JP3530540B2 - 薄膜半導体装置の製造方法 - Google Patents

薄膜半導体装置の製造方法

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JP3530540B2
JP3530540B2 JP33323792A JP33323792A JP3530540B2 JP 3530540 B2 JP3530540 B2 JP 3530540B2 JP 33323792 A JP33323792 A JP 33323792A JP 33323792 A JP33323792 A JP 33323792A JP 3530540 B2 JP3530540 B2 JP 3530540B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクティブマトリックス
液晶ディスプレイ等に応用される薄膜トランジスタや三
次元LSIデバイスなどで使用されている絶縁性物質上
に形成される薄膜半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイの大画面化、高
解像度化に伴い、その駆動方式は単純マトリックス方式
からアクティブマトリックス方式へ移行し、大容量の情
報を表示出来るように成りつつ有る。アクティブマトリ
ックス方式は数十万を越える画素を有する液晶ディスプ
レイが可能で有り、各画素毎にスイッチング素子として
薄膜トランジスタを備えるもので有る。薄膜トランジス
タのチャンネル部半導体膜としては、通常非晶質シリコ
ンや多結晶シリコンが用いられているが、駆動回路迄一
体化して薄膜トランジスタで形成しようとする場合には
動作速度の速い多結晶シリコンが有利である。
【0003】各種液晶ディスプレイの基板としては、透
過型ディスプレイを可能ならしめる溶融石英板やガラス
などの透明絶縁基板が使用されているが、表示画面の拡
大化や低価格化を進める場合には絶縁基板として安価な
通常ガラスを使用するのが必要不可欠で有る。即ち、安
価なガラス基板上に作成された優良な薄膜半導体装置が
求められて居た。安価な通常ガラスを基板として使用す
るには、薄膜半導体装置を製造する工程の最高温度とそ
の温度に維持される期間を600℃程度で数時間以内と
せねばならない。この様な製造工程を低温工程と呼んで
居る。従来低温工程にて薄膜半導体装置を製造するに
は、基板上に常圧化学気相堆積法等で二酸化硅素膜(S
iO2 膜)より構成された下地保護膜を堆積した後、こ
の保護膜上に半導体層を形成し、薄膜半導体装置として
居た。(Jap.J.Appl.Phys,30,3733 '91)この下地保護膜
は純粋なSiO2膜で有るから、波長308nm,40
4.7nm,632.8nmに於ける空気に対する屈折率は
各々1.4856,1.4696,1.4570で吸光
係数はゼロで有る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先に述
べた従来の方法に於いては、以下の如き問題が指摘され
ている。即ち純粋なSiO2膜上に半導体層を形成し、
工程最高温度が600℃の低温工程にて薄膜半導体装置
を作成した場合、例えばn型トランジスタの電界効果移
動度は5cm2/v・sec程度未満と小さく、優良なトランジ
スタ特性を有する薄膜半導体装置が得られていなかっ
た。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされた物
で、その目的とするところは、低温工程にて作成される
良好な特性を有する薄膜半導体装置の製造方法を提供す
る事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に形成
した酸化珪素膜上に膜厚300Å未満のシリコンを含む
薄膜半導体層を形成し、前記薄膜半導体層をトランジス
タの能動層とする薄膜半導体装置の製造方法において、
前記酸化珪素膜は電子サイクロトロン共鳴プラズマ化学
気相堆積法若しくはPECVD法、減圧化学気相堆積
法、又は常圧化学気相堆積法にて堆積されるとともに、
前記酸化珪素膜の原料は、シラン(SinH2n+2:n≧
1)と酸化性物質を含み、酸素原子数のシリコン原子数
に対する比(m=No/Nsi:Noは酸素原子数、Nsiは
シリコン原子数)は2以下(m≦2)であり、前記酸化
珪素膜は、SiOH基、又はSiH2基を含有し、前記
酸化珪素膜の空気に対する屈折率は、波長308nmに
おいて1.60以上、波長404.7nmにおいて1.
57以上、波長632.8nmにおいて1.54以上で
あり、前記薄膜半導体層は化学気相堆積法にて堆積され
ることを特徴とする。また、前記薄膜半導体層の前記化
学気相堆積法は減圧化学気相堆積法であることを特徴と
する。
【0007】
【0008】
【0009】又、本発明は、上記薄膜半導体装置の製造
方法に於いて、該極薄半導体層を堆積するための化学気
相堆積法が、減圧化学気相堆積法(LPCVD法)であ
る事を特徴とする。
【0010】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の実施例を詳述するが、本発明
が以下の実施例に限定されるものでは無い。
【0011】図2(a)〜(e)は本実施例1に於ける
自己非整合型スタガード構造のMIS型電界効果トラン
ジスタを構成するシリコン薄膜半導体装置の製造工程を
断面で示した図で有る。
【0012】本実施例1では、基板201として235
mm□のアルミノシリケートガラス(TRC−5、株式会
社オハラ)を用いたが、600℃の工程最高温度に耐え
得る基板又は下地物質で有るならば、その種類や大きさ
は無論問われない。例えば通常ガラス基板の他にシリコ
ンウェハーなどの半導体基板及びそれらを加工したLS
I、三次元LSIや、或いはシリコン・カーバイト、ア
ルミナ、窒化アルミニウムなどのセラミックス基板など
も下地基板として可能で有る。
【0013】まずアセトン又はメチル・エチル・ケト
ン,メチル・イソ・ブチル・ケトンやシクロヘキサノン
などの有機溶剤中に基板201を浸し、超音波洗浄を行
う。洗浄後窒素中又は減圧下にて乾燥を施し、更にエタ
ノールによる超音波洗浄を行った後窒素バブリングされ
ている純水にて水洗を施す。次に基板201を沸騰して
いる濃度60%の硝酸中に5分間浸し、更に窒素バブリ
ングされている純水中で洗浄した。基板として金属など
酸に依り腐食されたり、変質して仕舞う物質を用いる場
合、この硝酸に依る洗浄は必要とされない。又この強酸
に依る洗浄では酸として硝酸の他に硫酸なども可能で有
る。
【0014】こうして洗浄された基板上に電子サイクロ
トロン共鳴プラズマ化学気相堆積法(ECR−PECV
D法)で下地保護膜202となる酸化硅素膜を3000
Å堆積した。この下地保護膜202は前述の如き種々多
様な物質を基板として用いる際、後に堆積される半導体
膜の膜質、及びそれを用いて構成される薄膜トランジス
タの性能を安定化する為に必要で有る。と同時に、例え
ば基板201として通常ガラスを用いた場合、ガラス中
に含まれているナトリウムなどの可動イオンが、又基板
201として各種セラミック板を用いた際には基板中に
添加されている焼結助材原料などがトランジスタ部に拡
散混入するのを防ぐ役割をも演じている。又金属板を基
板201として用いる場合は、絶縁性を確保する為に下
地保護膜は必要不可欠で有る。又、三次元LSI素子で
は、トランジスタ間や配線間の層間絶縁膜に相当してい
る。
【0015】本実施例1では下地保護膜202をECR
−PECVD法にて堆積した。原料ガスとしてモノシラ
ン(SiH4)と酸素(O2)を用いた。2.45GHz
のマイクロ波出力は2250wで有った。又基板温度は
100℃に保たれて居た。モノシラン流量は75SCC
Mで有り、酸素流量は45SCCMで有った。従って原
料ガスに於ける酸素原子数のシリコン原子数に対する比
はm=1.2となる。この条件下で堆積された酸化珪素
膜の堆積速度は81Å/secで有った。面方位(10
0)のn型シリコン基板にこの同じ条件で酸化珪素膜を
堆積して多波長エリプソメトリーにてこの酸化珪素膜の
光学特性を調べた所、波長308nm,404.7n
m,632.8nmに於ける空気に対する屈折率が各々
1.9725,1.8753,1.7585で有り、波
長308nmに於ける吸光係数は0.1748で有っ
た。更にこの同じ試料をフーリエ変換赤外分光光度計
(FTIR)で調べた所、SiOH基とSiH2 基の存
在を示すピークがそれぞれ885cm-1付近と2260c
-1付近に観測された。酸化珪素膜を特徴付けるSi−
O−Siのピークは1050cm-1に出現する。本実施例
1で堆積した下地保護膜のSiOH基強度I(885cm
-1)のSi−O−Si強度I(1050cm-1)に対する
比は0.165で有り、SiH2 基強度I(2260cm
-1)のSi−O−Si強度I(1050cm-1)に対する
比は0.052で有った。
【0016】本実施例1では下地保護膜202をECR
−PECVD法で形成したが、この他にも通常のPEC
VD法、減圧化学気相堆積法(LPCVD法)や常圧化
学気相堆積法(APCVD法)等のCVD法で形成して
も良い。更に、原料物としてもモノシランと酸素の他に
高次シラン(Sin2n+2:n≧)やTEOS(Si
−(C25−O−)4)等の有機シラン、或いは笑気ガ
ス(N2O)、二酸化炭素(CO2)と言った酸化性物質
を用いても構わない。
【0017】続いてドナー又はアクセプターとなる不純
物を含んだ半導体膜を減圧CVD法にて堆積した。半導
体膜としてシリコンを用いたが、シリコン・ゲルマニウ
ム等他の半導体膜も無論可能で有る。又本実施例1では
n型トランジスタ作成を目指し不純物としてリンを選ん
だが、n型ならばリン以外に5族、6族の元素、P型な
らばボロンを始めとして2族、3族の元素が不純物元素
として添加され得る。この不純物を含んだ半導体膜はい
ずれソース・ドレイン領域203となる部位で、本実施
例1の如く不純物をCVD法で添加する方法の他、まず
最初に不純物を含まない真性半導体膜を形成して居き、
後に気相或いは真性半導体膜に接する固相より不純物を
拡散させて添加する方法や、不純物をイオン化して真性
半導体膜に打ち込む方法などが有る。これら、真性半導
体膜を形成した後拡散法やイオン打ち込み法で不純物を
添加する手法を用いると真性半導体膜の所望の部位のみ
に不純物を添加する事が可能となり、これにより例えば
トランジスタのゲート電極端ととソース端又はドレイン
端が自己整合したセルフ・アライン・トランジスタが可
能となったり、不純物添加濃度を各部位で変える事に依
り半導体膜中の電流密度や比抵抗を変えて所望の部位の
みに電流を流す事などが可能となる。本実施例1では不
純物としてリンを選んだ為、ホスフィン(PH3 )とシ
ランを混合したガスを用いて、不純物を含んだ半導体膜
を1500Å堆積した。本実施例1では184.5lの
容積を有する減圧CVD炉内にモノシランを200SC
CM、ヘリウムが99.5%でホスフィンが0.5%の
ヘリウム・ホスフィン混合ガスを6SCCM、更にヘリ
ウム100SCCMを流し、堆積温度600℃、炉内圧
力100mtorrで堆積した。この時の堆積速度は3
0Å/minで、成膜直後のシート抵抗値は2,050
Ω/□で有った。
【0018】次に、前記半導体膜上にレジストを形成
し、四弗化炭素(CF4)と酸素(O2)の混合プラズマ
に依り、前記膜をパターニングし、ソース・ドレイン領
域203を形成した(図2(a))。続いて沸騰硝酸中に
五分間浸す洗浄で残留レジストなどの不純物を取り除
き、1.67%弗化水素酸に20秒浸してソース・ドレ
イン領域203表面上の自然酸化膜を取り除き、直ちに
減圧CVD法でチャンネル部となる半導体膜を堆積し
た。本実施例1では半導体膜としてシリコンを用いた
が、シリコン・ゲルマニウムやガリウム・ヒ素等他の半
導体も可能で有る。
【0019】この時減圧CVD反応炉の容積は184.
5lで、基板は反応炉中央付近に水平に置かれる。原料
ガス及びヘリウム・窒素・アルゴン・水素等の希釈ガス
は必要に応じて反応炉上部より炉内に導入され、反応炉
下部から排気される。石英ガラスで作られた反応炉の外
側には3ゾーンに分かれたヒーターが設置されて居り、
それらを独立に調整する事で反応炉内中央部付近に所望
の温度で均熱帯を形成する。この均熱帯は約350mmの
高さで広がり、その範囲内での温度のずれは、例えば6
00℃に設定した時0.2℃以内である。従って挿入基
板間の間隔を10mmとすれば1バッチで35枚の基板の
処理が可能で有る。本実施例1では20mm間隔で17枚
の基板を均熱帯内に設置した。
【0020】排気はロータリーポンプとターボ分子ポン
プを直結して行い、反応炉内の圧力は背景真空度の測定
には電離真空計を用い、堆積中は測定値がガスの種類に
依存しない隔膜式圧力計(MKS社バラトロン・マノメ
ーター)に依り測定した。反応炉を600℃に保って、
ガス導入用のバルブを閉じて両ポンプにて反応室の真空
引きを行った時の背景真空度は7.6×10-7torrで有
った。
【0021】ソース・ドレイン領域203が形成され、
該領域表面上の自然酸化膜を取り除かれた基板は、表側
を下向きとして直ちに減圧CVD炉内に挿入された。挿
入時の反応炉内温度は395℃から400℃程度に保た
れている。これはソース・ドレイン領域203上に自然
酸化膜が形成されるのを極力少なくする為で有るから、
挿入時の反応炉内温度は出来る丈低く有るのが望まし
い。例えば挿入時の反応炉内温度を室温とする事も可能
で有るが、この場合堆積温度迄反応炉内温度を昇温する
のに数時間以上費やし、又堆積後室温に戻すのに矢張り
数時間必要となる。基板挿入時に反応炉内には約4SL
M〜10SLMの窒素を流し反応炉内を不活性雰囲気に
保っている。更に反応炉内入り口付近には約6SLM〜
20SLMの窒素で窒素カーテンを形成し、基板挿入時
に空気が反応炉内に流れ込む事を最小限に止めている。
反応炉内に空気中の水分や酸素が入ると、これらは反応
炉内壁のSi層に吸着し、又はSiと反応して反応炉内
に残留し、チャンネル部となるシリコン膜堆積の際、脱
ガスとして現れ、堆積シリコン膜の膜品質を低下させる
原因となる。
【0022】基板挿入後、真空引き、漏洩検査を施し
た。漏洩検査では反応炉に通ずる全バルブを閉じて反応
炉を完全に孤立させて、反応炉内圧力の変化を調べた。
本実施例1では反応炉内温度が400℃で2分間の完全
孤立後、反応炉内圧力は8.4×10-5torrとなっ
た。漏洩検査にて異常が無い事を確認した後、反応炉内
温度を挿入温度の400℃から堆積温度まで昇温する。
本実施例1では600℃でチャンネル部となる半導体膜
を堆積した為、昇温するのに1時間費やした。炉内温度
が堆積温度の600℃に達するには45分間程度で済む
が、反応炉壁からの脱ガスを充分放出する為にも、最短
一時間以上、好ましくは数時間の昇温期間が望ましい。
この昇温期間中、二つのポンプは運転状態に有り、少な
くとも純度が99.995%以上の不活性又は還元性ガ
スを流し続ける。これらのガス種は水素・ヘリウム・窒
素・ネオン・アルゴン・キセノン・クリプトン等の純ガ
スの他、これらのガスの混合ガスも可能で有る。本実施
例1では純度99.9999%以上の窒素を300SC
CM流し続け、反応炉内圧力は3.0mtorrで有っ
た。
【0023】堆積温度到達後、原料ガスで有る所定量の
シラン又はシランと希釈ガスの混合ガスを反応炉内に導
入し、半導体膜204を堆積する。希釈ガスとしては、
先の昇温期間に流したガスと同種の組み合わせが可能で
有るが、望ましくは各ガスの純度はそれぞれが99.9
99%以上が良い。本実施例1では希釈ガスを用いず、
純度99.999%以上のモノシランを45SCCM流
して半導体膜204を堆積した。この時、反応炉内の圧
力は0.71mtorrで有った。本実施例1ではチャ
ンネル部となる半導体膜204を24分間堆積し、29
6Åの堆積膜厚が得られた(図2(b))。
【0024】本実施例1では半導体膜の形成をLPCV
D法で行い、原料ガスもモノシランを用いたが、これ以
外にもプラズマCVD法やAPCVD法などで形成する
事も可能で有る。又原料ガスもモノシランに限らず、ジ
シランやトリシランなどの高次シランやジクロールシラ
ン或いはゲルマンなども可能で有る。又、無論上記種々
のCVD法と上記種々の原料の組み合わせも可能で有
る。
【0025】こうして得られた半導体膜は、レジストで
パターニングされた後、四弗化炭素(CF4)と酸素
(O2)の混合プラズマに依りエッチングされ、チャン
ネル部半導体膜205を形成した(図2(c))。
【0026】次にこの基板を沸騰している濃度60%の
硝酸にて洗浄し、更に1.67%弗化水素酸水溶液に2
0秒間浸してソース・ドレイン領域203とチャンネル
部半導体膜205上の自然酸化膜を取り除いて清浄なシ
リコン表面が出現した後、直ちに電子サイクロトロン共
鳴プラズマCVD装置(ECR−PECVD装置)にて
ゲート絶縁膜206となるSiO2膜を1500Å堆積
した(図2(d))。
【0027】次にクロムをスパッター法で1500Å堆
積し、パターニングに依り、ゲート電極207を形成し
た。この時シート抵抗値は1.3±0.05Ω/□で有
った。本実施例1ではゲート電極材料としてクロムを用
いたが、無論これ以外の導電性物質も可能で有るし、又
その形成方法もスパッター法に限らず蒸着法やCVD法
なども可能で有る。続いてAPCVD法で層間絶縁膜2
08となるSiO2 膜を5000Å堆積した。層間絶縁
膜形成後、コンタクトホールを開け、ソース・ドレイン
取り出し電極209をスパッター法などで形成し、トラ
ンジスタが完成する。(図2(e))本実施例1ではソー
ス・ドレイン取り出し電極材料としてアルミニウムを用
いスパッター法で8000Åの膜厚に堆積して、ソース
・ドレイン取り出し電極を形成した。この時堆積アルミ
ニウム膜のシート抵抗は42.5±2.0mΩ/□で有
った。
【0028】この様にして試作した薄膜トランジスタ
(TFT)の特性を温度25℃で測定した所、トランジ
スタの飽和電流領域より求めた電界効果移動度(J.L
evinson et al. J.Appl.Phy
53.1193.1982)はμo=13.3±
0.4cm2 /v.secと良好なトランジスタ特性を有
する薄膜半導体装置が得られた。なお、エラーバーは9
5%の区間推定値で有る。
【0029】(実施例2)下地保護膜を堆積する工程を
除いてその他の工程は総て実施例1と同じ工程で薄膜ト
ランジスタを作成した。又、下地保護膜の物性も実施例
1と同じ方法で測定した。本実施例2でも下地保護膜を
ECR−PECVD法にて堆積した。原料ガスとしてモ
ノシラン(SiH4)と酸素(O2)を用い、これら原料
ガスの流量と堆積時間を変えた他は実施例1と同じ条件
で下地保護膜を形成した。下地保護膜の厚さは3000
Åで有る。試料2−1に於ける下地保護膜堆積時のモノ
シラン流量は70SCCM、又酸素流量は50SCCM
で有った。以下試料2−2から試料2−5に於ける下地
保護膜堆積時のモノシラン流量と酸素流量は試料2−2
で65SCCMと55SCCM、試料2−3で60SC
CMと60SCCM、試料2−4で45SCCMと75
SCCM、試料2−5で20SCCMと100SCCM
で有った。こうして得られた下地保護膜の物性値を表1
に掲げる。又、これら下地保護膜上に実施例1と全く同
じ工程で作成した薄膜トランジスタの電界効果移動度の
下地保護膜依存性を図1及び表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】図1より下地保護膜堆積時の原料物質に於
ける酸素原子数(NO)のシリコン原子数(NSi)に対
する比(m)が2以下として下地保護膜を形成し、その
保護膜上に半導体層を堆積して薄膜半導体装置を作成し
た時、そのトランジスタ特性(移動度)が急激に改善さ
れる事が分かる。又、これら下地保護膜の物性とトラン
ジスタ特性(移動度)を表1で比較すると下地保護膜の
光学特性が波長308nm、404.7nm、632.
8nmにおける空気に対する屈折率が各々1.5000
以上、1.4800以上、1.4700以上で有るか、
或いは吸光係数がゼロで無い時に薄膜半導体装置のトラ
ンジスタ特性が大きく改善されている様子が分かる。更
にこうした優良なトランジスタ特性を示す薄膜半導体装
置の下地保護膜にはSiOH基やSiH2基が含有され
て居る。これは下地保護膜としての酸化珪素膜の組成が
その上に形成される半導体膜に近づいた為、酸化珪素膜
と半導体膜との間の界面エネルギーが減少し、両者の間
の濡れ性が良くなった事に起因する。これに依り半導体
膜の厚みが300Å未満と窮めて薄くとも、酸化珪素膜
上に極薄膜で均質な半導体膜が堆積され、延ては薄膜半
導体装置の特性改善を行い得たので有る。
【0032】(参考例) 下地保護膜を堆積する工程を除いてその他の工程は総て
実施例1と同じ工程で薄膜トランジスタを作成した。
又、下地保護膜の物性も実施例1と同じ方法で測定し
た。本参考例では下地保護膜を常圧化学気相堆積法(A
PCVD法)にて堆積した。原料ガスとして窒素中に希
釈された濃度20%のモノシランと酸素を用い、これら
の原料ガスを約140SLMの純窒素で希釈して下地保
護膜を堆積した。堆積時の20%モノシランと酸素の流
量はそれぞれ600SCCMと840SCCMで有っ
た。従って原料ガス中に於ける酸素原子数(NO)のシ
リコン原子数(NSi)に対する比はm=14となる。堆
積時の基板温度は300℃で有った。この時の酸化珪素
膜の堆積速度は3.9Å/secで有った。こうして得
られた波長308nm、404.7nm、632.8n
mにおける酸化珪素膜の空気に対する屈折率はそれぞれ
1.4926、1.4763、1.4636で有り、吸
光係数はゼロで有った。又、この膜の構造をFTIRで
調べたが、SiOH基に対応する885cm-1付近のピー
クもSiH2基に対応する2260cm-1のピークも、ど
ちらも測定されなかった。
【0033】こうして得られた下地保護膜上に実施例1
と全く同じ工程で薄膜トランジスタを作成し、その電界
効果移動度を測定した所、μo=1.9±0.4cm2/
v・secで有った。本参考例は従来技術を代表する物
で、これらの結果と、実施例1及び実施例2の結果は、
単に下地保護膜の膜質、或いはその製造方法を調整する
だけで薄膜半導体装置の特性を大幅に改良し得るとの本
発明の優位性を如実に物語っている。
【0034】
【発明の効果】以上述べて来た様に、本発明に依れば、
単に下地保護膜の膜物性或いは膜組成を調整する事、又
は下地保護膜の形成方法を工夫する事のみで、薄膜半導
体装置の特性を大きく向上せしめた。即ち、本発明に依
り、優良なトランジスタ特性を有する薄膜半導体装置を
大面積に均一に簡便な手法にて形成する事が可能とな
り、LSIの多層化や薄膜トランジスタを用いたアクテ
ィブマトリックス液晶ディスプレイの高性能化や低価格
化を実現すると言う多大な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の効果を示す図。
【図2】 本発明の一実施例を示す薄膜半導体装置製造
の各工程に於ける素子断面図。
【符号の説明】
201…基板 202…下地保護膜 203…ソース・ドレイン領域 204…半導体膜膜 205…チャンネル部半導体膜 206…ゲート絶縁膜 207…ゲート電極 208…層間絶縁膜 209…ソース・ドレイン取り出し電極

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成した酸化珪素膜上に膜厚3
    00Å未満のシリコンを含む薄膜半導体層を形成し、前
    記薄膜半導体層をトランジスタの能動層とする薄膜半導
    体装置の製造方法において、 前記酸化珪素膜は電子サイクロトロン共鳴プラズマ化学
    気相堆積法若しくはPECVD法、減圧化学気相堆積
    法、又は常圧化学気相堆積法にて堆積されるとともに、
    前記酸化珪素膜の原料は、シラン(Sin2n+2:n≧
    1)と酸化性物質を含み、酸素原子数のシリコン原子数
    に対する比(m=No/Nsi:Noは酸素原子数、Nsi
    シリコン原子数)は2以下(m≦2)であり、 前記酸化珪素膜は、SiOH基、又はSiH基を含有
    し、前記酸化珪素膜の空気に対する屈折率は、波長30
    8nmにおいて1.60以上、波長404.7nmにお
    いて1.57以上、波長632.8nmにおいて1.5
    4以上であり、 前記薄膜半導体層は化学気相堆積法にて堆積されること
    を特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜半導体装置の製造
    方法において、前記薄膜半導体層の前記化学気相堆積法
    は減圧化学気相堆積法であることを特徴とする薄膜半導
    体装置の製造方法。
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