JP3072423B2 - 高強度人工骨材の製造方法 - Google Patents

高強度人工骨材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岸壁、護岸、擁壁
工事等の裏込め材、地盤改良用杭材(サンド・コンパク
ション・パイル、サンド・ドレーン工法用砂)、道路工
事用路盤材、コンクリート用軽量骨材等の一般土木・建
築用骨材(砂、砂利代替品)として供される石炭灰を利
用した高強度人工骨材の製造方法に係り、詳しくは、石
灰石を流動媒体とする石炭焚き流動床炉燃焼灰(以下、
流動床灰。)を用いて長期強度を増補するようにした高
強度人工骨材の製造方法に関する。なお、流動床炉に
は、加圧流動床炉と常圧流動床炉があるが、これらの灰
で石灰分を多く含み自硬性のあるものは、本発明で云う
所謂“流動床灰”に含まれる。
【0002】
【従来の技術】わが国の土木建築用の砂、砂利等骨材の
年間需要量は、8億5千万トンに及び、近年の環境保全問
題も絡み、特に瀬戸内海域の海砂採取規制問題は、公共
事業計画推進への影響も心配され大きな問題となってい
る。中国等から緊急輸入が行われているが、恒久的に大
量供給できる、例えば、鉱滓や石炭灰等産業廃棄(副
産)物を利用した代替砂の開発が急がれている。
【0003】電力各社や、ゼネコン、セメント会社等で
は、早くから石炭灰の有効利用の一貫として、道路用路
盤材、軟弱地盤用サンドパイル材、護岸、擁壁の裏込め
材、コンクリート用軽量骨材等の開発を進め、多くの実
証試験や試験施工を行なってきたが、未だ、広く普及す
るに至っていない。
【0004】山本らは、“特公平4-24304 号”、“特公
平7-34855 号”、“特公平7-74484号”等で、石炭灰に
セメントと水を加え造粒・固化する方法に関して、低速
で回転する混合容器内に高速回転羽根を備えた高速混合
造粒機を使って、一般のパン型転動造粒機では作れな
い、粒度が小さく(0.15〜5mm 径)て比較的強度も大き
い細骨材の製造方法を提案し、建築材料用原料、コンク
リート二次製品用軽量骨材、道路用路盤材、耐流動性ア
スファルト舗装材等への幅広い適用研究を進め、多くの
実証試験や試験施工を重ね、実績を蓄積してきている。
【0005】また、須網らは、“特開平8-113777号”
で、工業的には最も一般的な方法である石炭灰と少量の
セメントに水を加えながら、皿型又はドラム型の造粒機
を使って造粒し養生して、粒径が50mm以下の粗骨材を製
造し、これを擁壁等の裏込め材、道路用路盤材、或いは
地盤改良用杭材(サント゛・コンハ゜クション・ハ゜イル,サント゛・ト゛レーン用)
等へ利用することを提案し、多くの試験施工を行ってき
ている。
【0006】流動床灰については、甘楽らが、灰中に石
灰石の反応生成物(生石灰、石膏)を多く含むため、埋
め立て処分が一般燃焼灰より難しい反面、水を加えて混
練すると強度のある固化体になることに着目し、国の補
助をえて、振動プレス成型機で型枠成型し、養生室で60
℃×12hrs.の高温養生を行った後、再破砕・分級して道
路路盤材等に供する製造方法を開発し、実用規模設備を
設置して広く製品骨材を提供し、実績を重ねてきてい
る。〔例えば、甘楽和夫他“骨材資源"Vol.28,No.112,
p.181〜191(1997) 〕
【0007】その他、石井らは、石炭灰に少量の粘結
材、微粉炭、及び水を加えて造粒し、燒結機で高温焼成
して丈夫な人工軽量骨材を得る燒結方法について開発を
進め、実機規模設備で高層ビル用軽量骨材等を製造し、
多くの実績を上げて来ている。〔例えば、石井国義“ク
リーンジャパン"Vol.85,p.27〜30(1990)〕
【0008】なお、本燒結法は、製造コストは高いが強
度の大きい高品位の製品がえられることから、成島らも
“特開平7-206491号”で、44μm以下に微粉砕し粒度調
整した石炭灰に、同じく微粉砕した石灰石粉末を加え造
粒・燒結することによって、含水率が小さく(<3%)、
絶乾比重(>2.0)、圧縮強度(>400kgf/cm2)が大きい
高品位のコンクリート用人工軽量骨材の製造方法を提案
し、実用化推進中である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に、石炭灰を
利用した人工骨材(以下、“石炭灰骨材”と言う)の開
発は、早くから進められてきているが、未だに広く普及
するに至っていない。その原因は、安価な天然砂、砕石
等に対し、輸送を含めたコスト競争力の不足と、石炭灰
骨材の品質が、上記のいずれの方法もそうであるよう
に、ポーラスで含水率が大きく強度が弱い点にあると判
断される。
【0010】現在、天然海砂、砕石等骨材は、輸送費を
含め、2500〜3000円/トンで取引されており、これに競合
するのは非常に厳しい状況にある。石炭灰骨材が広く市
場に普及するには、当然市場価格に競合出来ることが基
本であり、従来の製造方法を見直しし、思い切ったプロ
セスの簡素化による設備費や運転経費を削減し、コスト
ダウンを計ることは最も重要な課題である。なお、燒結
法による石炭灰骨材は、エネルギー・コストや設備費等
から上記天然海砂や砕石等の取引価格の数倍の製造コス
トになるといわれており、用途も付加価値の高い高層ビ
ル用や軽量建材用等に限られると思われる。
【0011】石炭灰は微細で比表面積が大きいので、こ
れに少量の粘結剤(セメント、消石灰、ベントナイト
等)を加え、水を加えながら一般のパン型転動造粒機や
回転混合造粒機で造粒するには、粉体重量に対し約30%
の水が必要である。この内セメントの水和反応に必要な
水量は、セメント量の約30%(セメント添加量を10%と
すると約3%)で、他は蒸発してしまうことと、造粒時
の締固率も、90%以下で、10%以上の気泡が残ることか
ら、結局、製品骨材の品質は、含水率25〜40%のポーラ
スで強度の低いものとなってしまう問題があった。
【0012】また、これらの造粒物は、造粒直後は強度
が弱く、粒子表面には表面水(セメントペースト)も多
いので、造粒粒子同士が再凝結してしまう問題があり、
この対策として、再破砕・分級やオンライン高温養生設
備が必要で、プロセスが複雑になりコストが高くなる問
題があった。
【0013】こうしたなかで発明者らは、種々造粒法を
検討する段階で、一般の微粉炭燃焼灰がシリカ、アルミ
ナ、鉄など比較的硬い成分を含むこと、及び一般の微粉
炭ボイラは炉温が高く、灰分が溶融しガラス質の球状ビ
ーズになっていることが、高圧圧縮造粒において造粒し
難い原因となっている。これに対し流動床灰は、流動媒
体に石灰石を使っているため石灰、シリカ、石膏が主成
分となり、粒子形状も不定形で絡みやすく、石灰、石膏
分は柔らかく圧着した粒子表面の接着力が大きいので、
流動床灰を高圧で圧縮造粒することによって、密度が高
く初期強度が大きい造粒物が得られることを見出した。
【0014】また、流動床灰は、石灰分を多く含むの
で、火炉内でセメントクリンカー(珪酸石灰)と同じ水
和反応性物質を生成し水を加えると自硬性がある。これ
が圧縮造粒した緻密な組織内の少量の水と効率的な水和
反応をしてエトリンガイトを生成し、単に一般の微粉炭
燃焼灰に少量のセメントを加え圧縮造粒した場合に比
し、非常に高い強度を発現することを見出した。ここ
で、流動床灰の強度発現が初期強度のみに大きくあらわ
れるという問題に対しては、これに少量の普通ポルトラ
ンドセメントを添加することによって強度発現特性がよ
り改善され、中・長期強度発現に顕著な効果を奏するこ
とを確認してきた。さらに、発現強度の有効範囲内で流
動床灰の一部を微粉炭燃焼灰に置き換え可能であること
も確認してきた。
【0015】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであって、上記課題を解消し、流動床灰を使用し、こ
れにセメントと水を加え、高圧で圧縮造粒することによ
り、製造プロセス、物性、施工性、経済性等に優れ、一
般土木・建築用骨材(砂、砂利代替品)として好適に使
用可能な高強度人工骨材の製造方法を提供するものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】課題を解決するために本
発明は、流動床灰を用いて長期強度を増補するようにし
た高強度人工骨材の製造方法であって、前記流動床灰
に、セメントと水を加え、高圧で圧縮造粒することを特
徴とするものである。なお、流動床灰の一部を微粉炭燃
焼灰に置き換えて混合灰とすることもできる。
【0017】すなわち、本発明方法は以下の特徴的事項
を包含する。 少量の水分で造粒出来る高圧圧縮造粒法を採用するこ
とによって、石炭灰粒子の配列を緻密化し見掛比重の大
きい緻密な造粒物を得る。 石炭灰は、粒子形状からも化学組成的にも圧着し易い
圧縮造粒法に適した流動床灰を使用する。 流動床灰は、緻密な組織内の小量の水と効率的に水和
反応が進み強度を発現出来る反応特性を持つので、これ
を利用する。 しかし、流動床灰の水和反応は、初期強度は大きいが
中・長期強度の伸びが劣るため、少量のセメントを添加
しこれを補う。なお、水のみの添加が許される場合につ
いては後述する。 そして、これらの相乗効果で、最終的には一般の天然
砂を使った標準配合コンクリ−トの最終強度に匹敵する
緻密で強度の高い造粒物を得る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、上記構成
において、流動床灰にセメントを加えた粉体量 100重量
部に対し、セメント量が5〜12重量部、及び水添加量が
13〜20重量部であり、圧縮造粒の加圧力が 800〜1500kg
f/cm 2 である。
【0019】ここで、セメント添加量は、下限値以下
は中・長期強度発現効果が少ない。また、上限値以上
加しても強度発現の上昇効果が小さくコスト高になる。
したがって、実用面から考慮すると、上記5〜12重量部
とするのが適当である。
【0020】圧縮造粒の加圧力は、下限値以下では、圧
密化が不充分〔見掛比重<1.8(図1参照)、締固率<83
%(図2参照)〕で、強度発現も低減し不充分である。
また、上限値以上にしても、灰粒子の内部摩擦抵抗力の
ため、それ以上圧密化は進まず効果は少ない。したがっ
て、実用面から考慮すると、上記800 〜1500kgf/cmとす
るのが適当である。
【0021】水の添加量は、灰の圧縮造粒性と、造粒後
の水和反応性(強度発現性)を考慮して選定する必要が
あり、下限値以下では、造粒粒子の割れ欠損が多くな
り、造粒後の水和反応による強度発現が低下する。ま
た、上限値以上の水を加えても圧縮造粒時に絞り出され
て効果がない。したがって、実用面から考慮すると、
記13〜20重量部が適当である。なお、一般の微粉炭燃焼
灰に少量のセメントと水を加えただけでは、圧縮造粒し
ても破損し易く、圧密化した粒子内の少量の水との水和
反応が進みにくく、強度発現が小さいことを本発明者ら
は確認している。
【0022】ここで、人工骨材の利用範囲において、セ
メントの添加をともなわず、水のみを添加する場合があ
り、本発明方法はこれを包含する。というのは、人工骨
材の利用範囲において、例えば路盤材、裏込め材として
の使用等、必ずしもセメントを添加しなくても、比較的
少ない水で高圧圧縮造粒することにより発現する強度で
十分な用途もあり、本発明方法に準じた製法プロセスと
して同様に考えてよいからである。
【0023】また、本発明方法において、圧縮造粒用の
内部滑沢材および/またはセメント固化用の減水剤を添
加する場合がある。
【0024】ここで、内部滑沢材はタルク、ステアリン
酸マグネシウム、又はグラファイトであるが、上記した
水も内部滑沢材として機能するので、これを含むと考慮
してよい。また、減水剤はアルキルアリルスルフォン酸
塩、メラミンスルフォン酸塩等のスルフォン酸塩を主成
分とするものであり、これらを単独で又は複数組み合わ
せて添加する。
【0025】この場合、内部滑沢材の少量添加は、粉体
の内部摩擦係数を減少させて圧力の伝播を良くし、圧縮
造粒時の圧密化を促進する。また、セメント固化時の添
加水量を低減するセメント混和剤(アルキルアリルスル
フォン酸塩等の減水剤)の少量添加は、強度発現を高め
る。したがって、本発明方法における造粒物の圧密化、
及び強度発現に寄与するものであり、併用することが出
来る。
【0026】
【実施例】本発明の一実施例を添付図面を参照して以下
説明する。
【0027】(実施例1)流動床灰1800重量部、普通ポ
ルトランドセメント75重量部(混合粉体中の4%相
当)、水 281重量部(混合粉体の15%相当)を十分混合
・混練し、加圧成型用型枠で 200〜2000kgf/cm2 の圧力
を掛けて約20mmφ×30mmHの加圧成型品を作り、その物
性を測定・評価した。本実施例に使用した流動床灰の化
学組成を、表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】図1に加圧成型品の見掛比重、及び図2に
その締固率、を加圧力に対比して示す。ここで、締固率
は、〔締固率=圧縮成型体の見掛比重/混合粉体(水を
含む)の平均真比重〕で与えられる。したがって、締固
率1.00 と現実の締固率との差は空隙率である。なお、
混合粉体(水を含む)の平均真比重は、各成分の重量配
合比率をそれぞれの真比重で割って(除して)加算した
値〔平均比容積〕の逆数である。
【0030】図から看てとれるように、 200kgf/cm2
ら2000kgf/cm2 の圧力を掛けて圧縮成型することによっ
て、見掛比重は、1.58から1.90に上昇し、空隙率は、約
25%から10%まで低下し緻密化しており、その圧縮強度
は、図3に示すように、7日強度で約200kgf/cm2で、標
準の天然砂を使った標準配合コンクリート相当の強度を
持つ成型品が得られることを示している。
【0031】なお、加圧による圧密化は、見掛比重〔図
1〕、締固率〔図2〕とも、1400kgf/cm2 から2000kgf/
cm2 に圧力を上げても殆ど上昇しない頭打ちの状態を示
している。これは本配合粉体の粒子間内部摩擦抵抗力に
依るものと判断され、摩擦係数を低減する内部滑沢剤
(タルク、ステアリン酸マグネシウム、或いは水)を少
量添加することによって、見掛比重は1.95、締固率は0.
95まで高められることを、本発明者らは確認している。
【0032】図4は、加圧力1400kgf/cm2 、セメント/
粉体比4%で、水添加量を変えた場合の圧縮強度の変化
を示したものである。
【0033】水添加量は、圧縮時の粒子間の内部摩擦抵
抗係数を低減し、圧密化を促進する効果と、その後の水
和反応による強度発現への影響、及び圧縮造粒時の造粒
性(すなわち造粒物の強度、割れ、欠け、剥離性等)を
考慮し選定する必要がある。図4のセメント/粉体比4
%では、水添加量は多いほど良い結果となっている。な
お、1000kgf/cm2 以上の加圧成型では、粉体量に対し20
〜23%以上の水分の添加は、加圧により絞り出されるの
で無意味である。
【0034】図5に、加圧力1400kgf/cm2 、水/粉体比
20%で、粉体中のセメント添加量を変えた場合の圧縮強
度の変化を示す。
【0035】図から看てとれるように、流動床灰の加圧
(圧密化)によって、1日強度で100kgf/cm2の比較的高
い初期強度が得られ、更に、これに少量の普通ポルトラ
ンドセメントを加えることによる相乗効果で、中・長期
的にも、例えば、15%セメント28日強度で、天然砂を使
用した標準配合コンクリートの最終到達強度に相当する
540kgf/cm2の優れて高い強度が1ケ月の比較的短期間で
得られることを示している。
【0036】なお、図5に併せて示したように、発明者
らは、一般の微粉炭燃焼灰では、15%セメント添加で
も、1日強度で33kgf/cm2 、28日強度で120kgf/cm2程度
であり、微細な石炭灰(微粉炭燃焼灰)のセメント固化
は、非常に難しいことを確認している。
【0037】(実施例2)圧縮造粒に関し、ロール型圧
縮造粒試験機( ロール径228mm 、ロール 幅38mm、 ロール圧力10
トン)を使用してアーモンド型造粒物(28×18×10mm)を
形成し、その試作試験を行った。原料は、流動床灰92重
量部、普通ポルトランドセメント8重量部及び水、各1
0、13、15重量部を十分混合混練し、造粒機に装備され
たスクリュウ式加圧フィーダで圧入しながら造粒した。
【0038】造粒品は、見掛比重1.75〜1.83、造粒直後
の圧壊強度4〜7kgの割れ,欠け等も殆どない比較的固
い造粒物が得られた。表面水(セメントペースト)も殆
どなく再凝結の心配もないもので、そのまま倉庫内にバ
ラ積み保管・養生が可能であった。
【0039】この造粒物を、温度20±0.5 ℃、飽和湿度
の恒温恒湿槽で保管・養生し、経時的にセメント固化に
よる強度発現を追跡測定した。その結果を図6に示す。
【0040】原料配合中の水分添加量10、13、15%/
(粉体量)で、水分量が小さい方は材令7日以降の強度
の伸びが小さくなり、水分量が大きいほど最終的には強
度の大きい造粒物が得られた。
【0041】(参考例1) 本発明の実施例からは逸脱するが、 本発明方法におい
て、流動床灰(図中PFBCと略記)の一部を一般の微粉炭
燃焼灰(図中EPと略記)で置換し混合灰として適用した
場合の発現強度を図7に示す。混合灰の発現強度は、一
般微粉炭燃焼灰での置換割合に応じ低下する。しかし、
裏込め材や路盤材等骨材の用途、骨材に要求される強度
によっては、混合灰の発現強度で十分な場合もあるの
で、混合割合(置換率)を変えることによって本発明方
法の高い強度発現の特徴を生かしながら、実用的な強度
範囲に止めるというような骨材の材料設計が可能であ
る。このことは同時に、一般微粉炭燃焼灰の利用拡大を
図るものである。
【0042】図から看てとれるように、70%置換(流動
床灰30%、微粉炭燃焼灰70%)でも、材令28日で130kgf
/cm2程度の強度を得ることができる。一般の微粉炭燃焼
灰のみでは同強度で45kgf/cm2 程度である。なお、70%
以上の置換は、本発明方法の高い強度発現の特徴を急速
に失い、骨材に要求される実用的な強度範囲から外れる
ことから、流動床灰の一般微粉炭燃焼灰による置換率は
70%を上限とするのが適当である。
【0043】(参考例2) 図8は、本発明方法を実施するための装置系の構成例を
示すフローシートである。ここで、装置系の各構成機器
は個々には公知である。
【0044】石炭灰骨材の製造は、製造コストの低減が
最も重要な課題であり、その為には、製造プロセスを出
来るだけ簡素化し、設備、操作をシンプル化することが
重要である。
【0045】本発明方法によると、造粒物が、割れ、欠
けや養生時に再凝結の心配もないハンドリング容易な丈
夫なものであることから、製造プロセスを非常にシンプ
ルに構成することができる。主要機器は、混合・混練機
と圧縮造粒機であり、これに流動床灰とセメントの原料
ホッパー、及びバラ積みの自然養生と保管を兼ねた製品
倉庫が付属装置(設備)となる。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上の構成よりなるものであ
り、これによれば(特に流動床灰と高圧圧縮造粒法を採
用することにより)、微細な石炭灰(微粉炭燃焼灰)の
セメント固化法で問題となった造粒時の必要水量を非常
に低く抑えることが出来、造粒物は強度が大きく再凝結
の心配がないので、取り扱いが容易で後工程も、例えば
倉庫内のバラ積み養生など、プロセスは非常にシンプル
になり、製造コストを安く出来る。
【0047】また、本発明方法において圧縮造粒の内部
滑沢材や減水剤の添加を併用することにより、造粒物の
圧密化、強度発現を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例における見掛比重 vs 加圧
力のデータプロットである。
【図2】同じく、締固率 vs 加圧力のデータプロットで
ある。
【図3】同じく、圧縮強度 vs 加圧力のデータプロット
である。
【図4】同じく、圧縮強度 vs 水/粉体比のデータプロ
ットである。
【図5】同じく、圧縮強度 vs 材令のデータプロットで
ある。
【図6】本発明の第二実施例における圧縮強度 vs 材令
のデータプロットである。
【図7】本発明の参考例1における圧縮強度 vs 材令の
データプロットである。
【図8】本発明方法を実施するための装置系の構成例
(参考例2)を示すフローシートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 18/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭灰を利用した人工骨材の製造方法に
    おいて、 石灰石を流動媒体とする石炭焚き流動床炉燃焼灰(以
    下、流動床灰。)を用いて圧縮造粒と反応固化により長
    期強度の発現を増補するようにした高強度人工骨材の製
    造方法であって、 前記流動床灰にセメントを加えた粉体量100重量部に
    対して、セメント量を5〜12重量部、及び添加する水
    量を13〜20重量部とし、加圧力を800〜1500
    kgf/cm2 として圧縮造粒するとともに反応固化すること
    を特徴とする高強度人工骨材の製造方法。
JP34366398A 1998-12-03 1998-12-03 高強度人工骨材の製造方法 Expired - Lifetime JP3072423B2 (ja)

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