JP3528499B2 - 車両用構造体充填用発泡材並びに発泡体充填車両用構造体 - Google Patents

車両用構造体充填用発泡材並びに発泡体充填車両用構造体

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JP3528499B2 JP04091097A JP4091097A JP3528499B2 JP 3528499 B2 JP3528499 B2 JP 3528499B2 JP 04091097 A JP04091097 A JP 04091097A JP 4091097 A JP4091097 A JP 4091097A JP 3528499 B2 JP3528499 B2 JP 3528499B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、車両用構造体充填用発泡材並び
に発泡体充填車両用構造体に係り、特に、車両の一部を
構成する構造体を与える閉断面構造の筒状部材の内部に
収容、配置せしめられ、加熱により発泡して生じる高剛
性のゴム発泡体にて、該筒状部材の閉断面空間を埋める
ように充填する、発泡性ゴム組成物からなる発泡材、並
びにそのような発泡材の発泡にて得られる高剛性のゴム
発泡体を充填せしめてなる車両用構造体における防錆の
信頼性や、充填性を向上せしめる技術に関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】一般に、自動車のフロントピラーやセンタ
ーピラー等の筒状の骨格部材(構造体)の内部には、空
洞があり、その空洞内を風が通過することによって、風
切り音が発生したり、又はそのような空洞部分を伝わっ
て、エンジンの振動音が車内に伝達されたりして、車内
騒音の原因となっていた。そこで、車内騒音の原因とな
る、前記骨格部材等の構造体の空隙部分には、従来か
ら、発泡体を充填したりすること等により、風の通過や
振動音の伝達を抑制し、以て遮音性の向上を図る等の対
策が講じられている。
【0003】また、近年では、従来の車内騒音を改善す
るだけではなく、前記ピラーの如き車両用構造体の剛性
や衝突時のエネルギー吸収量を上昇させる目的、更には
軽量化やコストダウンを図る目的より、前記筒状の骨格
部材に対する発泡体の充填も行なわれるようになってき
ている。なお、そのような目的を達成するために、かか
る筒状部材の空隙部を充填する材料には、高剛性の発泡
体を与える発泡性組成物からなる発泡材が用いられ、そ
の発泡により充填が行なわれているのである。
【0004】ところで、そのようなピラー等の筒状の骨
格部材の空隙に発泡体を充填する方法としては、空隙の
形状に応じて形成された発泡体を作業孔から空隙部に挿
入して、充填する方法、或いは加熱により発泡して体積
が膨張する発泡材を、スポットシール材として空隙内に
配置し、後の加工工程における熱履歴、例えば電着塗装
の焼付け炉や乾燥炉における加熱操作等にて発泡させ
て、空隙部を充填する方法、等の種々なる手法が採用さ
れている。しかしながら、発泡体を空隙部に挿入する方
法は、作業孔を通じて挿入することとなるために、充填
性にバラツキが生じ、内部の隅々まで空隙部の形状に沿
って発泡体を完全に充填することは困難であり、しか
も、その作業孔は、鋼板の打ち抜きエッジとなっている
ために、作業者が手を傷つける危険性もある等の問題を
内在するものであった。
【0005】また、発泡材、中でも高剛性の発泡体を与
える発泡材を用いて、その発泡により形成される発泡体
を充填せしめる手法においては、そのような発泡材を、
それの板状乃至は角材状等の所定形状の一つの面におい
て、接着剤層を介して、筒状部材の閉断面空間側の内面
に貼り付けて、固定せしめ、そして該筒状部材に対して
各種の加工を施した後に、電着塗装時における焼付けや
乾燥の如き所定の加熱操作にて、発泡、硬化せしめるこ
ととなるところから、そのような加熱、発泡操作の後の
冷却工程において、生じた発泡体が熱膨張状態から収縮
し、それによって、該発泡体の接着剤層の存在しない表
面と筒状部材内面との間に僅かな隙間を生じ、そして該
筒状部材には各種の加工孔が存在することにより、該加
工孔を通じて、その隙間に水が浸入して、発錆の原因と
なる問題があった。特に、発泡性ゴム組成物からなる発
泡材の発泡、硬化にて、高剛性のゴム発泡体が形成され
る場合において、そのような隙間の発生の傾向が強く、
従って錆の発生の問題も大きなものとなっているのであ
る。
【0006】さらに、そのような発泡材の発泡、硬化に
よる充填方式にあっては、形成される発泡体の剛性を高
めるために、架橋(加硫)密度を高めているが、そのた
めに発泡材がその表面より架橋(加硫)を開始し、その
部分が閉断面空間を形成している筒状部材の内面に接触
すると、その流れ性の悪さに加えて、接触抵抗の高さの
故に、生じる発泡体の動きが阻害され、以て発泡体の充
填性、ひいては形状追従性が悪化して、筒状部材の閉断
面空間を完全に埋めることが困難となる問題があった。
尤も、この問題は、発泡材の発泡圧を高めて、その充填
性を向上せしめるという対策によって解消することが考
えられるが、発泡圧の増大によって、閉断面空間を構成
する筒状部材が膨出変形を来すという不具合を、新たに
惹起することとなる。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景として為されたものであって、その第一の課題とする
ところは、車両用構造体への充填性を向上し、且つ防錆
の信頼性も高め得る車両用構造体充填用発泡材を提供す
ることにあり、また、第二の課題とするところは、高剛
性のゴム発泡体が、隙間なく充填せしめられて、強固に
固着され、共振周波数を高周波側へ効果的にシフトせし
め得た、防錆の信頼性の高い発泡体充填車両用構造体を
提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、本発明は、そのような第一の課題
を解決すべく、車両の一部を構成する構造体を与える閉
断面構造の筒状部材の内部に収容、配置せしめられ、加
熱により発泡して生じる高剛性のゴム発泡体にて、該筒
状部材の閉断面空間を埋めるように充填する、発泡性ゴ
ム組成物からなる発泡材において、該発泡材の発泡に先
立って前記筒状部材の閉断面空間側の内面に該発泡材を
固定するための粘着型接着剤層を、該発泡材の表面の一
部に形成する一方、前記発泡にて前記筒状部材の閉断面
空間側の内面に接するようになる該発泡材の表面には、
非粘着タイプのホットメルト型乃至は熱硬化型接着剤層
を形成したことを特徴とする車両用構造体充填用発泡材
を、その要旨とするものである。
【0009】すなわち、このような本発明に従う車両用
構造体充填用発泡材にあっては、粘着型接着剤層を介し
て、所定の筒状部材の閉断面空間側の内面に固定せしめ
られる一方、そのような粘着型接着剤層の設けられてい
ない発泡材の残余の表面には、その少なくとも一部に対
して、非粘着タイプのホットメルト型乃至は熱硬化型接
着剤層が形成されているところから、かかる発泡材の発
泡にて生じる高剛性のゴム発泡体は、前記粘着型接着剤
層を介して、筒状部材の内面に固着されることは勿論、
そのようなホットメルト型乃至は熱硬化型接着剤層を介
しても、筒状部材内面に強固に固着せしめられ得ること
となるのであり、これによって、発泡後の冷却操作にて
ゴム発泡体に収縮が生じても、筒状部材の閉断面空間に
充填される発泡体との間の隙間の発生が、効果的に抑制
乃至は阻止され得、以て水の浸入も有利に防止され得
て、そのような水の浸入に基づくところの錆の発生の問
題が効果的に回避され得るのである。
【0010】しかも、かかる発泡材の表面の少なくとも
一部に形成されるホットメルト型乃至は熱硬化型接着剤
層は、非粘着タイプとされていることにより、筒状部材
の内部への発泡材の貼り付け作業等の作業性が良好とな
ることに加えて、発泡工程に至るまでの工程における他
の部材の付着、更には塵芥の付着等の問題も、何等顧慮
する必要もない等の特徴が発揮され得るのであり、更
に、そのようなホットメルト型乃至は熱硬化型接着剤層
は、発泡材の発泡のための加熱操作にて溶融し或いは流
動性となって、低粘度化し、以て、生じる発泡体と筒状
部材内面との間で潤滑剤としての役割を果たすことによ
り、形状追従性乃至は充填性が効果的に向上せしめられ
得て、筒状部材内部の細部にまで発泡体の充填を可能な
らしめ得るのである。
【0011】また、本発明は、前記した第二の課題を解
決すべく、車両の一部を構成する閉断面構造の筒状部材
の内部に発泡性ゴム組成物からなる発泡材を収容、配置
し、加熱により発泡せしめることによって生じる高剛性
のゴム発泡体にて、該筒状部材の閉断面空間を埋めてな
る車両用構造体にして、前記ゴム発泡体が、その筒状部
材内面に接する表面の一部において、粘着型接着剤層を
介して該筒状部材内面に接着せしめられている一方、該
ゴム発泡体の筒状部材内面に接する残余の表面において
は、非粘着タイプのホットメルト型乃至は熱硬化型接着
剤層を介して該筒状部材内面に接着せしめられているこ
とを特徴とする発泡体充填車両用構造体を、その要旨と
するものである。
【0012】従って、このような本発明に従う発泡体充
填車両用構造体にあっては、筒状部材の所定の閉断面空
間を埋める高剛性のゴム発泡体が、その筒状部材内面に
接する表面に、それぞれ、形成された粘着型接着剤層と
ホットメルト型乃至は熱硬化型接着剤層を介して、強固
に接着せしめられ、それらの間に隙間が生じないように
構成されているところから、水の浸入に基づくところの
錆の発生が効果的に阻止せしめられ、以て防錆の信頼性
が向上されていると共に、そのようなゴム発泡体の強固
な接着にて、構造体における共振周波数が高周波側へシ
フトすることとなって、車両の防振対策乃至は防音対策
に著しく寄与することが出来、また曲げ強度や捩り強度
も効果的に向上せしめられることとなるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の構成について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。
【0014】先ず、本発明に従う車両用構造体充填用発
泡材は、自動車のフロントピラーやセンターピラー等の
車両の一部を構成する構造体を与える閉断面構造の筒状
部材の内部に収容、配置せしめられ得るように、板状や
角柱状等の所定の形状に成形されてなる一定形状体であ
って、その一例が、図1に示されている。そこにおい
て、発泡材2は、全体として細長な板状形状を呈するも
のであって、従来と同様な手法にてシート状に成形され
てなる細長な発泡性ゴム板4と、その主たる平面の一方
に所定厚さで形成されてなる粘着型接着剤層6と、かか
るゴム板4の粘着型接着剤層6の設けられていない他の
3つの面に、それぞれ、所定厚さで形成された非粘着タ
イプのホットメルト型乃至は熱硬化型接着剤層8とから
構成されている。そして、後述するところから明らかな
ように、粘着型接着剤層6は、発泡材2(具体的には、
ゴム板4)の発泡に先立って、目的とする筒状部材の閉
断面空間側の内面に発泡材2を接着、固定すべく、ゴム
板4の一方の主面に形成されているのであり、またホッ
トメルト型乃至は熱硬化型接着剤層8は、発泡にて筒状
部材の閉断面空間側の内面に接するようになる発泡材2
(具体的には、ゴム板4)の3つの面に形成されている
のである。
【0015】ところで、かかる発泡材2を構成する発泡
性ゴム板4は、高剛性のゴム発泡体を与えるように調製
された発泡性ゴム組成物を用いて成形されることとなる
が、そのような発泡性ゴム組成物は、有利には、天然ゴ
ム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)等の公知のジエン系ゴム、又はそ
れらのブレンド体を、ゴム成分として含むものであり、
また、そのようなゴム成分を架橋するために硫黄が配合
され、更に発泡性となるために、所定の発泡剤も配合さ
れることとなる。
【0016】なお、硫黄は、それが有する架橋作用によ
り、発泡性ゴム組成物を加熱、発泡せしめて得られる発
泡体の剛性を高めるために添加されるものであり、その
使用量は、剛性付与剤が配合せしめられない場合には、
硫黄による架橋のみで剛性を高めなければならないとこ
ろから、より多くの量において配合せしめられる必要が
あり、一方、剛性付与剤が配合せしめられる場合には、
硫黄による架橋のみで剛性を高める必要がないところか
ら、少量の配合でも充分となる。即ち、剛性付与剤が配
合せしめられない場合には、硫黄は、ジエン系ゴムの如
きゴム成分の100重量部に対して、10〜50重量部
の割合で配合せしめられる。けだし、かかる配合割合が
10重量部よりも少ないと、得られる発泡体の架橋密度
が不充分となるために、剛性が低くなり過ぎるからであ
り、またかかる配合割合が50重量部よりも多い場合に
は、得られる発泡体の架橋密度が大きくなり過ぎるため
に、ゴム組成物の発泡が不充分となるからである。一
方、剛性付与剤が配合せしめられる場合には、硫黄は、
ジエン系ゴムの如きゴム成分の100重量部に対して、
1〜40重量部の配合割合とされる。この場合におい
て、硫黄の配合割合が1重量部よりも少なくなると、得
られる発泡体の剛性が不充分となるのであり、またかか
る割合より多いときには、得られる発泡体の剛性が高く
なり過ぎて、発泡体が脆くなる等の問題を惹起する。
【0017】また、剛性付与剤は、発泡性ゴム組成物を
加熱、発泡せしめて得られる発泡体に、剛性を付与する
目的で添加されるものであって、この剛性付与剤の添加
により、硫黄の含有量を低減することが出来る。そし
て、そのような剛性付与剤の具体例としては、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等
の熱硬化性樹脂及びその変性体等を挙げることが出来
る。そして、そのような剛性付与剤の配合割合は、ジエ
ン系ゴムの如きゴム成分の100重量部に対して、5〜
100重量部となるようにされる。けだし、かかる配合
割合が5重量部よりも少ない場合には、剛性付与剤の作
用が充分に発揮され得ないからであり、また、かかる配
合割合が100重量部より多い場合には、得られる発泡
体の剛性が高くなり過ぎて、好ましくないからである。
なお、かかる剛性付与剤の作用をより一層高めるため
に、熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂に対しては、
ヘキサミン等の硬化剤を、樹脂の理論等モル量の20〜
200%程度の割合において、添加しても良く、それに
よって、更に有利に剛性を高めることも出来る。
【0018】さらに、発泡剤は、ゴム組成物が加熱され
たときに分解して、二酸化炭素や窒素ガス等の気体を放
出することにより、或いは気化等によって、膨張空間を
形成することにより、発泡体が形成されるように、添加
されるものであって、従来から公知のものが適宜に採用
され得るが、そのような発泡剤の具体例としては、炭酸
水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭素水素アンモニ
ウム等の無機系のものや、ジアゾアミノ誘導体、アゾニ
トリル系、アゾジカルボン酸誘導体、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン等の有機系のものを挙げることが出
来る。そして、この発泡剤は、ジエン系ゴムの如きゴム
成分の100重量部に対して、5〜40重量部の配合割
合で添加せしめられる。けだし、かかる配合割合が5重
量部より少ない場合には、充分な発泡作用が発揮され得
ないからであり、また40重量部より多い場合には、よ
り一層の発泡作用が発揮されるという訳ではないからで
ある。
【0019】なお、前記した発泡性ゴム板4を与える発
泡性ゴム組成物には、上述の如きゴム成分、硫黄、剛性
付与剤、及び発泡剤の他にも、従来から知られている各
種の配合剤、例えば加硫促進剤、加硫助剤、加工助剤、
充填剤等が必要に応じて添加され、それらの何れのもの
も、本発明の目的を阻害することのない範囲内におい
て、従来と同様に配合されても、何等差し支えないこと
は、言うまでもない。例えば、加工助剤としては、酸化
亜鉛等の金属酸化物が用いられ、一般に、ゴム成分の1
00重量部に対して、3〜15重量部程度の割合で配合
せしめられる。また、加工助剤として、ステアリン酸等
の脂肪酸が、ゴム成分の100重量部に対して、0.5
〜5重量部程度の割合で用いられる。更に、軟化剤とし
ては、液状ゴム、パラフィン系、ナフテン系、アロマ系
のプロセスオイルやエステル系可塑剤があり、ゴム成分
の100重量部に対して、0〜100重量部程度の割合
で用いられ、更にまた、充填剤としては、炭酸カルシウ
ム、カーボンブラック、シリカ、タルク等が、ゴム成分
の100重量部に対して、0〜150重量部程度の割合
において用いられ得るものである。
【0020】また、このようにして得られた発泡性ゴム
板4を、発泡、硬化せしめることによって、高剛性のゴ
ム発泡体12が有利に形成され得ることとなるのであ
り、特に、そのようなゴム発泡体12は、その圧縮剛性
が25cm2 当たり0.5kN/mm以上で、且つエネ
ルギー吸収量が25cm2 当たり100kN/mm以上
となる特性を備えるものである。ここにおいて、圧縮剛
性とは、一辺が5cmの立方体に形成された発泡体試験
片の一対の面を圧縮する際に、圧縮方向に20mm/分
で圧縮されるように、圧縮荷重:Pをかけ、その際の変
位量:Sと前記圧縮荷重:Pとの関係を求め、初期の荷
重微変化量(ΔP)を初期の変位微変化量(ΔS)で除
して求めた値を意味しており、それを、試験片25cm
2 当たりの値で表したものである。また、吸収エネルギ
ー量とは、前記の発泡体試験片に対して、前記の如き圧
縮を行なった際に、圧縮開始から試験片の圧縮変位が3
0mmになるまでに、試験片に吸収されたエネルギー量
を意味しており、それを、試験片25mm2 当たりの値
で表したものである。具体的には、前記変位量:Sと圧
縮荷重:Pの関係を示したグラフにおいて、圧縮剛性
は、変位量:Sと圧縮荷重:Pとの関係曲線の初期の立
ち上がりの傾き(ΔP/ΔS)であり、また吸収エネル
ギー量は、圧縮荷重:Pと変位量:Sとの関係曲線とX
軸(0〜30mm)との間で囲まれた面積である。
【0021】そして、本発明は、上述の如き、各成分を
所定割合にて従来と同様な混合手法に従って配合して調
製される発泡性ゴム組成物から、ゴム板4の如き、所定
形状のゴム成形体を、通常の成形手法によって作製し、
その表面の一面に、粘着型接着剤からなる第一の接着層
6を形成して、車両用構造体を与える閉断面構造の筒状
部材の内面に固定せしめられ得るようにする一方、その
表面の他面には、非粘着タイプのホットメルト型乃至は
熱硬化型接着剤からなる第二の接着層8を形成して、目
的とする発泡材2を構成するようにしたものである。
【0022】ここにおいて、かかる発泡性ゴム板4の一
つの面に形成される第一の接着層6は、従来の発泡材を
固定するための接着剤層と同様なものであって、発泡操
作に至るまでの工程において、筒状部材の内部で、発泡
材2を位置固定と為すためのものであって、そのような
接着層6の形成には、通常の粘着型接着剤の何れもが用
いられ得るものであるが、一般に、そのような構造体を
与える筒状部材には、油面鋼板が用いられているところ
から、油面定着性に優れた油面接着剤、例えば、ゴム
(SBR、NR、IIR)系、ポリウレタン系、変性エ
ポキシ系、ポリサルファイド系等の接着剤が、好適に用
いられることとなる。
【0023】また、そのような粘着型接着剤からなる第
一の接着層6の形成されていない発泡性ゴム板4の他の
面、即ち、発泡にて筒状部材の閉断面空間側の内面に接
するようになる表面には、非粘着タイプのホットメルト
型乃至は熱硬化型接着剤からなる第二の接着層8が、所
定厚さにおいて形成されることとなるが、ここでも、そ
のような要求を満たす公知の各種接着剤が適宜に選択し
て用いられ、目的とする接着層8が形成され得るもので
あって、例えば、ホットメルト型接着剤としては、ウレ
タン系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、
オレフィン系、及びそれらの変性体等からなる接着剤が
用いられ、また、熱硬化型接着剤としては、ウレタン
系、ウレア系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系、ポ
リサルファイド系、メラミン系、フェノール系、及びそ
れらの変性体等からなる接着剤が用いられる。そして、
それらの接着剤は、何れも、非粘着タイプのものであっ
て、これにより、発泡材2の貼り付け作業等の作業性が
向上せしめられると共に、他の部材や塵芥等の発泡材2
表面への付着を阻止することに加えて、形成されるゴム
発泡体が筒状部材の内面に接するようになっても、その
充填性に悪影響をもたらすようなこともないのである。
しかも、それらホットメルト型接着剤や熱硬化型接着剤
は、何れも、発泡材2(ゴム板4)の発泡のための加熱
時において、溶融乃至は流動化して、低粘度となってい
るところから、筒状部材内面と発泡体との間で潤滑剤と
しての役割を果たし、細部までの発泡体の充填を可能な
らしめるのである。
【0024】なお、かくの如き第一の接着層6や第二の
接着層8を、発泡性ゴム板4の各表面に形成するに際し
ては、公知の各種塗工方式が適宜に採用される他、第一
の接着層6の形成にあっては、粘着型接着剤を接着層と
する両面接着テープ構造のものを用いて、ゴム板4の所
定の表面に適用する方式も、採用可能である。また、そ
れら第一の接着層6や第二の接着層8の形成される表面
は、発泡性ゴム組成物からなるゴム成形体(ゴム板4)
の形状に応じて、適宜に選定されるものであるが、後者
の第二の接着層8は、図1に示される如く、第一の接着
層6の設けられていないゴム板4の他の面の全てに設け
られる他、ゴム板4の形状や発泡後の形状を考慮して、
その厚さが薄い場合、更には対象とする内面に対して充
分な押圧力をもって発泡体が当接し得る場合等において
は、その両側面には形成せず、ゴム板4の第一の接着層
6の形成側とは反対側の主面、即ち、図1において上面
にのみ形成することとしても、何等差し支えない。
【0025】ところで、かくの如き構成の本発明に従う
発泡材を用いて、それを、閉断面構造の筒状部材の内部
に収容、配置せしめて、加熱により発泡せしめることに
よって生じる高剛性のゴム発泡体にて、該筒状部材の閉
断面空間を埋めてなる車両用構造体を製造するに際して
は、例えば、図2に示される如くして、行なわれること
となるのである。
【0026】すなわち、かかる図2における(a)に
は、紙面に垂直な方向に延びるピラー10の内部に、未
発泡の発泡材2が、位置固定的に配置されている状態が
示されており、また図2の(b)には、前記ピラー12
を加熱して、発泡材2を発泡せしめ、ピラー10の内部
を充填してなる状態、換言すれば発泡材2の発泡、硬化
が完了した状態が示されている。
【0027】そして、そこにおいて、自動車の一部を構
成する構造体を与える、閉断面構造の筒状部材たるピラ
ー10は、プレート状鋼板10aとハット型横断面形状
を呈するように成形された鋼板10bとからなり、それ
ら二つの鋼板10a、10bが当接、接合せしめられる
ことにより、図において紙面に垂直な方向に延びる閉断
面構造の筒状部材として形成されている。また、このピ
ラー10の内部の閉断面空間内には、前記プレート状鋼
板10aに対して位置固定的に接着された、平坦な矩形
断面形状で、ピラー10の長手方向に延びる、未発泡の
発泡材2が、配置されている。即ち、発泡材2は、その
主たる面の一つ(下面)に形成された粘着型接着剤から
なる第一の接着層6を介して、プレート状鋼板10aの
内面に強固に固着せしめられているのであり、そして、
ここでは、発泡材2の他の主面(上面)に対してのみ、
非粘着タイプのホットメルト型乃至は熱硬化型接着剤か
らなる第二の接着層8が形成されている。
【0028】また、そのような発泡材2の配置されたピ
ラー10を、該発泡材2の発泡条件下に加熱すると、ピ
ラー10の内部に配置された発泡材2は、発泡、膨張し
て、高剛性のゴム発泡体12を生じ、そのようなゴム発
泡体12にて、図2の(b)に示されるように、ピラー
10の内部空間を埋めるようになるのである。即ち、か
かる高剛性のゴム発泡体12は、発泡材2の発泡性ゴム
板4の発泡、硬化にて生じる発泡体本体14から本質的
に構成され、そのような発泡体本体14が、そのピラー
10内面に接する表面の一部において、発泡材2におい
て形成されていた第一の接着層6を介して、該ピラー1
0(プレート状鋼板10a)の内面に接着せしめられて
いる一方、発泡体本体14のピラー10の内面に接する
残余の表面のうちの主面たる上面においては、発泡材2
に形成された、非粘着タイプのホットメルト型乃至は熱
硬化型接着剤からなる第二の接着層8を介して、かかる
ピラー10(ハット型横断面形状の鋼板10b)の内面
に強固に接着せしめられているのである。
【0029】さらに、このように、発泡材2の発泡にて
生じる高剛性のゴム発泡体12は、その発泡にてピラー
10の内面に接するようになる表面の第二の接着層8
が、非粘着タイプとされ、ピラー10内面に接すること
によって、その充填挙動が拘束されないようになってい
ると共に、ホットメルト型乃至は熱硬化型接着剤にて構
成されているところから、発泡、硬化操作のための加熱
にて、溶融乃至は流動化して、そのような接着剤自体
が、ピラー10と発泡、硬化するゴム発泡体12との間
において潤滑剤として機能することによって、充填性乃
至は形状追従性が効果的に向上せしめられ、以てピラー
10の閉断面空間の細部にまで充填されることとなり、
そして、そのような充填状態下において、第二の接着層
8の接着機能が発揮せしめられることにより、ゴム発泡
体12は、二つの接着層6及び8を介して、ピラー10
の閉断面空間を形成する内面に、強固に固着せしめられ
ることとなるのである。
【0030】そして、生じる高剛性のゴム発泡体12に
て閉断面空間が充填され、且つ第一の接着層6や第二の
接着層8を介して、かかるゴム発泡体12が、内面に強
固に固着せしめられてなる車両用構造体であるピラー1
0にあっては、ゴム発泡体12とピラー10内面との間
が強固に接着せしめられ、それらの間に何等の隙間も生
じさせるものではないところから、そのようなピラー1
0に加工孔等が形成され、それを通じて、外部から水が
浸入する場合が生じても、水はピラー10とゴム発泡体
12との間に浸入することがなく、それ故に発錆が惹起
されるようなことはないのであり、またそのようなゴム
発泡体12の強固な接着による充填にて、ピラー10の
共振周波数が高周波側にシフトするようになり、以て防
音乃至は消音対策が効果的に図られ得、加えて、曲げ強
度や捩り強度も、有利に向上せしめられ得ることとなる
のである。
【0031】なお、高剛性のゴム発泡体12を与える発
泡材2を発泡、硬化させるために行なわれる加熱処理に
おける条件は、使用する発泡材(発泡性ゴム組成物)や
得ようとする構造体の特性によって、適宜に選定される
こととなる。尤も、一般的には、160〜210℃程度
の温度で、15〜30分程度の処理時間という条件が選
ばれるが、そのような熱処理条件は、車両用構造体の加
工工程でも採用されるものであるところから、そのよう
な加工工程の熱処理を利用して、発泡材2の発泡を行な
わしめることが可能である。例えば、自動車用構造体を
実際に製造する場合には、溶接、脱脂・洗浄、電着等の
通常の自動車製造の工程を経てから、塗装焼付けや乾燥
等の工程において加熱されることにより、前記発泡材2
は発泡、硬化せしめられ得るのであり、その場合におい
ては、何等特別の加熱工程を設ける必要がない利点を享
受することが出来る。
【0032】また、上記した具体例においては、車両用
構造体の一部を構成する閉断面構造の筒状部材として、
ピラーが例示されているが、本発明の対象とする車両用
構造体は、これに限定されるものではなく、その他の閉
断面構造の筒状部材、例えば自動車のロッカー、メンバ
ー、ビーム等にも、本発明が有利に適用され得るもので
あることは、言うまでもないところである。
【0033】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明の代表的な実施例を示すこととするが、
本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更
には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱し
ない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0034】先ず、図2に示される発泡材2を得るべ
く、発泡性ゴム板4を与える発泡性ゴム組成物を調製し
た。即ち、ゴム成分としてNBRを用い、その100重
量部に対して、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量
部、カーボンブラック35重量部、炭酸カルシウム20
重量部、剛性付与剤としてのフェノールレジン40重量
部、液状ゴム30重量部、加硫促進剤3.25重量部、
加硫剤としての硫黄23重量部、フェノール硬化剤4.
8重量部、有機発泡剤24重量部、及び発泡助剤3重量
部を配合せしめて、均質なゴム組成物とした。
【0035】次いで、この得られたゴム組成物を用い
て、シート状に押出成形して、発泡性のゴム板4と為す
と共に、そのようなゴム板4の一方の主面に粘着型接着
剤であるNBR変性エポキシ系接着剤を用いて、第一の
接着層6を形成する一方、その他方の主面に対して、非
粘着タイプの熱硬化型接着剤であるフェノール系接着剤
を用いて、第二の接着層8を形成することにより、発泡
材2を得た。
【0036】そして、この得られた発泡材2を用い、そ
れを、厚さが1.0mmのプレート状の鋼板10a上
に、第一の接着層6を介して接着せしめた後、高さ:4
0mm、横幅:60mmのハット型横断面形状の、厚さ
が1.0mmの鋼板10bを、図示の如く重ね合わせ
て、それら両端部の重ね合わせ部において溶接すること
により、図2の(a)に示される如く、ピラー10の内
部の閉断面空間に発泡材2を位置固定に配置せしめた構
造とした。
【0037】そして、この得られた発泡材2が内部に配
置されたピラー10を、車両用構造体の電着塗装の過程
において採用される乾燥条件に相当する、180℃×2
0分の条件下に加熱せしめることにより、かかる発泡材
2を発泡、硬化せしめ、以て図2(b)に示される如
き、高剛性のゴム発泡体12にて、ピラー10の閉断面
空間を埋めてなる構造と為すと共に、第二の接着層8を
介して、生じたゴム発泡体12をピラー10の内面に強
固に固着せしめた。
【0038】かくして得られたゴム発泡体12充填ピラ
ー10について、加振に基づく動特性を測定し、イナー
タンスレベルの周波数分析を行ない、その結果を、ブラ
ンク(発泡体の充填なし)及び比較例(第一の接着層6
による接着のみ)についての結果と共に、図3に示した
が、この図3における結果の比較から明らかな如く、本
発明に従って、ゴム発泡体12を、第一の接着層6及び
第二の接着層8を介して、ピラー10の内面に強固に固
着せしめたもの(本発明例)にあっては、2000Hz
付近までの周波数の略全域に亘って、イナータンスレベ
ルの大幅な改善が見られ、また共振周波数が高周波側へ
シフトし、その結果、消音乃至は防音効果において優れ
た特性を発揮するものであることを認めた。
【0039】また、上記の3種のピラー(本発明例、比
較例、及びブランク)について、その静的曲げ特性を、
JIS−Z−2248に準拠した試験方法に従って評価
し、その結果を、図4に示した。なお、ピラーの支持
は、20mmφの丸棒状の支えの二つを用い、それら支
え間の距離を240mmとすると共に、ピラーのハット
型横断面形状鋼板側を上方から押圧する押金具の押圧面
のRは60mmとして、撓み:0〜50mmの測定範囲
において実施した。
【0040】かかる図4に示される結果を対比、検討す
れば、自ずから明らかな如く、本発明に従ってゴム発泡
体の上下面を接着剤にて強固に接着せしめてなるピラー
にあっては、ゴム発泡体を充填していないブランクや、
ゴム発泡体の単に下面のみを接着してなる比較例に比べ
て、同一荷重に対して、撓みが少なく、それ故に優れた
曲げ強度を具備しているものであることが分かる。
【0041】さらに、それら3種のピラーについて、そ
の300mmの長さのものを用い、静的捩り特性を評価
した。なお、試験は、各ピラーの一端にトルクセルを取
り付ける一方、ピラーの他端を0〜20degの範囲に
おいて捩り、その捩りトルクの大きさとピラーの回転角
度(deg)の関係を求め、その結果を図5に示すが、
かかる図5より明らかな如く、本発明例のピラーが、比
較例及びブランクに比べて、大きな捩りトルクを必要と
するものであるところから、その捩り強度が高いもので
あることが分かる。
【0042】更にまた、上述の如き構成の本発明に従う
ピラーが、防錆の信頼性の向上されたものであることを
明らかにするために、JIS−Z−2371に準拠した
塩水噴霧試験を実施すべく、各種の接着テストピースを
作製した。先ず、発泡性ゴム板4としては、上述の発泡
性ゴム組成物をシート状に成形して得られる、厚さが
1.9mmのものを用いる一方、その下面の接着層(第
一の接着層6)は、NBR変性エポキシ系粘着型接着剤
を用いて、0.1mmの厚さに形成した。また、上面の
接着層(第二の接着層8)は、下記表1に示される如
き、各種の非粘着タイプのホットメルト型若しくは熱硬
化型接着剤を用いて、50μm程度の厚さに形成した。
そして、そのような構成の発泡材2と共に、50mm×
150mm×1.0mmt のサイズの油面鋼板の2枚を
用い、それら2枚の油面鋼板を、5mmの間隔をもって
離隔させると共に、下側の油面鋼板の内面に、発泡材2
を、その下面側の接着層(6)を介して、位置固定に貼
り付けた後、180℃×20分の加熱操作を施し、かか
る発泡材2を発泡、硬化せしめる共に、生じるゴム発泡
体(12)にて、それら2枚の油面鋼板の間隙を充填せ
しめて、接着テストピースとした。
【0043】そして、この得られた各種の接着テストピ
ースについて、JIS−Z−2371に準拠した塩水噴
霧試験を960時間実施し、それらテストピースにおけ
る上側鋼板及び下側鋼板のゴム発泡体に対向する表面
に、錆が発生しているか、どうかを観察し、その結果
を、下記表1に示した。なお、表1に示す発錆状態にお
いて、発錆が認められるものを×、発錆が認められない
ものを○として、示した。この表1の結果から明らかな
如く、本発明に従って生じるゴム発泡体が、上下の接着
層(8、6)にて、それぞれ、上側鋼板及び下側鋼板に
強固に接着せしめられてなるものにあっては、何れも、
発錆が認められず、防錆信頼性の向上したものであるこ
とを認めた。
【0044】
【表1】 (註) 使用接着剤は、何れも市販品である。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う車両用構造体充填用発泡材は、その発泡、硬化に
て生じる高剛性のゴム発泡体を、筒状部材の閉断面空間
内に、細部まで、隙間なく充填せしめ得るものであり、
しかも、そのようなゴム発泡体を、かかる筒状部材の閉
断面空間側の内面に強固に固着せしめて、防錆の信頼性
を著しく向上せしめ得るものである。
【0046】また、本発明に従う発泡体充填車両用構造
体は、そのような構造体を構成する閉断面構造の筒状部
材の内面に、高剛性のゴム発泡体が2種類の接着剤層を
介して、隙間を発生させることなく固着せしめられてい
るところから、効果的な発錆防止が図られ得ると共に、
かかるゴム発泡体の強固な固着によって、構造体の共振
周波数が高周波側へシフトして、有効な消音乃至は防音
効果が達成され、また曲げ強度や捩り強度においても、
効果的な改善が図られ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う車両用構造体充填用発泡材の一例
を示す斜視説明図である。
【図2】本発明に従う車両用構造体充填用発泡材の一例
を用いて、本発明に従う発泡体充填車両用構造体を製造
する工程の一例を示す横断面説明図である。
【図3】実施例における動特性測定結果に基づくイナー
タンスレベル周波数分析結果を示すグラフである。
【図4】実施例において得られた静的曲げ特性の試験結
果を示すグラフである。
【図5】実施例において得られた静的捩り特性の試験結
果を示すグラフである。
【符号の説明】
2 発泡材 4 発泡性ゴム板 6 第一の接着層 8 第二の接着層 10 ピラー 12 発泡体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼頭 修 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−249434(JP,A) 実開 昭59−83669(JP,U) 実開 昭57−132523(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 25/04 B29C 39/18 B60R 13/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の一部を構成する構造体を与える閉
    断面構造の筒状部材の内部に収容、配置せしめられ、加
    熱により発泡して生じる高剛性のゴム発泡体にて、該筒
    状部材の閉断面空間を埋めるように充填する、発泡性ゴ
    ム組成物からなる発泡材において、 該発泡材の発泡に先立って前記筒状部材の閉断面空間側
    の内面に該発泡材を固定するための粘着型接着剤層を、
    該発泡材の表面の一部に形成する一方、前記発泡にて前
    記筒状部材の閉断面空間側の内面に接するようになる該
    発泡材の表面には、非粘着タイプのホットメルト型乃至
    は熱硬化型接着剤層を形成したことを特徴とする車両用
    構造体充填用発泡材。
  2. 【請求項2】 車両の一部を構成する閉断面構造の筒状
    部材の内部に発泡性ゴム組成物からなる発泡材を収容、
    配置し、加熱により発泡せしめることによって生じる高
    剛性のゴム発泡体にて、該筒状部材の閉断面空間を埋め
    てなる車両用構造体にして、 前記ゴム発泡体が、その筒状部材内面に接する表面の一
    部において、粘着型接着剤層を介して該筒状部材内面に
    接着せしめられている一方、該ゴム発泡体の筒状部材内
    面に接する残余の表面においては、非粘着タイプのホッ
    トメルト型乃至は熱硬化型接着剤層を介して該筒状部材
    内面に接着せしめられていることを特徴とする発泡体充
    填車両用構造体。
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