JP3526910B2 - 数値制御装置の数値制御指令データの前処理方法 - Google Patents

数値制御装置の数値制御指令データの前処理方法

Info

Publication number
JP3526910B2
JP3526910B2 JP09982294A JP9982294A JP3526910B2 JP 3526910 B2 JP3526910 B2 JP 3526910B2 JP 09982294 A JP09982294 A JP 09982294A JP 9982294 A JP9982294 A JP 9982294A JP 3526910 B2 JP3526910 B2 JP 3526910B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
section
movement
deceleration
amount
acceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09982294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07306708A (ja
Inventor
一男 長島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Machine Co Ltd filed Critical Toshiba Machine Co Ltd
Priority to JP09982294A priority Critical patent/JP3526910B2/ja
Publication of JPH07306708A publication Critical patent/JPH07306708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3526910B2 publication Critical patent/JP3526910B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Position Or Direction (AREA)
  • Numerical Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、数値制御装置の数値制
御指令データの前処理方法に関し、特に一つの移動ブロ
ックの指令点の位置とその指令点を通過するときの送り
速度とを設定値に制御するための数値制御指令データの
前処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工作機械各部はそれぞれ質量を持ち、駆
動機構には有限の剛性しか付与できないから、加工精度
を維持するためには、工作機械各部にはその駆動機構の
剛性に応じて、作用する慣性力を制限しなければならな
い。慣性力は、移動質量と移動の加速度の積に比例して
発生するから、数値制御装置の位置制御においては、慣
性力を制限するために移動の加速度を制限し、制限され
た加速度のもとに、一つの移動ブロックの指令点の位置
にまで移動とその指令点を通過するときの送り速度とを
設定値に制御することが行われる。
【0003】仮に位置制御のサンプリング周期を3ミリ
秒とするとき、毎分2000ミリメートルの送り速度で
加工する場合に、位置が制御される間隔は0.1ミリメ
ートルとなり、この間隔の中で位置は制御されない。
0.1ミリメートルは、要求される加工精度に対しては
るかに大きい値である。工作機械においては移動速度に
応じて摩擦が変化するので、被加工物の形状を正確に加
工するためには、位置のみならず速度も加工形状に応じ
て一定の加減速速度パターンを維持することが必要であ
る。
【0004】この制御のために、各サンプリング周期に
おける送り速度の設定のために、数値制御指令データの
前処理が行われる。以下にこの数値制御指令データの前
処理の従来の方法を説明する。
【0005】数値制御装置の位置制御のサンプリング周
期をτ msec、通過速度を設定値に制御すべき指令
位置までに移動すべき距離(全移動量)をS μm、送
り速度の指令値をF mm/minとし、F mm/m
inの速度で、τ msecの時間内に移動する距離を
Lmax μmとすると、次の式を得る。
【0006】Lmax=τ・F/60 この式に、一例として、τ=3msec、F=2000
mm/minを代入すると、Lmax=3・2000/
60=100μmを得る。
【0007】移動の加速度は、一般に最大送り速度と直
線加減速時定数により規定する。
【0008】最大送り速度をFmax mm/min、
直線加減速時定数をTacc msecとすると、移動
の加速度の制限値α m/sec2 を、次の式で与え
る。
【0009】α=Fmax/(Tacc・60) 一例として、Fmax=20000mm/min、Ta
cc=250msecの場合、制限値αは次の値にな
る。
【0010】
【数1】α=20000/(250・60)=1.33
3m/sec2 数値制御装置は基本的にサンプリング周期毎の位置しか
制御できないから、加速度を制限値以内に保つために、
隣接するサンプリング周期の移動距離の階差を一定値の
範囲に制限する。加減速時に許容されるサンプリング周
期毎の移動距離の階差の制限値ΔLμmを、次の式で与
える。
【0011】
【数2】 ΔL=τ・τ・α=3・3・1.333=12.0μm 加工精度を維持するために、数値制御装置に隣接するサ
ンプリング周期の移動量の階差を、この値ΔLμmに制
限する必要があるから、停止状態からF=2000mm
/minの速度まで加速するためには、ほぼ8サンプリ
ング周期を必要とする。この場会、移動の開始から第一
サンプリング周期の移動量は12.0μmであり、第二
サンプリング周期は24.0μmである。
【0012】サンプリング周期毎の移動量は12.0μ
mをもって暫増し、加速の最終の第六サンプリング周期
の移動量は96.0μmとなる。加速区間の合計の移動
量Sa μmは、シンプソンの公式により、次のように
与える。
【0013】
【数3】Sa=(12.0+96.0)・8/2=43
2.0μm 加速後一定速度で移動し、減速区間に入る。
【0014】仮に減速目標速度を200mm/minと
すれば、減速最終サンプリング周期の移動量は、Lmi
n=3・200/60=10μmとなる。
【0015】減速区間も8サンプリング周期を必要とす
る。減速区間の移動ストロークは
【数4】Sd=(10.0+94.0)・8/2=41
6.0μmとなる。
【0016】今仮に1.0mm(=1000μm)の距
離を移動する指令ブロックを仮定する。
【0017】指令前に既に2000mm/minの速度
で移動していた場合、減速区間は8サンプリング周期
で、減速区間の移動距離は416.0μmである。指令
された全部の移動距離1000μmのうち、減速区間で
移動する移動量は416.0μmを差し引いた残りの5
84.0μmは定速区間で移動しなければならない。指
令された送り速度の指令値F2000mm/minを維
持するために、一定速度区間の各サンプリング周期は1
00.0μmの移動を行う。一定速度区間のサンプリン
グ周期の数は整数でなければ実現できないから、一定速
度区間のサンプリング数を5とすれば、移動距離は50
0.0μmとなり、必要な移動量の584.0μmに対
して84.0μmだけ不足する。これに対し一定速度区
間のサンプリング数を6とすれば、移動距離は600.
0μmとなり、必要な移動量の584.0μmに対して
16.0μmだけ過剰でなる。
【0018】また、指令前に停止していた場合は、始め
に加速しなければならないから、加速区間は8サンプリ
ング周期で加速区間の移動距離は432.0μm、減速
区間は8サンプリング周期で、減速区間の移動距離は4
16.0μmである。指令された全部の移動距離100
0μmのうち、加速区間と減速区間で移動する移動量は
合計848.0μmであるから、残りの152.0μm
は定速区間で移動しなければならない。指令された送り
速度の指令値F2000mm/minを維持するため
に、一定速度区間の各サンプリング周期は100.0μ
mの移動を行う。一定速度区間のサンプリング周期の数
は整数でなければ実現できないから、一定速度区間のサ
ンプリング数を1とすれば、移動距離は100.0μm
となり、必要な移動量の152.0μmに対して52.
0μmだけ不足する。これに対し一定速度区間のサンプ
リング数を2とすれば、移動距離は200.0μmとな
り、必要な移動量の152.0μmに対して48.0μ
mだけ過剰でなる。
【0019】例えば切削加工において、移動量が不足す
れば、削り残りが発生し、過剰だと食い込みを生じる。
従って従来は、安全側として移動量が過剰にならない加
減速を行い、残余の移動量は端数として処理していた。
【0020】端数の処理方法は、次の指令ブロックに含
めて移動させる方法と、そのまま減速した速度で移動さ
せる方法が行われている。
【0021】次の指令ブロックに含めて移動させる方法
は、移動のベクトル方向がほとんど変化しない場合は能
率的で有効な方法である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかし移動のベクトル
が変化すると、移動ベクトルの偏向角度の正弦と残余の
移動量との積だけ、移動経路に誤差を生ずる。従って、
移動ベクトルの偏向角度が大きい部分では、誤差が大き
くなり採用できない。
【0023】残余の移動量を減速後の速度で移動する方
法は、残余の移動に時間が掛かる点が問題である。特に
加工精度を高めるために、減速の目標速度を低く設定す
ると、残余の移動時間が長くなり、トータルの加工時間
が長くなる。そればかりでなく、残余の移動量は、指令
ブロック長に依存して変動する。
【0024】前述の既に2000mm/minの速度で
移動していた場合の残余の移動量84.0μmを200
mm/minの速度で移動させるには、図6に示されて
いるように、9サンプリング周期を必要とし、27ms
ecの時間が掛かる。
【0025】また前述の指令前に停止していた場合の残
余の移動量52.0μmを200mm/minの速度で
移動させるには、図7に示されているように、6サンプ
リング周期を必要とし、18msecの時間が掛かる。
【0026】加工精度を高めようとして、減速の目標速
度を160mm/minにすると、減速最終サンプリン
グ周期の移動量は、Lmin=3・160/60=8μ
mとなる。この場合には図8に示されているように、減
速区間は8サンプリング周期を必要とし、減速区間の移
動ストロークは、Sd=(8.0・92.0)・8/2
=400.0μmとなる。
【0027】指令された全部の移動距離1000μmの
うち、加速区間と減速区間で移動する移動量は合計83
2.0μmであるから、残りの168.0μmは一定速
度区間で移動しなければならない。
【0028】一定速度区間のサンプリング周期の数は1
で、一定速度区間の移動量は100.0μmとなるか
ら、残余のストロークは68.0μmとなる。
【0029】これを160mm/minの速度で移動さ
せるには9サンプリング周期を必要とし、27msec
の時間が掛かる。
【0030】このように端数のストロークを減速後の速
度で移動する端数処理の方法には、次のような問題があ
る。
【0031】(1)サンプリング周期に比べ、長い時間
が掛かる。 (2)端数は指令ブロックの移動距離と指令直前の移動
速度に依存する性質があるので、ピックフィードに従っ
て指令ブロックの移動距離が少しずつ変化する場合、端
数の長さおよび端数処理に掛かる時間が周期的に変化す
るので仕上げ面にこの周期の縞模様を発生する。
【0032】本発明は、このような端数処理の問題を回
避するために、端数の生じない加減速速度パターンにて
送り速度を制御し、指令位置に正確に実現する数値制御
指令データの前処理方法を提供することを目的としてい
る。
【0033】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的を達成す
るため、本発明による数値制御装置の数値制御指令デー
タの前処理方法は、所定のサンプリング周期をもって位
置制御を行う数値制御装置において、一つの移動ブロッ
クの指令点の位置とその指令点を通過するときの送り速
度とを設定値に制御するための数値制御指令データの前
処理方法であって、移動ブロックの全移動区間を一定速
区間と減速区間もしくは加速区間と一定速区間と減速区
間とに分割し、予め設定された最大加速度をもって初期
速度より指令送り速度にまで加速するのに必要なサンプ
リング数と各サンプリング周期における移動量とを計画
して加速区間における移動量を算出すると共に、予め設
定された最大減速度をもって指令送り速度より減速目標
速度にまで減速するに必要なサンプリング数と各サンプ
リング周期における移動量とを計画して減速区間の移動
量を算出し、移動指令が定義する全移動量より減速区間
の移動量もしくは加速区間の移動量と減速区間の移動量
との合計の移動量を差し引いて一定速区間の移動量を算
出し、この一定速区間の移動量と指令送り速度より一定
速区間のサンプリング数と一サンプリング周期における
移動量とを計画し、加速区間の最終サンプリング周期に
おける移動量あるいは減速区間の最初の最終サンプリン
グ周期における移動量が一定速区間の一サンプリング周
期における移動量より大きい場合にはそれが解消される
まで加速区間あるいは減速区間のサンプリング数を減じ
て一定速区間のサンプリング数を増加し、一定速区間の
一サンプリング周期における移動量を修正することを特
徴としている。
【0034】本発明による数値制御装置の数値制御指令
データの前処理方法においては、加速区間の最終サンプ
リング周期における移動量あるいは減速区間の最初の最
終サンプリング周期における移動量が一定速区間の一サ
ンプリング周期における移動量より大きい場合にサンプ
リング数を減じるのは、加速区間と減速区間のうちその
上回り量が大きい方であってよい。
【0035】
【作用】上述の如き構成によれば、端数処理に代えて、
加速区間、減速区間、一定速区間のサンプリング数を相
互に再計画し、これに応じて一定速区間の一サンプリン
グ周期における移動量(速度)を修正することが行われ
る。
【0036】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0037】図1は本発明による数値制御指令データの
前処理方法の実施に使用される数値制御装置の基本的構
成を示している。数値制御装置は、キー入力部1と、主
制御部2と、機械側入出力制御部3と、表示部4と、デ
ータ入出力制御部5と、プログラム解析部6と、パルス
分配部7と、サーボ制御部8とを有している。
【0038】加工終了点と加工速度とを定義したパート
プログラムは、データ入出力制御部5を介してプログラ
ム解析部6に取り込まれ、プログラム解析部6により解
析されて被加工物の加工すべき全移動ベクトルを複数の
移動ブロック毎にパルス分配部7にて扱われ得るデータ
に変換される。
【0039】実行中の一つの移動ブロックが終了した時
点でプログラム解析部6は次の移動ブロックのデータを
パルス分配部7へ転送し、パルス分配部7はその移動ブ
ロックの数値制御指令データの前処理を行って各サンプ
リング周期における速度指令をサーボ制御部8へ出力す
る。
【0040】これによりサーボ制御部8に接続されてい
るサーボモータ9は各サンプリング周期毎に指令された
速度にて運転される。
【0041】次に本発明による数値制御指令データの前
処理方法を計算式を交えて説明する。
【0042】(1)設備により定まる前提条件として次
の項目があり、これらの前提条件から初期処理として、
加減速度の制限値とサンプリング周期の移動量の隣接階
を計算する。
【0043】(前提条件) (1) 最大送り速度 Fmax(mm/min) (2) 直線加減速時定数 Tacc(msec) (3) サンプリング周期 τ(msec) (初期処理計算) (1) 加減速度の制限値α(m/sec2 ) α=Fmax/(Tacc・60) (2) サンプリング周期の移動量の隣接階差ΔL(μm) ΔL=τ・τ・α (2)移動指令に依存する前提条件として次の項目が存
在する。 (1) 移動すべき距離 S(μm) (2) 分配前サンプリング周期の移動量 La(μm) ただし、分配前に停止状態にあるとき、および偏向角度
が大きい場合にはLa=0とする。 (3) 送り速度 F(mm/min) (4) 加減速目標速度 Fmin(mm/min) (3)与えられたこれらの前提条件から、次の値を計算
する。 (1) 一定速度区間のサンプリング周期の移動量Lf(μ
m) Lf=τ・F/60 (2) 最終サンプリング周期の移動量Ld(μm) Ld=τ・Fmin/60 (3) 分配開始時の等価サンプリング周期移動量Laph
(μm) Laph=La+0.5・τ (4) 分配完了時の等価サンプリング周期移動量Ldmh
(μm) Ldmh=Ld−0.5・τ (5) サンプリング周期の移動量の最大Lmax(μm)
【数5】 ただし、Lmax>Lfの場合は、Lmax=Lfに制
限する。 (6) 加速区間のサンプリング周期の数Na Na=(Lmax−Laph)/ΔL (7) 加速区間の最終サンプリング周期の移動量La1
(μm) La1 =La+Na・ΔL (8) 加速区間の全移動量Sa(μm) Sa=0.5・Na・(La+La1 ) (9) 減速区間のサンプリング周期の数Nd Nd=(Lmax−Ldmh)/ΔL (10) 減速第一区間サンプリング周期の移動量Ld1
(μm) Ld1 =Ld+(Nd−1)・ΔL (11) 減速区間の全移動量Sd(μm) Sd=0.5・Nd・(Ld+Ld1 ) (12) 一定速度区間の移動量Sf(μm) 計算式 Sf=S−Sa−Sd (13) 一定速度区間のサンプリング周期の数Nf Nf=Sf/Lmax ただし、計算に端数がある場合は切り上げた値をNfと
する。 (14) 全区間のサンプリング周期の数N N=Na+Nf+Nd (15) 切り上げた結果のNfを用いて、Lmaxを再計
算する。
【0044】Lmax=Sf/Nf (4)妥当性の評価と判定 次の二つの要件を満たすことを調べる。 Lmax≧La Lmax≧Ld Lmax≧LaとLmax≧Ldとを満たす場合にはパ
ルス分配を実行し、そうでない場合にはパルス分配の再
計画を行う。
【0045】(5)再計画処理 (A)Lmax≧Ldを満たし、Lmax≧Laを満た
さない場合、あるいはLmax≧LdとLmax≧La
を共に満たさない場合で、La>Ldであれば、加速区
間のサンプリング数Naを1つ減らし、一定速区間のN
fサンプリング数を1つ増やし、(3)の(7) ,(8) ,
(12),(15)を再計算する。そして再び、(4)の妥当性
の評価と判定を行う。
【0046】(B)Lmax≧Laを満たし、Lmax
≧Ldを満たさない場合、あるいはLmax≧LaとL
max≧Laを共に満たさない場合で、Ld≧Laであ
れば、減速区間のサンプリング数Ndを1つ減らし、一
定速区間のNfサンプリング数を1つ増やし、(3)の
(10),(11),(12),(15)を再計算する。そして再び、
(4)の妥当性の評価と判定を行う。
【0047】図2は上述のような手順にて行われる本発
明による数値制御指令データの前処理方法の処理フロー
を示している。
【0048】ステップ10の初期処理後に、指令を読み
込み(ステップ20)、加減速度の制限値α、サンプリ
ング周期の移動量の隣接階差ΔLを計算する(ステップ
30)。
【0049】次に、Lf、Ld、Laph、Lamh、
Lmax、Na、La1 、Sa、Nd、Ld1 、Sd、
Sf、Nf、Nを各々計算する(ステップ40)。この
計算が完了すれば、Nfを用いてLmaxを再計算し、
妥当性の評価を行う(ステップ50)。
【0050】この妥当性の評価において、Lmax≧L
aとLmax≧Ldとを満たす場合にはパルス分配を実
行する(ステップ60)。
【0051】これに対し、Lmax≧LaとLmax≧
Ldの少なくとも何れか一方を満たさない場合には、L
aがLdより大きいか否かの判別を行う(ステップ8
0)。La>Ldであれば、再計画処理の(A)を実行
する。即ち加速区間のサンプリング数Naを1つ減ら
し、一定速区間のNfサンプリング数を1つ増やし、
(3)の(7) ,(8) ,(12),(15)を再計算する。そして
ステップ50に戻ってLmaxを再計算し、再度、妥当
性の評価を行う(ステップ60)。
【0052】これに対しLa>Ldでなければ、再計画
処理の(B)を実行する。即ち、サンプリング数Naを
1つ減らし、一定速区間のNfサンプリング数を1つ増
やし、(3)の(7) ,(8) ,(12),(15)を再計算する
(ステップ100)。そしてステップ50に戻ってLm
axを再計算し、再度、妥当性の評価を行う(ステップ
60)。
【0053】おな、ステップ70パルス分配実行後、次
の移動ブロックがあれば、ステップ20に戻り、全てが
終了するまで(ステップ110)、上述の如き処理を繰
り返す。
【0054】次に上述の計算処理を実数値を使用した実
例について説明する。
【0055】[加減速区間]サンプリング周期の移動量
の隣接階差ΔLが12μmであれば、停止状態からF=
2000mm/minの速度まで加速するためには、ほ
ぼ8サンプリング周期を必要とする。移動の開始から第
一サンプリング周期の移動量は12.0μmであり、第
二サンプリング周期は24.0μmである。
【0056】サンプリング周期毎の移動量は暫増し、加
速の最終の第六サンプリング周期の移動量は96.0μ
mとなる。加速区間の合計の移動量Sa μmは、シン
プソンの公式により、次のように与える。
【0057】
【数6】Sa=(12.0+96.0)・8/2=43
2.0μm 加速後一定速度で移動し、減速区間に入る。
【0058】仮に減速目標速度を200mm/minと
すれば、減速最終サンプリング周期の移動量は、Lmi
n=3・200/60=10μmとなる。
【0059】減速区間も8サンプリング周期を必要とす
る。減速区間の移動ストロークは
【数7】Sd=(10.0+94.0)・8/2=41
6.0μmとなる。
【0060】[一定速度区間]今仮に1.0mm(=1
000μm)の距離を移動する指令ブロックを仮定す
る。
【0061】加速区間は8サンプリング周期で加速区間
の移動距離は432.0μm、減速区間は8サンプリン
グ周期で、減速区間の移動距離は416.0μmであ
る。指令された全部の移動距離1000μmのうち、加
速区間と減速区間で移動する移動量は合計848.0μ
mであるから、残りの152.0μmは一定速区間で移
動しなければならない。
【0062】この場合、152.0μmの一定速区間を
2サンプリング周期で移動と設定する。指令された送り
速度の指令値F2000mm/minを維持するために
は、一定速度区間の各サンプリング周期は100.0μ
mの移動を行う。送り速度の指令値は、絶対的なもので
はなく、これ以内であればよいであるとする。これは一
定速度区間のサンプリング周期数が整数でなければ実現
できないからである。
【0063】必要な移動量の152.0μmを2サンプ
リング時間で移動すると、各サンプリング周期の移動量
は76.0μmとなる。
【0064】[区間の調整]一定速度区間のサンプリン
グ周期当たりの移動量が、加速区間の最終サンプリング
周期の移動量または減速区間の第一サンプリング周期の
移動量を上回る場合には、加速区間あるいは減速区間の
何れかの上回る移動量が大きい方の区間のサンプリング
周期の数を1つ減じ、一定速度区間のサンプリング周期
の数を1つ増加する。
【0065】本例の場合、加速区間の96μmの方が、
減速区間の94μmよりも、大きく上回るので、加速区
間のサンプリング数を1つ減じて7とし、一定速度区間
のサンプリング周期の数を1つ増加して3とする。
【0066】そうすると、加速区間の移動ストロークは
次のように計算される。
【0067】Sa=(12+84)・7/2=336 一定速度区間の移動量は1000−336−416=2
48μmとなる。一定速度区間のサンプリング周期当た
りの移動量は、約82.3μmになる。この操作を、加
速区間の最終サンプリング期間の移動量と減速区間の第
一サンプリング周期の移動量との、何れも一定速度のサ
ンプリング周期の移動量を超えないものとなるまで繰り
返して行う。
【0068】この場合、まだ減速区間の第一サンプリン
グ周期の移動量94μmの方がまだ大きいので、減速区
間のサンプリング数を1つ減じて7とし、一定速度区間
のサンプリング周期の数を1つ増加して4とする。
【0069】そうすると、減速区間の移動ストロークは
次のように計算される。
【0070】Sd=(10+82)・7/2=322 一定速度区間の移動量は1000−336−322=3
42μmとなる。一定速度区間のサンプリング周期当た
りの移動量は、約85.5μmになる。そうすると、加
速区間の最終サンプリング期間の移動量は84μm、減
速区間の第一サンプリング周期の移動量は82μmと、
何れも一定速度のサンプリング周期の移動量を超えない
ものとなる。加速区間の最終サンプリング期間の移動量
と、減速区間の第一サンプリング周期の移動量の何れ
も、一定速度のサンプリング周期の移動量を超えなけれ
ばこれを最善の計画として採用する。この場合の加減速
速度パターンが図3に示されている。
【0071】また図4は、上述の如き本発明による前処
理方法にてパルス分配を行う場合において、減速目標速
度が160mm/minである場合の加減速速度パター
ンを示している。
【0072】以上に於ては、本発明を特定の実施例につ
いて詳細に説明したが、指令前に既にある一定速度で移
動していて加速の必要がない場合、即ち加速区間の移動
量が零の場合には、移動ブロックの全移動区間は一定速
区間と減速区間とに分割されればよく、この場合には移
動指令が定義する全移動量より減速区間の移動量を差し
引いて一定速区間の移動量が算出される。図5はこの場
合の速度パターンの一例を示している。本発明は、これ
に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて種々の
実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0073】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明
による数値制御指令データの前処理方法によれば、端数
処理に代えて、加速区間、減速区間、一定速区間のサン
プリング数を相互に再計画し、これに応じて一定速区間
の一サンプリング周期における移動量を修正することが
行われるから、加速後の一定速度区間の移動速度は、指
令の移動速度に対して僅かに下回るものの、端数を生じ
ない加減速のパルス分配が行われるので、無駄な時間を
排除でき、短時間に加工を行うことが可能になる。
【0074】また、指令ブロックの長さが変動しても端
数が生じないので、隣接する加工経路の間で指令ブロッ
ク長が変化する加工形状の場合でも加工形状に乱れを発
生せず、綺麗な仕上げ面が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による数値制御指令データの前処理方法
の実施に使用される数値制御装置の基本的構成を示すブ
ロック線図である。
【図2】本発明による数値制御指令データの前処理方法
の処理フローを示すフローチャートである。
【図3】本発明による数値制御指令データの前処理方法
による場合の加減速速度パターンの一例を示すタイムチ
ャートである。
【図4】本発明による数値制御指令データの前処理方法
による場合の加減速速度パターンの他の例を示すタイム
チャートである。
【図5】本発明による数値制御指令データの前処理方法
による場合の一定速度と減速度の速度パターンを示すタ
イムチャートである。
【図6】従来の数値制御指令データの前処理方法による
場合の一定速度と減速度の速度パターンを示すタイムチ
ャートである。
【図7】従来の数値制御指令データの前処理方法による
場合の加減速速度パターンの一例を示すタイムチャート
である。
【図8】従来の数値制御指令データの前処理方法による
場合の加減速速度パターンの他の例を示すタイムチャー
トである。
【符号の説明】
1 キー入力部 2 主制御部 3 機械側入出力制御部 4 表示部4 5 データ入出力制御部 6 プログラム解析部 7 パルス分配部 8 サーボ制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 19/18 - 19/46 G05D 3/00 - 3/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のサンプリング周期をもって位置制
    御を行う数値制御装置において、一つの移動ブロックの
    指令点の位置とその指令点を通過するときの送り速度と
    を設定値に制御するための数値制御指令データの前処理
    方法であって、 移動ブロックの全移動区間を一定速区間と減速区間もし
    くは加速区間と一定速区間と減速区間とに分割し、予め
    設定された最大加速度をもって初期速度より指令送り速
    度にまで加速するのに必要なサンプリング数と各サンプ
    リング周期における移動量とを計画して加速区間におけ
    る移動量を算出すると共に、予め設定された最大減速度
    をもって指令送り速度より減速目標速度にまで減速する
    に必要なサンプリング数と各サンプリング周期における
    移動量とを計画して減速区間の移動量を算出し、移動指
    令が定義する全移動量より減速区間の移動量もしくは加
    速区間の移動量と減速区間の移動量との合計の移動量を
    差し引いて一定速区間の移動量を算出し、この一定速区
    間の移動量と指令送り速度より一定速区間のサンプリン
    グ数と一サンプリング周期における移動量とを計画し、
    加速区間の最終サンプリング周期における移動量あるい
    は減速区間の最初の最終サンプリング周期における移動
    量が一定速区間の一サンプリング周期における移動量よ
    り大きい場合にはそれが解消されるまで加速区間あるい
    は減速区間のサンプリング数を減じて一定速区間のサン
    プリング数を増加し、一定速区間の一サンプリング周期
    における移動量を修正することを特徴とする数値制御装
    置の数値制御指令データの前処理方法。
  2. 【請求項2】 加速区間の最終サンプリング周期におけ
    る移動量あるいは減速区間の最初の最終サンプリング周
    期における移動量が一定速区間の一サンプリング周期に
    おける移動量より大きい場合にサンプリング数を減じる
    のは、加速区間と減速区間のうちその上回り量が大きい
    方であることを特徴する請求項1に記載の数値制御装置
    の数値制御指令データの前処理方法。
JP09982294A 1994-05-13 1994-05-13 数値制御装置の数値制御指令データの前処理方法 Expired - Fee Related JP3526910B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09982294A JP3526910B2 (ja) 1994-05-13 1994-05-13 数値制御装置の数値制御指令データの前処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09982294A JP3526910B2 (ja) 1994-05-13 1994-05-13 数値制御装置の数値制御指令データの前処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07306708A JPH07306708A (ja) 1995-11-21
JP3526910B2 true JP3526910B2 (ja) 2004-05-17

Family

ID=14257529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09982294A Expired - Fee Related JP3526910B2 (ja) 1994-05-13 1994-05-13 数値制御装置の数値制御指令データの前処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3526910B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001092533A (ja) * 1999-09-21 2001-04-06 Yaskawa Electric Corp 速度データの動的最適化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07306708A (ja) 1995-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100710852B1 (ko) 공작기계의 수치제어장치 및 제어방법
EP0103351B1 (en) Numerical control method and apparatus therefor
EP0207997B1 (en) System for correcting error in the path of a robot
CA2231308C (en) Adaptive feedrates from geometry modeling for nc machining
KR900007297B1 (ko) 수치 제어 방법 및 장치
KR19980086349A (ko) 가공능률을 향상시키기 위해 가공기의 능력을 고려하여 커터경로를 규정하는 개별점들을 결정하기 위한 방법
JP2012022404A (ja) 工作機械の減速要因判別手段を備えた工具軌跡表示装置
US10048675B2 (en) Numerical controller performing 3-dimensional interference check corresponding to feedrate change
JP2679783B2 (ja) 加減速制御装置
US4994978A (en) Acceleration/deceleration control apparatus
JP3526910B2 (ja) 数値制御装置の数値制御指令データの前処理方法
EP0068765B1 (en) Numerical control method
JPH0682293B2 (ja) 高速nc加工のドル−プによる経路誤差の発生を防止するnc加工方法と装置
JP2020095317A (ja) 数値制御装置
JP2020095316A (ja) 数値制御装置
KR100408821B1 (ko) 고속 가동을 위한 수치 제어장치 및 방법
US4999784A (en) Axis changeover apparatus
CN116710862A (zh) 数值控制装置
JPH07210225A (ja) 数値制御装置
JP2676506B2 (ja) レーザ加工用運動制御方法
US20190332083A1 (en) Interference monitoring device
JPH01156803A (ja) 送り速度制御方法
JPH06110534A (ja) 工作機械における位置制御方法
JPH06110532A (ja) 位置制御方法及び装置
JP2617467B2 (ja) 数値制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees