JP3530900B2 - ポリエステル組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル組成物お
よびその製造方法に関する。さらに詳しくは、耐加水分
解性、溶融時または乾燥時の耐熱性および色相に優れ、
異物が少なく、成形性および品質に優れたポリエステル
組成物およびその製造方法に関する。さらに、本発明は
カチオン可染ポリエステルにおいて溶融時または乾燥時
の耐熱性および色相に優れた改質ポリエステル組成物お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートは多くの優れた特性を有しているため、種々の
用途、特に繊維、フィルムに広く利用されている。かか
るポリエステルは、通常テレフタル酸とエチレングリコ
ールとをエステル化反応せしめるか、テレフタル酸ジア
ルキルとエチレングリコールとをエステル交換反応せし
めるか、またはテレフタル酸とエチレンオキサイドとを
反応せしめるかして、テレフタル酸のエチレングリコー
ルエステル及び/又はその低重合体を生成せしめ、次い
でこの生成物を減圧下加熱して所定の重合度になるまで
重縮合反応せしめることによって製造されている。
【0003】このようにして得られたポリエステルは、
溶融状態で微細な孔(紡糸孔)またはスリットから繊維
状またはフィルム状に押出し、次いで延伸して実用化さ
れる。ポリエステルはその製造工程時に重縮合反応時及
び形成工程において、高温下溶融状態で長時間保持され
ることが多く、その間の熱分解を防止し、品質特に色調
の良好なポリエステル成形物を得るため種々の燐化合
物、例えば燐酸、亜燐酸、これらの低級アルキルエステ
ル、アリールエステル等が一般に使用されている。
【0004】しかしながら、耐熱性および色調に関し
て、未だ充分に満足しうるポリエステルは得られておら
ず、なお一層の改良が要望されている。一方ポリエステ
ル成形物は、湿熱条件下で使用されることも多く、この
場合加水分解による強度の低下、色相の劣化などが問題
となっている。この問題を解決するため、従来ポリエス
テルの末端COOH基を減少させる方法(特公昭44−
27911号公報、特開昭54−6051号公報参
照)、ポリエステル中にカルボジイミド化合物を添加す
る方法(特公昭38−15220号公報、特公昭46−
5389号公報参照)などが提案されているが、これら
の方法はいずれも湿熱条件によって未だ満足すべきもの
とは云えなかった。
【0005】さらにポリエステル中には、微細な不溶性
異物が存在するが、これらを分析するとその多くは使用
したエステル交換触媒、重合触媒、安定剤からなる粒子
であることが判った。これらの不溶性異物は、ポリエス
テルの成形工程、特に繊維状またはフィルム状に押し出
す際および延伸する際に種々のトラブルを引きおこす。
特に、最近、ポリエステルよりなる繊維、フィルムには
ファインデニール化、薄物化、高級化等の要求が多く、
また生産性向上のため紡糸、成形等の速度を高速化する
ことが試みられているが、上記不溶性異物の生成はいず
れの場合にも重大な障害になる。
【0006】一方、ポリエステルは多くの優れた特性を
有しているため繊維やフィルムとして広く用いられてい
るが、染色性が低く、特に分散染料以外の染料には染色
困難であり、その改善が求められていた。染色性を改良
する方法としては、例えばポリエステル主鎖中に、5−
Naスルホイソフタル酸の如きスルホン酸金属塩基を有
するイソフタル酸成分を共重合することによってカチオ
ン染料で染色可能とする方法が古くから知られている
(特公昭34−10497号公報参照)。しかしなが
ら、この方法ではカチオン染料で染色した際の濃色性や
鮮明発色性が不充分であるのみならず、該成分の共重合
によってポリマーの溶融粘度が著しく増大し、重合度を
充分に上げることが困難になると同時に紡糸等の成形が
困難となるため低強度の成形物しか得られない欠点があ
った。
【0007】かかるカチオン染料可染性ポリエステルの
欠点を解消するため、特定のスルホン酸ホスホニウム塩
基を有するイソフタル酸成分を共重合した改質ポリエス
テルの製造法および改質ポリエステル繊維が開示されて
いる(特公平3−61766号公報参照)。この方法に
よれば、ポリマーの増粘作用が抑制されるため、高重合
度でかつ低溶融粘度のポリエステルが容易に得られ、高
強度の成形物が製造できるようになるだけでなく、カチ
オン染料で染色した際の濃色性や鮮明発色性が改良され
る。しかしながら、耐熱性および色相の面で未だ充分に
満足しうるカチオン可染化ポリエステルは得られておら
ず、なお一層の改良が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記ポリエ
ステル成形物およびその製造工程に基づく問題点を解消
すべくなされたものであり、その第1の目的は、耐加水
分解性、溶融並びに乾燥時に耐熱性および色相に優れ、
且つポリマー中の不溶性異物の量が少なく、成形性並び
に品質が改良されたポリエステル組成物およびその製造
方法を提供することにある。
【0009】さらに本発明の第2の目的は、前記したカ
チオン染料により濃色かつ鮮明に染色可能であると共
に、耐熱性および色相の面でも良好であり、通常の未改
質ポリエステル繊維と同等の強度を有するカチオン染料
可染性ポリエステル繊維を製造することができる改質ポ
リエステル組成物およびその製造方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記本発明
の目的を達成するため研究を重ねた結果、安定剤として
使用するリン化合物の種類がポリエステルの耐加水分解
性、耐熱性、色相およ不溶性異物の量に大きく影響し、
或る特定のリン化合物を使用することにより、これら特
性を大幅に向上させることができることを見出し、本発
明に到達した。すなわち、本発明によれば(A)芳香族
ポリエステル(A成分)に(B)下記一般式[I]で表
わされるリン化合物と下記一般式[II]で表わされる
エポキシ化合物との反応生成物(B成分)を配合させて
なる芳香族ポリエステル組成物が提供される。
【0011】
【化4】
【0012】[式中、R1、R2およびR3は、それぞれ
同一または異なり、水素原子、炭素原子数1〜4のアル
キル基または炭素原子数6〜12のアリール基を示
す。]
【0013】
【化5】
【0014】[式中、l1、l2およびl3は、それぞれ
同一または異なり、水素原子または炭素原子数1〜4の
アルキル基を示し、l4は炭素原子数1〜15のアルキ
ル基または炭素原子数6〜12のアリール基を示す。]
【0015】さらに本発明によれば、二官能性芳香族カ
ルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体と、アル
キレングリコール及び/又はそのエスルテ形成性誘導体
とを反応せしめて二官能性芳香族カルボン酸のグリコー
ルエステル及び/又はその低重合体を生成させ、次いで
重合反応せしめてポリエステルを製造するに際し、前記
B成分を、ポリエステルの重合が終了するまでの任意の
時期に添加することを特徴とする芳香族ポリエステル組
成物の製造方法が提供される。
【0016】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明においてポリエステル(A成分)としては、
二官能性芳香族カルボン酸を主たる酸成分とし、アルキ
レングリコールを主たるジオール成分とするポリエステ
ルを主たる対象とする。好ましく用いられる二官能性芳
香族カルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシ
エトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸等をあげること
ができ、また、アルキレングコリールとしては、例えば
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール等を挙げることができる。なかで
も、主たる酸成分がテレフタル酸であり、主たるグリコ
ール成分がエチレングリコールであるポリエチレンテレ
フタレート系ポリエステルが好ましい。
【0017】また、上述の「主たる」とは、二官能性芳
香族カルボン酸以外の二官能性カルボン酸成分及び/又
はアルキレングリコール以外のジオール成分を、全酸成
分に対して15モル%以下、好ましくは10モル%以
下、特に好ましくは5モル%以下共重合してもよいこと
を意味する。
【0018】ここで使用される二官能性カルボン酸とし
ては、例えばアジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸の如き脂肪族、脂環族の二官能性
カルボン酸を挙げることができ、また、アルキレングリ
コール以外のジオール化合物としては、例えばシクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールSの如き脂環
族、芳香族のジオール化合物及びポリオキシアルキレン
グリコールを挙げることができる。
【0019】さらに、本発明の効果が実質的に損なわれ
ない範囲内で、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の如
きスルホン酸塩基を有するイソフタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸の如きポリカルボン酸、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの
如きポリオールを共重合成分として用いてもよい。
【0020】かかるポリエステルは任意の方法によって
合成される。例えばポリエチレンテレフタレートについ
て説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレングリコー
ルとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメ
チルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチ
レングリコールとをエステル交換反応させるか又はテレ
フタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテ
レフタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合
体を生成させる第一段階の反応と、第一段階の反応生成
物を重合触媒の存在下で減圧加熱して所望の重合度にな
るまで重縮合反応させる第二段階の反応によって製造さ
れる。
【0021】本発明において前記芳香族ポリエステル
(A成分)に配合されるのは、前記一般式[I]で表わ
されるリン化合物(B−1成分)と前記一般式[II]
で表わされるエポキシ化合物(B−2成分)との反応生
成物(B成分)である。このB成分の合成に使用される
一般式[I]のリン化合物の具体例としては、正リン
酸、リン酸モノメチル、リン酸モノエチル、リン酸モノ
ブチル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸
トリブチル、リン酸モノフェニルおよびリン酸トリフェ
ニル等が挙げられ、これらは2種以上の混合物であって
もよい。
【0022】また一般式[II]のエポキシ化合物(B
−2成分)としては、l1、l2およびl3はそれぞれ同
一もしくは異なり、水素原子または炭素原子数1〜4の
アルキル基であり、好ましくは水素原子である。またl
4は炭素原子数1〜15、好ましくは1〜10のアルキ
ル基または炭素原子数6〜12のアリール基好ましくは
フェニル基である。これらは基の間にエーテル結合を有
していてもよい。かかるエポキシ化合物の具体例として
は、例えば1,2−エポキシプロパン、1,2−エポキシ
ブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘ
キサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノ
ナンおよび1,2−エポキシデカンが挙げられるがこれ
らは2種以上の混合物であってもよい。
【0023】前記リン化合物(B−1成分)とエポキシ
化合物(B−2成分)との反応生成物を得る反応条件
は、リン化合物(B−1成分)を70〜130℃、好ま
しくは80〜120℃の温度に加熱し、そこにエポキシ
化合物(B−2成分)を、滴下終了後、反応混合物を1
〜7時間、好ましくは2〜6時間加温を続行するのが望
ましい。反応温度が70℃より低いと、反応が充分に進
行せず、一方130℃を超えると反応が急激になり危険
であるばかりでなく、反応生成物が着色するので好まし
くない。加熱反応時間が1時間未満の場合反応が充分に
進まず、一方、7時間を超えると、反応生成物が着色す
る傾向かある。B−1成分とB−2成分の反応割合はモ
ル比で1:1〜1:5、好ましくは1:2〜1:4の範
囲が有利である。
【0024】かくして得られたB−1成分とB−2成分
の反応生成物(B成分)は、ポリエステル(A成分)に
配合されるが、好ましい方法はポリエステル製造が終了
する任意の段階にB成分をその製造工程に添加すること
である。好ましい添加時期はエステル化或いはエステル
交換反応によって低重合体を生成した後、すなわち重縮
合反応の前、或いは中に添加するのが有利である。B成
分の配合割合は触媒金属配合割合にもよるが、リン含量
としてポリエステル100重量部当り、0.0005〜
0.2重量部、好ましくは0.002〜0.15重量部の
範囲が適当である。B成分の配合割合が、ポリエステル
100重量部当り0.0005重量部より少ないと、添
加効果がなく、一方0.2重量部を超えると、それ以上
添加しても添加効果が増大するわけではなく、むしろ不
経済となる。
【0025】さらに本発明者らの研究によれば、前記し
た本発明のポリエステル組成物およびその製造方法は、
通常のポリエステルにおいて前記目的および効果が達成
されるが、或る特定のスルホン酸ホスホニウム塩を共重
合して得られた改質ポリエステルにおいても優れた効
果、すなわちカチオン染料可染性を有している共に、耐
熱性および色相が良好であるという効果が達成できるこ
とが見出された。
【0026】すなわち、本発明によれば、前記芳香族ポ
リエステル(A成分)として、下記一般式[III]
【0027】
【化6】
【0028】[式中、Aは芳香族基または脂肪族基であ
り、X1はエステル形成性官能基であり、X2はX1と同
一若しくは異なるエステル形成性官能基または水素原子
であり、Q1、Q2、Q3およびQ4のそれぞれは、アルキ
ル基およびアリール基よりなる群から選ばれる同一また
は異なる基であり、そしてnは正の整数を示す。]で表
わされるスルホン酸ホスホニウム塩を、ポリエステルを
形成する二官能性芳香族カルボン酸成分に対して0.1
〜10モル%共重合した改質芳香族ポリエステルを使用
した改質ポリエステル組成物も提供される。
【0029】かかる改質ポリエステル組成物は、前記し
たポリエステルの合成が完了する以前の任意の段階で、
好ましくは第二段階の反応の初期以前の任意の段階で添
加すればよい。一般式[III]のスルホン酸ホスホニ
ウム塩をポリエステルに共重合させる割合は、ポリエス
テルを構成する酸成分(スルホン酸ホスホニウム塩を除
く)に対して0.1〜10モル%の範囲であり、0.5〜
5モル%の範囲が好ましい。共重合割合が0.1モル%
より少ないと、得られる改質ポリエステル組成物をカチ
オン染料で染色した際の濃色性や鮮明発色性が不充分に
なり、10モル%より多くなると濃色性や鮮明発色性は
最早著しい向上を示さず、かえって改質ポリエステル組
成物の物性が低下する。
【0030】前記一般式[III]において、Aは芳香
族基または脂肪族基を示し、なかでも芳香族基(好まし
くは炭素原子数6〜15)が好ましい。X1はエステル
形成性官能基を示し、具体例として
【0031】
【化7】
【0032】(但し、R'は低級アルキル基またはフェ
ニル基を示し、aおよびdは1以上の整数、bは2以上
の整数である)等を挙げることができる。X2はX1と同
一もしくは異なるエステル形成性官能基または水素原子
を示し、なかでもエステル形成性官能基であることが好
ましい。
【0033】Q1、Q2、Q3およびQ4はアルキル基(好
ましくは炭素原子数1〜6)およびアリール基(好まし
くは炭素原子数6〜15)よりなる群から選ばれた同一
または異なる基を示す。nは正の整数(好ましくは1〜
3)である。
【0034】かかるスルホン酸ホスホニウム塩は、一般
に対応するスルホン酸とホスフィン類との反応、または
対応するスルホン酸金属塩とホスホニウムハライド類と
の反応により容易に合成できる。
【0035】上記スルホン酸ホスホニウム塩の好ましい
具体例としては、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボキ
シベンセンスルホン酸エチルトリブチルホスホニウム
塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ベンジル
トリブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボキシベン
ゼンスルホン酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニ
ルホスホニウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸ブチルトリフェニルホスホニウム塩、3,5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリフェニルホ
スホニウム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスル
ホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボ
メトキシベンゼンスルホン酸エチルトリブチルホスホニ
ウム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸
ベンジルトリブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボ
メトキシベンゼンスルホン酸フェニルトリブチルホスホ
ニウム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン
酸テトラフェニルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメ
トキシベンゼンスルホン酸エチルトリフェニルホスホニ
ウム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸
ブチルトリフェニルホスホニウム塩、3,5−ジカルボ
メトキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリフェニルホス
ホニウム塩、3−カルボキシベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム塩、3−カルボキシベンゼンスルホ
ン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3−カルボメトキ
シベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3
−カルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホ
スホニウム塩、3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカ
ルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩、3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニ
ル)ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム
塩、3−(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼ
ンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3−(β−
ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テ
トラフェニルホスホニウム塩、4−ヒドロキシエトキシ
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、2,
6−ジカルボキシナフタレン−4−スルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、α−テトラブチルホスホニウムス
ルホコハク酸等を挙げることができる。上記スルホン酸
ホスホニウム塩は1種のみを単独で用いても、2種以上
併用してもよい。
【0036】さらに本発明の前記した改質ポリエステル
組成物は、下記一般式[IV]で表わされる有機スルホ
ン酸金属塩を配合していてもよく、また下記一般式
[V]で表わされるスルホイソフタル酸金属塩を共重合
していていもよい。 YSO3M ・・・・[IV] [式中、Yは炭素原子数3〜30のアルキル基あるいは
炭素原子数6〜40のアリール基またはアルキルアリー
ル基であり、Mはアルカリ金属を示す。]
【0037】
【化8】
【0038】[式中、Z1およびZ2は同一または異な
り、水素原子、−(CH2n−Hまたは−(CH2n
OH(ここでnは1〜6の整数を示す)を示し、Mはア
ルカリ金属を示す。]
【0039】前記一般式[IV]の有機スルホン酸金属
塩において、Yは炭素原子数3〜30のアルキル基ある
いは炭素原子数6〜40のアリール基またはアルキルア
リール基であり、Mはアルカリ金属を示す。Yがアルキ
ル基のときはYは直鎖状であってもまたは分岐した側鎖
を有していてもよい。Yとしては、なかでも炭素原子数
6〜40のアリール基またはアルキルアリール基がより
大きな効果が奏されるのがより好ましい。Yがアルキル
アリール基の場合のアルキルは直鎖状であってもまたは
分岐した側鎖を有していてもよい。MはNa、K、Li
等のアルカリ金属であり、なかでもLi、NaまたはK
が好ましい。
【0040】上記式[IV]で表わされる化合物の好ま
しい具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸Na
(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸
Li(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸K(ハード型、ソフト型)、ペンタデシルベンゼン
スルホン酸Na、ペンタデシルベンゼンスルホン酸L
i、ペンタデシルベンゼンスルホン酸K、ヘキシルベン
ゼンスルホン酸Na、ヘキシルベンゼンスルホン酸L
i、ヘキシルベンゼンスルホン酸K、n−ブチルベンゼ
ンスルホン酸Na、t−ブチルベンゼンスルホン酸N
a、ジブチルベンゼンスルホン酸Na、エチルベンゼン
スルホン酸Na、キシレンスルホン酸Na、トルエンス
ルホン酸Na、ベンゼンスルホン酸Na、ジブチルナフ
タレンスルホン酸Na、ジブチルナフタレンスルホン酸
Li、炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン
酸Na混合物、炭素原子数の平均が15であるアルキル
スルホン酸Na混合物、炭素原子数の平均が22である
アルキルスルホン酸Na混合物、炭素原子数の平均が1
1であるアルキルスルホン酸Na、炭素原子数の平均が
12であるアルキルスルホン酸Na、オクチルスルホン
酸Na、ブチルスルホン酸Na、プロピルスルホン酸N
a、ステアリルスルホン酸Na等を挙げることができ
る。
【0041】一方、一般式[V]で表わされるスルホイ
ソフタル酸金属塩において、Z1およびZ2は同一または
異なり、水素原子、−(CH2n−Hまたは−(C
2n−OHである。nは1〜6の整数であり、好まし
くは1〜4の整数であり、なかでも1または2であるの
が特に好ましい。Mはアルカリ金属であり、なかでもN
a、LiまたはKが好ましい。
【0042】上記一般式[V]で示されるスルホイソフ
タル酸金属塩の好ましい具体例としては、Naスルホイ
ソフタル酸ジメチル、Naスルホイソフタル酸、Naス
ルホイソフタル酸(β−ヒドロキシエチル)、Liスル
ホイソフタル酸ジメチル、Liスルホイソフタル酸、L
iスルホイソフタル酸ビス(β−ヒドロキシエチル)、
Kスルホイソフタル酸ジメチル、Kスルホイソフタル
酸、Kスルホイソフタル酸ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)、Naスルホイソフタル酸ビス(δ−ヒドロキシブ
チル)等を挙げることができる。
【0043】前記一般式[IV]及び/又は[V]で表
わされる化合物は、それぞれ1種のみでもよく、或いは
2種以上を用いてもよい。一般式[IV]及び/又は
[V]の化合物の配合量または共重合割合は、一般式
[III]のスルホン酸ホスホニウム塩に対して1.0
〜100モル%の範囲が適当であり、なかでも5〜80
モル%の範囲が好ましい。
【0044】前記一般式[IV]及び/又は[V]の化
合物を添加した改質ポリエステルを製造する場合、式
[IV]の有機スルホン酸金属塩の添加については、改
質ポリエステルの成形が終了するまでの任意の段階、例
えば改質ポリエステルの重縮合反応開始前、重縮合反応
途中、重縮合反応終了時であってまだ溶融状態にある時
点、紛粒状態、成形段階等において、上記有機スルホン
酸金属塩を添加混合することが推奨される。添加に際し
ては1回の操作で添加しても、または2回以上に分割添
加してもよい。また、有機スルホン酸金属塩[IV]を
予め通常の未改質ポリエステルに配合し、その後成形前
等において、この配合物を改質ポリエステルに混合する
こともできる。さらに、重縮合反応終了前に添加すると
きは、有機スルホン酸金属塩[IV]をグリコール等の
溶媒に溶解または分散させて添加することもできる。
【0045】また、一般式[V]で表わされるスルホイ
ソフタル酸金属塩については、重合反応が完了する以前
の任意の段階で、好ましくは第二段階の反応の初期以前
の任意の段階で添加すればよい。
【0046】これら一般式[IV]および[V]で表わ
される化合物を添加すると多量のエーテル結合が副生す
ることがあるが、この難点は特開昭48−66650号
公報、特公昭53−28955号公報等に開示されたア
ルカリ金属化合物の添加によって回避することができ
る。このようなアルカリ金属化合物の具体例としては、
例えば酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメ
トキシド、安息香酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リ
チウム、酢酸カリウムおよび炭酸カリウム等を挙げるこ
とができる。
【0047】なお、本発明の改質ポリエステル組成物に
は、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、
蛍光増白剤、艶消剤、着色剤、消艶剤、その他の添加剤
等を配合してもよい。
【0048】本発明の改質ポリエステル組成物から繊維
を製造する場合には、任意の製糸条件を何等の支障なく
採用することができる。例えば500〜2,500m/
分の速度で溶融紡糸し、延伸・熱処理する方法、1,5
00〜5,000m/分の速度で溶融紡糸し、延伸と仮
燃加工とを同時にまたは続いて行う方法、5,000m
/分以上の高速で溶融紡糸し、用途によっては延伸を省
略する方法等の任意の製糸条件を採用することができ
る。
【0049】また、本発明の改質ポリエステル組成物を
用いて引取速度2,000m/分以上、特に4,000m
/分以上の高速で、溶融紡糸を行った場合、不溶性異物
の量が少ないため、紡糸時の糸切れの大幅な減少が認め
られる。ここで、紡糸条件としてはポリエステルの溶融
紡糸条件を任意に採用することができる。異物減少の理
由はいまだに解明されていないが、以下のごとく推定さ
れる。すなわち、ポリエステル製造時に添加したエステ
ル交換触媒及び/又は重縮合触媒は、通常リン化合物と
反応して粒子となるが、本発明のリン化合物はエポキシ
化合物との反応生成物であり、このためポリエステルと
の相溶性が増し、ポリエステル中において不溶性異物粒
子を析出しにくくするものと考えられる。
【0050】また、本発明の改質ポリエステル組成物
は、フィルムやシートの製造にも使用することができ、
この際任意の成形条件を何らの支障なく採用することが
できる。例えば製膜後一方向のみに張力を作用させて異
方性膜を製造する方法、同時にまたは任意の順序で膜を
二方向に延伸する方法、および膜を二段以上に多段延伸
する方法等を任意の条件で採用することができる。
【0051】
【発明の効果】以上に詳述した本発明によれば、耐加水
分解性、熱安定性、色調に優れポリエステル中不溶性異
物の少ないポリエステルが提供される。その理由は未だ
解明されていないが、以下の如く推定される。すなわ
ち、ポリエステル製造時に添加したエステル交換反応触
媒及び/又は重縮合触媒は通常リン化合物と反応して粒
子となるが、本発明のリン化合物はエポキシ化合物との
反応生成物であり、その反応を適度に抑制して不溶性異
物粒子として析出することが少くなる。また本発明のB
成分の場合は酸触媒としての活性が適度に抑制されてい
るため、ポリエステルの耐加水分解性、耐熱性が向上
し、色調も良好となると推定される。
【0052】その上、本発明の改質ポリエステル組成物
によれば、カチオン染料で染色した際に改善された濃色
性や鮮明発色性が得られると共に耐熱性および色相の面
でも良好という従来見ない効果が奏される。従って、本
発明の改質ポリエステル組成物は特に繊維に有用であ
る。さらに、本発明の改質ポリエステル組成物から得ら
れるフィルムやシートは、強度に優れると共に優れた制
電性、吸水性、印刷性、接着性等を有するので有用であ
る。
【0053】
【実施例】以下に実施例を挙げてさらに詳細に説明す
る。なお、実施例中の部および%は重量部および重量%
を表わし、また各測定値は下記の方法に従った。(1)固有粘度 : ポリマーの固有粘度[IV]は、35℃のオルソクロロ
フェノール溶液で測定した値から求めた。
【0054】(2)色調:重合体の色調を表わすL値及
びb値はハンター型色差計を用いて測定した値であり、
L値が大きい程白度が向上していることを示し、b値が
大きい程黄色味の強いことを示している。すなわちL値
が大きく、b値が小さいほど色調が良好であることを示
す。また、染色布の視感染色性は染色布のL*値、a
*値、b*値をミノルタ色彩色差計CR−200(ミノル
タカメラ販売(株))を用いて測定し、深色度(L*
および彩度{(a*2+b*21/2}により深色性と鮮明
発色性を求めた。深色度が小さいほど深色性が大きく、
また彩度が大きいほど鮮明発色性が大きいことを示す。
【0055】(3)耐加水分解性および耐熱性:耐加水
分解性および耐熱性は以下のとおり評価した。直径0.
3mmの紡糸孔30個を有する紡糸口金を使用して吐出
量80g/min、捲取速度1,200m/minで紡
糸して得られた未延伸を、延伸温度85℃、延伸倍率
3.5倍、延伸速度1100m/minで延伸して、1
50デニール/30フィラメント25kg巻とした。紡
糸前後の固有粘度[IV]の変化から耐熱性を判断し
た。一方得られた糸サンプルを135℃、60時間湿熱
下に保持し、その時の糸強度を測定し、未処理糸対比の
強度保持率で耐加水分解性を示した。すなわち、強度保
持率が高いほど、耐加水分解性が良好といえる。
【0056】(4)不溶性異物の量:不溶性異物の量は
以下のとおり測定し評価した。ポリマーを10ミクロン
の厚さの薄膜フィルムにした後、光学顕微鏡で異物径お
よび異物数を測定し、少ないサンプルを○、やや少ない
サンプルを△、多いサンプルを×とする三段階で評価し
た。(5)紡糸時の断糸度数 :引取速度3,000m/分、
5,000m/分で紡糸を行い、そのときのポリマー1
トン当りの断糸数を調べた。
【0057】[反応生成物(B成分)の合成]表1に示
すリン化合物(B−1成分)の25部に窒素ガスを流し
ながら95℃に加熱還流しているところに、表1に示す
種類、量のエポキシ化合物(B−2成分)を約30分か
けて少量ずつ滴下した。滴下終了後も加熱還流しなが
ら、5時間反応を続けて、反応生成物(B成分)を得
た。
【0058】実施例1〜8および比較例1〜3 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール6
0部、酢酸マンガン4水塩0.031部(テレフタル酸
ジメチルに対して0.025モル%)をエステル交換缶
に仕込み、窒素ガス雰囲気下3時間かけて、140℃か
ら220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留
出しながらエステル交換反応させた。次いで、合成した
反応生成物(B成分)を表2記載の種類および量を添加
した後、過剰のエチレングリコールの昇温追出しを開始
した。10分後に重縮合反応触媒として三酸化アンチモ
ン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対し0.027モ
ル%)を添加した。内温が240℃に到達した時点で、
エチレングリコールの追出しを終了し、反応生成物を重
合缶に移し、次いで昇温しながら30分間常圧反応させ
た後、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで
減圧し、同時に1時間30分かけて内温を290℃まで
昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度290℃
でさらに2時間重合した時点で、窒素ガスで真空を破っ
て重合反応を終了し、窒素ガス加圧下に290℃でポリ
マーの吐出を行った。得られたポリマーの品質および耐
熱性、耐加水分解後の評価結果は表2に示したとおりで
あった。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】実施例9 テレフタル酸ジメチル 100部、エチレングリコール
60部、酢酸マンガン4水塩 0.03部(テレフタル酸
ジチメルに対して0.024モル%)、整色剤として酢
酸コバルト4水塩 0.009部(テレフタル酸ジメチル
に対して0.007モル%)、カチオン染料可染化剤と
してテレフタル酸ジメチルに対して1.5モル%となる
量の3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テト
ラ−n−ブチルホスホニウム塩および安定剤としてテレ
フタル酸ジメチルに対して0.050モル%のテトラエ
チルアンモニウムハイドロオキサイドをエステル交換缶
に仕込み、窒素ガス雰囲気下3時間かけて140℃から
220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留去
しながらエステル交換反応させた。続いて得られた生成
物にエステル交換触媒失活剤として前記B成分の合成で
得られた反応生成物(B)を0.12部添加し、同時に
過剰のエチレングコリールの昇温追出しを開始した。1
0分後に重縮合触媒として三酸化アンチモン 0.04部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル%)を
添加した。内温が240℃に達した時点でエチレングリ
コールの追出しを終了し、反応生成物を重合缶に移し
た。
【0062】昇温して内温が260℃に到達するまで常
圧反応させた後、1時間かけて760mmHgから1m
mHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて内温を2
80℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温
度280℃でさらに2時間重合した時点で窒素ガスで真
空を破って重合反応を終了し、窒素ガス加圧下でポリマ
ーを吐出し、冷却してチップ化した。得られたポリマー
の固有粘度[η]は表3に記載のとおりであった。ま
た、チップの色相を示すL値も表3に示した。また、ポ
リマーの熱安定性の指標となるポリマーの固有粘度と延
伸糸の固有粘度の差を表3に示した。
【0063】このポリマーチップを常法により乾燥した
後、285℃で溶融し、スリット幅0.15mmのY字
型孔を24個穿設した紡糸口金を使用して紡糸速度1,
100m/分にて紡出し、次いで、得られる延伸糸の伸
度が35%になるような延伸倍率で、延伸速度1,20
0m/分にて、84℃の加熱ローラーと180℃のプレ
ートヒーターを使って延伸・熱処理を行い、50デニー
ル/24フィラメントの三葉型断面の延伸糸を得た。得
られた延伸糸の固有粘度を表3に示した。
【0064】得られた延伸糸を常法に従ってメリヤス編
地に製編後、常法により精練、プリセットした後 Cathi
lon Blue CD−FRLH/Cathilon Blue CD−FB
LH=1/1[保土谷化学(株)製]2%owfで芒硝
3g/L、酢酸0.3g/Lを含む染浴中にて130℃
で60分間染色し、その後常法に従ってソーピングして
青色布を得た。表3に染色布の深色度および彩度を示し
た。
【0065】実施例10 実施例9において使用したB成分を(B)に変えて
(A)を0.088部使用する以外は実施例9と同様に
行った。結果を表3に示した。
【0066】実施例11 実施例9において使用したスルホン酸ホスホニウム塩の
共重合量を変更しさらにスルホン酸金属塩化合物を共重
合および重合反応よりブレンドした場合の結果を表3に
示した。
【0067】実施例12 実施例11においてスルホン酸金属塩化合物の添加量を
変更し、B成分を(B)から(E)に変えた場合の結果
を表3に示した。
【0068】比較例4〜6 実施例9、11および12において使用したB成分に変
えて正リン酸の56%水溶液を0.03部(テレフタル
酸ジメチルに対して0.033モル%)を添加した場合
の結果を表3に示した。
【0069】
【表3】
【0070】実施例13〜21および比較例7〜9 テレフタル酸ジメチル 100部、エチレングリコール
60部、酢酸マンガン4水塩 0.031部(テレフタル
酸ジメチルに対して0.025モル%)をエステル交換
缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下3時間かけて140℃か
ら220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に流
出しながらエステル交換反応させた。次いで、合成した
反応生成物(B成分)を表4記載の種類および量を添加
した後、過剰のエチレングリコールの追出しを開始し
た。10分後に重縮合反応触媒として三酸化アンチモン
0.04部(テレフタル酸に対して0.027モル%)を
添加した。内温が240℃に達した時点で、エチレング
コリールの追出しを終了し、反応生成物を重合缶に移
し、次いで昇温しながら30分間常圧反応させた後、1
時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、
同時に1時間30分かけて内温を290℃まで昇温し
た。1mmHg以下の減圧下、重合温度290℃でさら
に2時間重合した時点で、窒素ガスで真空を破って重合
反応を終了し、窒素ガス加圧下に290℃でポリマーの
吐出を行った。得られたポリマーの品質は表4に示した
とおりであった。
【0071】かくして得られたポリマーを、紡糸温度2
90℃、冷却風線速度15m/分(26℃、相対湿度7
0%)、引取速度3,000m/分もしくは5,000m
/分で75デニール、36フィラメントの糸を紡糸し
た。糸の不溶性異物数、紡糸時の断糸数については表4
に示した。なお、表4の中で、実施例14が最も優れた
ものである。
【0072】なお、表4中、1)〜3)はそれぞれ下記
の意味を有する。 1)添加量はテレフタル酸ジメチル100重量部に対す
るB成分の重量部として示した。 2)ポリマー中のリン含量は、ポリエステル100重量
部に対するリンの重量部として示した。 3)○:1ケ/cm2以下;△:1〜5ケ/cm2;×:
5ケ/cm2以上
【0073】
【表4】
【0074】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 智義 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式 会社 松山事業所内 (72)発明者 三田 利弘 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式 会社 松山事業所内 (56)参考文献 特開 平4−149269(JP,A) 特開 昭54−152057(JP,A) 特開 昭50−105792(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08L 67/00 - 67/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリエステル(A成分)に (B)下記一般式[I]で表わされるリン化合物と下記
    一般式[II]で表わされるエポキシ化合物との反応生
    成物(B成分)を配合させてなる芳香族ポリエステル組
    成物。 【化1】 [式中、R1、R2およびR3は、それぞれ同一または異
    なり、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基または
    炭素原子数6〜12のアリール基を示す。] 【化2】 [式中、l1、l2およびl3は、それぞれ同一または異
    なり、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を
    示し、l4は炭素原子数1〜15のアルキル基または炭
    素原子数6〜12のアリール基を示す。]
  2. 【請求項2】 該反応生成物(B成分)は、該リン化合
    物と該エポキシ化合物とを、モル比で1:1〜1:5の
    割合でかつ70〜130℃の温度で反応させた生成物で
    ある請求項1記載のポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】 前記A成分100重量部当りB成分の割
    合がリン含量として0.0005〜0.2重量部である請
    求項1記載のポリエステル組成物。
  4. 【請求項4】 該芳香族ポリエステル(A成分)は、下
    記一般式[III] 【化3】 [式中、Aは芳香族基または脂肪族基であり、X1はエ
    ステル形成性官能基であり、X2はX1と同一若しくは異
    なるエステル形成性官能基または水素原子であり、
    1、Q2、Q3およびQ4のそれぞれは、アルキル基およ
    びアリール基よりなる群から選ばれる同一または異なる
    基であり、そしてnは正の整数を示す。]で表わされる
    スルホン酸ホスホニウム塩を、ポリエステルを形成する
    二官能性芳香族カルボン酸成分に対して0.1〜10モ
    ル%共重合した改質芳香族ポリエステルである請求項1
    記載のポリエステル組成物。
  5. 【請求項5】 二官能性芳香族カルボン酸及び/又はそ
    のエステル形成性誘導体と、アルキレングリコール及び
    /又はそのエステル形成性誘導体とを反応せしめて二官
    能性芳香族カルボン酸のグリコールエステル及び/又は
    その低重合体を生成させ、次いで重合反応せしめてポリ
    エステルを製造するに際し、前記請求項1記載のB成分
    を、ポリエステルの重合が終了するまでの任意の時期に
    添加することを特徴とする芳香族ポリエステル組成物の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリエステルを製造するに際し、さらに
    前記請求項4記載の一般式[III]で表わされるスル
    ホン酸ホスホニウム塩を、二官能性芳香族カルボン酸及
    び/又はそのエステル形成性誘導体に対して0.1〜1
    0モル%添加する請求項5記載の製造方法。
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