JP3529951B2 - カチオン化含フッ素ポリエーテル及びその製造方法 - Google Patents

カチオン化含フッ素ポリエーテル及びその製造方法

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JP3529951B2 JP20579896A JP20579896A JP3529951B2 JP 3529951 B2 JP3529951 B2 JP 3529951B2 JP 20579896 A JP20579896 A JP 20579896A JP 20579896 A JP20579896 A JP 20579896A JP 3529951 B2 JP3529951 B2 JP 3529951B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な界面活性剤と
して有用なカチオン化含フッ素ポリエーテル及びその製
造方法、並びにその合成中間体である含フッ素ポリエー
テルに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】含フッ
素化合物は一般にその表面自由エネルギーが非常に低い
ため、撥水性、撥油性、防汚性、非粘着性、低摩擦性を
有し、液状物はその低い表面張力により高い濡れ性、浸
透性といった特異な性質を示すことが知られている。中
でも、フッ素系ポリエーテルは、さまざまな物質の表面
改質等に用いられており、例えば、化粧品、磁気記録材
料や、精密機械用の潤滑剤、繊維処理剤等の用途が挙げ
られる。現在、そのようなフッ素系ポリエーテルとし
て、何種類かが開発されている(アウジモント社製;商
標フォンブリン、デュポン社製;商標クライトックス、
ダイキン(株)製;商標デムナム)。
【0003】しかしながら、これらはいずれも他の材料
との相溶性に乏しいため、それらを配合物とすることが
困難であり、またその分子内に極性基を有していないた
めに無機物等の粉体の表面処理性や水系での乳化分散性
に乏しいものである。
【0004】また、従来よりカチオン性のフッ素置換界
面活性剤としてフルオロアルキルアンモニウム塩等が知
られているが、これらは他の材料との相溶性や各種溶剤
への溶解性に乏しく、乳化分散性が著しく低いという欠
点があった。従って、本発明の課題は、撥水性、撥油性
等の特異な性質を有し、且つ他の材料との相溶性や各種
溶剤への溶解性、無機物等の粉体の表面処理等に優れて
おり、更には水系での乳化分散性も良好であるカチオン
化含フッ素化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に応えるために鋭意検討を行った結果、極めて特定の
構造を有するカチオン化含フッ素化合物が、他の材料
(例えば化粧品原料等)との相溶性、各種溶剤への溶解
性、無機物等の粉体の表面処理等に適しており、水系で
の乳化分散性に優れ、且つフッ素化合物本来の特性、即
ち撥水性、撥油性、防汚性、非粘着性、低摩擦性等の優
れた物性を有する化合物であることを見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、一般式(I)で表される
カチオン化含フッ素ポリエーテル及びその製造方法を提
供するものである。
【0007】
【化5】
【0008】〔式中、 R1:アンモニウム塩基を有する炭素数1〜20のヒドロキ
シ化合物からy 個の水酸基を除いた残基を示す。 R2:水素原子、あるいは酸素原子、窒素原子、ハロゲン
原子又はケイ素原子を含有していても良い炭素数1〜20
の直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化
水素基を示す。 A :エチレン基、プロピレン基又は式(II)
【0009】
【化6】
【0010】で表される基を示し、(x×y)個のA は同一
でも異なっていても良く、分子中の全A 基の内少なくと
も5個は式(II)で表される基である。 x :0〜2000の数を示し、y 個のx は同一でも異なって
いても良く、x の総和は5以上である。 y :1〜3の数を示す。〕 また、本発明は上記一般式(I)で表されるカチオン化
含フッ素ポリエーテルの合成中間体である一般式(III)
で表される含フッ素ポリエーテルを提供するものであ
る。
【0011】
【化7】
【0012】〔式中、 R2, A, x, y :前記の意味を示す。 R3:1級、2級又は3級アミノ基を有する炭素数1〜20
のヒドロキシ化合物からy 個の水酸基を除いた残基を示
す。〕
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0014】本発明が提供する一般式(I)で表される
カチオン化含フッ素ポリエーテル(以下、カチオン化含
フッ素ポリエーテル(I)と略記する)は以下に示す方
法により製造することができる。
【0015】即ち、一般式 (IV) : R3(OH)y (IV) 〔式中、R3及びy は前記の意味を示す。〕で表されるヒ
ドロキシ化合物の金属アルコキシド存在下、又は一般式
(IV) で表されるヒドロキシ化合物とアルカリ金属水酸
化物あるいはアルカリ金属アルコキシドの共存下、式
(V)
【0016】
【化8】
【0017】で表されるトリフルオロプロピレンオキシ
ドを、また必要に応じて更にエチレンオキシド及び/又
はプロピレンオキシドをランダムあるいはブロック共重
合させた後、重合停止剤により重合を停止することによ
って、前記一般式(III) で表される含フッ素ポリエーテ
ル(以下、含フッ素ポリエーテル(III) と略記する)を
得、得られた含フッ素ポリエーテル(III) とカチオン化
剤とを反応させることによって、カチオン化含フッ素ポ
リエーテル(I)が得られる。
【0018】本発明に用いられる一般式 (IV) で表され
るヒドロキシ化合物としては、1級、2級又は3級アミ
ノ基を有する炭素数1〜20の1〜3価のヒドロキシ化合
物であれば特に限定されないが、このヒドロキシ化合物
の具体例としては、アミノエタノール、アミノプロパノ
ール、アミノブタノール、アミノシクロヘキサノール、
トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジメ
チルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジ
プロピルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミ
ン、ジメチルプロパノールアミン、ジエチルプロパノー
ルアミン、ジプロピルプロパノールアミン、ジブチルプ
ロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチル
ジエタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、ブ
チルジエタノールアミン、メチルジプロパノールアミ
ン、エチルジプロパノールアミン、プロピルジプロパノ
ールアミン、ブチルジプロパノールアミン、更に窒素原
子に少なくとも1つの-(CH2CH2O)zH 基(但し、zは2以
上の数)を有するエチレンオキシド変性アミン、アミノ
フェノール、アミノクレゾール、アミノナフトール、ア
ミノヒドロキシフルオレン、ヒドロキシピリジン、ピリ
ジンメタノール、ヒドロキシメチルピリジン、アミノヒ
ドロキシピラゾール、アミノヒドロキシメチルピリミジ
ン等が挙げられる。
【0019】また、本発明に用いられるアルカリ金属水
酸化物あるいはアルカリ金属アルコシキド(以下、単に
アルカリあるいはアルコキシドと呼ぶことがある)は水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、あるい
はナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のア
ルコキシドであり、アルコキシドとしてはメトキシド、
エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等を挙げること
ができる。
【0020】本発明の方法において単量体として用いる
式(V)で表されるトリフルオロプロピレンオキシド
は、トリフルオロアセトンを臭素化して得られるブロモ
トリフルオロアセトンを水素化リチウムアルミニウムで
還元してブロモトリフルオロイソプロピルアルコールを
得、更に苛性ソーダで処理する方法、あるいはトリフル
オロプロピレンを微生物を用いて酸化する方法(特公昭
61−14798 号公報、特開昭61−202697号公報参照)等に
より製造することができる。
【0021】本発明における重合反応は水、アルコー
ル、酸、ハロゲン化物等の重合停止剤を添加することに
より停止させる。使用する重合停止剤の種類によって、
得られる含フッ素ポリエーテル(III) の末端基R2の構造
を選択することができる。すなわち、水、アルコール、
酸を用いれば末端は H基になり、ハロゲン化アルキル、
ハロゲン化アルケニル等のハロゲン化物を用いればアル
キルもしくはアルケニル末端の構造を持ったものにな
る。また含フッ素ポリエーテル(III) はアミノ基を有し
ているので重合停止剤として酸又はハロゲン化物を使用
すると、アミノ基が同時にカチオン化できる。
【0022】含フッ素ポリエーテル(III) の末端基R
2は、水素原子、あるいは酸素原子、窒素原子、ハロゲ
ン原子又はケイ素原子を含有していても良い炭素数1〜
20の直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭
化水素基を示すが、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖脂肪
族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基としては、メチ
ル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基、4−メチ
ルフェニル基等のアルキル置換フェニル基、アリル基等
のアルケニル基、ベンジル基、4−メチルベンジル基等
のフェニル置換アルキル基等が挙げられる。
【0023】重合停止剤として用いる酸としては、塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、酢酸、メタンス
ルホン酸、無水酢酸、無水安息香酸等の有機酸等が好ま
しい。またハロゲン化物としては、ヨウ素原子、臭素原
子、塩素原子等のハロゲン原子を有する炭化水素が好ま
しい。ハロゲン原子を有する炭化水素としては、ハロゲ
ン化アルキルあるいはハロゲン化アルケニル等が挙げら
れ、具体的には、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化
プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化オクチル、ヨウ化ラウ
リル、ヨウ化ミリスチル、ヨウ化パルミチル、ヨウ化ス
テアリル、ヨウ化ベヘニル、ヨウ化アリル、ヨウ化ベン
ジル、ヨウ化シンナミル、臭化メチル、臭化エチル、臭
化プロピル、臭化ブチル、臭化オクチル、臭化ラウリ
ル、臭化ミリスチル、臭化パルミチル、臭化ステアリ
ル、臭化ベヘニル、臭化アリル、臭化クロチル、臭化ベ
ンジル、臭化シンナミル、塩化メチル、塩化エチル等を
挙げることができる。また、ハロゲン原子を有する炭化
水素の炭化水素基としては、酸素原子、窒素原子、ハロ
ゲン原子、ケイ素原子等を含有していても良く、これら
の例としては、アセチルクロリド、1−臭化酢酸エチ
ル、クロロメチルメチルエーテル等の酸素(カルボニル
基、エーテル基)含有ハロゲン化物、トリフルオロ酢酸
クロリド、ヨウ化パーフルオロエチル、ヨウ化パーフル
オロプロピル、ヨウ化2−(パーフルオロブチル)エチ
ル、ヨウ化2−(パーフルオロオクチル)エチル、臭化
パーフルオロオクチル等のフッ素(ハロゲン)含有ハロ
ゲン化物、トリメチルシリルクロリド、3−クロロプロ
ピルトリメチルシラン等のケイ素含有ハロゲン化物等が
挙げられる。重合停止剤の添加量は重合開始剤の等モル
以上存在させるのが良い。
【0024】本発明において、トリフルオロプロピレン
オキシド、必要に応じて更にエチレンオキシド及び/又
はプロピレンオキシドを重合させる際には、一般に窒
素、アルゴン等の不活性ガス存在下、−20〜200℃の温
度範囲で行われる。特に0〜180℃が好ましい。反応温
度の調節、反応系の粘度の調節などの必要に応じて有機
溶媒中で重合を行ってもよい。
【0025】用いられる有機溶媒としてはトリフルオロ
プロピレンオキシドを溶解するものであれば特に限定は
なく、例えば1,2 −ジメトキシエタン、ジグライム、テ
トラグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジブ
チルエーテル等のエーテル系の溶媒、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン等の炭化水素系の溶媒、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等
の極性溶媒を使用することができるが、特にエーテル系
の溶媒が好ましい。また、これらの溶媒を併用すること
も可能である。また、無溶媒で重合を行ってもよい。反
応時間は仕込み原料の量、温度等の反応条件によりかな
り異なるが、通常1時間〜1週間程度で行われる。
【0026】重合反応が完結した後、重合停止剤により
停止させ、水で洗浄し、溶媒を留去、減圧乾燥し、必要
に応じて精製することにより、含フッ素ポリエーテル(I
II)が得られる。精製法としては有機溶媒による抽出や
再沈、イオン交換樹脂や電気透析による脱塩法が挙げら
れる。また、必要に応じて、カラムクロマトグラフィー
や蒸留等の精製を行っても良い。
【0027】このようにして得られた含フッ素ポリエー
テル(III) とカチオン化剤とを反応させることにより、
本発明のカチオン化含フッ素ポリエーテル(I)が得ら
れる。
【0028】本発明で用いられるカチオン化剤として
は、酸やハロゲン化物が挙げられる。酸としては、塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、酢酸、メタンス
ルホン酸、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等の有機酸等が
挙げられる。またハロゲン化物としては、ヨウ素原子、
臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子を有する炭化水素
等が挙げられる。ハロゲン原子を有する炭化水素の炭化
水素基はメチル基、エチル基等のアルキル基、アリル基
等のアルケニル基、4−メチルベンジル基等のアルキル
置換ベンジル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキルあ
るいはハロゲン化アルケニルの具体例としては、ヨウ化
メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチ
ル、ヨウ化オクチル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチ
ル、ヨウ化パルミチル、ヨウ化ステアリル、ヨウ化ベヘ
ニル、ヨウ化アリル、ヨウ化ベンジル、ヨウ化シンナミ
ル、ヨウ化パーフルオロエチル、ヨウ化パーフルオロプ
ロピル、ヨウ化2−(パーフルオロブチル)エチル、ヨ
ウ化2−(パーフルオロオクチル)エチル、臭化メチ
ル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、臭化オク
チル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、臭化パルミチ
ル、臭化ステアリル、臭化ベヘニル、臭化アリル、臭化
クロチル、臭化ベンジル、臭化シンナミル、臭化パーフ
ルオロオクチル、塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジ
ル等を挙げることができる。
【0029】これらのカチオン化剤の添加量は、含フッ
素ポリエーテル(III) に対して等モル以上存在させるの
が良い。カチオン化の反応温度は−20〜200 ℃、好まし
くは0〜110 ℃が良い。反応時間はカチオン化剤添加
後、5分間〜72時間までで十分である。
【0030】本発明のカチオン化反応においては、反応
温度の調節、反応系の粘度の調節などの必要に応じて有
機溶媒中で反応を行っても良い。有機溶媒としては1,2
−ジメトキシエタン、ジグライム、テトラグライム、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジブチルエーテル等の
エーテル系の溶媒、トルエン、キシレン、ヘキサン等の
炭化水素系の溶媒、DMF、DMSO等の極性溶媒を使
用することができるが、特にエーテル系の溶媒が好まし
い。また、これらの溶媒を併用することも可能である。
反応溶媒の使用量は、含フッ素ポリエーテル(III) の濃
度が10重量%以上になるように調整するのが好ましい。
【0031】カチオン化反応が完結した後、水で洗浄
し、溶媒を留去、減圧乾燥し、必要により精製すること
により、カチオン化含フッ素ポリエーテル(I)が得ら
れる。精製法としては有機溶媒による抽出や再沈、イオ
ン交換樹脂や電気透析による脱塩法が挙げられる。ま
た、必要に応じて、カラムクロマトグラフィーや蒸留等
の精製を行ってもよい。
【0032】
【作用及び発明の効果】本発明のカチオン化含フッ素ポ
リエーテル(I)は、同一分子内に撥水性、撥油性、防
汚性、非粘着性、低摩擦性等に代表されるフッ素の特徴
を有しながら他の材料との相溶性にも優れたトリフルオ
ロプロピレンオキシド重合体骨格と無機物等の粉体表面
への吸着性や水系での乳化分散性を示すカチオン性骨格
のため、必要に応じて種々の配合物とすることができ、
且つそれらによって形成された皮膜は高い撥水撥油性を
示し、大量の水もしくは界面活性剤を含有する水溶液に
より乳化分散させることができる。また、本発明のカチ
オン化含フッ素ポリエーテル(I)は分子内にエーテル
結合を有しているため、種々の溶剤に可溶であり、且つ
耐加水分解性にも優れ、カチオン性基を有するために
肌、毛髪、繊維等の付着性にも優れた新規なカチオン性
界面活性剤でもある。
【0033】よって、本発明の新規カチオン化含フッ素
ポリエーテル(I)は化粧品原料、磁気記録材料や、精
密機械用の潤滑剤、繊維処理剤、帯電防止剤、自動車用
の塗装面仕上げ剤、塗料用添加剤、乳化剤、樹脂改質
剤、つや出し剤、無機物処理剤など非常に幅広い分野に
応用できる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げ、更に詳しく本発明を説
明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるも
のではない。なお、以下の実施例では、十分に乾燥し、
内部を乾燥窒素もしくは乾燥アルゴン等の不活性ガスで
置換し、滴下ロート、温度計、三方活栓を付したガラス
容器内で反応を行い、試薬の注入はこの三方活栓を介し
注射器を用いて乾燥窒素もしくは乾燥アルゴン等の不活
性ガスの気流下で行った。
【0035】実施例1: (A) 含フッ素ポリエーテル(1a)の合成
【0036】
【化9】
【0037】十分に乾燥し、内部を乾燥アルゴンで置換
し、温度計、三方活栓を付けたガラス容器に重合開始剤
であるカリウムt−ブトキシド0.562g(5.0mmol)を仕込
んだ後、反応容器内を再びアルゴン置換し、真空下にて
ブラスターにより加熱乾燥を行った。そこへモレキュラ
ーシーブス4Aで乾燥したジメトキシエタン10mlを三方
活栓を介し注射器を用いて乾燥アルゴン気流下で仕込み
15分間攪拌した。次いでアルゴン気流下ジメチルエタノ
ールアミン0.51ml(5.0mmol)を加え、室温で1.5時間反応
を行った。この白濁分散液をアルゴン気流下、内部を乾
燥アルゴンで置換したオートクレーブに移した。続いて
モレキュラーシーブス4Aで乾燥したトリフルオロプロ
ピレンオキシド 4.4ml(50mmol)を乾燥アルゴン気流下
オートクレーブに加えた。80℃で18時間攪拌した後、重
合開始剤と当モルの1N塩酸を添加し反応を停止した。
反応物をエーテルで抽出し、水で洗浄、芒硝での乾燥、
溶媒を減圧留去することにより淡黄色のワックス状の含
フッ素ポリマー5.0g(収率70%)を得た。 1H−NMR
スペクトル(図1)、IRスペクトル(図2)、元素分
析及び残存アミノ基分析(アミン価)より目的とする含
フッ素ポリエーテル(1a)であることを確認した。ま
たGPCでのピーク数平均分子量(東ソー、G4000HXL+
G2000HXL、50mM酢酸/テトラヒドロフラン) はポリスチ
レン換算で、Mn=1.4 ×103 、Mw/Mn=1.11であった。
【0038】1H−NMRスペクトル(δppm)(溶媒:
アセトン−d6):図1 2.1〜2.2 (s、6H) (CH3 )2N- 2.3〜2.4 (t、2H) -N-CH2 -CH2O 3.5〜3.7 (t、2H) -N-CH2-CH2 O 3.5〜4.5 (m、30H) -CH2 -CH(CF3)O- IRスペクトル(液膜、cm-1):図2 2950 、2900、2850、2800、1620、1480、1380、1350、1
280、1200、1150、1050 、930 、870、710 元素分析 計算値:F(47.2%)、N(1.2 %) 実測値:F(50.2%)、N(0.9 %) アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(46.3) 、ReAmV(46.3) 実測値:ToAmV(42.6) 、ReAmV(42.6) なお、ToAmV 及びReAmV は以下のように定義される。 ・ToAmV :アミノ基を塩酸で滴定。サンプル1g当たり
に含有されるアミノ基モル数をKOH量(KOHmg/g)で表す。
1級、2級、3級アミンが検出される。 ・ReAmV :アミノ基を既知量の塩酸で中和した後、過剰
の塩酸を KOHで逆滴定。サンプル1g当たりに含有され
るアミノ基モル数を KOH量(KOHmg/g)で表す。1級、2
級、3級アミン、さらにアミン塩が検出される。
【0039】(B) カチオン化含フッ素ポリエーテル(1
b)の合成
【0040】
【化10】
【0041】十分に乾燥し、内部を乾燥アルゴンで置換
した温度計、三方活栓を付したガラス容器を用意した。
このガラス容器に含フッ素ポリエーテル(1a)2.523g
(2.1mmol) 、メタノール2.5g、ヨウ化メチル1.42g(10mm
ol) を入れ、室温で13時間反応した。溶媒等を減圧留去
することにより淡黄色のワックス状のカチオン化含フッ
素ポリエーテル2.8g(収率99%)を得た。生成物は 1
−NMRスペクトル(図3)、IRスペクトル(図
4)、元素分析及び残存アミノ基分析(アミン価)より
目的物であることを確認した。
【0042】1H−NMRスペクトル(δppm)(溶媒:
アセトン−d6 ):図3 3.4〜3.5 (s、9H) (CH3 )3N- 3.8〜4.5 (t、2H) -N-CH2 -CH2O 3.8〜4.5 (t、2H) -N-CH2-CH2 O 3.8〜4.5 (m、30H) -CH2 -CH(CF3)O- IRスペクトル(液膜、cm-1):図4 2950 、2900、2850、2800、1620、1480、1380、1350、1
280、1200、1150、1050 、1000、950 、930 、870、710 元素分析 計算値:F(42.1%)、N(1.0 %) 実測値:F(48.8%)、N(0.9 %) アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(0) 、 ReAmV(0) 実測値:ToAmV(0.3 以下) 、ReAmV(0.3 以下) 実施例2: (A) 含フッ素ポリエーテル(2a)の合成
【0043】
【化11】
【0044】十分に乾燥し、内部を乾燥アルゴンで置換
したオートクレーブに重合開始剤であるカリウムt−ブ
トキシド0.84g(7.5mmol)を仕込んだ後、反応容器内を再
びアルゴン置換し、真空下にてブラスターにより加熱乾
燥を行った。そこへモレキュラーシーブス4Aで乾燥し
たジメトキシエタン15mlを注射器を用いて乾燥アルゴン
気流下で仕込み15分間攪拌した。次いでアルゴン気流下
ジメチルエタノールアミン0.75ml(7.5mmol) を加え、室
温で 3.5時間反応を行った。続いてモレキュラーシーブ
ス4Aで乾燥したトリフルオロプロピレンオキシド13ml
(150mmol) を乾燥アルゴン気流下、水冷しながら加え
た。80℃で16時間攪拌し、重合開始剤と当モルの1N塩
酸を添加し反応を停止した。反応物をエーテルで抽出
し、水で洗浄、芒硝での乾燥、溶媒を減圧留去すること
により淡黄色ワックス状の含フッ素ポリマー15.3g(収率
88%)を得た。 1H−NMRスペクトル(図5)、IR
スペクトル、元素分析及び残存アミノ基分析(アミン
価)より目的とする含フッ素ポリエーテル(2a)であ
ることを確認した。またGPCでのピーク数平均分子量
(東ソー、G4000HXL+G2000HXL、50mM酢酸/テトラヒド
ロフラン) はポリスチレン換算で、Mn= 2.7×103 、Mw
/Mn=1.11であった。
【0045】1H−NMRスペクトル(δppm)(溶媒:
アセトン−d6 ):図5 2.1〜2.2 (s、6H) (CH3 )2N- 2.3〜2.5 (t、2H) -N-CH2 -CH2O 3.5〜3.7 (t、2H) -N-CH2-CH2 O 3.5〜4.7 (m、66H) -CH2 -CH(CF3)O- IRスペクトル(液膜、cm-1):2950 、2900、2850、2
800、1620、1480、1380、1350、1280、1200、1150、105
0 、930 、870 、710 元素分析 計算値:F(49.1%)、N(0.6 %) 実測値:F(45.7%)、N(0.5 %) アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(21.9) 、ReAmV(21.9) 実測値:ToAmV(19.1) 、ReAmV(19.2) (B) カチオン化含フッ素ポリエーテル(2b)の合成
【0046】
【化12】
【0047】内部を乾燥アルゴンで置換した温度計、三
方活栓を付したガラス容器を用意した。このガラス容器
に含フッ素ポリエーテル(2a)2.55g(1.0mmol)、メタ
ノール 10g、濃塩酸 0.10gを入れ、室温で1時間反応し
た。反応溶媒等を減圧留去後、エーテルで抽出し、水で
洗浄、芒硝での乾燥、溶媒を減圧留去することにより淡
黄色ワックス状のカチオン化含フッ素ポリエーテル2.5g
(収率96%) を得た。生成物は 1H−NMRスペクトル
(図6)、IRスペクトル及び残存アミノ基分析(アミ
ン価)より目的物であることを確認した。
【0048】1H−NMRスペクトル(δppm )(溶
媒:アセトン−d6 ):図6 2.6〜2.9 (s、6H) (CH3 )2NH- 2.3〜3.4 (br 、H) (CH3)2NH- 3.0〜3.3 (m、2H) -N-CH2 -CH2O 3.6〜3.9 (m、2H) -N-CH2-CH2 O 3.6〜4.6 (m、66H) -CH2 -CH(CF3)O- IRスペクトル(液膜、cm-1):2950 、2900、2850、2
800、1620、1480、1380、1350、1280、1200、1150、105
0 、1000、950 、930 、870 、710 アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(0) 、 ReAmV(21.6) 実測値:ToAmV(0.3 以下) 、ReAmV(18.5) 実施例3: (A) 含フッ素ポリエーテル(3a)の合成
【0049】
【化13】
【0050】十分に乾燥し、内部を乾燥アルゴンで置換
したオートクレーブに重合開始剤であるカリウムt−ブ
トキシド0.84g(7.5mmol)を仕込んだ後、反応容器内を再
びアルゴン置換し、真空下にてブラスターにより加熱乾
燥を行った。そこへモレキュラーシーブス4Aで乾燥し
たジメトキシエタン15mlを注射器を用いて乾燥アルゴン
気流下で仕込み15分間攪拌した。次いでアルゴン気流下
アミノエタノール0.46ml(7.5mmol)を加え、室温で 1.5
時間反応を行った。続いてモレキュラーシーブス4Aで
乾燥したトリフルオロプロピレンオキシド13ml(150mmo
l)を乾燥アルゴン気流下、水冷しながら加えた。室温
(約25℃) で18時間重合後、重合停止剤であるヨウ化メ
チル0.49ml(7.9mmol)を加え室温で13時間反応し重合停
止した。反応物をエチルエーテルで抽出し、水で洗浄、
芒硝での乾燥、溶媒を減圧留去することにより淡黄色ワ
ックス状の含フッ素ポリマー15.3g(収率88%) を得た。
1H−NMRスペクトル(図7)、IRスペクトル、元
素分析及び残存アミノ基分析(アミン価)より目的とす
る含フッ素ポリエーテル(3a)であることを確認し
た。またGPCでのピーク数平均分子量(東ソー、G400
0HXL+G2000HXL、50mM酢酸/テトラヒドロフラン) はポ
リスチレン換算で、Mn=2.8 ×103 、Mw/Mn=1.12であ
った。
【0051】1H−NMRスペクトル(δppm)(溶媒:
アセトン−d6 ):図7 2.6〜3.2 (s、2H) H2 N-CH2-CH2O- 2.6〜3.2 (m、2H) H2N-CH2 -CH2O- 3.6〜3.7 (s、3H) -CH2-CH(CF3)O-CH3 3.6〜4.6 (m、2H) H2N-CH2-CH2 O- 3.6〜4.6 (m、69H) -CH2 -CH(CF3)O- IRスペクトル(液膜、cm-1):2950 、2900、1620、1
480、1380、1350、1280、1200、1150、1050、930 、87
0、710 元素分析 計算値:F(49.2%)、N(0.6%) 実測値:F(45.1%)、N(0.5%) アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(24.2) 、ReAmV(24.2) 実測値:ToAmV(22.7) 、ReAmV(22.5) (B) カチオン化含フッ素ポリエーテル(3b)の合成
【0052】
【化14】
【0053】内部を乾燥アルゴンで置換したガラス容器
に含フッ素ポリエーテル(3a)2.32g(1.0mmol)、メタ
ノール10g 、濃塩酸 0.10gを加えた。室温で1時間反応
した後、溶媒を留去し、反応物を水洗した。淡黄色ワッ
クス状のカチオン化含フッ素ポリエーテル2.3g(収率99
%)を得た。生成物は 1H−NMRスペクトル、IRス
ペクトル及び残存アミノ基分析(アミン価)より目的物
であることを確認した。
【0054】1H−NMRスペクトル(δppm )(溶
媒:アセトン−d6 ): 2.6〜3.1 (s、3H) H3 N-CH2-CH2O- 3.1〜3.4 (m、2H) H3N-CH2 -CH2O- 3.5〜3.6 (s、3H) -CH2-CH(CF3)O-CH3 3.6〜5.0 (m、2H) H3N-CH2-CH2 O- 3.6〜5.0 (m、69H) -CH2 -CH(CF3)O- IRスペクトル(液膜、cm-1):2950 、2900、1620、1
480、1380、1350、1280、1200、1150、1050、930 、87
0、710 アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(0) 、 ReAmV(23.8) 実測値:ToAmV(0.5 以下) 、ReAmV(22.0) 実施例4: (A) 含フッ素ポリエーテル(4a)の合成
【0055】
【化15】
【0056】十分に乾燥し、内部を乾燥アルゴンで置換
し、三方活栓を付したガラス容器に重合開始剤であるカ
リウムt−ブトキシド0.56g(5.0mmol)を仕込んだ後、反
応容器内を再びアルゴン置換し、真空下にてブラスター
により加熱乾燥を行った。そこへモレキュラーシーブス
4Aで乾燥したジメトキシエタン10mlを三方活栓を介し
注射器を用いて乾燥アルゴンの気流下で仕込み15分間加
熱攪拌した。この開始剤溶液を乾燥アルゴンの気流下注
射器を用いて50mlオートクレーブに移し、乾燥ジメチル
エタノールアミン0.5ml(5.0mmol)を加え、室温で3時間
攪拌した。次いでドライアイス−アセトンでトラップし
た乾燥エチレンオキシド(水素化カルシウムで乾燥)2.
5ml(50mmol) を氷冷した前述のオートクレーブに乾燥ア
ルゴン気流下添加した。エチレンオキシドの重合は40
℃、2時間で行った。このオートクレーブを再び氷冷し
た後、モレキュラーシーブス4Aで乾燥したトリフルオ
ロプロピレンオキシド4.3ml(50mmol) を乾燥アルゴン気
流下添加した。室温で15時間重合した後、1N塩酸を加
え中和した。反応物をエーテルで抽出し、水洗後硫酸ナ
トリウムで乾燥、溶媒を減圧留去することにより淡黄色
のワックス状の含フッ素ポリエーテル6.6g(収率80%)
を得た。 1H−NMRスペクトル、IRスペクトル、元
素分析及び残存アミノ基分析(アミン価)より目的とす
る含フッ素ポリエーテル(4a)であることを確認し
た。またGPCでのピーク数平均分子量(東ソー、G400
0HXL+G2000HXL、50mM酢酸/テトラヒドロフラン) はポ
リスチレン換算で、Mn= 3.0×103 、Mw/Mn=1.10であ
った。
【0057】1H−NMRスペクトル(δppm )(溶
媒:アセトン−d6 ): 2.1〜2.2 (s、6H) (CH3 )2N- 2.3〜2.4 (t、2H) -N-CH2 -CH2O- 3.5〜3.7 (t、2H) -N-CH2-CH2 O- 3.3〜3.7 (s、48H) -CH2 -CH2 O- 3.5〜4.5 (m、30H) -CH2 -CH(CF3) O- IRスペクトル(液膜、cm-1):2950 、2900、2850、2
800、1620、1480、1380、1350、1280、1200、1150、105
0 、930 、870 、710 元素分析 計算値:F(32.8%)、N(0.8%) 実測値:F(30.1%)、N(0.8%) アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(32.2) 、ReAmV(32.2) 実測値:ToAmV(29.8) 、ReAmV(30.2) (B) カチオン化含フッ素ポリエーテル(4b)の合成
【0058】
【化16】
【0059】内部を乾燥アルゴンで置換した温度計、三
方活栓を付したガラス容器を用意した。このガラス容器
に含フッ素ポリエーテル(4a)1.74g(1.0mmol)、メタ
ノール5.0g、ヨウ化メチル0.71g(5mmol)を入れ、室温で
13時間反応した。溶媒等を減圧留去することにより淡黄
色ワックス状のカチオン化含フッ素ポリエーテル1.7g
(収率99%)を得た。生成物は 1H−NMRスペクト
ル、IRスペクトル、元素分析及び残存アミノ基分析
(アミン価)より目的物であることを確認した。
【0060】1H−NMRスペクトル(δppm )(溶
媒:アセトン−d6 ): 3.4〜3.5 (s、9H) (CH3 )3N- 3.8〜4.5 (t、2H) -N-CH2 -CH2O- 3.8〜4.5 (t、2H) -N-CH2-CH2 O- 3.4〜3.8 (s、48H) -CH2 -CH2 O- 3.8〜4.5 (m、30H) -CH2 -CH(CF3) O- IRスペクトル(液膜、cm-1):2950 、2900、2850、2
800、1620、1480、1380、1350、1280、1200、1150、105
0 、1000、950 、930 、870 、710 アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(0) 、 ReAmV(0) 実測値:ToAmV(0.3 以下) 、ReAmV(0.3 以下) 実施例5: (A) 含フッ素ポリエーテル(5a)の合成
【0061】
【化17】
【0062】十分に乾燥し、内部を乾燥アルゴンで置換
し、三方活栓を付したガラス容器に重合開始剤であるカ
リウムt−ブトキシド0.56g(5.0mmol)を仕込んだ後、反
応容器内を再びアルゴン置換し、真空下にてブラスター
により加熱乾燥を行った。そこへモレキュラーシーブス
4Aで乾燥したジメトキシエタン10mlを三方活栓を介し
注射器を用いて乾燥アルゴンの気流下で仕込み15分間加
熱攪拌した。この開始剤溶液を乾燥アルゴンの気流下注
射器を用いて50mlオートクレーブに移し、乾燥アミノエ
タノール0.30ml(5.0mmol)を加え、室温で3時間攪拌し
た。次いでドライアイス−アセトンでトラップした乾燥
エチレンオキシド(水素化カルシウムで乾燥)2.5ml(50
mmol) を氷冷した前述のオートクレーブに乾燥アルゴン
気流下添加した。エチレンオキシドの重合は40℃、2時
間で行った。このオートクレーブを再び氷冷した後、モ
レキュラーシーブス4Aで乾燥したトリフルオロプロピ
レンオキシド 4.3ml(50mmol)を乾燥アルゴン気流下添加
した。室温で16時間重合した後、重合停止剤であるヨウ
化メチル0.32ml(5.2mmol) を加え室温で13時間反応し重
合を停止した。反応物をエーテルで抽出し、水で洗浄、
芒硝での乾燥、溶媒を減圧留去することにより淡黄色ワ
ックス状の含フッ素ポリマー7.1g(収率88%)を得た。
1H−NMRスペクトル、IRスペクトル、元素分析及
び残存アミノ基分析(アミン価)より目的とする含フッ
素ポリエーテル(5a)であることを確認した。またG
PCでのピーク数平均分子量(東ソー、G4000HXL+G200
0HXL、50mM酢酸/テトラヒドロフラン) はポリスチレン
換算で、Mn= 3.2×103 、Mw/Mn=1.12であった。
【0063】1H−NMRスペクトル(δppm)(溶媒:
アセトン−d6 ): 2.6〜3.2 (s、2H) H2 N-CH2-CH2O- 2.6〜3.2 (m、2H) H2N-CH2 -CH2O- 3.4〜3.8 (s、40H) -CH2 -CH2 O- 3.4〜3.8 (s、3H) -CH2-CH(CF3)O-CH3 3.6〜4.6 (m、2H) H2N-CH2-CH2 O- 3.6〜4.6 (m、30H) -CH2 -CH(CF3)O- IRスペクトル(液膜、cm-1):2950 、2900、1620、1
480、1380、1350、1280、1200、1150、1050、930 、87
0、710 元素分析 計算値: F(34.9%)、N(0.9%) 実測値: F(31.4%)、N(0.8%) アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(34.3) 、ReAmV(34.3) 実測値:ToAmV(30.9) 、ReAmV(30.2) (B) カチオン化含フッ素ポリエーテル(5b)の合成
【0064】
【化18】
【0065】内部を乾燥アルゴンで置換したガラス容器
に含フッ素ポリエーテル(5a)1.64g(1.0mmol)、メタ
ノール10g 、濃塩酸 0.10gを加えた。室温で1時間反応
した後、溶媒を留去し、反応物を水洗した。淡黄色ワッ
クス状のカチオン化含フッ素ポリエーテル1.6g(収率99
%)を得た。生成物は 1H−NMRスペクトル、IRス
ペクトル、元素分析及び残存アミノ基分析(アミン価)
より目的物であることを確認した。
【0066】1H−NMRスペクトル(δppm)(溶媒:
アセトン−d6 ): 2.6〜3.1 (s、3H) H3 N-CH2-CH2O- 3.1〜3.4 (m、2H) H3N-CH2 -CH2O- 3.4〜3.8 (s、40H) -CH2 -CH2 O- 3.4〜3.8 (s、3H) -CH2-CH(CF3)O-CH3 3.6〜5.0 (m、2H) H3N-CH2-CH2 O- 3.6〜5.0 (m、30H) -CH2 -CH(CF3)O- IRスペクトル(液膜、cm-1):2950 、2900、1620、1
480、1380、1350、1280、1200、1150、1050、930 、87
0、710 アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(0) 、 ReAmV(33.5) 実測値:ToAmV(0.5 以下) 、ReAmV(30.5) 実施例6 (A) 含フッ素ポリエーテル(6a)の合成
【0067】
【化19】
【0068】十分に乾燥し、内部を乾燥アルゴンで置換
し、三方活栓を付したガラス容器に重合開始剤であるカ
リウムt−ブトキシド1.12g(10mmol) を仕込んだ後、反
応容器内を再びアルゴン置換し、真空下にてブラスター
により加熱乾燥を行った。そこへモレキュラーシーブス
4Aで乾燥したジメトキシエタン10mlを三方活栓を介し
注射器を用いて乾燥アルゴンの気流下で仕込み15分間加
熱攪拌した。次いで乾燥アルゴンの気流下注射器を用い
て乾燥アミート308 (花王(株)製:C18 アルキル鎖1
つ、テトラエチレンオキシド鎖2つを有する3級アミ
ン)3.11g(5.0mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。引
き続きモレキュラーシーブス4Aで乾燥したトリフルオ
ロプロピレンオキシド4.3ml(50mmol)を乾燥アルゴン気
流下添加した。60℃で16時間重合した後、1N塩酸を加
え中和した。反応物をエーテルで抽出し、水洗後硫酸ナ
トリウムで乾燥、溶媒を減圧留去することにより褐色ワ
ックス状の含フッ素ポリエーテル7.4g(収率85%)を得
た。 1H−NMRスペクトル、IRスペクトル、元素分
析及び残存アミノ基分析(アミン価)より目的とする含
フッ素ポリエーテル(6a)であることを確認した。ま
たGPCでのピーク数平均分子量(東ソー、G4000HXL+
G2000HXL、50mM酢酸/テトラヒドロフラン) はポリスチ
レン換算で、Mn= 3.3×103 、Mw/Mn=1.37であった。
【0069】1H−NMRスペクトル(δppm)(溶媒:
アセトン−d6 ): 0.8〜1.0 (s、3H) CH3 -(CH2)16-CH2N- 1.1〜1.6 (m、32H) CH3-(CH2 )16-CH2N- 2.4〜2.6 (m、 2H) CH3-(CH2)16-CH2 N- 2.6〜2.9 (m、 4H) -N-CH2 -CH2O- 3.4〜3.8 (s、28H) -N-CH2-CH2 O-、-CH2 -CH2 O- 3.4〜4.5 (m、30H) -CH2 -CH(CF3)O- IRスペクトル(液膜、cm-1):2950 、2900、1620、1
480、1380、1350、1280、1200、1150、1050、930 、87
0、710 元素分析 計算値: F(32.8%)、N(0.8%) 実測値: F(25.9%)、N(0.5%) アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(32.2) 、ReAmV(32.2) 実測値:ToAmV(28.5) 、ReAmV(28.9) (B) カチオン化含フッ素ポリエーテル(6b)の合成
【0070】
【化20】
【0071】内部を乾燥アルゴンで置換したガラス容器
に含フッ素ポリエーテル(6a)1.74g(1.0mmol)、クロ
ロホルム10g、塩化ベンジル0.63g(5.0mmol)を加えた。
18時間還流した後、溶媒を留去した。次いで、反応物を
エーテルで抽出し、水洗後硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒
を減圧留去した。粗生成物をアセトン/ヘキサンで再沈
し、過剰の塩化ベンジルを除去した後、減圧乾燥した。
褐色ワックス状のカチオン化含フッ素ポリエーテル1.2g
(収率65%)を得た。生成物は 1H−NMRスペクト
ル、IRスペクトル、元素分析及び残存アミノ基分析
(アミン価)より目的物であることを確認した。
【0072】1H−NMRスペクトル(δppm)(溶媒:
アセトン−d6 ): 0.8〜1.0 (s、3H) CH3 -(CH2)16-CH2N- 1.1〜1.6 (m、32H) CH3-(CH2 )16-CH2N- 3.4〜4.0 (m、 2H) CH3-(CH2)16-CH2 N- 3.4〜3.8 (s、32H) -CH2 -CH2 O- 3.4〜4.5 (m、30H) -CH2 -CH(CF3)O- 5.0〜5.1 (s、 2H) C6H5-CH2 N- 7.2〜7.5 (m、 5H) C 6H5 -CH2N- IRスペクトル(液膜、cm-1):2950 、2900、1620、1
480、1380、1350、1280、1200、1150、1050、930 、87
0、710 元素分析 計算値: F(30.5%)、N(0.8%) 実測値: F(24.3%)、N(0.5%) アミン価(KOHmg/g) 計算値:ToAmV(0) 、 ReAmV(30.0) 実測値:ToAmV(0.3 以下) 、ReAmV(25.6) 試験例 実施例1〜6で得られた含フッ素ポリエーテル1a及び
カチオン化含フッ素ポリエーテル1b〜6bの溶解性及
び接触角を以下に示す方法で評価した。結果を表1に示
す。 <溶解性>含フッ素ポリエーテル又はカチオン化含フッ
素ポリエーテルを溶剤中に5重量%加え、20℃に放置
し、その溶解性を下記基準で目視評価した。 ○:透明溶解、○〜△:一部溶解、△:乳化、×:不溶
(分層) <接触角>水又はスクアランに試験液を接触させて30秒
後の接触角を測定した。
【0073】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた含フッ素ポリエーテル
(1a)の 1H−NMRスペクトルである。
【図2】 実施例1で得られた含フッ素ポリエーテル
(1a)のIRスペクトルである。
【図3】 実施例1で得られたカチオン化含フッ素ポリ
エーテル(1b)の1H−NMRスペクトルである。
【図4】 実施例1で得られたカチオン化含フッ素ポリ
エーテル(1b)のIRスペクトルである。
【図5】 実施例2で得られた含フッ素ポリエーテル
(2a)の 1H−NMRスペクトルである。
【図6】 実施例2で得られたカチオン化含フッ素ポリ
エーテル(2b)の1H−NMRスペクトルである。
【図7】 実施例3で得られた含フッ素ポリエーテル
(3a)の 1H−NMRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−36501(JP,A) 特開 平9−286853(JP,A) 特開 平6−80601(JP,A) 特開 平6−263868(JP,A) 特開 平8−333448(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/28,65/32 - 65/338 CA(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるカチオン化含フ
    ッ素ポリエーテル。 【化1】 〔式中、 R1:アンモニウム塩基を有する炭素数1〜20のヒドロキ
    シ化合物からy 個の水酸基を除いた残基を示す。 R2:水素原子、あるいは酸素原子、窒素原子、ハロゲン
    原子又はケイ素原子を含有していても良い炭素数1〜20
    の直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化
    水素基を示す。 A :エチレン基、プロピレン基又は式(II) 【化2】 で表される基を示し、(x×y)個のA は同一でも異なって
    いても良く、分子中の全A 基の内少なくとも5個は式
    (II)で表される基である。 x :0〜2000の数を示し、y 個のx は同一でも異なって
    いても良く、x の総和は5以上である。 y :1〜3の数を示す。〕
  2. 【請求項2】 R2で示される炭素数1〜20の直鎖又は分
    岐鎖脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基が、ア
    ルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基、アル
    ケニル基又はフェニル置換アルキル基である請求項1記
    載のカチオン化含フッ素ポリエーテル。
  3. 【請求項3】 一般式(III) で表される含フッ素ポリエ
    ーテル。 【化3】 〔式中、 R2, A, x, y :前記の意味を示す。 R3:1級、2級又は3級アミノ基を有する炭素数1〜20
    のヒドロキシ化合物からy 個の水酸基を除いた残基を示
    す。〕
  4. 【請求項4】 一般式 (IV) : R3(OH)y (IV) 〔式中、R3及びy は前記の意味を示す。〕で表されるヒ
    ドロキシ化合物の金属アルコキシド存在下、又は一般式
    (IV) で表されるヒドロキシ化合物とアルカリ金属水酸
    化物あるいはアルカリ金属アルコキシドの共存下、式
    (V) 【化4】 で表されるトリフルオロプロピレンオキシドを、また必
    要に応じて更にエチレンオキシド及び/又はプロピレン
    オキシドをランダムあるいはブロック共重合させた後、
    重合停止剤により重合を停止することによって、前記一
    般式(III) で表される含フッ素ポリエーテルを得、得ら
    れた一般式(III) で表される含フッ素ポリエーテルとカ
    チオン化剤とを反応させることを特徴とする請求項1又
    は2記載のカチオン化含フッ素ポリエーテルの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 カチオン化剤が酸又はハロゲン化物であ
    る請求項4記載の製造方法。
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