JP3526639B2 - 脱水プレス成形用セメント組成物およびそれを用いたセメント成形体の製造方法 - Google Patents

脱水プレス成形用セメント組成物およびそれを用いたセメント成形体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金型による脱水プレス成
形用セメント組成物、およびそれを用いたセメント成形
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】床、壁、屋根等の建築用部材としてセメ
ントなどの水硬性無機質成形体が使用されている。これ
らの部材は、抄造法、押し出し法、脱水プレス法等によ
り成形されている。このうち、脱水プレス法は、意匠性
に優れているため表面に複雑な形状を必要とする部材な
どには特に適した方法である。
【0003】ところで、これらの建築用部材としては、
比較的強度の高い石綿セメント成形板が多く利用されて
いる。石綿は成形時における成形性を良くし、硬化後の
機械的強度を向上させる効果があるが、近年その発癌性
が問題視されるにつれ、石綿を用いずに高強度を得るよ
うな成形体の製造方法が望まれている。無石綿で強度の
大きいセメント成形体の製造方法として例えば特開昭6
4−64804号公報に記されているように、シリカフ
ューム等の球形無機骨材と合成繊維と水溶性高分子を用
い、脱水プレスにより成形する方法がある。
【0004】上記の方法によれば、シリカフュームを用
いることにより、ポゾラン反応が進み硬化後短期及び長
期において高強度化することができた。また、石綿の代
替として、発癌性のないワラストナイトなどの鉱物繊維
の利用も検討されている。しかしながら、シリカフュー
ムは高価で資源量が限られている、産業廃棄物であるた
め品質が不安定であり成形体の強度もばらついてしま
う、という問題があった。
【0005】また、ポゾラン反応により高強度が得られ
るという利点があるがシリカヒュームの持つ超微粉性、
ポゾラン反応により混練中に反応が進み、混練をしてか
ら成形までモルタルを放置しておける可使時間(ポット
ライフ)が短くなるという問題があった。また、鉱物繊
維はそれ自体比較的高価である上、成形性や機械的強度
の改善のためには多くの添加量を必要とするという問題
があった。
【0006】脱水プレスを用いたセメント成形体として
は厚型スレート等の屋根材が広く知られている。これら
はセメントと珪砂、細骨材等の混合物を脱水プレスする
ことにより製造されている。原料には平均粒径が数十μ
m〜数mmの無機質粉体が使われており、粒子間の空隙
が大きく、欠陥のサイズが大きいため一般に高強度の成
形体が得られていない。従って、これらの製品は十分な
強度を確保するために厚さを厚くしておりその結果、重
量が重い物となっている。
【0007】そこで本発明は、上記のような従来の問題
を解決することを目的とし、特に建築用部材として優れ
た衝撃強度と曲げ強度とを持つ製品を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の1は、セ
メントと、それ以外の無機質粉体を含み前記無機質粉体
の平均粒径がそれぞれ0.5μm〜10μmである無機
質粉体Aと、12μm〜100μmである無機質粉体B
とからなり、セメントの添加量はセメントと平均粒径の
異なる2種類の無機質粉体を主成分とする固形分100
重量部に対して35重量%〜70重量%であり、なおか
つ無機質粉体Bの平均粒径が無機質粉体Aの平均粒径
少なくとも3倍以上であり、無機質粉体Aと無機質粉体
Bの比が5:95〜70:30であることを特徴とする
金型による脱水プレス成形用セメント組成物であり、本
発明の2は、前記組成物の100重量部に対し、合成繊
維を0.1〜10重量部添加するものであり、本発明の
3は、前記組成物を脱水プレス成形し、養生硬化させる
ことを特徴とするセメント成形体の製造方法である。
【0009】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明において金型による脱水プレス成形とは内部が所望
の形状に加工された上型と下型、更に場合によっては外
型からなる金型内に原料を混練したモルタルを投入し、
モルタルを金型内に充填する工程とそれに続き、加圧に
よってモルタル内の余剰の水分を脱水し所望の形状の成
形体を硬化形成する工程からなる成形方法である。ま
た、この脱水プレス成形は、耐磨耗性が問題にならない
場合、金型の一部をプラスチック性の型に置き換える
か、所望の形状に成形したプラスチック性の型の間に挟
んで脱水プレス成形を行うことも可能である。
【0010】本発明の目的は平均粒径の小さな無機質粉
体Aと平均粒径の大きい無機質粉体Bの粒径と組成比を
調整することにより、金型を用いた脱水成形プレスにお
いてモルタルを金型に充填する流動性と余剰の水分を排
出する脱水性の相反する特性を確保して、欠陥の小さな
高強度の成形体を成形することにある。本発明において
使用されるセメントしては、市販の普通ポルトランドセ
メント、早強ポルトランドセメント、アルミナセメン
ト、高炉セメント等が使用可能である。添加量はセメン
トと平均粒径の異なる2種類の無機質粉体を主成分とす
る固形分100重量部に対して35重量%〜70重量
%、好ましくは40重量%〜60重量%使用する。35
重量%未満では強度が低下し、70重量%を越えるとエ
フロレッセンス等の耐久性が悪くなり、寸法安定性も悪
くなる。
【0011】セメント以外の無機質粉体としては珪石、
長石、川砂、粘土、蛭石、みょうばん石、ゼオライト、
珪藻土、ガラス粉末、フライアッシュ、高炉スラグ等が
使用可能であり平均粒径が0.5〜10μm、好ましく
は1〜5μmにまで粉砕した無機質粉体Aと、平均粒径
が12〜100μm、好ましくは15〜50μmに粉砕
した無機質粉体Bの2種類が用いられる。ここでいう平
均粒径とはレーザー回折型の粒度分布測定装置を用いて
質量中位径を測定した値である。
【0012】これら2種類の無機質粉体は同一の原料を
粒度を変えて粉砕し無機質粉体Aと無機質粉体Bとして
も良いし、異なる原料をそれぞれ無機質粉体Aと無機質
粉体Bとしても良い。無機質粉体Aが0.5μm未満で
は、脱水成型工程で速やかな脱水がされ難くなる。モル
タルのポットライフが短くなる。プレス成型時に金型の
隙間からモルタルが漏れだし成形できない。脱水成形工
程において超微粒子が水と一緒に排出されてしまう等の
問題が生ずる。
【0013】また0.5μm未満の粉体は凝集し易く、
養生後の成形体の強度が安定して発現しにくい。また、
粉砕に著しく時間がかかり、不経済である。10μmを
越えると、無機質粉体Aが他の原料粒子の隙間を埋めて
高強度化させる効果が生じにくい上、モルタルの流動性
が低下し、プレス時に型枠の隅々まで充分に充填しにく
くなる。また、無機質粉体Aと無機質粉体Bの平均粒径
の違いが3倍以上、好ましくは3〜200倍、更に好ま
しくは4倍〜100倍程度異なる物を用いる。平均粒径
の差が3倍よりも小さい場合には、無機質粉体Aの充填
効果がでがたく、最密充填とならないため強度が発現し
にくい。また、平均粒径の差が200倍以上ある場合
は、大きな無機質粉体Bの隙間を微粉の無機質粉体Aで
十分に埋めることが出来なくなり、強度が低下するか、
もしくは十分に充填するためには多量の無機質粉体Aが
必要となりコスト高となる。
【0014】無機質粉体Bが12μm未満では、脱水プ
レス成形時の脱水性が低下し、金型の隙間からモルタル
が漏れ成形体を形成することが出来なくなったり、成形
できても強度は低下する。100μmを越えると、プレ
ス成形時のモルタルの充填性および表面形状の転写性が
低下し、意匠性の良い成形体が得にくくなる。また粒子
同士の隙間が大きくなり、無機質粉体Aの微粒子で隙間
を全て埋めきることはできない。その結果、隙間つまり
欠陥が大きくなり高強度の成形体が得られなくなる。
【0015】無機質粉体Aと無機質粉体Bの割合は、無
機質粉体A:無機質粉体B=5:95〜70:30、好
ましくは10:90〜50:50、さらに好ましくは1
5:85〜40:60である。本発明における無機質粉
体Aは、モルタル充填工程では他の原料粒子、例えばセ
メントや無機質粉体Bの粒子と粒子の間に存在し流動性
を良くし、ベアリング効果によってモルタルの流動性を
良好にし、成形時の型枠への充填性、表面形状の転写性
を良くする。また、粒子と粒子の隙間を充填し、強度低
下の原因となる空隙の大きさ及び量を効果的に減少さ
せ、高強度を発現させる役割を果たす。無機質粉体Aに
対して3倍以上平均粒径が大きい無機質粉体Bは、脱水
プレス成形工程で脱水性を付与し型枠の可動性部分や濾
布の目の間のわずかな隙間からモルタルが漏れ出すこと
を防ぐ。また、無機質粉体Aの微粒子成分が水と一緒に
系外に排出されるのを防いだり、微粒子成分同士がブロ
ッキングを起こし脱水の経路を閉鎖するのを防ぎ、効果
的にモルタル中の水分を絞り出すことを助けることにあ
る。結果として成形体は欠陥の小さな組織を有し、高強
度を発現することが出来る。無機質粉体Aの添加量が上
記範囲よりも少ない(無機質粉体Bの添加量が上記範囲
よりも多い)場合、空隙の充填効果が発現しにくく、成
形体の強度が低下する。
【0016】また、モルタルの流動性が低下するため、
型枠の隅々まで充分にモルタルが充填しにくく、所定の
形状の成形体を得にくい。無機質粉体Aの添加量が上記
範囲より多い(無機質粉体Bの添加量が上記範囲よりも
少ない)場合には、モルタルの流動性が上がりすぎ、型
枠の隙間からモルタルが漏れたり、脱水性が低下したり
して、密実な組織が得にくくなり、強度が低下する。ま
た、一般的に微粉砕はより大きなエネルギーを要し、必
要以上に微粒化したり添加量を増やしたりすることは経
済的でない。
【0017】脱水成形性の確保のために、無機質粉体B
としてワラストナイト、セピオライトなどの鉱物繊維を
使用すると脱水性が著しく強くなり、流動性を確保する
ために微粉体である無機質粉体Aが多量に必要になりコ
スト高になる。また、鉱物繊維は珪石や珪砂と比較する
と一般的に高価である。従って石英、珪砂、珪石、長
石、みょうばん石等の安価な原料を粉砕して使用するの
が望ましい。
【0018】本発明において、セメント組成物に合成繊
維を添加することによって、成形体の衝撃強度を著しく
上げることが可能である。合成繊維としては、ポリプロ
ピレン、ビニロン、ポリエチレン、ポリエステル、アラ
ミド、ポリアミド、ナイロン等が使用でき、耐衝撃性能
の付加のためには、特にポリプロピレン、ナイロンが好
ましい。
【0019】合成繊維は、セメントと平均粒径の異なる
2種類の無機質粉体を主成分とする固形分100重量部
に対し0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量
部を添加する。合成繊維の添加量が0.1重量部よりも
少ないと衝撃強度を高める高価が発現しない。また、添
加量が10重量部よりも大きいと、繊維が分散しにく
く、均一な成形体が得にくく、強度の低下を招く。
【0020】合成繊維の直径は1μm〜1mmのものが
使用でき、20μm〜0.5mmが好ましい。長さは1
〜50mmのものが使用でき、2〜30mmが好まし
い。直径が1μmより小さい、あるいは長さが50mm
よりも長い場合には繊維が分散しにくく、均一な成形体
が得にくい。また直径が1mmを越えると、脱水プレス
成形時に混練物が充分に延びない。長さが1mmより小
さい場合、衝撃強度を高める効果が発現しない。
【0021】成形水は、前述の固形分に対して10〜5
0重量%、好ましくは20〜40重量%添加して混練す
る。10%未満では組成物の分散性が低下し、流動性が
悪くなるため脱水プレス成形時に混練物が十分に延びな
いため充填性が悪くなる。50%を越えると、脱水プレ
ス成形時に固形分と水、あるいは繊維原料とモルタル等
の材料分離が生じ、均一な成形体が得られない。
【0022】本発明においてさらに必要に応じて水溶性
高分子が添加されてもよい。上記水溶性高分子として
は、例えばメチルセルロース、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド等が使用で
き、これらはいずれも適当量の添加により、繊維の分散
性を良くしたり、モルタルの流動性を改善して型枠に充
填しやすくする等の効果が得られるものである。
【0023】また、シリカヒューム等、球形の超微粒子
の添加によって流動性を改善することも出来る。これら
流動性改善に効果のある添加剤等を用いた場合、粉砕に
比較的大きなエネルギーを要する無機質粉体Aの使用量
を本明細書内に記した範囲の下限付近に抑えることが可
能である。本発明において、さらに必要に応じて無機質
充填剤が添加されてもよい。上記無機質充填剤として
は、例えば、珪砂、川砂、フライアッシュ、高炉スラ
グ、粘土、炭酸カルシウム等、セメント成形体に添加さ
れる公知の物質が使用できる。
【0024】このように配合した組成物を混合する方法
としては、任意の方法が利用できる。例えば、モルタル
ミキサー、オムニミキサー、アイリッヒミキサー等を用
いることができる。上記の方法によって得られた混合物
を脱水プレス成形により賦形する。脱水方法としては、
プレス時に自然に水が絞り出されていく方法を採っても
良いし、減圧により強制的に水を引きながらプレスする
方法でもよい。この際、型枠に所定の形状を施すことに
よって、複雑な形状の成形体を得ることが出来る。
【0025】上記の方法により得られた成形体の養生は
公知の方法で良く、自然養生、蒸気養生、水中養生のい
ずれも可能である。オートクレーブ養生を用いると、セ
メントの水和反応によって生成されたC−S−Hゲル及
び水酸化カルシウムが無機質粉体Aと水熱反応を起こし
ゲルの結晶化が促進されるので、強度を著しく増加させ
ることができる。オートクレーブ養生の条件としては、
使用する合成繊維の種類にもよるが、温度は100℃〜
180℃、時間は1〜10時間が好ましい。
【0026】
【作用】粒子径が3倍以上異なる2種類の無機質粉体
A、Bを含有することにより、微粉である無機質粉体A
が無機質粉体Bの隙間を埋めて高強度化させることがで
き、また脱水プレスする際に混合物が充分に延びるた
め、型枠の隅々まで行き届く。なおかつ、無機質粉体A
よりも粗い無機質粉体Bの作用により、プレス時に型枠
からの漏れを生じることなく充分に圧縮、脱水し、容易
に高強度の成形体を得ることができる。
【0027】また、合成繊維を添加することにより、製
品に靱性を持たせることができるため、衝撃強度を大き
く改善することができる。さらに、脱水プレスにより得
られた成形体をオートクレーブ養生することにより、セ
メントの水和反応により生成されたC−S−Hゲル及び
水酸化カルシウムが微粉の無機質粉体Aと水熱反応を起
こしゲルの結晶化が促進されるため、製品の強度を著し
く増加させることが出来る。
【0028】
【実施例】実施例1〜12及び比較例1〜6については
表1〜3に示す配合のセメント、微粉珪石A、粗粉砕珪
石Bをオムニミキサー(千代田技研製)で4分間乾式混
合し、その後ポリプロピレン繊維と水を添加してさらに
2分間混合した。次にこの混合物を300mm×400
mmの長方形の型枠の中央部に直径15〜20cm程度
の塊状に置き、これを脱水プレス成形機(アタゴエンジ
ニアリング社製)にて成形圧70kg/cm2 で10秒
間脱水プレスして成形体を得た。その際に、型枠から混
合物の漏れがないかの観察、混合物が型枠の隅々にまで
行き届いているかの観察、及び成形体が型枠に残ること
なく離型できるかどうかの観察を行った。
【0029】この成形体を60℃、95%RHの条件で
養生した。得られた製品について105℃で24時間乾
燥させてから曲げ強度および衝撃強度の測定を行った。
曲げ強度については、製品より試験片を幅35mm、長
さ150mmの長方形に切り出し、スパン100mmの
三点曲げ試験にて行った。載荷方向は成形体の加圧方向
と同一の方向とし、クロスヘッドスピードは1mm/m
inとした。
【0030】衝撃強度については、製品より試験片を幅
10mm、長さ90mmの大きさに切り出し、ハンマー
秤量1Jのシャルピー衝撃試験機を用いて測定を行っ
た。但し、ノッチは製品の裏側に入れ、ハンマー衝撃は
製品の表側より行った。測定により得られた衝撃エネル
ギー値を破断面の断面積で割った値を衝撃強度とした。
なお、各例において用いた原料は下記の通りである。
【0031】セメント:宇部セメント製、普通ポルトラ
ンドセメント 微粉珪石(3μm):関野珪石微粉砕品、平均粒径3μ
m 微粉珪石(4μm):秩父鉱業・マイクロシリカ、平均
粒径4μm 微粉スラグ(6μm):川鉄鉱業、平均粒径6μm 珪石(20μm):宇久須珪石粉砕品、平均粒径20μ
m フライアッシュ(15μm):電発フライアッシュ、平
均粒径15μm スラグ(20μm):川鉄鉱業、平均粒径20μm シリカヒューム(0.15μm):ユニオン化成、平均
粒径0.15μm 珪砂(250μm):豊浦標準砂、平均粒径250μm ポリプロピレン繊維:ダイワボウ製、PNHC、換算径
44μm ナイロン繊維:旭化成工業(株)製
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表1〜3中、「型枠からの漏れ」とは、プ
レス時に型枠からのモルタルの漏れがあるか否かの判定
である。「漏れ」は漏れがあり、成形体の作製が困難で
あることを示す。表1〜3中、「流動性」とは、脱水プ
レス後、混合物が型枠の隅々まで流れているか否かの判
定である。「悪い」は混合物の延びが悪く、型枠の隅に
まで流れていなかったことを示す。
【0036】表1〜3中、「離型性」とは、成形体が型
枠に全く残らずに離型できるか否かの判定である。「悪
い」は離型の際に成形体の一部が型枠に残ってしまって
いることを示す。表1〜3中、「成形の可否」では、型
枠からの漏れがなく、離型の際に、成形体が型枠に全く
残っていない場合を可とし、それ以外を不可とした。
【0037】
【発明の効果】本発明の組成物及び製造方法を用いるこ
とにより、プレス時に型枠からの漏れを生じることな
く、型枠の隅々まで流れる、良好な流動性を示す混合物
が得られる。この混合物は、離型時に型枠に一部が付着
することなく、容易に脱水プレス成形体を得ることがで
きる。本発明により得られた製品は高い曲げ強度を有
し、繊維添加したものでは著しく高い衝撃強度も示す。
このため、建築用部材として優れた性質を示す製品を製
造することが可能である。例えば壁材や屋根材に使用し
た場合、製品一枚の厚さを薄くし、軽量化を図ることが
でき、その結果、躯体への負担を軽くして建築物の耐久
性を向上させることができる。また、施工性を向上させ
たり輸送費を削減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 20:00 C04B 14:06 Z 14:06 16:06 A 16:06) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 2/00 - 32/02 B28B 3/02 B28B 1/52

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントと、それ以外の無機質粉体を含
    み前記無機質粉体の平均粒径がそれぞれ0.5μm〜1
    0μmである無機質粉体Aと、12μm〜100μmで
    ある無機質粉体Bとからなり、セメントの添加量はセメ
    ントと平均粒径の異なる2種類の無機質粉体を主成分と
    する固形分100重量部に対して35重量%〜70重量
    %であり、なおかつ無機質粉体Bの平均粒径が無機質粉
    体Aの平均粒径の少なくとも3倍以上であり、無機質粉
    体Aと無機質粉体Bの比が5:95〜70:30である
    ことを特徴とする金型による脱水プレス成形用セメント
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成物100重量部に
    対し、合成繊維を0.1〜10重量部添加することを特
    徴とする金型による脱水プレス成形用セメント組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の組成物を金型に
    より脱水プレス成形し、養生硬化させることを特徴とす
    るセメント成形体の製造方法。
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