JP3528181B2 - 歯の病変部の再石灰用の改善された製品および方法 - Google Patents

歯の病変部の再石灰用の改善された製品および方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、歯の表面下での病変部(損傷部)を再石灰
化(再鉱化または再ミネラル化)させるための改善され
た製品および方法に関する。より具体的には、本発明
は、歯のエナメル質の病変部に適用した場合に、表面下
の歯のエナメル質の再石灰化および/または露出したゾ
ウゲ質の細管の石灰化を生ずることにより、ウ蝕(虫
歯)および/または過敏症を阻止する、水溶性のカルシ
ウム塩およびリン酸塩を含んだ、安定な一剤型(onee−
part)または二剤型(two−part)の製品に関する。水
溶性のカルシウム塩およびリン酸塩は、単一ビヒクル系
(例、安定な乾燥混合物または安定溶液)、または二ビ
ヒクル系(例、障壁で分離された二種類の乾燥塩、もし
くは一方がカルシウムイオンを含有し、他方がリン酸イ
オンを含有する二液)のいずれかを利用して、歯磨き、
ゲル剤、口内洗浄剤、ウェハース、ロジンジ(舐剤)、
チューインガム、食品などに含有させることができる。
歯のエナメル質とゾウゲ質の主成分は、カルシウムヒ
ドロキシアパタイトの形のリン酸カルシウムである。こ
の物質は正常な口内pHでは高度に不溶性である。しか
し、これが各種の口内細菌の作用による糖の解糖反応で
生ずる酸にさらされると、歯にウ蝕病変部が生成する。
これは、カルシウムリン酸塩が酸性媒質中では可溶性が
より高いためである。
唾液は、カルシウムイオンとリン酸イオンに関して過
飽和の状態にある。従って、唾液は歯を鉱物質脱落(脱
石灰)に対して保護するのを助け、酸により鉱物質が脱
落してしまった歯をゆっくり再石灰化させることができ
る。フッ素イオンの存在がこの自然の再石灰化プロセス
を増進させることができることは周知の通りであり、こ
れはフッ化物含有歯磨きやうがい液のウ蝕に対する容認
された防護メカニズムの1つである。フッ化物含有歯磨
きやうがい液の歯の再石灰化の効力は、唾液中のカルシ
ウムおよびリン酸の各イオンの濃度がさほど高くないた
めに制限される。再石灰化プロセスをスピードアップす
るには、口腔内のカルシウムイオンとリン酸イオンの利
用可能な濃度を高めることが非常に望ましい。しかし、
唾液のpHではリン酸カルシウムの溶解度が低いため、よ
り高濃度の溶解カルシウムイオンとリン酸イオンの添加
を達成するのは容易ではない。
歯のエナメル質の再石灰化の実験はin vivoとin vitr
oの両方で行われてきた。一部の研究は、唾液の再石灰
化特性とヒドロキシアパタイトに関して過飽和の合成溶
液に集中している。このような研究は、米国特許第3,67
9,360(Rubin)および第4,097,935号(Jarcho)の主題
をなす。
一般に、これらの特許で再石灰化実験のために用いら
れた過飽和溶液またはスラリーは、単一形態のリン酸カ
ルシウムから調製されてきた。これらの過飽和溶液のい
ずれかをウ蝕病変部に注ぐと、カルシウムイオンとリン
酸イオンがヒドロキシアパタイトの形態で沈殿して病変
部を再石灰化させる。
しかし、これらの溶液はいくつかの理由から使用する
には実際的ではない。まず、これらの過飽和溶液中の再
石灰化に利用できるカルシウムおよびリン酸イオンの量
が低すぎる。1体積単位の鉱物質を生成させるのに通常
の過飽和溶液が約10,000体積単位必要であるという報告
がある。従って、この方法による再石灰化は、過大な量
の液体と過大な回数の適用の両方が必要である。これに
関して、過飽和溶液は、その過飽和状態を保持すること
ができないため、本質的に制限がある。溶液がもはや過
飽和ではなくなるまでヒドロキシアパタイトが沈殿して
しまうと、新たな過飽和溶液を導入しなければならず、
そうしなければ再石灰化プロセスが停止する。
単一のリン酸カルシウムスラリーに伴う別の問題点
は、溶液からヒドロキシアパタイトが沈殿するにつれ
て、溶液のpHが変化することである。古い溶液を歯の物
質との接触から除去しない限り、溶液が酸性またはアル
カリ性になり過ぎて、歯の組織を病変することがある。
米国特許第4,080,440号(Digiulio等)は、リン酸カ
ルシウム塩の溶解度が高い条件である低pH(2.5〜4.0の
間)のカルシウムおよびリン酸イオンの準安定溶液を開
示している。この溶液を鉱物質が脱落したエナメル質に
浸透させた後、pHが上昇するとリン酸カルシウム塩の沈
殿により再石灰化が起こる。この準安定溶液にはフッ素
イオンを含有させることができる。準安定溶液の使用の
著しい欠点は、この溶液の比較的低いpHが歯のエナメル
質の鉱物質脱落および/または他の組織の病変を生ずる
かもしれないことである。
米国特許第4,177,258号、第4,183,915号および第4,34
8,381号(Gaffar等)は、テトラメチレンホスホン酸ジ
アミン、テトラメチレンホスホン酸エチレンジアミン、
ならびに2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4も
しくはその水溶性塩のような成核防止剤(antinucleati
ng agent)の存在により安定化された、過飽和濃度のカ
ルシウムイオン、リン酸イオンおよびフッ化物供給源を
含有する再石灰化用溶液を提示している。この溶液は、
表面下病変部を最も効果的に再石灰化させると言われる
中性pH範囲に好ましくは調整される。成核防止剤は溶液
を安定化することが予想されるかも知れないが、過飽和
濃度の平衡はなお維持が難しく、液中でのヒドロキシア
パタイトの沈殿と溶液pHの変化を避けることも難しいこ
とが見出されている。
米国特許第4,083,955号(Grabenstetter等)および第
4,397,837号(Raaf等)は、カルシウムイオンとリン酸
イオンを含有する別々の溶液で歯の表面を続けて処理す
ることにより鉱物質が脱落したエナメル質を再石灰化さ
せる方法を提示している。この方法では、フッ素イオン
をリン酸塩溶液中に存在させてもよい。どちらのイオン
性溶液を歯の処理に最初に使用するかは問題ではない。
歯の表面にカルシウムイオンとリン酸イオンを順に適用
することにより、高濃度のイオンを溶液状態で病変部に
浸透させることができ、病変部で第2の処理溶液からの
イオンが内部に拡散すると両イオンがリン酸カルシウム
塩として沈殿する。この方法は明らかに好結果を生ずる
が、一方がカルシウムイオンを含有し、他方がリン酸イ
オンを含有する二種類の異なるチューインガム部分を採
用するという不便がある。この方法は、二種類のガム部
分の適切な順序を確保する必要性のために紛らわしく、
また順に複数の適用が必要であるため不便であって、時
間がかかることが認められる場合もある。
米国特許第4,606,912号(Rudy等)は、カルシウムイ
オンの供給源およびカルシウムイオンのキレート化剤を
含有する水溶液を形成してカルシウムイオンの少なくと
も50%をキレート化した後、この水溶液にリン酸イオン
の供給源を添加することにより、歯の病変部を再石灰化
させることができる透明な口内洗浄用水溶液の製造方法
を提供する。この製品もいくらかの有効性はあるもの
の、キレート化剤の添加と添加量の調節が必要であるこ
とから実質的ではない。
公知の再石灰化技術の別の問題点は、再石灰化した歯
の材料が歯の表面の外層の中または上に蓄積すること
で、病変部が完全に再石灰化される前に再石灰化が停止
してしまう場合があることである。この蓄積は再石灰化
の速度が速すぎて、病変部のより深い部位への鉱物質の
拡散が妨げられ、歯の完全な再石灰化を邪魔する場合に
起こる。
米国特許第5,037,639号、同第5,268,167号、同第5,43
7,857号、同第5,427,768号、および同第5,460,803号
(全てTung)は、歯の再石灰化用に非晶質リン酸カルシ
ウム(ACP)、非晶質リン酸フッ化カルシウム(ACP
F)、および非晶質炭酸リン酸カルシウム(ACCP)のよ
うな非晶質カルシウム化合物を使用することに関係す
る。これらの非晶質化合物または歯の組織の上または中
に適用した時にこれらの非晶質化合物を生成する溶液
は、ウ蝕、露出した歯根およびゾウゲ質過敏症などの歯
の弱点を防止および/または修復する。これらの化合物
は溶解度が高く、生成速度が速く、かつ転化速度(アパ
タイトへの)が速いとされている。
これらの化合物を歯の組織と接触させることにより再
石灰化が起こる。この接触は、直接的に、即ち、非晶質
化合物を歯の表面に直接置くことにより、または間接的
に、即ち、ゲル、チューインガム、または歯磨き剤のよ
うなキャリア中に非晶質化合物を含有させ、このキャリ
アを歯の組織に適用することにより行うことができる。
歯との接触が起これば、非晶質のリン酸カルシウムが病
変部で再結晶して溶解度がより低いアパタイトの形態に
なり、歯の再形成が起こる。しかし、非晶質リン酸カル
シウム化合物が安定な条件下では、カルシウムおよびリ
ン酸イオンの放出量が比較的少ないため、再石灰化は望
ましいものより遅くなる。
上記のTungの特許はまた、第1液がリン酸塩を含有
し、第2液がカルシウム塩を含有し、第1液または第2
液の一方がさらに炭酸塩を含有する二液型の溶液の使用
も開示している。また、Tungの特許は、カルシウム塩、
リン酸塩および炭酸塩を含有する固体粉末を水に溶解さ
せることにより形成した溶液も開示している。形成され
た溶液はその後、歯の組織に適用(塗布)する。Tungの
特許はさらに、カルシウム塩とリン酸塩の混合物を含む
非炭酸化(炭酸イオンを含有しない)固体粉末の使用も
開示している。この固体粉末は歯に直接適用するか、ま
たはゲル、チューインガム、または歯と接触状態に置か
れる他の非水性媒質(歯磨き等)中に分散させることが
できる。上記特許は、これらの粉末が唾液に容易に溶解
した後、非晶質リン酸カルシウム化合物として再沈殿す
ることを開示している。しかし、Tungの特許は、非炭酸
化固体粉末から形成された水溶液のpHについては開示が
ない。
安定性、再石灰化および/または石灰化(鉱物質化)
を達成するのに炭酸塩の存在を必要としない効果的な再
石灰化/石灰化製品および方法の提供が望ましいであろ
う。また、中間体として非晶質リン酸カルシウムをまず
形成するのではなく、歯の表面下でヒドロキシアパタイ
トを直接生成する再石灰化/石灰化製品および方法の提
供も望ましいであろう。
国際特許WO 94/18938(Greenberg)では、チューイン
ガムにグリセロリン酸カルシウムを添加している。グリ
セロリン酸カルシウムは歯垢中のカルシウムおよびリン
酸濃度を高めて、再石灰化を増大させ、鉱物質脱落を低
下させると言われている。この化合物はまた、歯垢のpH
の著しい低下を阻止し、S.mutansの代謝を妨害すること
もある。この手法の問題点は、グリセロリン酸イオンが
再石灰化プロセスに関与するには、その前にこれが加水
分解して、遊離リン酸イオンを放出する必要があること
である。加水分解はホスファターゼ酵素の存在により口
内で起こる。しかし、このプロセスは遅い。従って、グ
リセロリン酸カルシウムにより供給された高いカルシウ
ムイオン濃度は、最大の再石灰化を生ずるように十分な
リン酸イオンが放出できるまでに時間があるため、消失
してしまう。
カルシウム塩およびリン酸塩を含有していてもよいチ
ューインガムは、米国特許第4,233,288号(Cornell)に
も開示されている。
従って、公知の再石灰化組成物および手法の1つの問
題点は、チューインガム等として適切に調製されうる一
剤型の安定な再石灰化用組成物であって、pHまたは温度
の上昇により悪影響を受けないか、または歯を効率的に
再石灰化できる組成物がないことである。
かくして、カルシウム塩およびリン酸塩の過大な量ま
たは過度に長時間、高頻度または順序だてた露出時間も
しくは回数を必要としない安定な一剤型の再石灰化製品
を用いた歯のエナメル質の再石灰化方法が求められてい
る。
エナメル質またはゾウゲ質の石灰化または再石灰化の
ためには、唾液中のカルシウムおよびリン酸の両イオン
の濃度が、カルシウムヒドロキシアパタイト、リン酸八
カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、または他の
形態の不溶性リン酸カルシウムの生成に対する溶液の飽
和に必要な濃度より高くなければならない。約6.5より
高pHでは、これらの要件は正常なヒトの唾液中に見られ
るカルシウムおよびリン酸イオンのレベルで満たされ
る。しかし、正常なヒトの唾液中のカルシウムおよびリ
ン酸イオン濃度は低いので、約6.5より高pHでも、正常
な唾液により生ずる石灰化の速度は、プロセスの触媒作
用をするフッ化物が共存していても非常に遅い。しか
し、唾液のpHが約7より高くなると、カルシウムおよび
リン酸イオンの濃度レベルを唾液中に普通に存在する濃
度をはるかに超えるように増大させても、再石灰化は著
しくは増大しない。約7より高いpHレベルではリン酸カ
ルシウムは非常に不溶性であるため、沈殿が過度に速く
起こり、これらのイオンが歯に浸透する時間がなくなる
からである。
約7より低pHでは、唾液中のカルシウムおよびリン酸
の両イオンの濃度がリン酸二カルシウム二水和物または
カルシウムヒドロキシアパタイトの生成に対して唾液を
飽和させるのに必要な濃度より高い場合に限って著しい
再石灰化が起こる。このようなpH条件下では、唾液中の
過飽和度を増大させることにより再石灰化を加速するこ
とができる。これらのリン酸塩の溶解度はpHが低下する
ほど高くなるので、pHが4.5〜7.0の範囲内で過飽和量の
カルシウムおよびリン酸イオンを含有する溶液で病変部
を再石灰化する場合には、再石灰化プロセスを最大限に
するのに必要なカルシウムイオンの最適濃度はpHが低く
なるほど増大することが判明した。約4.0より低pHで
は、リン酸二カルシウム二水和物は過飽和溶液から安定
な沈殿性の種になる。このようなpH条件下では、かなり
高いカルシウムおよびリン酸イオン濃度でも、唾液中の
濃度が飽和濃度より低く、処理されている歯の鉱物質脱
落が起こる危険性が本当にある。
よって、本発明の主目的は、人間の歯の再石灰化と鉱
物質脱落予防のための製品および方法であって、カルシ
ウムイオン、リン酸イオン、および所望によりフッ素イ
オンを歯のエナメル質に効果的に取り込むことができる
製品および方法であり、かつ製品はさらに消費者が容易
に使用可能であって、日常の歯科用化粧品と香りや外観
に著しい差異のないものを提供することである。
本発明の別の目的は、単一の容器、基体またはマトリ
ックス中に保持可能で、歯の病変部の再石灰化と正常な
歯のウ蝕原性病変の形成予防のための石灰化が可能な改
善された製品と、かかる製品の製造方法を提供すること
である。
本発明の別の目的は、歯の病変部の再石灰化と正常な
歯のウ蝕原性病変の形成予防のための石灰化が可能な、
一剤型の安定なチューインガム製品を提供することであ
る。
本発明の別の目的は、カルシウムおよびリン酸の両イ
オンが歯の表面下に拡散する前に沈殿することが実質的
に防止され、歯の表面下での再石灰化速度が実質的に低
減することのない、人間の歯の再石灰化と鉱物質脱落の
予防のための製品および方法を提供することである。
本発明の別の目的は、炭酸イオンを含有しない効果的
な再石灰化/石灰化用の製品および方法を提供すること
である。
本発明の別の目的は、最初に中間体として非晶質リン
酸カルシウムを生成せずに歯の表面下でヒドロキシアパ
タイトを直接形成することができる再石灰化/石灰化用
の製品および方法を提供することである。
本発明の別の目的は、第1部分にカルシウム塩を含有
し、第2部分にはリン酸塩を含有する二型剤の再石灰化
/石灰化用の製品であって、製品を口腔に導入する前は
第1部分と第2部分は分離しているが、口腔内での使用
時には製品から第1部分と第2部分が同時に分配される
製品と、その使用方法を提供することである。
本発明の別の目的は、前述した目的に述べた特徴を持
つ、歯磨き、ゲル剤、専門家用ゲル剤、口内洗浄剤、う
がい液、チューインガム、食品などの形態の製品を提供
することである。
本発明の別の目的は、前述した目的に述べた特徴を持
つ製品を用いた再石灰化/石灰化方法を提供することで
ある。
本発明に従って達成される上記およびその他の目的は
以下の説明から容易に理解されうる。
発明の要約 本発明において、上記目的は、口腔に導入されるまで
は大いには反応せず、口腔に導入されてもすぐには沈殿
しない複数の再石灰化成分を含有する、一剤型または二
剤型の製品を歯に適用することにより達成される。一剤
型の製品は、少なくとも1種の水溶性カルシウム化合
物、カルシウム以外の2価金属を含有する少なくとも1
種の他の水溶性の無毒な化合物、および少なくとも1種
の水溶性リン酸塩化合物を含有する。所望により、少な
くとも1種の水溶性フッ素化合物も、この系に添加しう
る。二剤型の製品では、一方の部分はカルシウム化合物
と2価金属化合物を含有し、他方の部分がリン酸塩化合
物と場合によりフッ素化合物とを含有する。このように
して、再石灰化を行うイオンを歯のエナメル質に吸収さ
せることができ、続いて起こるが、制御されたそれらの
反応で歯のエナメル質における鉱物質脱落部位の再硬化
を生じる。
有効な再石灰化処置が、まず高濃度のカルシウム、リ
ン酸、および所望によりフッ素の各イオンを含有する可
溶性塩からなる安定な(所望により非水性の)製品を用
意し、この製品を中程度のpHで歯に適用することにより
実施できることが判明した。但し、カルシウムイオンは
使用直前まで(例、チューインガムの場合には噛みはじ
めるまで)リン酸イオンやフッ素イオンと反応させては
ならず、その後は歯にカルシウムイオンとリン酸イオン
が拡散するのに十分な時間がとれるようにすぐに沈殿し
ないようにすることが好ましい。これは、カルシウム化
合物に加えて、上記のカルシウム以外の2価金属の無毒
な塩を利用することにより達成することができる。2価
金属は、好ましくはマグネシウム、ストロンチウム、錫
および亜鉛よりなる群から選ばれた金属である。マグネ
シウムが最も好ましい2価金属である。
本発明の1つの利点は、一剤型の再石灰化用製品を安
定な乾燥混合物(ドライミックス)として包装または他
の形態で収容することができ、この乾燥混合物は後で水
に懸濁または溶解させると、それぞれペースト製品等若
しくは口内洗浄剤を形成することができ、またはガムベ
ースに添加してチューインガム製品を形成することがで
きることである。この乾燥混合物製品は、例えば、粉
末、顆粒、フレーク等の形態で使用でき、約1.0〜80.0
%の少なくとも1種のカルシウム塩、約1.0〜80.0%の
少なくとも1種のリン酸塩、約0.1〜20.0%のカルシウ
ム以外の2価金属の少なくとも1種の水溶性の塩、約0.
1〜20.0%の少なくとも1種の香料(flavor)、約0.1〜
30.0%の甘味料、0ないし約10.0%のフッ化物塩、0な
いし約5.0%の界面活性剤を含有する。香料は好ましく
は噴霧乾燥粉末として供給される。
本発明の別の利点は、一剤型の安定な再石灰化用の製
品が、例えば、歯磨き、ゲル剤、専門家用ゲル剤(即
ち、職業的に使用されるか、処方箋により購入されるも
の)、口内洗浄剤、うがい液、チューインガム、粉末、
および食用固形製品(例、ロジンジ、キャンディー、食
品等)として適切に調製できることである。
本発明のさらに別の利点は、これらの製品を水に添加
した時に、それに無毒な有機酸(例、リンゴ酸)とアル
カリ金属重炭酸塩(例、重炭酸ナトリウム)を含有させ
ることにより製品を発泡性にすることができることであ
る。但し、本発明の製品は、安定性、再石灰化および/
または石灰化を達成するのに炭酸塩の存在を必要としな
いことは理解されるべきである。従って、本発明の製品
は炭酸イオンを含有しないものとすることができる。
一態様において、本発明は、少なくとも1本の歯の少
なくとも一か所の表面下に形成された1もしくは2以上
の病変部の再石灰化ならびに/または露出したゾウゲ質
の1もしくは2以上の細管の石灰化を行うための安定な
一剤型の製品に関する。この製品は、水性系または非水
系のいずれでもよく、また炭酸イオンを含んでいても含
んでいなくてもよく、下記成分を含有する: (1)約0.05〜15.0重量%、好ましくは約0.10〜10.0重
量%の少なくとも1種の水溶性カルシウム塩; (2)少なくとも約0.001重量%、好ましくは約0.001〜
2.0重量%のカルシウム塩以外の少なくとも1種の水溶
性で無毒な2価金属塩; (3)約0.05〜15.0重量%、好ましくは約0.10〜10.0重
量%の少なくとも1種の水溶性リン酸塩;ならびに (4)0ないし約5.0重量%、好ましくは約0.01〜5.0重
量%の少なくとも1種の水溶性フッ化物塩; ここで、成分(1)〜(4)を水と混合した時に、pH
が約4.5〜7.0の混合水溶液が生成する。
上記の一剤型の製品は、乾燥混合物を水に溶解する
か、または最終的な水溶液型製品に調製した場合に、pH
が約4.5〜7.0、好ましくは約5.0〜7.0、特に好ましくは
約5.0〜5.75となるように酸性または塩基性化合物を通
常は含有している。
本発明の範囲内の具体的製品の一例は安定な非水の一
剤型のチューインガムである。かかるチューインガム
は、該カルシウム塩を約0.01〜15.0%、該2価金属塩を
約0.0002%以上、好ましくは約0.0002〜1.0%、該リン
酸塩を約0.01〜15.0%、および所望により該フッ化物化
合物を約0.0001〜0.5%含有することが好ましい。かか
るチューインガム組成物はまた上記のような適当なpH調
整用化合物も含有しうる。
再石灰化および/または石灰化を行うには、本発明の
チューインガム製品を歯に直接適用して噛むと、唾液で
可溶化される。
前述したように、本発明の安定な一剤型のチューイン
ガム製品は、上記の乾燥混合物型の濃縮製品をガムベー
スに添加することにより製造することができる。このチ
ューインガム製品は、乾燥混合物を約0.005〜20.0%、
好ましくは約0.1〜7.0%含有すべきである。他の補助成
分も、もちろん含有させることができる。
上記の一剤型の態様の範囲内に含まれる他の製品
(例、口内洗浄剤、歯磨き、ゲル剤等)により再石灰化
および/または石灰化を行う方法は、一般に下記工程を
含んでいる: (A)上記の一剤型の製品を用意し; (B)成分(1)〜(4)を一緒に混合して混合水溶液
を形成し;そして (C)少なくとも1本の歯をこの混合水溶液と十分な時
間接触させて、カルシウム塩から放出されたカルシウム
イオンとリン酸塩から放出されたリン酸イオンが、その
少なくとも1本の歯の少なくとも一か所の表面下に拡散
して、その少なくとも一か所の表面下で沈殿してカルシ
ウムリン酸塩を形成することにより1もしくは2以上の
病変部を再石灰化させるか、ならびに/または露出した
ゾウゲ質内の1もしくは2以上の細管に浸透してカルシ
ウムリン酸塩を形成することにより、その1もしくは2
以上のゾウゲ質細管を石灰化させる。
本発明の第2の態様は、少なくとも1本の歯の少なく
とも一か所の表面下に形成された1もしくは2以上の病
変部の再石灰化ならびに/または少なくとも1本の歯の
露出したゾウゲ質の1もしくは2以上の細管の石灰化を
行うための安定な二剤型の製品に関する。この製品は、
水性系または非水系のいずれでもよく、また炭酸イオン
を含んでいても含んでいなくてもよく、下記成分を含有
する: (1)約0.05〜15.0重量%、好ましくは約0.10〜10.0重
量%の少なくとも1種の水溶性カルシウム塩、および少
なくとも約0.001重量%、好ましくは約0.001〜2.0重量
%のカルシウム塩以外の少なくとも1種の水溶性で無毒
な2価金属塩を含有する別個の第1部分; (2)約0.05〜150.重量%、好ましくは約0.10〜10.0重
量%の少なくとも1種の水溶性リン酸塩、および0ない
し約5.0重量%、好ましくは約0.01〜5.0重量%の少なく
とも1種の水溶性フッ化物塩を含有する別個の第2部
分;ならびに (3)第1部分と第2部分を同時に分配するための分配
手段;ここで、同時に分配された第1部分と第2部分を
混合して混合水溶液を形成した時に、溶液のpHは、約4.
5〜7.0、好ましくは約5.0〜7.0、より好ましくは約5.0
〜5.75となる。
本発明の水溶液型の二剤型(即ち、二液型)製品を使
用する場合、この二液を混合して一つの混合水溶液を形
成し、この溶液を直ちに処置される歯に適用する。本発
明の非水溶液型の二剤型製品では、二つの部分を一緒に
水(例、唾液)と混合して混合水溶液を形成し、これを
次いで処置される歯に適用する。
上記の二剤型の製品を使用した再石灰化/石灰化方法
は、一般に下記工程を含む: (A)上記の二剤型の製品を用意し; (B)第1部分と第2部分を同時に分配し; (C)同時に分配された第1部分と第2部分を混合して
混合水溶液を形成し; (D)少なくとも1本の歯をこの混合水溶液と十分な時
間接触させて、該少なくとも1種のカルシウム塩から放
出されたカルシウムイオンと該少なくとも1種のリン酸
塩から放出されたリン酸イオンが、その少なくとも1本
の歯の少なくとも一か所の表面下に拡散して、その少な
くとも一か所の表面下で沈殿してヒドロキシアパタイト
を形成することにより1もしくは2以上の病変部を再石
灰化させるか、ならびに/または1もしくは2以上のゾ
ウゲ質細管を石灰化させる。
本発明の製品は、病変部の再石灰化とゾウゲ質細管の
石灰化を行うが、歯へのカルシウムイオンおよびリン酸
イオンの拡散を向上させるようにリン酸カルシウムの析
出は阻止する。
本発明の製品は、従来の組成物に比べて実質的に改善
された再石灰化および石灰化を与える。本発明の範囲内
のフッ素含有歯磨きは、従来のフッ素含有歯磨きに比べ
て、歯の再石灰化における効果がずっと高い。一方、本
発明のフッ素を含有しない製品の効果は、従来のフッ素
含有歯磨き類とほぼ同等である。
歯の表面での再石灰化ではなく表面下での再石灰化を
達成する本発明により、従来法の欠点が克服される。ウ
蝕(虫歯)の始まりは歯のエナメル質の表面下での鉱物
質脱落であるので、表面下での再石灰化は、歯の永久的
な構造上の損傷が起こる前にウ蝕病変を阻止して補修す
る。本発明は、エナメル質表面の準備、歯冠被せ、また
はウ蝕生成物の除去を必要としない。さらに、本発明
は、人々が彼らの歯のケアの習慣を実質的に変更せずに
便利に実施できる。
発明の説明 本発明は、反応して所望の再石灰化または減感作をな
す沈殿を形成する2種以上のイオンを生ずる可溶性の塩
を含有する製品(例、ペースト、ゲル、溶液、チューイ
ンガム、風船ガム、ドラジェー(糖衣錠)、食品などの
形態)の適用により歯を再石灰化または減感作すると著
しい改善が実現されるという知見に基づく。この適用に
よる改善は、カルシウム以外の2価金属の水溶性塩を、
歯の表面と接触状態に置かれる可溶性塩と混合して同時
に使用することからなる。この反応では、所定のカチオ
ンとアニオンが歯の表面を通って歯の鉱物質が脱落した
表面下に拡散する。しかし、反応溶液中に含有される追
加の2価金属カチオンが、カルシウムカチオンとリン酸
アニオンがすぐに沈殿しないように系を安定化する。そ
のため、再石灰化に必要なカチオンとアニオンは、歯の
構造物に結合する沈殿をすぐに形成せずに歯の表面を通
って鉱物質が脱落した表面下に拡散することができる。
その結果、有効量の2価金属カチオンを使用すれば、歯
の表面下がより効果的に再石灰化または減感作される。
上述したように、本発明の製品は場合により非水性で
ある。「非水性」とは、本発明の再石灰化製品が必要と
する安定性に悪影響を及ぼすような量の水を製品が含有
していない、即ち、本発明の製品の成分が有意な量の自
由水を含有していない、ことを意味する。ただし、この
製品は水和水をもつ塩を含有していてもよい。好ましく
は、本発明のチューインガム製品は水を全く含有しない
か、水を痕跡量だけ含有する。
本発明では、本発明の範囲内の製品を有効量で使用し
た場合に、歯の鉱物質が脱落した表面下が効果的に再石
灰化され、および/または露出したゾウゲ質の細管が効
果的に石灰化される。本発明の方法において製品の使用
量に関して用いた「有効量」なる用語は、本発明に従っ
て使用した時に、歯の表面下に形成されたウ蝕病変部を
持つ歯の再石灰化、または露出したゾウゲ質の細管の石
灰化を生ずる量を意味する。
本発明の製品において、カルシウム塩およびリン酸塩
はそれぞれ約0.05〜15.0重量%またはその塩の溶解度の
限界まで、好ましくは約0.10〜10.0重量%の範囲内の濃
度で使用される。本発明のチューインガム製品の1好適
態様において、カルシウム塩とリン酸塩はそれぞれ約0.
01〜15.0重量%またはその塩の溶解度の限界まで、好ま
しくは約0.10〜10.0重量%の範囲内の濃度で使用され
る。本発明の製品において、所望により過剰のカルシウ
ム塩またはリン酸塩を存在させることができる。所望の
再石灰化用のカチオンを含有するカルシウム塩の濃度
は、所望の再石灰化用のアニオンを含有するリン酸塩の
濃度と本質的に同じである。
本発明の製品において、無毒な可溶性2価金属塩(カ
ルシウム塩以外)の濃度は約0.001重量%以上であり、
好ましくは0.001〜2.0重量%、より好ましくは約0.01〜
1.0重量%である。本発明のチューインガム製品の好ま
しい態様では、この2価金属塩は約0.0002重量%以上、
好ましくは約0.0002〜1.0重量%、特に好ましくは約0.0
1〜1.0重量%の濃度レベルで存在させる。
多くの沈殿(析出物)が本発明の広い範囲内に包含さ
れるが、元のエナメル質より可溶性の小さい沈殿を析出
させることにより、再石灰化された表面下は元のエナメ
ル質より鉱物質脱落に対する耐性をより大きくすること
ができる。もともと存在していたのより大きな結晶が析
出すると、攻撃を受ける表面積が小さくなるため、表面
下の鉱物質脱落に対する耐性はいくらか大きくなる。本
発明を用いて再石灰化の速度を制御することにより、こ
のようなより大きな結晶の析出を助長することができ
る。
フッ素イオンを利用すると、再石灰化されたエナメル
質は元のエナメル質より鉱物質脱落に対する耐性がより
大きくなる。本発明の製品において、フッ化物塩の濃度
は好ましくは約0.01〜5.0重量%、より好ましくは約0.0
2〜2.0重量%の範囲内である。ただし、本発明のチュー
インガム製品の好適態様では、フッ化物塩の濃度は好ま
しくは約0.0001〜0.5重量%、より好ましくは約0.0002
〜0.01重量%の範囲内である。チューインガム製品で
は、高レベルのフッ化物は歯のフッ素沈着および他の毒
性作用のため望ましくない。
歯のエナメル質の再石灰化を行うため、有効量の所望
のカチオンおよびアニオンを口腔内で使用しなければな
らない。口内で生成した溶液の量は、所望のカチオン少
なくとも100ppmと所望のアニオン少なくとも100ppmとを
含有していなければならず、好ましくは1,000ppm以上の
所望カチオンと1,000ppm以上の所望アニオンとを含有す
る。この溶液はまたカルシウムイオン以外の2価金属イ
オンを少なくとも10ppm、好ましくは100ppm以上含有し
ていなければならない。さらに、チューインガムまたは
食用製品以外の本発明の製品では、製品から口腔内に約
20〜5,000ppmのレベルのフッ素イオンを供給することが
好ましい。チューインガムまたは食用製品では、口腔内
で生ずるフッ素イオンのレベルは好ましくは約0〜5,00
0ppm、より好ましくは約0〜50ppmの範囲内である。
溶解したカルシウム塩およびリン酸塩と歯の表面との
接触時間の長さは決定的ではないが、この接触時間、各
イオンが歯の表面を通って鉱物質が脱落した表面下に拡
散できるのに十分な長さとする必要がある。チューイン
ガム製品以外の製品では、この接触時間の長さは好まし
くは少なくとも10秒、より好ましくは30秒以上、可能な
らさらに長時間である。チューインガム製品では、この
接触時間の長さは、好ましくは1分以上、より好ましく
は15分以上、可能ならさらに長時間である。かかる拡散
のための望ましい延長された時間は、本発明における2
価金属塩の使用により派生する利点の一つである。
水を用いて調製するか、または口腔内で唾液と一緒に
使用する(例、チューインガムに関して、これを噛む)
ことにより、本発明の範囲内の製品から生成した溶液
は、沈殿反応の前と後の両方で、約4.5〜7.0、好ましく
は約5.0〜7.0、より好ましくは約5.0〜5.75のpHを有す
るのがよく、そうでなければ口腔内環境で適合性のある
pHを有するのがよい。異なるイオン類は沈殿を生ずるよ
うに溶液内で早期に混合すべきではなく、歯の表面を通
って鉱物質が脱落した表面下の部位に拡散し、そこで溶
液の他のイオンと不溶性の塩を形成して沈殿することが
できるようにする必要がある。
本発明の範囲内の二剤型の製品では、各部分のpHは少
なくとも約3である。但し、これらの2部分から形成さ
れ、口腔内で使用される混合水溶液は、約4.5〜7.0、好
ましくは約5.0〜7.0、より好ましくは約5.0〜5.75のpH
を有する必要がある。二剤型の製品の2部分のそれぞれ
のpH値は、上記pHパラメータを超えないように調整する
ことができる。本発明の二剤型の製品の各部分のpH値、
ならびに本発明の一剤型の製品のpH値は、従来より公知
の方法により調整することができる。例えば、口腔内で
の使用に対して安全な酸を添加してpHを下げることがで
き、逆に塩基を添加してpHを上げたり、緩衝剤を添加し
てpHを調整することができる。適当な酸の非制限的な例
としては、酢酸、リン酸、塩酸、クエン酸、およびリン
ゴ酸が挙げられる。適当な塩基の非制限的な例として
は、水酸化ナトリウムが挙げられる。適当な緩衝剤の非
制限的な例としては、ナトリウムクエン酸・安息香酸
塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン
酸二水素ナトリウム等が挙げられる。好ましくは、使用
した再石灰化用の塩が所望のpHを得るように選択するこ
とができる。通常は、目標pH値を与えるように一塩基
性、二塩基性および/または三塩基性のアルカリ金属リ
ン酸塩の組合わせを選択する。
本発明の製品から形成された溶液および不溶性沈殿
は、毒性レベルが許容されるものでなければならない
(即ち、再石灰化プロセスで使用される量で各イオンが
無毒でなければならない)。
既述したように、本発明の一好適態様は、安定な一剤
型の乾燥混合物(ドライミックス)の形態の再石灰化/
石灰化製品に関する。この乾燥混合物製品は、約1.0〜8
0.0%の少なくとも1種のカルシウム塩、約1.0〜80.0%
の少なくとも1種のリン酸塩、約0.1〜20.0%のカルシ
ウム以外の2価金属の少なくとも1種の水溶性の塩、約
0.1〜20.0%の香料(好ましくは噴霧乾燥粉末として供
給)、約0.1〜30.0%の甘味料、0ないし約10.0%のフ
ッ化物塩、0ないし約5.0%の界面活性剤を含有する。
前述したように、本発明のチューインガム製品は、上
記乾燥混合物を約0.005〜20.0%、好ましくは約0.1〜7.
0%含有すべきである。ガム中のカルシウム塩およびリ
ン酸塩の量は、それぞれ約100ppmを超え、好ましくは接
触時間の延長により約1000ppmを超える各イオンの濃度
を確保するのに十分な量とすることが好ましい。
本発明の二剤型の製品では、歯磨き用組成物の再石灰
化のためのカチオン部分は、カルシウムイオンを生ずる
少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を約0.05〜15.0重
量%、好ましくは約0.10〜10.0重量%、ならびにマグネ
シウム、ストロンチウム、錫および亜鉛よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の水溶性2価金属塩(マグネシ
ウム塩が好ましい)を約0.001重量%以上、好ましくは
約0.001〜2.0重量%、特に好ましくは約0.01〜1.0重量
%含有する。この二剤型の製品の再石灰化のためのアニ
オン部分は、リン酸イオンを生ずる溶解したリン酸塩を
約0.05〜15.0重量%、好ましくは約0.10〜10.0重量%、
ならびにフッ素イオンを生ずる可溶性フッ化物塩を約0.
01〜5.0重量%、好ましくは約0.02〜2.0重量%含有す
る。
既述したように、本発明の特に好ましい態様は、チュ
ーインガムの形態の再石灰化/石灰化製品に関する。か
かるガムのカチオン相は、カルシウムイオンを生ずる少
なくとも1種の可溶性カルシウム塩を約0.05〜15.0重量
%、好ましくは約0.10〜10.0重量%、ならびにマグネシ
ウム、ストロンチウム、錫および亜鉛よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の水溶性2価金属塩(マグネシウ
ム塩が好ましい)を約0.0002重量%以上、好ましくは約
0.0002〜1.0重量%、特に好ましくは約0.01〜1.0重量%
含有する。このガムの再石灰化のためのアニオン相は、
リン酸イオンを生ずる溶解したリン酸塩を約0.01〜15.0
重量%、好ましくは約0.10〜10.0重量%含有する。フッ
素イオンを生ずる可溶性フッ化物塩を、約0.0001〜0.5
重量%、好ましくは約0.0002〜0.01重量%の量で使用し
てもよい。この場合も、使用時に生ずるpHが約4.5〜7.
0、好ましくは約5.0〜7.0、より好ましくは約5.0〜5.75
の範囲内となるように適当なpH調整用化合物を使用す
る。
本発明の製品および方法から形成された沈殿は、歯の
エナメル質の自然の成分であるリン酸カルシウムまたは
ヒドロキシアパタイトに、場合によりフッ素イオンが混
入したものである。本発明の改善された方法は、再石灰
化されたエナメル質を生ずるだけでなく、再石灰化され
たエナメル質が元のエナメル質に比べてその後の鉱物質
脱落に対する耐性がより高くなるかもしれない。
カルシウム化合物としては、全ての毒物学的に無害な
水溶性のカルシウム化合物を原則として本発明の製品に
使用することができる。20℃で100mlのH2Oに少なくとも
0.25gの量が溶解すれば、その化合物は水溶性であると
考えられる。
適当な水溶性カルシウム化合物は、例えば、塩化カル
シウム、臭化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシ
ウム、グルコン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、グ
リセロリン酸カルシウム、ギ酸カルシウム、フマル酸カ
ルシウム、乳酸カルシウム、酪酸カルシウムおよびイソ
酪酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、マレイン酸カル
シウム、プロピオン酸カルシウム、または水溶性カルシ
ウム化合物の混合物である。乳酸カルシウムが好まし
い。人間の歯のエナメル質の再石灰化用の本発明の組成
物中に、少なくとも約100ppm、好ましくは少なくとも約
1000ppmのカルシウムイオンが存在すべきであり、カル
シウムイオンの上限は、約35,000ppmである。
本発明の範囲内の適当な水溶性無機リン酸塩は、例え
ば、オルトリン酸カリウム、ナトリウムもしくはアンモ
ニウムなどのオルトリン酸のアルカリ金属塩およびアン
モニウム塩、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リ
ン酸三カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリ
ウムおよびリン酸三ナトリウムである。リン酸イオンの
濃度は少なくとも約100ppm、好ましくは少なくとも約10
00ppmから40,000ppmの範囲である。水溶性の定義は、カ
ルシウム化合物の場合と同様である。
所望により、一塩基性オルトリン酸カルシウムのよう
にカルシウムイオンとリン酸イオンの両方を生ずる水溶
性塩を使用してもよい。
安定化のための2価金属化合物としても、原則とし
て、カルシウムイオンとリン酸イオンをこれらのイオン
が歯の内部に拡散する前に直ぐにまたは早期に沈殿しな
いように安定化する任意の水溶性の無毒な2価金属化合
物を使用することができる。ただし、実際には、マグネ
シウム、ストロンチウム、錫および亜鉛よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の金属が、この系の安定化に最
も有効であり、中でもマグネシウムが好ましいことが判
明した。
適当なマグネシウム化合物は、例えば、酢酸マグネシ
ウム、硫酸マグネシウムアンモニウム、安息香酸マグネ
シウム、臭化マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、クエ
ン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、グルコン酸マグ
ネシウム、グリセロリン酸マグネシウム、水酸化マグネ
シウム、ヨウ化マグネシウム、酸化マグネシウム、プロ
ピオン酸マグネシウム、D−乳酸マグネシウム、DL−乳
酸マグネシウム、オルトリン酸マグネシウム、フェノー
ルスルホン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、
硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、および酒石酸マ
グネシウムである。好ましいマグネシウム化合物は塩化
マグネシウム、酢酸マグネシウムおよび酸化マグネシウ
ムである。
適当なストロンチウム化合物は、例えば、酢酸ストロ
ンチウム、硫酸ストロンチウムアンモニウム、安息香酸
ストロンチウム、臭化ストロンチウム、ホウ酸ストロン
チウム、カプリル酸ストロンチウム、炭酸ストロンチウ
ム、クエン酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、グ
ルコン酸ストロンチウム、グリセロリン酸ストロンチウ
ム、水酸化ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウム、酸
化ストロンチウム、プロピオン酸ストロンチウム、D−
乳酸ストロンチウム、DL−乳酸ストロンチウム、ピロリ
ン酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロ
ンチウム、および酒石酸ストロンチウムである。好まし
いストロンチウム化合物は酢酸ストロンチウム、塩化ス
トロンチウムおよび硝酸ストロンチウムである。
適当な錫化合物は、例えば、酢酸第一錫、硫酸第一錫
アンモニウム、安息香酸第一錫、臭化第一錫、ホウ酸第
一錫、炭酸第一錫、クエン酸第一錫、塩化第一錫、グル
コン酸第一錫、グリセロリン酸第一錫、水酸化第一錫、
ヨウ化第一錫、酸化第一錫、プロピオン酸第一錫、D−
乳酸第一錫、DL−乳酸第一錫、オルトリン酸第一錫、ピ
ロリン酸第一錫、硫酸第一錫、硝酸第一錫、および酒石
酸第一錫である。好ましい錫化合物は塩化第一錫であ
る。
適当な亜鉛化合物は、例えば、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛ア
ンモニウム、安息香酸亜鉛、臭化亜鉛、ホウ酸亜鉛、ク
エン酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、グリセロリン
酸亜鉛、水酸化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酸化亜鉛、プロピオ
ン酸亜鉛、D−乳酸亜鉛、DL−乳酸亜鉛、ピロリン酸亜
鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、および酒石酸亜鉛である。好
ましい亜鉛化合物は酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、お
よび硝酸亜鉛である。
2価金属イオンの濃度は、少なくとも約10ppm、好ま
しくは少なくとも約100ppmで、上限は約20,000ppmであ
る。水溶性の定義は、やはりカルシウムおよびリン酸塩
化合物の場合と同様である。
ヒトの歯の再石灰化用または鉱物質脱落予防用の本発
明の組成物は、そのウ蝕予防作用が以前より確立してい
ると考えられている水溶性のフッ化化合物をさらに含有
していてもよい。二剤型の製品では、このフッ化物塩
は、難溶性のフッ化カルシウムの生成を避けるため、リ
ン酸塩を含有する部分の方に存在させることが好まし
い。チューインガム製品以外の本発明の製品では、フッ
化物塩は好ましくは約0.01〜5.0重量%、より好ましく
は約0.02〜2.0重量%の量で存在させる。しかし、チュ
ーインガム製品では、フッ素沈着または他の毒性作用の
可能性のために、フッ化物塩の濃度は約0.1重量%を超
えるべきではない。
適当なフッ化化合物は、フッ化ナトリウム、カリウ
ム、リチウムもしくはアンモニウムのようなアルカリ金
属フッ化物、フッ化錫、フッ化インジウム、フッ化ジル
コニウム、フッ化銅、フッ化ニッケル、フッ化パラジウ
ム、フルオロジルコン酸ナトリウム、カリウムもしくは
アンモニウムまたはフルオロジルコン酸錫のようなフル
オロジルコン酸塩、フルオロケイ酸塩、フルオロホウ酸
塩、フルオロ亜錫酸塩である。
公知のアミンフッ化物のような有機フッ化物も本発明
の組成物中に使用するのに好適である。
モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸
リチウムおよびモノフルオロリン酸カリウム等の水溶性
のアルカリ金属モノフルオロリン酸塩、好ましくはモノ
フルオロリン酸ナトリウムも使用できる。また、モノフ
ルオロリン酸アンモニウム、モノフルオロリン酸アルミ
ニウム等を含む他の水溶性モノフルオロリン酸塩も使用
できる。モノフルオロリン酸塩をフッ素イオン供給源と
して二剤型の製品中に使用する場合、本発明から逸脱せ
ずに、この化合物をカルシウムカチオンと一緒に第1部
分中に存在させることができる。ただし、これはフッ素
イオンの損失の可能性があるためあまり望ましくはな
い。
本発明の一剤型の製品、例えば、一剤型チューインガ
ム製品では、本発明で使用する2価金属塩を存在させて
も、実際にはカルシウムイオンとリン酸イオンとの若干
の反応がなお起こることがあり、貯蔵中に不溶性のリン
酸カルシウム等がいくらか生成する可能性がある。本発
明の場合によりこの問題を克服するために、前記の2価
金属塩に加えて、またはこれに代えて、カルシウムイオ
ンとリン酸イオンおよび存在すればさらにフッ素イオン
との反応を防止する適当な安定化手段を包含する。
カルシウム塩、リン酸塩および/またはフッ化物塩の
1または2以上を安定化して、閉鎖容器またはパッケー
ジ内での製品(例、チューインガム組成物)の貯蔵中に
これらの塩どうしの反応を防止する任意の口内に許容さ
れる材料を本発明に使用することができる。適当な安定
化剤または安定化手段の例としては、乾燥剤、コーティ
ングもしくはマイクロカプセル化材料(被覆材料)、お
よびかかる安定化剤の組合わせがある。
適当な乾燥剤の例としては、硫酸マグネシウム、硫酸
ナトリウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、および
コロイダルシリカ(例、Cabot社よりCab−O−Silなる
商標で市販されている材料のような約50〜400m2/gの比
表面積を持つ、鎖状形態に焼結されたコロイダルシリカ
粒子)が挙げられる。これらの材料は、例えば、本発明
の製品の組成物中または表面に接触して存在している水
を吸収してカルシウム塩、リン酸塩および/またはフッ
化物塩の反応を防止することにより、その製品を安定化
すると考えられる。
使用する場合、安定化材料は、閉鎖容器内で貯蔵中の
製品におけるカルシウム塩、リン酸塩、および存在すれ
ばフッ化物塩の間の反応を阻害するが、製品を唾液と接
触させると(例えば、チューインガムを噛む間に)、十
分なカルシウム、リン酸、および存在すればフッ素の各
イオンを放出することができるようにするのに有効な量
で本発明の製品中に含有させる。典型的には、安定化材
料は、本発明の製品中に約7.5重量%以下、好ましくは
約0.1〜5.0重量%の量で含有させる。
本発明の安定な一剤型の非水性チューインガム製品の
1態様は、下記成分からなる: (i)約0.01〜15.0重量%、好ましくは約0.10〜10.0重
量%の水溶性カルシウム塩; (ii)約0.01〜15.0重量%、好ましくは約0.10〜10.0重
量%の水溶性リン酸塩; (iii)0ないし約7.5重量%の口内に許容される乾燥
剤; (iv)約10.0〜95.0重量%のガムベース;そして (v)上記の塩を唾液と接触させた時にpHは約4.5〜7.
0、好ましくは約5.0〜7.0、より好ましくは約5.0〜5.75
である。
本発明の一剤型製品(例、チューインガム製品)にお
けるカルシウム塩、リン酸塩、および/またはフッ化物
塩の早期反応を抑制する別の方法は、例えば、親油性材
料または好ましくは重合体材料により、活性成分間の反
応を防止するコーティングまたはマイクロカプセル化を
行うことである。本発明の製品中の各種の塩の表面に被
覆が存在すると、他の物質、例えば、系内に存在する
か、系に吸収された痕跡量の水との上記活性成分の反応
が防止される。好ましくは、被覆は食用被覆である。適
当なマイクロカプセル化またはコーティング材料として
は、慣用の食用ガムなどの親油性および他の材料、親水
性から疎水性(水不溶性)までの範囲に及ぶポリマー、
樹脂、ワックス、および鉱油が挙げられる。被覆は好ま
しくは口からうがい除去可能(rinsable)である。
本発明によると、本発明の水溶性カルシウム塩および
/またはリン酸塩等の粒子の被覆に使用するポリマー
は、親水性有機ポリマーおよび疎水性(水不溶性)有機
ポリマーならびにこれらの混合物から選択される。
再石灰化用の塩粒子の被覆に使用する親水性ポリマー
は、水溶性および水分散性有機ポリマーから選択され
る。2種以上のポリマーの混合物も使用でき、被覆重量
に基づいて約5.0〜95.0重量%の含有量の水不溶性ポリ
マーを親水性ポリマーと併用することができる。
ここで用いた「親水性」という用語は、25℃の水100g
につき少なくとも約1gの水中溶解度を持つ有機ポリマー
を意味する。ここで用いた「疎水性」または「水不溶
性」という用語は、25℃の水100gにつき約1g未満の水中
溶解度を持つ有機ポリマーを意味する。
本発明の塩粒子の被覆用に適した親水性ポリマーとし
ては、例えば、アラビアゴム、カラヤゴム、トラガカン
トゴム、グアーゴム、イナゴ豆ゴム、キサンタンゴム、
カラジーナン、アルギン酸塩、カゼイン、デキストラ
ン、ペクチン、寒天、ソルビトール、2−ヒドロキシエ
チルデンプン、2−アミノエチルデンプン、マルトデキ
ストリン、アミロデキストリン、2−ヒドロキシエチル
セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース塩、セルロース硫酸塩、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール/アセ
テート、などが挙げられる。親水性ポリマー被覆の親水
性を緩和するための追加の被覆成分として共存させるこ
とができる水不溶性ポリマーの例はポリ酢酸ビニルであ
る。
単独または1種もしくは2種以上の他の成分と組合わ
せ再石灰化用の塩粒子の被覆用に適した水不溶性ポリマ
ーとしては、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレ
タンなどが挙げられる。
本発明の方法のカルシウム塩、リン酸塩等の塩粒子の
混合物に対するポリマー被覆の適用は、パンコーティン
グ、流動化コーティング、遠心流動化コーティングなど
の慣用手段により達成される。被覆用のポリマーは通常
は、選択したポリマー種に応じて、水、メタノール、エ
タノール、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチ
ル、ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒中に溶解さ
せる。被覆用ポリマーはまたエマルジョンまたは懸濁液
の形態で適用することもできる。被覆媒質を粒子に適用
した後、溶媒を蒸発させて除去すると、個々の結晶質粒
子を被覆する連続被膜の被覆が形成される。
塩粒子の表面上の被覆厚みは、典型的には約0.1〜20
μmの範囲内であろう。被覆は単層または多層からなる
ものでよい。ポリマー被覆は、被覆された粒子の総乾燥
重量の約5.0〜50.0重量%を占めることができる。
水性環境中に導入した時に被覆粒子中の芯基材である
再石灰化用のカルシウム塩、リン酸塩および所望により
フッ化物塩を放出するために、口腔用組成物の水不溶性
ポリマーの表面被覆は、ナトリウムモノサッカライドも
しくはジサッカライド、ソルビトール粉末、マンニトー
ル等の水抽出性の微粒子状の有機または無機充填剤を約
5.0〜30.0重量%の量で含有していてもよい。
水性条件下で被覆粒子の再石灰化用の塩からなる芯基
材部分の放出速度は、粒子表面のポリマー被覆の量およ
び種類により制御することができる。
低分子量の親水性ポリマーは、水分の存在下では比較
的速い速度で粒子の芯基材部分を放出しよう。親水性が
低い高分子量のポリマーは放出速度が比較的遅くなろ
う。親水性が異なる2種以上のポリマー成分の混合物を
使用することにより放出速度のさらなる制御が得られ
る。
ポリエチレングリコール(分子量4000)やポリビニル
アルコールは粒子の芯基材を比較的速い速度で放出しよ
う。ポリエチレンオキサイド(分子量4,000,000)や部
分加水分解ポリ酢酸ビニルは放出速度が比較的遅くなろ
う。ポリビニルピロリドンは、固体製品にした被覆粒子
を歯に適用した時に中間の速度で粒子の芯基材部分を放
出しよう。
本発明の被覆された再石灰化用塩の粒子組成物は、チ
ューインガムの成分として利用した場合に自由流動性で
あるが実質的に不活性なポリマー被覆粒子であるという
新規な物理的形態のために特異な組合わせの性質を示
す。
適当な親油性またはマイクロカプセル化材料の例とし
ては、パラフィン、鉱油、食用油(落花生油、ココナッ
ツ油、パーム油、べにばな油等)、親油性有機エステル
(イソプロピルシロキサンミリステート、イソプロピル
パルミテート等)、食用ポリシロキサンなどが挙げられ
る。
パラフィンとワックスとの混合物による塩のマイクロ
カプセル化も適当である。
本発明の製品においてカルシウム塩、リン酸塩および
/またはフッ化物塩の親油性被覆材料として鉱油を使用
すると、別の有利な特性が得られる。具体的には、口内
細菌は親油性材料により悪影響を受けることが知られて
いる。即ち、本発明の製品に使用した鉱油は、処置中に
望ましくない細菌の除去を助ける。
被覆は、水中に(例えば、噛む間に口内で)容易に溶
解、分散または乳化するか、またはかかる作用により崩
壊して、活性材料、即ち、1種もしくは2種以上の塩を
放出するような厚みおよび組成のものとするのがよい。
被覆に使用する親油性材料が鉱油のように水不溶性の
ものである場合、被覆相を親水性エトキシ化ソルビタン
モノオレエート(例、Tweenなる商標で市販されている
材料)のような非イオン性非水性界面活性剤により予め
乳化することができる。こうすると、製品を水中に置い
た時に、乳化剤が存在しない場合より容易に、粒子表面
の鉱油または他の親油性被覆が乳化される。ラウリル硫
酸ナトリウムや他の非イオン性界面活性剤などの他の同
様な界面活性剤も使用できる。
本発明の範囲内の安定な一剤型の非水性チューインガ
ム製品の別の態様は、下記成分からなる: (i)約0.01〜15.0重量%、好ましくは約0.10〜10.0重
量%の水溶性カルシウム塩; (ii)約0.01〜15.0重量%、好ましくは約0.10〜10.0重
量%の水溶性リン酸塩、場合により約0.0001〜0.5重量
%、好ましくは約0.0002〜0.1重量%の水溶性フッ化物
塩; (iii)上記の水溶性の塩の表面上に設けられた、唾液
中で容易に溶解、分散または乳化する被覆; (iv)約10.0〜95.0重量%のガムベース;そして (v)上記の塩を唾液と接触させた時にpHは約4.5〜7.
0、好ましくは約5.0〜7.0、より好ましくは約5.0〜5.75
である。
本発明の製品は、一液として、別々の二液として、一
つの固体の粉末、ゲルもしくはペースト形態として、別
々の二成分からなる固体粉末、ゲルもしくはペーストと
して、または一剤型もしくは二剤型のガムとして調製す
ることができる。
本発明に従って、下記成分からなる一液型の製品を次
のようにして調製することができる。少なくとも1種の
水溶性カルシウム塩を約0.05〜15.0重量%の濃度で溶解
する。カルシウム塩以外の少なくとも1種の水溶性2価
金属塩を約0.001重量%以上、好ましくは約0.001〜2.0
重量%の濃度で添加する。少なくとも1種の水溶性リン
酸塩を約0.05〜15.0重量%の濃度で含有する別の溶液も
調製する。所望により、少なくとも1種の水溶性のフッ
素イオン放出化合物を約0.01〜5.0重量%の濃度でリン
酸塩含有溶液に添加してもよい。各溶液のpHは、混合後
に得られる最終的な全体の溶液のpHが約4.5〜7.0、好ま
しくは約5.0〜7.0、より好ましくは約5.0〜5.75の範囲
内となるように調整する。その後、二つの溶液を混合し
て、リン酸カルシウムの安定な過飽和または過飽和に近
い溶液を得る。本発明のこの好適態様においては、フッ
素イオン源としてモノフルオロリン酸ナトリウムを使用
することが好ましい。この化合物は、高濃度のカルシウ
ムの存在下でもフッ化物を溶液状態に保持し、リン酸カ
ルシウムの過飽和溶液を長時間にわたって安定に保つこ
とができる。
カルシウムイオンとリン酸イオンの合計濃度が混合に
より準安定溶液、即ち、静置により最終的にリン酸カル
シウムが沈殿する溶液を生ずるような濃度である場合に
は、混合した製品を使用して本発明の安定化2価金属イ
オンの利点を得ることを望む時期まで二つの溶液を別々
に保存する。
本発明の特に好ましい態様は、下記を含む二剤型の製
品に関する: (i)約0.05〜15.0重量%、好ましくは約0.10〜10重量
%の少なくとも1種の水溶性カルシウム塩を、約0.001
〜2.0重量%、好ましくは約0.01〜1.0重量%のカルシウ
ム塩以外の少なくとも1種の水溶性で無毒な2価金属塩
と一緒に含有する別個の第1部分; (ii)約0.05〜15.0重量%、好ましくは約0.10〜10重量
%の少なくとも1種の水溶性リン酸塩を、所望により約
0.01〜5.0重量%、好ましくは約0.02〜2.0重量%の少な
くとも1種のフッ素イオン放出剤と一緒に含有する別個
の第2部分; (iii)それぞれ出口端部を持つ少なくとも二つの別個
の区画室を持ち、第1区画室は水溶性カルシウム塩を水
溶性2価金属塩と一緒に含有する第1部分を収容し、第
2区画室は水溶性リン酸塩を所望によりフッ素イオン源
と一緒に含有する第2部分を収容する、分配容器; (iv)各区画室を閉鎖する閉鎖手段;そして (v)前記二つの部分を混合した時に、pHは約4.5〜7.
0、好ましくは約5.0〜7.0、より好ましくは約5.0〜5.75
となる。
二つの部分を別々に収容してその口腔内への効果的な
分配を行うために多くのパッケージ方法を採用すること
ができる。
例えば、二剤型歯磨き、ゲル、クリーム等の各部分
を、好ましくはプラスチック、プラスチックと金属のラ
ミネート等から製作された別々のコラプシブル(押し潰
し可能な)チューブから同時に分配してもよい。利便性
と二部分を実質的に同量づつ分配するのを助けるため、
二本のチューブをバンドでくくるか、または好ましくは
両チューブの対応する腹側に沿って接着剤で固定するこ
とにより一体に保持してもよい。
別の態様では、二本のチューブを、突き合わせにな
る、好ましくは平らな側面部分を持つように作製しても
よい。二本のチューブの口の距離は、第1および第2部
分の十分な量を直接口腔内に、または二部分を口腔に持
っていく基体(例、歯ブラシ)上に同時に分配すること
ができるように十分な近さとするのが普通であり、チュ
ーブは別々のキャップを有する。
また別のパッケージ方法は、一つの共通のオリフィス
により連結された複数の区画室を有する同じ押し潰し可
能な複合チューブ内の別々の区画室に各部分を装填する
ことからなる。かかる複合チューブは隔壁により分けら
れた区画室を有し、隔壁はチューブ側壁の実質的に直径
方向に反対側の部分と、チューブの上面構造の対応する
部分に堅固に取り付けられている。隔壁は、チューブの
製造中にチューブの側壁および上面構造物に接着剤また
は熱により接合することができる。隔壁は好ましくはチ
ューブの口の中に延設された突出部分を備えており、こ
の突出部分の上縁が口のヘリと実質的に同一平面とな
る。かくして、隔壁は側壁と一緒になって、それぞれ第
1部分および第2部分を収容するための実質的に同じ容
積の二つの別個の区画室を形成する。
さらに別のパッケージ方法は、内部チューブを外部チ
ューブの内部に平行に収納した同心の二本のチューブか
ら構成される。二本のチューブの口の高さは同じにす
る。外部チューブ内に収容された部分が、外部チューブ
の口と内部チューブの口の間の利用可能な空間から出る
ことができるように、内外の両チューブの間に突起等を
挿入する。このチューブ内チューブの閉鎖手段(これは
外部チューブへのネジ蓋でもよく、または単に押して嵌
める蓋でもよい)は、必ず必要というわけではないが、
チューブの口のところで二つの部分が早期に混ざり合う
のを防止するため、内部チューブの口に嵌入する内部突
起を備えていてもよい。
上述したどの態様のチューブも、通常は底部から充填
した後で常法によりシールする。
さらに別のパッケージ配置は、二つの区画室と二つの
噴出口を備えた加圧容器から構成される。区画室の内圧
は、各区画室の底部で加圧ガス(例、窒素)により保持
される。機械的なアクチュエータの操作により、各区画
室の内容物を噴出口から放出する弁が作動し、二部分を
ブラシ上に乗せることができる。
口内洗浄剤またはうがい液などの液状の態様は、貯蔵
中は早期の反応を防止するために各部分が互いに分かれ
て保持されるという点でペーストおよびゲルと同様に保
持される。分配されると、二部分は口腔内で混合して反
応し、歯のエナメル質の再石灰化を行う。従って、液状
の二部分は二室型の分配容器の別々の区画室にそれぞれ
貯蔵することができる。分配容器は通常は、例えば、傾
斜した頭頂部(crown portin)、この頭頂部の上面から
上方に突き出ている少なくとも二つの注ぎ口、および頭
頂部に装着される蓋を備えた閉鎖(クロージャー)シス
テムを通常は備えている。蓋は、閉鎖部材を閉鎖するた
めの閉鎖手段(例、ぶら下がりプラグ栓<depending pl
ug>)を備えている。各注ぎ口は、注ぎ口内に流出用オ
リフィスに加えて通気孔を備えていることが好ましい。
流出用オリフィスは、頭頂部の上で一緒に近づけて位置
させることができ、その全部が注ぐ時のコントロールの
達成を助ける。透明な容器が最も満足できるものである
ことが判明した。透明であると、二室型分配容器から比
較的等しい量づつを正確かつコントロール可能に分配す
ることが容易にできるようになる。透明な壁の容器はま
た、分配容器内に残っている液量を測るための窓の機能
も果たす。容器の壁面には、製品の正確な再石灰化量を
分配するのを助けるために目盛りを刻むか、または他の
較正手段を設けることができる。
好適な歯磨き用ペースト(練り歯磨き)およびゲル
が、本発明の再石灰化剤に加えて、研磨剤約0.5〜65重
量%、好ましくは約5〜40重量%、起泡剤(sudsing ag
ent)約0.2〜5重量%、結合剤約0.1〜5重量%、保湿
剤0〜50重量%、残部が水および微量成分を使用するこ
とにより調製できる。水和シリカのような無機増粘剤を
約1.0〜10.0重量%の量で添加してもよい。
例えば、歯磨き用ペースト、ゲル、口内洗浄剤等の二
剤型の水性製品の場合、この製品のカチオンおよびアニ
オン部分はそれぞれpHが約3以上である。しかし、口内
に入れた二つの部分の混合物は、pHが約4.5〜7.0、好ま
しくは約5.0〜7.0、より好ましくは約5.0〜5.75の範囲
でなければならない。カチオン部分とアニオン部分のpH
は、上記パラメータを超えない限り調節することができ
る。
適当な研磨剤としては、シリカキセロゲルが挙げられ
る。他の慣用の練り歯磨き用研磨剤も本発明の組成物に
使用でき、それにはβ相ピロリン酸カルシウム、リン酸
二カルシウム二水和物、無水リン酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム、ケイ酸ジルコニウム、および熱硬化性重合樹
脂が包含される。シリカエーロゲルおよび不溶性メタリ
ン酸ナトリウムのような不溶性メタリン酸塩も使用でき
る。2種以上の研磨剤の混合物も使用できる。シリカキ
セロゲル研磨剤が好ましい。
好適な起泡剤は、適度に安定で、適用の間中ずっと泡
立ちを生ずるものである。好ましくは、石鹸ではないア
ニオン性または非イオン性の有機合成洗浄剤を使用す
る。かかる洗浄剤の例は、アルキル基の炭素数が10〜18
のアルキル硫酸の水溶性塩(例、ラウリル硫酸ナトリウ
ム)、炭素数10〜18の脂肪酸のスルホン化モノグリセラ
イドの水溶性塩(例、モノグリセライドスルホン酸ナト
リウム)、タウリンのC10〜C18脂肪酸アミドの塩(例、
ナトリウムN−メチルタウレート)、イセチオン酸のC
10〜C18脂肪酸エステルの塩、ならびに炭素数2〜6の
飽和モノアミノカルボン酸の実質的に飽和の脂肪族アシ
ルアミド(アシル基の炭素数は12〜16)(例、ナトリウ
ム−N−ラウリルサルコシド)である。2種以上の起泡
剤の混合物も使用できる。
結合剤は、本発明の組成物を増粘して、望ましい粘稠
性を賦与するために添加する。好適な増粘剤は、ナトリ
ウムカルボキシメチルセルロースのようなセルロースエ
ーテルの水溶性塩、ヒドロキシプロピルセルロース、お
よびヒドロキシエチルセルロールである。カラヤゴム、
アラビアゴム、カラギーナンおよびトラガカントゴムな
どの天然のガム類も使用できる。コロイド状ケイ酸マグ
ネシウムアルミニウム、シリカエーロゲル、シリカキセ
ロゲル、ヒュームドシリカ、または他の微細シリカも、
さらにキメを改善するために増粘剤の一部として使用す
ることができる。好ましい増粘剤はキサンタンゴムであ
る。
歯磨き用ペーストまたはゲルの固化を防止するため
に、これにある種の保湿剤を含有させることも望まし
い。適当な保湿剤としては、グリセリン、ソルビトー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルおよびその他の食用多価アルコール類ならびにそれら
の混合物が挙げられる。
本発明の範囲内の歯磨き用ペーストまたはゲル組成物
はまた、冬緑油、ハッカ油、スペアミント油、サッサフ
ラス油、および丁子(ちょうじ)油等の香料を含有して
いてもよい。歯磨き用ペーストまたはゲル組成物はま
た、サッカリン、デキストロース、レブロース、サイク
ラミン酸ナトリウム、およびアスパルターム等の甘味剤
も含有しうる。砂糖と甘味料(例、スクラロース)との
混合物も包含される。
本発明の歯磨き類の製品を透明または半透明のゲルの
形態で製造することも可能である。これは、水−保湿剤
系の屈折率を研磨剤および無機増粘剤(使用する場合)
とマッチさせることにより達成される。
専門家用のゲル剤も歯磨き類と同様に処方することが
できるが、フッ化物の含有量をより高くする。この種の
製品は、歯の清浄化ではなく、フッ素塗布だけを意図し
ているので、研磨剤やその他の清浄化剤を処方組成物中
に含有させる必要はない。
本発明の再石灰化用の系は口内洗浄剤製品の形態で提
供することもできる。口内洗浄剤のカチオン部分とアニ
オン部分の両方を下記に従って調製することができる。
口内洗浄剤は一般にエチルアルコールと香料材料の水溶
液からなる。アルコールは抗菌効果を与え、香料材料を
溶解させ、かつ気持ちのよい口内の感触を付与する。但
し、アルコールを含有しない口内洗浄剤も今や人気を得
つつある。場合により、口内洗浄剤は追加の抗菌剤と、
口内に湿った感じを与えるグリセリンおよびソルビトー
ル等の保湿剤も含有する。
アルコールを含まない口内洗浄剤は、使用直前に水に
加える乾燥粉末または錠剤の形態で提供するのが好まし
い。かかる製品は、約10〜95重量%の水溶性の塩を含有
し、残部は香料、甘味料、および場合により抗菌剤であ
ろう。
本発明の再石灰化剤に加えて、典型的な口内洗浄液は
約0〜30%、好ましくは約0〜20%のエチルアルコー
ル;約30〜90%の水;約0〜20%のグリセリンまたは他
の保湿剤;約0〜0.1%の抗菌剤;約0〜0.2%の可溶性
フッ素イオン供給源;約0.01〜0.5%の甘味剤;約0.01
〜2.0%の香料;および約0.1〜1%の乳化剤・界面活性
剤を含有する。
適当な香料の例としては、ヘリオトロピルニトリル、
冬緑油(サリチル酸メチル)、ハッカ油、アッシア油
(oil of assia)、アニス油、桂皮油、およびこれらの
混合物が挙げられる。好適な甘味剤には、サッカリン、
グリセリン、ソルビトール、レブロース、ならびに6−
(トリフルオロメチル)−トリプトファンおよびアスパ
ルチルフェニルアラニンメチルエステルがある。
本明細書において既に説明したように、本発明の範囲
内の再石灰化製品は、チューインガムの形態であっても
よい。チューインガムは、多様な各種のチューインガ
ム、風船ガム、ドラジェー(糖衣ガム)などのいずれで
もよく、これらは低水分もしくは高水分、砂糖含有もし
くはシュガーレス、ワックス含有もしくはワックスフリ
ー、低カロリー(高ガム基材もしくは低カロリー増量剤
による)のものを含み、ならびに/または他の歯科衛生
用添加剤を含有していてもよい。
本発明の範囲内のチューインガム製品は次のようして
調製することができる。ガム基材を、例えば約85〜90℃
の温度で融解させ、約78℃の温度に冷却した後、予熱
(60゜)しておいたシグマ・ブレードを備えた標準的な
混合釜に入れる。乳化剤を次いで加える。次に、ソルビ
トールおよびグリセリンを加え、成分をさらに約3〜6
分間混合する。混合釜を冷却し、マンニトールとソルビ
トールおよびグリセリンの残りを加え、混合を続ける。
この時点で、香料を加えていないチューインガムの温度
は約39〜42℃になっている。その後、香油を加えて基材
中に混ぜ込み、混合を続ける。最後に甘味料を加え、さ
らに1〜10分間混合する。再石灰化系は最後の成分とし
て加える。最終的なガムの温度は約39〜43℃である。チ
ューインガム組成物を次いで釜から出し、ロール成形
し、切断し、チューインガムの断片にする。
チューインガムは一般に水不溶性のガム基材、水溶性
部分、および香料からなる。水溶性部分は、噛んでいく
うちに香料の一部と一緒に消失する。ガム基材部分は噛
んでいる間ずっと口内に残る。
不溶性ガム基材は一般にエラストマー、樹脂、油脂、
柔軟剤、および無機充填材を含む。ガム基材はワックス
を含む場合も、含まない場合もある。不溶性ガム基材
は、チューインガムの約5〜95重量%を占めることがで
き、より普通にはガム基材はガムの約10〜50重量%を占
め、一部の好適な態様ではチューインガムの約20〜35重
量%を占める。
1態様において、本発明のチューインガムのガム基材
は、合成エラストマー約20〜60%、天然エラストマー0
〜約30%、エラストマー可塑剤約5〜55%、充填材約4
〜35%、柔軟剤約5〜35%、および任意の微量な雑多な
成分(着色料、酸化防止剤等)を含有する。
合成エラストマーとしては、これらに限られないが、
GPC重量平均分子量が約10,000〜95,000のポリイソブチ
レン、イソブチレン−イソプレンコポリマー(ブチルエ
ラストマー)、スチレン:ブタジエン比が約1:3ないし
3:1のスチレン−ブタジエンコポリマー、GPC重量平均分
子量が約2,000〜90,000のポリ酢酸ビニル、ポリイソプ
レン、ポリエチレン、ラウリン酸ビニル含有量がコポリ
マーの約5〜50%である酢酸ビニル−ラウリン酸ビニル
コポリマー、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
好ましい範囲は、ポリイソブチレンについては50,000
〜80,000GPC重量平均分子量、スチレン−ブタジエンに
ついてはスチレン:ブタジエン比が約1:1ないし1:3、ポ
リ酢酸ビニルについては10,000〜65,000GPC重量平均分
子量で分子量の高いポリ酢酸ビニルは典型的には風船ガ
ム基材に使用され、酢酸ビニル−ラウリン酸ビニルにつ
いてはラウリン酸ビニル含有量約10〜45%である。
天然エラストマーとしては、スモークドもしくは液体
ラテックスおよびグアユール、ならびにジェルトン、レ
チカスピ(lechi caspi)、ペリロ(perillo)、ソルバ
(sorva)、マサランドゥババラタ(massaranduba bala
ta)、マサランドゥバチョコレート、ニスペロ(nisper
o)、ロシンジンハ(rosindinha)、チクル、グッタハ
ングカング(gutta hang kang)、およびこれらの混合
物を挙げることができる。好ましい合成エラストマーお
よび天然エラストマーの濃度は、後述するように、その
基材を使用するチューインガムが不粘着性が従来型か、
風船ガムか普通のガムかに応じて変動する。好ましい天
然エラストマーにはジェルトン、チクル、ソルバおよび
マサランドゥババラタが含まれる。
エラストマーの可塑剤としては、これらに限られない
が、部分加水分解ロジンのグリセロールエステル、重合
ロジンのグリセロールエステル、部分二重化ロジンのグ
リセロールエステル、ロジンのグリセロールエステル、
部分加水分解ロジンのペンタエリスリトールエステル、
ロジンのメチルおよび部分加水分解メチルエステル、ロ
ジンのペンタエリスリトールエステルなどの天然ロジン
エステル類;α−ピネン、β−ピネンおよび/もしくは
d−リモネンから誘導されたテルペン樹脂等の合成物;
ならびにこれらの任意の適当な混合物を挙げることがで
きる。好ましいエラストマー可塑剤も、具体的な用途お
よび使用するエラストマーの種類に応じて変動しよう。
充填材/テキスチャライザー(texturizer)として
は、炭酸マグネシウムおよびカルシウム、粉砕石灰石、
ケイ酸マグネシウムおよびアルミニウムなどのケイ酸塩
類、クレー、アルミナ、タルク、酸化チタン、リン酸
一、二および三カルシウム、木材等のセルロースポリマ
ー、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
柔軟剤/乳化剤としては、獣脂、水素化獣脂、水素化
および部分水素化植物油、カカオバター、グリセローロ
モノステアレート、グリセロールトリアセテート、レシ
チン、モノ、ジ、およびトリグリセライド、アセチル化
モノグリセライド、脂肪酸(例、ステアリン酸、パルミ
チン酸、オレイン酸およびリノール酸)、ならびにこれ
らの混合物を挙げることができる。
着色料および白色化剤としては、FD%C型の色素およ
びレーキ類、果物および植物エキス、二酸化チタン、お
よびこれらの混合物を挙げることができる。
ガム基材はワックスを含んでいても、いなくてもよ
い。
水不溶性ガム基材の部分に加えて、典型的なチューイ
ンガム組成は、水溶性のバルク部分と1種もしくは2種
以上の香料を含んでいる。水溶性部分は、バルク甘味
料、高強度甘味料、香料、柔軟剤、乳化剤、着色料、酸
味剤、充填材、酸化防止剤剤、および望ましい特性を付
与する他の成分を含むことができる。
柔軟剤は、ガムの噛み特性と口内感触を最適にするた
めにチューインガムに添加される。可塑剤とも呼ばれる
柔軟剤は、一般にチューインガムの約0.5〜15重量%を
占める。柔軟剤としては、グリセリン、レシチン、およ
びこれらの混合物を挙げることができる。ソルビトー
ル、水素化デンプン加水分解物、コーンシロップ、およ
びこれらの混合物を含有する水溶液といった甘味料水溶
液も、チューインガムの柔軟および結合剤として使用す
ることができる。
バルク甘味料は、シュガー成分とシュガーレス成分の
両方を包含する。バルク甘味料は一般にチューインガム
の約5〜95重量%、より一般的には約20〜80重量%、さ
らに普通には30〜60重量%を占める。
シュガー甘味料は、一般にチューインガムの業界で普
通に知られるサッカライド含有成分を含み、例示する
と、これらに限られないが、ショ糖(スクロース)、デ
キストロース、マルトース、デキストリン、乾燥転化
糖、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーン
シロップ固形分などを単独または混合物で含む。
シュガーレス甘味料は、これらに限られないが、ソル
ビトール、マンニトール、キシリトール、水素化デンプ
ン加水分解物、マルチトール等のシュガーアルコール類
を単独または混合物で含む。
高強度人工甘味料も、単独で、または上記と組合わせ
て使用することができる。好ましい甘味料は、これらに
限られないが、スクラロース、アスパルテーム、アセサ
ルフェームの塩類、アリテーム、サッカリンおよびその
塩類、サイクラミン酸およびその塩類、グリシルリチ
ン、ジヒドロチャルクコーン類、ソーマチン、モネリン
等を単独または混合物で含む。より長く持続する甘味と
香りの知覚を付与するため、人工甘味料の少なくとも一
部の放出をマイクロカプセル化または他の手段で制御す
ることが望ましいこともある。湿式造粒、ワックス造
粒、噴霧乾燥、噴霧急冷、流動床被覆、コアセルベーシ
ョン、および繊維伸展(fiber extension)のような技
術を利用して所望の放出特性を得ることができる。
人工甘味料の使用量レベルは、その甘味料の強さ、放
出速度、製品の所望の甘さ、使用する香料の量と種類、
およびコストの観点などの因子に依存し、大きく変動し
よう。例えば、人工甘味料の有効量レベルは約0.02〜8.
0%の範囲に及ぶかも知れない。マイクロカプセル化の
ために使用する担体を含んでいる場合には、マイクロカ
プセル化甘味料の使用量水準はその分だけ増えることに
なろう。
シュガーおよび/またはシュガーレス甘味料の混合物
もチューインガムに使用することがある。また、糖また
はアルジトール水溶液のように柔軟剤がさらに甘味を増
す場合もある。
低カロリーガムが望ましい場合は、低カロリー増量材
を使用することができる。低カロリー増量材の例として
は、ポリデキストロース、ラフチロース、ラフチリン、
フルクトオリゴ糖類(NutraFlora)、パラチノースオリ
ゴ糖、グアーガム加水分解物(Sun Fiber)、または不
消化性デキストリン(Fibersol)が挙げられる。ただ
し、他の低カロリー増量材も使用できる。
多様な香料を使用することができる。香料はガムの約
0.1〜15.0%、好ましくは約0.2〜5.0%の量で使用する
ことができる。香料は、精油類、合成香料またはそれら
の混合物を含むことができ、例示すると、これらに限ら
れないが、柑橘油、フルーツエッセンス、ハッカ油、ス
ペアミント油、他のミント油、丁子油、冬緑油、アニス
などが挙げられる。人工香料および成分も使用できる。
天然および人工香料は任意の感覚上許容される方式で組
合わせることができる。
チューインガムはシュガーレスとシュガー含有のいず
れでもよい。しかし、本発明の一態様では、チューイン
ガムはシュガー含有型である。これはまた、シュガーレ
スガムの感覚上の品質の問題点の一部を克服する。さら
に、かかるチューインガムはシュガーレスガムの他の問
題点の一部も克服する。例えば、ある種のシュガーレス
ガムは、糖アルコールを使用しているため、胃腸障害を
持つ一部の人々にはあまりよくない場合がある。
本発明のチューインガムの態様に場合により使用され
る別の成分は、歯科用研磨剤である。歯科用研磨剤は、
噛んでいる最中に起こる研磨作用のためにチューインガ
ムに特に有用である。歯科用研磨剤という用語は、歯磨
き、チューインガム等の全ての形態を含む。具体的に
は、二リン酸二カルシウム二水和物は本発明のチューイ
ンガムの態様の好ましい歯科用研磨剤である。この材料
はまた上述したようにアルカリ性緩衝剤として機能する
作用も持つ。
本発明のチューインガムの態様に利用できる別の歯科
用研磨剤としては、炭酸カルシウム、メタリン酸ナトリ
ウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸カ
ルシウム、エーロゲルおよびキセロゲルを含むシリカ
類、およびリン酸三カルシウムが挙げられる。本発明の
チューインガムの態様の歯科用研磨剤の使用量は、一般
に約1.0〜30.0重量%、好ましくは約1.5〜20.0重量%の
範囲内である。
本発明のチューインガムの態様のさらに別の任意成分
は、グリセリンの使用である。本発明のチューインガム
の態様において、グリセリンはチューインガムを柔軟に
し、ガムを長時間噛んでいることができるようにする。
グリセリンはまた組成物の甘味を増す。グリセリンは普
通は組成物の約0.01〜10.0重量%、好ましくは約0.2〜
5.0重量%のレベルで添加される。
本発明は、別の任意成分として、水または1価アルコ
ールを、組成物の約2.0〜990.重量%、好ましくは約5.0
〜70.0重量%、特に好ましくは約10.0〜50.0重量%の量
で含有する。一般に約20:1ないし1:20、好ましくは約1
0:1ないし1:10の重量比の範囲内の水と1価アルコール
との混合物を使用することが特に有用であることはもち
ろん認められる。
好ましい1価アルコールは、メタノール、エタノー
ル、またはイソプロパノールであるが、一般に炭素数18
までのものを含む他の1価アルコールも本発明に利用で
きる。特に好ましい1価アルコールはエタノールであ
る。消化される製品の場合にはエタノールだけを使用す
べきとは理解されよう。
本発明の範囲が任意の理論により制限されることを望
むものではないが、カルシウム、リン酸および場合によ
りフッ素の各イオンは、歯の表面を通って鉱物質が脱落
した表面下に拡散し、この鉱物質が脱落した表面下で析
出して、そこで歯の構造を再石灰化させるものと考えら
れる。これは、十分なカルシウム、リン酸およびフッ素
の各イオンが、これらが歯のエナメル質の鉱物質が脱落
した表面下に拡散することができるのに十分な時間のあ
いだ可溶性の状態にとどまるために実現が可能になる。
これは、カルシウム、リン酸およびフッ素の各イオンが
歯のエナメル質の病変部を再石灰化するのに必要な時間
のあいだ可溶性の状態にとどまるのに十分なpHである、
約4.5〜7.0、好ましくは約5.0〜7.0、より好ましくは約
5.0〜5.75のpHを有する溶液中で、本発明の2価金属カ
チオンを使用するか、または二剤型の系では歯への適用
の直前にそれら特定のイオンを混合することにより達成
される。
混合物中のカルシウムイオン:リン酸イオンのモル比
が約0.01:1〜100:1の範囲内であれば、化学的に等しい
濃度は必要ない。このモル比は約0.2:1ないし5:1である
のが好ましく、各種の溶解性の低いリン酸カルシウム塩
のカルシウム:リン酸のモル比の範囲内である約1:1〜
1.67:1の比でるのが最も好ましい。
本発明の一部の態様(即ち、チューインガム以外の態
様)では、完全な水溶液が好ましいが、非水溶媒も水と
一緒に使用することができる。例えば、適当な非水溶媒
としては、エチルアルコール、グリセリンおよびプロピ
レングリコールが挙げられる。本発明に使用するのに適
した溶媒系は、本発明で用いる塩をどれも溶解すること
ができ、口内での使用に安全なものである。
歯への溶液の露出時間に関しては、この時間は、各イ
オンが鉱物質の脱落した表面下に拡散することができる
のに十分な長さとする必要がある。この拡散には少なく
とも約10秒が必要である。溶液は歯に約10秒ないし約15
分間適用することが好ましい。本発明のチューインガム
から塩が放出され、拡散するには少なくとも約1分が必
要である。チューインガムは約5〜15分またはそれ以上
噛むことが好ましい。溶液のpHは、これを口腔内に導入
した後も比較的一定のままである。状況によっては、リ
ン酸カルシウムはこのpHで容易に析出するが、最も驚く
べきことには、一部の析出がすぐに起こり、さらに少量
は歯に適用する前に析出しても、実質的により多量のカ
ルシウム、リン酸およびフッ素イオンが、上述した2価
金属カチオンの存在のため溶液状態にとどまり、歯の中
に拡散して鉱物質が脱落した歯のエナメル質を再石灰化
させることができる。この溶液の再石灰化用イオンの供
給能力は、その口腔内への最初の導入時に最大となり、
その後は低下するが、その低下速度は本発明の2価金属
カチオンを使用しない場合より遅くなる。
二部型の系を使用する場合、第1と第2の溶液または
成分を混合してから混合物を歯に適用するまでの時間の
間隔は1分を超えるべきではなく、好ましくは1分未満
である。歯磨き用ペースト、ゲルなどでは、再石灰化用
成分の混合はブラシング中に歯の表面で行われる。チュ
ーインガム等では、混合は噛んでいる間に歯の表面で行
われる。本発明のエッセンスは、成分の混合と得られた
溶液の素早くタイムリーな適用が起こるか、またはガム
を口内で噛んでいる時に水溶液を生じて混合と溶解が起
こり、溶液から歯の表面下のエナメル質中でリン酸カル
シウム、フッ化カルシウム、およびカルシウムフルオロ
アパタイトが析出することである。このような析出が起
こる前に、溶液を含む混合物を歯にすばやく適用する必
要がある。予想外なことに、溶液のpHが約4.5〜7.0、好
ましくは約5.0〜7.0、より好ましくは約5.0〜5.75であ
るとこの結果を得ることができる。既に述べたように、
約3より低pHでは鉱物質脱落が急速に起こる。2.5より
低pHは安全性の見地から一般に望ましくない。
次の実施例は本発明の例示である。本明細書の実施例
および他の個所で、部および%は特に指定のない限り重
量による。
実験 実施例1〜3 ウシのエナメル質断片(検体)の片面に、鉱物質脱落
作用のあるカルボポール(Carbopol)ゲルを用いて検体
を72時間処理することにより、深さ約50μmの人工ウ蝕
病変部を形成した。次いで、処置すべき歯の表面硬度を
測定した。
実験操作サイクルは、標準的な鉱物質脱落溶液中で30
分間の鉱物質脱落の後、製品1部をヒトの唾液2部で希
釈した試験製品による5分間の処置を行い、次いでヒト
の唾液中で60分間の再石灰化、からなるサイクルであっ
た。5サイクル目毎にくる夜間は、検体を唾液の層と共
に保持して保冷室内に保管した。この試験を3日間続け
て全部の15回の鉱物質脱落/処置/再石灰化サイクルを
行った。
処置サイクルでは、各実施例の再石灰化用試験物質の
2つの部分(2液)を別々に、唾液2部に対して製品1
部の割合で希釈し、エナメル質検体の浸漬直前に両者を
一緒に混合した。
二液型の口内再石灰化処置用の溶液を次のようにして
調製した。二液を混合した後に各組成物のpHは約5.5で
あった。
上の結果は、フッ化ナトリウムと塩化マグネシウムを
含有する実施例1および2が、塩化マグネシウムを含有
しない対照Aおよびクレスト(Crest)より著しく優れ
ていることを示す。モノフルオロリン酸ナトリウムと塩
化マグネシウムを含有する実施例3は、対照Aと同等
で、クレストより良好な成績を与えた。これは、モノフ
ルオロリン酸ナトリウムは一般にフッ化ナトリウムより
再石灰化の促進に対する効果が低いことを考慮すると、
予想外の結果である。
実施例4 下記の処方組成物を調製した。
試験1で実施例4の処方組成物を用いた処置時間を15
分とした以外は、実施例1〜3と応用の処置手順を実施
した。試験IIおよび対照試験IIIでは、その日の最初の
サイクルをクレストによる5分間の処置とし、2、3、
4および5サイクルはそれぞれ実施例4または対照Bの
処方組成物による15分間の処置とした。15分の処置時間
は、処置時間を15分に延長した場合に製品からこの処方
組成物が放出されたなら何が起こるかをためすために選
択した。3つの試験を、クレスト処置を5分ずつ一日に
5回適用する標準的なクレスト処置とも比較した。試験
は3日間にわたって全部で15サイクル行った。
試験I 実施例4を5サイクル/日 硬度増大:10.0 試験II 実施例4を4サイクル/日、クレストを1サイクル
/日 硬度増大:13 試験III 対照Bを4サイクル/日、クレストを1サイクル/
日 硬度増大:6.0 クレスト 5サイクル/日 硬度増大:16.0 上の結果は、フッ化物を含有しない再石灰化用処方組
成物が歯の再石灰化に有効であったことを示している。
試験Iは、クレストでの1:1処置基準ではやや有効性が
低かったことを示す。しかし、試験IIを対照試験IIIと
比較すると、クレストでの1:1処置基準でクレストより
効果が高かったことを示す。フッ化物を含有する歯磨き
と共に使用した場合、再石灰化処置は追加の再石灰化効
果を示した。これは、再石灰化用成分を含有するフッ化
物を含まない製品、例えば、ロジンジまたはキャンディ
ーを、1日に数回、例えば、食後に適用した場合の有効
な効果の可能性を示している。
実施例5〜7 実施例5〜7は、本発明の再石灰化用処方組成物の各
種の態様を例示する。二液型の再石灰化用口内洗浄液、
二剤型の再石灰化用練り歯磨き、および一剤型の練り歯
磨きを次のようにして調製した。
実施例8〜10 リン酸カルシウムの過飽和溶液の安定化におけるマグ
ネシウム、ストロンチウム、亜鉛および第一錫イオンの
有益な効果をさらに実証するために、次の実施例および
対照の組成物を調製した。
実施例8〜10および対照例Cにおいて、各例の2つの
部分A、Bを混合し、溶液が曇ってくるまでの時間を測
定したところ、次の結果になった。
上の結果は、本発明の三つの実施例は、2価金属塩を
含有しない対照例の製品より長時間安定であったことを
示している。従って、2価金属塩を添加すると、析出が
起こるまでの歯の内部への浸透時間をより長くすること
ができる。
実施例11および12ならびに対照例D 下記のモノフルオロリン酸塩含有例の組成物を調製し
た。
塩化マグネシウムと塩化第一錫は、MFPの存在下で
も、溶液が曇ってくるまでの時間がより長くなることで
示されるように、リン酸カルシウムの早期の析出から溶
液を安定化した。
実施例11および12ならびに対照例Dは、本発明の2価
金属がリン酸カルシウムの析出をいかにうまく遅らせる
かを示している。
実施例13〜15 好適な口内洗浄液および練り歯磨きの例を以下の実施
例13〜15に示す。
実施例16および17 実施例16および17は、水に加えて混ぜてから使用する
乾燥ミックス処方組成物を例示する。実施例17は気泡性
口内洗浄液として使用するための乾燥ミックス製品を示
す。
実施例18〜20 実施例18〜20は本発明の各種の態様を示す。実施例18
〜20はシュガーレス(実施例18および19)とシュガー含
有(実施例20)の両方のチューインガム製品を例示す
る。いずれも安定化剤として2価金属塩を含有する。
実施例21〜23 実施例21〜23は本発明のさらに別の態様を例示する。
実施例21は、カルシウム塩を親水性ポリマーで被覆
(マイクロカプセル化)し、2価金属塩安定化剤を使用
しない態様を例示する。
実施例22は、カルシウム塩を親水性ポリマーで被覆
し、2価金属塩安定化剤を使用した態様を例示する。
実施例23は、無水チューインガム製品に乾燥剤を使用
し、マイクロカプセル化または2価金属塩を使用しない
態様を示す。
実施例24および25 再石灰化の硬度を示すために、下記処方組成物を用い
て追加の試験を行った。これらの試験の試験要領は実施
例1〜4で実施した前の試験と同様であった。ただし、
実施例24および25では、各エナメル質断片の半分をテー
プで覆って、未処置の対照として利用した。
実施例24からの3個の検体と実施例25からの4個の検
体を、テープを横切るようにスライスして、ウ蝕病変部
の処置部分と未処置部分の両方を露出させた。各検体の
SEM顕微鏡写真を次いで調製した。
SEM顕微鏡写真を検査した結果、検査した7個の検体
のうちの6個で、検体の処置側の孔と裂溝の減少で示さ
れる再石灰化の存在が認められた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−53212(JP,A) 特開 昭51−91339(JP,A) 特開 昭49−94187(JP,A) 特開 昭58−149261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分を含有する、少なくとも1本の歯
    の少なくとも一か所の表面下に形成された1もしくは2
    以上の病変部の再石灰化ならびに/または露出したゾウ
    ゲ質の1もしくは2以上の細管の石灰化を行うための安
    定な一剤型の非水製品: (i)少なくとも一種の水溶性カルシウム塩を0.05〜1
    5.0重量%; (ii)カルシウム以外の2価金属の少なくとも1種の水
    溶性で無毒な塩を少なくとも0.001重量%; (iii)少なくとも1種の水溶性リン酸塩を0.05〜15.0
    重量%; (iv)7.5重量%までの乾燥剤および成分(i)ないし
    (iii)の少なくとも1種の粉末粒子に形成した、唾液
    中で容易に溶解、分解または乳化しうる被覆よりなる群
    から選ばれた安定化剤; ここで、成分(i)〜(iii)を水または唾液と一緒に
    混合した時に、pH5.0超〜7.0の混合水溶液が生成する。
  2. 【請求項2】下記成分を含有する、少なくとも1本の歯
    の少なくとも一か所の表面下に形成された1もしくは2
    以上の病変部の再石灰化ならびに/または露出したゾウ
    ゲ質の1もしくは2以上の細管の石灰化を行うための安
    定な一剤型の非水製品: (i)少なくとも1種の水溶性カルシウム塩を0.05〜1
    5.0重量%; (ii)カルシウム以外の2価金属の少なくとも1種の水
    溶性で無毒な塩を少なくとも0.001重量%; (iii)少なくとも1種の水溶性リン酸塩を0.05〜15.0
    重量%; (iv)少なくとも1種の水溶性フッ化物塩を5.0重量%
    以下; (v)7.5重量%までの乾燥剤および成分(i)ないし
    (iii)の少なくとも1種の粉末粒子に形成した、唾液
    中で容易に溶解、分解または乳化しうる被覆よりなる群
    から選ばれた安定化剤; ここで、成分(i)〜(iv)を水または唾液と一緒に混
    合した時に、pH5.0超〜7.0の混合水溶液が生成する。
  3. 【請求項3】下記を含む、少なくとも1本の歯の少なく
    とも一か所の表面下に形成された1もしくは2以上の病
    変部の再石灰化ならびに/または少なくとも1本の歯の
    露出したゾウゲ質の1もしくは2以上の細管の石灰化を
    行うための安定な二剤型の水系製品: (1)少なくとも1種の水溶性カルシウム塩を0.05〜1
    5.0重量%と、カルシウム塩以外の少なくとも1種の水
    溶性で無毒な2価金属塩を0.001重量%以上含有する別
    個の第1部分; (2)少なくとも1種の水溶性リン酸塩を0.05〜15.0重
    量%含有する別個の第2部分;ならびに (3)第1部分と第2部分を同時に分配するための分配
    手段;ここで、第1部分と第2部分を混合して混合水溶
    液を形成した時に、溶液のpHは5.0超〜7.0となる。
  4. 【請求項4】第2部分が少なくとも1種の水溶性フッ化
    物塩を5.0重量%以下をさらに含む、請求の範囲第3項
    記載の製品。
  5. 【請求項5】第1および第2部分と分配手段が、下記
    (i)〜(iii)を備えた分配容器内に配置されている
    請求の範囲第3項または第4項記載の製品: (i)第1部分を収容する、第1の出口を備えた第1区
    画室および第2部分を収容する、第2の出口を備えた第
    2区画室、ここで第1出口と第2出口は互いに近接して
    配置され、 (ii)第1および第2区画室を閉鎖する閉鎖機構;およ
    び (iii)第1および第2部分をそれぞれ第1および第2
    出口から同時に分配するための分配機構。
  6. 【請求項6】第1部分が少なくとも1種のカルシウム塩
    により放出されたカルシウムイオン100〜35,000ppmと少
    なくとも1種の該2価金属塩により放出された2価金属
    イオン10〜20,000ppmとを含有し、第2部分が少なくと
    も1種のリン酸塩により放出されたリン酸イオン250〜4
    0,000ppmと少なくとも1種のフッ化物塩により放出され
    たフッ素イオン20〜5000ppmを含有する、請求の範囲第
    4項または第5項記載の製品。
  7. 【請求項7】第1および第2部分がそれぞれ独立して、
    歯磨き、ゲル、専門家用ゲル、歯科用クリーム、口内洗
    浄剤、およびうがい液よりなる群から選ばれる、請求の
    範囲第3項ないし第6項のいずれかに記載の製品。
  8. 【請求項8】下記成分を含有する、口腔内の少なくとも
    1本の歯の少なくとも一か所の表面下に形成された1も
    しくは2以上の病変部の再石灰化ならびに/または少な
    くとも1本の歯の露出したゾウゲ質の1もしくは2以上
    の細管の石灰化を行うためのチューインガム製品: (a)少なくとも1種の水溶性カルシウム塩を0.05〜1
    5.0重量%; (b)カルシウム塩以外の少なくとも1種の水溶性で無
    毒な2価金属塩を少なくとも0.001重量%; (c)少なくとも1種の水溶性リン酸塩を0.05〜15.0重
    量%;ならびに (d)ガム基材を10.0〜95.0重量%; ここで、成分(a)〜(d)を唾液または水と一緒に噛
    んで混合水溶液を形成すると、水溶液のpHは5.0超〜7.0
    になる。
  9. 【請求項9】さらに少なくとも1種のフッ化物塩が0.00
    01〜0.5重量%の範囲内の量で存在する、請求の範囲第
    8項記載の製品。
  10. 【請求項10】混合水溶液が、少なくとも1種のカルシ
    ウム塩により放出されたカルシウムイオン100〜35,000p
    pm、少なくとも1種のリン酸塩により放出されたリン酸
    イオン100〜40,000ppm、少なくとも1種の該2価金属塩
    により放出された2価金属イオン10〜20,000ppm、およ
    び少なくとも1種のフッ化物塩により放出されたフッ素
    イオン20〜5000ppmから本質的になる、請求の範囲第9
    項記載の製品。
  11. 【請求項11】さらに、(e)7.5重量%までの乾燥剤
    および成分(a)ないし(c)の少なくとも1種の粉末
    粒子に形成した唾液中で容易に溶解、分散または乳化し
    うる被覆よりなる群から選ばれた安定化剤を含有する、
    請求の範囲第8項ないし第10項のいずれかに記載の製
    品。
  12. 【請求項12】水溶液のpHが5.0超〜5.75である、請求
    の範囲第11項記載の製品。
  13. 【請求項13】2価金属がマグネシウム、ストロンチウ
    ム、錫、および亜鉛よりなる群から選ばれる、請求の範
    囲第1項ないし第12項のいずれかに記載の製品。
  14. 【請求項14】2価金属塩が、塩化マグネシウム、酢酸
    マグネシウム、酸化マグネシウム、酢酸ストロンチウ
    ム、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、塩化第
    一錫、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、およ
    びこれらの混合物よりなる群から選ばれる、請求の範囲
    第1項ないし第13項のいずれかに記載の製品。
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