が
フレーム72に固結される。
【0136】このように左右の上車輪は片持ちとなって
いる。それはリブ25を避けるためにやむを得ない構造
である。一つの走行装置について4つの上車輪がある
が、いずれも遊輪である。図15の全部の車軸構造では
下車軸が偏心軸になっており上下変位できたが、図16
の後部の車軸構造では上車軸が偏心軸になっており上下
変位できるようになっている。荷重を支えるという上車
輪の機能からすれば、これが偏心軸となって上下調節可
能だということは好ましいことではないかもしれない。
しかし図16の後部車軸構造で、上車軸が微調整可能と
するのは、下車軸が駆動輪となるからである。駆動輪を
上下変位可能にすることは可能である。駆動輪は付属品
が多くて大きな力もかかるから変位機構を設けることは
望ましくない。
【0137】駆動軸である下車軸126について述べ
る。下車軸126は3つのフレーム70、71、72を
貫通する長い軸である。拡径した部分や縮径した部分が
ある。外端は細径化しており廻り止め機構127があ
る。廻り止め機構127に対して歯車状の回転検出体1
28が固着されている。回転検出体128に対向するよ
うに、ブラケット129によって支持された近接センサ
130が設けられる。ブラケット129は、ワッシャ1
51を差し入れたボルト152を、Aフレーム70の雌
螺穴131にねじ込むことによって固定される。
【0138】下車軸126が回転すると、回転検出体1
28が回転する。これは歯車状であって歯先が近接セン
サ130に接近すると、これを感知するようになってい
る。歯先の通過数を勘定することによって駆動軸(下車
軸)の延べ回転量と回転速度が分かる。つまり、ある始
点からの距離とその時の速度がわかる。実際には、速度
を検出して過剰速度の際に非常停止ブレーキを働かせる
ようにしている。だから近接センサと回転検出体よりな
る機構は非常停止装置の一部をなす。
【0139】回転検出体128と軸の端部はドラム15
3によって保護される。ドラム153は、ドラム穴にワ
ッシャを付けたボルト132を差し入れAフレーム70
の雌螺穴133にねじ込むことによって固結される。下
車軸126はAフレーム70に対して軸受135によっ
て支持される。下車軸126とAフレーム70の穴の間
にはオイルシール134が介装される。これより内部に
は歯車と軸受があって潤滑油が充填される。潤滑油を封
止するためにオイルシール134がある。Bフレーム7
1とAフレーム70の間の空間において、下車軸126
は廻り止め機構137を有し、ここに出力歯車136が
固定される。これは電動機から駆動ピニオンにいたる動
力伝達減速系の最後の歯車である。これより前段の動力
伝達減速系については後に図17によって説明する。
【0140】下車軸126はBフレーム71の穴部を貫
くが、ここで軸受138によって回転自在に支持され
る。これまで述べた車軸103、104はすべて固定車
軸であったからフレームに直接固定されたが、下車軸1
26は駆動軸であって回転するからフレームから軸受に
よって支持されるのである。同じBフレーム71の穴に
はオイルシール139があって潤滑油を封止している。
両側のオイルシール134、139によって潤滑油がA
フレーム70とBフレーム71の間の空間に封止され
る。下車軸126のBフレーム71とCフレーム72の
間は、外部空間である。ここにおいて下車軸表面に廻り
止め機構141が形成してある。廻り止め機構141に
駆動ピニオン140がさしこまれて固定される。廻り止
め機構141があるから駆動軸(下車軸126)の回転
は駆動ピニオン140に全部伝達される。
【0141】駆動ピニオン140は動力伝達系の終端に
位置する部材である。これは下レ−ル24の側面に溶接
された下向きラック47に下から噛み合う。出力歯車1
36が回転すると下車軸126、駆動ピニオン140が
回転するからラック47を押して台車が走行するのであ
る。
【0142】駆動ピニオン140のすぐ側方には、軸受
142、143によって回転自在に支持される下車輪1
44がある。下車輪144は遊輪である。だから間に軸
受142、143が存在する。下車輪144は片持ちで
はなくて下車軸126によって両持ちされている。下車
輪144は下レ−ル24の下面に接触する。下車輪14
4の両端に鍔部146、147がある。これが下レ−ル
の下側面にあたりレ−ルに対して下車輪144を案内す
るようになっている。下車輪144の外周面の中央に窪
み145がある。レ−ルとの接触によって車輪は鍔部の
近くで余計に抉れ中央部が残るので、鼓型になってく
る。それでは次第に不安定になるから、中央部を少し低
くして鼓型の摩耗が起こらないようにしているのであ
る。
【0143】下車輪144の右側の鍔部147は駆動ピ
ニオン140とほぼ接触するようになる。駆動ピニオン
140の側面は下車輪144の鍔部147に応じた形状
に穿ってある。他の車軸と違い下車軸126は駆動軸で
あり回転する。駆動ピニオン140は下車軸126と一
体で回転する。しかし下車輪144は遊輪となってい
る。遊輪となっているから他の上車輪、下車輪などと同
じような事情である。下車軸との間に軸受を必要とする
のは、下車輪と下車軸は回転速度が異なるからである。
駆動ピニオン140の推進する線速度は、下車軸回転角
速度Ωに駆動ピニオンのピッチ半径PをかけたPΩであ
る。これがレ−ルの相対速度である。下車輪の半径をr
とすると、下車輪の回転速度はPΩ/rであり、これが
Ωと相違する。
【0144】下車軸126の左端部分にはスペーサリン
グ148が挿入されている。下車軸126の左端の小径
部149は軸受150によって、Cフレーム72に回転
可能に支持される。下車軸126は既に述べたように回
転駆動軸をかねており重要である。
【0145】下車軸126は、軸受135、138、1
50によってそれぞれAフレーム70、Bフレーム7
1、Cフレーム72に回転自在に支持される。これが回
転軸としての作用を許す。駆動軸としては、出力歯車1
36によって動力を得るという作用がある。この動力が
駆動ピニオン140とラック47の組み合わせによって
推進力に変換される。それが主要な機能であるが、それ
だけでない。下車輪144を保持するという作用もあ
る。下車輪144は都市交通型のモノレールなどには不
要である。しかし本発明のように傾斜地をそのまま昇降
するタイプの単軌条運搬車ではレ−ルに対し台車を堅固
に保持する下車輪は不可欠である。下車軸126は下車
輪144の車軸としても機能している。
【0146】それに加えて下車軸126は非常停止ブレ
ーキのセンサ部分としての機能もある。右端に設けた回
転検出体128は、速度が過剰であることを検出し、非
常停止ブレーキを作動させるという安全確保のための役
割を担う。傾斜の強い地形を上り下りするので安全性は
ことさらに重要である。
【0147】図17によって電動機から駆動ピニオンに
いたる動力伝達減速機構を説明する。この図面は単純な
縦断面図ではない。歯車列を辿る一部分は横断面図にな
っている。だから同じ下レ−ル24が二つ描いている。
これらは同じものである。
【0148】動力の起源は電動機160である。これは
ブレーキ付きの電動機である。停止の時はブレーキを掛
ける。停止状態を持続する場合は、ブレーキを作動させ
たままとする。電流を流すとブレーキが解除され、電流
を切るとブレーキが掛かるといった無励磁電磁ブレーキ
である。だからレ−ルの終点、始点、中間点での通常停
止の場合は、電動機に付随したブレーキを使う。電動機
は正逆に回転できる。だからギヤの切り替えでなく電流
の切り替えによっての単軌条運搬車は前進、後進するこ
とができる。
【0149】電動機160は軸方向にモータフランジ1
61を有する。Cフレーム72に穿った雌螺穴162に
ボルト163をねじ込んでフランジ161の穴に通し、
雄螺子部165にナット164を螺合することによって
フランジ161をCフレーム72に固定する。電動機軸
166は円筒形のカプリング168によって囲まれる。
軸とカプリングの両方にキー溝があり、ここにキー16
7を差し込むことによって、電動機軸166とカプリン
グ168が回転方向に一体回転できるようになってい
る。キー167はネジ169、170によって固定され
る。
【0150】カプリング168の前端内周面には廻り止
め機構(スプラインなど)が切ってあり、おなじ廻り止
め機構171を切ってある入力軸172と結合してい
る。電動機160はCフレーム72に固定してあるが、
入力軸172はBフレーム71、Aフレーム70に軸受
174、175によって回転可能に支持される。
【0151】入力軸172は減速伝達機構の最初の回転
軸である。Bフレーム71の穴にはオイルシール173
があって入力軸172の内部を封止している。先にも述
べたように、Bフレーム71とAフレーム70の間は歯
車が存在するギヤボックスとなっており潤滑のためオイ
ルが充填される。それを封止するためオイルシールが必
要である。
【0152】フレーム71、70で囲まれる空間におい
て、入力軸172には小さいA歯車176が固定してあ
る。A歯車176に噛み合うのは歯数の多いB歯車17
7である。B歯車177はブレーキ軸178に固定して
ある。ブレーキ軸178は伝達系における2番目の軸で
ある。B歯車177のすぐ横に歯数の少ないC歯車18
0がブレーキ軸178に固設してある。
【0153】ブレーキ軸178は一端がBフレーム71
に軸受179によって支持され中間部が軸受181によ
って回転自在に支持される。しかし回転軸としては片持
ち支持されていると言える。
【0154】ブレーキ軸178は単に減速系の軸だけで
なく非常停止ブレーキの軸を兼ねている。非常停止ブレ
ーキはここでは電磁ブレーキ183である。電磁ブレー
キ183の構造を述べる。
【0155】ブレーキ軸178はオイルシール182を
通りAフレーム70を突き抜けている。ブレーキ軸17
8の右端にはリング状の回転体184が設けられる。軸
と回転体のキー溝201に差し込んだキー202によっ
て回転体184がブレーキ軸178に対して廻り止めさ
れる。
【0156】回転体184の外周に、いくつかの薄い円
盤状の回転羽根185が軸方向に等間隔をなして取り付
けられる。その間にほぼ同数の円盤状固定羽根186が
設けられる。固定羽根186はボルト187によって、
ブレーキドラム188に固定されている。ブレーキドラ
ム188の内部にはブレーキ軸178と同心になるよう
なコイル189が設けられる。コイル189からコード
190が伸びている。
【0157】円盤状部材であるブレーキ心191がコイ
ル189を保持する。ブレーキ心191に皿ネジ192
によってブレーキドラム188が取り付けられる。電磁
ブレーキ183は取付板193を介してAフレーム70
に固定される。
【0158】ブレーキ心191に穿った雌螺穴194
と、取付板193の穴にワッシャ196を通したボルト
195を通し締結することによって取付板193がブレ
ーキ心191に固定される。
【0159】Aフレーム70の雌螺穴197にボルト2
00をねじ込み、取付板193の穴を通し、ワッシャ1
98をいれナット199をボルト200に螺合させてね
じ込むことによって取付板193がAフレーム70に結
合される。
【0160】コイル189に通電しなくすると回転羽根
と固定羽根が接触し制動力を発生する。これによって単
軌条運搬車は非常停止する。つまりこのブレーキは無励
磁タイプのものである。これは非常停止だけに用いられ
るようにもできる。つまり二つの制動装置を別々に用い
るのである。それは可能である。しかしこの実施例で
は、この電磁ブレーキは通常の停止の場合にも利用す
る。だから通常の停止は電動機と一体になった電磁ブレ
−キと、動力伝達系の電磁ブレーキの両方が併用され
る。非常停止の場合もこの電磁ブレーキの効いた後で、
電動機付属の電磁ブレーキも停止動作を行う。
【0161】B歯車177、C歯車180はともにブレ
ーキ軸178の廻り止め機構203に固定される。C歯
車180に噛み合うのは、歯数の多いD歯車204であ
る。D歯車204は3番目の軸である中介軸205に固
定される。中介軸205は短い軸である。これは単に減
速伝達のための中間の軸である。中介軸205は左端を
軸受206によってBフレーム71に、右端を軸受20
7によってAフレーム70に回転自在に支持される。中
介軸205の廻り止め機構209にD歯車204と小歯
数のF歯車208が固定される。歯数の少ないF歯車2
08が先述の出力歯車136に噛み合っている。出力歯
車136が駆動ピニオン140を回転させるようになっ
ている。これらの歯車は平歯車である。しかし場合によ
ってはヘリカル歯車、山歯歯車とすることもできる。
【0162】電動機160の回転力は、入力軸172、
A歯車176、B歯車177、ブレーキ軸178、C歯
車180、D歯車204、中介軸205、F歯車20
8、出力歯車136、下車軸126、駆動ピニオン14
0、ラック47の順で伝達される。
【0163】回転力は伝達と同時に減速される。A歯
車、B歯車、C歯車、D歯車、F歯車、出力歯車の歯数
を、A、B、C、D、F、Gとすると、減速の率は、
(A/B)×(C/D)×(F/G)=ACF/BDG
によって与えられる。三段減速になっている。電動機の
回転数がこの比で減衰する。反対に力はその逆数倍に増
大する。ブレーキが電動機と同軸にあるから、ブレーキ
の制動力も逆数倍に強化されていることになる。
【0164】回転検出器(回転検出体128、近接セン
サ130など)が走行距離を常に測定している。始点か
らの距離が常時分かっている。単線なのであるから始点
からの距離がわかれば一義的に位置が判明する。だから
始点、終点に自動的に停止するようにできる。始点、終
点には、ストッパーや停止レバーを設けて自動停止する
ようにしてもよい。回転数を検出して終点、始点で停車
させても、ストッパーによって終点、始点で停止させる
ようにしても良い。何れの場合も、モータ付属の無励磁
電磁ブレーキと、動力伝達系に設けた電磁ブレ−キ(こ
れも無励磁で停止するタイプとするのがよい)の両方を
働かせるようにするとよい。回転数を検出して位置検出
し、所望の中間位置に停止させるようにできるが、その
場合も電動機付属の無励磁電磁ブレーキと、伝達系の電
磁ブレーキの両方を同時に機能させるようにする。異常
速度(過速度)の場合、これを検出して非常停止するた
め動力伝達系の電磁ブレーキのみが働くようにする。そ
の場合でも非常停止ブレーキが働くと電動機の電源が自
動的に遮断されるから、電動機付属の電磁ブレーキが一
瞬の遅れで機能することになる。だから通常停止(始
点、終点、中間点)の場合は両方の電磁ブレーキが同時
に停止動作を行い、異常の場合だけ、非常停止用の電磁
ブレーキが少し先行して停止動作を行うということであ
る。
【0165】また支柱には呼出ボタンを設けるから、歩
行者が呼出ボタンを押して、台車を呼びつけることもで
きる。乗客が操作する操作盤はあるが、前進、後進、停
止だけの操作であるから簡単である。
【0166】速度は遅くて歩行程度、あるいはそれより
少し遅いぐらいである。だから事故の恐れも少ない。
【0167】図18によって、本発明の単軌条運搬車の
町中での使用の態様を説明しよう。大通り220はなだ
らかな広い道である。ここには自動車も通る。大通り2
20から坂道や階段のある小道が分岐している。この例
では、階段221、短い平坦路223、階段224、平
坦路225、階段226…が続いている。
【0168】傾斜路は、階段でなくて、段のない坂道で
あることもある。この傾斜小道に支柱20、20を多数
立てて、レ−ル受け27によって左右の支柱を繋いでい
る。レ−ル受け27によってレ−ル22を支持する。レ
−ル22は上レ−ル23と下レ−ル24よりなる上下2
段構造である。レ−ルによって単軌条運搬車1が懸架さ
れている。単軌条運搬車1は向きを変えることなく往復
運動する。始点と終点では自動的に停車する。乗客が操
作盤を操作することによって任意の適当な場所に停車さ
せることができる。
【0169】小径には歩行者231、232、233…
が通行している。これらの歩行者は支柱に設けた呼出ボ
タンを押すことによって単軌条運搬車を引き寄せること
もできる。平坦路を走行するときは台車は水平になる。
しかし傾斜路では傾斜の通りに傾く。図1のように座席
が常に上流側を向くようになっている場合そのような傾
斜には向いている。
【0170】しかし下降する場合は、座席に座っていて
は前方が見えないという欠点がある。自動的に定位置に
停車するのであって乗客が運転するのではないから前方
が見えなくても大して問題がない、という場合もある。
【0171】しかし前進後進ともに進行方向が見えた方
がよいという場合もある。その場合は前後の座席を互い
に反対側(外側)を向くように決めてもよい。
【0172】あるいは座席が軸廻りに半回転し前向き位
置、後ろ向き位置に固定できるものとしてもよい。傾斜
の度合いがきつい場合は、座席軸を多少上方向きに傾け
て設けても良い。
【0173】表1に実施例にかかる単軌条運搬車の装置
の性能・型式などを挙げる。実施例がもたらす優れた効
果も続いて列挙する。
【0174】
【表1】
【0175】[特徴] 1.機械切り歯のラックを使用している。強力で耐久性
がありスリップがない。 2.電動機からの動力の伝達はオイルバス式の歯車によ
って行う。メンテナンスの手間が省ける。 3.走行速度が急激に増大すると、非常検出装置が働き
非常停止する。 4.呼び出し、発進、停止は押しボタンを押すだけの簡
単な操作でなされる。誰でも簡単に運転できる。 5.ソフトな発進(徐々に速くなる)、ソフトな停止
(段々遅くなる)。乗客へのショックが軽減される。 6.急な下り坂では、回生制動装置が働く。省エネ運転
が可能である。 7.乗りたい位置(指定位置)に呼び出して乗車し、降
りたい位置で停車させて降車できる。 8.万一、停電したときも急激に再スタートすることが
ない。ボタン操作によって安全にスタートするようにな
っている。
【0176】
【発明の効果】都市の山手には沢山の住宅が建ってい
る。これらの住宅の住民は若い時に家を建てたのであろ
う。若いときは多少の傾斜道や坂道などは気にならな
い。しかし建ててから何時しか月日が経ち、住民達は高
齢化してきている。
【0177】山手地区の住民が利用する道路の多くは坂
道である。それも細い坂道であって、自動車が通らない
場合もある。たとえ自動車が通行できても運転できない
ひともいる。山手の住民は老いてからも細く長い坂道を
毎日下り上りしなければならない。
【0178】坂道は場所によって、15度〜30度もの
傾斜がある。例えば長崎、尾道などは坂が多くて坂を上
り下りしなければどこへもゆけない。車が通らない細く
険しい道も沢山ある。高齢者だけでなく、若くても足の
不自由な人にとっては坂道を歩いて上り下りするのは苦
労多い事である。
【0179】本発明は細い坂道などにも敷設可能な単軌
条運搬車を与える。支柱によってレ−ルを空中に敷設
し、レ−ルから乗用台車を吊り下げ懸架する。これに乗
って坂道を上り下りすることができる。険しい坂道でも
迂回することなく真っ直ぐに上ることもできる。電動機
駆動だから騒音は少ない。排気ガスも発生しない。速度
は歩行者よりも遅いぐらいであるから事故の恐れも少な
い。車イスを載せるスペースがあるから車イスで外出す
る人も利用できる。
【0180】乗客がいるときだけ動くのであるから運転
経費が少しで済む。レ−ルは一筋であり、始点と終点が
決まっており必ずそこでは止まるのであるから安心して
いられる。操作は起動と停止だけであり簡単である。増
速減速旋回などの運転操作は不要である。道路の代わり
として無料で開放されるから高齢者にとて力強い味方に
なる。
【0181】レ−ルが上にあるから、敷設が比較的容易
である。都市地下には水道管、下水道、電話線などが多
数埋設されるから地表型のレ−ルを敷設することは難し
い。本発明は支柱を立ててレ−ルを空間に浮かすように
するから、地中の構造物に邪魔されることなく構造物を
破壊することなくレ−ルを敷設することができる。
【0182】傾斜地だからといってエスカレータのよう
なものを設置しようとすると、工事が大がかりで容易で
ない。例えば50m程度でも2億円もの費用がかかる。
本発明の乗用単軌条運搬車は同じ長さなら2000万円
程度で充分に建設することができる。断然に有利であ
る。それに運転経費、保守管理に必要な経費もエスカレ
ータより格段に少なくて良い。同じ額の予算でも、エス
カレータなら100mしか設置できないが、本発明の単
軌条運搬車なら1000mも建設できるということであ
る。
【0183】エスカレータより一時に乗れる人数は少な
い。が、山手であるから通行者が一時に集まるという事
は少ない。1時間にせいぜい数十人という程度であるか
ら本発明の単軌条運搬車は便利な通行手段となる。これ
まで類例のない町村都市通行手段である。安楽、安全、
安価、堅固、乗降容易であるから高齢化社会には好適の
ものとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】傾斜地を走行する本発明の実施例にかかる乗用
懸垂型単軌条運搬車と両持ち保持レ−ルの左側面図。
【図2】傾斜地を走行する本発明の実施例にかかる乗用
懸垂型単軌条運搬車と両持ち保持レ−ルの正面図。
【図3】水平地を走行する本発明の実施例にかかる乗用
懸垂型単軌条運搬車と片持ち保持レ−ルの左側面図。
【図4】水平地を走行する本発明の実施例にかかる乗用
懸垂型単軌条運搬車と片持ち保持レ−ルの正面図。
【図5】2本の支柱によって両持ちされたレ−ル受けに
よって保持されたレ−ル構造の左側面図。
【図6】2本の支柱によって両持ちされたレ−ル受けに
よって保持されたレ−ル構造の正面図。
【図7】1本の支柱によって片持ちされたレ−ル受けに
よって保持されたレ−ル構造の左側面図。
【図8】1本の支柱によって片持ちされたレ−ル受けに
よって保持されたレ−ル構造の正面図。
【図9】図9(a)は2本のレ−ルをリブによって上下
方向に結合した上下2本レ−ル構造を示す正面図。図9
(b)はその側面図。
【図10】2本のレ−ルをリブによって上下方向に結合
した上下2本レ−ル構造を示す正面図。
【図11】中央に窪みを設けたリブの外面においてレ−
ル面に溶接した様子を示す横断平面図。
【図12】支柱とレ−ル受け、レ−ルの結合機構部分を
示す正面図。
【図13】レ−ル吊り金具によってレ−ル受けからレ−
ルを懸架するようにした構造部分を示すレ−ル部分の側
面図。
【図14】片持ちのレ−ル受けによってレ−ルを把持し
た構造部分を示す正面図。
【図15】走行装置の上下の車輪、車軸、フレームとレ
−ルの関係を示すミッション部分の縦断面図。
【図16】駆動力を与える動力車装置の、上下の車輪、
車軸、フレームとレ−ルの関係部分と駆動装置部分を示
すための縦断面図。
【図17】駆動力を与える動力車装置の、上下の車輪、
車軸、フレームとレ−ルの関係部分と駆動装置部分及び
動力伝達減速機構を示すための縦断面図。
【図18】勾配のある住宅地に設けられた本発明の乗用
懸垂型単軌条運搬車の走行の様子を示す斜視図。
【符号の説明】
1 単軌条運搬車 2 懸架装置 3 乗用台車 4 ボギー走行装置 5 動力車装置 6 自在継ぎ手 7 自在継ぎ手 8 天井板 9 前枠 10 後枠 11 床板 12 座席 13 折り畳み座席 14 車イス 15 操作盤 16 回生制動抵抗器 17 車輪止め 18 乗用台枠構造 19 桟 20 支柱 21 レ−ル支持部 22 レ−ル 23 上レ−ル 24 下レ−ル 25 リブ 26 締結部 27 レール受け 28 キャップ 29 レ−ル吊り金具 30 ボルト 31 沈下防止板 32 ボルト 33 地面 34 コンクリート 35 アンカーボルト 36 階段 37 呼出ボタン 38 給電トロリール 39 集電子 40 油落下防止用樋 41 横棒 42 フック 43 フック 44 凹部 45 支柱台 46 固定後部座席 47 ラック 48 狭小側面 49 端面 50 継ぎ目 51 広幅側面 52 側面溶接部 53 端面溶接部 H 外側帯 J 中間帯 G 外側帯 54 ボルト 55 ボルト孔 56 ボルト孔 57 ライナー 58 ライナー 59 ナット 60 ナット 63 カラー 64 ボルトナット 65 上金具 66 下金具 67 ボルト 68 ナット 70 Aフレーム 71 Bフレーム 72 Cフレーム 73 右上車軸 74 左上車軸 75 右上車輪 76 左上車輪 77 軸受 78 雄螺子部 79 ナット 80 フランジ 81 カラーリング 82 スパナ当て 83 フランジ 84 軸受 85 雄螺子部 86 ナット 87 スパナ当て 88 下車輪 89 軸受 90 偏心下車軸 91 下車軸 92 雄螺子部 93 ナット 94 ワッシャ 95 調節プレート 96 雄螺子部 97 ナット 98 カラー 99 カラー 100 モータ 101 リング 102 リング 103 右上車軸 104 左上車軸 105 軸受 106 右上車輪 107 フランジ 108 カラー 109 リング 110 雄螺子部 111 調節プレート 112 ワッシャ 113 ナット 114 角頚部 115 偏心軸 116 フランジ 117 軸受 118 左上車輪 119 カラー 120 リング 121 角頚部 122 調節プレート 123 雄螺子部 124 ワッシャ 125 ナット 126 下車軸 127 廻り止め機構 128 回転検出体 129 ブラケット 130 近接センサ 131 雌螺穴 132 ボルト 133 雌螺穴 134 オイルシール 135 軸受 136 出力歯車 137 廻り止め機構 138 軸受 139 オイルシール 140 駆動ピニオン 141 廻り止め機構 142 軸受 143 軸受 144 下車輪 145 窪み 146 鍔部 147 鍔部 148 スペーサリング 149 小径端部 150 軸受 151 ワッシャ 152 ボルト 153 ドラム 160 電動機 161 モータフランジ 162 雌螺穴 163 ボルト 164 ナット 165 雄螺子部 166 電動機軸 167 キー 168 カプリング 169 螺子 170 螺子 171 廻り止め機構 172 入力軸 173 オイルシール 174 軸受 175 軸受 176 A歯車 177 B歯車 178 ブレーキ軸 179 軸受 180 C歯車 181 軸受 182 オイルシール 183 電磁ブレ−キ 184 回転体 185 回転羽根 186 固定羽根 187 ボルト 188 ブレーキドラム 189 コイル 190 コード 191 ブレーキ心 192 皿ネジ 193 取付板 194 雌螺穴 195 ボルト 196 ワッシャ 197 雌螺穴 198 ワッシャ 199 ナット 200 ボルト 201 キー溝 202 キー 203 廻り止め機構 204 D歯車 205 中介軸 206 軸受 207 軸受 208 F歯車 209 廻り止め機構 220 大通り 221 階段 223 平坦路 224 階段 225 平坦路 226 階段 231〜234 歩行者
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−11833(JP,A) 特開 平8−295232(JP,A) 特開 平6−171508(JP,A) 特開 平5−97031(JP,A) 実開 平3−82383(JP,U) 実開 昭61−9368(JP,U) 特公 昭63−51202(JP,B1) 特公 昭61−58602(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61B 13/02 - 13/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上に立てた支柱と、支柱に立てた略水
    平に支持されるレール受けと、側面にラックを有し角パ
    イプである下レールと、レール幅より狭い幅を持ち中間
    部に窪みを有する長方形状のリブの外側で溶接されるこ
    とによって結合される角パイプの上レールとよりなり、
    レール受けによって懸架支持されるレールと、下レール
    を上下から挟み込む上車輪、下車輪を有する走行装置
    と、下レールを上下から挟み込む上車輪、下車輪と下車
    輪と同軸に設けられたラックに噛み合う駆動ピニオンを
    有する動力車装置と、走行装置及び動力車装置から彎曲
    フックによって下方に懸架され人間が乗車する乗用台車
    と、乗用台車の上に設けた屋根と、動力車装置に設けら
    れた電動機と、動力車装置に設けられ電動機の駆動力を
    伝達減速する動力伝達機構と、レール直下で乗用台車の
    屋根の上にあって彎曲フックを貫くように設けられる油
    落下防止用樋とを含むことを特徴とする乗用懸垂型単軌
    条運搬車。
  2. 【請求項2】 乗用台車には車イスを固定する装置を設
    けた事を特徴とする請求項1に記載の乗用懸垂型単軌条
    運搬車。
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