JP3531545B2 - オートブラックレベルコントロール回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はオートブラックレベ
ルコントロール回路に関し、特に検出部のノイズ低減処
理を施したオートブラックレベルコントロール回路に関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、霞がかかった被写体を撮影した
場合のコントラスト不足による被写体の鮮明度を改善す
るのに映像のオートブラックレベルコントロールが行わ
れる。

【０００３】しかし、暗い状況等ではカメラのゲインを
上げるため利得制御器の増幅度が大きく映像信号のノイ
ズレベルが大きくなり、出力される輝度信号のノイズレ
ベルも大きくなる傾向にある。従って、ブラックレベル
検出時に、ノイズのマイナスレベル側ピークを映像のブ
ラックレベルとして誤検出し、映像のオートブラックレ
ベルコントロールの十分な効果が得られないという問題
が生じる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来のオート
ブラックレベルコントロール回路は、暗い状況等での撮
像は利得制御器の増幅度が大きく映像信号のノイズレベ
ルが大きくなり、出力される輝度信号のノイズレベルも
大きくなるので、黒レベル検出時にノイズを映像の黒レ
ベルと誤検出してしまい、オートブラックレベルコント
ロールの十分な効果が得られないという欠点を有してい
る。

【０００５】本発明の目的は、暗い状況等での被写体撮
像時に黒レベルの持ち上がりを抑制できるオートブラッ
クレベルコントロール回路を提供することにある。

【０００６】

【０００７】

【課題を解決するための手段】 本発明のオートブラック
レベルコントロール回路は、 ｎ（ｎは１以上の整数）個
の撮像素子と；これらｎ個の撮像素子が各々出力する撮
像信号を入力し、増幅したｎ個の増幅信号を各々出力す
るｎ個のプリアンプと；前記ｎ個の増幅信号のゲイン制
御を行いｎ個の映像信号を各々出力するｎ個の利得制御
器と；前記ｎ個の映像信号をアナログ・デジタル変換
し、ｎ個のＡＤ出力を各々出力するｎ個のアナログ・デ
ジタル変換器（ＡＤ変換器）と；前記ｎ個のＡＤ出力を
デジタル処理し、ｎ個のデジタル処理出力を各々出力す
るｎ個のデジタルプロセス回路と；前記ｎ個のデジタル
処理出力をエンコードして、エンコーダ出力および輝度
信号を出力するエンコーダと；前記エンコーダ出力を映
像出力信号として出力するデジタル・アナログ変換器
（ＤＡ変換器）と；前記輝度信号を一水平ライン遅延さ
せた第１の遅延信号を出力する第１の遅延回路と；前記
第１の遅延信号をさらに一水平ライン遅延させた第２の
遅延信号を出力する第２の遅延回路と；前記輝度信号及
び前記第１、第２の遅延信号を入力し、ノイズ低減した
フィルタ出力を出力する二次元フィルタと；前記フィル
タ出力を入力しブラックレベル出力を出力するブラック
レベル検出回路と；前記ブラックレベル出力の信号レベ
ルに応じてレベル制御信号を前記ｎ個のデジタルプロセ
ス回路に出力するマイクロプロセッサと；を備えたこと
を特徴としている。

【０００８】

【０００９】前記ｎ個のデジタルプロセス回路の各々
が、映像の黒信号であるペデスタル信号をミックスする
ペデスタルミキサを内蔵することを特徴としている。

【００１０】前記二次元フィルタは、前記輝度信号のノ
イズ成分を低減した前記フィルタ出力を出力し、前記ブ
ラックレベル検出回路は前記フィルタ出力の最も黒い信
号レベルを検出し、前記マイクロプロセッサは前記黒い
信号レベルを低下させるレベル制御信号を前記ペデスタ
ルミキサに加算し、黒信号レベルのフィードバック制御
を行うことを特徴としている。

【００１１】前記第１及び第２の遅延回路が、ラインメ
モリであることを特徴としている。

【００１２】また、前記ｎ個の撮像素子、前記ｎ個のプ
リアンプ、前記ｎ個の利得増幅器、前記ｎ個のアナログ
・デジタル変換器及び前記ｎ個のデジタルプロセス回路
の個数が、赤、緑、青の三板式撮像素子に対応して３個
であることを特徴としている。

【００１３】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００１４】図１は本発明のオートブラックレベルコン
トロール回路の一つの実施の形態を示すブロック図であ
る。

【００１５】図１に示す本実施の形態は、赤（Ｒ）、緑
（Ｇ）、青（Ｂ）３Ｃｈの三板式デジタルカメラを例に
した構成例である。

【００１６】次に動作を説明する。

【００１７】プリアンプ２，２ａ，２ｂは撮像素子１，
１ａ，１ｂが出力する撮像信号２１，２１ａ，２１ｂを
検出し増幅する。増幅された増幅信号２２，２２ａ，２
２ｂはカメラのゲインを設定する利得制御器３，３ａ，
３ｂによりゲイン調整され、映像信号２３，２３ａ，２
３ｂとして出力される。Ａ／Ｄ変換器４，４ａ，４ｂは
映像信号２３，２３ａ，２３ｂをデジタルプロセス回路
５，５ａ，５ｂのデジタル信入力信号に合うように変換
したＡＤ出力２４，２４ａ，２４ｂを出力し、デジタル
プロセス回路５，５ａ，５ｂは入力したＡＤ出力２４，
２４ａ，２４ｂにカメラで必要なディテール・ガンマ等
の映像信号処理を行い、デジタル処理出力２５，２５
ａ，２５ｂを出力する。デジタルプロセス回路５，５
ａ，５ｂが内蔵するＰＥＤミキサ６，６ａ，６ｂは、デ
ジタルプロセス回路５，５ａ，５ｂの中のペデスタル信
号をミックスするペデスタル加算回路である。ここでペ
デスタル信号とは黒レベル信号を示す。

【００１８】エンコーダ７は撮像素子１，１ａ，１ｂに
入力されたＲ／Ｇ／Ｂの色映像信号に対応してデジタル
処理出力２５，２５ａ，２５ｂを各々エンコードし、エ
ンコーダ出力２６として出力する。Ｄ／Ａ変換器８はデ
ジタル化されたエンコーダ出力２６をアナログの映像出
力信号２７として出力する。

【００１９】一方、エンコーダ７が出力する輝度信号２
８は遅延回路９により１Ｈ（１水平ライン）遅延され、
さらに遅延回路１０により１Ｈ（１水平ライン）遅延さ
れる。遅延回路９、１０はラインメモリとして動作し、
輝度信号２８、遅延信号２９および遅延信号３０は二次
元フィルタ１１に出力され、この二次元フィルタ１１で
輝度信号２８のノイズ成分を低減したフィルタ出力３１
を出力する。ブラックレベル検出回路１２はデジタル映
像信号のブラックレベル（映像の暗い部分に相当する黒
レベル信号）を検出しブラックレベル出力３２を出力す
る。ＣＰＵ１３はブラックレベル出力３２のレベルに応
じてペデスタルレベル（黒レベル）を計算し、レベル制
御信号３３としてデジタルプロセス回路５，５ａ，５ｂ
に出力する。

【００２０】図２は映像信号出力波形を説明する図であ
る。図２（ａ）は霞がかかっていないときの映像信号出
力波形を、図２（ｂ）は霞がかかったときの映像信号出
力波形を示し、図２（ｃ）は霞がかかったときの二次元
フィルタ出力波形を、図２（ｄ）は霞がかかったときの
オートブラックレベルコントロール時の映像信号出力波
形を示す。

【００２１】次に、図１および図２を参照して本実施の
形態の動作をより詳細に説明する。

【００２２】図２を参照すると、夜等の暗い状態で霞が
かかった被写体（暗い中に明るい物がある場合）を撮影
した場合の各部映像信号のレベル波形（波形モニターの
水平軸で見た波形）が示されている。また、暗い中の撮
影であるためカメラゲインとして利得制御器３，３ａ，
３ｂのゲインは大きく設定されている。

【００２３】霞がかかってない場合は、利得制御器３，
３ａ，３ｂでカメラのゲイン設定を大きくしているため
増幅度が大きくなっている。従って、映像信号出力波形
も図２（ａ）の様にノイズが多い映像になっているが、
暗い部分の黒レベルの持ち上がりはほとんど無い。しか
し霞がかかると図２（ｂ）の様に暗い部分の黒レベルが
持ち上がってしまう（図２（ｂ）のＢの部分）。これは
大気中の霧などの水滴の影響で光が乱反射等を起こし全
体的に光が拡散するためである。そこでこうした映像の
デジタル信号処理として近年容易にできる１水平ライン
遅延させる遅延回路９，１０および二次元フィルタ１１
によりノイズ低減を行うことにより、図２（ｃ）のよう
にノイズの少ない映像を取り出すことができる。この
際、二次元フィルタは高い周波数帯域を必要としないた
め回路構成が簡単な３×３等のメディアンフィルタや加
重平均回路等が使用できる。

【００２４】この二次元フィルタ１１のフィルタ出力３
１を使用し、映像信号の一番黒い部分（図２（ｃ）のＣ
の部分）の信号をブラックレベル検出回路１２で検出
し、ＣＰＵ１３でペデスタルを下げるレベルを計算した
レベル制御信号３３を出力する。このレベル制御信号３
３をデジタルプロセス回路５，５ａ，５ｂが内蔵するペ
デスタル加算回路として動作するＰＥＤミキサ６，６
ａ，６ｂのペデスタル信号に加算することで、黒レベル
を自動的に下げるフィードバック制御を行っている。

【００２５】従って、霞がかかった状態でかつ暗くカメ
ラゲインを上げなくてはならない場合においても、オー
トブラックレベルコントロールの効果により図２（ｄ）
の様に黒レベルが持ち上がらずに、コントラストの良い
映像を撮影することができる。

【００２６】上述のように本発明は、オートブラックレ
ベルコントロール機能を搭載するデジタルテレビカメラ
装置で、ブラックレベルを検出する際、輝度信号に二次
元フィルタ１１によるノイズ低減処理を加えて検出する
ことで、カメラのゲインを大きくしたときにおいてもノ
イズの影響が少ない映像信号を検出できる。

【００２７】なお、撮像素子１，１ａ，１ｂ、プリアン
プ２，２ａ，２ｂ、利得制御器３，３ａ，３ｂ、Ａ／Ｄ
変換器４，４ａ，４ｂおよびデジタルプロセス回路５，
５ａ，５ｂの個数はＲ，Ｇ，Ｂチャンネルに対応して３
個としているが、この個数に制限されるものではない。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のオートブ
ラックレベルコントロール回路は、夜等の暗い状態で霞
がかかった被写体を撮影した場合において、ゲインを上
げることで発生するノイズ増加による黒レベルの持ち上
がりを押さえ、コントラストのある映像を撮影すること
ができるという効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のオートブラックレベルコントロール回
路の一つの実施の形態を示すブロック図である。

【図２】映像信号出力波形を説明する図である。

【符号の説明】

１，１ａ，１ｂ 撮像素子 ２，２ａ，２ｂ プリアンプ ３，３ａ，３ｂ 利得制御器 ４，４ａ，４ｂ Ａ／Ｄ変換器 ５，５ａ，５ｂ デジタルプロセス回路 ６，６ａ，６ｂ ＰＥＤミキサ ７ エンコーダ ８ Ｄ／Ａ変換器 ９ 遅延回路 １０ 遅延回路 １１ 二次元フィルタ １２ ブラックレベル検出回路 １３ ＣＰＵ ２１，２１ａ，２１ｂ 撮像信号 ２２，２２ａ，２２ｂ 増幅信号 ２３，２３ａ，２３ｂ 映像信号 ２４，２４ａ，２４ｂ ＡＤ出力 ２５，２５ａ，２５ｂ デジタル処理出力 ２６ エンコーダ出力 ２７ 映像出力信号 ２８ 輝度信号 ２９ 遅延信号 ３０ 遅延信号 ３１ フィルタ出力 ３２ ブラックレベル出力 ３３ レベル制御信号

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ｎ（ｎは１以上の整数）個の撮像素子
   と； これらｎ個の撮像素子が各々出力する撮像信号を入力
   し、増幅したｎ個の増幅信号を各々出力するｎ個のプリ
   アンプと； 前記ｎ個の増幅信号のゲイン制御を行いｎ個の映像信号
   を各々出力するｎ個の利得制御器と； 前記ｎ個の映像信号をアナログ・デジタル変換し、ｎ個
   のＡＤ出力を各々出力するｎ個のアナログ・デジタル変
   換器（ＡＤ変換器）と； 前記ｎ個のＡＤ出力をデジタル処理し、ｎ個のデジタル
   処理出力を各々出力するｎ個のデジタルプロセス回路
   と； 前記ｎ個のデジタル処理出力をエンコードして、エンコ
   ーダ出力および輝度信号を出力するエンコーダと； 前記エンコーダ出力を映像出力信号として出力するデジ
   タル・アナログ変換器（ＤＡ変換器）と； 前記輝度信号を一水平ライン遅延させた第１の遅延信号
   を出力する第１の遅延回路と； 前記第１の遅延信号をさらに一水平ライン遅延させた第
   ２の遅延信号を出力する第２の遅延回路と； 前記輝度信号及び前記第１、第２の遅延信号を入力し、
   ノイズ低減したフィルタ出力を出力する二次元フィルタ
   と； 前記フィルタ出力を入力しブラックレベル出力を出力す
   るブラックレベル検出回路と； 前記ブラックレベル出力の信号レベルに応じてレベル制
   御信号を前記ｎ個のデジタルプロセス回路に出力するマ
   イクロプロセッサと； を備えたことを特徴とするオートブラックレベルコント
   ロール回路。
2. 【請求項２】 前記ｎ個のデジタルプロセス回路の各々
   が、映像の黒信号であるペデスタル信号をミックスする
   ペデスタルミキサを内蔵することを特徴とする請求項１
   記載のオートブラックレベルコントロール回路。
3. 【請求項３】 前記二次元フィルタは、前記輝度信号の
   ノイズ成分を低減した前記フィルタ出力を出力し、前記
   ブラックレベル検出回路は前記フィルタ出力の最も黒い
   信号レベルを検出し、前記マイクロプロセッサは前記黒
   い信号レベルを低下させるレベル制御信号を前記ペデス
   タルミキサに加算し、黒信号レベルのフィードバック制
   御を行うことを特徴とする請求項１又は請求項２記載の
   オートブラックレベルコントロール回路。
4. 【請求項４】 前記第１及び第２の遅延回路が、ライン
   メモリであることを特徴とする請求項１、２又は３記載
   のオートブラックレベルコントロール回路。
5. 【請求項５】 前記ｎ個の撮像素子、前記ｎ個のプリア
   ンプ、前記ｎ個の利得増幅器、前記ｎ個のアナログ・デ
   ジタル変換器及び前記ｎ個のデジタルプロセス回路の個
   数が、赤、緑、青の三板式撮像素子に対応して３個であ
   ることを特徴とする請求項１、２、３又は４記載のオー
   トブラックレベルコントロール回路。