JP3531981B2 - 油圧制御弁 - Google Patents

油圧制御弁

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JP3531981B2
JP3531981B2 JP23811494A JP23811494A JP3531981B2 JP 3531981 B2 JP3531981 B2 JP 3531981B2 JP 23811494 A JP23811494 A JP 23811494A JP 23811494 A JP23811494 A JP 23811494A JP 3531981 B2 JP3531981 B2 JP 3531981B2
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浩 柿本
英次 東山
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株式会社加藤製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧駆動装置に対する
油圧の流れを制御する油圧制御弁に係わり、特に、スプ
ールのストロークを規制することができる油圧制御弁に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】油圧駆動装置に対する油圧の流れを制御
する油圧制御弁としては従来から様々なものが知られて
いる。こうした油圧制御弁の中には、油圧駆動装置の作
動速度を規制するために、スプールのストロークを規制
するストローク規制手段を備えたものがある。
【0003】このようなストローク規制手段を備えた油
圧制御弁の一例が図6に示されている。この油圧制御弁
80は、スプール82を有するスプール弁であり、図示
しない右側の第1のパイロット圧ポートを通じてスプー
ル82の右側受圧面(図示せず)にパイロット圧を作用
させると、スプール82が図中左方向に作動するととも
に、図中左上側に位置する第2のパイロット圧ポート8
4を通じてパイロット圧を導入すると、このパイロット
圧が弁通路85とストローク規制用スプール86の内孔
83とを介してスプール82の左側受圧面82aに作用
してスプール82が図中右方向に作動するものである。
【0004】この場合、油圧制御弁80は、前記ストロ
ーク規制用スプール86によってスプール82の左方向
へのストロークを規制することができる。すなわち、図
中左下側に位置する第3のパイロット圧ポート88を通
じてストローク規制用スプール86の左側受圧面86a
にパイロット圧を作用させて、ストローク規制用スプー
ル86の当接部87が弁本体の段部90に突き当たるま
でストローク規制用スプール86を図中右方向に移動さ
せると、ストローク規制状態にセットされる。
【0005】この規制状態で、スプール82の右側受圧
面(図示せず)にパイロット圧を作用させてスプール8
2を図中左方向に移動させると、スプール82は、所定
のストロークだけ移動した後に、その左側受圧面82a
がストローク規制用スプール86の端部に突き当たっ
て、それ以上の移動が不可能となり、油圧駆動装置の作
動速度が規制される。
【0006】つまり、この構成では、油圧供給側もしく
は油圧吐出側に連通するポートと油圧駆動装置に連通す
るポートとが所定の全開位置で連通する前に、スプール
82をストローク規制用スプール86に当接させて、環
状溝92を介した前記ポート同志のラップ量を規制する
ため、圧送される圧油に絞り抵抗が付与されて、油圧駆
動装置に対する圧油の供給量もしくは吐出し量が規制さ
れ、油圧駆動装置の作動速度が規制されるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、油圧駆動装
置を微動操作するいわゆるインチング操作時において
は、ポート同志のラップ量を規制して油圧駆動装置と油
圧供給側(或いは油圧吐出側)との間を圧送される圧油
に絞り抵抗を付与することで、油圧駆動装置の作動速度
を遅くする必要があることは無論であるが、インチング
操作を確実かつ容易に行なうためには、油圧駆動装置を
操作する操作レバーのできるだけ長いストロークにおい
て圧油の絞り量を細かく調整でき、しかも、その絞り量
をある程度容易に保持できることが望ましい。これは、
操作レバーを僅かに動かしただけで絞り量が大きく変化
するような場合には、インチング操作が非常に困難なも
のとなるからである。
【0008】しかしながら、一般に、ストローク規制用
スプール86に当接するまでに必要なスプール82のス
トロークは僅かである。したがって、前述した油圧制御
弁80の場合、スプール82をストローク規制用スプー
ル86に当接させるために必要な操作レバーのストロー
クが比較的短く、一旦、スプール82がストローク規制
用スプール86に当接すると、操作レバーをそれ以上動
かしても、スプール82は移動せず、単に、スプール8
2を押す押圧力が増大するだけとなる。つまり、スプー
ル82は比較的小さな操作力で移動するため、操作レバ
ーをある程度動かしただけで、スプール82がストロー
ク規制用スプール86に対して当接してしまい(規制位
置に達してしまい)、圧油の絞り量が一気に所定の絞り
量に達してしまう。したがって、インチング操作が非常
にやりにくい。
【0009】また、前述した油圧制御弁80の場合、操
作レバーを所定のストロークだけ動かしてスプール82
をストローク規制用スプール86に突き当てた状態で
は、油圧駆動装置の作動速度が所定の速度に保持される
が、スプール82をストローク規制用スプール86に当
接させるまでの間においては、圧油の絞り具合は操作者
による操作レバーの微操作のみに頼らざるを得ない。こ
の微操作は、前述したように、規制位置に達するまでの
操作レバーのストロークが短いことから、非常に困難で
ある。
【0010】つまり、前述した油圧制御弁80の構成で
は、スプール82はストローク規制用スプール86に当
接してはじめてその移動が規制されるものであり、ま
た、ストローク規制用スプール86はインチング操作を
助けるものではなく、単に、ある一定の位置でスプール
82の移動を規制することによってポート同志のラップ
量を規制するにすぎないものである。したがって、スプ
ール82がストローク規制用スプール86に当接するま
での間はストローク規制用スプール86の作用が働かな
いため、その間の絞り量の微妙な変化は操作者の操作技
術に頼らざるを得ない。つまり、圧油の絞り量を任意の
量に保持することは困難である。
【0011】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、油圧駆動装置を操作
する操作レバーのできるだけ長いストロークにおいて圧
油の絞り量を細かく調整でき、しかも、その絞り量をあ
る程度容易に保持できるインチング操作に適した油圧制
御弁を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、パイロット圧によって作動されるスプー
ルと、このスプールのストロークを規制するストローク
規制手段とを備えて成る油圧制御弁において、前記スプ
ールのストロークが規制されるまでの間、スプールに対
してその作動力に抗する反力を付与し続ける作動力規制
手段を具備し、前記作動力規制手段は、前記スプールの
作動方向端部と当接し且つ前記スプールを作動させるパ
イロット圧と同一のパイロット圧を受けて作動する作動
力規制ピストンとして形成されていることを特徴とす
る。
【0013】
【作用】上記構成では、作動力規制手段の反力に抗する
だけの力がスプールに生起されなければスプールが動か
ない。つまり、スプールを移動させるためには、作動力
規制手段が設けられていない従来の油圧制御弁に比べ
て、作動力規制手段の反力に抗するだけの力が余計に必
要となる。したがって、同じ操作力(操作レバーのスト
ローク)を作用させた場合、スプールの移動量は、作動
力規制手段がない従来の油圧制御弁よりも少なくなる。
言い換えれば、作動力規制手段の反力により、スプール
を作動させるために必要な力が作動力規制手段がない場
合に比べて大きくなるため、操作レバーの操作量に応じ
てパイロット圧が変化する場合には、スプールを僅かに
移動させるだけでも、操作レバーのストロークを大きく
とらなければならない。したがって、操作レバーの長い
ストロークにおいて圧油の絞り量を細かく調整できる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の一実施例に
ついて説明する。図4に示すように、本実施例の油圧制
御弁1は、他の複数の油圧制御弁とともに弁ユニットを
構成しており、例えばパワーショベル等の建設作業機械
のブームやアームを駆動させる油圧作動のアクチュエー
タ35(ピストン・シリンダ構造)に対する油圧の供給
及び吐出しを制御する。
【0015】図示のごとく、油圧制御弁1は、弁本体2
と、弁本体2内にスライド自在に収容された外径Dのス
プール3(以下、メインスプール3という。)と、弁本
体2の両側に付設されパイロット圧導入用のポート5,
6,7を有する2つのポートハウジング4a,4bとか
ら構成されている。この場合、メインスプール3は、パ
イロット圧導入用ポート5,6,7を通じて弁本体2内
に導入されるパイロット圧によって作動され、弁本体2
に設けられた各ポートC1 ,C2 ,P,R,R´同志の
連通を制御する。
【0016】弁本体2に設けられたポートのうち、ポー
トC1 は、アクチュエータ35のロッド側チャンバ36
に油圧管路39を介して連通しており、ポートC2 は、
アクチュエータ35のヘッド側チャンバ35に油圧管路
38を介して連通している。また、ポートPは、図示し
ない油圧供給源としてのポンプ(図示しない)に接続さ
れた管路と連通し、センタバイパスポートR及びポート
R´は、リザーバタンク33に接続する管路(図示しな
い)と連通している。
【0017】なお、弁本体2の左側に位置する第1のポ
ートハウジング4aには、第1のパイロット圧導入用ポ
ート5と第2のパイロット圧導入用ポート6とが設けら
れ、また、弁本体2の右側に位置するポートハウジング
4bには、第3のパイロット圧導入用ポート7が設けら
れている。
【0018】図1は、油圧制御弁1の要部の断面を示し
ている。図示のごとく、第1のポートハウジング4aに
はスプール収容チャンバ25が形成されており、このス
プール収容チャンバ25は第2のパイロット圧導入用ポ
ート6と対向してこれに連通している。また、第1のポ
ートハウジング4aにはパイロット圧導入孔8が形成さ
れており、このパイロット圧導入孔8は、第1のパイロ
ット圧導入用ポート5とスプール収容チャンバ25とを
接続している。
【0019】スプール収容チャンバ25内には、メイン
スプール3の左方向へのストロークを規制するストロー
ク規制用スプール22と、ストローク規制用スプール2
2によって規制されるストロークの範囲内で且つそのス
トロークのほぼ全長にわたってメインスプール3の作動
に抵抗力を付与するインチング操作用スプール20とが
収容されている。
【0020】前記ストローク規制用スプール22は、略
円筒状に形成されて、スプール収容チャンバ25内にス
ライド自在に嵌挿されている。また、ストローク規制用
スプール22は、その右側端部の外周面に環状突起22
aが形成されており、この環状突起22aがスプール収
容チャンバ25の開口端に位置する弁本体2の段部2a
に突き当たることによって、右方向への移動が規制され
るようになっている。そして、この場合、ストローク規
制用スプール22の右側端面は、メインスプール3の左
側端面40と当接してメインスプール3の左方向への移
動を規制する規制面43を形成している。また、本実施
例では、環状突起22aが弁本体2の段部2aに突き当
たった状態で且つメインスプール3が中立位置にある場
合に、ストローク規制用スプール22の規制面43とメ
インスプール3の左側端面40との間に距離xの間隙が
形成されるようになっている。
【0021】なお、ストローク規制用スプール22の外
周面には、パイロット圧導入孔8を通じて導入されたパ
イロット圧をスプール22内に導入するための環状溝2
8と穿設孔9とが形成されている。
【0022】一方、インチング操作用スプール20はス
トローク規制用スプール22の内孔にスライド自在に嵌
挿されている。このインチング操作用スプール20は、
dの外径を有するインチングスプール本体20aと、こ
のインチングスプール本体20aの左側端部に形成され
たフランジ部20bとから成り、フランジ部20bの右
側端面44がストローク規制用スプール22の内面に形
成された段部22bに突き当たることによって、右方向
への移動が規制されるようになっている。
【0023】また、インチング操作用スプール20のフ
ランジ部20bの左側端面は、第2のパイロット圧導入
用ポート6からのパイロット圧を受ける受圧面42とし
て形成されている。そして、インチング操作用スプール
20は、この受圧面42にパイロット圧が作用してフラ
ンジ部20bの右側端面44がストローク規制用スプー
ル22の段部22bに突き当たった状態で、スプール本
体20aの右側端部がストローク規制用スプール22の
規制面43から前方に突出するような長さに形成されて
いる。また、スプール本体20aの右側端部が規制面4
3から突出する状態では、メインスプール3が中立位置
にある場合、インチングスプール本体20aの右側端面
41とメインスプール3の左側端面40との間に距離y
の間隙が形成されるようになっている。
【0024】なお、インチングスプール本体20aの外
周面には、ストローク規制用スプール22の穿設孔9を
通じて導入されたパイロット圧をインチングスプール本
体20aの内孔10に導入するための環状溝27が形成
されており、この環状溝27から内孔10を介してパイ
ロット圧が弁本体2内に導入されるようになっている。
【0025】次に、上記構成の油圧制御弁1の動作を図
2及び図3のグラフを参照しながら説明する。なお、図
2は、油圧制御弁1へのパイロット圧の供給を制御する
操作レバー30のストロークとメインスプール3及びイ
ンチング操作用スプール20に作用する力との関係を示
したグラフであり、図3は、図2の関係を、操作レバー
30のストロークとメインスプール3の変位量との関係
に置き換えたグラフである。
【0026】図4に示すように、操作レバー30を所定
方向に動作させると、操作レバー30のストロークに応
じたパイロット圧が第1のパイロット圧管路60を介し
て第1のパイロット圧導入用ポート5に導入される。ポ
ート5に導入されたパイロット圧は、ポート5からさら
にパイロット圧導入孔8、穿設孔9、内孔10を介し
て、弁本体2内に導入されて、メインスプール3を図中
右方向に移動させる。これによって、油圧供給源として
のポンプによって圧送された圧油は、ポートPからスプ
ール3の環状溝50を介してポートC1 へ流れ、油圧管
路39を通じてアクチュエータ35のロッド側チャンバ
36内に送られる。また、この時、アクチュエータ35
のヘッド側チャンバ37内の油は、油圧管路38を介し
てポートC2 からポートR´へと流れて、リザーバタン
ク33へと吐出される。したがって、アクチュエータ3
5は収縮動作を行なう。
【0027】一方、操作レバー30を前述した方向と逆
の方向に動作させると、操作レバー30のストロークに
応じたパイロット圧が第2のパイロット圧管路62を介
して第3のパイロット圧導入用ポート7に導入されて、
メインスプール3が左方向に移動される。これによっ
て、油圧供給源としてのポンプによって圧送された圧油
は、ポートPからスプール3の環状溝50を介してポー
トC2 へ流れ、油圧管路38を通じてアクチュエータ3
5のヘッド側チャンバ37内に送られる。また、この
時、アクチュエータ35のロッド側チャンバ36内の油
は、油圧管路39を介してポートC1 からポートR´へ
と流れて、リザーバタンク33へと吐出される。したが
って、アクチュエータ35は伸長動作を行なう。
【0028】ところで、例えばこのアクチュエータ35
の伸長動作においてその動作速度を遅くしたい場合に
は、2方向2位置の方向制御弁32が図示しないスイッ
チによって電磁的に切り換えられる。これによって、方
向制御弁32は、第2のパイロット圧導入用ポート6を
リザーバタンク33に接続させる図示の位置から切換わ
って、パイロット圧導入用ポート6を第2のパイロット
圧管路62に接続させる。すなわち、ポート6に接続さ
れた第3のパイロット圧管路64が方向制御弁32と管
路63とを介して第2のパイロット圧管路62に接続さ
れる。
【0029】この状態では、操作レバー30のストロー
クに応じた同一のパイロット圧pが両方のポート6,7
に導入される。そして、操作レバー30が所定のストロ
ークL(図2及び図3参照)まで操作されると、ポート
6に導入されたパイロット圧pによって、ストローク規
制用スプール22とインチング操作用スプール20の両
方が図中右方向に移動されて、ストローク規制位置に保
持される。すなわち、ストローク規制用スプール22が
弁本体2の段部2aに当接されるとともに、インチング
操作用スプール20がストローク規制用スプール22の
段部22bに当接されてスプール22の規制面43から
突出する。また、インチングスプール本体20aの右側
端面41とメインスプール3の左側端面40との間が距
離yだけ離間され且つストローク規制用スプール22の
規制面43とメインスプール3の左側端面40との間が
距離xだけ離間された状態となる。この状態が、図1に
図示されているとともに、図2及び図3に(イ)で示さ
れている。
【0030】この状態からさらに操作レバー30を動か
していくと、メインスプール3は、間隙yの距離を移動
する間は、パイロット圧による作動力F(=pπD2
4)の力を受けて左方向に移動する(図2及び図3の
(イ)〜(ロ)の状態)。そして、メインスプール3が
距離yだけ移動すると、メインスプール3の左側端面4
0がインチングスプール本体20aの右側端面41に当
接する(図2及び図3の(ロ)の状態)。その後は、イ
ンチングスプール本体20aを左方向に押し返せるだけ
のパイロット圧pがポート7に導入されなければ、メイ
ンスプール3は左方向に移動できない。したがって、イ
ンチングスプール本体20aを移動させることができる
力Fs がメインスプール3に作用するまでは操作レバー
30をストロークさせてもメインスプール3は移動しな
い(図3の(ロ)〜(ハ)の状態)。
【0031】もし、インチング操作用スプール20がな
ければ、メインスプール3は、作動力F(=pπD2
4)の力により図3の点線で示す直線にしたがってその
変位量がxまで増大する。しかしながら、本実施例で
は、インチング操作用スプール20が存在するため、メ
インスプール3が図3に実線で示すような直線にしたが
って変位する。すなわち、(ロ)の状態からさらに操作
レバー30をストロークさせてメインスプール3に力F
s を作用させる(図2及び図3の(ハ)の状態)と、メ
インスプール3がインチングスプール本体20aを左方
向に押し返しながら移動しはじめる。この時、メインス
プール3には、インチング操作用スプール20に作用す
る力f(=pπd2 /4)がメインスプール3の移動方
向と逆方向( 右方向 )に働くため、メインスプール
3は実際には力F´(=pπ(D−d)2 /4)の作動
力で左方向に移動することとなる(図2に点線で示
す)。無論、パイロット圧pは操作レバー30のストロ
ークに応じて増大していく。
【0032】その後、F´の作動力のもとでメインスプ
ール3が距離xだけ移動すると、メインスプール3の左
側端面40がストローク規制用スプール22の規制面4
3に当接してメインスプール3の左方向への移動が阻止
される。したがって、これ以降、操作レバー30をスト
ロークさせても、メインスプール3は移動せず、単に、
メインスプール3に作用する力が増大するだけである。
なお、図3の二点鎖線は、インチング操作用スプール2
0がなくストローク規制用スプール22のみが存在する
場合におけるメインスプール3の変位経路を示してい
る。
【0033】また、図5は、メインスプール3のストロ
ークと、各ポート同志の連通路の開口面積との関係を示
したグラフである。図中lは、弁本体2のポート同志が
メインスプール3の環状溝50を介して連通(開口)し
始めるまでにメインスプール3が移動すべきストローク
(開口開始ストローク)である。また、図中PーR線は
ポートPとポートRとの連通路の開口面積を示す曲線、
1 ーR´線はポートC1 とポートR´との連通路(メ
インスプール3が左方向に移動すると、この連通路を通
じてアクチュエータ35からの油がリザーバタンク33
に吐出される)の開口面積を示す曲線、PーC2 線は、
ポートPとポートC2 との連通路(メインスプール3が
左方向に移動すると、この連通路を通じてポンプからの
油がアクチュエータ35に供給される)の開口面積を示
す曲線である。
【0034】以上説明したように、本実施例の油圧制御
弁1は、一旦、メインスプール3がインチング操作用ス
プール20に当接した後は、インチング操作用スプール
20を押し返す分だけの力がメインスプール3に生起さ
れなければメインスプール3が動かない。つまり、本実
施例の油圧制御弁1の場合、メインスプール3を移動さ
せるためには、インチング操作用スプール20が設けら
れていない従来の油圧制御弁に比べて、インチング操作
用スプール20を押し返す分の力(メインスプール3と
インチング操作用スプール20との面積差によるもの)
が余計に必要となる。したがって、同じ操作力(操作レ
バー30のストローク)を作用させた場合、メインスプ
ール3の移動量は、インチング操作用スプール20がな
い従来の油圧制御弁よりも本実施例の油圧制御弁1の方
が少ない。言い換えれば、インチング操作用スプール2
0の反力により、メインスプール3を作動させるために
必要な力がインチング操作用スプール20がない場合に
比べて大きくなるため、僅かな量だけメインスプール3
を移動させる場合でも操作レバー30のストロークを大
きくとらなければならない。これは、図3の実線部分
(本実施例)と点線部分(従来)との傾きを比較しても
明らかである。このことは、本実施例の油圧制御弁1が
操作レバー30の長いストロークにおいて圧油の絞り量
を細かく調整でき、しかも、その絞り量をある程度容易
に保持できるということを意味している。したがって、
インチング性能が従来に比べて格段に向上する。
【0035】また、本実施例の油圧制御弁1では、操作
レバー30の操作量に応じて変化するパイロット圧pが
インチング操作用スプール20とメインスプール3の両
方に作用していることから、インチング操作用スプール
20を押し返すために必要な力もメインスプール3の移
動量の変化に応じて変化する。このインチング操作用ス
プールによる抵抗力の変化を操作レバー30を操作する
操作者の操作感に訴えるようにすれば、圧油の絞り量を
感覚的に認識することが可能となり、しかも、操作レバ
ー30を任意のストローク位置に保持して圧油を所定の
絞り量に保持することが容易となる。
【0036】さらに、本実施例では、インチング操作用
スプール20がストローク規制用スプール22の内部に
配置されていることから、その機構がコンパクトにな
り、インチング性能が良好でありながら尚かつ油圧制御
弁1を大型化させずに済むという効果も奏する。
【0037】なお、本実施例では、図1の状態(図2及
び図3の(イ)の状態)で、インチングスプール本体2
0aの右側端面41とメインスプール3の左側端面40
との間に距離yの間隙が形成されるが、この間隙はなく
ても良い。なぜなら、メインスプール3の開口開始スト
ロークがl(図5参照)であるため、この寸法以下に距
離yを設定すれば特に問題はないからである。
【0038】また、本実施例では、図1の状態で、スト
ローク規制用スプール22の規制面43とメインスプー
ル3の左側端面40との間に距離xの間隙が形成される
が、この距離xを大きくとればとる程、操作レバー30
の最終ストローク位置におけるポート同志の連通路の開
口面積が増大するから、最終ストローク位置でのアクチ
ュエータ35の作動速度が速くなる。この場合、ストロ
ーク規制スプール22を捩じ込み式にして、距離xを任
意に調整できるようにすると良い。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の油圧制御
弁によれば、油圧駆動装置を操作する操作レバーのでき
るだけ長いストロークにおいて圧油の絞り量を細かく調
整でき、しかも、その絞り量をある程度容易に保持でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる油圧制御弁の要部断
面図である。
【図2】油圧制御弁へのパイロット圧の供給を制御する
操作レバーのストロークとメインスプール及びインチン
グ操作用スプールに作用する力との関係を示したグラフ
図である。
【図3】図2のFーF´の関係を、操作レバーのストロ
ークとメインスプールの変位量との関係に置き換えたグ
ラフ図である。
【図4】図1の油圧制御弁を有する弁ユニットの要部断
面図である。
【図5】メインスプールのストロークと、各ポート同志
の連通路の開口面積との関係を示したグラフ図である。
【図6】従来の油圧制御弁の要部断面図である。
【符号の説明】
1…油圧制御弁、3…メインスプール(スプール)、2
0…インチング操作用スプール(作動力規制手段)、2
2…ストローク規制用スプール(ストローク規制手
段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−64785(JP,A) 実開 昭62−25302(JP,U) 実開 昭63−45273(JP,U) 実開 昭63−115678(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 11/07 F16K 31/12 - 31/165 F16K 31/36 - 31/42 F15B 11/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイロット圧によって作動されるスプー
    ルと、このスプールのストロークを規制するストローク
    規制手段とを備えて成る油圧制御弁において、 前記スプールのストロークが規制されるまでの間、スプ
    ールに対してその作動力に抗する反力を付与し続ける作
    動力規制手段を具備し、前記作動力規制手段は、前記ス
    プールの作動方向端部と当接し且つ前記スプールを作動
    させるパイロット圧と同一のパイロット圧を受けて作動
    する作動力規制ピストンとして形成されていることを特
    徴とする油圧制御弁。
  2. 【請求項2】 パイロット圧を受ける前記作動力規制ピ
    ストンの受任部の面積とパイロット圧を受ける前記スプ
    ールの受圧部の面積との差によって生じる作動力で前記
    スプールが作動することを特徴とする請求項1に記載の
    油圧制御弁。
  3. 【請求項3】 前記作動力規制手段が、前記ストローク
    規制手段と一体に設けられていることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の油圧制御弁。
  4. 【請求項4】 前記作動力規制手段が、前記ストローク
    規制手段の内部にスライド自在に嵌挿されていることを
    特徴とする請求項3に記載の油圧制御弁。
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