JP3529495B2 - 窒化アルミニウムセラミックス基板及びその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウムセラミックス基板及びその製造方法

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康広 岩田
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    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
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    • H05K1/02Details
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  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、メタライズ組成物及
びそれを用いた窒化アルミニウムセラミックス基板に関
する。この発明によるセラミックス基板は、高密度高集
積回路基板、ICパッケージ、トランジスタパッケージ
等の電子・半導体機器部品に好適に利用され得る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体の高密度化、高集積化に伴
い、半導体から発生する熱量は増加してきている。従っ
て、熱伝導率が約20W/m・Kと低いAl23セラミ
ツクスよりも、熱伝導率の高い材料としてAlN(理論
上の熱伝導率320W/m・K)が注目されてきてい
る。
【0003】ところが、AlNセラミックスの焼結助剤
として用いられるY23は、ガラス形成成分とならない
ので、AlN粉末表面の酸化層と反応してアルミナAl
23−イットリアY23系化合物を生成してもW層側に
浸透し難い。従って、AlN表面に、Wメタライズ層を
形成しても、メタライズ強度にバラツキがあり、気密性
に劣っていた。
【0004】これを改善するために窒化アルミニウムセ
ラミックスと同じ成分をWペーストに添加しようとする
提案が種々なされている(特開昭61−291480
号、特開昭62−197372号、特開平2−8326
2号、特開平4−31367号、特開平4−83783
号及び特開平5−191039号の各公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、’480号公
報、’372号公報に記載の提案は、メタライズ強度の
みに着目しており、電気的特性や他部材との接合性等の
ように、上記利用分野で利用するにあたっての総合的観
点から検討されていない。従って、メタライズ強度は高
くても、W層の電気抵抗が高すぎて回路基板として不十
分であったり、焼結後に反りが発生してICチップが接
合できなかったり気密性が悪いという課題が残されてい
た。
【0006】また、’262号公報には、焼結後の基板
の反りが一応測定されているものの、これと解決手段と
の関係が解明されていない。従って、どのようにすれば
反りが無くなるのか不明である。’367号公報にも導
通ビアの亀裂を防止する手段として、タングステンW粒
子の空間占有率及び平均粒径を限定する手段が開示され
ているのみで、上記の総合的観点から検討されていな
い。’783号公報及び’039号公報には、焼結後の
基板の反りについて全く検討されていない。
【0007】それゆえ、この発明の目的は、上記課題を
解決し、窒化アルミニウムセラミックスに電気抵抗の低
いW層を、セラミックスの変形を伴わずに強く固着さ
せ、気密性に優れ、電子・半導体機器分野での汎用が期
待できる窒化アルミニウムセラミックス基板を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】その目的を達成する第一
の手段は、平均粒径が0.6μmを超え3.0μm未満
のタングステンW100重量部と、窒化アルミニウムA
lN粉末及びアルミナAl−イットリアY
混合物のうち1種以上(以下、「添加物」という。)4
重量部以上とを含むことを特徴とするメタライズ組成物
を用いて後述のようにセラミックス基板を製造するとこ
にある。
【0009】ここで、W以外の含有物の添加形態として
は、AlN単独、Al23−Y23二成分混合物、Al
N−Al23−Y23三成分混合物のどれでもよく、合
計量で4〜40重量部とすればよい。ただし、Al23
とY23とを混合する場合その比率は、焼成後に3Y2
3・5Al23結晶、Y23・Al23結晶又は2Y2
3・Al23結晶のようなAl23−Y23化合物と
なるように定めるのがよい。
【0010】同じく第二の手段は、イットリウムY成分
を含有する窒化アルミニウムAlN焼結体に導通ビアが
形成されているものにおいて、導通ビアが、平均粒径が
0.6μmを超え3.0μm未満のタングステンW10
0重量部と、窒化アルミニウムAlN及びアルミナAl
−イットリアY系化合物のうち1種以上4
重量部以上40重量部以下とからなることを特徴とする
窒化アルミニウムセラミックス基板;並びに上記窒化ア
ルミニウムAlN焼結体に更にメタライズ層が形成され
ているものにおいて、メタライズ層が、平均粒径が0.
6μmを超え3.0μm未満のタングステンW100重
量部と、窒化アルミニウムAlN及びアルミナAl
−イットリアY系化合物のうち1種以上4重量
部以上20重量部以下とからなることを特徴とする窒化
アルミニウムセラミックス基板にある。
【0011】このセラミックス基板を製造する適切な方
法は、貫通孔を有する窒化アルミニウムの焼結前駆体の
貫通孔及び表面に、メタライズ組成物を充填,印刷し、
焼結前駆体及びメタライズ組成物を同時に焼結する方法
において、そのメタライズ組成物が、平均粒径が0.6
μmを超え3.0μm未満のタングステンW100重量
部と、窒化アルミニウムAlN粉末及びアルミナAl2
3−イットリアY23混合物のうち1種以上4重量部
以上とを含むことを特徴とする。
【0012】この製造方法において、貫通孔に充填され
るメタライズ組成物としては、タングステンWの平均粒
径が1.0μm以上2.5μm以下であると好ましく
そのメタライズ組成物中の窒化アルミニウムAlN及び
アルミナAl−イットリアY系混合物のう
ち1種以上の含有量が40重量部以下である
【0013】また、表面に印刷されるメタライズ組成物
としては、タングステンWの平均粒径が1.0μm以上
2.0μm以下であると好ましく、そのメタライズ組成
物中の窒化アルミニウムAlN及びアルミナAl
−イットリアY系混合物のうち1種以上の含有量
が20重量部以下である
【0014】
【作用】イットリアY23を焼結助剤成分として含有す
る窒化アルミニウムAlNのグリーンシートに上記メタ
ライズ組成物を充填及び又は印刷して同時焼成すると、
グリーンシート中のAlN粉末の酸化層とY23とから
生成する液相成分が、メタライズ組成物中に浸透しやす
くなる。そのため、導通ビアやメタライズ層と基板との
接着強度が高くなるとともに、導通ビア及びメタライズ
層の気密性が向上する。
【0015】ただし、メタライズ組成物中の添加物の量
が、4重量部より少ないと、その作用に乏しく、他方、
貫通孔に充填される場合は40重量部、表面に印刷され
る場合は20重量部より多くなると、電気抵抗が高くな
りすぎて回路用に適さない。表面に印刷される場合より
も貫通孔に充填される場合のほうが、添加物含有量の上
限値が高いのは、後者の方が断面積が大きく且つ配線長
が短いので、基板内の配線全体の電気抵抗に及ぼす寄与
が小さいからである。
【0016】尚、添加物は、その大部分が焼結後にアル
ミナAl23−イットリアY23系化合物となるが、焼
成中にグリーンシートから前記の液相成分が浸透してく
るので、焼結後のAl23−Y23系化合物含有量は、
その構成成分の添加量よりも若干多い。
【0017】また、タングステンW粉末の平均粒径が
0.6μm以下であると、メタライズ組成物の焼成収縮
量がグリーンシートのそれよりも大きくなるので、導通
ビアに適用すると導通ビアの端面が基板表面よりも大き
く凹むし、メタライズ組成物を平面配線に適用すると基
板全体がメタライズ層側に反る。他方W粉末の平均粒径
が3.0μm以上になると両者の焼成収縮量が逆転し
て、導通ビア端面が基板表面よりも突出したり、基板全
体がセラミックス側に反ったりするほか、メタライズ強
度及び気密性も劣化するので、平均粒径を上記のように
限定した。好ましい平均粒径の範囲は、貫通孔充填用と
しては1.0μm〜2.5μm、表面印刷用としては
1.0μm〜2.0μmである。前者の方が好ましい平
均粒径の上限値が高いのは、貫通孔に充填されたメタラ
イズ組成物の場合、基板の厚さ方向の収縮量に対して平
面方向のそれが小さいので、表面印刷用に比べて基板の
反りや導通ビアの凹凸に及ぼす影響が少ないからであ
る。
【0018】
【実施例】
−実施例1− ここでは、この発明のメタライズ組成物を基板の導通ビ
アすなわち厚さ方向の配線に適用した例を示す。
【0019】AlN粉末(平均粒径1.2μm)100
重量部に、焼結助剤としてY23粉末(平均粒径1.4
μm)を5重量部、着色剤としてTiO2粉末(平均粒
径0.7μm)を0.5重量部を添加し、更に有機バイ
ンダーとしてのポリビニルブチラール(PVB)及び可
塑剤としてのフタル酸ジブチル(DBP)を添加し溶媒
と共に混合してスラリーとした後、ドクターブレード装
置にてテープ成形し、厚さ0.6mmのAlNグリーン
シート(以下、単に「グリーンシート」という。)を作
製した。別途、W粉末に所定の添加物及び有機バインダ
ーとしてのエチルセルロースを溶媒中で混合してWペー
スト(メタライズ組成物)を作製した。
【0020】そして、上記のグリーンシートを打ち抜い
て、4行10列に40個並んだ各々直径0.25mmの
貫通孔を設け、そこにWペーストを充填した。このグリ
ーンシートを2枚重ね、所定形状に切断し、加湿のN2
/H2雰囲気中800℃で脱脂した後、N2雰囲気中18
00℃で焼成することによって、窒化アルミニウムセラ
ミックス基板を製造した。
【0021】得られた基板は、40×20×1tmmの
大きさで、導通ビアの直径は、0.20mmとなってい
た。この基板について、以下の条件で平坦度、気密性及
び体積抵抗を測定した結果を表1に示す。
【0022】[平坦度評価]表面粗さ計の測定針を基板
の平面方向に0.6mm/sec.の速度で走行させ、
導通ビアを通過するときの測定針の鉛直方向変位を測定
し、n=5の平均値が10〜15(10を除く)μmを
□、5〜10(5を除く)μmを○、−5〜5(5,−
5を含む)μmを◎、−10〜−5(−5を除く)μm
を●、−15〜−10(−10を除く)μmを■と表示
した。
【0023】[気密性評価]グリーンシートの表面にW
ペーストを用いて所定寸法の十字パターンにスクリーン
印刷し、その上に直径5mmの孔が中央に貫通したグリ
ーンシートをパターン交点が中心となるように積層し、
8mm四方の方形状に切断した。そして、上記焼成条件
にて焼成することによって、セラミックス積層基板を製
造した。前記十字パターンは、幅0.2mm×厚さ20
μmの大きさとなっていた。図2に示すようにこの積層
基板6にシリコンゴムSを当てて、ヘリウムHeリーク
ディテクター装置にかけ、基板の一方の主面側を真空に
保った状態で外部よりヘリウムガスを吹きかけた。ヘリ
ウムガスのリーク量が10-9atm・cc/sec以下のものを
○、10-7〜10-8atm・cc/secのものを△、10-6atm
・cc/sec以上のものを×として表1に示した。
【0024】[体積抵抗評価]貫通孔内部にメタライズ
組成物が充填されて形成された40個の導通ビアを任意
に10個選び、両端面間の電気抵抗を測定し、導通ビア
の直径及び長さから体積抵抗を計算し、平均値を表示し
た。
【0025】
【表1】 表1にみられるように、この発明の範囲に属する試料N
o.3〜8,10,11,16〜21,23,24は、
平坦度、気密性及び体積抵抗のすべてにおいて優れてい
た。これに対して、試料No.1,14は、W平均粒径
が0.6μmと細かいので、グリーンシートよりも貫通
孔に充填されたメタライズ組成物のほうが多く収縮し、
その結果、導通ビア端面が基板表面よりも陥没したもの
と考えられる。試料No.2,15は、メタライズ組成
物に含まれるW以外の無機質添加物の添加量が2重量部
と少ないので、セラミックス側からの液相成分の浸透が
不十分となり、気密性に劣ったものと考えられる。試料
No.9,22は、逆に添加量が過剰であったので、体
積抵抗が高くなりすぎたものである。試料No.12,
13,25,26は、No.1と反対にW平均粒径がそ
れぞれ3μm,4μmと過大であったので、貫通孔に充
填されたメタライズ組成物がグリーンシートほどには収
縮せず、相対的に導通ビアが基板表面より突出したもの
と考えられる。
【0026】−比較例1− 比較のために、グリーンシートに含まれる焼結助剤とし
て、Y23に代えてCaOを用い、メタライズ組成物中
の添加物として、AlN及びAl23−Y23に代えて
CaOを4重量部W平均粒径1.0μmを用いた以外
は、実施例1と同一条件でセラミックス基板を製造し
た。
【0027】実施例1と同様に平坦度、気密性及び体積
抵抗を評価したところ、平坦度は○、気密性は×、体積
抵抗は23μΩ・cmとなった。気密性が悪かったの
は、CaOが焼成時に揮発したため、導通ビア側に液相
成分が浸透しなかったことによると考えられる。
【0028】−実施例2− ここでは、この発明のメタライズ組成物を基板のメタラ
イズ層すなわち平面方向の配線に適用した例を示す。実
施例1で作製したものと同形同質のグリーンシート及び
Wペーストを準備した。そして、上記のグリーンシート
及びWペーストを用いて以下の評価を行った。
【0029】[メタライズ強度の評価]グリーンシート
の表面に、Wペーストをスクリーン印刷して、所定のパ
ッドを4行×5列=20個形成し、加湿のN2/H2雰囲
気下800℃で樹脂抜きを行った後、N2雰囲気下17
50〜1850℃で焼成し、続いてパッドの上に厚さ
1.0μmの無電解Ni鍍金を施した。前記パッドは、
直径1.5mm、厚さ20μmの大きさとなり、2.5
4mmのピッチで配列していた。次に軸部直径0.45
mm、ヘッド直径0.70mmのネールヘッドピンを7
2Ag−28Cu共晶ろう材にて接合した。接合構造を
図1に示す。図中、接合体1は、セラミックス基板2、
メタライズ層及びNi鍍金層からなるパッド3、ネール
ヘッドピン4並びにろう材5にて構成されている。
【0030】接合体1のセラミックス基板2を固定し、
ネールヘッドピン4をセラミックス基板2に対して垂直
方向に引っ張り、メタライズ強度を測定した。試料5個
(100パッド)中、メタライズ強度が5kg/mm2
未満のパッドを不良とし、不良率を計算して表2に示し
た。尚、メタライズ強度が5kg/mm2以上になると
ネールヘッドピン4が切れるので、メタライズ強度5k
g/mm2を合否の基準とした。
【0031】[気密性評価]実施例1と同様に基板にシ
リコンゴムを当てて、ヘリウムHeリークディテクター
装置にかけ、積層基板6の孔側を真空に保った状態で外
部よりヘリウムガスを吹きかけ、実施例1と同様に評価
して表2に示した。
【0032】[体積抵抗評価]グリーンシートの表面に
Wペーストを用いて所定寸法の帯パターンを3本並列に
スクリーン印刷し、上記焼成条件にて焼成した。前記帯
パターンは、幅0.2mm×長さ50mm×厚さ20μ
mの大きさになっていた。各々の帯パターン両端の電気
抵抗を測定し、帯パターンの寸法から体積抵抗を計算
し、3本の平均値を表2に示した。
【0033】[反り評価]グリーンシートの主面全面に
Wペーストをスクリーン印刷した後、円盤形に切断し、
上記焼成条件にて焼成した。焼成後のW層の厚さは、2
0μmに、円盤の直径は、25mmであった。そして、
この円盤の反り量を測定した。図3に示すように円盤が
メタライズ層7側に反っている場合の反り量dを正値、
セラミックス8側に反っている場合の反り量dを負値と
し、その絶対値が300μm未満のものを○、300〜
600μmの範囲のものを△、600μm以上のものを
×として表2に示した。
【0034】
【表2】 表にみられるように、この発明の範囲に属する試料N
o.3〜6,8,13〜16,18は、メタライズ強
度、気密性、体積抵抗及び反り量のすべてにおいて優れ
ていた。体積抵抗については、添加物の添加量との関係
を図4に示した。図4から添加量が20重量部を超える
と体積抵抗が急上昇することが明らかである。また、反
り量とW平均粒径との関係を図5に示した。図5からW
平均粒径が1.0〜2.0μmの範囲にあるときにメタ
ライズ層とセラミックス基板との焼成収縮量が一致し、
ほとんど反りを生じないことが明らかである。
【0035】これに対して、試料No.1,11は、W
平均粒径が小さいので、反り量が正方向に過大となっ
た。試料No.2,12は、添加物量が少ないので、グ
リーンシートからの液相成分の浸透量が少なくなり、気
密性に劣ったものと考えられる。試料No.7,17
は、添加物量が過剰であるので、体積抵抗が高くなりす
ぎた。試料No.9,10,19,20は、W平均粒径
が大きいので、反り量が負方向に過大となった。また、
試料No.21は、添加物を加えていないし、試料N
o.22は、添加物が液相を構成しないTiNであるの
で、いずれもすべての特性に劣っていた。
【0036】ちなみにメタライズ層をXRDで分析する
と、試料No.4及びNo.15のものは、それぞれ図
6及び図7に示すようにメタライズ層中にアルミナAl
23−イットリアY23系化合物が確認され、それらが
浸透していたことが判るのに対し、試料No.21及び
No.22のものは、それぞれ図8及び図9に示すよう
にそのような化合物が確認されなかった。従って、上記
諸特性の差異は、そのような化合物の浸透の有無に起因
することが明らかである。
【0037】−比較例2− 比較のために、グリーンシートに含まれる焼結助剤とし
て、Y23に代えてCaOを用い、メタライズ組成物中
の添加物として、AlN及びAl23−Y23に代えて
CaOを4重量部用いた以外は、実施例2と同一条件で
セラミックス基板を製造した。
【0038】実施例2と同様にメタライズ強度、気密
性、体積抵抗及び反りを評価したところ、メタライズ強
度は不良率12%、気密性は×、体積抵抗は22μΩ・
cm、反りは×となった。
【0039】−実施例3− 実施例1では、Wペーストの添加物を窒化アルミニウム
AlN単独かあるいは、アルミナAl23−イットリア
23二成分混合物としているが、ここでは、窒化アル
ミニウムAlNとアルミナAl23−イットリアY23
の混合比を1:1としたAlN−Al23−Y23三成
分混合物とし、実施例1と同様に、この発明のメタライ
ズ組成物を基板の導通ビアすなわち厚さ方向の配線に適
用した例を示す。
【0040】添加物を変えた以外は、実施例1で作製し
たものと同形同質のグリーンシート及びWペーストを準
備した。そして、実施例1と同様の方法で、40×20
×1tmmの大きさで、導通ビアの直径は、0.20m
mのセラミックス基板を得た。この基板について、以下
の条件で平坦度、気密性及び体積抵抗を測定した結果を
表3に示す。
【0041】[平坦度評価]実施例1と同様に、導通ビ
アを通過するときの測定針の鉛直方向変位を測定し、実
施例1と同様に評価して表3に示した。
【0042】[気密性評価]実施例1と同様に基板にシ
リコンゴムを当てて、ヘリウムHeリークディテクター
装置にかけ、積層基板6の孔側を真空に保った状態で外
部よりヘリウムガスを吹きかけ、実施例1と同様に評価
して表3に示した。
【0043】[体積抵抗評価]実施例1と同様に両端面
間の電気抵抗を測定し、導通ビアの直径及び長さから体
積抵抗を計算し、平均値を表3に示した。
【0044】
【表3】 表3にみられるように、この発明の範囲に属する試料N
o.30〜35,37,38は、平坦度、気密性及び体
積抵抗のすべてにおいて優れていた。これに対して、試
料No.28は、W平均粒径が0.6μmと細かいの
で、グリーンシートよりも貫通孔に充填されたメタライ
ズ組成物のほうが多く収縮し、その結果、導通ビア端面
が基板表面よりも陥没したものと考えられる。試料N
o.29は、メタライズ組成物に含まれるW以外の無機
質添加物の添加量が2重量部と少ないので、セラミック
ス側からの液相成分の浸透が不十分となり、気密性に劣
ったものと考えられる。試料No.36は、逆に添加量
が過剰であったので、体積抵抗が高くなりすぎたもので
ある。試料No.39,40は、No.28と反対にW
平均粒径がそれぞれ3μm,4μmと過大であったの
で、貫通孔に充填されたメタライズ組成物がグリーンシ
ートほどには収縮せず、相対的に導通ビアが基板表面よ
り突出したものと考えられる。
【0045】−実施例4− 実施例2では、Wペーストの添加物を窒化アルミニウム
AlN単独かあるいは、アルミナAl23−イットリア
23二成分混合物としているが、ここでは、窒化アル
ミニウムAlNとアルミナAl23−イットリアY23
の混合比を1:1としたAlN−Al23−Y23三成
分混合物とし、実施例2と同様に、この発明のメタライ
ズ組成物を基板のメタライズ層すなわち平面方向の配線
に適用した例を示す。
【0046】添加物を変えた以外は、実施例1で作製し
たものと同形同質のグリーンシート及びWペーストを準
備した。そして、上記のグリーンシート及びWペースト
を用いて以下の評価を行った。
【0047】[メタライズ強度の評価]実施例2と同様
に接合体1のセラミックス基板2を固定し、ネールヘッ
ドピン4をセラミックス基板2に対して垂直方向に引っ
張り、実施例2と同様に評価して表4に示した。
【0048】[気密性評価]実施例1と同様に基板にシ
リコンゴムを当てて、ヘリウムHeリークディテクター
装置にかけ、積層基板6の孔側を真空に保った状態で外
部よりヘリウムガスを吹きかけ、実施例1と同様に評価
して表4に示した。
【0049】[体積抵抗評価]実施例2と同様に各々の
帯パターン両端の電気抵抗を測定し、帯パターンの寸法
から体積抵抗を計算し、3本の平均値を表4に示した。 [反り評価]実施例2と同様に円盤の反り量を測定し実
施例2と同様に評価して表4に示した。
【0050】
【表4】 表にみられるように、この発明の範囲に属する試料N
o.25〜28,30は、メタライズ強度、気密性、体
積抵抗及び反り量のすべてにおいて優れていた。
【0051】これに対して、試料No.23は、W平均
粒径が小さいので、反り量が正方向に過大となった。試
料No.24は、添加物量が少ないので、グリーンシー
トからの液相成分の浸透量が少なくなり、気密性に劣っ
たものと考えられる。試料No.29は、添加物量が過
剰であるので、体積抵抗が高くなりすぎた。試料No.
31,32は、W平均粒径が大きいので、反り量が負方
向に過大となった。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明メタライズ組成物を
窒化アルミニウムセラミックス基板のメタライズ層及び
導通ビアとして適用すれば、セラミックスとの接着強度
が高く、気密性に優れ、焼成変形もなく、且つ電気抵抗
の低い電子・半導体部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メタライズ強度の評価方法を説明する図であ
る。
【図2】気密性の評価方法を説明する図である。
【図3】反り量の評価方法を説明する図である。
【図4】添加物量に対する体積抵抗の関係を打点したグ
ラフである。
【図5】Wの平均粒径に対する反り量の関係を打点した
グラフである。
【図6】実施例2の試料No.4のXRDの結果を示す
チャート図である。
【図7】実施例2の試料No.15のXRDの結果を示
すチャート図である。
【図8】実施例2の試料No.21のXRDの結果を示
すチャート図である。
【図9】実施例2の試料No.22のXRDの結果を示
すチャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−83782(JP,A) 特開 平4−83783(JP,A) 特開 平5−191039(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 41/80 - 41/91

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イットリウムY成分を含有する窒化アル
    ミニウムAlN焼結体に導通ビアが形成されているもの
    において、導通ビアが、平均粒径が0.6μmを超え
    3.0μm未満のタングステンW100重量部と、窒化
    アルミニウムAlN及びアルミナAl−イットリ
    アY系化合物のうち1種以上4重量部以上40重
    量部以下とからなることを特徴とする窒化アルミニウム
    セラミックス基板。
  2. 【請求項2】 イットリウムY成分を含有する窒化アル
    ミニウムAlN焼結体に導通ビア及びメタライズ層が形
    成されているものにおいて、導通ビアが、平均粒径が
    0.6μmを超え3.0μm未満のタングステンW10
    0重量部と、窒化アルミニウムAlN及びアルミナAl
    −イットリアY系化合物のうち1種以上4
    重量部以上40重量部以下とからなり、メタライズ層
    が、平均粒径が0.6μmを超え3.0μm未満のタン
    グステンW100重量部と、窒化アルミニウムAlN及
    びアルミナAl−イットリアY系化合物の
    うち1種以上4重量部以上20重量部以下とからなるこ
    とを特徴とする窒化アルミニウムセラミックス基板。
  3. 【請求項3】 貫通孔を有する窒化アルミニウムの焼結
    前駆体の貫通孔にメタライズ組成物を充填し、表面にメ
    タライズ組成物を印刷し、焼結前駆体及びメタライズ組
    成物を同時に焼結する方法において、該貫通孔のメタラ
    イズ組成物が、平均粒径が0.6μmを超え3.0μm
    未満のタングステンW100重量部と、窒化アルミニウ
    ムAlN粉末及びアルミナAl−イットリアY
    混合物のうち1種以上4重量部以上40重量部以下
    とを含み、該表面のメタライズ組成物が、平均粒径が
    0.6μmを超え3.0μm未満のタングステンW10
    0重量部と、窒化アルミニウムAlN粉末及びアルミナ
    Al−イットリアY混合物のうち1種以上
    4重量部以上20重量部以下とを含むことを特徴とする
    窒化アルミニウムセラミックス基板の製造方法。
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