JP3526707B2 - 非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池

Info

Publication number
JP3526707B2
JP3526707B2 JP31614996A JP31614996A JP3526707B2 JP 3526707 B2 JP3526707 B2 JP 3526707B2 JP 31614996 A JP31614996 A JP 31614996A JP 31614996 A JP31614996 A JP 31614996A JP 3526707 B2 JP3526707 B2 JP 3526707B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boron
fiber
boron carbonitride
negative electrode
precursor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31614996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10162824A (ja
Inventor
知水 岡野
博也 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP31614996A priority Critical patent/JP3526707B2/ja
Publication of JPH10162824A publication Critical patent/JPH10162824A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3526707B2 publication Critical patent/JP3526707B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液二次電池
用負極活物質および非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、急速に普及する携帯電話、携帯用
端末、ビデオカメラなどの携帯用機器の電源として、あ
るいは電気自動車用電源として、小型、軽量で、充電間
隔の長い二次電池に対する社会的要求が益々強くなって
いる。
【0003】充電可能で繰り返し使用できる二次電池の
うち、水溶液系電解質を用いる鉛蓄電池、ニッケル−カ
ドミウム電池、ニッケル−水素電池などの二次電池で
は、水の分解電圧を超える高い電池電圧を得ることはで
きない。但し、鉛蓄電池では過電圧分だけ電池電圧が高
くなっている。これに対し非水電解液二次電池(非水二
次電池ともいう)は電解液に非水溶媒を用いるため、水
溶液系電解質を用いる上述の二次電池よりも高い電池電
圧を得ることができる。そのため、非水二次電池は電池
容量、エネルギー密度が高いので、小型化及び軽量化が
可能であり、携帯用機器の電源として急速に需要が伸び
ているが、更にこれら電子機器の長時間稼働を実現させ
るために、電池性能の更なる向上が求められている。
【0004】非水二次電池は、リチウムを吸蔵、放出す
ることが可能な正極活物質と集電体などからなる正極
と、やはりリチウムを吸蔵、放出することが可能な負極
活物質と集電体などからなる負極、さらにはリチウム塩
を非水溶媒に溶解してなる電解液、及びセパレータ、電
池容器などから構成される。このような二次電池におい
て、充電時にはリチウムは正極活物質中から放出され、
負極活物質中に吸蔵され、また放電時にはリチウムは逆
に負極活物質中から放出され、正極活物質中に吸蔵され
る。
【0005】エネルギー密度の高い非水二次電池に適し
た負極活物質としては、電池容量及びエネルギー密度に
のみ着目すれば、単位重量当たりに含まれるリチウム量
が最も多い金属リチウムを用いることが望ましい。しか
し、負極活物質に金属リチウムを用いると、充電時にリ
チウムが負極表面に均一に析出せず、樹枝状に析出し、
これがセパレータを貫通して負極と正極が短絡し、発熱
や発火する恐れが生じ、非常に危険であるという問題が
ある。また樹枝状に析出した金属リチウムが負極から脱
落して充放電サイクル寿命が短くなるという問題があっ
た。これらの問題のために、金属リチウムはリチウム容
量が最も高いにも関わらず、非水二次電池の負極活物質
として実用化されるに至っていない。
【0006】現状、市販の非水二次電池の負極活物質と
しては、黒鉛に代表される比較的結晶化度の高い炭素材
料(以下、黒鉛材料ともいう)、あるいは難黒鉛化炭素
などと称される比較的結晶化度の低い炭素材料(以下、
難黒鉛化炭素材料ともいう)などが用いられている。
【0007】黒鉛材料を非水二次電池の負極活物質とし
て使用すると、放電初期から末期に至るまで負極電位は
ほぼ一定の値に安定するため、放電末期まで安定した電
池電厚を確保することができる。しかしながら、黒鉛材
料の充放電容量は理論値で最高372mAh/g、現実
には280〜330mAh/g程度である。従って、よ
りエネルギー密度の高い非水二次電池を作製するために
はさらに高い充放電容量を有する負極活物質が望まれて
いる。
【0008】又、黒鉛材料の場合には、充電時、層状構
造をとる黒鉛結晶の層間に挿入されたリチウムは黒鉛と
の相互作用が強いので、一旦挿入されるとリチウムの放
出が容易でなく、従って放電時の電流密度を高くするこ
とができない。更に、充放電を繰り返すと、黒鉛の結晶
性が崩れ、負極の容積が増大するといった問題点も指摘
されている。さらに、難黒鉛化炭素材料などの他の炭素
材料と比較して非水電解液が分解しやすいという問題が
ある。
【0009】一方、難黒鉛化炭素材料は、充放電容量は
400〜700mAh/gであり、この点では黒鉛材料
よりも優れた特性を有している。しかし、難黒鉛化炭素
材料では、放電初期から負極電位が上昇し続けるため、
非水電解液二次電池に用いると放電に伴って電池電圧が
低下し続ける。そのため、負極活物質である難黒鉛化炭
素には、未だ放電のために放出可能なリチウムが十分に
残存しているにも関わらず、それ以上の放電は低い電圧
下で起こるために電源として利用できないという問題点
がある。その結果、電池容量として実質的に利用できる
充放電容量は、黒鉛材料とほぼ同等の300mAh/g
程度にすぎない場合がある。また、難黒鉛化炭素とリチ
ウムの相互作用が過度に弱いため、リチウムを吸蔵した
際の保持力が弱く、自己放電が起こり易いという問題点
が知られている。
【0010】このような炭素材料に替わる充放電容量の
高い負極活物質材料として、黒鉛類似の層状構造を有
し、炭素の一部がほう素及び窒素により置換された炭窒
化ほう素が提案されている。炭窒化ほう素を非水二次電
池の負極活物質として使用すると、放電初期から末期に
至るまで安定した負極電位を維持し、しかも、炭窒化ほ
う素は375mAh/gという高い充放電容量を有する
ことが知られている(特開平5−290843、特開平
5−314976)。
【0011】しかしながら、このような炭窒化ほう素材
料は、一般には粉末の形状をとっており、充放電中に負
極活物質が集電体から脱落または剥離したりしないよう
に、負極活物質にポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を
5〜15重量%添加し、粉末同士の結合を強くすること
が行われている。この結着剤はリチウムの挿入、脱離に
伴う充放電反応に関与しない上に、かさ密度が非常に小
さく、負極活物質に添加したときに占める体積が大きい
ため、添加量が多いと電池の容量が低下するという問題
点があった。
【0012】たとえば、充放電反応に寄与しない結着剤
の添加量が、体積一定の負極の充放電容量に及ぼす効果
を試算すると、結着剤添加量が5重量%のとき容量は最
低でも約10%低下し、添加量が15重量%のとき容量
は最低でも約25%低下すると見積もることができる。
従って、炭窒化ほう素のような充放電容量の高い物質を
負極活物質として用いる事と同時に、集電体から脱落、
剥離の問題を解決することが電池容量の高い二次電池を
作製するための重大な課題となっていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、結着剤の添加
量を低減しても、集電体から脱落または剥離を起こしに
くい炭窒化ほう素を用いた非水二次電池用負極活物質の
開発が強く求められていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は上記
課題を解決すべく種々の角度から鋭意研究を重ねた。そ
の結果、炭窒化ほう素のC面が繊維軸に平行な方向に優
先的に配向した炭窒化ほう素繊維を非水二次電池の負極
活物質に用いると、少量の結着剤の添加でも負極活物質
の集電体からの脱落、剥離が防止されることを見いだ
し、ここに本発明を完成させるに至った。
【0015】すなわち、本発明は、炭素とほう素と窒素
が結合して作られた6員環が該6員環の面方向に連結し
て形成された面(C面)が積層した構造を有する炭窒化
ほう素からなる炭窒化ほう素繊維であって、該C面の少
なくとも一部は該炭窒化ほう素繊維の繊維軸に実質的に
平行に配向しており、該C面の配向度が0.70以上で
ある炭窒化ほう素繊維からなる非水電解液二次電池用負
極活物質である。
【0016】他の発明は、上記非水電解液二次電池用負
極活物質を集電体に接合してなる負極と、リチウムを吸
蔵、放出することが可能な材料からなる正極活物質を集
電体に接合してなる正極とが、セパレータにより隔てら
れ非水電解液と共に電池容器内に収納されていることを
特徴とする非水電解液二次電池である。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】炭窒化ほう素は、周期律表第III族のほ
う素と周期律表第IV族の炭素と周期律表第V族の窒素
が化学的に結合して生成した物質であって、現在(1)
炭素、ほう素および窒素が3次元的に結合して生成し
た構造、すなわち原子位置を占める元素の種類を区別し
なければダイヤモンド構造と同一の構造を有する炭窒化
ほう素、及び(2) 炭素とほう素と窒素が結合して作
られた6員環が6員環の面方向に連結して形成された面
(以下C面ともいう)が積層した構造を有する炭窒化ほ
う素、が知られている。
【0019】本発明の炭窒化ほう素繊維は、上で説明し
た炭素とほう素と窒素が結合して作られた6員環が該6
員環の面方向に連結して形成された面が積層した構造を
有する炭窒化ほう素(以下炭窒化ほう素ともいう)から
なるものである。
【0020】本発明に関わる炭窒化ほう素は、例えば窒
化ほう素における六方晶窒化ほう素の構造あるいは炭素
における黒鉛の構造のように、C面が面間の規則性を保
って積層した構造を有する炭窒化ほう素および/また
は、例えば窒化ほう素や炭素における乱層構造(ターボ
ストラティック構造ともいう)のように、C面間の規則
性を欠いた積層構造を有する炭窒化ほう素を含有してい
てもよい。
【0021】該炭窒化ほう素の積層構造は、X線回折に
よるC面からの回折ピークより確認できる。この回折ピ
ークは、X線をCuKα線とした場合2θ=24〜26
°の位置に現れ、回折ピークの位置より計算される積層
したC面の間隔は約3〜4オングストロームである。
【0022】又該炭窒化ほう素は、炭素−炭素、ほう素
−窒素結合の他に、炭素−ほう素、炭素−窒素の結合を
含んでいることにより、炭窒化ほう素と類似した構造を
有するグラファイト構造等をとる炭素、および六方晶等
の構造をとる窒化ほう素あるいはそれらの混合物と区別
される。炭素−ほう素、炭素−窒素の結合の存在は、X
線光電子分光(XPSともいう)またはラマン分光法等
により確認することができる。
【0023】X線光電子分光の場合、炭素に結合したほ
う素のXPSスペクトルは、窒素に結合したほう素のX
PSスペクトルよりも低エネルギー側にシフトする。一
方、炭素に結合した窒素のXPSスペクトルは、ほう素
に結合した窒素のXPSスペクトルよりも高エネルギー
側にシフトする。従って、X線光電子分光法により炭窒
化ほう素繊維中のほう素および窒素のXPSスペクトル
を測定すれば、炭窒化ほう素における炭素−ほう素結合
および炭素−窒素結合を確認することができる。
【0024】また、ラマン分光法によれば、炭素−炭素
結合のみからなるグラファイトおよびほう素−窒素結合
のみからなる六方晶窒化ほう素のラマンスペクトルは各
々1570cm-1、1370cm-1の位置にピークを有
するのに対し、炭素−ほう素結合および炭素−窒素結合
を含む炭窒化ほう素ではそれらの中間の約1430cm
-1を中心とした位置にピークを有するスペクトルが得ら
れる。
【0025】該炭窒化ほう素の組成は特に限定されない
が、好ましくは、ほう素−炭素−窒素の三元系状態図に
おいて、ほう素の組成が1atm%以上で90atm%
以下の領域と、炭素の組成が2atm%以上で98at
m%以下の領域と、更に、窒素の組成が1atm%以上
で60atm%以下の領域との積集合に対応する領域
(以下領域Aともいう)に含まれる組成であり、より好
ましくは、ほう素−炭素−窒素の三元系状態図におい
て、炭素100atm%の点とほう素80atm%−窒
素20atm%の点を結ぶ直線と、炭素100atm%
の点とほう素20atm%−窒素80atm%の点を結
ぶ直線とで囲まれる領域と、領域Aとの積集合に対応す
る領域に含まれる組成であり、更に好ましくは、ほう素
−炭素−窒素の三元系状態図において、炭素100at
m%の点とほう素80atm%−窒素20atm%の点
を結ぶ直線と、炭素100atm%の点とほう素40a
tm%−窒素60atm%の点を結ぶ直線とで囲まれる
領域と、領域Aとの積集合に対応する領域に含まれる組
成であり、最も好ましくは、ほう素−炭素−窒素の三元
系状態図において、炭素100atm%の点とほう素6
0atm%−窒素40atm%の点を結ぶ直線と、炭素
100atm%の点とほう素40atm%−窒素60a
tm%の点を結ぶ直線とで囲まれる領域と、領域Aとの
積集合に対応する領域に含まれる組成である。
【0026】炭素含有量の多い炭窒化ほう素は、原料と
なるニトリル化合物、一級アミンハロゲン化水素酸塩に
含まれる炭素含有量の多いものを用いるなどの方法によ
り製造が可能である。又、炭素含有量の少ない炭窒化ほ
う素は、炭窒化ほう素前駆体繊維をアンモニア中で加熱
するなどの方法により製造が可能である。このとき、ア
ンモニア中での加熱処理の加熱温度等などの条件により
炭素含有量を制御することができる。
【0027】本発明に用いる炭窒化ほう素繊維は上述の
炭窒化ほう素を構成成分とするものである。
【0028】当該炭窒化ほう素繊維の繊維軸に対する炭
窒化ほう素のC面の方位分布を表す指標として、C面の
配向度(以下、配向度ともいう)が用いられる。本発明
における炭窒化ほう素繊維は配向度が0.70以上であ
ることを特徴とする。配向度が0.7未満である炭窒化
ほう素繊維の引張強度は、実質的に配向度に依存せず、
その値も低い。これに対し、配向度が0.7以上の時、
炭窒化ほう素繊維の引張強度は配向度に比例して著しい
向上を示す。例えば代表値を示すと、配向度が0.55
および0.66である炭窒化ほう素繊維の引張強度が各
々440MPa、900MPaであるのに対し、配向度
が0.82の炭窒化ほう素繊維の引張強度は1900M
Paであった。
【0029】後述の非水二次電池の製造方法で説明する
とおり、炭窒化ほう素繊維により負極を構成する際、該
炭窒化ほう素繊維は導電性付与剤、結着剤および溶媒と
ともに混練される。このとき、該炭窒化ほう素繊維の配
向度が0.70未満である場合には、引張強度が低いた
めに負極作製時の混練過程で該炭窒化ほう素繊維が破
断、粉砕されてしまい、結着剤添加量が少ない場合に集
電体から脱離、剥離しやすくなる場合があるので好まし
くない。従って、炭窒化ほう素繊維の配向度は0.70
以上であることが好ましい。
【0030】上述の配向度はX線回折法により、炭窒化
ほう素繊維のC面からの回折により生じるデバイ環上の
X線強度分布を基に求めることができる。以下、X線回
折法による配向度測定方法を示す。
【0031】回折に供するX線は、ニッケルフィルター
により単色化された銅のKα線(以下、CuKα線と表
記する)を使用し、透過法により回折強度を測定する。
【0032】炭窒化ほう素繊維の数十ないし数百本の束
を、炭窒化ほう素繊維同士がなるべく平行になるように
して、少量のコロジオン等を用いて固定し、X線回折に
供する試料とする。これを、以下、X線回折用試片とい
う。
【0033】回折強度の測定は、回折像を写真に撮影す
る方法またはX線回折計を用いる方法のいずれを用いて
もよい。
【0034】回折像を写真に撮影する方法により回折強
度を測定する場合には、X線回折用試片の炭窒化ほう素
繊維の繊維軸が入射X線に対して垂直な面内にあり、入
射X線がX線回折用試片の炭窒化ほう素繊維束に照射す
るように、X線回折用試片を固定する。この時、入射X
線に対して直角な面内におけるX線回折用試片の炭窒化
ほう素繊維の繊維軸の方向は、回折像に対する相対的な
方向が特定できるのであれば任意の方向でよい。但し、
ここでは、説明のため繊維軸を鉛直に固定するものとす
る。
【0035】X線回折用試片に対して、入射X線の方向
と反対側に回折像撮影用のX線感光フィルムを設置す
る。X線感光フィルムは入射X線の方向に対して垂直に
なるようにする。X線回折用試片からX線感光フィルム
までの距離(以下、カメラ長ともいう)は、X線回折用
試片の炭窒化ほう素繊維を構成する炭窒化ほう素のC面
からの回折によるデバイ環の全体を撮影できる距離であ
る必要がある。デバイ環のX線感光フィルム上での半径
(D)は式(1)により求められる。
【0036】 D=L×tan(2θ) (1) 但し、Lはカメラ長、2θはX線回折用試片の炭窒化ほ
う素繊維を構成する炭窒化ほう素のC面に対してブラッ
グの回折条件を満たす回折角である。炭窒化ほう素繊維
の場合、入射X線がCuKα線であれば2θは24〜2
6°の範囲にある。従って、入射X線の方向とX線感光
フィルムとの交点を中心に半径Dの円がX線フィルムに
納まるよう、カメラ長Lを設定すればよい。
【0037】回折X線強度は主にX線回折用試片の炭窒
化ほう素繊維の量、その炭窒化ほう素繊維を構成する炭
窒化ほう素の結晶子径などにより変化するので、最適な
回折像を得るためには、X線の露光時間を調整する必要
がある。露光時間が適当であるかどうかを確認するに
は、同一のX線回折用試片に対して露光時間を変化させ
て回折像を撮影し、得られる配向度が変化しないことを
確認すればよい。
【0038】露光したX線感光フィルムを現像し、その
黒化度をマイクロデンシトメーターを用いて定量するこ
とにより、回折X線の強度を求めることができる。炭窒
化ほう素のC面が炭窒化ほう素繊維の繊維軸方向に平行
に配向している場合には、X線感光フィルムに撮影され
たデバイ環上において、デバイ環の中心(入射X線とX
線感光フィルムとの交点)を通りX線回折用試片の炭窒
化ほう素繊維の繊維軸に直角な方向(以下、赤道線方向
ともいう)のフィルムの黒化度が極大となり、デバイ環
の中心を通りX線回折用試片の炭窒化ほう素の繊維軸に
平行な方向(以下、子午線方向ともいう)のフィルムの
黒化度が極小となるような回折強度分布が生じる。デバ
イ環上の回折強度測定点の位置を、デバイ環上の基準点
からの中心角φにより定め、その関数としてデバイ環上
での回折X線の強度を求める。このとき、デバイ環上で
のX線強度は、炭窒化ほう素繊維のC面からの回折X線
の強度とバックグランドの強度とを加えた強度である。
従って、C面からの正味の回折X線の強度を求めるため
には、デバイ環の半径方向のX線強度変化を測定してデ
バイ環におけるバックグランド強度を求め、これをデバ
イ環におけるX線強度から差し引けばよい。中心角φの
関数としてC面からの回折X線の強度を求めると、赤道
線方向に対応する位置に極大を有する2つのピークが得
られる。それぞれのピークについて半価幅を単位を度と
して測定し、その平均(H)を算出する。得られたHを
用いて式(2)により配向度(π)を算出することがで
きる〔炭素材料学会編、”炭素繊維の展開と評価方法”
118頁(1989).〕。
【0039】 π=(180−H)/180 (2) 回折強度を測定するためにはX線回折計を用いることも
できる。回折計は公知の物を使用することができるが、
以下、回折計軸が垂直でX線計数管の走査面が水平であ
る型の回折計について説明する。X線回折計を用いる場
合には、X線回折用試片を固定することができ、入射X
線と垂直な面内でX線回折用試片を360度回転させる
事ができる機構を有する繊維試料台を用いる。
【0040】まず、X線回折用試片の炭窒化ほう素繊維
を構成する炭窒化ほう素のC面が、ブラッグの回折条件
を満たす回折角を透過法により求める。繊維試料台にX
線回折用試片を固定し、X線回折用試片の炭窒化ほう素
繊維の繊維軸を鉛直に固定する。この状態でX線を入射
し、X線計数管すなわち回折計の2θを走査して炭窒化
ほう素のC面による回折角を測定する。
【0041】次に、X線計数管をC面の回折角に固定し
て、X線を入射し、繊維試料台に固定したX線回折用試
片を入射X線に垂直な面内で360度回転させ、対応す
る回折X線強度を測定する。いま、X線回折用試片の回
転角をα(但し単位は度)とし、X線回折試片の炭窒化
ほう素繊維の繊維軸が鉛直である状態をαが0度とす
る。X線回折用試片の炭窒化ほう素繊維を構成する炭窒
化ほう素のC面が炭窒化ほう素繊維の繊維軸方向に配向
している場合には、αが0度と180度に回折X線強度
の極大を有するピークが現れる。このとき、回折X線の
強度は、前述の回折像を写真に撮影する方法と同様にバ
ックグランドの強度を差し引いて補正する必要がある。
それぞれのピークについて半価幅を単位を度として測定
し、その平均(H)を用いて(2)式より配向度(π)
を算出することができる。
【0042】該炭窒化ほう素繊維の断面形状は特に限定
されない。該炭窒化ほう素繊維の作製方法、条件などに
よっても異なるが、通常、繊維の断面は円形、楕円形、
あるいは三角形、四角形などの多角形などである。断面
が円形の場合は直径が短径に相当し、楕円形の場合は短
い方の径と長い方の径の平均が短径に相当し、さらには
多角形の場合は最も短い対角線と最も長い対角線の平均
が短径に相当するものとする。但し、断面が三角形の場
合は、最も短い辺と最も長い辺の平均が短径に相当する
ものとする。
【0043】該炭窒化ほう素繊維の短径はより小さい方
が、一般に引張強度が大きく、柔軟性が向上するため好
ましいが、短径があまりにも小さい炭窒化ほう素繊維は
取り扱いが困難となる。該窒化ほう素繊維の短径は0.
5〜100μmが望ましく、また1〜60μmがより好
ましく、さらには1〜40μmがより好ましい。
【0044】本発明における配向度が0.70以上の高
い炭窒化ほう素繊維の製造方法は特に限定されないが、
代表的には以下のようにして製造することができる。
【0045】(a) まず、三ハロゲン化ほう素とニト
リル化合物との付加物とハロゲン化アンモニウム又は一
級アミンハロゲン化水素酸塩とを三ハロゲン化ほう素の
存在下において反応させて炭窒化ほう素前駆体(以下、
前駆体とも言う)を生成させる。
【0046】三ハロゲン化ほう素としては、三ふっ化ほ
う素、三塩化ほう素、三臭化ほう素、三よう化ほう素等
が挙げられ、特に制限なく用いることができる。
【0047】ニトリル化合物としては、ニトリル基を有
する公知の化合物が特に限定なく使用することができ
る。具体的にはアセトニトリル、プロピオニトリル、カ
プロニトリル、アクリロニトリル、クロトンニトリル、
トルニトリル、ベンゾニトリル、i−ブチロニトリル、
n−ブチロニトリル、イソバレロニトリル、マロノニト
リル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニ
トリル、ピメロニトリル、スベロニトリルなどが挙げら
れる。ニトリル化合物に含まれる炭素数が多くなると、
前駆体に含まれる炭素が増大し、加熱処理により得られ
る炭窒化ほう素化繊維に含まれる炭素量を増大させるこ
とができる。
【0048】ハロゲン化アンモニウムとしては、ふっ化
アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、
ヨウ化アンモニウム等を挙げることができる。ハロゲン
化アンモニウムの好ましい例として、塩化アンモニウム
を挙げることができる。
【0049】一級アミンハロゲン化水素酸塩としては、
一級アミンふっ化水素酸塩、一級アミン塩化水素酸塩、
一級アミン臭化水素酸塩、一級アミンよう化水素酸塩等
を挙げることができる。一級アミンハロゲン化水素酸塩
の好ましい例として、一級アミン塩化水素酸塩(以下、
一級アミン塩酸塩ともいう)を挙げることができる。
【0050】一級アミン塩酸塩は、一般式、RNH2
HClで表され、Rがメチル基、エチル基、プロピル基
などのアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基
などのアリール基である化合物が制限なく使用される。
Rの炭素数が多くなると、窒化ほう素前駆体に含まれる
炭素が増大し、加熱処理により得られる炭窒化ほう素繊
維に含まれる炭素量を増大させることができる。
【0051】本発明の窒化ほう素繊維を得るためには、
先ず、該三ハロゲン化ほう素と該ニトリル化合物との付
加物とハロゲン化アンモニウムあるいは一級アミンハロ
ゲン化水素酸塩とを反応させることにより、窒化ほう素
前駆体を合成する。
【0052】該三ハロゲン化ほう素と該ニトリル化合物
との付加物とは、ニトリル基の窒素原子の非結合電子対
にハロゲン化ほう素が付加結合した生成物であり、三ハ
ロゲン化ほう素とニトリル化合物とは容易に反応して付
加物を生成する。該付加物を生成させる方法は、特に限
定されない。例えば、室温において有機溶媒にニトリル
化合物を溶解した溶液に三ハロゲン化ほう素を滴下する
方法、有機溶媒にニトリル化合物を溶解し、次いで三ハ
ロゲン化ほう素を吹き込む方法、または有機溶媒に三ハ
ロゲン化ほう素を溶解し、次いでニトリル化合物を滴下
する方法などにより付加物を生成させることができる。
三ハロゲン化ほう素とニトリル化合物とは容易に反応し
て付加物を生成するので反応直前に両者を接触させても
良い。
【0053】上記付加物とハロゲン化アンモニウムまた
は一級アミンハロゲン化水素酸塩との反応時には三ハロ
ゲン化ほう素を存在させることが必須である。反応時に
三ハロゲン化ほう素が存在しない場合は本発明の窒化ほ
う素前駆体の収率が低下する傾向を示す。又、後述する
紡糸工程において、溶液紡糸により炭窒化ほう素前駆体
繊維を紡糸する場合、紡糸用溶媒であるN、N-ジメチ
ルホルムアミド(以下DMFともいう)等に不溶の反応
副生成物が生成してくる。
【0054】該三ハロゲン化ほう素は、少なくとも三ハ
ロゲン化ほう素とニトリル化合物の付加物とハロゲン化
アンモニウムまたは一級アミンハロゲン化水素酸塩との
反応時に存在すれば良い。例えば、ニトリル化合物と三
ハロゲン化ほう素との付加物を生成させる際に三ハロゲ
ン化ほう素を過剰に用いて、未反応の三ハロゲン化ほう
素を付加物中に予め共存させておいても良い。三ハロゲ
ン化ほう素のニトリル化合物に対する添加量は、モル比
(三ハロゲン化ほう素/ニトリル化合物)で1.05〜
2.00の範囲より任意に選ぶことができる。しかし、
三ハロゲン化ほう素の添加量が少ないとDMF等の紡糸
用溶媒に不溶の成分が生成し、また三ハロゲン化ほう素
添加量が多いと反応に寄与しない三ハロゲン化ほう素が
増大するので、より好ましいニトリル化合物に対する三
ハロゲン化ほう素の添加モル比は1.1〜1.5であ
る。このとき三ハロゲン化ほう素とニトリル化合物は1
対1の付加物を生成するので、反応時存在する三ハロゲ
ン化ほう素の量は、付加物に対してモル比(三ハロゲン
化ほう素/付加物)で0.1〜0.5の範囲となる。
【0055】また、反応溶媒に対するニトリル化合物の
濃度は特に限定されないが、0.1〜10mol/lの
範囲であることが好ましい。ニトリル化合物の濃度が
0.1mol/lよりも少ないと、得られる窒化ほう素
前駆体の量が少なく、効率的でないので好ましくない。
また、ニトリル化合物の濃度が10mol/lを越える
と、溶媒に対して固体として生成する付加物の量が多く
なりすぎ、付加物の生成が不均一になるので好ましくな
い。
【0056】ハロゲン化アンモニウムまたは一級アミン
ハロゲン化水素酸塩の添加量は、ニトリル化合物に対す
るモル比(ハロゲン化アンモニウムまたは一級アミンハ
ロゲン化水素酸塩/ニトリル化合物)で、0.67〜
1.5の範囲より選ぶことが好ましい。ハロゲン化アン
モニウムまたは一級アミンハロゲン化水素酸塩が多いと
DMFに不溶の成分が生成し、ニトリル化合物の方が多
いと未反応付加物の量が増大する傾向にあるので、より
好ましくは0.83〜1.2の範囲より選べば良い。
【0057】本発明の前駆体を合成するために用いる溶
媒は特に限定されないが、反応生成物である前駆体を分
離する際、反応副生成物であるボラジン化合物を溶解し
て除去し易いことが好ましい。このような観点から、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の有機
溶媒が好ましく選択される。
【0058】付加物とハロゲン化アンモニウムまたは一
級アミンハロゲン化水素酸塩を反応させるための加熱温
度は、一般に低温では反応に長時間を要し、高温ではD
MFに不溶な成分が増大し反応収率が低下する。従っ
て、加熱温度は100℃〜160℃の範囲より選べばよ
い。又、加熱時間は温度により異なるが3〜30時間の
範囲より選べばよい。
【0059】上記加熱処理を行うことにより、窒化ほう
素前駆体が橙色ないし褐色の沈澱として生成する。
【0060】窒化ほう素前駆体を得るための反応装置と
しては、公知の装置が特に制限なく用いられる。しかし
ながら、三ハロゲン化ほう素とニトリル化合物の付加
物、窒化ほう素前駆体ともに加水分解するため、反応系
内は予め窒素ガスなどにより十分に乾燥しておくととも
に、反応中も反応系外より空気中の水分が侵入しないよ
う装置開放部には塩化カルシウムなどの吸湿剤を配する
必要がある。
【0061】(b) 工程(a)で生成させた前駆体を
紡糸して、炭窒化ほう素前駆体繊維(以下、前駆体繊維
とも言う)を形成する。
【0062】前駆体繊維の紡糸方法は、溶液紡糸法ある
いは熔融紡糸法などの公知の紡糸方法を適用することが
できる。例えば溶液紡糸法により前駆体繊維を形成する
場合には、まず前駆体を可溶性溶媒に溶解して前駆体溶
液(以下、紡糸液とも言う)を調整する。
【0063】前駆体可溶性溶媒としては例えばDMF、
ε−カプロラクタム、クロロニトリル、マロニトリル、
N−メチル−β−シアノエチルフォルムアミド、N,N
−ジエチルホルムアミド等をあげることができる。前駆
体を該可溶性溶媒に溶解することにより、橙色ないしは
褐色で透明な紡糸液が得られる。
【0064】本発明に用いる紡糸液では、曳糸性を向上
させることを目的として紡糸液にアクリロニトリル系重
合体を添加しても良い。アクリロニトリル系重合体は、
紡糸液を構成する可溶性溶剤に溶解し、且つ紡糸液中で
当該前駆体と相分離を生じなければ、特に制限なく使用
することができる。好ましくはアクリロニトリルの重合
体、或いは酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸、アクリル酸エ
ステルなどビニル基を有するアクリロニトリル以外の重
合性単量体(以下単にビニル単量体という)とアクリロ
ニトリルとの共重合体が使用される。アクリロニトリル
とビニル単量体との共重合体を使用する場合には、共重
合体を構成するビニル単量体の量が増大すると、紡糸液
中で当該前駆体と相分離を生ずる傾向があるので、共重
合体を構成するアクリロニトリルの組成が全重合性単量
体を基準とした組成で85モル%以上であることが好ま
しい。
【0065】本発明で用いるアクリロニトリル系重合体
の重量平均分子量は、特に限定されないが、1万〜20
0万の範囲であることが好ましい。
【0066】紡糸液に加えるアクリロニトリル系重合体
の量は、特に限定されないが、前述の炭素含有量の多い
炭窒化ほう素繊維を製造することを目的とするのではな
く、紡糸液の曳糸性の改善を目的とするのであれば、前
駆体100重量部に対して0.01〜5重量部であれば
よい。
【0067】このようにして調製した前駆体溶液を紡糸
して前駆体繊維を形成する。
【0068】紡糸液の好ましい濃度範囲は、紡糸方法に
もよるが、0.01〜3.0g/mlであり、そのとき
の粘性率は10〜100000ポアズである。得られる
紡糸液より前駆体繊維を紡糸する方法は、広く公知の方
法を用いることがでる。例えば、紡糸液を入れた小孔を
有する容器を回転させることにより、遠心力を利用して
紡糸液を吐出させる方法、小孔よりガス圧により紡糸液
を吐出させる方法、小孔よりギヤーポンプを用いて紡糸
液を吐出させる方法などを用いて前駆体繊維を紡糸する
ことができる。
【0069】紡糸温度は使用する溶媒によって異なり得
るが、例えば、−60〜200℃、好ましくは−10〜
180℃、より好ましくは0〜160℃である。
【0070】配向度が0.70以上の炭窒化ほう素繊維
を得る方法の一つとして、前駆体繊維に応力を印加しな
がら加熱する方法が挙げられる。
【0071】(c) 工程(b)で得られた前駆体繊維
を不活性ガス雰囲気下で引張り応力を印加しながら16
00〜2300℃において加熱することによって本発明
の炭窒化ほう素繊維が得られる。
【0072】すなわち、配向度が0.70以上の炭窒化
ほう素繊維は、前駆体繊維を不活性ガス雰囲気下、繊維
に引張り応力を印加しながら1600〜2300℃、好
ましくは1650〜2250℃、より好ましくは170
0〜2200℃で加熱処理することによって得ることが
できる。
【0073】不活性ガス雰囲気下での加熱処理における
雰囲気ガスには、窒素、アルゴン、ヘリウム等を用いる
ことができる。
【0074】不活性ガス雰囲気下での前駆体繊維の加熱
処理を行う加熱装置は、チャンバーあるいは炉心管など
により雰囲気を制御することができる構造のものであれ
ば良く、電気炉、ガス炉など公知の加熱装置が特に制限
なく用いられる。 加熱処理方法としては、一度に一定
量の前駆体繊維を加熱処理するバッチ式加熱処理、およ
び連続した前駆体繊維を予め加熱処理温度に加熱した加
熱装置に順次送り込んで加熱処理し、加熱処理した繊維
を巻き取って回収する連続式加熱処理があり、本発明に
おいてはいずれの加熱処理方法を用いてもよい。不活性
ガス雰囲気下でバッチ式加熱処理を行う場合には、加熱
処理温度に予め昇温された加熱処理装置に前駆体繊維を
導入して加熱処理を行うか、加熱処理装置に前駆体繊維
を配置した後に昇温して加熱処理温度に到達させて加熱
処理を行うことができる。
【0075】いずれの加熱処理方法においても、前駆体
繊維が急激に加熱されると、熱分解生成物の脱離が急激
に起こり、得られる炭窒化ほう素繊維にボイド、亀裂な
どの欠陥が生じ強度の極端な低下を招くことがある。従
って、前駆体繊維が加熱処理温度に到達するまでの昇温
速度を100℃/min以下として加熱処理を行うこと
が好ましい。加熱処理温度における保持時間は、前駆体
繊維の量や加熱処理温度にも依るが、0〜10時間の範
囲より任意に選ぶことができる。保持時間が0時間と
は、前駆体繊維が加熱処理温度に達した直後に、加熱装
置を降温するか、前駆体繊維を加熱装置から取り出すな
どして加熱処理を終了することを示す。
【0076】不活性ガス雰囲気下での加熱処理における
加熱処理雰囲気は、加熱処理温度に到達するまでの昇温
過程、加熱処理温度における保持過程、加熱処理終了ま
での降温過程の何れの過程においても、即ち、前駆体繊
維が不活性ガス雰囲気での加熱装置のチャンバー、炉心
管などの中にあるうちは、不活性ガス雰囲気とするのが
好ましい。不活性ガス雰囲気とするためには、不活性ガ
スで置換した加熱装置のチャンバー、炉心管などを密閉
するか、あるいは加熱装置のチャンバー、炉心管などに
不活性ガスを流通させればよい。
【0077】加熱処理における加熱処理温度は1600
〜2300℃の範囲より任意に選ぶことができる。加熱
処理温度が1600℃よりも低いと引張応力を印加して
も結晶配向化が十分に進行せず、配向度は0.7に達し
ない場合がある。また、2300℃以上では炭窒化ほう
素の分解反応が始まるので、2300℃以上で加熱処理
を行うのは好ましくない。
【0078】加熱処理において、前駆体繊維に引張応力
を印加する方法は、特に限定されないが、例えば、加熱
処理をバッチ式で行う場合には、前駆体繊維を鉛直方向
に吊し、その下端に重りを付加することにより引張応力
を印加することができる。また、前駆体繊維は引張応力
を印加しない状態で不活性ガス雰囲気下、1600〜2
300℃に加熱処理すると、加熱処理温度に依存して繊
維軸方向に収縮する。従って、前駆体繊維に、前駆体繊
維および加熱処理により生成する炭窒化ほう素繊維と反
応しない炭窒化ほう素などの材質で作製された型枠を付
し、そのまま不活性ガス雰囲気下、1600〜2300
℃に加熱処理すれば前駆体繊維の加熱処理による熱収縮
が型枠により妨げられ、結果的に前駆体繊維に引張応力
を印加しながら加熱処理を行うことができる。又、加熱
処理を連続式で行う場合には、前駆体繊維の加熱処理装
置への供給速度と、加熱処理を終えた繊維の巻き取り速
度を制御することにより、前駆体繊維の加熱処理におけ
る熱収縮を制御することができ、その結果、引張応力を
印加しながら加熱処理を行うことが出来る。
【0079】加熱処理において前駆体繊維に印加する引
張応力は、加熱処理の加熱処理温度、加熱処理時間によ
り異なるが、重りを吊すなどして応力を印加する場合に
は0.1〜1000MPaの範囲で任意に選ぶことが出
来る。印加する応力が0.1MPaより小さいと結晶配
向化が不十分で配向度が0.7に達しない場合がある。
また、印加する応力が1000MPaよりも大きいと未
配向化繊維が破断する場合がある。一方、前駆体繊維の
加熱処理による収縮を制限して前駆体繊維に引張応力を
印加する場合、または連続式処理で加熱処理装置への前
駆体繊維を供給する速度と加熱処理を終えた繊維を巻き
取る速度とを制御して加熱処理による熱収縮を制限して
前駆体繊維に引張応力を印加する場合には、延伸率が4
〜32%の範囲より選べばよい。ただし、延伸率(E)
は式(3)により定義する。
【0080】 E=100×(Ls−Lf)/Lf (3) Lfは単位長さの炭窒化ほう素繊維の熱収縮を制限する
こと無く、すなわち炭窒化ほう素繊維に引張応力を印加
すること無く熱処理温度(T℃)に加熱処理した時の繊
維試料長を表し、Lsは単位長さの炭窒化ほう素繊維を
熱収縮を制限して熱処理温度(T℃)に加熱処理したと
きの繊維試料長を表す。
【0081】延伸率が4%よりも小さいと、前駆体繊維
に印加される引張応力が不十分で、結晶配向化度が0.
70に達しない場合がある。また、延伸率が32%より
も大きいと、加熱処理の過程で前駆体繊維が破断する場
合がある。
【0082】該炭窒化ほう素繊維からなる負極活物質を
用いた非水電解液二次電池の構成及び製造方法の概略は
以下の通りである。
【0083】まず混練機、混合機などを用いて、炭窒化
ほう素繊維をN−メチルピロリドンなどの溶媒と混練
し、ペーストを製造する。このとき黒鉛やアセチレンブ
ラックなどの導電性付与剤、あるいはポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を添加
しても構わない。しかしながら導電性付与剤や結着剤の
量が余りにも多すぎると、充放電反応に関与しない物質
の割合が増加し、負極としての容量が低下する。よって
これら導電性付与剤、結着剤の添加量は最小限度にした
方が好ましい。本発明の炭窒化ほう素繊維からなる負極
活物質においては、従来の繊維形状を有しない炭窒化ほ
う素からなる負極活物質と比較して、結着剤を少量しか
使用しなくても、集電体からの脱落、剥離が生じない。
具体的には、結着剤の添加量が5重量%以下でも集電体
からの脱落、剥離が生じない。
【0084】溶媒、及び導電性付与剤や結着剤を炭窒化
ほう素繊維に混練する順序は特に制限されない。先に導
電性付与剤や結着剤を溶媒と混練し、その後炭窒化ほう
素繊維を混練したり、あるいは炭窒化ほう素繊維と結着
剤を混合した後、溶媒と混練してもよい。
【0085】ペースト製造後、集電体にペーストを塗
布、充填あるいは含浸させて接合し、溶媒を乾燥、除去
した後、加圧、切断などを行って所望の形状に加工して
負極とする。該負極と、同様にして製造した正極をセパ
レータを介して帯状に重ね、円筒型非水電解液二次電池
であれば円柱状に巻回し、また角形非水電解液二次電池
であれば折り重ねて、電極部分を製造する。その後、こ
の電極部分を所望の電池容器に挿入し、非水電解液を注
入後、安全装置などを挿入し、封入する。
【0086】正極、集電体、非水電解液、セパレータな
どは、従来の非水電解液二次電池に用いられている材料
が何ら問題なく使用される。
【0087】正極活物質としては、TiS2、MoS2
FeS2などの硫化物、NbSe3などのセレン化物など
のカルコゲン化合物、あるいはCr25、Cr38、V
38、V25、V613などの遷移金属の酸化物、Li
Mn24、Li2MnO4、LiV35、LiNiO2
LiCoO2などのリチウムと遷移金属との複合酸化物
など、あるいはポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパ
ラフェニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロー
ル、ポリチオフェンなどの共役系高分子、ジスルフィド
結合を有する架橋高分子などのリチウムを吸蔵、放出す
ることが可能な材料が使用可能である。
【0088】集電体としては、銅、アルミニウムなどか
らなる帯形状の薄板あるいはメッシュなどが望ましい。
【0089】非水電解液としては、プロピレンカーボネ
ート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチ
ル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホ
ラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニ
トリルなどの単独あるいは2種類以上の混合非水溶媒
に、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiB
4、LiB(C65)4、LiCl、LiBr、CH3
SO3Li、CF3SO3Liなどのリチウム塩が溶解し
てなる非水電解液がいずれの組合せにおいても使用可能
である。このときの非水電解液中に不純物として含まれ
る水は、充放電反応時に副反応を引き起こし、充放電サ
イクル特性に悪影響を及ぼすため、極力低減することが
好ましい。具体的には非水電解液中の水分量は200p
pm以下が好ましく、さらには100ppm以下が好ま
しい。
【0090】セパレータとしては、イオンの移動に対し
て低抵抗であり、かつ溶液保持性に優れたものであれば
なんら制限なく用いることができる。例えば、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリフロンなど
からなる高分子ポアフィルター、ガラス繊維フィルタ
ー、不織布、あるいはガラス繊維とこれらの上記高分子
からなる不織布が使用可能である。更に、電池内部が高
温になったとき、溶融して細孔をふさぎ、正極及び負極
のショートを防ぐ材料が好ましい。
【0091】
【発明の効果】本発明の配向度が0.70以上である炭
窒化ほう素繊維からなる負極活物質は、結着剤の添加量
が少なくても、集電体からの脱落、剥離がないという効
果を有する。したがって負極内の負極活物質の充填割合
が増加し、電池容量が高い非水電解液二次電池を製造す
ることができる。
【0092】従来からの粉末状炭窒化ほう素では、結着
剤を多量に添加して粉末同士を結合させなければ、集電
体から脱落、剥離し易い。一方、本発明の炭窒化ほう素
繊維を負極活物質として用いると、該繊維同士が絡まり
あった構造を形成するので、結着剤を少量しか添加しな
くても集電体からの脱落、剥離を起こし難いと考えられ
る。
【0093】
【実施例】本発明を以下、実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0094】以下の実施例及び比較例において、それぞ
れの負極活物質としての容量を次のようにして測定し
た。なお、焼成後の炭窒化ほう素繊維はいずれも1cm
の長さに切断して用いた。
【0095】負極活物質に結着剤としてポリフッ化ビニ
リデン、導電性付与剤としてアセチレンブラックを混合
し、この混合物500mgに対し、溶媒としてN−メチ
ルピロリドン1mlを添加して混練し、ペースト状にし
た。ポリフッ化ビニリデン、アセチレンブラックは、そ
れぞれ3重量%、5重量%となるようにした。このペー
ストを100℃の真空乾燥器にて24時間乾燥した。こ
の負極活物質を含有する混練物を6mgとり、ニッケル
網に塗布し、負極とした。非水電解液には、LiCl0
4を1モル/リットルの濃度になるようにエチレンカー
ボネートとジエチルカーボネートの等体積混合溶媒に溶
解したものを使用した。また電池容器にはガラス製の円
筒容器を使用し、負極1個の両側に正極(リチウムを使
用)2個、また負極の近傍に参照電極(リチウムを使
用)1個を配置するように、上部蓋からクリップ付きの
ニッケル線(ガラス管被覆)を吊り下げて簡易型電池セ
ルを構成した。
【0096】充放電装置(北斗電工製)を用いて、上記
簡易型電池セルの充放電サイクル試験を行い、負極活物
質の容量を測定した。充放電サイクル試験では、30m
A/gに相当する電流値(一定)で行った。負極活物質
の容量は、放電時間t(単位;時間)を測定することに
よって、 容量=30×t (単位;mAh/g) から計算した。また充放電は参照電極に対して、0〜
1.99Vの範囲内で行った。なお、実施例及び比較例
における容量は、初回放電時の容量で比較した。
【0097】負極活物質の集電体からの脱落、剥離の有
無は、20回の充放電サイクル試験後に直接目視するこ
とで確認した。
【0098】実施例1 容量1リットルの三口フラスコの中管にスターラー、側
管の一つに三塩化ほう素が入ったボンベを連結したデュ
ワー型コールドフィンガー、残りの側管に玉入冷却管を
それぞれ取り付けた。玉入冷却管にはデュワー型コール
ドフィンガーを取り付け、コールドフィンガーの出口に
塩化カルシウム管を取り付けた。この装置に乾燥窒素を
毎分200mlで4時間流通して装置内を乾燥した後、
無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥したクロロベンゼン30
0ml及びアセトニトリル16.4gを加えた。2つの
コールドフィンガーにドライアイス−アセトンを満た
し、スターラーで攪はんしながら、三口フラスコに直接
取り付けたコールドフィンガーより三塩化ほう素60g
を2時間かけて凝縮、滴下した。これにより、白色の三
塩化ほう素−アセトニトリル付加物が生成した。三塩化
ほう素を滴下し終えた後、三口フラスコに直接取り付け
たコールドフィンガーを取り外し、110℃で一晩乾燥
した塩化アンモニウム21.5gを加えた。この懸濁液
を125℃に8時間加熱すると、塩化水素の発生がほと
んどなくなり、褐色沈澱が生成した。生成した沈澱を濾
別し、クロロベンゼン100mlで洗浄し、減圧乾燥し
て前駆体24g(収率83%)を得た。
【0099】この前駆体10gをDMF200mlに溶
解した後、DMF100mlを蒸発除去することにより
均一な粘性の溶液を得た。この溶液を25℃で直径60
μmの孔を有する紡糸ノズルより15kg/cm2の背
圧を印加して乾燥空気中に吐出させ、巻き取ることによ
り、直径約20μmの連続した前駆体繊維を紡糸した。
このとき、紡糸液の粘度は2.9×104ポアズであ
り、紡糸速度は毎分1.8mであった。
【0100】紡糸した前駆体繊維を、周囲192mmの
ループ状に巻取り、ループ形状を保ったまま、周囲13
5mmの窒化ほう素製型枠に掛け、そのまま窒素気流中
で加熱処理を行った。加熱処理は、400℃までは昇温
速度1℃/min、400℃から1600℃までは昇温
速度2℃/min、1600℃から1800℃までは昇
温速度10℃/minで昇温し、1800℃で30分間
保持し、冷却速度5℃/minで500℃まで冷却し、
その後室温まで放冷して行った。処理後、炭窒化ほう素
繊維は破断したり、解ける事なく型枠に巻き付いた状態
を保っていた。この時の延伸率は6.3%であった。
【0101】粉末X線回折及びほう素、窒素のXPSス
ペクトルより、得られた炭窒化ほう素繊維は、C面が積
層した構造を有しており、その構造にはほう素−炭素結
合および窒素−炭素結合が存在することが確認された。
この炭窒化ほう素繊維について元素分析を行った結果、
組成は、ほう素44atm%、炭素16atm%、窒素
40atm%であった。
【0102】この炭窒化ほう素繊維の配向度は0.7
2、引張強度は1400MPaであった。
【0103】この炭窒化ほう素繊維を用いて前述の簡易
型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行った。放
電容量は354mAh/gであった。結着剤の添加量が
3重量%と少ないにも関わらず、炭窒化ほう素繊維の集
電体からの脱落、剥離は観察されなかった。
【0104】実施例2 実施例1と同様にして作製した前駆体繊維を、周囲19
2mmのループ状に巻取り、ループ形状を保ったまま、
周囲139mmの窒化ほう素製型枠に掛け、そのまま窒
素気流中で加熱処理を行った。加熱処理は、400℃ま
では昇温速度1℃/min、400℃から1600℃ま
では昇温速度2℃/min、1600℃から2000℃
までは昇温速度10℃/minで昇温し、2000℃で
30分間保持し、冷却速度5℃/minで500℃まで
冷却し、その後室温まで放冷して行った。処理後、炭窒
化ほう素繊維は破断したり、解ける事なく型枠に巻き付
いた状態を保っていた。この時の延伸率は13.0%で
あった。
【0105】粉末X線回折及びほう素、窒素のXPSス
ペクトルより、得られた炭窒化ほう素繊維は、C面が積
層した構造を有しており、その構造にはほう素−炭素結
合および窒素−炭素結合が存在することが確認された。
【0106】この炭窒化ほう素繊維の配向度は0.8
2、引張強度は1900MPaであった。
【0107】この炭窒化ほう素繊維を用いて前述の簡易
型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行った。放
電容量は376mAh/gであった。結着剤の添加量が
3重量%と少ないにも関わらず、炭窒化ほう素繊維の集
電体からの脱落、剥離は観察されなかった。
【0108】実施例3 実施例1と同様にして作製した前駆体繊維を、周囲19
2mmのループ状に巻取り、ループ形状を保ったまま、
周囲143mmの窒化ほう素製型枠に掛け、そのまま窒
素気流中で加熱処理を行った。加熱処理は、400℃ま
では昇温速度1℃/min、400℃から1600℃ま
では昇温速度2℃/min、1600℃から2000℃
までは昇温速度10℃/minで昇温し、2000℃で
30分間保持し、冷却速度5℃/minで500℃まで
冷却し、その後室温まで放冷して行った。処理後、炭窒
化ほう素繊維は破断したり、解ける事なく型枠に巻き付
いた状態を保っていた。この時の延伸率は16.3%で
あった。
【0109】粉末X線回折及びほう素、窒素のXPSス
ペクトルより、得られた炭窒化ほう素繊維は、C面が積
層した構造を有しており、その構造にはほう素−炭素結
合および窒素−炭素結合が存在することが確認された。
【0110】この炭窒化ほう素繊維の配向度は0.8
5、引張強度は2200MPaであった。
【0111】この炭窒化ほう素繊維を用いて前述の簡易
型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行った。放
電容量は378mAh/gであった。結着剤の添加量が
3重量%と少ないにも関わらず、炭窒化ほう素繊維の集
電体からの脱落、剥離は観察されなかった。
【0112】比較例1 実施例1と同様にして作製した前駆体繊維を、繊維に引
張応力を印加することなく、窒素気流中で加熱処理を行
った。加熱処理は、400℃までは昇温速度1℃/mi
n、400℃から1600℃までは昇温速度2℃/mi
n、1600℃から1800℃までは昇温速度10℃/
minで昇温し、1800℃で30分間保持し、冷却速
度5℃/minで500℃まで冷却し、その後室温まで
放冷して行った。
【0113】粉末X線回折及びほう素、窒素のXPSス
ペクトルより、得られた炭窒化ほう素繊維は、C面が積
層した構造を有しており、その構造にはほう素−炭素結
合および窒素−炭素結合が存在することが確認された。
【0114】この炭窒化ほう素繊維の配向度は0.5
5、引張強度は800MPaであった。
【0115】この炭窒化ほう素繊維を用いて前述の簡易
型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行った。放
電容量は351mAh/gであった。しかし、充放電サ
イクル試験の後、炭窒化ほう素繊維の脱落、剥離が観察
され、多数回の充放電サイクルに耐えられないことが分
かった。
【0116】比較例2 実施例2と同様にして作製した炭窒化ほう素繊維を、め
のう乳鉢を用いて粒径10μm以下の粉末状に粉砕し
た。
【0117】この炭窒化ほう素粉末を用いて前述の簡易
型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行った。放
電容量は355mAh/gであった。しかし、充放電サ
イクル試験の後、炭窒化ほう素繊維の脱落、剥離が観察
され、多数回の充放電サイクルに耐えられないことが分
かった。
【0118】実施例4 容量1リットルの三口フラスコの中管にスターラー、側
管の一つに三臭化ほう素128gを入れた滴下ロート、
残りの側管に玉入冷却管を取り付けた。玉入冷却管の出
口に塩化カルシウム管を取り付けた。この装置に乾燥窒
素を毎分200mlで4時間流通して装置内を乾燥した
後、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥したクロロベンゼン
300ml及びアセトニトリル16.4gを加えた。ス
ターラーで攪はんしながら、滴下ロートより三臭化ほう
素を2時間かけて滴下した。これにより、白色の三臭化
ほう素−アセトニトリル付加物が生成した。三臭化ほう
素を滴下し終えた後、三口フラスコに取り付けた滴下ロ
ートを取り外し、110℃で一晩乾燥した塩化アンモニ
ウム21.5gを加えた。この懸濁液を125℃に8時
間加熱した後、濾別、クロロベンゼン100mlによる
洗浄、減圧乾燥を行って褐色沈澱48g(収率80%)
を得た。
【0119】この前駆体15gをDMF200mlに溶
解した後、DMF100mlを蒸発除去することにより
均一な粘性の溶液を得た。この溶液を25℃で直径60
μmの孔を有する紡糸ノズルより15kg/cm2の背
圧を印加して乾燥空気中に吐出させ、巻取ることによ
り、直径約20μmの連続した前駆体繊維を紡糸した。
このとき、紡糸液の粘度は2.9×104ポアズであ
り、紡糸速度は毎分1.9mであった。
【0120】紡糸した前駆体繊維を、実施例2と同様に
加熱処理を行った。この時の延伸率は12.8%であっ
た。
【0121】粉末X線回折及びほう素、窒素のXPSス
ペクトルより、得られた炭窒化ほう素繊維は、C面が積
層した構造を有しており、その構造にはほう素−炭素結
合および窒素−炭素結合が存在することが確認された。
【0122】この炭窒化ほう素繊維の配向度は0.8
3、引張強度は2000MPaであった。
【0123】この炭窒化ほう素繊維を用いて前述の簡易
型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行った。放
電容量は369mAh/gであった。結着剤の添加量が
3重量%と少ないにも関わらず、炭窒化ほう素繊維の集
電体からの脱落、剥離は観察されなかった。
【0124】実施例5 容量1リットルの三口フラスコの中管にスターラー、側
管の一つにアセトニトリル16.4gを入れた滴下ロー
ト、残りの側管に玉入冷却管を取り付けた。玉入冷却管
の出口に塩化カルシウム管を取り付けた。この装置に乾
燥窒素を毎分200mlで4時間流通して装置内を乾燥
した後、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥したクロロベン
ゼン300ml及び三よう化ほう素200gを加えた。
スターラーで攪はんしながら、滴下ロートよりアセトニ
トリルを2時間かけて滴下した。これにより、白色の三
よう化ほう素−アセトニトリル付加物が生成した。三よ
う化ほう素を滴下し終えた後、三口フラスコに直接取り
付けたコールドフィンガーを取り外し、110℃で一晩
乾燥した塩化アンモニウム21.5gを加えた。この懸
濁液を125℃に8時間加熱した後、濾別、クロロベン
ゼン100mlによる洗浄、減圧乾燥を行って褐色沈澱
65g(収率79%)を得た。
【0125】この前駆体20gをDMF200mlに溶
解した後、DMF100mlを蒸発除去することにより
均一な粘性の溶液を得た。この溶液を25℃で直径60
μmの孔を有する紡糸ノズルより15kg/cm2の背
圧を印加して乾燥空気中に吐出させ、巻取ることによ
り、直径約20μmの連続した前駆体繊維を紡糸した。
このとき、紡糸液の粘度は2.8×104ポアズであ
り、紡糸速度は毎分1.9mであった。
【0126】紡糸した前駆体繊維を、実施例2と同様に
加熱処理を行った。この時の延伸率は13.1%であっ
た。
【0127】粉末X線回折及びほう素、窒素のXPSス
ペクトルより、得られた炭窒化ほう素繊維は、C面が積
層した構造を有しており、その構造にはほう素−炭素結
合および窒素−炭素結合が存在することが確認された。
【0128】この炭窒化ほう素繊維の配向度は0.8
0、引張強度は1900MPaであった。
【0129】この炭窒化ほう素繊維を用いて前述の簡易
型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行った。放
電容量は375mAh/gであった。結着剤の添加量が
3重量%と少ないにも関わらず、炭窒化ほう素繊維の集
電体からの脱落、剥離は観察されなかった。
【0130】実施例6 容量1リットルの三口フラスコの中管にスターラー、側
管の一つに三塩化ほう素が入ったボンベを取り付けたデ
ュワー型コールドフィンガー、残りの側管に玉入冷却管
をそれぞれ取り付けた。玉入冷却管にはデュワー型コー
ルドフィンガーを取り付け、コールドフィンガーの出口
に塩化カルシウム管を取り付けた。この装置に乾燥窒素
を毎分200mlで4時間流通して装置内を乾燥した
後、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥したクロロベンゼン
300ml及びアセトニトリル16.4gを加えた。2
つのコールドフィンガーにドライアイス−アセトンを満
たし、スターラーで攪はんしながら、三口フラスコに直
接取り付けたコールドフィンガーより三塩化ほう素60
gを2時間かけて凝縮、滴下した。これにより、白色の
三塩化ほう素−アセトニトリル付加物が生成した。三塩
化ほう素を滴下し終えた後、三口フラスコに直接取り付
けたコールドフィンガーを取り外し、110℃で一晩乾
燥したモノメチルアミン塩酸塩27.2gを加えた。こ
の懸濁液を125℃に8時間加熱すると、塩化水素の発
生がほとんどなくなり、褐色沈澱が生成した。生成した
沈澱を濾別し、クロロベンゼン100mlで洗浄し、次
いで減圧乾燥して前駆体25g(収率80%)を得た。
【0131】この前駆体10gをDMF200mlに溶
解した後、DMF100mlを蒸発除去することにより
均一な粘性の溶液を得た。この溶液を25℃で直径60
μmの孔を有する紡糸ノズルより15kg/cm2の背
圧を印加して乾燥空気中に吐出させ、巻取ることによ
り、直径約20μmの連続した前駆体繊維を紡糸した。
このとき、紡糸液の粘度は3.0×104ポアズであ
り、紡糸速度は毎分1.8mであった。
【0132】紡糸した前駆体繊維を、実施例2と同様に
加熱処理を行った。この時の延伸率は13.2%であっ
た。
【0133】粉末X線回折及びほう素、窒素のXPSス
ペクトルより、得られた炭窒化ほう素繊維は、C面が積
層した構造を有しており、その構造にはほう素−炭素結
合および窒素−炭素結合が存在することが確認された。
【0134】この炭窒化ほう素繊維の配向度は0.8
0、引張強度は1800MPaであった。
【0135】この炭窒化ほう素繊維を用いて前述の簡易
型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行った。放
電容量は373mAh/gであった。結着剤の添加量が
3重量%と少ないにも関わらず、炭窒化ほう素繊維の集
電体からの脱落、剥離は観察されなかった。
【0136】実施例7 容量1リットルの三口フラスコの中管にスターラー、側
管の一つに三塩化ほう素が入ったボンベを取り付けたデ
ュワー型コールドフィンガー、残りの側管に玉入冷却管
をそれぞれ取り付けた。玉入冷却管にはデュワー型コー
ルドフィンガーを取り付け、コールドフィンガーの出口
に塩化カルシウム管を取り付けた。この装置に乾燥窒素
を毎分200mlで4時間流通して装置内を乾燥した
後、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥したクロロベンゼン
300ml及びベンゾニトリル41.2gを加えた。2
つのコールドフィンガーにドライアイス−アセトンを満
たし、スターラーで攪はんしながら、三口フラスコに直
接取り付けたコールドフィンガーより三塩化ほう素60
gを2時間かけて凝縮、滴下した。これにより、白色の
三塩化ほう素−ベンゾニトリル付加物が生成した。三塩
化ほう素を滴下し終えた後、三口フラスコに直接取り付
けたコールドフィンガーを取り外し、110℃で一晩乾
燥した塩化アンモニウム21.5gを加えた。この懸濁
液を125℃に8時間加熱すると、塩化水素の発生がほ
とんどなくなり、褐色沈澱が生成した。生成した沈澱を
濾別し、クロロベンゼン100mlで洗浄し、次いで減
圧乾燥して前駆体27g(収率79%)を得た。
【0137】この前駆体10gをDMF200mlに溶
解した後、DMF100mlを蒸発除去することにより
均一な粘性の溶液を得た。この溶液を25℃で直径60
μmの孔を有する紡糸ノズルより15kg/cm2の背
圧を印加して乾燥空気中に吐出させ、巻取ることによ
り、直径約20μmの連続した前駆体繊維を紡糸した。
このとき、紡糸液の粘度は2.9×104ポアズであ
り、紡糸速度は毎分1.8mであった。
【0138】紡糸した前駆体繊維を、実施例2と同様に
加熱処理を行った。この時の延伸率は13.2%であっ
た。
【0139】粉末X線回折及びほう素、窒素のXPSス
ペクトルより、得られた炭窒化ほう素繊維は、C面が積
層した構造を有しており、その構造にはほう素−炭素結
合および窒素−炭素結合が存在することが確認された。
【0140】この炭窒化ほう素繊維の配向度は0.8
2、引張強度は1900MPaであった。
【0141】この炭窒化ほう素繊維を用いて前述の簡易
型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行った。放
電容量は368mAh/gであった。結着剤の添加量が
3重量%と少ないにも関わらず、炭窒化ほう素繊維の集
電体からの脱落、剥離は観察されなかった。
【0142】実施例8 容量1リットルの三口フラスコの中管にスターラー、側
管の一つに三塩化ほう素が入ったボンベを取り付けたデ
ュワー型コールドフィンガー、残りの側管に玉入冷却管
をそれぞれ取り付けた。玉入冷却管にはデュワー型コー
ルドフィンガーを取り付け、コールドフィンガーの出口
に塩化カルシウム管を取り付けた。この装置に乾燥窒素
を毎分200mlで4時間流通して装置内を乾燥した
後、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥したクロロベンゼン
300ml及びアクリロニトリル41.2gを加えた。
2つのコールドフィンガーにドライアイス−アセトンを
満たし、スターラーで攪はんしながら、三口フラスコに
直接取り付けたコールドフィンガーより三塩化ほう素6
0gを2時間かけて凝縮、滴下した。これにより、白色
の三塩化ほう素−アクリロニトリル付加物が生成した。
三塩化ほう素を滴下し終えた後、三口フラスコに直接取
り付けたコールドフィンガーを取り外し、110℃で一
晩乾燥した塩化アンモニウム21.5gを加えた。この
懸濁液を125℃に8時間加熱すると、塩化水素の発生
がほとんどなくなり、褐色沈澱が生成した。生成した沈
澱を濾別し、クロロベンゼン100mlで洗浄し、次い
で減圧乾燥して前駆体24g(収率77%)を得た。
【0143】この前駆体10gをDMF200mlに溶
解した後、DMF100mlを蒸発除去することにより
均一な粘性の溶液を得た。この溶液を25℃で直径60
μmの孔を有する紡糸ノズルより15kg/cm2の背
圧を印加して乾燥空気中に吐出させ、巻取ることによ
り、直径約20μmの連続した前駆体繊維を紡糸した。
このとき、紡糸液の粘度は2.9×104ポアズであ
り、紡糸速度は毎分1.9mであった。
【0144】紡糸した前駆体繊維を、実施例2と同様に
加熱処理を行った。この時の延伸率は13.1%であっ
た。
【0145】粉末X線回折及びほう素、窒素のXPSス
ペクトルより、得られた炭窒化ほう素繊維は、C面が積
層した構造を有しており、その構造にはほう素−炭素結
合および窒素−炭素結合が存在することが確認された。
【0146】この炭窒化ほう素繊維の配向度は0.8
1、引張強度は1800MPaであった。
【0147】この炭窒化ほう素繊維を用いて前述の簡易
型電池セルを作製し、充放電サイクル試験を行った。放
電容量は369mAh/gであった。結着剤の添加量が
3重量%と少ないにも関わらず、炭窒化ほう素繊維の集
電体からの脱落、剥離は観察されなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/00 - 4/62

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素とほう素と窒素が結合して作られた
    6員環が該6員環の面方向に連結して形成された面(C
    面)が積層した構造を有する炭窒化ほう素からなる炭窒
    化ほう素繊維であって、該C面の少なくとも一部は該炭
    窒化ほう素繊維の繊維軸に実質的に平行に配向してお
    り、該C面の配向度が0.70以上である炭窒化ほう素
    繊維からなる非水電解液二次電池用負極活物質。
  2. 【請求項2】 炭窒化ほう素繊維が、(a)三ハロゲン
    化ほう素とニトリル化合物との付加物とハロゲン化アン
    モニウム又は一級アミンハロゲン化水素酸塩とを三ハロ
    ゲン化ほう素の存在下において反応させて炭窒化ほう素
    前駆体を生成し、(b)該炭窒化ほう素前駆体を紡糸し
    て炭窒化ほう素前駆体繊維を形成し、次いで(c)該炭
    窒化ほう素前駆体繊維を不活性ガス雰囲気下で引張り応
    力を印加しながら1600〜2300℃において加熱し
    て得られた炭窒化ほう素繊維である請求項1記載の非水
    電解液二次電池用負極活物質。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の非水電解液二次電
    池用負極活物質を集電体に接合してなる負極と、リチウ
    ムを吸蔵、放出することが可能な材料からなる正極活物
    質を集電体に接合してなる正極とが、セパレータにより
    隔てられ非水電解液と共に電池容器内に収納されている
    ことを特徴とする非水電解液二次電池。
JP31614996A 1996-11-27 1996-11-27 非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池 Expired - Fee Related JP3526707B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31614996A JP3526707B2 (ja) 1996-11-27 1996-11-27 非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31614996A JP3526707B2 (ja) 1996-11-27 1996-11-27 非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10162824A JPH10162824A (ja) 1998-06-19
JP3526707B2 true JP3526707B2 (ja) 2004-05-17

Family

ID=18073827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31614996A Expired - Fee Related JP3526707B2 (ja) 1996-11-27 1996-11-27 非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3526707B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2228855B1 (en) 2009-03-12 2014-02-26 Belenos Clean Power Holding AG Open porous electrically conductive nanocomposite material
EP2237346B1 (en) 2009-04-01 2017-08-09 The Swatch Group Research and Development Ltd. Electrically conductive nanocomposite material comprising sacrificial nanoparticles and open porous nanocomposites produced thereof
EP2287946A1 (en) * 2009-07-22 2011-02-23 Belenos Clean Power Holding AG New electrode materials, in particular for rechargeable lithium ion batteries
US20180337424A1 (en) * 2017-05-16 2018-11-22 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Negative-electrode active material for non-aqueous secondary battery and non-aqueous secondary battery
JP7117536B2 (ja) 2017-07-19 2022-08-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 負極活物質及び電池

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10162824A (ja) 1998-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW533617B (en) Positive electrode and non-aqueous electrolyte cell
US7674554B2 (en) Anode active material, method of preparing the same, and anode and lithium battery containing the anode active material
US8399131B2 (en) Composite negative electrode active material and non-aqueous electrolyte secondary battery
CN100422077C (zh) 复合石墨颗粒及其制造方法、使用其的锂离子二次电池的负极材料和锂离子二次电池
WO2001022519A1 (fr) Cellule secondaire
AU2009200223A1 (en) Non-aqueous secondary battery and separator used therefor
JP2005235589A (ja) 非水電解質二次電池
US20020037451A1 (en) Carbon substrate, anode for lithium ion rechargeable battery and lithium ion rechargeable battery
CN104114488A (zh) 非晶碳粒子的制造方法、非晶碳粒子、锂离子二次电池用负极材料以及锂离子二次电池
JP2003017060A (ja) 正極活物質及び非水電解質電池
JP2005005117A (ja) 電池
JP2000243395A (ja) 非水電解液二次電池負極材料および非水電解液二次電池
JP3643522B2 (ja) 非水電解質二次電池
JPH03245458A (ja) 電池用負極およびその製造方法ならびにこれを用いた非水電解液電池
JP3526707B2 (ja) 非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池
JP4354723B2 (ja) 黒鉛質粒子の製造方法
JP2948206B1 (ja) 非水系二次電池用負極材料
WO2021108987A1 (zh) 复合石墨材料、二次电池、装置及制备方法
JP2005197175A (ja) 正極、負極、電解質および電池
JP2000348724A (ja) リチウム二次電池正極活物質用リチウムニッケル複合酸化物およびそれを用いたリチウム二次電池
JP2002329529A (ja) 非水電解質二次電池
Zhuang et al. Interphase Regulation by Multifunctional Additive Empowering High Energy Lithium‐Ion Batteries with Enhanced Cycle Life and Thermal Safety
US10297830B2 (en) Polymer-sulfur copolymer, method for preparing same, and lithium-sulfur battery comprising same
JPH10247495A (ja) 二次電池負極用炭素材料及びその製造方法並びにその炭素材料を用いた非水電解液二次電池
JP4562896B2 (ja) ゲルポリマー電解質および二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees