JP3531170B6 - 止痒剤 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、各種の痒みを伴う疾患における痒みの治療に有用なオピオイドκ受容体作動性化合物およびこれを含んでなる止痒剤に関する。
背景技術
痒み(そう痒)は、皮膚特有の感覚で、炎症を伴う様々な皮膚疾患に多く見られるが、ある種の内科系疾患(悪性腫瘍、糖尿病、肝疾患、腎不全、腎透析、痛風、甲状腺疾患、血液疾患、鉄欠乏)や妊娠、寄生虫感染が原因となる場合や、ときには薬剤性や心因性で起きることもある。
痒みは主観的な感覚であるため数量的に客観的に評価することが難しく、痒みの発現メカニズムはまだ十分に解明されていない。
現在のところ、痒みを引き起こす刺激物質としては、ヒスタミン、サブスタンスP、ブラジキニン、プロテイナーゼ、プロスタグランジン、オピオイドペプチドなどが知られている。痒みとしての知覚は、これらの痒み刺激物質が表皮−真皮境界部に存在する多刺激対応性の神経終末(痒み受容器)に作用し、生じたインパルスが脊髄視床路→視床→大脳皮質の順に達することで起こると考えられている(宮地良樹著、皮膚そう痒治療へのアプローチ、p.22、1996、先端医学社)。
痒みは患者本人にとっては非常に不快な症状であり、重度の場合には日常生活を営むのにも重大な障害となってくる。痒みの治療には、まず第一に皮膚炎や原因となる基礎疾患の治療が必要となるが、特に皮膚疾患の場合には、掻破によってその症状が悪化するため、痒みそのものに対する治療も同時に行う必要がある。
掻破は、それによって皮膚が傷つけられて皮膚のバリヤー機能が障害されて、物理的刺激や化学的刺激に対する侵襲や細菌感染を受けやすくなるということで、皮膚炎の最大の増悪因子となる。また、皮膚表皮は薄く弱くなってしまうため、神経が過敏となって、さらに痒みを感じやすくなり、その結果、また掻破を繰り返すという悪循環に陥ることも多い。
たとえば、就寝中に痒みを感じて皮膚を掻く時間は、健常人では全睡眠時間の0.1%に過ぎないものの、重症のアトピー性皮膚炎患者では平均24%にも達している。仮に8時間睡眠とすると、約2時間も皮膚を掻きむしっていることになり、この就寝中の掻破がアトピー性皮膚炎を増悪させ、アトピー皮疹形成の一因になっていることが明らかになってきた(日経メディカル、1996年7月10日号、p13)。
このように、特に強い痒みを伴う皮膚疾患においては、そう痒を治療すること自体がそのまま根本治療にもつながると考えられる。
そう痒が治療対象となる具体的な皮膚疾患としては、アトピー性皮膚炎、神経性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、自己感作性皮膚炎、毛虫皮膚炎、皮脂欠乏症、老人性皮膚そう痒、虫刺症、光線過敏症、蕁麻疹、痒疹、疱疹、膿痂疹、湿疹、白癬、苔癬、乾癬、疥癬、尋常性座瘡などが挙げられる。また、そう痒を伴う内臓疾患としては、悪性腫瘍、糖尿病、肝疾患、腎不全、腎透析、妊娠が特に問題となる。
このようなそう痒の治療には、内服剤として抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤などが主に用いられ、また外用剤としては、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ステロイド外用剤、非ステロイド系抗消炎剤、カンフル、メントール、フェノール、サリチル酸、タール、クロタミトン、カプサイシンなど保湿剤(尿素、ヒルドイド、ワセリンなど)が用いられる。しかし内服剤の場合、作用発現までに時間のかかることや、中枢神経抑制作用(眠気、倦怠感)、消化器系に対する障害などの副作用が問題となっている。一方、外用剤の場合では、止痒効果が十分でないことや特にステロイド外用剤では長期使用における副腎機能低下やリバウンドなどの副作用が問題となっている。
オピオイドと痒みについては、オピオイドが鎮痛作用を有する一方で痒みのケミカルメディエーターとしても機能することが知られていた。β−エンドルフィンやエンケファリンのような内因性オピオイドペプチドが痒みを起こすことが報告された(B.FjellerActa,Dermato−Venereol.,61(suppl.97),1−34,1981)のを始めとして、モルヒネやオピオイド化合物を硬膜外や髄腔内に投与した場合も副作用として痒みが惹起されることが明らかとなった(J.H.Jaffe and W.R.Martin,Goodman and Gilman′s Pharmacological Basis of Theraputics,Macmillan,New York,1985)。その一方で、モルヒネの髄腔内投与によって惹起された痒みがモルヒネ拮抗薬であるナロキソンによって抑制されたこと(J.Bernstein et al.,J.Invest.Dermatol.,78,82−83,1982)や肝障害の胆汁鬱血患者で内因性オピオイドペプチドの上昇によって惹起された強い痒みが、オピオイド拮抗薬であるナルメフェンによって抑制されたこと(J.R.Thornton and M.S.Losowsky,Br.Med.J.,297,1501−1504,1988)も明らかとなり、統一的見解として、オピオイド系作動薬は痒みを惹起する作用があり、逆にその拮抗薬には止痒作用があるとされた。また最近でも、アトピー性皮膚炎の子供の血清中のβ−エンドルフィン濃度が健常児のそれより有意に高いことが見いだされ、オピオイド拮抗薬がアトピー性皮膚炎の痒みに有効であろうことが報告された(S.Georgala et al.,J.Dermatol.Sci.,,125−128,1994)。
このように、従来よりオピオイド系作動薬は痒みを惹起し、その拮抗薬が止痒剤としての可能性があるとされてきた。しかし、オピオイド系拮抗薬を止痒剤として応用することは現在までのところ実用化されていない。
本発明の目的は、上記の問題点を解決した止痒作用が極めて速くて強いオピオイドκ受容体作動薬およびこれを含んでなる止痒剤を提供することにある。
発明の開示
本発明はオピオイドκ受容体作動性化合物およびこれを有効成分とする止痒剤である。
図面の簡単な説明
図1は実施例11の結果を示したものである。
発明を実施するための最良の形態
オピオイド受容体には、μ、δ、およびκ受容体の存在が知られており、それぞれを選択的に刺激する内因性オピオイドペプチドが既に発見されている。即ち、先に述べたμおよびδ受容体作動薬として同定されたβ−エンドルフィンやエンケファリン、およびκ受容体作動性の内因性オピオイドペプチドとして同定されたダイノルフィンである。しかし、ダイノルフィン自体を含め、κ受容体作動薬の痒みに対する作用は何ら明らかにされておらず、本発明によって初めて明らかにされた。
本発明でいうκ受容体作動薬はオピオイドκ受容体に作動性を示すものであればその化学構造的特異性にとらわれるものではないが、μおよびδ受容体よりもκ受容体に高選択性であることが好ましい。より具体的には、オピオイドκ受容体作動性を示すモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩が挙げられ、中でも一般式(I)
Figure 0003531170
[式中、
Figure 0003531170
は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニル、アリル、炭素数1から5のフラン−2−イルアルキルまたは炭素数1から5のチオフェン−2−イルアルキルを表し、R2は水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルキルまたは−NR9R10を表し、R9は水素または炭素数1から5のアルキルを表し、R10は水素、炭素数1から5のアルキルまたは−C(=O)R11を表し、R11は、水素、フェニルまたは炭素数1から5のアルキルを表し、R3は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシまたは炭素数1から5のアルコキシを表し、Aは−XC(=Y)−、−XC(=Y)Z−、−X−または−XSO2−(ここでX、Y、Zは各々独立してNR4、SまたはOを表し、R4は水素、炭素数1から5の直鎖もしくは分岐アルキルまたは炭素数6から12のアリールを表し、式中R4は同一または異なっていてもよい)を表し、Bは原子価結合、炭素数1から14の直鎖もしくは分岐アルキレン(ただし炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチルおよびフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよく、1から3個のメチレン基がカルボニル基でおきかわっていてもよい)、2重結合および/または3重結合を1から3個含む炭素数2から14の直鎖もしくは分岐の非環状不飽和炭化水素(ただし炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチルおよびフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよく、1から3個のメチレン基がカルボニル基でおきかわっていてもよい)、またはチオエーテル結合、エーテル結合および/もしくはアミノ結合を1から5個含む炭素数1から14の直鎖もしくは分岐の飽和もしくは不飽和炭化水素(ただしヘテロ原子は直接Aに結合することはなく、1から3個のメチレン基がカルボニル基でおきかわっていてもよい)を表し、R5は水素または下記の基本骨格:
Figure 0003531170
のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)を表し、R6は水素、R7は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルコキシまたは炭素数1から5のアルカノイルオキシ、もしくは、R6とR7は一緒になって−O−、−CH2−、−S−を表し、R8は水素、炭素数1から5のアルキルまたは炭素数1から5のアルカノイルを表す。また、一般式(I)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩であり、または一般式(II)
Figure 0003531170
[式中、
Figure 0003531170
は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニルまたはアリルを表し、R2は水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシまたは炭素数1から5のアルキルを表し、R3は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシまたは炭素数1から5のアルコキシを表し、R4は水素、炭素数1から5の直鎖もしくは分枝アルキルまたは炭素数6から12のアリールを表し、Aは炭素数1から6のアルキレン、−CH=CH−、または−C≡C−を表し、R5は下記の基本骨格:
Figure 0003531170
のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)を表し、R6は炭素数1から5のアルキルまたはアリルであり、X-はその薬理学的に許容される対イオン付加塩を表す。また、一般式(II)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物であり、または一般式(III)
Figure 0003531170
[式中、
Figure 0003531170
は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニルまたはアリルを表し、R2は水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシまたは炭素数1から5のアルキルを表し、R3は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシまたは炭素数1から5のアルコキシを表し、R4は水素、炭素数1から5の直鎖もしくは分岐アルキルまたは炭素数6から12のアリールを表し、Aは炭素数1から6のアルキレン、−CH=CH−または−C≡C−を表し、R5は下記の基本骨格:
Figure 0003531170
のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)を表す。また、一般式(III)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩である。
モルヒナン誘導体以外の止痒用途に用いる物質としては一般式(IV)
Figure 0003531170
[式中、Rは2つの水素または−O−CH2CH2CH2−であり、XおよびYは水素または塩素であり、ZはOまたはSを表す。また、一般式(IV)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩であり、または一般式(V)
Figure 0003531170
[式中、Xは水素、塩素またはトリフルオロメチルであり、Yは水素または塩素であり、ZはCH2、−OCH2CH2O−またはNCO2CH3を表す。また、一般式(V)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩であり、または一般式(VI)
Figure 0003531170
[式中、X,Yは水素または塩素であり、ZはCH2、OまたはSを表す。また、一般式(VI)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩であり、または一般式(VII)
Figure 0003531170
[式中、X,Yは水素または塩素を表す。また、一般式(VII)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩である。これらκ受容体作動薬は一種のみならず数種を有効成分として使用され得る。
治療対象となる具体的なそう痒を伴う皮膚疾患としては、アトピー性皮膚炎、神経性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、自己感作性皮膚炎、毛虫皮膚炎、皮脂欠乏症、老人性皮膚そう痒、虫刺症、光線過敏症、蕁麻疹、痒疹、疱疹、膿痂疹、湿疹、白癬、苔癬、乾癬、疥癬、尋常性座瘡などが挙げられる。また、そう痒を伴う内臓疾患としては、悪性腫瘍、糖尿病、肝疾患、腎不全、腎透析、妊娠に起因するそう痒が特に対象として挙げられる。さらに、眼科や耳鼻咽喉科の疾患に伴うで痒みにも適用し得る。
本κ受容体作動薬の一般式(I)に示す化合物中、R1としては炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニル、アリル、炭素数1から5のフラン−2−イル−アルキル、炭素1から5のチオフェン−2−イル−アルキルが好ましく、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、アリル、ベンジル、フェネチル、フラン−2−イル−メチル、チオフェン−2−イル−メチルが好ましい。
R2としては、水素、ヒドロキシ、ニトロ、アセトキシ、メトキシ、メチル、エチル、プロピル、アミノ、ジメチルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノが好ましく、さらに水素、ヒドロキシ、ニトロ、アセトキシ、メトキシ、メチル、ジメチルアミノ、特に水素、ヒドロキシ、アセトキシ、メトキシが好ましい。
R3としては、水素、ヒドロキシ、アセトキシ、メトキシが好ましく、特にヒドロキシ、アセトキシ、メトキシが好ましい。
Aとしては、具体的には、−NR4C(=O)−、−NR4C(=S)−、−NR4C(=O)O−、−NR4C(=O)NR4−、−NR4C(=S)NR4−、−NR4C(=O)S−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−SC(=O)−、−NR4−、−O−、−NR4SO2−、−OSO2−が好ましく、特に−NR4C(=O)−、−NR4C(=S)−、−NR4C(=O)O−、−NR4C(=O)NR4−、−NR4C(=S)NR4−、−NR4SO2−が好ましい。あるいは、−XC(=Y)−(ここで、XはNR4、S、またはOを表し、YはOを表し、R4は水素または炭素数1から5のアルキルを表す)、−XC(=Y)Z−、−X−、または−XSO2−(ここで、XはNR4を表し、YはOまたはSを表し、ZはNR4またはOを表し、R4は水素または炭素数1から5のアルキルを表す)、さらには−XC(=Y)−または−XC(=Y)Z−(ここで、XはNR4を表し、YはOを表し、ZはOを表し、R4は炭素数1から5のアルキルを表す)が好ましい。中でも−XC(=Y)−(ここで、XはNR4を表し、YはOを表し、R4は炭素数1から5のアルキルを表す)が好ましい。
R4としては、水素、炭素数1から5の直鎖または分枝アルキルが好ましく、特に炭素1から5の直鎖または分枝アルキル、中でもメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチルが好ましい。
Bとしては、−(CH2)n−(n=0〜10)、−(CH2)n−C(=O)−(n=1〜4)、−CH=CH−(CH2)n−(n=0〜4)、−C≡C−(CH2)n−(n=0〜4)、−CH2−O−、−CH2−S−、−(CH2−O−CH2−、−CH=CH−CH=CH−(CH2)n−(n=0〜4)が好ましく、特に−(CH2)n−(n=1〜3)、−CH=CH−(CH2)n−(n=0〜4)、−C≡C−(CH2)n−(n=0〜4)、−CH2−O−、−CH2−S−が好適な例として挙げられる。中でも炭素数1から3の直鎖アルキレン、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、または−CH2S−がさらに好ましい。特に−CH=CH−または−C≡C−が好ましい。(もちろん、これら好ましい例には上述の各種置換基による置換、置き換えがあるものも含まれる。)
R5としては、水素または下記の基本骨格:
Figure 0003531170
のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)が好ましく、また上記R5の中でも水素、フェニル、チエニル、フラニル(ただしこれら有機基は炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)が好ましい。
より具体的な例としては水素、フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3,4−ジヒドロキシフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、パーフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2−アミノフェニル、3−アミノフェニル、4−アミノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2−フラニル、3−フラニル、2−チエニル、3−チエニル、シクロペンチル、シクロヘキシルが好ましいが、もちろんこれらに限られるものではない。
R6、R7としては、一緒になって−O−、−CH2−、−S−が好ましく、特に一緒になって−O−が好ましい。
R8としては、水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルカノイルが好ましく、中でも水素、メチル、エチル、プロピルが好適な例として挙げられ、特に水素が好ましい。
これら一般式(I)に示すκ受容体作動薬は、日本特許第2525552号に示される方法に従って製造することができる。
また、一般式(II)に示す化合物は、モルヒナン系の新規な4級アンモニウム塩誘導体で、オピオイドκ受容体作動薬である。式中、R1としては炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニル、アリルが好ましく、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチル、ベンジル、フェネチル、トランス−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、アリルが好ましい。さらに好適にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、ベンジル、フェネチル、アリルである。
R2としては水素、ヒドロキシ、ニトロ、アセトキシ、メトキシ、メチル、エチル、プロピルが好ましく、特に水素、ヒドロキシ、アセトキシ、メトキシが好ましい。
R3としては水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシが好ましく、特に水素、ヒドロキシ、アセトキシ、メトキシが好ましい。
R4としては、水素、炭素数1から5の直鎖または分岐アルキル、炭素数6から12のアリールが好ましく、特に炭素数1から5の直鎖または分岐アルキル、中でもメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルが好ましい。
Aとしては、炭素数1から6のアルキレン、−CH=CH−、−C≡C−が好ましく、中でも−CH=CH−、−C≡C−が好ましい。
R5としては、下記の基本骨格:
Figure 0003531170
のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)が好ましく、特にフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3,4−ジヒドロキシフェニル、3−フラニル、2−フラニル、3−チエニル、2−チエニル、シクロペンチル、シクロヘキシルが好ましいが、もちろんこれらに限られるものではない。
R6としては、炭素数1から5のアルキル、アリルが好ましく、特にメチルが好ましい。
薬理学的に好ましい対イオン付加塩X-としては、ヨウ化物イオン、臭素化物イオン、塩素化物イオン、メタンスルホナート等が好まれるが、もちろんこれらに限られるものではない。
一般式(II)の化合物の具体例を表1に示す。なお、一般式(II)の化合物は(+)体、(−)体、(±)体を包含する。
Figure 0003531170
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本発明の一般式(II)の化合物は、具体的には以下の方法によって得ることができる。
一般的にはチャート1に示すように、一般式(VIII)(R1、R2、R3、R4、R5およびAは一般式(II)の定義に同じ)で表される17位3級アミンをハロゲン化アルキル、メタンスルホン酸エステルなどのアルキル化剤で4級アンモニウム塩化することにより得ることができる。
Figure 0003531170
このアルキル化に用いる一般式(VIII)の17位3級アミン体は、日本特許第2525552号に示される方法に従って製造することができる。
一般式(VIII)の17位3級アミンを4級アンモニウム塩に転化するのに使用できるアルキル化剤は多数存在する。ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化アリル、メタンスルホン酸メチル、ジメチル硫酸は比較的、迅速に反応して4級アンモニウム塩を生成するので便利である。しかしながら、その他のアルキル化剤、例えば臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、臭化アリル、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチルおよび塩化アリルなどを用いてもよい。溶媒としては、メチレンクロリド、クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メタノール、エタノール、プロパノール、第3ブタノールまたはアセトンを単独あるいは混合して反応媒質として用いてよい。反応温度は、0℃〜溶媒の沸点、より好ましくは室温〜溶媒の沸点の温度で、1日間〜14日間、より好ましくは1日間〜10日間、封管あるいは常圧で行う。前記アルキル化剤は3級アミン1当量に対し1当量の割合で用いてもよく、あるいは例えば0.1当量〜5.0当量過剰あるいはそれ以上の過剰のアルキル化剤を用いてもよい。また、塩基として、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムを3級アミン1当量に対して1当量の割合で用いてもよく、あるいは例えば0.1当量〜5.0当量過剰あるいはそれ以上の過剰の塩基を用いてもよい。
また、一般式(III)に示す化合物は、新規なモルヒナン17位N−オキシド誘導体で、オピオイドκ受容体作動薬である。式中、R1としては炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニル、アリルが好ましく、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチル、ベンジル、フェネチル、トランス−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、アリルが好ましい。さらに好適にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、ベンジル、フェネチル、アリルが挙げられる。
R2としては水素、ヒドロキシ、ニトロ、アセトキシ、メトキシ、メチル、エチル、プロピルが好ましく、特に水素、ヒドロキシ、アセトキシ、メトキシが好ましい。
R3としては水素、ヒドロキシ、アセトキシ、メトキシが好ましい。
R4としては、水素、炭素数1から5の直鎖または分岐アルキル、フェニルが好ましく、特に炭素数1から5の直鎖または分岐アルキル、中でもメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルが好ましい。
Aとしては、炭素数1から6のアルキレン、−CH=CH−、−C≡C−が好ましく、中でも−CH=CH−、−C≡C−が好ましい。
R5としては、下記の基本骨格:
Figure 0003531170
のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)が好ましく、特にフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−フラニル、3−フラニル、シクロペンチル、シクロヘキシルが好ましいが、もちろんこれらに限られるものではない。
一般式(III)の化合物の具体例を表2に示す。なお、一般式(III)の化合物は(+)体、(−)体、(±)体を包含する。
Figure 0003531170
Figure 0003531170
Figure 0003531170
Figure 0003531170
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本発明の一般式(III)で示される化合物は具体的には以下の方法で得ることができる。
一般的にはチャート2に示すように、一般式(IX)(R1、R2、R3、R4、R5およびAは一般式(III)の定義に同じ)で表される17位3級アミンを、m−クロロ過安息香酸、過蟻酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸、過マレイン酸および過フタル酸などの有機過酸で酸化することにより得ることができるがこれらに限られるものではない。
Figure 0003531170
この酸化に用いる17位3級アミン体(IX)は、日本特許第2525552号に示される方法に従って製造することができる。17位3級アミン体(IX)を3級アミンN−オキシド体(III)に転化するのに使用できる酸化剤は多数存在する。m−クロロ過安息香酸は一般的に迅速に反応してN−オキシドを生成するので便利である。しかしながら、その他の有機過酸、例えば過蟻酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸、過マレイン酸および過フタール酸などを用いてもよい。あるいはまた、3級アミンを酸、例えば蟻酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸に溶解し、そして3%〜50%濃度、好ましくは30%〜50%濃度の水性過酸化水素を添加することにより酸化剤を反応系内で生成させてもよい。溶媒としては、ハロゲン系溶媒、例えばメチレンクロリド、クロロホルム、または1,2−ジクロロエタン、あるいは芳香族系溶媒、例えばベンゼンまたはトルエン、あるいはエーテル系溶媒、例えばジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン、あるいはアルコール系溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、または第3ブタノールを反応媒質として用いてもよく、あるいは、酸化剤を反応系内で生成させる場合には、その酸を所望により反応媒質として用いてもよい。
前述の如き有機過酸を用いる代わりに、過酸化水素などの過酸化物を用いてもよい。水性過酸化水素を単独で3%〜50%の濃度で用いてもよく、あるいは、それを前掲の例の如き溶媒中で用いてもよい。使用し得るその他の酸化剤には、オゾン、第3ブチルヒドロペルオキシド、およびクメンヒドロペルオキシドが含まれる。
一般に、酸化剤は0℃〜溶媒の沸点、より特定的には室温〜溶媒の沸点の温度で、数分〜3日間、より特定的には1時間〜24時間用いられる。前記過酸化物は3級アミン1当量に対し過酸化物1当量の割合で用いてもよく、あるいは例えば10%〜100%過剰あるいはそれ以上の過剰の過酸化物を用いてもよい。反応終了時に過剰の過酸化物が存在している場合(ヨウ素・殿粉紙により極めて容易に検出される)には、無機還元剤例えば重亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸ナトリウム、金属触媒例えば炭素またはアルミナに担持した5%白金またはパラジウム、または有機還元剤、例えばジメチルスルフィドを添加することにより処理することができる。
3級アミンオキシドの製造に使用できるその他の酸化剤としては、溶媒(例えばクロロホルム、メチレンクロリド、フレオンまたはメタノール)中のオゾン、シリカゲルに吸着したオゾン、および所望により触媒例えばバナジウム化合物の存在下でのヒドロペルオキシド、例えば第3ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。
コストが重要となる場合、例えば工業規模で製造する場合、好ましい反応剤は第3ブタノールを溶媒とする30%〜50%水性過酸化水素である。例えば数kgのモルヒナン誘導体(一般式(IX))は、それを沸騰第3ブタノール中の50%水性過酸化水素と2.5時間反応させることによりモルヒナン−N−オキシド誘導体(一般式(III))に酸化することができる。
また、本κ受容体作動薬の一般式(IV)に示す化合物の中では、トランス−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−メチル−N−[2−(1−ピロリジニル)シクロヘキシル]アセタミド、トランス−N−メチル−N−[2−(1−ピロリジニル)シクロヘキシル]ベンゾ[b]チオフェン−4−アセタミド、(5β,7β,8α)−3,4−ジクロロ−N−メチル−N−[7−(1−ピロリジニル)−1−オキサスピロ[4,5]デク−8−イル]ベンゼンアセタミド、(5β,7β,8α)−N−メチル−N−[7−(1−ピロリジニル)−1−オキサスピロ[4,5]デク−8−イル]ベンゾ[b]フラン−4−アセタミド、(5β,7β,8α)−N−メチル−N−[7−(1−ピロリジニル)−1−オキサスピロ[4,5]デク−8−イル]ベンゼンアセタミドが好ましい。これら一般式(IV)に示すκ受容体作動薬は、J.Szmuszkovicz et al.,J.Med.Chem.,25,1125(1982)、D.C.Horwell et al.,U.S.Patent Appl.558737(1983)、J.Szmuszkovicz et al.,Eur.Patent Appl.EP126612(1984)、P.R.Halfpenny,D.C.Horwell et al.,J.Med.Chem.,33,286(1990)に示される方法に従って製造することができる。
本κ受容体作動薬の一般式(V)に示す化合物の中では、メチル 4−[(3,4−ジクロロフェニル)アセチル]−3−[(1−ピロリジニル)メチル]−1−ピペラジンカルボキシレート、1−[(4−トリフルオロメチルフェニル)アセチル]−2−[(1−ピロリジニル)メチル]ピペリジン、1−[(3,4−ジクロロフェニル)アセチル]−2−[(1−ピロリジニル)メチル]ピペリジン、1−[(3,4−ジクロロフェニル)アセチル]−4,4−エチレンジオキシ−2−[(1−ピロリジニル)メチル]ピペリジンが好ましい。これら一般式(V)に示すκ受容体作動薬はA.Naylor et al.,J.Med.Chem.,36,2075(1993)、V.Vecchietti et al.,J.Med.Chem.,34,397(1991)、ibid.Eur.Patent Appl.EP232,612(1987),EP260,041(1988),EP275,696(1988)、D.I.C.Scopes et al.,J.Med.Chem.,35,490(1992)に示される方法に従って製造することができる。
本κ受容体作動薬の一般式(VI)に示す化合物の中では、3−(1−ピロリジニルメチル)−4−[5,6−ジクロロ−1−インダンカルボニル]−テトラヒドロ−1,4−チアジンが好ましい。これら一般式(VI)に示すκ受容体作動薬は、WO 94/05646に示される方法に従って製造することができる。
本κ受容体作動薬の一般式(VIII)に示す化合物の中では、2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−メチル−N−[1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)エチル]アセタミドが好ましい。これら一般式(VII)に示すκ受容体作動薬は、J.J.Barlow et al.,J.Med.Chem.,34,3149(1991)に示される方法に従って製造することができる。
上記κ受容体作動薬の中で、一般式(I)、(III)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)で表される物質に対する薬理学的に好ましい酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、グルタル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩等の有機カルボン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンセンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等の有機スルホン酸塩等があげられ、中でも塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩等が好まれるが、もちろんこれらに限られるものではない。
これらκ受容体作動薬は、医薬品用途にまで純化され、必要な安全性試験に合格した後、そのまま、または公知の薬理学的に許容される酸、担体、賦形剤などと混合した医薬組成物として、経口または非経口的に投与することができる。
経口剤として錠剤やカプセル剤も用いるが、皮膚疾患治療用としては外用剤が好ましい。外用剤としては、油脂(好ましくは植物油、動物油、臘、脂肪酸、脂肪アルコール、鉱油、テレビン油、ワセリン等)、溶媒(好ましくは水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、エーテル等)、保存剤(好ましくはパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、プロピレングリコール、クロロブタノール、ベンジルアルコール、エタノール等)、安定剤(好ましくはトコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸塩、エデト酸二ナトリウム等)、陰イオン性界面活性剤(好ましくはカリ石鹸、薬用石鹸、ウンデシレン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸アルミニウム、リノール酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等)、非イオン性界面活性剤(好ましくはモノステアリン酸グリセリル、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40、マクロゴール類、ラウロマクロゴール、ポリオキシエチレン160ポリオキシプロピレン30グリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類等)、陽イオン性界面活性剤(好ましくは塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等)、粉末類(好ましくは酸化亜鉛、亜鉛華デンプン、カオリン、次硝酸ビスマス、酸化チタン、二酸化チタン、イオウ、無水ケイ酸、タルク等)、保存剤(好ましくはパラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、p−クロロ−m−キシレノール、Irgasan,ヘキサクロロフェン等)、乳化剤(好ましくはアラビアゴム末、トラガント末、ベントナイト、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース等)、湿潤剤(好ましくはグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ポリピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、キチン誘導体、尿素、アミノ酸、糖アミノ酸等)を混合してベースとし、軟膏剤、クリーム剤、湿布剤、塗布剤、貼付剤等を調製するほか、外用液剤として用いることもできる。また、眼科用途としては点眼剤としても調製し得る。
医薬組成物中のκ受容体作動薬の含量は特に限定されないが、経口剤では1服用あたり通常0.1μg〜1000mg、外用剤では1回塗布あたり通常0.001ng/m2〜10mg/m2となるように調製される。
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。ただし、下記実施例は例示のためにのみ記載するものであり、いかなる意味においてもこれに限定されない。
実施例1
17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−17−メチル−6β−(N−メチル−トランス−3−(3−フリル)アクリルアミド)モルヒナニウム・ヨウ化物塩1
Figure 0003531170
17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−(N−メチル−トランス−3−(3−フリル)アクリルアミド)モルヒナン2.0699g(4.3mmol)、酢酸エチル60ml、メタノール6ml、ヨウ化メチル1.3mlを封管容器に加え、100℃、封管下4日間撹拌した。反応溶液にメタノール60mlを加え、析出した固体を溶解後、濃縮し、得られた残渣に蒸留水400mlを加えた。この水溶液をクロロホルム(100ml×7)で洗浄後、水層を濃縮し得られた残渣を酢酸エチル−メタノールで再結晶し、得られた結晶を蒸留水500mlで溶解した。この水溶液をクロロホルム(100ml×3)で洗浄後、水層を濃縮し得られた残渣をメタノールで3回の再結晶をおこない、表題の化合物102mgが得られた。
mp 202.40−207.9℃(分解)
NMR(500MHz,DMSO−d6)
δ 0.38(1H,m),0.60(1H,m),0.70(1H,m),0.78(1H,m),1.23(1.4H,m),1.32(0.6H,m),1.40−1.62(2H,m),1.73(1H,m),1.97−2.22(1H,m),2.63(1H,m),2.75(1H,m),2.84−2.95(1H,m),2.87(1.8H,s),3.02−3.20(1H,m),3.10(1.2H,s),3.22−3.35(1H,m),3.44−3.70(1.6H,m),3.58(3H,s),3.85(2H,m),4.18(0.4H,m),4.80(0.6H,d,J=7.8Hz),4.88(0.4H,d,J=8.3Hz),5.86(0.4H,br s),5.93(0.6H,br s),6.36(0.6H,d,J=15.6Hz),6.63(0.6H,s),6.71(1H,s),6.77(0.4H,d,J=8.3Hz),6.84(0.6H,d,J=7.8Hz),6.89(0.4H,d,J=15.1Hz),6.99(0.4H,s),7.23(0.6H,d,J=15.6Hz),7.36(0.4H,d,J=15.1Hz),7.66(0.6H,s),7.72(0.4H,s),7.92(0.6H,s),8.03(0.4H,s),9.33(0.4H,s),9.72(0.6H,s).
IR(KBr)
ν3460,1649,1595,1454,1410,1321,1158,1139,596cm-1.
Mass(FAB)
m/z 491(M+H)+.
元素分析値 C29H35N2O5I1・0.5H2Oとして
計算値:C,55.51;H,5.78;N,4.46;I,20.22.
実測値:C,55.50;H,5.86;N,4.45;I,20.23.
実施例2
17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−17−メチル−6β−(N−メチル−3−メトキシシンナムアミド)モルヒナニウム・ヨウ化物塩2
Figure 0003531170
17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−(N−メチル−3−メトキシシンナムアミド)モルヒナン2.0014g(3.9mmol)、テトラヒドロフラン40ml、ヨウ化メチル1.3mlを封管容器に加え、100℃、封管下8日間撹拌した。反応溶液にメタノール60mlを加え、析出した固体を溶解後、濃縮し、得られた残渣をクロロホルム−メタノール混合液120mlで溶解し、蒸留水200ml×3で抽出した。水層を濃縮し得られた残渣をメタノール−蒸留水で4回の再結晶をおこない、表題の化合物295mgが得られた。
mp 176.0−183.0℃(分解)
NMR(600MHz,DMSO−d6)
δ 0.37(1H,m),0.60(1H,m),0.70(1H,m),0.77(1H,m),1.23(1.4H,m),1.35(0.6H,m),1.43−1.63(2H,m),1.74(1H,m),2.02−2.22(1H,m),2.62(1H,m),2.75(1H,m),2.83−2.96(1H,m),2.90(1.8H,s),3.04−3.19(1H,m),3.15(1.2H,s),3.23−3.35(1H,m),3.50(0.6H,s),3.53(0.4H,s),3.59(3H,s),3.68(0.6H,m),3.78(1.8H,s),3.80(1.2H,s),3.85(2H,m),4.21(0.4H,m),4.82(0.6H,d,J=7.9Hz),4.89(0.4H,d,J=8.2Hz),5.87(0.4H,br s),5.94(0.6H,br s),6.63(0.6H,d,J=15.0Hz),6.72(0.8H,s),6.76(0.6H,d,J=8.2Hz),6.81(0.6H,d,J=8.2Hz),6.92(0.6H,dd,J=8.2 and 2.1Hz),6.96(0.4H,dd,J=8.2 and 2.1Hz),7.00(0.6H,m),7.09(0.6H,d,J=7.6Hz),7.17(0.4H,d,J=15.3Hz),7.24−7.30(2H,m),7.33(0.4H,t,J=7.9Hz),7.42(0.4H,d,J=15.3Hz),9.35(0.4H,s),9.63(0.6H,s).
IR(KBr)
ν3410,1642,1595,1491,1460,1410,1321,1274,857,793cm-1.
Mass(FAB)
m/z 531(M+H)+.
元素分析値 C32H39N2O5・I1・0.3H2Oとして
計算値:C,57.89;H,6.01;N,4.22;I,19.11.
実測値:C,57.80;H,5.86;N,4.22;I,19.14.
実施例3
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒドロキシ−6β−[N−メチル−トランス−3−(3−フリル)アクリルアミド]モルヒナン−N−オキシド3
Figure 0003531170
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒドロキシ−6β−[N−メチル−トランス−3−(3−フリル)アクリルアミド]モルヒナン600mg(1.26mmol)をテトラヒドロフラン30mlに溶解し、この溶液に0℃にてm−クロロ安息香酸348mgをテトラヒドロフラン8mlに溶解した溶液を15分間かけて少量ずつ滴下した。滴下終了後、この反応溶液を室温で約1時間30分撹拌した後、クロロホルム/メタノール=(4:1)混合液を加え、反応溶液中に析出した固体を溶解した。この溶液を濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー[塩基性アルミナ20g:クロロホルム/メタノール(10:0→10:1)]で精製後、酢酸エチル−メタノールで再結晶し、表題の化合物473mg(収率:76%)が得られた。
mp 238−239.8℃(分解)
NMR(600MHz,CDCl3
δ 0.38(1H,m),0.45(1H,m),0.76(2H,m),1.34(1H,m),1.46(1H,m),1.61(2H,m),1.76(1H,m),2.25(0.2H,m),2.42(0.8H,m),2.90−3.03(1H,m),3.05(2.4H,s),3.06−3.22(4.6H,m),3.41(2H,m),3.72(0.8H,m),3.79(1H,m),4.58(0.2H,m),4.67(0.8H,d,J=7.0Hz),4.75(0.2H,d,J=7.0Hz),6.35(0.8H,d,J=15.3Hz),6.59(0.2H,d,J=8.2Hz),6.61(0.2H,d,J=15.3Hz),6.64(0.8H,d,J=8.2Hz),6.68(0.8H,s),6.83(0.2H,d,J=8.2Hz),6.91(0.8H,d,J=8.2Hz),7.32(0.8H,d,J=15.3Hz),7.33(1H,s),7.38(0.8H,s),7.43(0.2H,s),7.55(0.2H,d,J=15.3Hz),7.62(0.2H,s),9.49(1H,br s),12.12(1H,br s).
IR(KBr)
ν 3420,1653,1605,1504,1408,1321,1160,872cm-1.
Mass(FAB)
m/z 493(M+H)+.
元素分析値 C28H32N2O6・0.2AcOEtとして
計算値:C,67.80;H,6.64;N,5.49.
実測値:C,67.80;H,6.67;N,5.65.
実施例4
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒドロキシ−6β−(N−メチル−3−メトキシシンナムアミド)モルヒナン−N−オキシド4
Figure 0003531170
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒドロキシ−6β−(N−メチル−3−メトキシシンナムアミド)モルヒナン405mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、0℃にてm−クロロ安息香酸225mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解した溶液を10分間かけて少量ずつ滴下した。滴下終了後、この反応溶液を室温で約40分撹拌した後、反応溶液を濃縮し、残渣を塩基性アルミナ20gを用いてカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/メタノールで再結晶し、表題の化合物329mg(収率:79%)を得た。
mp 234−236.8℃(分解)
NMR(600MHz,CDCl3
δ 0.35(1H,m),0.42(1H,m),0.74(2H,m),1.34(1H,m),1.45(1H,m),1.61(2H,m),1.72(1H,m),1.81(2H,m),2.24(0.3H,m),2.41(0.7H,m),2.86−2.97(1H,m),2.97−3.14(2H,m),3.06(2.1H,s),3.15(0.9H,s),3.32−3.44(2H,m),3.70−3.80(1.7H,m),3.83(3H,s),4.62(0.3H,m),4.70(1H,d,J=7.9Hz),6.57−6.68(0.7H,m),6.58(0.3H,d,J=7.9Hz),6.62(0.7H,d,J=8.2Hz),6.77(0.7H,dd,J=8.2 and 2.1Hz),6.82(0.3H,d,J=8.2Hz),6.84(0.7H,d,J=8.2Hz),6.86(1H,d,J=15.6Hz),6.91(0.3H,dd,J=8.2 and 2.1Hz),6.94(0.7H,d,J=7.3Hz),7.03(0.3H,s),7.11(0.3H,d,J=7.6Hz),7.15(0.7H,t,J=7.9Hz),7.29(0.3H,t,J=7.9Hz),7.40(0.7H,d,J=15.6Hz),7.62(0.3H,d,J=15.3Hz),9.00(1H,br s),12.15(1H,br s).
IR(KBr)
ν 3420,1647,1593,1495,1408,1321,1160,917,855cm-1.
Mass(FAB)
m/z 533(M+H)+.
元素分析値 C31H36N2O6・0.3H2Oとして
計算値:C,69.20;H,6.86;N,5.21.
実測値:C,69.11;H,6.87;N,5.21.
実施例5
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒドロキシ−6β−[N−メチル−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオルアミド]モルヒナン−N−オキシド5
Figure 0003531170
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒドロキシ−6β−[N−メチル−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオルアミド]モルヒナン413mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、0℃にてm−クロロ安息香酸205mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解した溶液を15分間かけて少量ずつ滴下した。滴下終了後、この反応溶液を室温で約1時間撹拌した後、反応溶液を濃縮し、残渣を塩基性アルミナ20gを用いてカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/メタノールで再結晶、濾取、真空乾燥後、表題の化合物304mg(収率:74%)を得た。
mp 205−208℃(分解)
NMR(600MHz,CDCl3
δ 0.37(1H,m),0.44(1H,m),0.76(2H,m),1.35(0.2H,m),1.47(1.8H,m),1.62(2H,m),1.75(0.2H,m),1.82(0.8H,m),2.27(0.2H,m),2.42(0.8H,m),2.92(0.8H,m),2.99(0.2H,m),3.02−3.12(2H,m),3.05(2.4H,s),3.12−3.22(2H,m),3.31(0.6H,s),3.40(2H,m),3.79(1H,m),4.22(0.8H,m),4.50(0.2H,m),4.74(0.8H,d,J=7.9Hz),4.76(0.2H,d,J=7.9Hz),6.00−7.20(1H,br s),6.56−6.64(1.8H,m),6.83(0.2H,d,J=7.9Hz),7.40(1.6H,d,J=7.9Hz),7.55(1.6H,d,J=8.2Hz),7.64(0.4H,d,J=8.5Hz),7.66(0.4H,d,J=8.5Hz),12.22(1H,br s).
IR(KBr)
ν 3420,2224,1615,1506,1408,1325,1170,1129,1067cm-1.
Mass(FAB)
m/z 569(M+H)+.
元素分析値 C31H31N2O5F3・0.2C6H12・0.1AcOEtとして
計算値:C,65.89;H,5.80;N,4.71;F,9.59.
実測値:C,65.71;H,5.86;N,4.73;F,9.52.
実施例6
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒドロキシ−6β−[N−メチル−3−(3−メチルフェニル)プロピオルアミド]モルヒナン−N−オキシド6
Figure 0003531170
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14β−ジヒドロキシ−6β−[N−メチル−3−(3−メチルフェニル)プロピオルアミド]モルヒナン408mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、0℃にてm−クロロ安息香酸224mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解した溶液を15分間かけて少量ずつ滴下した。滴下終了後、この反応溶液を室温で約1時間撹拌した後、反応溶液を濃縮し、残渣を塩基性アルミナ20gを用いてカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/メタノールで再結晶、濾取、真空乾燥後、表題の化合物269mg(収率:64%)を得た。
mp 192.0−202.0℃(分解)
NMR(600MHz,CDCl3
δ 0.37(1H,m),0.44(1H,m),0.75(2H,m),1.35(0.3H,m),1.40−1.53(1.7H,m),1.54−1.66(2H,m),1.68−1.85(2H,m),2.20−2.32(0.3H,m),2.31(2.1H,s),2.36(0.9H,s),2.36−2.45(0.7H,m),2.86−3.00(1H,m),3.00−3.22(3H,m),3.03(2.1H,s),3.31(0.9H,s),3.34−3.46(2H,m),3.77(0.3H,m),3.79(0.7H,m),4.30(0.7H,m),4.50(0.3H,m),4.73(0.7H,d,J=8.2Hz),4.75(0.3H,d,J=8.5Hz),6.20−7.20(1H,br s),6.59(0.3H,d,J=8.2Hz),6.60(0.7H,d,J=8.2Hz),6.63(0.7H,d,J=8.2Hz),6.82(0.3H,d,J=8.2Hz),7.04(0.7H,s),7.08(0.7H,d,J=6.1Hz),7.13−7.20(1.4H,m),7.23(0.3H,d,J=7.6Hz),7.26(0.3H,t,J=7.3Hz),7.35(0.3H,d,J=7.6Hz),7.37(0.3H,s),12.22(1H,br s).
IR(KBr)
ν 3410,2218,1622,1489,1439,1408,1377,1321,1125,1033,915,690cm-1.
Mass(FAB)
m/z 515(M+H)+.
元素分析値 C31H34N2O5:0.5H2Oとして
計算値:C,71.11;H,6.74;N,5.35.
実測値:C,71.16;H,6.73;N,5.37.
実施例7
モルモット回腸摘出標本を用いるオピオイド活性試験
Hartley系の雄性モルモットを使用した。モルモットを撲殺後、回腸を摘出し、栄養液で管空内を洗浄し、縦走筋のみを剥離した。この縦走筋を37℃に保温したKrebes−Henseleit溶液(NaCl135mM;KCl4.8mM;CaCl23.4mM;KH2PO41.2mM;NaHCO38.3mM;MgSO42.5mM;Glucose11mM)を満たし、5%二酸化炭素、95%酸素を通気したマグヌス管に懸垂した。電気刺激は上下の輪型の白金電極を介して、0.1Hz、0.5msで行なった。組織収縮はIsomeric tranceducerを用いてポリグラフ上に記録した。
μ拮抗薬であるナロキソンまたはκ拮抗薬であるnor−BNIの存在あるいは非存在下、電気刺激による標本の収縮を50%抑制する濃度まで被験薬を累積的に添加し、各々IC50値を算出した。拮抗薬存在時および非存在時の効力差からKe値を以下の計算式で算出した。
Ke=[添加した拮抗薬濃度]/(IC50比−1)
IC50比=拮抗薬存在時のIC50/拮抗薬非存在時のIC50
被験薬として化合物1,2,3,4,5,6を用いた結果、表3に示すようにKe値(μ)、Ke値(κ)の比をとると、Ke(μ)/Ke(κ)=182〜∞となり、本発明の化合物はκ受容体に選択的な作動薬であることが示された。
Figure 0003531170
実施例8
マウス輸精管摘出標本を用いるオピオイド活性試験
ddY系雄性マウスを実験に供した。37℃に保温したKrebes−Henseleit溶液(NaCl120.7nM;KCl5.9mM;CaCl22.5mM;NaH2PO41.2mM;NaHCO315.5mM;Glucose11.5mM)を満たし、5%二酸化炭素、95%酸素を通気したマグヌス管に、動物より摘出した輸精管を懸垂した。電気刺激は上下の輪型の白金電極を介して0.1Hz、1.0msで行った。組織収縮はIsometric transducerを用いてポリグラフ上に記録した。
μ拮抗薬であるナロキソン、またはδ拮抗薬であるNTI、またはκ拮抗薬であるnor−BNIの存在あるいは非存在下、電気刺激による標本の収縮を50%抑制する濃度まで被験薬を累積的に添加し、各々IC50値を算出した。拮抗薬存在時および非存在時の効力差からKe値を以下の計算式で算出した。
Ke=[添加した拮抗薬濃度]/(IC50比−1)
IC50比=拮抗薬存在時のIC50値/拮抗薬非存在時のIC50
被験薬として化合物1,2,3,4,5,6を用いた結果、表4に示すようにKe値(μ)、Ke値(κ)およびKe値(δ)、Ke値(κ)の比をとると、Ke(μ)/Ke(κ)=18〜∞,Ke(δ)/Ke(κ)=15〜∞となり、本発明の化合物はκ受容体に選択的な作動薬であることが示された。
Figure 0003531170
実施例9
選択的なκ受容体作動性オピオイド化合物である(−)−17−(シクロプロピルメチル)−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−メチル−トランス−3−(3−フリル)アクリルアミド]モルヒナン塩酸塩7
Figure 0003531170
を生理食塩水に溶解し、40μg/ml濃度の水溶液を調製した。この水溶液を成人男子下肢に生じた蕁麻疹の発赤部位3か所に、薬物濃度0.2μg/cm2で塗布した。
その結果、塗布前、中等度の痒み(グレードとして++と設定)を感じていたが、塗布5分で痒みを全く感じなくなった(グレードとして−と設定)。痒みのない状態は約5時間持続した。
実施例10
女性アトピー性皮膚炎患者の腕および脚で強い痒み(グレードとして+++と設定)を感じる皮膚表面病巣に化合物7水溶液を塗布した。塗布部位は5ヶ所で、10cm2に約50μl溶液で、塗布薬物濃度は0.2μg/cm2であった。また比較として、インドメタシン・クリーム(薬物濃度7.5mg/g)を同様に75μg/cm2で塗布した。
その結果、表5のように、全塗布部分において、化合物7水溶液では塗布後5分で痒みは完全になくなり、強力な止痒作用を有することが判明した。また、痒みのない状態は少なくとも3時間は持続した。一方、インドメタシン・クリームでは痒みが残る感じがあり、止痒作用は化合物7の方が優れていることが判明した。
Figure 0003531170
実施例11
κ受容体拮抗薬であるnor−BNIをDDY系マウスの背頚部皮下に投与し、その際に生じる痒みに由来する引っ掻き回数を、κ受容体作動薬が抑制するか否かを検討した。尚、nor−BNIの代わりにpH4〜6に調整した緩衝液をマウス背頚部に皮下投与した場合、引っ掻き行動を示さないことを確認している。
選択的なκ受容体作動性オピオイド化合物であるトランス−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−メチル−N−[2−(1−ピロリジニル)シクロヘキシル]アセタミド(U−50488Hと呼称)を生理食塩水に溶解し、この水溶液をマウスの腹空内に1,3,および10mg/kgの用量で投与し、投与30分後、痒み誘発作用を有するnor−BNIの0.1%溶液を背頚部皮下に0.1ml/10g(体重)の割合で投与した。nor−BNI投与後60分間の引っ掻き回数を調査した。
また、比較対照薬として抗ヒスタミン薬であるクロルフェニラミンを生理食塩水に溶解し、この水溶液をマウスの腹空内に0.3,1.0,および3.0mg/kgの用量で投与し、投与30分後、nor−BNIを同様に背頚部皮下に投与した。nor−BNI投与後60分間の引っ掻き回数を調査した。さらに対照群として生理食塩水投与群を設けnor−BNI投与後60分間の引っ掻き回数を調査した。上記試験は、全て1群10匹で実施した。
その結果、図1に示すように、生理食塩水投与群ではnor−BNIによる顕著な引っ掻き回数を示すが、U−50488H投与群では、nor−BNI投与による引っ掻き回数を有意に減少し、強力な止痒作用を有することが判明した。一方、クロルフェニラミン投与群でも、引っ掻き回数は減少したが、減少程度は弱く、止痒作用はU−50488Hの方が優れていることが判明した。
実施例12
ddY系雄性マウスを日本SLCより4週齢で入荷し、予備飼育をした後5週齢で使用した。実験の前日にマウスの吻側背部をバリカンを用いて除毛した。各化合物は10%DMSOに溶解した。被験薬物あるいは溶媒のいずれかをマウスの吻側背部皮下に投与し、その30分後に生理食塩水に溶解したCompound48/80(100μg/site)を50μLの用量で除毛部位に皮内投与した。その後直ちに観察用ケージ(10x7x16cm)に入れ、以後30分間の行動を無人環境下にビデオカメラで撮影した。ビデオテープを再生し、マウスが後肢でCompound48/80投与部位の近傍を引っかく行動の回数をカウントした。1群8匹から10匹で実験を行った。
各被検化合物による引っかき行動の抑制率は下式で計算した。引っかき行動を減らす作用をもって被験化合物の止痒効果の指標とした。
引っかき行動抑制率(%)={1−(A−C/B−C)}x100
A=被験薬物投与群の平均引っかき行動回数
B=被験薬物の代わりに溶媒を投与した群の平均引っかき行動回数
C=起痒剤の代わりに溶媒を投与した群の平均引っかき行動回数
被験化合物として、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−17−メチル−6β−(N−メチル−3−メトキシシンナムアミド)モルヒナニウム・ヨウ化物塩2、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−メチル−トランス−3−(3−フリル)アクリルアミド]モルヒナン−N−オキシド3、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−メチル−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオルアミド]モルヒナン−N−オキシド5、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−メチル−3−(3−メチルフェニル)プロピオルアミド]モルヒナン−N−オキシド6、17−(シクロプロピルメチル)−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−メチル−トランス−3−(3−フリル)アクリルアミド]モルヒナン塩酸塩7、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−(N−メチル−3−メトキシシンナムアミド)モルヒナン・酒石酸塩8、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−(1,4−ジオキソ−4−メトキシ−トランス−2−ブテニル)−N−メチル]モルヒナン・メタンスルホン酸塩9、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−(N−メチル−3,4−ジクロロフェニルアセタミド)モルヒナン・塩酸塩10、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−(N−メチルシンナムアミド)モルヒナン・塩酸塩11、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α−(N−メチル−N'−ベンジルウレイド)モルヒナン・酒石酸塩12、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−(N−メチルベンジルオキシカルバミド)モルヒナン・塩酸塩13、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−(ベンジルオキシカルバミド)モルヒナン・塩酸塩14、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6α−(N−メチルフェニルメタンスルホンアミド)モルヒナン・塩酸塩15、17−(シクロプロピルメチル)−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−メチル−トランス−3−(4−ブロモ−2−チオフリル)アクリルアミド]モルヒナン・臭化水素酸塩16、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−メチル−3−(フェニル)プロピオルアミド]モルヒナン・塩酸塩17、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−メチル−3−(3−メチルフェニル)プロピオルアミド]モルヒナン・塩酸塩18、17−シクロプロピルメチル−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−メチル−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピオルアミド]モルヒナン・塩酸塩19、2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−メチル−N−[1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)エチル]アセタミド・塩酸塩20、3−(1−ピロリジニルメチル)−4−[5,6−ジクロロ−1−インダンカルボニル]−テトラヒドロ−1,4−チアジン・塩酸塩21、トランス−N−メチル−N−[2−(1−ピロリジニル)シクロヘキシル]ベンゾ[b]チオフェン−4−アセタミド・塩酸塩22、(5β,7β,8α)−N−メチル−N−[7−(1−ピロリジニル)−1−オキサスピロ[4,5]デク−8−イル]ベンゾ[b]フラン−4−アセタミド・塩酸塩23を用いた。
Figure 0003531170
Figure 0003531170
結果を表6にまとめる。試験に用いた化合物は用いた用量で止痒効果を示した。
Figure 0003531170
産業上の利用可能性
本発明の止痒剤は、オピオイドκ受容体作動薬を有効成分とすることを特徴とし、各種の痒みを伴う皮膚疾患、例えばアトピー性皮膚炎、神経性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、自己感作性皮膚炎、毛虫皮膚炎、皮脂欠乏症、老人性皮膚そう痒、虫刺症、光線過敏症、蕁麻疹、痒疹、疱疹、膿痂疹、湿疹、白癬、苔癬、乾癬、疥癬、尋常性座瘡など、および、痒みを伴う内臓疾患、例えば悪性腫瘍、糖尿病、肝疾患、腎不全、腎透析、妊娠などの痒みの治療に有用である。

Claims (36)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0003531170
    [式中、
    Figure 0003531170
    は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニル、アリル、炭素数1から5のフラン−2−イルアルキルまたは炭素数1から5のチオフェン−2−イルアルキルを表し、R2は水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルキルまたは−NR9R10を表し、R9は水素または炭素数1から5のアルキルを表し、R10は水素、炭素数1から5のアルキルまたは−C(=O)R11−を表し、R11は、水素、フェニルまたは炭素数1から5のアルキルを表し、R3は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシまたは炭素数1から5のアルコキシを表し、Aは−XC(=Y)−、−XC(=Y)Z−、−X−または−XSO2−(ここでX、Y、Zは各々独立してNR4、SまたはOを表し、R4は水素、炭素数1から5の直鎖もしくは分岐アルキルまたは炭素数6から12のアリールを表し、式中R4は同一または異なっていてもよい)を表し、Bは原子価結合、炭素数1から14の直鎖または分岐アルキレン(ただし炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチルおよびフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよく、1から3個のメチレン基がカルボニル基でおきかわっていてもよい)、2重結合および/または3重結合を1から3個含む炭素数2から14の直鎖もしくは分岐の非環状不飽和炭化水素(ただし炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチルおよびフェノキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよく、1から3個のメチレン基がカルボニル基でおきかわっていてもよい)、またはチオエーテル結合、エーテル結合および/もしくはアミノ結合を1から5個含む炭素数1から14の直鎖もしくは分岐の飽和もしくは不飽和炭化水素(ただしヘテロ原子は直接Aに結合することはなく、1から3個のメチレン基がカルボニル基でおきかわっていてもよい)を表し、R5は水素または下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)を表し、R6は水素、R7は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、もしくは、R6とR7は一緒になって−O−、−CH2−、−S−を表し、R8は水素、炭素数1から5のアルキルまたは炭素数1から5のアルカノイルを表す。また、一般式(I)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物を有効成分とする止痒剤。
  2. 前記一般式(I)において、R1がメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、アリル、ベンジルまたはフェネチルであり、R2、R3が各々独立して水素、ヒドロキシ、アセトキシまたはメトキシであり、Aが−XC(=Y)−(ここで、XはNR4、S、またはOを表し、YはOを表し、R4は水素または炭素数1から5のアルキルを表す)、−XC(=Y)Z−、−X−または−XSO2−(ここで、XはNR4を表し、YはOまたはSを表し、ZはNR4またはOを表し、R4は水素または炭素数1から5のアルキルを表す)であり、Bが炭素数1から3の直鎖アルキレンであり、R6とR7とは一緒になって−O−であり、R8が水素であるものである請求項1記載の止痒剤。
  3. 前記一般式(I)において、Aが−XC(=Y)−または−XC(=Y)Z−(ここで、XはNR4を表し、YはOを表し、ZはOを表し、R4は炭素数1から5のアルキルを表す)であるものである請求項2記載の止痒剤。
  4. 前記一般式(I)において、R2が水素または下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)で表されるものである請求項2記載の止痒剤。
  5. 前記一般式(I)において、Aが−XC(=Y)−または−XC(=Y)Z−(ここで、XはNR4を表し、YはOを表し、ZはOを表し、R4は炭素数1から5のアルキルを表す)で表されるものである請求項4記載の止痒剤。
  6. 前記一般式(I)において、R1がメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、アリル、ベンジルまたはフェネチルであり、R2およびR3が各々独立して水素、ヒドロキシ、アセトキシまたはメトキシであり、Aが−XC(=Y)−(ここで、XはNR4を表し、YはOを表し、R4は炭素数1から5のアルキルを表す)であり、Bが−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、または−CH2S−であり、R6とR7が一緒になって−O−であり、R8が水素であるものである請求項1記載の止痒剤。
  7. 前記一般式(I)において、R5が水素または下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)で表されるものである請求項6記載の止痒剤。
  8. 前記一般式(I)において、Bが−CH=CH−または−C≡C−のものである請求項6記載の止痒剤。
  9. 前記一般式(I)において、R5が水素または下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)で表されるものである請求項8記載の止痒剤。
  10. 下記一般式(II)
    Figure 0003531170
    [式中、
    Figure 0003531170
    は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニルまたはアリルを表し、R2は水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシまたは炭素数1から5のアルキルを表し、R3は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、または炭素数1から5のアルコキシを表し、R4は水素、炭素数1から5の直鎖もしくは分枝アルキル、または炭素数6から12のアリールを表し、Aは炭素数1から6のアルキレン、−CH=CH−または−C≡C−を表し、R5は下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)を表し、R6は炭素数1から5のアルキル、アリルであり、X-はその薬理学的に許容される対イオン付加塩を表す。また、一般式(II)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物を有効成分とする止痒剤。
  11. 前記一般式(II)において、R1がメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、アリル、ベンジルまたはフェネチルであり、R2およびR3が各々独立して水素、ヒドロキシ、アセトキシまたはメトキシであり、R4が水素または炭素数1から5の直鎖または分枝アルキルであり、Aが−CH=CH−、または−C≡C−であり、R6がメチルであるものである請求項10記載の止痒剤。
  12. 前記一般式(II)において、R4がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルであるものである請求項11記載の止痒剤。
  13. 前記一般式(II)において、R5が下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トルフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されてもよい)で表されるものである請求項11記載の止痒剤。
  14. 前記一般式(II)において、R4がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルであるものである請求項13記載の止痒剤。
  15. 下記一般式(III)
    Figure 0003531170
    [式中、
    Figure 0003531170
    は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニルまたはアリルを表し、R2は水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシまたは炭素数1から5のアルキルを表し、R3は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシまたは炭素数1から5のアルコキシを表し、R4は水素、炭素数1から5の直鎖もしくは分岐アルキルまたは炭素数6から12のアリールを表し、Aは炭素数1から6のアルキレン、−CH=CH−または−C≡C−を表し、R5は下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)を表す。また、一般式(III)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物またはその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分とする止痒剤。
  16. 前記一般式(III)において、R1がメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、アリル、ベンジルまたはフェネチルであり、R2およびR3が各々独立して水素、ヒドロキシ、アセトキシまたはメトキシであり、R4が水素、炭素数1から5の直鎖または分枝アルキルであり、Aが−CH=CH−または−C≡C−で表されるものである請求項15記載の止痒剤。
  17. 前記一般式(III)において、R4がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルであるものである請求項16記載の止痒剤。
  18. 前記一般式(III)において、R5が下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トルフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されてもよい)で表されるものである請求項16記載の止痒剤。
  19. 前記一般式(III)において、R4がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルであるものである請求項18記載の止痒剤。
  20. そう痒が皮膚疾患あるいは内蔵疾患に伴うものである、請求項1ないし19のいずれかに記載の止痒剤。
  21. 一般式(II)
    Figure 0003531170
    [式中、
    Figure 0003531170
    は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニルまたはアリルを表し、R2は水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシまたは炭素数1から5のアルキルを表し、R3は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシまたは炭素数1から5のアルコキシを表し、R4は水素、炭素数1から5の直鎖もしくは分枝アルキル、または炭素数6から12のアリールを表し、Aは炭素数1から6のアルキレン、−CH=CH−または−C≡C−を表し、R5は下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)を表し、R6は炭素数1から5のアルキルまたはアリルであり、X-はその薬理学的に許容される対イオン付加塩を表す。また、一般式(II)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるモルヒナン4級アンモニウム塩誘導体。
  22. R1がメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、アリル、ベンジルまたはフェネチルであり、R2およびR3が各々独立して水素、ヒドロキシ、アセトキシまたはメトキシであり、R4が水素または炭素数1から5の直鎖または分枝アルキルであり、Aが−CH=CH−または−C≡C−であり、R6がメチルである請求項21記載のモルヒナン4級アンモニウム塩誘導体。
  23. R4がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルである請求項22記載のモルヒナン4級アンモニウム塩誘導体。
  24. 一般式(II)において、R5が下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トルフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されてもよい)である請求項22記載のモルヒナン4級アンモニウム塩誘導体。
  25. 一般式(II)において、R4がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルである請求項24記載のモルヒナン4級アンモニウム塩誘導体。
  26. 一般式(III)
    Figure 0003531170
    [式中、
    Figure 0003531170
    は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニルまたはアリルを表し、R2は水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシまたは炭素数1から5のアルキルを表し、R3は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシまたは炭素数1から5のアルコキシを表し、R4は水素、炭素数1から5の直鎖もしくは分岐アルキルまたは炭素数6から12のアリールを表し、Aは炭素数1から6のアルキレン、−CH=CH−または−C≡C−を表し、R5は下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)を表す。また、一般式(III)は(+)体、(−)体、(±)体を含む]で表されるモルヒナン−N−オキシド誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
  27. R1がメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピルメチル、アリル、ベンジルまたはフェネチルであり、R2およびR3が各々独立して水素、ヒドロキシ、アセトキシまたはメトキシであり、R4が水素または炭素数1から5の直鎖もしくは分枝アルキルであり、Aが−CH=CH−または−C≡C−である請求項26記載のモルヒナン−N−オキシド誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
  28. R4がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルである請求項27記載のモルヒナン−N−オキシド誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
  29. 一般式(III)において、R5が下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トルフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されてもよい)である請求項27記載のモルヒナン−N−オキシド誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
  30. 一般式(III)において、R4がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルである請求項29記載のモルヒナン−N−オキシド誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
  31. 請求項21ないし25記載のモルヒナン4級アンモニウム塩誘導体を含んでなる医薬。
  32. 請求項26ないし30記載のモルヒナン−N−オキシド誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩を含んでなる医薬。
  33. 一般式(VIII)
    Figure 0003531170
    で表される3級アミンを、アルキル化剤を用いて4級アンモニウム塩化することを特徴とする一般式(II)
    Figure 0003531170
    (上記一般式(VIII)および(II)において、
    Figure 0003531170
    は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニルまたはアリルを表し、R2は水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシまたは炭素数1から5のアルキルを表し、R3は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシまたは炭素数1から5のアルコキシを表し、R4は水素、炭素数1から5の直鎖もしくは分岐アルキル、または炭素数6から12のアリールを表し、Aは炭素数1から6のアルキレン、−CH=CH−または−C≡C−を表し、R5は下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)を表す。)で表される化合物の製造法。
  34. アルキル化剤が炭素数1から5のヨウ化アルキル、炭素数1から5の臭化アルキル、炭素数1から5の塩化アルキル、炭素数1から5のメタンスルホン酸アルキル、炭素数1から5のジアルキル硫酸、ヨウ化アリル、臭化アリルまたは塩化アリルである請求項33記載の製造法。
  35. 一般式(IX)
    Figure 0003531170
    で表される3級アミンを、酸化剤を用いて酸化することを特徴とする一般式(III)で表される化合物の製造法。
    Figure 0003531170
    (上記一般式(IX)および(III)において、
    Figure 0003531170
    は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数5から7のシクロアルケニルアルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4から7のアルケニルまたはアリルを表し、R2は水素、ヒドロキシ、ニトロ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、炭素数1から5のアルコキシまたは炭素数1から5のアルキルを表し、R3は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシまたは炭素数1から5のアルコキシを表し、R4は水素、炭素数1から5の直鎖もしくは分岐アルキルまたは炭素数6から12のアリールを表し、Aは炭素数1から6のアルキレン、−CH=CH−または−C≡C−を表し、R5は下記の基本骨格:
    Figure 0003531170
    のいずれかを持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシからなる群から選ばれた少なくとも一種以上の置換基により置換されていてもよい)を表す。)
  36. 酸化剤が有機カルボン酸の過酸化物、過酸化水素、第3ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドまたはオゾンである請求項35記載の製造法。
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