JP3528865B2 - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィドの製造方法Info
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Description
ィド(PAS)の製造方法に関する。さらに詳しくは電
気、電子分野、高剛性材料分野で特に有用な比較的高分
子量のポリアリーレンスルフィドを製造する方法に関す
る。
樹脂)、中でも特にポリフェニレンスルフィド樹脂(P
PS樹脂)は、機械的強度、耐熱性等に優れると共に、
特に高い剛性を有するエンジニアリング樹脂として知ら
れており、電子・電気機器部品の素材や各種の高剛性材
料として有用である。これらの樹脂の製造には、従来、
N−メチル−2−ピロリドン(以下において、NMPと
略称することがある。)等の非プロトン性有機溶媒中で
p−ジクロロベンゼン等のジハロゲン化芳香族化合物と
硫化ナトリウム等のナトリウム塩とを反応させるという
方法が一般に用いられてきた。しかし、この場合、副生
する塩化ナトリウムがNMP等の溶媒に不溶であるから
樹脂中に取り込まれてしまい、それを洗浄によって取り
除くことは容易でなかった。
塩、たとえば水酸化リチウムを用いて重合を行い、塩化
リチウムを副生させると、塩化リチウムはNMP等の多
くの非プロトン性有機溶媒(重合用溶媒)に可溶である
ので、水洗浄工程および排水処理工程が不要となるとと
もに、高純度PASを製造する方法として有効であるこ
とから、リチウム塩を用いる方法が脚光を浴びてきた。
造方法については、これまで種々の改良がなされてきた
が、本出願人も、非プロトン性有機溶媒中で、N−メチ
ルアミノ酪酸リチウムと硫化水素とジハロゲン化芳香族
化合物とを、ジハロゲン化芳香族化合物の転化率を80
〜99モル%に達するまで予備重合し、次いで本重合を
行うことを特徴とする比較的高分子量のPASを製造す
る方法を提案している(特願平5−32939号)。こ
の方法は、高純度、高分子量のPASを容易に得ること
ができる利点を有している。
比較的高分子量(たとえば、溶液粘度が0.2以上)の
PASが生成した際、重合系でポリマー相が攪拌翼等に
凝集することがあり、冷却後に攪拌翼等にポリマーが付
着したり、製品を抜出す際、抜出しラインの閉塞を招く
ことがあり、また、重合系を連続化した際、ポリマーを
安定して抜出すことが困難な場合があり、必ずしも十分
に満足すべきものとはいえなかった。本発明は、上記問
題に鑑みなされたものであり、ポリマーの攪拌翼等への
付着や製品抜出しラインの閉塞を生ずることなく、比較
的高分子量のPASを容易かつ円滑に製造することがで
きるポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
本発明によれば、非プロトン性有機溶媒中にて、水酸化
リチウムと、液状または気体状のイオウ化合物と、ポリ
ハロゲン化芳香族化合物とを重合させて、ポリアリーレ
ンスルフィドを製造する方法において、重合温度が18
0〜245℃、およびポリハロゲン化芳香族化合物の転
化率が80〜99%となる条件で予備重合を行い、次い
で本重合を行うことを特徴とするポリアリーレンスルフ
ィドの製造方法が提供される。
合における重合温度が、235〜280℃であることを
特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法が、ま
た、前記非プロトン性有機溶媒が、N−メチル−2−ピ
ロリドンであることを特徴とするポリアリーレンスルフ
ィドの製造方法が、また、前記液状または気体状のイオ
ウ化合物が、硫化水素であることを特徴とするポリアリ
ーレンスルフィドの製造方法が、また、前記ポリハロゲ
ン化芳香族化合物が、パラジクロロベンゼンを50モル
%以上含むものであることを特徴とするポリアリーレン
スルフィドの製造方法が、さらに、前記予備重合と本重
合とを連続的に行うことを特徴とするポリアリーレンス
ルフィドの製造方法が提供される。
化リチウムと、液状または気体状のイオウ化合物と、ポ
リハロゲン化芳香族化合物とを重合させて、ポリアリー
レンスルフィドを製造する方法において、重合温度が1
80〜238℃、および生成するプレポリマーの溶液粘
度η(α−クロロナフタレンに0.4dl/gの濃度に
溶解し206℃の温度でウベローデ粘度計で測定)が
0.1以上となる条件で予備重合を行い、次いで本重合
を行うことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製
造方法が提供される。
合における重合温度が、238〜280℃であることを
特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法が、ま
た、前記非プロトン性有機溶媒が、N−メチル−2−ピ
ロリドンであることを特徴とするポリアリーレンスルフ
ィドの製造方法が、また、前記液状または気体状のイオ
ウ化合物が、硫化水素であることを特徴とするポリアリ
ーレンスルフィドの製造方法が、また、前記ポリハロゲ
ン化芳香族化合物が、パラジクロロベンゼンを50モル
%以上含むものであることを特徴とするポリアリーレン
スルフィドの製造方法が、さらに、前記予備重合と本重
合とを連続的に行うことを特徴とするポリアリーレンス
ルフィドの製造方法が提供される。
は、水酸化リチウム、または水酸化リチウムおよび/も
しくはN−メチルアミノ酪酸リチウムと、液状または気
体状のイオウ化合物と、ポリハロゲン化芳香族化合物と
を非プロトン性有機溶媒中にて重合させる。
般に、非プロトン性の極性有機化合物(たとえば、アミ
ド化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機イオウ化
合物,環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、ま
たは、混合溶媒として、好適に使用することができる。
うち、前記アミド化合物としては、たとえば、N,N−
ジメチルホルムアミド,N,N−ジエチルホルムアミ
ド,N,N−ジメチルアセトアミド,N,N−ジエチル
アセトアミド,N,N−ジプロピルアセトアミド,N,
N−ジメチル安息香酸アミドなとを挙げることができ
る。
えば、カプロラクタム,N−メチルカプロラクタム,N
−エチルカプロラクタム,N−イソプロピルカプロラク
タム,N−イソブチルカプロラクタム,N−ノルマルプ
ロピルカプロラクタム,N−ノルマルブチルカプロラク
タム,N−シクロヘキシルカプロラクタム等のN−アル
キルカプロラクタム類,N−メチル−2−ピロリドン
(NMP),N−エチル−2−ピロリドン,N−イソプ
ロピル−2−ピロリドン,N−イソブチル−2−ピロリ
ドン,N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン,N−ノ
ルマルブチル−2−ピロリドン,N−シクロヘキシル−
2−ピロリドン,N−メチル−3−メチル−2−ピロリ
ドン,N−エチル−3−メチル−2−ピロリドン,N−
メチル−3,4,5−トリメチル−2−ピロリドン,N
−メチル−2−ピペリドン,N−エチル−2−ピペリド
ン,N−イソプロピル−2−ピペリドン,N−メチル−
6−メチル−2−ピペリドン,N−メチル−3−エチル
−2−ピペリドンなどを挙げることができる。
ば、テトラメチル尿素,N,N’−ジメチルエチレン尿
素,N,N’−ジメチルプロピレン尿素などを挙げるこ
とができる。
たとえば、ジメチルスルホキシド,ジエチルスルホキシ
ド,ジフェニルスルホン,1−メチル−1−オキソスル
ホラン,1−エチル−1−オキソスルホラン,1−フェ
ニル−1−オキソスルホランなどを、また、前記環式有
機リン化合物としては、たとえば、1−メチル−1−オ
キソホスホラン,1−ノルマルプロピル−1−オキソホ
スホラン,1−フェニル−1−オキソホスホランなどを
挙げることができる。
は、それぞれ一種単独で、または二種以上を混合して、
さらには、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混
合して、前記非プロトン性有機溶媒として使用すること
ができる。
も、好ましいのはN−アルキルカプロラクタム及びN−
アルキルピロリドンであり、特に好ましいのはN−メチ
ル−2−ピロリドンである。
メチルアミノ酪酸リチウム 本発明で用いられる水酸化リチウムおよび/またはN−
メチルアミノ酪酸リチウムとしては、特に制限はなく、
高純度である限り市販の製品を使用することができる。
このN−メチルアミノ酪酸リチウムとしては、出願人が
先に特願平4−183717号、または、特願平6−1
1404号で提案した製造方法によって製造されたもの
が好ましい。すなわち、まず、非プロトン性有機溶媒中
で、N−メチル−2−ピロリドンと、リチウムを除くア
ルカリ金属の水酸化物とを反応させてN−メチルアミノ
酪酸のアルカリ金属塩(すなわち、N−メチルアミノ酪
酸のリチウム以外のアルカリ金属塩)を合成する。
ム等のN−メチルアミノ酪酸のリチウム以外のアルカリ
金属塩の合成で得られたN−メチルアミノ酪酸ナトリウ
ム等のN−メチルアミノ酪酸のリチウム以外のアルカリ
金属塩を含有する反応混合物から水分濃度を低減すべく
水分を除去する。この水分除去工程は、蒸留等の常法に
従って行うことができる。なお、その際、有機溶媒の一
部が除去されても構わない。合成したN−メチルアミノ
酪酸ナトリウム等のN−メチルアミノ酪酸のリチウム以
外のアルカリ金属塩を一旦単離して、次の工程の原料と
して使用することもできるが、通常は、この水分を除去
した後の反応混合物をそのまま、あるいは必要に応じ
て、溶媒量を適宜に調節する程度で、次の反応工程に供
する方がプロセス上有利になる。
濃度を低減したN−メチルアミノ酪酸ナトリウム等のN
−メチルアミノ酪酸のリチウム以外のアルカリ金属塩の
溶液を塩化リチウムと接触させることにより、このN−
メチルアミノ酪酸のリチウム以外のアルカリ金属塩と塩
化リチウムとを反応させ、所望のN−メチルアミノ酪酸
リチウムを合成する。その際、用いたN−メチルアミノ
酪酸ナトリウム等のN−メチルアミノ酪酸のリチウム以
外のアルカリ金属塩のアルカリ金属成分(すなわち、リ
チウム以外のアルカリ金属成分)の塩化物が副生する
が、これらの副生アルカリ金属塩化物を除去し、リチウ
ム以外のアルカリ金属成分が完全にまたは十分に除去さ
れた所望のN−メチルアミノ酪酸リチウムの溶液を得
る。
機溶媒中で、水の存在下、塩化リチウムと、リチウムを
除くアルカリ金属の水酸化物とを反応させて得られる反
応混合物から水分を除去した後、副生するアルカリ金属
塩化物を除去することによって、一工程でN−メチルア
ミノ酪酸リチウムを製造することもできる。
N−メチルアミノ酪酸リチウムの両方を用いてもよく、
またそのいずれか一方のみを用いてもよい。
ては、特に制限はないが、硫化水素を好適に用いること
ができる。
は、ポリアリーレンスルフィドの製造に用いられる公知
の化合物を好適例として挙げることができる。
ジハロゲンベンゼン等のジハロゲンベンゼン類;2,3
−ジハロゲントルエン、2,5−ジハロゲントルエン、
2,6−ジハロゲントルエン、3,4−ジハロゲントル
エン、2,5−ジハロゲンキシレン、1−エチル−2,
5−ジハロゲンベンゼン、1,2,4,5−テトラメチ
ル−3,6−ジハロゲンベンゼン、1−ノルマルヘキシ
ル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1−シクロヘキシル
−2,5−ジハロゲンベンゼンなどのアルキル置換ジハ
ロゲンベンゼン類またはシクロアルキル置換ジハロゲン
ベンゼン類;1−フェニル−2,5−ジハロゲンベンゼ
ン、1−ベンジル−2,5−ジハロゲンベンゼン、1−
p−トルイル−2,5−ジハロゲンベンゼン等のアリー
ル置換ジハロゲンベンゼン類;4,4’−ジハロビフェ
ニル等のジハロビフェニル類:1,4−ジハロナフタレ
ン、1,6−ジハロナフタレン、2,6−ジハロナフタ
レン等のジハロナフタレン類などを挙げることができ
る。
ける複数個のハロゲン元素は、それぞれフッ素、塩素,
臭素またはヨウ素であり、それらは同一であってもよい
し、互いに異なっていてもよい。
ベンゼン類であり、特に好ましいのはp−ジクロロベン
ゼンを50モル%以上含むものである。
素に対する、水酸化リチウムおよび/またはN−メチル
アミノ酪酸リチウムの使用割合(モル比:水酸化リチウ
ムおよび/またはN−メチルアミノ酪酸リチウム/硫化
水素)は、通常1.80〜3.00、特に1.95〜
3.00である。硫化水素に対する水酸化リチウムおよ
び/またはN−メチルアミノ酪酸リチウムの使用割合が
前記範囲内にあると、重合反応が一層円滑に進行する。
する硫化水素の使用割合(モル比:硫化水素/ポリハロ
ゲン化芳香族化合物)は、通常0.90〜1.30、特
に0.95〜1.25である。ポリハロゲン化芳香族化
合物に対する硫化水素の使用割合が前記範囲にあると、
重合反応が一層円滑に進行する。
化水素の使用割合(モル比:硫化水素/非プロトン性有
機溶媒)は、通常0.05〜0.30、特に0.05〜
0.25である。なお、この非プロトン性有機溶媒の量
は、N−メチルアミノ酪酸リチウムを用いる場合、仕込
んだ非プロトン性有機溶媒の量と、このN−メチルアミ
ノ酪酸リチウムと硫化水素との反応により生成した非プ
ロトン性有機溶媒の量との合計量である。非プロトン性
有機溶媒に対する硫化水素の使用割合が前記範囲内にあ
ると、重合反応が円滑に進行し、また、連続重合に適し
たものとなる。
素含有ハロゲン化芳香族化合物、1分子中に3個以上の
ハロゲン原子を有するポリハロゲン化芳香族化合物、お
よびハロゲン化芳香族ニトロ化合物などの分岐剤を適当
に選択して反応系に添加し、これを使用することもでき
る。
割合は、前記硫化水素1モルに対し、通常、0.000
5〜0.05モル、好ましくは0.001〜0.02モ
ルである。
水酸化リチウム、または水酸化リチウムおよび/もしく
はN−メチルアミノ酪酸リチウムと、液状または気体状
のイオウ化合物と、ポリハロゲン化芳香族化合物とを、
重合させる際に、一定条件下で予備重合を行い、次いで
本重合を行うという二工程の重合操作を採用する。以
下、本発明を各工程順に説明する。
はN−メチルアミノ酪酸リチウム、ポリハロゲン化芳香
族化合物および非プロトン性有機溶媒を、たとえば重合
反応器内に仕込む。前記各成分の仕込み量は、前述した
使用割合の範囲内のものとする。
序に特に制限があるわけではないが、以下の三方法を仕
込み処方の好適例として挙げることができる。
−メチルアミノ酪酸リチウムとポリハロゲン化芳香族化
合物との非プロトン性有機溶媒溶液を調製し、この非プ
ロトン性極性有機溶媒溶液に硫化水素を吹込み、溶解さ
せる。
た非プロトン性溶媒溶液を、水酸化リチウムおよび/ま
たはN−メチルアミノ酪酸リチウムとポリハロゲン化芳
香族化合物とに混合する。
ルアミノ酪酸リチウムの非プロトン性有機溶媒溶液に硫
化水素を吹込み、溶解し、次いでポリハロゲン化芳香族
化合物を添加する。
入する(吹込む)際の系の温度は、通常、常温であるが
170℃未満とすることが好ましい。さらに好ましくは
150℃未満、中でも130℃未満が最も好ましい。1
50℃以上の場合、固体状の硫化物が析出するおそれが
ある。
む際の圧力は、常圧でも加圧してもよい。吹き込み時間
としては、特に制限はなく、通常は10〜180分程度
とすることが好ましい。吹き込み速度も特に制限はな
く、通常は10〜1000cc/分程度とすることが好
ましい。
ルアミノ酪酸リチウムと硫化水素とから錯体を合成す
る。
であり、130〜150℃が好ましい。この温度範囲
で、反応系を10分〜5時間、好ましくは1時間〜2時
間かけて静置もしくは攪拌する。このような合成条件の
下では特に上記錯体が好適に形成される。
溶媒中で、水酸化リチウムと硫化水素とポリハロゲン化
芳香族化合物との予備重合を行う。この場合、重合温度
が180〜245℃、好ましくは200〜245℃、お
よびこのポリハロゲン化芳香族化合物の転化率が80〜
99%、好ましくは80〜95%となる条件で、予備重
合を行う。重合温度が180℃未満であると予備重合が
不十分になり、245℃を超えると重合系において、ポ
リマー相が攪拌翼に凝集、付着するおそれがある。
率を上記割合になるように制御して、予備重合を行って
から後述する本重合を行うことにより、ポリマーの溶液
粘度が0.20以上のポリアリーレンスルフィドを効率
良く製造することができる。ポリハロゲン化芳香族化合
物の転化率が80%未満であると高分子量のポリアリー
レンスルフィドを製造することができないことがある。
化芳香族化合物の転化率は、予備重合工程後の脱水工程
中に留出したポリハロゲン化芳香族化合物の量を仕込ん
だポリハロゲン化芳香族化合物の量から引いた値から求
めることができるし、また、脱水を行わない場合には、
予備重合後の反応液中のポリハロゲン化芳香族化合物の
量を仕込んだポリハロゲン化芳香族化合物の量から引い
た値より求めることができる。ポリハロゲン化芳香族化
合物の定量分析は、脱水を行った場合の留出液および脱
水を行わない場合の反応液中のポリハロゲン化芳香族化
合物のガスクロマトグラフィー分析により行うことがで
きる。
は、非プロトン性有機溶媒中で、水酸化リチウムおよび
/またはN−メチルアミノ酪酸リチウムと硫化水素とポ
リハロゲン化芳香族化合物との予備重合を行う。この場
合、重合温度が180〜238℃、好ましくは200〜
238℃、および生成するプレポリマーの溶液粘度ηが
0.1以上、好ましくは0.1〜0.3となる条件で予
備重合を行う。重合温度が180℃未満であると予備重
合が不十分になり、238℃を超えると重合系におい
て、ポリマー相が攪拌翼に凝集、付着するおそれがあ
る。また、生成するプレポリマーの溶液粘度が0.1未
満であると高分子量化せず、また分散不良となる。
以上となるように制御することは、重合温度、重合時間
等を適宜選択することによって行なわれる。
ルフィドを製造しようとするときには、必要に応じて脱
水工程を採用するのが好ましい。脱水工程は、前記錯体
合成工程と予備重合工程との間にあっても良く、予備重
合工程と重合工程との間にあっても良く、また、錯体合
成工程と予備重合工程との間および予備重合工程と重合
工程との間の両方にあっても良い。
180℃、好ましくは130〜160℃、圧力としては
減圧であっても加圧であっても良く、通常は1mmHg
〜10kg/cm2 の範囲の中から適宜に選択される。
脱水雰囲気は、通常不活性ガス雰囲気たとえば窒素ガス
雰囲気が採用される。
た場合に生成する水分量に対する水分量として70%以
上、好ましくは1〜2時間をかけて80%以上の水分が
留出するまで脱水を行うのが良い。このように70%以
上の水分が留出するまで脱水を行うと高分子量のポリア
リーレンスルフィドをより確実に製造することができ
る。
ロマトグラフィー分析により定量することにより行うこ
とができる。
られた反応液から脱イオウ操作、たとえば脱硫化水素操
作によって硫黄分を調整することが好ましい。すなわ
ち、後述するポリハロゲン化芳香族化合物の反応を行わ
せるためには、系内に存在する硫黄/リチウム比を1/
2(S原子/Li原子モル比)以下にすることが好まし
く、1/2にコントロールすることがさらに好ましい。
1/2より大きい場合、反応が進行しにくいためPAS
樹脂の生成が困難となる。コントロールする方法として
は特に制限はないが、たとえばアルカリ金属塩化物また
はアルカリ土類金属塩化物を分離するために吹き込んだ
硫黄化合物、たとえば、硫化水素を、アルカリ金属塩化
物またはアルカリ土類金属塩化物の分離後、系内の液体
部分に窒素バブリング等を施し除去することにより、系
内に存在する硫黄の合計量を調節することができる。こ
の場合、加温してもよい。また、水酸化リチウムやN−
メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)等のリチウム塩
を系内に加えることによりコントロールしてもよい。
合工程の終了後等に必要に応じて実施される脱水工程の
後に、重合工程を実施する。
のステンレス製オートクレーブ(攪拌翼として、パドル
翼を備え、回転数300〜700rpm)を挙げること
ができる。本重合温度としては、第一の発明の場合には
235〜280℃が好ましく、中でも240〜280℃
が特に好ましい。また、第二の発明の場合には238〜
280℃が好ましく、中でも238〜280℃が特に好
ましい。重合時間としては0.1〜10時間が好まし
い。ポリハロゲン化芳香族化合物の投入量としては、前
述のようにポリハロゲン化芳香族化合物/系内に存在す
る硫黄=0.9〜1.3(モル比)の範囲から選択する
ことが好ましく、0.95〜1.25がさらに好まし
い。
ドは、たとえば、濾過または遠心分離等による標準的な
方法により、直接に反応容器から分別したり、または、
たとえば水および/または稀釈した酸等の凝集液を添加
したのちに反応溶液から分別して、単離することができ
る。
るいは副反応物などを除去するために、通常、水、NM
P、メタノール、アセトン、ベンゼン、トルエンなどの
洗浄溶剤を用いて洗浄することが望ましい。
留去して回収し、残渣を前述のように洗浄することによ
って重合体を得ることもできる。なお、回収した溶媒は
再使用に供することもできる。
て、ポリマーの溶液粘度(ηinh )が0.20以上であ
り、メルトインデックス(MI)が0〜1,000g/
10分であるところの、十分に高分子量であって、ある
場合には、ゲル形成性であると共に、粒径が0.5〜5
mmであるところの、粒径の制御された粒状のポリアリ
ーレンスルフィドを、簡略化された工程で容易にかつ安
定に得ることができる。なお、この発明による粒状と
は、通常顆粒状であるがビーズ状であってもよい。ま
た、前記溶液粘度は、粒状のポリアリーレンスルフィド
をα−クロルナフタレンに0.4dl/gの濃度になる
ように溶解し、206℃の温度でウベローデ粘度計を使
用して測定された値である。
いるLiイオンを回収するため、系内にアルカリ金属の
水酸化物やアルカリ土類金属の水酸化物たとえば水酸化
ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化マグネシウム等を
投入してもよい。中でも水酸化ナトリウムが好ましい。
その投入量は、リチウムイオン1モルに対し、水酸基が
0.90〜1.1モル、好ましくは0.95〜1.05
モルになるようにする。1.1モルを超えても水酸化リ
チウムの生成には支障はないが、アルカリ金属(土類金
属)水酸化物の原単位の増加や後続の操作との関連で生
成PASの純度の低下を招くことがあるので好ましくな
い。また0.90未満の場合リチウムが塩化物として溶
解したままとなり、リチウムのロスになる。この場合の
反応温度は、特に制限はないが、アルカリ金属水酸化物
またはアルカリ土類金属水酸化物を水溶液状で投入する
場合、通常室温〜230℃、好ましくは65〜150℃
であり、固体状で投入する場合には、通常60〜230
℃、好ましくは90〜150℃である。反応温度が低い
場合、溶解度が低く、反応速度が著しく遅くなる。反応
温度が高い場合NMPの沸点以上になり、加圧下で行わ
なければならずプロセス的に不利になる。また、反応時
間は、特に制限はない。
ルフィドは、必要に応じて種々の脱塩処理を行って、重
合体中の塩化リチウムなどの塩含有量をさらに低減して
も良い。
フィドから各種の製品を成形する場合には、ポリアリー
レンスルフィドに必要に応じて他の重合体、顔料、グラ
ファイト、金属粉、ガラス粉、石英粉、タルク、炭酸カ
ルシウム、ガラス繊維、炭素繊維、各種ウィスカーなど
の充填剤、安定剤、離型剤などを適宜配合することがで
きる。
フィドは、各種成形品の材料、たとえばフィルム、繊
維、機械部品、電気部品、電子部品などの材料として好
適に利用することができる。
に説明する。 (1)予備重合温度、およびポリハロゲン化芳香族化合
物の転化率による分散性制御(i) 水酸化リチウム 本実施例においては、関東化学社製純度98%のものを
用いた。( ii ) 硫化水素−Li錯体(LiOH錯体)の合成 撹拌翼のついた500mlガラス製セパブルフラスコに
N−メチル−2−ピロリドン415.94g(4.2モ
ル)、前記(1)(i)の無水水酸化リチウム36.7
9g(1.5モル)及び脱イオン水27.0g(1.5
モル)を入れ、130℃に昇温した。昇温後硫化水素を
700ml/min.の供給速度で35分間液中に吹き
込んだ。硫化水素を吹き込む間の液温は常に130℃を
保つ様に制御した。硫化水素の供給を停止し、液中のS
(硫黄)量を定量した結果、1.182モル吸収されて
おり従ってS/Li比(モル比)=0.79であった。
また、錯体の合成中若干のNMPの流出が見られた。得
られた錯体を分析した結果、錯体1g当たりのS,L
i,NMP量はそれぞれ、S:2.938×10-3(モ
ル/グラム)、Li:3.730×10-3(モル/グラ
ム)、およびNMP:0.8771(グラム/グラム)
であった。
(以下PDCBと略す)の転化率が86%になるまで反
応を行った。なお、脱水は行わなかった。すなわち、
0.3リットルのガラス製オートクレーブにPDCB2
2.05g(0.1500モル),N−メチル−2−ピ
ロリドン(以下NMPと略す)47.80g,前記
(1)(i)の無水水酸化リチウム2.820g(0.
1180モル)、前記(1)( ii )で合成した錯体5
1.05g(0.1500モル)を入れ、密閉系で20
0℃で5時間予備重合を行った。予備重合終了後の溶液
のガスクロマトグラフ分析の結果、PDCBの転化率は
86%であった。さらに260℃で3時間重合を行っ
た。重合終了後、冷却し、水、アセトンで洗浄し、乾燥
を行い、ポリマーを得た。得られたポリマーをα−クロ
ロナフタレンに0.4dl/gの濃度になるように溶解
し、206℃の温度でウベローデ粘度計で溶液粘度を測
定したところ0.275であった。
が75%になるまで反応を行い、かつ200℃,2時間
予備重合を行った以外、実施例1と同様にした。その結
果、生成ポリマーの溶液粘度ηinh は0.193で、高
分子量ポリマーを得ることができなかった。
外、実施例1と同様にした。その結果、生成ポリマーの
溶液粘度ηinh は0.184で、高分子量ポリマーを得
ることができなかった。
7%になるまで反応を行い、予備重合後に、脱水を行っ
た。0.3リットルのガラス製オートクレーブにPDC
B22.05g(0.1500モル),NMP47.8
0g、前記(1)(i)の無水水酸化リチウム2.82
0g(0.1180モル)、前記(1)( ii )で合成し
た錯体51.05g(0.1500モル)を入れ、密閉
系で240℃で30分予備重合を行った。予備重合終了
後、窒素気流下、130〜150℃で水、NMP、PD
CBを系外に留出させた。留出量は19mlであった。
留出液中のPDCB及び水分のガスクロマトグラフ分析
の結果、PDCBの転化率は87%、水分量(反応が1
00%進行した場合に生成する水分量に対する水分量)
は85%であった。さらに260℃で3時間重合を行っ
た。重合終了後、冷却し、水、アセトンで洗浄し、乾燥
を行い、溶液粘度ηinhが0.326の高分子量ポリマ
ーを得た。
備重合でPDCBの転化率が95%になるまで反応を行
った。0.3リットルのオートクレーブに前記(1)
( ii )で合成した錯体51.05g(0.1500モ
ル)、NMP47.80g、前記(1)(i)の無水水
酸化リチウム2.820g(0.1180モル)を入
れ、窒素気流下、130〜150℃で水、NMPを系外
に留出させた。留出量は10mlであった。脱水終了
後、PDCB22.05g(0.1500モル)を加
え、200℃、5時間予備重合を行った。続いて、窒素
気流下、130〜150℃で水、NMP、PDCBを系
外に留出させた。留出量は10mlであった。留出液中
のPDCB及び水分のガスクロマトグラフ分析の結果、
PDCBの転化率は95%、水分量は90%(予備重合
前の脱水工程時の水分量も含む)であった。さらに26
0℃で3時間重合を行った。重合終了後、冷却し、水、
アセトンで洗浄し、乾燥を行い、溶液粘度ηinhが0.
365の高分子量ポリマーが得ることができた。以上の
結果を下記表1にまとめて示す。
液粘度による分散性制御(i) LMABの合成 撹拌翼のついた10リットルのオートクレーブに、N−
メチル−2−ピロリドン(NMP)4,460g(4
5.0モル)及び水酸化ナトリウム400g(10.0
モル)、水417gからなる水溶液を投入した。160
℃、300rpmで1時間反応させた後に、水を含むN
−メチル−2−ピロリドンを500ml系外へ取り出し
た。冷却後に塩化リチウム445g(10.5モル)及
びN−メチル−2−ピロリドンを加えて、150℃及び
300rpmで1時間反応させた。100℃に保温され
たガラス製フィルターに内容物をあけ、減圧濾過をし
た。濾液を常温まで冷却したところ白色の結晶が析出し
た。この白色の結晶をアセトンで2回洗浄し、乾燥し
た。この白色の結晶をリチウムイオンの分析、FT−I
RおよびNMRで分析することによりN−メチルアミノ
酪酸リチウムと同定した。収量は90%であり、イオン
クロマトグラフを用いて純度を測定した結果転化率は9
9.8%であった。
体)の合成 撹拌翼のついた500mlガラス製セパラブルフラスコ
にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)267.30
g(2.7モル)及び上記(2)(i)で得られたN−
メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)178.02g
(1.5モル)を入れ、昇温し130℃に保った。LM
ABが溶解したことを確認後、純度99.9%の硫化水
素を気体状態で流量計により500ml/min.の流
量で吹き込んだ。吹き込みノズルの先端にはスパージャ
ーを取り付けた。また硫化水素吹き込みと同時に生成す
る水を脱水する目的で窒素ガスを気相部に300ml/
min.で吹き込んだ。本条件で60min.吹き込ん
だ後に溶液中の硫黄量を定量したところ、硫黄源/LM
AB=0.70(モル比)であった。この錯体を分析し
た結果、錯体1グラム当たりのLi,S,NMP量はそ
れぞれ、Li:3.909×10-3(モル/グラム)、
S:2.735×10-3(モル/グラム)、およびNM
P:0.4568(グラム/グラム)であった。
体)の合成 撹拌翼のついた500mlガラス製セパブルフラスコに
N−メチル−2−ピロリドン415.94g(4.2モ
ル)、前記(1)(i)で合成した無水水酸化リチウム
36.79g(1.5モル)及び脱イオン水27.0g
(1.5モル)を入れ、130℃に昇温した。昇温後硫
化水素を700ml/min.の供給速度で35分間液
中に吹き込んだ。硫化水素を吹き込む間の液温は常に1
30℃を保つ様に制御した。硫化水素の供給を停止し、
液中のS(硫黄)量を定量した結果、1.182モル吸
収されており従ってS/Li比(モル比)=0.79で
あった。また、錯体の合成中若干のNMPの流出が見ら
れた。得られた錯体を分析した結果、錯体1g当たりの
S,Li,NMP量はそれぞれ、S:2.938×10
-3(モル/グラム)、Li:3.730×10-3(モル
/グラム)、およびNMP:0.8771(グラム/グ
ラム)であった。
ブに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)24.1
4g(0.224モル)、p−ジクロロベンゼン16.
08g(0.109モル)、前記(2)( ii )で合成し
た錯体40g(0.109モル)、および前記(2)
(i)で合成したN−メチルアミノ酪酸リチウム8.0
6g(0.068モル)を入れ、密閉系で200℃に加
熱しながら5時間かけて撹拌し予備重合を行った。予備
重合終了後、室温まで急冷し、得られた固形分の一部
(1g)を取り出し水及びアセトンで順次洗浄し、乾燥
後プレポリマーを得た。得られたプレポリマーをα−ク
ロロナフタレンに0.4dl/gの濃度になるように溶
解し、206℃の温度でウベローデ粘度計を使用して粘
度測定を行った。その結果、このプレポリマーの溶液粘
度ηinhは、0.103であった。次いで、残りの固形
分をオートクレーブ中で260℃に昇温し、260℃を
保ちながら3時間かけて重合を行った。このとき、重合
中の分散状態を観察したところ、ポリマー相は液滴状に
均一分散していた。重合反応の終了後に、反応系を冷却
し、得られた固形分を水及びアセトンで順次洗浄し、乾
燥を行うことによりポリアリーレンスルフィドを10.
06g(収率85.0%)得た。得られたポリアリーレ
ンスルフィドをプレポリマーと同様の方法で粘度測定を
行った。その結果、このポリアリーレンスルフィドの溶
液粘度ηinhは、0.238であった。
4g(0.224モル)、p−ジクロロベンゼン:1
6.08g(0.109モル)、前記(2)( ii )で合
成した錯体:40g(0.109モル)、および前記
(2)(i)で合成したN−メチルアミノ酪酸リチウ
ム:8.06g(0.068モル)、を用意した。上記
原料を用い、予備重合を密閉系で220℃に加熱して3
時間かけて行ったこと以外は、参考例1と同様の操作を
行いプレポリマーを得た。その溶液粘度ηinhは0.1
18であった。次いで、参考例1と同様に重合を行い、
同様の後処理を行いポリアリーレンスルフィド9.83
g(収率83.1%)を得た。なお、この時の重合中の
分散状態は、参考例1と同様にポリマー相が液滴状に均
一分散していた。得られたポリアリーレンスルフィドの
溶液粘度ηinhを参考例1と同じ操作で測定したとこ
ろ、0.248であった。
4g(0.224モル)、p−ジクロロベンゼン:1
6.08g(0.109モル)、前記(2)( ii )で合
成した錯体:40g(0.109モル)、前記(2)
(i)で合成したN−メチルアミノ酪酸リチウム:8.
06g(0.068モル)を用意した。上記原料を用
い、予備重合を密閉系で235℃に加熱して40分行っ
たこと以外は、参考例1と同様の操作を行い、プレポリ
マーを得た。その溶液粘度ηinhは0.128であっ
た。次いで、参考例1と同様に重合を行い、かつ同様の
後処理を行って、ポリアリーレンスルフィド9.97g
(収率84.3%)を得た。なお、この時の重合中の分
散状態は、参考例1と同様にポリマー相が液滴状に均一
分散していた。得られたポリアリーレンスルフィドの溶
液粘度ηinhを参考例1と同じ操作で測定したところ、
0.245であった。
14g(0.224モル)、p−ジクロロベンゼン:1
5.84g(0.107モル)、前記(2)( ii )で合
成した錯体:40g(0.109モル)、前記(2)
(i)で合成したN−メチルアミノ酪酸リチウム:8.
06g(0.068モル)、トリクロルベンゼン:0.
298g(0.0016モル)を用意した。上記原料を
用い、予備重合を密閉系で225℃に加熱して3時間か
けて行い、参考例1と同様の操作を行い、プレポリマー
を得、その溶液粘度ηinhは0.251であった。次い
で、参考例1と同様に重合を行い、同様の後処理を行っ
た。その結果、ポリアリーレンスルフィド9.91g
(収率83.8%)を得た。なお、この時の重合中の分
散状態は、参考例1と同様にポリマー相が液滴状に均一
分散していた。得られたポリアリーレンスルフィドの溶
液粘度ηinhを参考例1と同じ操作で測定したところ、
無限大であった。
06g(0.485モル)、p−ジクロロベンゼン:2
2.05g(0.150モル)、前記(2)( iii )で
合成した錯体:51.05g(0.150モル)、前記
(1)(i)で合成した無水水酸化リチウム:2.87
g(0.117モル)を用意した。上記原料を用い、予
備重合を密閉系で235℃に加熱して40分かけて行
い、参考例1と同様の操作を行い、プレポリマーを得、
その溶液粘度ηinhは0.132であった。次いで、参
考例1と同様に重合を行い、同様の後処理を行った。そ
の結果、ポリアリーレンスルフィド13.68g(収率
84.3%)を得た。なお、この時の重合中の分散状態
は、参考例1と同様にポリマー相が液滴状に均一分散し
ていた。得られたポリアリーレンスルフィドの溶液粘度
ηinhを参考例1と同じ操作で測定したところ、0.2
58であった。
ブに、N−メチル−2−ピロリドン24.14g(0.
224モル)、p−ジクロロベンゼン16.08g
(0.109モル)、前記(2)( ii )で合成した錯体
40g(0.109モル)、及び前記(2)(i)で合
成したN−メチルアミノ酪酸リチウム8.06g(0.
068モル)を入れ、密閉系で225℃に加熱しながら
30分かけて撹拌し予備重合を行った。予備重合終了
後、室温まで急冷し、得られた固形分の一部(1g)を
取り出し水及びアセトンで順次洗浄し、乾燥後プレポリ
マーを得た。得られたプレポリマーをα−クロロナフタ
レンに0.4dl/gの濃度になるように溶解し、20
6℃の温度でウベローデ粘度計を使用して粘度測定を行
った。その結果、このプレポリマーの溶液粘度η
inhは、0.079であった。次いで、残りの固形分を
オートクレーブ中で260℃に昇温し、260℃を保ち
ながら3時間かけて重合を行った。このとき、重合中の
分散状態を観察したところ、ポリマー相は塊状化してい
た。重合反応の終了後に、反応系を冷却し、得られた固
形分を水及びアセトンで順次洗浄し、乾燥を行うことに
よりポリアリーレンスルフィドを9.48g(収率.8
0.1%)得た。得られたポリアリーレンスルフィドを
プレポリマーと同様の方法で粘度測定を行った。その結
果、このポリアリーレンスルフィドの溶液粘度η
inhは、0.231であった。
14g(0.224モル)、p−ジクロロベンゼン:1
5.84g(0.109モル)、前記(2)( ii )で合
成した錯体:40g(0.109モル)、前記(2)
(i)で合成したN−メチルアミノ酪酸リチウム:8.
06g(0.068モル)、トリクロルベンゼン:0.
298g(0.0016モル)を用意した。上記原料を
用い、予備重合は行わず、比較例3と同様に重合を行
い、同様の後処理を行った。その結果、ポリアリーレン
スルフィド9.54g(収率80.6%)を得た。な
お、この時の重合中の分散状態は、比較例3と同様にポ
リマー相は塊状化していた。得られたポリアリーレンス
ルフィドの溶液粘度ηinhを比較例3と同じ操作で測定
したところ、無限大であった。
14g(0.224モル)、p−ジクロロベンゼン:1
5.84g(0.107モル)、前記(2)( ii )で合
成した錯体:40g(0.109モル)、前記(2)
(i)で合成したN−メチルアミノ酪酸リチウム:8.
06g(0.068モル)を用意した。上記原料を用
い、予備重合を密閉系で242℃に加熱して0.5時間
行い、比較例3と同様の操作を行い、プレポリマーを
得、その溶液粘度ηinhは0.110であった。次い
で、比較例3と同様に重合を行い、同様の後処理を行っ
た。その結果、ポリアリーレンスルフィド9.63g
(収率81.4%)を得た。なお、この時の重合中の分
散状態は、比較例3と同様にポリマー相は塊状化してい
た。得られたポリアリーレンスルフィドの溶液粘度η
inhを比較例3と同じ操作で測定したところ、0.24
0であった。
06g(0.485モル)、p−ジクロロベンゼン:2
2.05g(0.150モル)、前記(2)( iii )で
合成した錯体:51.05g(0.150モル)、前記
(1)(i)で合成した無水水酸化リチウム:2.87
g(0.117モル)を用意した。上記原料を用い、予
備重合を密閉系で225℃に加熱して30分かけて行
い、比較例3と同様の操作を行い、プレポリマーを得、
その溶液粘度ηinhは0.082であった。次いで、比
較例3と同様に重合を行い、同様の後処理を行った。そ
の結果、ポリアリーレンスルフィド13.32g(収率
82.1%)を得た。なお、この時の重合中の分散状態
は、比較例3と同様にポリマー相は塊状化していた。得
られたポリアリーレンスルフィドの溶液粘度ηinhを比
較例3と同じ操作で測定したところ、0.232であっ
た。以上の結果を下記表2にまとめて示す。
(i)で合成したN−メチルアミノ酪酸リチウム137
0g(11.41モル)の混合物10リットルをオート
クレーブ(容器1)中に入れて130℃に加熱し、硫化
水素298g(8.75モル)を吹き込み反応させた。
室温まで冷却した後、パラジクロロベンゼン1286g
(8.75モル)、N−メチル−2−ピロリドン183
2g、前記(2)(i)で合成したN−メチルアミノ酪
酸リチウム725g(6.09モル)を添加した。容器
1を200℃に加熱し、5時間反応させた後室温まで冷
却した。200℃における容器1内の圧力は3.0kc
m2であった。また、この反応物の溶液粘度ηinhは0.
12であった。容器1内の反応混合物725gを、パド
ル翼撹拌機、温度計、原料供給管および製品抜き出し管
を備えた1リットルオートクレーブに入れ、260℃ま
で加熱した。昇温後容器2内の反応混合物を連続的に容
器2内に供給した。260℃における容器2内の圧力は
6.0kg/cm2であった。1時間おきに容器2内の
反応混合物をサンプリングし、ポリアリーレンスルフィ
ドの濃度および溶液粘度を測定した。容器2への供給速
度を変化させることにより、容器2内における平均滞留
時間τを4、6、8時間に変化させた。操作中配管内の
閉寒は発生せず、13%の濃度(パラジクロロベンゼン
を基にして90.0%の収率)でポリアリーレンスルフ
ィドが得られた。このポリアリーレンスルフィドはτ=
4、6、8時間おいてそれぞれ溶液粘度ηinh=0.2
3、0.23、0.24リットル/グラムであった。容
器1内の反応混合物725gを、パドル翼撹拌機を備え
た1リットルガラスオートクレーブ(容器3)中で反応
させ、内部状態を観察したところ、ポリマー相が微小な
液滴状となり著しく安定した分散状態であった。
0分間としたこと以外は参考例5と同様な操作を行っ
た。予備重合終了時の反応混合物の溶液粘度ηinhは
0.12であった。製品の抜き出し操作を行ったとこ
ろ、配管が閉寒し抜き出しは不可能であった。同じ組成
の反応混合物を用い、容器3にて重合を行い内部状態を
観察したところ、ポリマー相が単一の塊状となり、分散
不良状態であった。
2個直列に設置して同様の操作を行った。τ=4.8時
間の場合、一槽目の抜出し口においてηinh=0.19
dl/g、二槽目の抜出し口においてηinh=0.24
dl/gの溶液粘度を有するポリアリーレンスルフィド
が得られた。 [参考例7]参考例5 と同様の反応混合物を容器1に入れ、内部に水
平仕切り板で仕切られた4個の部屋を備えた円柱縦型の
撹拌器付き容器(容器3)に供給して参考例5と同様の
操作を行った。τ=5.0時間においてηinh=0.2
3dl/gの溶液粘度を有するポリアリーレンスルフィ
ドが得られた。
レンスルフィドの製造方法によれば、一定条件下で予備
重合を行い、次いで本重合を行うことにより、ポリマー
相の分散安定化が可能となり、PAS製造プロセスにお
いてポリマーの翼、バッフル等への付着防止反応液
の抜出しの際の閉塞防止が可能となった。
Claims (11)
- 【請求項1】 非プロトン性有機溶媒中にて、水酸化リ
チウムと、液状または気体状のイオウ化合物と、ポリハ
ロゲン化芳香族化合物とを重合させて、ポリアリーレン
スルフィドを製造する方法において、 重合温度が180〜245℃、およびポリハロゲン化芳
香族化合物の転化率が80〜99%となる条件で予備重
合を行い、次いで本重合を行うことを特徴とするポリア
リーレンスルフィドの製造方法。 - 【請求項2】 前記本重合における重合温度が、235
〜280℃であることを特徴とする請求項1記載のポリ
アリーレンスルフィドの製造方法。 - 【請求項3】 前記非プロトン性有機溶媒が、N−メチ
ル−2−ピロリドンであることを特徴とする請求項1ま
たは2記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。 - 【請求項4】 前記液状または気体状のイオウ化合物
が、硫化水素であることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれか1項記載のポリアリーレンスルフィドの製造方
法。 - 【請求項5】 前記ポリハロゲン化芳香族化合物が、パ
ラジクロロベンゼンを50モル%以上含むものであるこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリ
アリーレンスルフィドの製造方法。 - 【請求項6】 非プロトン性有機溶媒中にて、水酸化リ
チウムと、液状または気体状のイオウ化合物と、ポリハ
ロゲン化芳香族化合物とを重合させて、ポリアリーレン
スルフィドを製造する方法において、 重合温度が180〜238℃、および生成するプレポリ
マーの溶液粘度η(α−クロロナフタレンに0.4dl
/gの濃度に溶解し206℃の温度でウベローデ粘度計
で測定)が0.1以上となる条件で予備重合を行い、次
いで本重合を行うことを特徴とするポリアリーレンスル
フィドの製造方法。 - 【請求項7】 前記本重合における重合温度が、238
〜280℃であることを特徴とする請求項6記載のポリ
アリーレンスルフィドの製造方法。 - 【請求項8】 前記非プロトン性有機溶媒が、N−メチ
ル−2−ピロリドンであることを特徴とする請求項6ま
たは7記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。 - 【請求項9】 前記液状または気体状のイオウ化合物
が、硫化水素であることを特徴とする請求項6〜8のい
ずれか1項記載のポリアリーレンスルフィドの製造方
法。 - 【請求項10】 前記ポリハロゲン化芳香族化合物が、
パラジクロロベンゼンを50モル%以上含むものである
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項記載のポ
リアリーレンスルフィドの製造方法。 - 【請求項11】 前記予備重合と本重合とを連続的に行
うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載
のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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