JP3526742B2 - 歯科用硬化性組成物 - Google Patents

歯科用硬化性組成物

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JP3526742B2
JP3526742B2 JP14608298A JP14608298A JP3526742B2 JP 3526742 B2 JP3526742 B2 JP 3526742B2 JP 14608298 A JP14608298 A JP 14608298A JP 14608298 A JP14608298 A JP 14608298A JP 3526742 B2 JP3526742 B2 JP 3526742B2
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Tokuyama Corp
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TOKUYMA DENTAL CORPORATION
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用修復材料、
特に歯頚部または歯根部被覆材料として好適な硬化性組
成物に関する。さらに詳しくは低粘度であり且つ充填時
に垂れない為に充填操作が容易な歯科用硬化性組成物を
提供するものである。
【0002】
【従来の技術】主としてフィラー成分、重合性単量体
(モノマー)成分、及び重合開始剤からなる歯科用複合
修復材は、天然歯牙色と同等の色調を付与できることや
操作が容易なことから、修復材料として歯科分野で近年
多用されている。その使用方法は、歯の窩洞に歯科用充
填器等を用いて直接充填し、光照射等の重合手段により
重合硬化させて歯の修復を行う方法が一般的であり、通
常コンポジットレジンと呼ばれる高粘度の複合材料が用
いられる。
【0003】しかしながら、知覚過敏症や根面齲蝕等に
より、歯頚部及び歯根部を被覆する場合は窩洞の形成無
しに、または非常に浅い窩洞の形成に対して被覆を行う
ため、通常、高粘度のコンポジットレジンを用いて薄く
被覆することは困難であった。このため、上記のような
臨床においては小筆やスポンジなどを用いて容易に修復
面に塗布被覆することが可能な低粘度の複合修復材料が
望まれている。
【0004】一方で、低粘度の複合修復材料としては、
小窩裂溝填塞に用いられるシーラントと呼ばれる複合材
料があり、この材料は小筆等による塗布は可能である。
しかしながら、シーラントには塑性流動性があるため、
被覆を行ったときに垂れが生じて均一な被覆を行うこと
が困難であり、さらに硬化体自身の強度もそれほど高い
ものではなく、根面あるいは歯頚部への適用を困難なも
のとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小筆等によ
る塗布が可能な程度に低粘度であり、塑性流動性が低く
被覆時に垂れず、且つ、充分な機械的強度を有する歯科
用硬化性組成物を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
克服すべく鋭意検討を重ねたところ、特定の粘度範囲及
び特定の塑性流動性距離を有する組成物が、具体的には
重合性単量体中に配合するフィラーの粒子径及び充填率
を特定の範囲に調整した組成物がこれら物性を満たすこ
とにより、上記の粘度と垂れの問題を同時に解決できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、平均粒子径が0.05〜
1μmのフィラー100重量部、平均粒子径が0.05
μm未満の微粒子フィラー0.1〜10重量部、重合性
単量体30〜100重量部、及び重合開始剤0.003
〜5重量部を含んでなるその粘度が3〜300ポイズ
であり、且つその塑性流動距離が1mm以下である、歯
頸部又は歯根部被覆用の歯科用硬化性組成物である。
【0008】上記本発明の歯科用硬化性組成物は、歯頚
部又は歯根部被覆用硬化性組成物として使用される。
【0009】本発明の歯科用硬化性組成物は、平均粒子
径が0.05〜1μmのフィラー100重量部、平均粒
子径が0.05μm未満の微粒子フィラー0.1〜10
重量部、重合性単量体30〜100重量部、及び重合開
始剤0.003〜5重量部を含んでなる。
【0010】本発明に用いられるフィラーとしては、重
合性単量体(モノマー)と混合したときの粘度を3〜3
00ポイズに、その塑性流動距離を1mm以下に調整可
な、特定の平均粒径の有機及び無機フィラーが用いら
れる。
【0011】この様なフィラーを具体的に例示すると、
無機フィラーとしてホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、
重金属(例えばバリウム、ストロンチウム、ジルコニウ
ム)を含むガラス、アルミノシリケート、ガラスセラミ
ックス、シリカや、シリカ・ジルコニア、シリカ・チタ
ニア、シリカ・アルミナ等の複合無機酸化物等が挙げら
れる。また、有機フィラーとしてアクリル酸エステル又
はメタクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステルポリアミド
等が挙げられる。
【0012】上記無機フィラーは、シランカップリング
剤に代表される表面処理剤で処理することが、重合性単
量体とのなじみをよくし機械的強度や耐水性を向上させ
る上で望ましい。表面処理の方法は公知の方法で行えば
よく、シランカップリング剤としては、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリク
ロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロ
ロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が好適
に用いられる。
【0013】また、上記無機フィラーをラジカル重合性
単量体に分散、含有させた混合物を重合硬化させて得ら
れる無機酸化物とポリマーとの複合体を粉砕して得られ
る無機有機複合フィラーも好適に使用される。
【0014】上記各種フィラーは単独で、または2種類
以上を混合して使用することができる。
【0015】本発明においては上記各種フィラーの中で
も、硬化体の機械的強度の向上、および耐候性向上の点
から、無機フィラーを用いることが好ましい。
【0016】本発明の歯科用硬化性組成物においては、
上記したフィラーと重合性単量体とを特定の割合で混合
することによって、歯科用硬化性組成物の粘度が3〜3
00ポイズに、塑性流動距離が1mm以下に制御され
る。この時、フィラーの形状、粒径、充填率等は上記物
性を左右するため、その制御が重要となる。
【0017】一般に平均粒径が大きなフィラーを用いる
と塑性流動性が発生し、硬化体組成物を被覆するときに
垂れる恐れがあり、平均粒径が小さいフィラーを用いる
と歯科用硬化性組成物の塑性流動性は低下するが、粘度
が上昇するために操作性が低下するばかりでなく、フィ
ラー充填率が低下して硬化体の機械的強度を低下させる
恐れがある。
【0018】このため、本発明では、上記したフィラー
の中でも、上記歯科用硬化性組成物の物性を容易に得る
ことができるという点で平均粒径が0.05〜1μmの
フィラーが用いられる。特に平均粒径が0.05〜1μ
mの無機フィラーが好適に用いられる。更に、この中で
も、球状の無機フィラーを用いると硬化体の表面光沢性
が増すため、平均粒径が0.05〜1μmの球状の無機
フィラーを用いるのが特に好適である。
【0019】また、本発明の歯科用硬化性組成物におい
ては、上記した0.5〜1μmのフィラーに加えて、微
粒子フィラーを少量含有させることによって、塑性流動
性のさらなる低減と機械的強度の向上を行う。上記微粒
子フィラーとしては平均粒径が0.05μm未満の有機
及び無機微粒子フィラーを特に制限なく用いることがで
きる。
【0020】一般に好適に使用される微粒子フィラーを
具体的に例示すると、無機微粒子フィラーとしては超微
粉末シリカ、超微粉末アルミナ、超微粉末ジルコニア、
超微粉末チタニア、非晶質シリカ、シリカ−ジルコニ
ア、シリカ−チタニア、シリカ−チタニア−酸化バリウ
ム、石英、アルミナ等の無機酸化物が挙げられる。さら
に、少量の周期律表第I族の金属の酸化物を無機酸化物
中に存在させた複合酸化物も用いることができる。該複
合酸化物は、高温で焼成した際に緻密なものが得やすい
と言う特徴を有する。また、有機微粒子フィラーとして
はアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの単独
重合体又は共重合体、ポリ塩化ビニルポリスチレン、ポ
リエステルポリアミド等が挙げられる。
【0021】上記微粒子フィラーの添加量は、平均粒子
径が0.05〜1μmのフィラー100重量部に対して
0.1〜10重量部の範囲、好ましくは1〜5重量部の
範囲である。微粒子フィラーの上記添加量が0.1重量
部未満であると組成物の塑性流動性は殆ど変化せず、1
0重量部を越えると組成物の粘度が上昇する。
【0022】本発明に用いられる重合性単量体(モノマ
ー)は特に限定的でなく、一般に歯科用モノマーとして
使用される公知のラジカル重合性単量体が使用できる。
好適に使用できる代表的な重合性単量体(モノマー)を
例示すれば、アクリロイル基及び/またはメタクリロイ
ル基を有する重合可能なモノマーが挙げられる。これら
を具体的に例示すれば次の通りである。
【0023】〔単官能性ビニルモノマー〕メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒ
ドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレ
ート等のメタクリレート、およびこれらのメタクリレー
トに対応するアクリレート;あるいはアクリル酸、メタ
クリル酸、p−メタクリロイルオキシ安息香酸、N−2
−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル−N
−フェニルグリシン、4−メタクリロイルオキシエチル
トリメリット酸、及びその無水物、6−メタクリロイル
オキシヘキサメチレンマロン酸、10−メタクリロイル
オキシデカメチレンマロン酸、2−メタクリロイルオキ
シエチルジハイドロジェンフォスフェート、10−メタ
クリロイルオキシデカメチレンジハイドロジェンフォス
フェート、2−ヒドロキシエチルハイドロジェンフェニ
ルフォスフォネート 〔ニ官能性ビニルモノマー〕 (1)芳香族化合物系のもの 2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)
−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン(以
下、bis−GMAと略記する)、2,2−ビス(4−
メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)
プロパン(以下、D−26Eと略記する)、2,2−ビ
ス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プ
ロパン)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテ
トラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポ
キシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキ
シジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキ
シジエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロ
イルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロ
イルオキシジトリエトキシフェニル)プロパン、2(4
−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−
(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシプロ
ポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタク
リロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパンおよ
びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれ
らのメタクリレートに対応するアクリレートのような−
OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメ
チルベンゼン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合
物との付加から得られるジアダクト (2)脂肪族化合物系のもの エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート(以下、3Gと略記する)、ブチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、プロピレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4
−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジメタクリレートおよびこれらのメタクリレー
トに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等
のメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対
応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモ
ノマーと、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネート
メチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネー
ト、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネー
ト)のようなジイソシアネート化合物との付加から得ら
れるジアダクト;無水アクリル酸、無水メタクリル酸、
1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロ
キシプロポキシ)エチル、ジ(2−メタクリロイルオキ
シプロピル)フォスフェート 〔三官能性ビニルモノマー〕トリメチロールプロパント
リメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリ
レート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ト
リメチロールメタントリメタクリレート等のメタクリレ
ートおよびこれらのメタクリレートに対応するアクリレ
ート 〔四官能性ビニルモノマー〕ペンタエリスリトールテト
ラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート及びジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシ
アネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4
−シクロヘキシルイソシアネート)、4,4−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソ
シアネートのようなジイソシアネート化合物とグリシド
ールジメタクリレートとの付加から得られるジアダク
ト。
【0024】これらの重合性単量体は単独で用いること
もできるが、2種類以上を混合して使用することもでき
る。上記重合性単量体の添加量は歯科用硬化性組成物の
粘度が3〜300ポイズの範囲内となり、その塑性流動
距離が1mm以下となる量である。本発明の歯科用硬化
性組成物における重合性単量体の添加量は、平均粒子径
が0.05〜1μmのフィラー100重量部に対して3
0〜100重量部、好ましくは40〜90重量部であ
る。重合性単量体の上記添加量が30重量部より少ない
と歯科用硬化性組成物の粘度が上昇し、100重量部よ
り多いと塑性流動距離が大きくなるばかりでなく歯科用
硬化性組成物が保存中に分離したり、硬化体強度が低く
なる恐れがある。
【0025】本発明の歯科用硬化性組成物に用いる重合
開始剤は特に限定されず、ラジカル機構により前記の重
合性単量体を重合し得る公知のラジカル重合開始剤が制
限なく使用される。
【0026】代表的な重合開始剤としては、有機過酸化
物及びアミン類の組み合わせ,有機過酸化物類、アミン
類、及びスルフィン酸塩類の組み合わせ,酸性化合物、
及びアリールボレート類の組み合わせ,バルビツール
酸,アルキルボラン等の化学重合開始剤;並びにアリー
ルボレート類及び光酸発生剤類の組み合わせ,α−ジケ
トン類及び第三級アミン類の組み合わせ,アシルフォス
フィンオキサイド及び第三級アミン類の組み合わせ,チ
オキサントン類及び第三級アミン類の組み合わせ,α−
アミノアセトフェノン類及び第三級アミン類の組み合わ
せ等の光重合開始剤が挙げられる。
【0027】上記各種化学重合開始剤に使用される各化
合物として好適に使用できるものを以下に例示すると、
有機過酸化物類としては、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ジt−ブチル、
過酸化ジクミル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、
過酸化ベンゾイル等が挙げられる。これらは、単独で又
は2種以上を配合して使用することができる。
【0028】アミン類としては、第二級又は第三級アミ
ン類が好ましく、具体的に例示すると、第二級アミンと
してはN−メチルアニリン、N−メチル−p−トルイジ
ン等が挙げられ、第三級アミンとしてはN,N−ジメチ
ルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−
n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、
N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル
−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジ
ン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロ
ロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベ
ンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、
p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息
香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミ
ルエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッ
ドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリ
ン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p
−ジメチルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチル
アミノスチルベン、N,N−ジメチル−3,5−キシリ
ジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル
−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチ
ルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、ト
リエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−
エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシル
アミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジ
メチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、2,2’−(n−ブチルイミノ)ジエタノ
ール等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を配
合して使用することができる。
【0029】スルフィン酸塩類としては、ベンゼンスル
フィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、
p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンス
ルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸カリウ
ム、m−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−
フルオロベンゼンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0030】アリールボレート類としてはテトラフェニ
ルホウ素、テトラ(p−フルオロフェニル)ホウ素、テ
トラ(p−クロロフェニル)ホウ素、トリアルキル(p
−フルオロフェニル)ホウ素、トリアルキル(3、5−
ビストリフルオロメチル)フェニルホウ素、ジアルキル
ジフェニルホウ素、ジアルキルジ(p−クロロフェニ
ル)ホウ素、ジアルキルジ(p−フルオロフェニル)ホ
ウ素、ジアルキルジ(3、5−ビストリフルオロメチ
ル)フェニルホウ素、モノアルキルトリフェニルホウ
素、モノアルキルトリ(p−クロロフェニル)ホウ素、
モノアルキルトリ(p−フルオロフェニル)ホウ素、モ
ノアルキルトリ(3、5−ビストリフルオロメチル)フ
ェニルホウ素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチ
ル基、n−ドデシル基等)のナトリウム塩、リチウム
塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモ
ニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等が挙げられ
る。
【0031】バルビツール酸としては5−ブチルバルビ
ツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸
等を挙げることができる。
【0032】アルキルボランとしてはトリブチルボラ
ン、トリブチルボラン部分酸化物等が好適に使用され
る。
【0033】また、前記各種光重合開始剤に好適に使用
される各種化合物を例示すると、アリールボレート類と
しては、化学重合開始剤の成分として例示したものと同
じものが挙げられる。
【0034】光酸発生剤としては、2,4,6−トリス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−
トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メ
チル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)
−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ
フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−
トリアジン、2−(p−メチルチオフェニル)−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメ
チル)−s−トリアジン、2−(2,4−ジクロロフェ
ニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−ブロモフェニル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ト
リル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロ
ピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ス
チリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(o−メ
トキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,
4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基置換
−s−トリアジン誘導体類や、ジフェニルヨードニウ
ム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ジトリ
ルヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニ
ル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨード
ニウム、p−tert−ブチルフェニルフェニルヨード
ニウム、メトキシフェニルフェニルヨードニウム、p−
オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウム等のクロ
リド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフル
オロフォスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘ
キサフルオロアンチモネート、トリフルオロメタンスル
ホネート等のジフェニルヨードニウム塩化合物類が挙げ
られる。
【0035】α−ジケトン類としては、カンファーキノ
ン、ベンジル、α−ナフチル、アセトナフテン、ナフト
キノン、p,p’−ジメトキシベンジル、p,p’−ジ
クロロベンジルアセチル、1,2−フェナントレンキノ
ン、1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナン
トレンキノン、9,10−フェナントレンキノン等が挙
げられる。
【0036】三級アミンとしては、化学重合開始剤の成
分として例示したものと同じものが挙げられる。
【0037】アシルフォスフィンオキサイド類として
は、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフ
ェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラ
メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等
が挙げられる。
【0038】チオキサントン類として2−クロロチオキ
サントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げら
れる。
【0039】α−アミノアセトフェノン類として2−ベ
ンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ
ニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−ジエチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、
2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリ
ノフェニル)−プロパノン−1、2−ベンジル−ジエチ
ルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−プロパ
ノン−1、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−
モルフォリノフェニル)−ペンタノン−1、2−ベンジ
ル−ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ペンタノン−1等が挙げられる。
【0040】なお、光酸発生剤を使用する場合には、該
光酸発生剤を増感分解させることができるクマリン系色
素類を添加するのも好ましい。好適に使用されるクマリ
ン系色素類を具体的に例示すると、3−チエノイルクマ
リン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−
ベンゾイルクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)ク
マリン、3−チエノイル−7−メトキシクマリン、7−
メトキシ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、
3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(4−シ
アノベンゾイル)−7−メトキシクマリン、5,7−ジ
メトキシ−3−(4−メトシキベンゾイル)クマリン、
3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−
(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジメトキシクマリ
ン、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、7−
ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、7−ジエチ
ルアミノ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、
3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、7−ジ
エチルアミノ−3−(4−シアノベンゾイル)クマリ
ン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジメチルアミノベ
ンゾイル)クマリン、3−シンナモイル−7−ジエチル
アミノクマリン、3−(p−ジエチルアミノシンナモイ
ル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−アセチル−7
−ジエチルアミノクマリン、3−カルボキシ−7−ジエ
チルアミノクマリン、3−(4−カルボキシベンゾイ
ル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボ
ニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジ
エチルアミノ)クマリン、2,3,6,7−テトラヒド
ロ−1,1,7,7−テトラメチル−10−(ベンゾチ
アゾイル)−11−オキソ−1H,5H,11H−
[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン、
3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキシ)−
3,3’−ビスクマリン、3−(2’−ベンズイミダゾ
イル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2’−ベ
ンズオキサゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3
−(5’−フェニルチアジアゾイル−2’)−7−ジエ
チルアミノクマリン、3−(2’−ベンズチアゾイル)
−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’カルボニルビ
ス(4−シアノ−7−ジエチルアミノ)クマリン等を挙
げることができる。
【0041】上記重合開始剤の中でも、重合性単量体成
分と分割包装する必要がない光重合開始剤を使用するの
が好適である。特に、生体に対して為害性の少ない、α
−ジケトン類又はアシルオスフィンオキサイドと第3級
アミン類の組み合わせ等の可視光線重合開始剤を使用す
るのが好ましく、カンファーキノンと第3級アミン類の
組み合わせを使用するのが最も好適である。
【0042】上記重合開始剤の配合量は、公知の添加範
囲が特に制限なく採用される。本発明の歯科用硬化性組
成物における重合開始剤の配合量は、平均粒子径が0.
05〜1μmのフィラー100重量部に対して0.00
3〜5重量部の割合で使用される。重合開始剤の上記配
合量が0.003重量部より少ないと硬化時間が遅延さ
れ、5重量部より多いと歯科用硬化性組成物の保存安定
性が低下する。
【0043】本発明の歯科用硬化性組成物は小筆等によ
る歯面への塗布を可能にするため、歯科用硬化性組成物
の粘度が3〜300ポイズ、好ましくは5〜100ポイ
ズの範囲でなければならない。歯科用硬化性組成物の粘
度が3ポイズより低いと組成物が流れやすくて塗布しに
くくなり、300ポイズより高いと小筆で適量を採りづ
らくなり、さらに薄い被覆を行うことが困難になる。
【0044】また本発明の歯科用硬化性組成物は塗布時
の垂れを防ぐために塑性流動距離が1mm以下でなけれ
ばならない。本発明で言う塑性流動距離とは、水平で平
滑なガラス平面に該歯科用硬化性組成物約0.1gを直
径が10mm以内となるように載せ5秒間自然展開させ
た後に該ガラス平面を鉛直にして静置したときに、該ガ
ラス平面に展開した歯科用硬化性組成物の最下端の位置
が該ガラス平面を鉛直にした直後から3分間で移動した
距離を意味する。この時、該歯科用硬化性組成物の重合
開始剤として光重合開始剤を用いた場合は試験を遮光下
または光重合開始剤を除いた系で行い、化学重合開始剤
を用いた場合は該歯科用硬化性組成物から重合触媒を除
いた組成物を用いて試験を行う必要がある。
【0045】本発明の歯科用硬化性組成物は、その性能
を低下させない範囲で、必要に応じてハイドキノン、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル、ブチルヒドロキシト
ルエン等の重合禁止剤や公知の紫外線吸収剤、顔料等を
添加することも可能である。
【0046】本発明の歯科用硬化性組成物の調製方法
は、特に限定されず、それぞれ所定量のフィラー、重合
性単量体、及び重合開始剤、並びに必要に応じて上記各
種添加剤を適宜混合することにより調製することが出来
る。使用直前に全ての成分を混合しても良いし、重合性
単量体が重合しない条件下であれば予め全ての成分或を
混合しても良い。また、予め幾つかの成分を混合してお
き、使用直前に残りの成分をこれに混合しても良い。
【0047】本発明の歯科用硬化性組成物は、その粘度
が3〜300ポイズであり、塑性流動距離が1mm以下
であるので、薄く均一に塗布することが出来、しかもほ
ぼ垂直な歯の表面に塗布しても垂れが生じ難い。このた
め、知覚過敏症や根面齲蝕等の治療目的で歯頚部又は歯
根部の被覆に用いる歯科用硬化性組成物として特に好適
に使用できる。
【0048】本発明の歯科用硬化性組成物をこの様な目
的で使用する場合には、例えば、歯科用の小筆や充填器
を用いて硬化性組成物を採り、歯の修復面に薄く均一な
皮膜ができるように塗布し、使用する重合開始剤の種類
に応じて適宜硬化を行えばよい。
【0049】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものでは
ない。なお、歯科用硬化性組成物の硬化物の機械的強度
は3点曲げ強度により評価を行った。また、各実施例、
参考例及び比較例におけるフィラー粒子径の測定、歯科
用硬化性組成物のペーストの調製および物性の測定、並
びに歯科用硬化性組成物の硬化は以下の方法に従った。
【0050】 (1)フィラー粒子径および粒子径の変動係数の測定 走査型電子顕微鏡(日本電子社製、T−330A)で粉
体の写真を撮り、その写真の単位視野内に観察される粒
子の数および粒子径を求め、下記式により原料粉体粒子
の平均体積径を求め平均粒子径とした。また、また粒子
径の変動係数を算出した。
【0051】
【数1】
【0052】(2)歯科用硬化性組成物の調製 重合性単量体に対し所定割合の光重合開始剤を加えマト
リックスモノマーを調製した。次に、フィラーとマトリ
ックスモノマーをメノウ乳鉢に入れ、暗所にて十分に混
練し均一な歯科用硬化性組成物ペーストとした。
【0053】(3)粘度の測定 粘度測定装置(ITS社製、CSレオメーター)に歯科
用硬化性組成物0.05gを載せ、23℃で保持しなが
ら粘度の測定を行い、測定開始から30秒後の粘度を歯
科用硬化性組成物の粘度とした。
【0054】(4)塑性流動距離の測定 ガラスプレート上に歯科用硬化性組成物約0.1gを直
径が10mm以内となるように載せ5秒間自然展開させ
た後に該ガラス平面を鉛直にして静置したときに、該ガ
ラス平面に展開した歯科用硬化性組成物の最下端の位置
が該ガラス平面を鉛直にした直後から3分間で移動した
距離を測定し塑性流動距離とした。
【0055】(5)小筆塗布性の評価 歯科用硬化性組成物を歯科用小筆(トクヤマ製)で少量
採取し、抜去した牛歯の歯根部を薄く均一になるように
被覆した。この時の操作性を、小筆にて採取できなかっ
たものを×、小筆で採取できるが薄く均一な被覆ができ
なかったものを△、薄く均一な被覆ができたものを○と
し、三段階評価をおこなった。
【0056】(6)3点曲げ強度試験 歯科用硬化性組成物を2×2×25mmの角柱状の穴を
有するテフロン製のモールドに充填し上部をポリプロピ
レンフィルムにて気泡が入らぬように注意しながら圧接
した。可視光線照射器(トクヤマ製、パワーライト)に
てモールドの両端部及び中心部の3ヶ所にそれぞれ30
秒間づつ光照射を行い試験片を作製した。試料片を試験
機(島津製作所製、オートグラフ5000D)に装着
し、クロスヘッドスピード0.5mm/分で3点曲げ破
壊強度を測定した。
【0057】(7)表面光沢性試験 歯科用硬化性組成物を6mmφ×3mmの孔を有するテ
フロン製のモールドに充填し上部をポリプロピレンフィ
ルムにて気泡が入らぬように注意しながら圧接した。可
視光線照射器にて30秒間光照射を行い試験片を作製し
た。次に試験片の表面を#800エメリーペーパーで荒
らした後、コンポジット研磨材(松風社製、スーパース
ナップ)にて仕上げ研磨を行った。
【0058】硬化体の表面反射率を光沢計(東京電色社
製、TC−108D)を用いて測定しこれを光沢度とし
た。上記光沢度の最大値は45.0であり、数値が高い
ほど表面光沢性に優れる。
【0059】また、各実施例、参考例及び比較例に用い
たフィラー、重合性単量体、及び重合開始剤の略称及び
構造を以下に示す。
【0060】(a)フィラー 〔平均粒子径0.05〜1μmの粒子(以下、単に「フ
ィラーA」ともいう。)〕 0.5Si−Zr:主成分;球状シリカ−ジルコニア、
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
表面処理物 平均粒径;0.52μm 変動係数;0.13 0.2Si−Zr:主成分;球状シリカ−ジルコニア、
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
表面処理物 平均粒径;0.21μm 変動係数;0.04 0.2Si:主成分;球状シリカ、γ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物 平均粒径;0.22μm 変動係数;0.06 0.06Si:主成分;球状シリカ−ジルコニア、γ−
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面
処理物 平均粒径;0.06μm 変動係数;0.02 1.0Cry:主成分;不定形石英ガラス 平均粒径;0.98μm 変動係数;0.22 〔平均粒子径1μmを越える粒子(以下、単に「フィラ
ーB」ともいう。)〕 6.2Cry:主成分;不定形石英ガラス 平均粒径;6.2μm 変動係数;1.32 〔平均粒子径0.05μm未満の粒子(微粒子フィラ
ー、以下、単に「フィラーC」ともいう。)〕 QS102:主成分;微粉末シリカ 平均粒径;0.01μm (b)重合性単量体: bis−GMA:2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシ
−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)プ
ロパン D−2.6E:2,2−ビス(4−(メタクリロキソエ
トキシ)フェニル)プロパン3G:トリエチレングリコ
ールジメタクリレート UDMA:1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカル
ボニルアミノ)2,2,4−トリメチルヘキサン (c)重合開始剤 CQ:カンファーキノン BDPP:ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド DMBE:4−ジメチルアミノ安息香酸エチル DMBA:ジメチルアミノベンズアルデヒド参考 例1 フィラーとして0.2Si−Zr100重量部、重合性
単量体としてD−2.6E47重量部、3G20重量
部、重合開始剤としてCQ0.17重量部、DMBE
0.17重量部を用い歯科用硬化性組成物を調製した。
【0061】上記歯科用硬化性組成物を用いて各物性を
測定した。上記歯科用硬化性組成物の粘度は22ポイ
ズ、塑性流動性はなく塑性流動距離距離は0であり、上
記歯科用硬化性組成物の子筆塗布性は○であった。ま
た、曲げ強度は129MPa、表面光沢度は23.3と
コンポジットレジンと差のないものであった。このこと
から、本実施例の歯科用硬化性組成物は、操作性に優れ
た歯頚部又は歯根部被覆を行うことが可能である。
【0062】参考例2〜9、実施例1〜3 参考 例1と同様にして表1に示す組成で歯科用硬化性組
成物を調製し、物性を測定した。その結果を表2に示
す。いずれの組成においても子筆塗布性は○であり、本
実施例の歯科用硬化性組成物は、操作性に優れた歯頚部
又は歯根部被覆を行うことが可能である。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】比較例1〜3 実施例1と同様に表1に示す組成で歯科用硬化性組成物
を調製し、物性を測定した。結果を表2に示す。比較例
1の歯科用硬化性組成物は粘度が300ポイズを越えて
おり、小筆塗布性が実施例よりも劣っている。また、比
較例2及び比較例3の歯科用硬化性組成物はいずれも粘
度は3〜300ポイズの範囲にあるが組塑性動性が1m
mを越えており、小筆塗布性が実施例よりも劣ってい
る。なお、比較例2では曲げ強度が、比較例3では表面
光沢が実施例よりも劣る結果となっている。このことか
ら何れの組成物も歯頚部又は歯根部の被覆操作が困難で
あることが分かる。
【0066】比較例4 本発明の歯科用硬化性組成物の変わりに歯科用コンポジ
ットレジンパルフィークエステライト(トクヤマ製)を
用いて各物性を測定したところ、粘度は高粘度のため測
定限界以上であり、塑性流動距離が0、曲げ強度が13
3MPa、表面光沢度が24.2であった。また、小筆
塗布性は×であり、歯頚部又は歯根部の被覆操作が困難
である。
【0067】比較例5 本発明の歯科用硬化性組成物の変わりに小窩裂溝填塞材
パルフィークライトシーラント(トクヤマ製)を用いて
各物性を測定したところ、粘度が15ポイズ、組成流動
距離、9mm、曲げ強度が96MPa、表面光沢度は2
2.6であった。また、小筆塗布性は△であり、歯頚部
又は歯根部の被覆操作が困難であり、機械的強度も低か
った。
【0068】
【発明の効果】本発明の歯科用硬化性組成物は、小筆等
による塗布が可能な程度に低粘度で、且つ塑性流動性が
低いために塗布時に垂れることがないため、歯頚部及び
歯根部を修復する際、窩洞を形成しないあるいは浅い窩
洞を形成した歯面に薄く均一な被覆を行うことができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−76702(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 6/00 - 6/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が0.05〜1μmのフィラ
    ー100重量部、平均粒子径が0.05μm未満の微粒
    子フィラー0.1〜10重量部、重合性単量体30〜1
    00重量部、及び重合開始剤0.003〜5重量部を含
    んでなるその粘度が3〜300ポイズであり、且つそ
    の塑性流動距離が1mm以下である、歯頸部又は歯根部
    被覆用の歯科用硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 重合開始剤が光重合開始剤である請求項
    1記載の歯科用硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 平均粒子径が0.05〜1μmのフィラ
    ーが球状無機フィラーであることを特徴とする請求項1
    又は2記載の歯科用硬化性組成物。
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