JP3527298B2 - 建造物用下地構造 - Google Patents

建造物用下地構造

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JP3527298B2
JP3527298B2 JP29638894A JP29638894A JP3527298B2 JP 3527298 B2 JP3527298 B2 JP 3527298B2 JP 29638894 A JP29638894 A JP 29638894A JP 29638894 A JP29638894 A JP 29638894A JP 3527298 B2 JP3527298 B2 JP 3527298B2
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隆夫 佐藤
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株式会社佐藤型鋼製作所
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  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)
  • Floor Finish (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0002】
【産業上の利用分野】
【0003】本願発明は、建造物用下地構造に関し、さ
らに詳しくは建造物における床用、壁用あるいは天井用
の下地構造に関するものである。
【従来の技術】
【0004】例えば、建造物の床用下地構造としては、
日本工業規格JISA6519体育館用鋼製床下地材を
用いたものがある。また、コンピュータルーム等のOA
フロア用として開発された特殊構造の床下地材も知られ
ている。さらに、建築物(特に、一般住宅用)の床下地
構造としては、床下スラブ上に木製の大引を配置し、該
大引上に交叉して木製の根太を配置し、その上に床材を
配置するようにしたものがあり、この場合、シロアリ対
策として木製の大引および根太にシロアリ駆除用の薬品
を染み込ませて使用する場合が多い。
【0005】ところで、近年、建築物(特に、高層建築
物)における各階の高さを低くすることにより、有効階
層数を多くする試みがなされてきており、そのために
は、床下地構造の低床化が求められている。
【0006】ところが、上記した体育館用鋼製床下地材
を用いた床下地構造の場合、体育館用に限定されている
ため構造上から低床化が困難であるばかりでなく、汎用
性に欠けるとともに高コストであるため一般に普及しに
くいという問題がある。
【0007】また、OAフロア用のものは、床下スラブ
と床材との間に複雑な構造を有する多くの支持部材を介
設することとされており、各支持部材と床材との結合部
は、床材下面に特殊な加工を施して支持部材の上端を嵌
め込む構造とされるところから、構造の複雑化を余儀な
くされるとともに、部品点数および加工工数も多くな
り、コストアップをまぬがれないという問題がある。ま
た、各支持部材の高さ調整に多くの手間がかかるところ
から作業性も悪くなる。しかも、OAフロア専用である
ため汎用性に欠け、一般に普及しにくいという問題もあ
る。
【0008】さらに、木製の大引と根太との組み合わせ
による床下地構造を構成する場合、床下地構造の低床化
に限界があるとともに、構成自体が複雑となり、組立作
業も複雑とならざるを得ないという問題がある。しか
も、使用木材に薬品を染み込ませるだけでは、シロアリ
対策としては完全ではないという不具合も存する。
【0009】なお、一般住宅において、金属製の床下地
材が使用されていなかった大きな理由の一つに、構造お
よび施行方法等が複雑なため大工が使用を好まないこと
が挙げられる。
【0010】建造物におけるふかし壁用の下地構造とし
ては、(1)壁用スラブに沿って上下に配置した一対の
ランナーに天井等に使用されるWバー等を所定間隔で嵌
め込み、各ダブルバーの中間部分を止め金具等を使用し
てノリ付けあるいはビス止めにて固定するもの、(2)
ランナーを使用せず、壁用スラブにWバーを固定するた
めの複数の固定装置を所定位置に点配置し、直線上に並
ぶ固定装置に対してWバーを嵌め込んで固定するもの、
(3)従来型鋼製角型柱を上下ランナーに嵌め込み、そ
の中間部分に対応する壁用スラブに特殊構造のレールを
直交に固定し、該レールに嵌め込まれた特殊クリップと
従来型鋼製角型柱をビス止め結合するもの、(4)壁用
スラブにノリを貼り付け、これに上貼りボードを直貼り
するもの(一般に、GL工法と呼ばれている)がある。
【0011】ところが、上記した従来のふかし壁用下地
構造の場合、(1)〜(3)の従来技術のいずれも施工
作業に多くの時間と労力がかかるとともに、種々の部品
を組み合わせなければならないところからコストアップ
を免れ難いという問題がある。しかも、ふかし壁用の下
地構造においては、壁用スラブからのふかし幅(即ち、
壁用スラブと上貼りボードとの間隔)をできるだけ小さ
くするのが望ましいにもかかわらず、これらの従来技術
では構造的に限界があるという問題もある。また、上記
(4)の従来技術では、ふかし幅は小さくできるもの
の、ノリを使用しているため、乾燥時間を長くとらない
と、上貼りボード表面にカビが生じるという問題がある
とともに、壁面の水平を出すには熟練を要するという問
題もある。
【0012】建造物における天井用の下地構造として
は、(1)天井用スラブに既設されたインサートに吊ボ
ルトをねじ込み、該吊ボルトの下端にハンガーを固定
し、該ハンガーに野縁受け(即ち、チャンネル)を嵌合
し、該野縁受けに対して格子状にシングルあるいはダブ
ル野縁をクリップにて固定するもの、(2)天井用スラ
ブの両端部に配置した一対のランナーに対して従来型鋼
製角型柱を所定間隔で嵌め込むもの等がある。
【0013】ところが、上記した従来の天井用下地構造
の場合、(1)の従来技術では、組付工程が極めて複雑
で、部品の種類も多くならざるを得ず、施工に多くの手
間を要するとともに、施工にはかなりの熟練を要すると
いう問題がある。また、最近のマンション工事等ではで
きるだけ部屋面積を多くするためにふところの浅い天井
が要求されるが、(1)の従来技術では、構造的に限界
があってふところを浅くできないという問題もある。ま
た、(2)の従来技術では、中間部分に固定手段がない
ため、天井の幅の狭いもの(例えば、約1.5m以内の
もの)には適用できるものの、天井の幅が広くなると、
中間部分が下方にだれるおそれがあり、適用が難しいと
いう問題がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0014】上記のような事情から、内装材とスラブと
の間に、固定ピンによりスラブに対して固定された金属
製の下地材を所定間隔をおいて平行状態で介設すること
により構成される建造物用下地構造への期待が高まって
いる。
【0015】この建造物用下地構造は、極めて構造が簡
単で、特別な技術を要することなく低コストで工事でき
るものであるが、スラブの表面を平坦となすのが技術的
に難しいところから、下地材とスラブとの間に生ずる隙
間を埋めるとともに、下地材の水平調整あるいは鉛直調
整を行う部材が必要となる。
【0016】上記した水平あるいは鉛直調整部材として
厚さの異なる複数枚の板材を用意しておき、これらの組
み合わせにより水平調整あるいは鉛直調整を行うことが
考えられるが、予め厚さの異なる板材を多く用意しなけ
ればならず、部品点数の増加を招くとともに、現場にお
いて板材の組み合わせを決めなければならず、作業性が
悪くなるという不具合がある。
【0017】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、床用、壁用あるいは天井用としての建造物用下地
構造において、下地材の水平調整あるいは鉛直調整を、
少ない部品点数で、極めて容易且つ作業性よく実施でき
るようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】本願発明の第1の基本構成では、上記課題
を解決するための手段として、内装材1とスラブ2(床
用、壁用あるいは天井用スラブ)との間に、固定ピン8
により前記スラブ2に対して固定された金属製の下地材
3を所定間隔をおいて平行状態で介設してなり、前記ス
ラブ2と下地材3との間に、前記固定ピン8により共縫
いされ且つ前記下地材3の長手方向に対して直交するテ
ーパ面11a,12aで互いに当接され、それぞれの反
テーパ面側が互いに平行な平行面11b,12bとされ
ている楔状の一対の調整ピース11,12をスライド可
能に介設してなる建造物用下地構造において、前記両調
整ピース11,12におけるテーパ面11a,12a
に、スライド方向に延び且つ互いにスライド自在に嵌合
し合う凸条15および凹溝16をそれぞれ形成するとと
もに、前記両調整ピース11,12のうち前記下地材3
側に位置する調整ピース11におけるスライド方向先端
部に、スライド方向と直交するように部分的に切除して
なるマーク基準端17と、該マーク基準端17より突出
し且つ前記両調整ピース11,12を結合する位置決め
用止着子19の止着部となる位置決め用突部18とを形
成している。
【0019】本願発明の第2の基本構成では、上記課題
を解決するための手段として、内装材1とスラブ2(床
用、壁用あるいは天井用スラブ)との間に、固定ピン8
により前記スラブ2に対して固定された金属製の下地材
3を所定間隔をおいて平行状態で介設してなり、前記ス
ラブ2と下地材3との間に、前記固定ピン8により共縫
いされ且つ前記下地材3の長手方向に対して直交するテ
ーパ面11a,12aで互いに当接され、それぞれの反
テーパ面側が互いに平行な平行面11b,12bとされ
ている楔状の一対の調整ピース11,12をスライド可
能に介設してなる建造物用下地構造において、前記両調
整ピース11,12におけるテーパ面11a,12a
に、スライド方向に延び且つ互いにスライド自在に嵌合
し合う凸条15および凹溝16をそれぞれ形成するとと
もに、前記両調整ピース11,12の裏面側に、それら
の中央部を刳り貫いてなる凹部34,30をそれぞれ形
成している。
【0020】本願発明の第1の基本構成においては、次
のような好ましい実施の態様がある。
【0021】即ち、前記両調整ピース11,12の裏面
側に、それらの中央部を刳り貫いてなる凹部34,30
をそれぞれ形成すれば、固定ピン8の打ち込み時に生ず
るおそれのある調整ピース11,12の割れが防止でき
る点で好ましい。
【0022】また、本願発明の第1および第2の基本構
成においては、次のような好ましい実施の態様がある。
【0023】即ち、前記下地材3を、中空な金属製四角
筒となすとともに、その内装材1側の端面3aに、作業
用穴として利用される複数の切欠穴7を前記固定ピン8
の固定位置に対応して形成するのが軽量且つ堅牢で作業
性に優れた低コストな下地構造が得られる点で好まし
い。
【0024】また、前記下地材3を、スラブ2側が開放
され、内装材1側よりスラブ2側の幅を幅狭となしたコ
字状断面形状を有し且つスラブ2側の両端部に長手方向
に連続する固定ピン取付用のフランジ部25,25を有
する金属製部材となすのが調整ピース11,12のスラ
イド方向長さを長くしなくともスライド調整量を確保で
きる点と、軽量且つ堅牢で作業性に優れた低コストな下
地構造が得られる点とで好ましい。
【0025】また、前記下地材3を、スラブ2側の端面
3bに長手方向に連続する開口26を有する金属製四角
筒となすとともに、前記開口26の長手方向口縁に跨が
って固定ピン取付用の取付板27を所定間隔で配設し且
つ前記下地材3の内装材1側の端面3aに、作業用穴と
して利用される複数の切欠穴7を前記取付板27に対応
して形成するのが軽量且つ堅牢で作業性に優れた低コス
トな下地構造が得られる点で好ましい。
【作用】
【0026】本願発明の第1の基本構成では、上記手段
によって次のような作用が得られる。
【0027】即ち、スラブ2上に下地材3を配置した状
態で、下地材3とスラブ2との間の隙間に調整ピース1
1,12を配設し、両調整ピース11,12をテーパ面
11a,12aに沿ってスライドさせれば、両者の当接
状態(即ち、互いのテーパ面11a,12aの重合度)
に応じて隙間の微調整(即ち、下地材3の水平調整ある
いは鉛直調整)が容易に行える。この際、両調整ピース
11,12は凸条15と凹溝16との嵌合スライド作用
によりスライド方向以外へのズレが防止され、円滑なス
ライド調整が行える。また、調整ピース11,12によ
る水平調整あるいは鉛直調整後であって固定ピン8によ
る共縫い前においてマーク基準端17に基づいてスラブ
2側に位置する調整ピース12な位置決め基準マークを
記し、その後位置決め基準マークとマーク基準端17と
を合わせた状態で位置決め用突部18から位置決め用止
着子19により両調整ピース11,12を結合すること
により、両調整ピース11,12の位置決めが容易に行
える。
【0028】本願発明の第2の基本構成では、上記手段
によって次のような作用が得られる。
【0029】即ち、スラブ2上に下地材3を配置した状
態で、下地材3とスラブ2との間の隙間に調整ピース1
1,12を配設し、両調整ピース11,12をテーパ面
11a,12aに沿ってスライドさせれば、両者の当接
状態(即ち、互いのテーパ面11a,12aの重合度)
に応じて隙間の微調整(即ち、下地材3の水平調整ある
いは鉛直調整)が容易に行える。この際、両調整ピース
11,12は凸条15と凹溝16との嵌合スライド作用
によりスライド方向以外へのズレが防止され、円滑なス
ライド調整が行える。また、両調整ピース11,12の
裏面側に、それらの中央部を刳り貫いてなる凹部34,
30をそれぞれ形成したことにより、固定ピン8の打ち
込み時の衝撃力により生ずるおそれのある調整ピース1
1,12の割れが防止できる。
【0030】本願発明の好ましい実施の態様では、次の
ような作用が得られる。
【0031】本願発明の第1の基本構成において、前記
両調整ピース11,12の裏面側に、それらの中央部を
刳り貫いてなる凹部34,30をそれぞれ形成した場
合、固定ピン8の打ち込み時の衝撃力により生ずるおそ
れのある調整ピース11,12の割れが防止できる。
【0032】本願発明の第1および第2の基本構成にお
いて、前記下地材3を、中空な金属製四角筒となすとと
もに、その内装材1側の端面3aに、作業用穴として利
用される複数の切欠穴7を前記固定ピン8の固定位置に
対応して形成した場合、切欠穴7を作業穴として利用し
て該切欠穴7と対応する位置において固定ピン8を介し
て下地材3とスラブ2とを結合するという極めて簡単な
構成および作業により堅牢な下地構造が得られることと
なる。
【0033】また、前記下地材3を、スラブ2側が開放
され、内装材1側よりスラブ2側の幅を幅狭となしたコ
字状断面形状を有し且つスラブ2側の両端部に長手方向
に連続する固定ピン取付用のフランジ25,25部を有
する金属製部材となした場合、下地材3のスラブ2側の
幅が狭くなっているため調整ピース11,12のスライ
ド方向長さを長くしなくとも調整スライド量(換言すれ
ば、高さ調整量)を確保できるとともに、フランジ部2
5,25への固定ピン8の打ち込みにより下地材3の固
定が容易に得られ、極めて簡単な構成および作業により
堅牢な下地構造が得られることとなる。
【0034】また、前記下地材3を、スラブ2側の端面
3bに長手方向に連続する開口26を有する金属製四角
筒となすとともに、前記開口26の長手方向口縁に跨が
って固定ピン取付用の取付板27を所定間隔で配設し且
つ前記下地材3の内装材1側の端面3aに、作業用穴と
して利用される複数の切欠穴7を前記取付板27に対応
して形成した場合、切欠穴7を作業穴として利用して該
切欠穴7と対応する位置において取付板27を介して固
定ピン8により下地材3とスラブ2とを結合するという
極めて簡単な構成および作業により堅牢な下地構造が得
られることとなる。
【発明の効果】
【0035】本願発明の第1の基本構成によれば、内装
材1とスラブ2(床用、壁用あるいは天井用スラブ)と
の間に、固定ピン8により前記スラブ2に対して固定さ
れた金属製の下地材3を所定間隔をおいて平行状態で介
設してなり、前記スラブ2と下地材3との間に、前記固
定ピン8により共縫いされ且つ前記下地材3の長手方向
に対して直交するテーパ面11a,12aで互いに当接
され、それぞれの反テーパ面側が互いに平行な平行面1
1b,12bとされている楔状の一対の調整ピース1
1,12をスライド可能に介設してなる建造物用下地構
造において、前記両調整ピース11,12におけるテー
パ面11a,12aに、スライド方向に延び且つ互いに
スライド自在に嵌合し合う凸条15および凹溝16をそ
れぞれ形成するとともに、前記両調整ピース11,12
のうち前記下地材3側に位置する調整ピース11におけ
るスライド方向先端部に、スライド方向と直交するよう
に部分的に切除してなるマーク基準端17と、該マーク
基準端17より突出し且つ前記両調整ピース11,12
を結合する位置決め用止着子19の止着部となる位置決
め用突部18とを形成しているので、凸条15と凹溝1
6との嵌合スライド作用を利用しつつ両調整ピース1
1,12をテーパ面11a,12aに沿ってスライドさ
せることにより、両者の当接状態(即ち、互いのテーパ
面11a,12aの重合度)に応じて隙間の微調整(即
ち、下地材3の水平調整あるいは鉛直調整)が容易に行
えることとなり、両調整ピース11,12のスライド方
向以外へのズレを防止しつつ、円滑なスライド調整が行
えるという優れた効果がある。
【0036】また、一対の調整ピース11,12のみで
の調整が可能なので、従来技術に比べて部品点数が少な
くて済み、施工に要する作業時間およびコストを大幅に
低減できるという効果もある。
【0037】さらに、床用、ふかし壁用あるいは天井用
として用いた場合、床下高さ、ふかし幅あるいはふとこ
ろの深さに対応して、一対の調整ピース11,12の最
高高さの異なる複数種のものを製作しておけば、施工現
場の状況に合わせた施工が容易に実施できるという効果
もある。
【0038】さらにまた、調整ピース11,12による
水平調整あるいは鉛直調整後であって固定ピン8による
共縫い前においてマーク基準端17に基づいてスラブ2
側に位置する調整ピース12な位置決め基準マークを記
し、その後位置決め基準マークとマーク基準端17とを
合わせた状態で位置決め用突部18から位置決め用止着
子19により両調整ピース11,12を結合することに
より、両調整ピース11,12の位置決めが容易に行え
るという効果もある。
【0039】本願発明の第2の基本構成によれば、内装
材1とスラブ2(床用、壁用あるいは天井用スラブ)と
の間に、固定ピン8により前記スラブ2に対して固定さ
れた金属製の下地材3を所定間隔をおいて平行状態で介
設してなり、前記スラブ2と下地材3との間に、前記固
定ピン8により共縫いされ且つ前記下地材3の長手方向
に対して直交するテーパ面11a,12aで互いに当接
され、それぞれの反テーパ面側が互いに平行な平行面1
1b,12bとされている楔状の一対の調整ピース1
1,12をスライド可能に介設してなる建造物用下地構
造において、前記両調整ピース11,12におけるテー
パ面11a,12aに、スライド方向に延び且つ互いに
スライド自在に嵌合し合う凸条15および凹溝16をそ
れぞれ形成するとともに、前記両調整ピース11,12
の裏面側に、それらの中央部を刳り貫いてなる凹部3
4,30をそれぞれ形成しているので、凸条15と凹溝
16との嵌合スライド作用を利用しつつ両調整ピース1
1,12をテーパ面11a,12aに沿ってスラ イドさ
せることにより、両者の当接状態(即ち、互いのテーパ
面11a,12aの重合度)に応じて隙間の微調整(即
ち、下地材3の水平調整あるいは鉛直調整)が容易に行
えることとなり、両調整ピース11,12のスライド方
向以外へのズレを防止しつつ、円滑なスライド調整が行
えるという優れた効果がある。
【0040】また、一対の調整ピース11,12のみで
の調整が可能なので、従来技術に比べて部品点数が少な
くて済み、施工に要する作業時間およびコストを大幅に
低減できるという効果もある。
【0041】さらに、床用、ふかし壁用あるいは天井用
として用いた場合、床下高さ、ふかし幅あるいはふとこ
ろの深さに対応して、一対の調整ピース11,12の最
高高さの異なる複数種のものを製作しておけば、施工現
場の状況に合わせた施工が容易に実施できるという効果
もある。
【0042】さらにまた、両調整ピース11,12の裏
面側に、それらの中央部を刳り貫いてなる凹部34,3
0をそれぞれ形成したことにより、固定ピン8の打ち込
み時の衝撃力により生ずるおそれのある調整ピース1
1,12の割れが防止できるという効果もある。
【実施例】
【0043】以下、添付の図面を参照して、本願発明の
幾つかの好適な実施例を説明する。
【0044】実施例1 図1ないし図8には、本願発明の実施例1にかかる建造
物用下地構造が示されている。
【0045】本実施例の建造物用下地構造は、床用の下
地構造であり、図1および図2に示すように、内装材
(以下、本実施例では床材という)1とコンクリート製
の床用のスラブ2との間に中空な金属製四角筒からなる
下地材3を所定間隔をおいて横置き平行状態で介設する
ことにより構成されている。
【0046】前記下地材3は、所定幅に切断された金属
板をその両端がコーナの一点において接するように四角
筒状に折曲して構成されており、前記金属板の一方の端
部には、下地材3の内側に折曲され、さらにその先端部
を外側に向かって折曲されてなる逆J字状折曲部5が設
けられ、前記金属板の他方の端部には、内側に逆U字状
に折曲されてなる逆U字状折曲部6が設けられ、両者を
連続して嵌合圧着せしめて上下方向に連続するコーナ型
接続部4として成形されている。そして、この下地材3
は、コーナ型接続部4が上に位置するように配置され、
床材1側端面(以下、本実施例では上面という)3aが
床材1の貼付面とされ、スラブ2側端面(以下、本実施
例では下面という)3bが後述する調整ピース11,1
2を介してスラブ2との結合面とされることとなってい
る。このように構成すると、薄肉の金属板により下地材
3が構成できるところから、軽量且つ堅牢で低コストな
床下地構造が得られとともに、下地材3とスラブ2との
結合時の衝撃がコーナ型接続部4に影響しにくくなる。
【0047】前記下地材3の上面3aには、複数の切欠
穴7が長手方向に所定間隔をおいて形成されている。該
切欠穴7は、下地材3とスラブ2との結合時に固定ピン
(本実施例の場合、コンクリートピン8)を打ち込むた
めのクギ打ち銃を挿入するための作業用穴として利用さ
れるものであり、クギ打ち銃が挿入できる程度の開口面
積があればよく、その形状は、図示の矩形状の他、適宜
なものを選択できる。なお、下地材3の両端において
は、当該部分での端面開口9が作業用穴として利用され
る。
【0048】前記下地材3における下面3bと前記スラ
ブ2とは、前記端面開口9の口縁部および前記各切欠穴
7の下方部において複数(本実施例では、下地材3の長
手方向と直交する方向に並ぶ2本)のコンクリートピン
8,8を介して結合されるが、該各コンクリートピン8
の頭部8aと下地材3の下面3bとの間には、コンクリ
ートピン8,8に共用の金属製押さえ板13および硬質
合成ゴム製の緩衝板14が介設されている。該金属製押
さえ板13は、下地材下面3bの横幅とほぼ同一の横幅
を有しており、コンクリートピン8の打ち込み時におい
て、コンクリートピン8の頭部8aを受け止める作用
と、下地材下面3bを押さえ付ける作用とをなし、下地
材3とスラブ2との結合度強化に寄与する。また、緩衝
板14は、金属同士の接触により生ずるおそれのある床
軋みの発生を防止する作用を有する。
【0049】また、本実施例においては、前記下地材3
の両側面3c,3dには、縦方向に延びる複数のビード
10,10・・が長手方向に所定間隔で形成されてい
る。該ビード10,10・・は、下地材両側面3c,3
dの一部を内側に凹まされてなる縦長凹条により構成さ
れている。このように構成したことにより、下地材3の
耐荷重性が向上することとなり、同一荷重に耐えるもの
では薄肉化が図れ、同一肉厚のものでは上下方向荷重に
耐える力が増大するためコストの低減につながる。な
お、下地材3の剛性が十分得られる場合には、前記ビー
ド10を形成する必要はない。
【0050】前記下地材3の下面3bと前記スラブ2と
の間には、前記コンクリートピン8によって共縫いされ
且つ互いにテーパ面11a,12aで相接する上下一対
の調整ピース11,12がスライド自在に介設されてい
る。該調整ピース11,12は、テーパ面11a,12
aで互いに当接され、それぞれの反テーパ面側が互いに
平行な平行面11b,12bとされている楔形状を有し
ており、スラブ2側に位置する下部調整ピース12は、
スラブ2に対して予めノリ付けするのが好ましい。ま
た、調整ピース11,12の材質は、両者のテーパ面1
1a,12aでの摺接抵抗を少なくし得る点から硬質低
発泡合成樹脂板とするのが望ましい。この調整ピース1
1,12は、テーパ面11a,12aを互いに接した状
態でのスライド重合度によりスラブ2と下地材3との隙
間を埋めて下地材3の水平調整を行う作用をなす。
【0051】そして、前記調整ピース11,12のスラ
イド方向両側端部には、スライド方向に延び且つ互いに
スライド自在に嵌合し合う凸条15,15および凹溝1
6,16がそれぞれ形成されている(図3参照)。さら
に、本実施例の場合、両調整ピース11,12のスライ
ド方向長さは同一とされており、前記上部調整ピース1
1のスライド方向先端部には、スライド方向両側端部を
スライド方向と直交するように部分的に切除してなるマ
ーク基準端17,17と該マーク基準端17,17より
突出する位置決め用突部18とが形成されている。な
お、前記各凸条15のスライド方向後端部は、水平に切
除してなる水平部15aとされており、これにより、上
部調整ピース11のスライド初期において凸条15とス
ラブ2との接触が回避されることとなっている。
【0052】前記マーク基準端17,17は、上下調整
ピース11,12による水平調整時において上下両調整
ピース11,12の位置合わせが完了した際に下部調整
ピース12上に位置決め基準マークを施す基準となるも
のである。一方、前記位置決め用突部18は、両調整ピ
ース11,12の位置決め後に該位置決め用突部18か
ら位置決め用止着子であるビス19をねじ込んで両調整
ピース11,12を結合するためのものである。
【0053】前記上部調整ピース11の裏面には、図4
に示すように、外周部を残して(換言すれば、外周部を
平行面12bとして)中央部を矩形状にくり抜くことに
より形成された凹部34が形成されている。なお、本実
施例の場合、前記凹部34における位置決め用突部18
側は開放されている。
【0054】一方、前記下部調整ピース12の裏面に
は、図5に示すように、外周部を残して(換言すれば、
外周部を平行面12bとして)中央部を矩形状にくり抜
くことにより形成された凹部30が形成されている。該
凹部30の存在によりスラブ2の表面が平坦でない場合
にも平行面12bによる当接状態を良好に確保できるこ
ととなっている。また、前記両調整ピース11,12の
裏面に形成された凹部34,30により肉厚の平均化が
得られることとなり、コンクリートピン8の打ち込み時
のひび割れが防止できる。
【0055】さらに、前記下部調整ピース12における
スライド方向両端の中央部には、下部調整ピース12の
センターを出すためのセンター位置決め31,32が設
けられている。符号33は前記凹部30からの空気を抜
くための空気抜き溝である。
【0056】上記のように構成したことにより、上下調
整ピース11,12を互いにスライドさせる際におい
て、凸条15,15と凹溝16,16との嵌合スライド
によりスライド方向と直交する方向への位置ずれが防止
でき、上下調整ピース11,12による下地材3の水平
調整が円滑且つ迅速に行えるとともに、前記マーク基準
端17,17による位置決めおよび位置決め用突部18
による上下調整ピース11,12の位置決め結合により
下地材3の水平調整が極めて容易となる。
【0057】次に、本実施例にかかる下地構造の組立手
順を説明する。
【0058】まず、スラブ2の上に複数の下地材3を所
定間隔で平行に配置して、端面開口9および切欠穴7か
ら釘打ち銃を用いてコンクリートピン8により下地材3
をスラブ2上に固定するのであるが、その際、下地材3
は、上下調整ピース11,12を用いて、以下の手順に
より予め水平調整される。
【0059】上記水平調整は、図6に示す手順で行われ
る。
【0060】まず、図6(イ)に示すように、下地材3
における端面開口9,9の近傍および切欠穴7の下方と
スラブ2との間に下部調整ピース12,12・・を予め
ノリ付けあるいは接着等により固定し、該下地材3の両
端に位置する各下部調整ピース12の凹溝16,16に
対して上部調整ピース11の凸条15,15を嵌合させ
つつ、上部調整ピース11をスライドさせて、下地材3
とスラブ2との間の隙間を埋めるとともに下地材3の水
平調整を行う。そして、下地材3の水平調整が終わる
と、各上部調整ピース11のマーク基準端17,17を
基準として下部調整ピース12のテーパ面12aに位置
決め基準マークを記す。この時、金属製押さえ板13お
よび緩衝板14はセットとして定められた個所にノリ付
けあるいは接着等により固定される。
【0061】ついで、図6(ロ)に示すように、下地材
3の両端に位置する上下調整ピース11,12を、前記
マーク基準端17,17と位置決め基準マークとを位置
合わせしつつ、位置決め用突部18からねじ込まれたビ
ス19により結合し、その後端面開口9から釘打ち銃を
用いてコンクリートピン8を金属製押さえ板13上から
打ち込んで、下地材3を調整ピース11,12とともに
スラブ2上に共縫い結合する。この時、上下両調整ピー
ス11,12がビス19により結合されているため、釘
打ち銃による衝撃が加わっても、両調整ピース11,1
2はスライド方向に位置ズレすることはなく、水平調整
に狂いが生じない。
【0062】上記のようにして、下地材3の水平調整が
できると、図6(ハ)に示すように、下地材3における
切欠穴7の下方部と下部調整ピース12,12・・との
間にできる各隙間を埋めるように、各下部調整ピース1
2の凹溝16,16に凸条15,15を嵌合させつつ上
部調整ピース11をスライドさせて、マーク基準端1
7,17による位置決め基準マーク記入を行う。
【0063】ついで、図6(ニ)に示すように、切欠穴
7の下方に位置する上下調整ピース11,12を前述し
たと同様にして位置決め結合し、その後切欠穴7からク
ギ打ち銃を用いてコンクリートピン8を前記金属製押さ
え板10上から打ち込んで下地材3を上下調整ピース1
1,12とともにスラブ2上に共縫い結合する。
【0064】上記手順において、コンクリートピン8の
頭部8aに加わる打撃力により金属製押さえ板13が下
地材3の下面3bを押さえ込むとともに、緩衝板14に
圧縮力が作用するが、結合後において緩衝板14からの
反力がコンクリートピン頭部8aに作用することとな
り、コンクリートピン8による結合力が増大されること
となる。しかも、本実施例の場合、上下調整ピース1
1,12のスライド方向両側端部に凸条15,15およ
び凹条16,16を形成するとともに、凹部34,30
の形成によって肉厚の平均化が得られるようにしている
ため、コンクリートピン8の打ち込み時における衝撃力
により上部調整ピース11にひび割れ等が生じることは
ない。
【0065】前記上下調整ピース11,12による高さ
調整範囲は、図7(イ)に示すように両調整ピース1
1,12がスライド方向全長に亙って重合した状態(即
ち、位置決め用突部18の先端が下部調整ピース12の
スライド方向端部と一致した状態)の高さTmaxと、
図7(ロ)に示すように上部調整ピース11におけるマ
ーク基準端17が下地材3の側面3dと一致した状態の
高さTminとの範囲とされる。
【0066】なお、図8に示すように、下地材3として
高さHの低いものが使用された場合には、端面開口9か
らの釘打ち銃の挿入が困難なため、下地材3の床材側端
面(即ち、上面3a)の長手方向端部に作業用の穴とし
て端部が開放した切欠穴7を形成しておき、該切欠穴7
からの釘打ち銃の挿入によりコンクリートピン8の打ち
込みを行えばよい。
【0067】上記したように、本実施例の下地構造で
は、一対の調整ピース11,12の重合度により、下地
材3の水平調整が極めて容易に得られ、しかも凸条15
と凹溝16との嵌合スライド作用によりスライド操作時
の位置ズレ防止も行えるため、極めて少ない部品点数
で、容易かつ迅速な水平調整が達成できるのである。
【0068】また、上記のようにして得られた下地構造
は、極めて簡単な構成および作業により完成できるとと
もに、堅牢且つ低コストなものとなる。しかも特殊な技
術を有しない作業者(例えば、大工)でも簡単に工事で
きるとともに、低床化も容易に達成できる。しかも、特
殊な床構造ものだけでなく、一般住宅用等にも採用可能
な汎用性を有している。
【0069】また、金属製の下地材3を用いているの
で、シロアリ対策としても極めて有用である。
【0070】しかも、床下において下地材3,3・・相
互間に多くの空間が保持されることとなるため、付随工
事(例えば、断熱材の敷設、水道工事の配管、電気工事
の配線、床暖房の設置等)も極めて簡単に行える。
【0071】なお、下地材3は金属板を四角筒状に折曲
して得られるものなので、各種断面寸法のものが容易に
得られ、床下地構造の高さに応じてこれらを選定すれ
ば、床下高さの異なるものにも容易に対応できる。
【0072】実施例2 図9および図10には、本願発明の実施例2にかかる建
造物用下地構造が示されている。
【0073】本実施例の場合、実施例1の下地構造(即
ち、図1および図2に示す床下地構造)において、床材
1と下地材3との間には、該下地材3と直交する複数の
根太20が所定間隔で介設されている。該根太20は、
下地材3,3・・相互の強度を補強する作用を有してお
り、実施例1における下地材3と同様な構成の中空な金
属製四角筒とされているが、下地材3よりサイズの小さ
なものとされている。該根太20の場合、上面20a側
から固定具として作用するドライウォールスクリュー2
1により下地材3に結合されるため、コーナ型接続部4
を下方側に位置させるとともに、根太20の上面20a
には、ドライウォールスクリュー21の頭部21aを収
容し得る深さの凹溝22が長手方向に連続して形成され
ている。このようにしたことにより、ドライウォールス
クリュー21の頭部21aが、根太上面20aから露出
しないこととなり、床材1を根太上面20aに張設する
際の支障とならない。符号23は根太20と下地材3と
の間に介設される硬質合成ゴム製の緩衝板、24は根太
20の両側面に形成された補強用のビードである。本実
施例の場合、根太20が存在する分だけ床下高さが高く
なるが、下地材3として高さの低いものを採用すれば問
題はない。その他の構成および作用効果は実施例1と同
様なので重複を避けて説明を省略する。
【0074】実施例3 図11には、本願発明の実施例3にかかる建造物用下地
構造が示されている。
【0075】本実施例の場合、実施例1と下地材3の形
状が大きく相違している。即ち、本実施例の下地材3
は、スラブ2側が開放され、床材1側よりスラブ2側の
幅を幅狭となしたコ字状断面形状を有し且つスラブ2側
の開放端部に長手方向に連続する固定ピン取付用のフラ
ンジ部25,25を有する金属製部材とされている。そ
して、下地材3の上面3aを床材貼付面とする一方、フ
ランジ部25からコンクリートピン8を打ち込んで、上
下調整ピース11,12とともにスラブ2上に共縫い結
合されることとなっている。本実施例の下地材3の両側
面3c,3dにも補強用のビード10,10・・が形成
されている。なお、緩衝板14はフランジ部25,25
と上部調整ピース11との間に介設されている。このよ
うに構成すると、調整ピース11,12のスライド方向
長さを長くしなくともスライド調整量を確保できるとと
もに、フランジ部25へのコンクリートピン8の打ち込
みにより下地材3の固定が行えるところから、実施例1
における作業用の切欠穴7が不要となり、下地材3の構
成が簡略化される。しかも得られた下地構造は、軽量且
つ堅牢で作業性に優れた低コストなものとなる。その他
の構成および作用効果は実施例1と同様なので重複を避
けて説明を省略する。
【0076】実施例4 図12および図13には、本願発明の実施例4にかかる
建造物用下地構造が示されている。
【0077】本実施例の場合、実施例3の下地構造(即
ち、図11に示す床下地構造)において、床材1と下地
材3との間に、該下地材3と直交する複数の根太20
(実施例2に示すものと同じ構成のもの)を所定間隔で
介設している。その他の構成および作用効果について
は、実施例1、実施例2および実施例3において説明し
たものと同様なので重複を避けて説明を省略する。
【0078】実施例5 図14には、本願発明の実施例5にかかる建造物用下地
構造が示されている。
【0079】本実施例の場合、実施例1と下地材3の形
状が大きく相違している。即ち、本実施例の下地材3
は、スラブ2側の端面3bに長手方向に連続する開口2
6を有する金属製四角筒とされており、前記開口26の
長手方向口縁に跨がって固定ピン取付用の取付板27が
所定間隔で配設されている。本実施例においては、前記
開口26の両長手口縁には、反スラブ方向(本実施例の
場合、上向き)に延びるリブ28,28が一体に突設さ
れており、該リブ28,28に跨がって前記取付板27
が緩衝材29を介して配設されている。また、前記下地
材3の上面3aには、作業用穴として利用される複数の
切欠穴7が前記取付板27に対応して形成されている。
切欠穴7を作業穴として利用して該切欠穴7と対応する
位置において取付板27を介してコンクリートピン8に
より下地材3とスラブ2とを結合するという極めて簡単
な構成および作業により堅牢な下地構造が得られること
となる。なお、本実施例の下地材3の両側面3c,3d
にも補強用のビード10,10・・が形成されている。
その他の構成および作用効果は実施例1と同様なので重
複を避けて説明を省略する。
【0080】実施例6 図15よび図16には、本願発明の実施例6にかかる建
造物用下地構造が示されている。
【0081】本実施例の場合、実施例5の下地構造(即
ち、図14に示す床下地構造)において、床材1と下地
材3との間に、該下地材3と直交する複数の根太20
(実施例2に示すものと同じ構成のもの)を所定間隔で
介設している。その他の構成および作用効果について
は、実施例1、実施例2および実施例5において説明し
たものと同様なので重複を避けて説明を省略する。
【0082】実施例7 図17には、本願発明の実施例7にかかる建造物用下地
構造が示されている。
【0083】本実施例の建造物用下地構造は、ふかし壁
用の下地構造であり、内装材である壁用の上貼りボード
1とコンクリート製の壁用のスラブ2との間に、実施例
1に用いられていると同様な構成の下地材3を所定間隔
をおいて平行状態で介設することにより構成されてい
る。本実施例の場合、下地材3に大きな荷重がかかるお
それがないので、緩衝板14およびビード10は省略さ
れる。その他の構成および作用効果は実施例1と同様な
ので重複を避けて説明を省略する。
【0084】実施例8 図18には、本願発明の実施例8にかかる建造物用下地
構造が示されている。
【0085】本実施例の建造物用下地構造は、ふかし壁
用の下地構造であり、内装材である壁用の上貼りボード
1とコンクリート製の壁用のスラブ2との間に、実施例
3に用いられていると同様な構成の下地材3を所定間隔
をおいて平行状態で介設することにより構成されてい
る。本実施例の場合、下地材3に大きな荷重がかかるお
それがないので、緩衝板14およびビード10は省略さ
れる。その他の構成および作用効果は実施例1および実
施例3と同様なので重複を避けて説明を省略する。
【0086】実施例9 図19には、本願発明の実施例9にかかる建造物用下地
構造が示されている。
【0087】本実施例の建造物用下地構造は、ふかし壁
用の下地構造であり、内装材である壁用の上貼りボード
1とコンクリート製の壁用のスラブ2との間に、実施例
5に用いられていると同様な構成の下地材3を所定間隔
をおいて平行状態で介設することにより構成されてい
る。本実施例の場合、下地材3に大きな荷重がかかるお
それがないので、ビード10は省略される。その他の構
成および作用効果は実施例1および実施例5と同様なの
で重複を避けて説明を省略する。
【0088】実施例10 図20には、本願発明の実施例10にかかる建造物用下
地構造が示されている。
【0089】本実施例の建造物用下地構造は、天井用の
下地構造であり、内装材である天井用の上貼りボード1
とコンクリート製の天井用のスラブ2との間に、実施例
1と同様な構成の下地材3を所定間隔をおいて平行状態
で介設することにより構成されている。本実施例の場
合、下地材3に大きな荷重がかかるおそれがないので、
緩衝板14およびビード10は省略される。その他の構
成および作用効果は実施例1と同様なので重複を避けて
説明を省略する。
【0090】実施例11 図21には、本願発明の実施例11にかかる建造物用下
地構造が示されている。
【0091】本実施例の建造物用下地構造は、天井用の
下地構造であり、内装材である天井用の上貼りボード1
とコンクリート製の天井用のスラブ2との間に、実施例
3と同様な構成の下地材3を所定間隔をおいて平行状態
で介設することにより構成されている。本実施例の場
合、下地材3に大きな荷重がかかるおそれがないので、
緩衝板14およびビード10は省略される。その他の構
成および作用効果は実施例1および実施例3と同様なの
で重複を避けて説明を省略する。
【0092】実施例12 図22には、本願発明の実施例12にかかる建造物用下
地構造が示されている。
【0093】本実施例の建造物用下地構造は、天井用の
下地構造であり、内装材である天井用の上貼りボード1
とコンクリート製の天井用のスラブ2との間に、実施例
5と同様な構成の下地材3を所定間隔をおいて平行状態
で介設することにより構成されている。本実施例の場
合、下地材3に大きな荷重がかかるおそれがないので、
ビード10は省略される。その他の構成および作用効果
は実施例1および実施例5と同様なので重複を避けて説
明を省略する。
【0094】上記各実施例においては、スラブとしてコ
ンクリート製のものが採用され、固定ピンとしてコンク
リートピンが採用されているが、スラブとして発泡コン
クリート製のものを採用する場合には、固定ピンとして
コンクリートビスを採用することもできる。コンクリー
トビスを用いる場合には、上下調整ピース11,12お
よび金属製押さえ板13に予めコンクリートビス挿入用
のビス穴を形成しておく必要がある。
【0095】本願発明は、上記各実施例の構成に限定さ
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て適宜設計変更可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本願発明の実施例1にかかる建造物用下地構造
の要部を示す斜視図である。
【図2】本願発明の実施例1にかかる建造物用下地構造
の要部を示す断面図である。
【図3】本願発明の実施例1にかかる建造物用下地構造
において用いられる調整ピースの分解拡大斜視図であ
る。
【図4】本願発明の実施例1にかかる建造物用下地構造
において用いられる上部調整ピースの裏面図である。
【図5】本願発明の実施例1にかかる建造物用下地構造
において用いられる下部調整ピースの裏面図である。
【図6】(イ)〜(ニ)は本願発明の実施例1にかかる
建造物用下地構造の組立手順を示す説明図である。
【図7】(イ)は本願発明の実施例1にかかる建造物用
下地構造において用いられる調整ピースの最大調整高さ
が得られる状態を示す図、(ロ)は本願発明の実施例1
にかかる建造物用下地構造において用いられる調整ピー
スの最小調整高さが得られる状態を示す図である。
【図8】本願発明の実施例1にかかる建造物用下地構造
において下地材として高さの低いものを使用した場合に
おける下地材端部の構造を示す斜視図である。
【図9】本願発明の実施例2にかかる建造物用下地構造
の要部を示す断面図である。
【図10】図8のX−X断面図である。
【図11】本願発明の実施例3にかかる建造物用下地構
造の要部を示す断面図である。
【図12】本願発明の実施例4にかかる建造物用下地構
造の要部を示す断面図である。
【図13】図9のXIII−XIII断面図である。
【図14】本願発明の実施例5にかかる建造物用下地構
造の要部を示す断面図である。
【図15】本願発明の実施例6にかかる建造物用下地構
造の要部を示す断面図である。
【図16】図12のXVI−XVI断面図である。
【図17】本願発明の実施例7にかかる建造物用下地構
造の要部を示す断面図である。
【図18】本願発明の実施例8にかかる建造物用下地構
造の要部を示す断面図である。
【図19】本願発明の実施例9にかかる建造物用下地構
造の要部を示す断面図である。
【図20】本願発明の実施例10にかかる建造物用下地
構造の要部を示す断面図である。
【図21】本願発明の実施例11にかかる建造物用下地
構造の要部を示す断面図である。
【図22】本願発明の実施例12にかかる建造物用下地
構造の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0097】 1は内装材(床材、上貼りボード)、2はスラブ、3は
下地材、3aは内装材端面、3bはスラブ側端面、7は
切欠穴、8は固定ピン(コンクリートピン)、11,1
2は調整ピース、11a,12aはテーパ面、11b,
12bは平行面、15は凸条、16は凹溝、17はマー
ク基準端、18は位置決め用突部、19は位置決め用止
着子(ビス)、25はフランジ部、26は開口、27は
取付板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 15/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】 【0001】
  1. 【請求項1】 内装材(1)とスラブ(2)との間に、
    固定ピン(8)により前記スラブ(2)に対して固定さ
    れた金属製の下地材(3)を所定間隔をおいて平行状態
    で介設してなり、前記スラブ(2)と下地材(3)との
    間には、前記固定ピン(8)により共縫いされ且つ前記
    下地材(3)の長手方向に対して直交するテーパ面(1
    1a),(12a)で互いに当接され、それぞれの反テ
    ーパ面側が互いに平行な平行面(11b),(12b)
    とされている楔状の一対の調整ピース(11),(1
    2)をスライド可能に介設してなる建造物用下地構造で
    あって、前記両調整ピース(11),(12)における
    テーパ面(11a),(12a)には、スライド方向に
    延び且つ互いにスライド自在に嵌合し合う凸条(15)
    および凹溝(16)がそれぞれ形成されており、前記両
    調整ピース(11),(12)のうち前記下地材(3)
    側に位置する調整ピース(11)におけるスライド方向
    先端部には、スライド方向と直交するように部分的に切
    除してなるマーク基準端(17)と、該マーク基準端
    (17)より突出し且つ前記両調整ピース(11),
    (12)を結合する位置決め用止着子(19)の止着部
    となる位置決め用突部(18)とが形成されていること
    を特徴とする建造物用下地構造。
  2. 【請求項2】 内装材(1)とスラブ(2)との間に、
    固定ピン(8)により前記スラブ(2)に対して固定さ
    れた金属製の下地材(3)を所定間隔をおいて平行状態
    で介設してなり、前記スラブ(2)と下地材(3)との
    間には、前記固定ピン(8)により共縫いされ且つ前記
    下地材(3)の長手方向に対して直交するテーパ面(1
    1a),(12a)で互いに当接され、それぞれの反テ
    ーパ面側が互いに平行な平行面(11b),(12b)
    とされている楔状の一対の調整ピース(11),(1
    2)をスライド可能に介設してなる建造物用下地構造で
    あって、前記両調整ピース(11),(12)における
    テーパ面(11a),(12a)には、スライド方向に
    延び且つ互いにスライド自在に嵌合し合う凸条(15)
    および凹溝(16)がそれぞれ形成されており、前記両
    調整ピース(11),(12)の裏面側には、それらの
    中央部を刳り貫いてなる凹部(34),(30)がそれ
    ぞれ形成されていることを特徴とする建造物用下地構
    造。
  3. 【請求項3】 前記両調整ピース(11),(12)の
    裏面側には、それらの中央部を刳り貫いてなる凹部(3
    4),(30)がそれぞれ形成されていることを特徴と
    する前記請求項1記載の建造物用下地構造。
  4. 【請求項4】 前記下地材(3)は、中空な金属製四角
    筒とされており、その内装材(1)側の端面(3a)に
    は、作業用穴として利用される複数の切欠穴(7)が前
    記固定ピン(8)の固定位置に対応して形成されている
    ことを特徴とする前記請求項1ないし請求項3のいずれ
    か一項記載の建造物用下地構造。
  5. 【請求項5】 前記下地材(3)は、スラブ(2)側が
    開放され、内装材(1)側よりスラブ(2)側の幅を幅
    狭となしたコ字状断面形状を有し且つスラブ(2)側の
    両端部に長手方向に連続する固定ピン取付用のフランジ
    部(25),(25)を有する金属製部材とされている
    ことを特徴とする前記請求項1ないし請求項3のいずれ
    か一項記載の建造物用下地構造。
  6. 【請求項6】 前記下地材(3)は、スラブ(2)側の
    端面(3b)に長手方向に連続する開口(26)を有す
    る金属製四角筒とされ、前記開口(26)の長手方向口
    縁に跨がって固定ピン取付用の取付板(27)が所定間
    隔で配設され且つ前記下地材(3)の内装材(1)側の
    端面(3a)には、作業用穴として利用される複数の切
    欠穴(7)が前記取付板(27)に対応して形成されて
    いることを特徴とする前記請求項1ないし請求項3のい
    ずれか一項記載の建造物用下地構造。
  7. 【請求項7】 前記スラブ(2)は床用とされているこ
    とを特徴とする前記請求項1ないし請求項6のいずれか
    一項記載の建造物用下地構造。
  8. 【請求項8】 前記スラブ(2)は壁用とされているこ
    とを特徴とする前記請求項1ないし請求項6のいずれか
    一項記載の建造物用下地構造。
  9. 【請求項9】 前記スラブ(2)は天井用とされている
    ことを特徴とする前記請求項1ないし請求項6のいずれ
    か一項記載の建造物用下地構造。
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