JP3525529B2 - エンジンの電子制御装置 - Google Patents

エンジンの電子制御装置

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JP3525529B2
JP3525529B2 JP32613794A JP32613794A JP3525529B2 JP 3525529 B2 JP3525529 B2 JP 3525529B2 JP 32613794 A JP32613794 A JP 32613794A JP 32613794 A JP32613794 A JP 32613794A JP 3525529 B2 JP3525529 B2 JP 3525529B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、マイクロコンピュー
タを具えて、エンジン並びにその周辺装置の駆動を統括
的に制御するエンジンの電子制御装置に関し、特にマイ
クロコンピュータから出力される駆動指令に基づき負荷
を駆動する負荷駆動用トランジスタを有する装置にあっ
てそれら素子の熱的保護を的確に実現する装置の具現に
関する。
【0002】
【従来の技術】こうしたエンジンの電子制御装置にあっ
ては近年、イグナイタをも同制御装置内に取り込んで、
エンジン並びにその周辺装置のコンパクト化に努めよう
とする動きがある。
【0003】ただし、点火コイルといった大電流が流れ
る装置への通電制御を行うこのイグナイタを同電子制御
装置内に取り込むことで、その発熱に対する問題が大き
くクローズアップされることともなっている。すなわ
ち、こうしたイグナイタを単純に電子制御装置内に取り
込んだだけでは、熱的に非常に厳しいものとなり、その
トランジスタ等のスイッチング素子の使用限界となる温
度範囲を超えてしまう可能性がある。
【0004】そこで従来は、それらトランジスタ等を放
熱フィン上に取り付けたり、或いはそれらトランジスタ
自身にヒートシンクを装着するなどの放熱対策を施すよ
うにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記イグナイタのスイ
ッチング素子を構成するトランジスタ等に対して、この
ような放熱対策を施すことにより、該トランジスタはも
とより、これを内蔵する電子制御装置自身も、確かにそ
の信頼性は向上されるようになる。
【0006】しかし、その経済性、或いはエンジンとい
ったいわば特殊な機器を制御対象とする電子制御装置と
いう観点からすれば、必ずしもこのような放熱対策が得
策であるとは限らない。
【0007】すなわち、同電子制御装置にイグナイタを
内蔵した場合、そのトランジスタ等のスイッチング素子
の使用限界温度範囲を超えてしまう可能性があるとはい
え、現実にそのような状況に陥るのは、例えばその周囲
温度が高温で且つ、エンジンが高速回転しているときと
いったような、それこそ特殊な場合に限られる。
【0008】したがって、そのような特殊な状況に備え
て上記放熱対策を施したとしても、その技術的効果は薄
く、経済的にも有効なコストのかけ方であるとはいい難
い。また、ただ単に上記態様での放熱対策を施したとこ
ろで、その周囲温度自体が高温となる場合には、有効な
放熱が行われず、その発熱に対する根本的な対策にはな
らない。
【0009】
【0010】この発明は、これら実情に鑑みてなされた
ものであり、内蔵されるイグナイタの出力トランジスタ
の使用限界温度範囲を超えての発熱を的確に抑え、いた
ずらに放熱にコストをかけずとも、確実にそれら素子の
保護を図ることのできるエンジンの電子制御装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、請求項1記載の発明では、エンジン並びにその周
辺装置の駆動を統括的に管理するマイクロコンピュータ
前記マイクロコンピュータから出力される駆動指令
に基づいて点火コイルへの通電を制御するイグナイタの
出力トランジスタと、前記マイクロコンピュータから出
力される駆動指令に基づいて燃料噴射弁を駆動する駆動
回路とを有するエンジンの電子制御装置にあって、前記
出力トランジスタの周囲温度を監視する周囲温度監視手
段と、該監視される周囲温度若しくはその相当値が所定
の限界値以上となるとき、エンジンの高速回転に伴う燃
料カット回転数の判定値を引き下げて、この引き下げた
前記判定値にエンジンの最高回転数を制限することで前
記出力トランジスタへの通電周期を制限する燃料カット
判定値変更手段とを具えるようにする。
【0012】
【0013】また、請求項記載の発明では、エンジン
並びにその周辺装置の駆動を統括的に管理するマイクロ
コンピュータと、前記マイクロコンピュータから出力さ
れる駆動指令に基づいて点火コイルへの通電を制御する
イグナイタの出力トランジスタと、前記マイクロコンピ
ュータから出力される駆動指令に基づいて燃料噴射弁を
駆動する駆動回路とを有するエンジンの電子制御装置に
あって、前記出力トランジスタの周囲温度を監視する周
囲温度監視手段と、該監視される周囲温度若しくはその
相当値が所定の限界値以上となるとき、エンジンへの燃
料噴射を所定の短時間ずつ間引きして同エンジンの最高
回転数を低下せしめることで前記出力トランジスタへの
通電周期を制限する燃料噴射間引き手段を具えるものと
して構成する。
【0014】また請求項記載の発明では、エンジン並
びにその周辺装置の駆動を統括的に管理するマイクロコ
ンピュータと、前記マイクロコンピュータから出力され
る駆動指令に基づいて点火コイルへの通電を制御するイ
グナイタの出力トランジスタと、前記マイクロコンピュ
ータから出力される駆動指令に基づいて燃料噴射弁を駆
動する駆動回路とを有するエンジンの電子制御装置にあ
って、前記出力トランジスタの周囲温度を監視する周囲
温度監視手段と、該監視される周囲温度若しくはその相
当値が所定の限界値以上となるとき、エンジンの任意気
筒への燃料噴射を停止して同エンジンの高回転運転を制
限することで前記出力トランジスタへの通電周期を制限
する減筒制御手段を具えるものとして構成する。
【0015】また請求項記載の発明では、エンジン並
びにその周辺装置の駆動を統括的に管理するマイクロコ
ンピュータと、前記マイクロコンピュータから出力され
る駆動指令に基づいて点火コイルへの通電を制御するイ
グナイタの出力トランジスタと、前記マイクロコンピュ
ータから出力される駆動指令に基づいて燃料噴射弁を駆
動する駆動回路とを有するエンジンの電子制御装置にあ
って、前記出力トランジスタの周囲温度を監視する周囲
温度監視手段と、該監視される周囲温度若しくはその相
当値が所定の限界値以上となるとき、エンジンへの燃料
噴射量を所定に減量して同エンジンの最高回転数を低下
せしめることで前記出力トランジスタへの通電周期を制
限する噴射量減量手段を具えるものとして構成する。
【0016】また、請求項記載の発明では、エンジン
並びにその周辺装置の駆動を統括的に管理するマイクロ
コンピュータと、前記マイクロコンピュータから出力さ
れる駆動指令に基づいて点火コイルへの通電を制御する
イグナイタの出力トランジスタと、前記マイクロコンピ
ュータから出力される駆動指令に基づいて燃料噴射弁を
駆動する駆動回路とを有するエンジンの電子制御装置に
あって、前記出力トランジスタの周囲温度を監視する周
囲温度監視手段と、該監視される周囲温度若しくはその
相当値が所定の限界値以上となるとき、エンジンの吸気
絞り弁を吸気量が抑えられる側に強制駆動して同エンジ
ンの最高回転数を低下せしめることで前記出力トランジ
スタへの通電周期を制限する吸気制限手段を具えるもの
として構成する。
【0017】また、請求項記載の発明では、これら請
求項1乃至記載の発明の何れか一項の構成において、
前記周囲温度監視手段を、前記出力トランジスタの近傍
に配設されたサーミスタと、該サーミスタの端子間電圧
に基づいて同出力トランジスタの周囲温度を演算する演
算手段とを具えるものとして構成する。
【0018】また、請求項記載の発明では、同じく請
求項1乃至記載の発明の何れか一項の構成において、
前記周囲温度監視手段を、同電子制御装置内に配されて
定電流駆動されるダイオードと、該ダイオードの順方向
電圧に基づいて前記出力トランジスタの周囲温度を演算
する演算手段とを具えるものとして構成する。
【0019】また、請求項記載の発明では、この請求
記載の発明の構成において、前記ダイオードを、電
子制御装置内に同周囲温度監視手段として別途に配設す
るようにする。
【0020】また、請求項記載の発明では、同じく請
求項記載の発明の構成において、前記ダイオードを、
電子制御装置内に制御部品として予め配設されているも
のを流用するようにする。
【0021】また、請求項1記載の発明では、ダイオ
ードを用いたこれら請求項またはまたは記載の発
明の構成において、前記演算手段を、電源投入後所定の
時間以内であること、及びエンジンの冷却水温並びに吸
気温が共に所定の第1の温度以下でその温度差も所定の
第2の温度以下であること、及びエンジンが回転してい
ないことの論理積条件が満たされることに基づき前記ダ
イオードの順方向電圧−温度特性を校正する手段と、前
記条件の何れか1つでも満たされなくなるとき、該ダイ
オードの校正された順方向電圧−温度特性に基づいてそ
の都度の温度を前記出力トランジスタの周囲温度として
算出する手段とを具えて構成するようにする。
【0022】そして請求項1記載の発明では、先の請
求項1乃至記載の発明の何れか一項の構成において、
前記周囲温度監視手段を、前記出力トランジスタの周囲
温度をバッテリの電圧値に換算して監視するものとし、
前記出力トランジスタを、この換算されたバッテリの電
圧値が所定の限界値以上となるとき、その通電周期
されるものとする。
【0023】
【作用】エンジンの電子制御装置にイグナイタの出力
ランジスタを内蔵した場合、それら素子の使用限界温度
範囲を超えてしまう可能性があるとはいえ、現実にその
ような状況に陥るのは、例えばその周囲温度が高温で且
つ、エンジンが高速回転しているとき、といったような
特殊な場合に限られることは前述した通りである。
【0024】
【0025】
【0026】そこで、上記請求項記載の発明によるよ
うに、・前記出力トランジスタの周囲温度を監視する周囲温度
監視手段と、 ・エンジンの高速回転に伴う燃料カット回転数の判定値
を引き下げて、この引き下げた前記判定値にエンジンの
最高回転数を制限することで前記出力トランジスタのオ
ン周期(通電周期)を制限する燃料カット判定値変更手
と、それぞれ具えるように構成すれば、出力トラン
ジスタに対して必ずしも前述したような放熱対策を施さ
ずとも、同出力トランジスタの使用限界温度範囲を超え
ての発熱といったものは的確に抑えられるようになる。
したがって、いたずらに放熱にコストをかけずとも、ま
さかのときには確実にそれら素子の保護を図ることがで
きるようになる。また、同請求項1記載の発明では、た
だ単に放熱対策を施すのとは違い、上記監視する出力ト
ランジスタの周囲温度若しくはその相当値が所定の限界
値以上となるときに、上記燃料カット判定値変更手段を
通じて、同出力トランジスタへの通電そのものを制限す
るようにしている。このため、たとえ周囲温度が高温と
なる場合であっても、同素子の発熱を根本的に抑えるこ
とができるようにもなる。特に、上記燃料カット判定値
変更手段としての上記構成によれば、その変更された燃
料カット判定値以上の回転数では燃料噴射が全面的に禁
止され、エンジン回転数がそれ以上に上昇することもな
くなる。
【0027】このため、車両の通常の走行に何らの影響
も与えることなく、同出力トランジスタの異常発熱を抑
え、ひいてはこれを保護することができるようになる。
なお因みに、上出力トランジスタのオン時間が一定で
あっても、こうしてエンジン回転数が制限されれば、自
ずとそのオン周期が制限され、ひいてはその発生電力も
良好に制限されるようになる。
【0028】また、このようなエンジンの電子制御装置
にあっては通常、その点火制御系や燃料制御系が一体に
装置化されることから、例えばイグナイタの制御に、燃
料制御系の制御内容を操作することも比較的容易に実現
される。
【0029】また、前記燃料カット判定値変更手段に代
えて、例えば請求項記載の発明によるように、 ・エンジンへの燃料噴射を所定の短時間ずつ間引きして
同エンジンの最高回転数を低下せしめることで前記出力
トランジスタのオン周期を制限する燃料噴射間引き手段
を具えるもの。 或いは請求項記載の発明によるように、 ・エンジンの任意気筒への燃料噴射を停止して同エンジ
ンの高回転運転を制限することで前記出力トランジスタ
のオン周期を制限する減筒制御手段を具えるもの。 或いは請求項記載の発明によるように、 ・エンジンへの燃料噴射量を所定に減量して同エンジン
の最高回転数を低下せしめることで前記出力トランジス
タのオン周期を制限する噴射量減量手段を具えるもの。 或いは請求項記載の発明によるように、 ・エンジンの吸気絞り弁(スロットルバルブなど)を
気量が抑えられる側に強制駆動して同エンジンの最高回
転数を低下せしめることで前記出力トランジスタのオン
周期を制限する吸気制限手段を具えるもの。 として構成することもできる。
【0030】通電周期制限手段としてのこのような構成
によっても、エンジン回転数を制限することができ、ひ
いては上記出力トランジスタのオンデューティを制限す
ることができる。したがってこの場合も、同出力トラン
ジスタの発生電力は制限され、その異常な発熱を根本的
に抑えることができるようになる。
【0031】一方、上記請求項記載の発明によるよう
に、以上の各構成において、前記周囲温度監視手段につ
いてはこれを、 ・前記出力トランジスタの近傍に配設されたサーミスタ
と、該サーミスタの端子間電圧に基づいて同出力トラン
ジスタの周囲温度を演算する演算手段とを具えるもの。 として構成することができる。周囲温度監視手段として
のこのような構成によれば、上記出力トランジスタの周
囲温度を直接、しかも簡単に監視することができるよう
になる。
【0032】また、上記請求項記載の発明によるよう
に、同周囲温度監視手段についてはこれを、 ・電子制御装置内に配されて定電流駆動されるダイオー
ドと、該ダイオードの順方向電圧に基づいて前記出力
ランジスタの周囲温度を演算する演算手段とを具えるも
の。 として構成することもできる。特に、周囲温度監視手段
としてのこうした構成によれば、前記ダイオードについ
てこれを、例えば請求項記載の発明によるように、 (イ)電子制御装置内に同周囲温度監視手段として別途
に配設する。或いは請求項記載の発明によるように、 (ロ)電子制御装置内に制御部品として予め配設されて
いるものを流用する。といった態様での利用が可能とな
る。
【0033】前者(イ)の構成によれば、温度監視対象
となる出力トランジスタ近傍の任意の位置に前記ダイオ
ードを配設することができ、またその定電流源としても
任意のものを使用することができる自由度がある。
【0034】また、後者(ロ)の構成によれば、こうし
た自由度はないものの、新たに電子部品を追加する必要
がなく、より経済的に同周囲温度監視手段を構成するこ
とができるようになる。なお、この電子制御装置内に制
御部品として予め配設されて定電流駆動されるダイオー
ドとしては、例えば車速センサなどの波形整形回路にあ
って、そのセンサ信号を2値化するための比較基準電位
を生成するダイオードなどがある。
【0035】また、請求項1記載の発明によるよう
に、周囲温度監視手段としてダイオードを用いたこれら
の構成にあって、前記演算手段を、 ・電源投入後所定の時間以内であること、及びエンジン
の冷却水温並びに吸気温が共に所定の第1の温度以下で
その温度差も所定の第2の温度以下であること、及びエ
ンジンが回転していないことの論理積条件が満たされる
ことに基づき前記ダイオードの順方向電圧−温度特性を
校正する手段と、 ・前記条件の何れか1つでも満たされなくなるとき、該
ダイオードの校正された順方向電圧−温度特性に基づい
てその都度の温度を前記出力トランジスタの周囲温度と
して算出する手段と、をそれぞれ具えて構成すれば、こ
うしてダイオードを用いて周囲温度監視手段を実現する
場合であっても、その順方向電流に起因する温度特性の
ばらつきを的確に吸収して、前記周囲温度についての精
度の高い監視を行うことができるようになる。
【0036】ところで、上記出力トランジスタの発生電
力はその電源電圧、すなわちバッテリ電圧と強い相関が
あり、同出力トランジスタの許容される周囲温度も、こ
のバッテリ電圧に換算して監視することができる。
【0037】そこで、先の請求項1乃至記載の発明の
構成においても、請求項1記載の発明によるように、
前記周囲温度監視手段を、 ・前記出力トランジスタの周囲温度をバッテリの電圧値
に換算して監視するもの。 として構成し、該出力トランジスタについてもこれを、 ・この換算されたバッテリの電圧値が所定の限界値以上
となるときその通電周期制限されるもの。 として構成すれば、基本的にバッテリ電圧を測定するだ
けの非常に簡単な構成にて、上記出力トランジスタの発
熱を抑えることができ、確実に同素子の保護を図ること
ができるようになる。
【0038】
【実施例】
(第1実施例)図1〜図8に、この発明にかかるエンジ
ンの電子制御装置の第1の実施例を示す。
【0039】この第1の実施例の装置は、イグナイタが
内蔵されるエンジンの電子制御装置にあって、同イグナ
イタの出力トランジスタ近傍に配設したサーミスタを通
じてその周囲温度を監視し、該温度が所定値以上となる
とき、エンジンの高回転燃料カット判定値の引き下げを
行う装置として構成されている。
【0040】はじめに、図1を参照して、同電子制御装
置が制御対象とするエンジン並びにその周辺装置の構成
を説明する。同図1に示されるように、エンジン1は、
そのシリンダ2とピストン3、及びシリンダヘッド4に
よって燃焼室5が形成されるようになっている。燃焼室
5には点火プラグ6が配設されている。
【0041】こうしたエンジン1において、その吸気系
統は、上記燃焼室5に吸気バルブ7を介して連通する吸
気マニホールド8、該吸気マニホールド8に燃料を噴射
する燃料噴射弁9、同吸気マニホールド8に連通する吸
気管10、吸入空気の脈動を吸収するサージタンク1
1、スロットルバルブ12、そしてエアクリーナ13を
具えた構成となっている。
【0042】他方、同エンジン1の排気系統は、上述し
た燃焼室5に排気バルブ14を介して連通する排気マニ
ホールド15を有して構成されている。更に、同エンジ
ン1には、点火に必要な高電圧を出力する点火コイル1
6、及び図示しないクランク軸に連動して該点火コイル
16で発生した高電圧を各気筒の点火プラグ6に分配供
給するディストリビュータ17が設けられている。なお
この点火コイル16は、電子制御装置30に内蔵されて
いる後述するイグナイタ(駆動回路)によってその通電
が制御されるようになっている。
【0043】一方、エンジン1には、次のような各種セ
ンサが併せ設けられている。 ・水温センサ20:エンジン1の冷却系統に設けられて
その冷却水温を検出する。 ・吸気温センサ21:上記エアクリーナ13内に設けら
れて同エンジン1に送られる吸入空気温度を検出する。 ・スロットルポジションセンサ22:上記スロットルバ
ルブ12に連動して該スロットルバルブ12の開度を検
出する。 ・吸気管内圧力センサ23:吸気管10内の圧力を測定
する。 ・酸素濃度センサ24:排気マニホールド15に設けら
れて排気ガス中の残存酸素濃度を検出する。 ・回転角センサ25:上記ディストリビュータ17内に
取り付けられて、該ディストリビュータ17のカムシャ
フトの1/24回転毎に、すなわち図示しないクランク
軸の0°CA(クランク角)から30°CAの整数倍毎
に回転角信号(パルス)を出力する。同エンジン1の回
転速度センサを兼ねる。 ・気筒判別センサ26:同じくディストリビュータ17
内に取り付けられて、同ディストリビュータ17のカム
シャフトの1回転毎に、すなわち図示しないクランク軸
の2回転毎に、気筒判別のための基準信号(パルス)を
1回出力する。 ・車速センサ28:エンジン1が搭載された車両の車軸
に設けられたシグナルロータ27を通じて車輪の回転に
応じたパルスを発生する。
【0044】これら各センサによる出力は何れも電子制
御装置30に入力される。電子制御装置30は基本的
に、これら各センサの出力内容に基づき上記燃料噴射弁
9及び点火コイル16を駆動して、エンジン1の運転を
制御する装置である。
【0045】次に、図2を併せ参照して、該電子制御装
置30の構成を説明する。同図2に示されるように、電
子制御装置30は、マイクロコンピュータ310と、上
記各種センサの出力をこのマイクロコンピュータ310
に取り込むために前処理する回路、及び同マイクロコン
ピュータ310から出力される駆動指令を処理して上記
点火コイル16及び燃料噴射弁9を駆動する回路とによ
って大きくは構成されている。
【0046】ここで、マイクロコンピュータ310自身
は、CPU311、ROM312、RAM313及びバ
ックアップRAM314を基本的に具える論理演算回路
として構成されている。
【0047】このうち、CPU311は、上記各種セン
サの出力を制御プログラムに従って入力し、同制御プロ
グラムに基づく所定の演算を実行しつつ、上記点火コイ
ル16及び燃料噴射弁9を駆動するための制御指令を出
力する部分である。
【0048】また、ROM312は、上記制御プログラ
ムや初期データ等が予め記憶されている読み出し専用の
メモリであり、RAM313は、上記入力される各種セ
ンサ出力や、演算或いは制御の実行に際して必要とされ
るデータが一時的に記憶されるメモリである。
【0049】また、バックアップRAM314は、バッ
テリによってバックアップされた不揮発性のRAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)である。図示しないキースイッ
チがオフ操作され、同制御装置への給電が停止された後
も継続的に使用されるデータは、該バックアップRAM
314に対して記憶されるようになる。
【0050】また、同マイクロコンピュータ310にお
いて、入出力ポート315及び入力ポート316は何れ
も、上記各種センサの出力を該マイクロコンピュータ3
10内に取り込む部分である。
【0051】一方、出力ポート317は、CPU311
を通じて生成された上記点火コイル16や燃料噴射弁9
に対する駆動指令をその外部に出力する部分である。同
マイクロコンピュータ310の内部において、上記論理
演算回路を構成するCPU311、ROM312、RA
M313及びバックアップRAM314とこれら各ポー
ト315〜317とは、コモンバス318によって電気
的且つ論理的に接続されている。
【0052】クロック発生器319は、こうしたマイク
ロコンピュータ310の各部に対して動作クロックCK
を供給する部分である。また同電子制御装置30におい
て、上記各種センサの出力をこのマイクロコンピュータ
310に取り込むために前処理する回路としては、バッ
ファ回路321〜324、マルチプレクサ325、A/
D変換器326、バッファ331、コンパレータ33
2、そして波形整形回路333及び334がある。
【0053】ここで、マルチプレクサ325は、バッフ
ァ回路321〜324にそれぞれ入力される上記吸気管
内圧力センサ23、水温センサ20、吸気温センサ2
1、及びスロットルポジションセンサ22の各出力、並
びに後述するサーミスタ352の出力(端子間電圧)を
上記マイクロコンピュータ310からの指令に基づいて
選択出力する回路である。この選択されたセンサ出力若
しくはサーミスタ352の出力はA/D変換器326に
対して入力される。
【0054】A/D変換器326は、この入力されるセ
ンサ出力若しくはサーミスタ352の出力を、これも上
記マイクロコンピュータ310からの指令に基づいてA
/D(アナログ/ディジタル)変換する回路である。上
記各センサ出力、並びにサーミスタ352の出力は、こ
うしてディジタル信号に変換され、上記入出力ポート3
15を介してマイクロコンピュータ310に取り込まれ
るようになる。
【0055】一方、コンパレータ332は、バッファ回
路331に入力される上記酸素濃度センサ24の出力と
所定の基準電圧との比較に基づいて、リッチ若しくはリ
ーンを示す2値化信号を生成する回路である。この生成
される2値化信号は、空燃比フィードバック制御にあっ
てそのモニタ信号として使用される信号であり、上記入
力ポート316を介してマイクロコンピュータ310に
取り込まれる。
【0056】また、波形整形回路333は、上記気筒判
別センサ26及び回転角センサ25の各出力信号波形を
各々2値のパルス信号波形に整形する回路である。これ
ら各波形整形信号も、入力ポート316を介してマイク
ロコンピュータ310に取り込まれる。
【0057】また、波形整形回路334は、上記車速セ
ンサ28の出力信号波形を同じく2値のパルス信号波形
に整形する回路である。そして、該波形整形信号も同様
に、入力ポート316を介してマイクロコンピュータ3
10に取り込まれる。
【0058】そして同電子制御装置30において、マイ
クロコンピュータ310から出力される駆動指令を処理
して上記点火コイル16及び燃料噴射弁9を駆動する回
路としては、それぞれ駆動回路(イグナイタ)341及
び駆動回路342がある。
【0059】このうち、イグナイタ341は、マイクロ
コンピュータ310から出力される駆動指令(点火信
号)に基づき点火コイル16への通電を制御して前記点
火プラグを駆動(スパーク)せしめる回路である。
【0060】また、駆動回路342は、同マイクロコン
ピュータ310から出力される駆動指令(燃料噴射量に
対応した時間信号)に基づき燃料噴射弁9を所定の時間
だけ開弁駆動せしめる回路である。図1に示したエンジ
ン1において、図示しない燃料ポンプから圧送される燃
料は、該燃料噴射弁9の開弁時間に比例した量だけ、前
記吸気マニホールド8内に噴射供給されるようになる。
【0061】なお、イグナイタ341にあっては、上記
点火コイル16への通電を制御するといった性格上、そ
の出力トランジスタには相当に大きな電流が流れ、それ
ら素子の使用限界となる温度範囲を超えてしまう可能性
があることは前述した通りである。
【0062】そこで同第1の実施例の装置では、図2に
併せ示されるように、該イグナイタ341の出力トラン
ジスタ近傍にサーミスタ352を配設し、サーミスタ3
52の端子間電圧に基づいてその周囲温度を監視するよ
うにしている。なお、このサーミスタ352は、抵抗器
351によってA/D変換器326の電源電圧電位にプ
ルアップされ、該プルアップされた抵抗器351との接
続点の電位が、同サーミスタ352の出力電圧としてマ
ルチプレクサ325を介してA/D変換器326に取り
込まれるようになっている。
【0063】次に、図3及び図4を参照して、上記イグ
ナイタ341の回路例、並びにその出力トランジスタと
サーミスタ352との物理的な位置関係を説明する。図
3に、上記イグナイタ341及び同イグナイタ341に
よって駆動される点火コイル16の回路構成を示す。
【0064】この図3に示されるように、上記マイクロ
コンピュータ310からイグナイタ341に対して出力
される駆動指令(すなわち点火信号)は、ドライブ用の
トランジスタ3413によって増幅された後、パワート
ランジスタ(出力トランジスタ)3417のベース電極
に加えられる。
【0065】一方、このパワートランジスタ3417の
コレクタ電極には、点火コイル16を介して前記点火プ
ラグ6が接続されている(正確には、前記ディストリビ
ュータ17を介して各気筒の点火プラグが選択的に接続
される)。
【0066】このため、同パワートランジスタ3417
がオンとなった後、オフになると、点火コイル16の一
次コイル16aに流れている電流が遮断され、その二次
コイル16b側に高電圧が発生されるようになる。そし
てこの発生された高電圧が、これに接続されている点火
プラグ6を駆動する(スパークさせる)ようになる。す
なわち、同パワートランジスタ3417がオンからオフ
となる毎に、エンジン1の点火が実施されることとな
る。
【0067】なおこのイグナイタ341において、ツェ
ナーダイオード3415は、パワートランジスタ341
7がオフするときにインダクタンス負荷である点火コイ
ル16のために発生する高電圧(フライバック電圧)を
同トランジスタ3417のコレクタ電極−エミッタ電極
間の耐電圧以下にクランプするいわゆるフライバックダ
イオードである。
【0068】さて、このようなイグナイタ341のパワ
ートランジスタ3417に対し、上記サーミスタ352
は、電子制御装置30内において図4に示される態様で
配設されている。
【0069】この図4は、上述した電子制御装置30の
概観を示したものであり、同図4において、符号301
は同装置30のケース、符号302は、外部ハーネスと
の接続に使用されるコネクタ、符号303は、図2に示
される各種回路や素子が実装されるプリント基板、符号
304は、それら回路や素子を埃等から保護するカバー
をそれぞれ示している。
【0070】このような概観を有する電子制御装置30
において、イグナイタ341を構成する上記各素子が、
抵抗器3411、3412、3414、及び3416も
含めて同図4に示される態様でプリント基板303上に
実装されているとすると、上記サーミスタ352及びそ
のプルアップ抵抗351は、これも同図4に示される態
様で、その近傍に実装される。特にサーミスタ352
は、パワートランジスタ3417(ここでは上記フライ
バックダイオード3415が一体にパッケージされてい
るタイプのものを想定)の周囲温度を極力正確に監視、
測定するために、同トランジスタ3417から例えば1
cm以内に配設されるものとする。
【0071】図5は、上記パワートランジスタ3417
の電圧並びに電流チャートと示したものであり、次に、
この図5を併せ参照して、同トランジスタ3417から
発生される電力、並びに上記監視される周囲温度の許容
値について考察する。
【0072】上記イグナイタ341にあっては、先の図
3にも示されるように、マイクロコンピュータ310か
ら出力される駆動指令(点火信号)が論理L(ロー)レ
ベルになるときトランジスタ3413がオンとなって、
パワートランジスタ3417にベース電流が供給され
る。
【0073】こうしてベース電流が供給されることによ
り、同パワートランジスタ3417はオンとなり、その
コレクタ−エミッタ間電圧VCEは小さな値となるが、
図5(b)に示されるように、飽和電圧と呼ばれる電圧
VCEsatは発生する。
【0074】またこのとき、同パワートランジスタ34
17のコレクタ電極には、図5(c)に示されるような
コレクタ電流が流れることとなる。同図5(c)におい
て、電流値ICOは、該コレクタ電流の飽和値を示して
いる。
【0075】一方、図5(a)及び(d)に示されるよ
うに、上記駆動指令(点火信号)の周期すなわち点火周
期(パワートランジスタ3417のオン周期)をTO、
またそのときの同トランジスタ3417への通電時間を
Tとすると、そのオンデューティは (T/TO) として表されることとなる。
【0076】したがってこのとき、同パワートランジス
タ3417から発生される電力は、これをPとすると次
式のようになる。 P=VCEsat×ICO×(T/TO) …(1) なおここで、上記通電時間Tは、点火コイル(1次側)
16のインダクタンス分と電源電圧とによって定まる時
間であり、同通電時間Tについてはこれを一定の値とす
ることができる。それ以上の通電時間は、熱に変換され
るだけの無駄な時間となる。逆に、同通電時間Tが短い
時間に設定される場合には、点火コイル16を通じての
十分なスパーク電圧が得られず、失火する恐れがある。
【0077】したがって通常は、電源電圧が一定であれ
ば、同通電時間Tとしても、確実な点火を得ることので
きる一定の時間に設定される。そしてこのことは、エン
ジン回転数が高いほど、上記オンデューティ(T/T
O)が大きくなり(オン周期が短くなり)、上記パワー
トランジスタ3417から発生される電力Pも大きくな
ることを意味する。
【0078】結局、上記(1)式によれば、 (A)オンデューティ(T/TO)が大きいほど(オン
周期が短いほど)、すなわちエンジン回転数が高いほ
ど、パワートランジスタ3417の発生電力Pは大きく
なる。 或いは (B)コレクタ電流飽和値ICOが大きいほど、すなわ
ち電源電圧が高いほど、パワートランジスタ3417の
発生電力Pは大きくなる。 ことがわかる。
【0079】引き続き、こうしたパワートランジスタ3
417の発生電力Pに基づき自ずと定まる同トランジス
タ3417の許容される周囲温度について考察する。例
えば、前記エンジン1が6気筒エンジンであって、図5
(d)に付記するようにその点火周期TOが120゜C
A(クランク角)であるとするとき、上記(1)式の各
要素が、(a)VCEsat(コレクタ−エミッタ間飽
和電圧)=0.5V、(b)ICO(コレクタ電流飽和
値)=10A、(c)+B(電源電圧)=16V、
(d)点火コイル16の1次コイル抵抗値=1.6Ω、
(e)T(通電時間)=3ms、(f)TO(点火周期
=120゜CA)=3.3ms(エンジン回転数600
0rpm相当)といった値をとるものとすると、上記パ
ワートランジスタ3417の発生電力Pは、 P=0.5V×10A×(3ms/3.3ms) =4.5W となる。
【0080】ここで、もし同パワートランジスタ341
7の接合温度の最大定格を150℃、また接合部一周囲
温度の熱抵抗を15℃/Wとすれば、同トランジスタ3
417の許容される周囲温度は、 150℃−15℃/W×4.5W=82.5℃ となる。
【0081】すなわち、上記パワートランジスタ341
7の発生電力Pが4.5Wであった場合、その周囲温度
が82.5℃となるまでは使用限界温度範囲を超えるこ
とはなく、同トランジスタ3417の安全が保証される
ことになる。
【0082】次に、図6及び図7を併せ参照して、上記
サーミスタ352を通じて行われる該パワートランジス
タ3417の周囲温度の監視手法について説明する。サ
ーミスタ352は、抵抗(Rx)−温度(Ta)特性と
して、 Rx=2.45×EXP[3500×{(1/(273+Ta))−(1/293)}] …(2) なる特性をもつ。
【0083】ここで、例えば前記プルアップ抵抗351
の抵抗値を1kΩ、また前記A/D変換器326の電源
電圧を5Vとすると、同サーミスタ352の出力に関す
る該A/D変換器326の入力電圧は、 入力電圧=5V×{Rx/(1+Rx)} となり、図6に示されるような特性となる。
【0084】この実施例の装置では、サーミスタ352
のこうした特性に基づいて、該入力電圧と温度Taとの
関係を例えば図7に示される態様でマップ化し、これを
前記ROM312若しくはバックアップRAM314に
予め格納している。そして、上記A/D変換器326を
通じてA/Dされるその都度の値に基づき、同図7に示
される態様でマップ演算して求められる温度Taを、監
視すべき上記パワートランジスタ3417の周囲温度と
している。
【0085】以下、こうした態様でのパワートランジス
タ3417の周囲温度の監視のもとに、同第1の実施例
の装置において実行される燃料カット判定値変更処理に
ついて詳述する。
【0086】いま、予測される電子制御装置30内の最
高温度(上記トランジスタ3417の周囲温度)を90
℃とすると、エンジン1の上記(a)〜(f)として例
示した運転条件にあっては、82.5〜90℃の範囲で
上記トランジスタ3417がその接合温度の許容値を超
え、破壊する可能性がでてくる。
【0087】そこで同第1の実施例の装置では、高回転
時の燃料カット回転数を上記監視する周囲温度に応じて
引き下げることで、該トランジスタ3417がその許容
値を超えて加熱されることを防止する。
【0088】すなわち、高回転時の燃料カット(F/
C)回転数は当該エンジン1の許容される最高回転数に
応じて設定されるが、これを上記周囲温度に応じて引き
下げるようにすれば、同トランジスタ3417の発生電
力Pも自ずと制限されることとなり、その許容値を超え
ての加熱等も未然に防がれるようになる。
【0089】以下に、その具体手法を説明する。ここで
はまず、上記予測される電子制御装置30内の最高温度
90℃における許容発生電力を求める。上述のように、
パワートランジスタ3417の接合温度の最大定格を1
50℃、また接合部一周囲温度の熱抵抗を15℃/Wと
すると、これは、 (150℃−90℃)÷15℃/W=4W となる。
【0090】そして、同トランジスタ3417の発生電
力Pをこの4Wに抑えるためには、先の(1)式より、 4W=0.5V×10A×(3ms/TO) であり、そのときの点火周期TOは、 TO=3.75ms となる。これは、エンジン回転数で5330rpmに相
当する値である。
【0091】したがって、エンジン回転数を5330r
pm以下にすれば、たとえ上記トランジスタ3417の
周囲温度が90℃になったとしても、点火周期TOがこ
の周期「3.75ms」より短くなることはなくなり、
ひいては同トランジスタ3417がその許容値を超えて
加熱されるようなこともなくなる。
【0092】図8に、こうした原理に基づいて同第1の
実施例の装置が実行する燃料カット判定値変更ルーチン
を示す。なお同ルーチンは、前記ROM312に予め登
録されており、例えば16ms毎の時間割り込みにて起
動されるものとする。
【0093】すなわちいま、該ルーチンが起動されたと
すると、電子制御装置30はまず、前記マルチプレクサ
325及びA/D変換器326を通じてサーミスタ35
2の出力(A/D変換器入力電圧)を取り込む。そし
て、先の図7に示したマップに基づきこの取り込んだ値
から周囲温度を演算し、該演算した周囲温度が限界値
(ここでの例では82.5℃)以上か否かを判定する
(ステップS101)。
【0094】この結果、上記演算した周囲温度が限界値
に達していない旨判定される場合にはそのまま当該処理
を終える。他方、同演算した周囲温度が限界値以上であ
る旨判定される場合には、例えば判定値6000rpm
に設定されているエンジン1の高回転燃料カット回転数
を上記回転数5330rpmに引き下げる(ステップS
102)。
【0095】この高回転燃料カット判定値は通常、前記
ROM312から前記RAM313にロードされて、燃
料カット制御の実行時に参照されるようになっている。
したがって、こうして該判定値が引き下げ更新されるこ
とにより、同電子制御装置30では、該更新された値以
上の回転数では燃料噴射を全面的に禁止するようにな
り、エンジン回転数も該更新された値以上には上昇しな
くなる。こうしてエンジンの最高回転数が制限されれ
ば、上記トランジスタ3417の発生電力Pも自ずと制
限され、ひいてはその許容値を超えての加熱等も未然に
防がれるようになることは上述した通りである。
【0096】以上のように、この第1の実施例の装置に
よれば、上記イグナイタのパワートランジスタ(出力ト
ランジスタ)を放熱フィン上に取り付けたり、或いは同
トランジスタとして耐熱性のある高価なトランジスタを
使用せずとも、その使用限界温度範囲を超えての発熱と
いったものは的確に抑えられるようになる。
【0097】したがって、いたずらに放熱にコストをか
けずとも、まさかのときには確実にそれら素子の保護を
図ることができるようになる。また、同第1の実施例の
装置による上述した燃料カット判定値変更処理によれ
ば、車両の通常の走行には何らの影響も与えることな
く、こうした素子の保護が実現されるようになる。
【0098】また同実施例の装置では、監視対象となる
トランジスタの近傍にサーミスタを配設し、このサーミ
スタの出力に基づいて該トランジスタの周囲温度を演算
するようにしたことから、同トランジスタの周囲温度を
直接、しかも簡単に監視することができる。
【0099】(第2実施例)図9及び図10に、この発
明にかかるエンジンの電子制御装置の第2の実施例を示
す。
【0100】この第2の実施例の装置は、イグナイタが
内蔵されるエンジンの電子制御装置にあって、同イグナ
イタの出力トランジスタ近傍に配設したサーミスタを通
じてその周囲温度を監視し、該温度が所定値以上となる
とき、エンジンへの燃料噴射を所定の短時間ずつ間引き
制御する装置として構成されている。
【0101】ただし、同第2の実施例の装置にあって
も、先の図1〜図7に示される構成、或いはサーミスタ
352やパワートランジスタ3417の特性は第1の実
施例の装置に共通するものであり、それら共通する要素
についての重複する説明は割愛する。
【0102】以下、前記態様でのパワートランジスタ3
417の周囲温度の監視のもとに同第2の実施例の装置
において実行される燃料噴射間引き制御について詳述す
る。例えば、トランジスタ3417の許容される周囲温
度が82.5℃であって、予測される電子制御装置30
内の最高温度が90℃であるとするとき、82.5〜9
0℃の範囲で上記トランジスタ3417がその接合温度
の許容値を超え、破壊する可能性がでてくることは前述
した通りである。
【0103】そこで同第2の実施例の装置では、エンジ
ンへの燃料噴射を所定の短時間ずつ間引き制御すること
で、同トランジスタ3417がその許容値を超えて加熱
されることを防止する。
【0104】すなわち、エンジンへの燃料噴射を所定の
短時間ずつ間引きするようにすれば、同エンジンの運転
にそれほど影響を与えずに、その回転数を低下せしめる
ことができ、ひいては上記トランジスタ3417の発生
電力Pを制限することができるようになる。
【0105】以下に、その具体手法を説明する。ここで
はまず、図9に示される計時ルーチンに従って100m
sの計時を繰り返し実行する。
【0106】この計時ルーチンは、1ms毎の時間割り
込みにて起動されるものであり、該ルーチンが起動され
る都度、電子制御装置30(CPU311)は計時カウ
ンタのカウント値TCをインクリメントする(ステップ
S201)。
【0107】そして、このインクリメントの結果、カウ
ント値TCが「100」未満であれば、そのまま同ルー
チンを抜ける(ステップS202)。他方、同インクリ
メントの結果、カウント値TCが「100」以上であれ
ば、同カウント値TCを「0」にリセットして、同ルー
チンを抜ける(ステップS202及びS203)。
【0108】こうした計時ルーチンが繰り返されること
により、計時カウンタのカウント値TCは、1ms毎に
「1」→「2」→「3」…「100」→「1」→「2」
…といった態様で、そのインクリメントが繰り返される
ようになる。なおこの計時ルーチンは、ROM312
(図2)に予め登録されている。
【0109】一方、同電子制御装置30(CPU31
1)では、こうした計時ルーチンと並行して、図10に
示される燃料噴射間引きルーチンを実行する。該燃料噴
射間引きルーチンも、上記計時ルーチンと同様、ROM
312に予め登録されている。ただし同ルーチンは、エ
ンジン1の各気筒に対する燃料の噴射タイミング毎に起
動され、実行されるものとする。
【0110】さていま、該ルーチンが起動されたとする
と、電子制御装置30は前述同様、マルチプレクサ32
5及びA/D変換器326を通じてサーミスタ352の
出力を取り込み、先の図7に示したマップに基づきこの
取り込んだ値から周囲温度を演算し、該演算した周囲温
度が限界値(ここでの例では82.5℃)以上か否かを
判定する(ステップS211)。
【0111】この結果、上記演算した周囲温度が限界値
に達していない旨判定される場合には、周知の通常の燃
料噴射動作を実行する(ステップS212)。他方、同
演算した周囲温度が限界値以上である旨判定される場合
には、上記計時カウンタのカウント値TCを参照し、同
値TCが「0≦TC≦30」であるか否かを再び判定す
る(ステップS213)。
【0112】この結果、上記カウント値TCが「0≦T
C≦30」の範囲外である旨判定される場合には、やは
り同様に、上記通常の燃料噴射動作を実行する(ステッ
プS212)。
【0113】他方、同カウント値TCが「0≦TC≦3
0」にある旨判定される場合には、そのとき実行すべき
燃料噴射動作を強制的に停止する(ステップS21
4)。このような燃料噴射間引きルーチンが実行される
ことにより、上記演算された周囲温度が限界値以上とな
るときには、100ms間に30ms間だけ燃料噴射が
停止(カット)されるようになり、それに応じてエンジ
ン回転数も低下するようになる。
【0114】そして、こうしてエンジンの回転数が低下
すれば、上記トランジスタ3417の発生電力Pも自ず
と制限され、ひいてはその許容値を超えての加熱等も未
然に防がれるようになる。
【0115】このように、この第2の実施例の装置によ
っても、イグナイタ341のパワートランジスタ(出力
トランジスタ)を放熱フィン上に取り付けたり、或いは
同トランジスタとして耐熱性のある高価なトランジスタ
を使用せずとも、その使用限界温度範囲を超えての発熱
といったものは的確に抑えられるようになる。
【0116】したがって同実施例の装置にあっても、い
たずらに放熱にコストをかけずとも、まさかのときには
確実にそれら素子の保護を図ることができるようにな
る。 (第3実施例)図11に、この発明にかかるエンジンの
電子制御装置の第3の実施例を示す。
【0117】この第3の実施例の装置は、イグナイタが
内蔵されるエンジンの電子制御装置にあって、同イグナ
イタの出力トランジスタ近傍に配設したサーミスタを通
じてその周囲温度を監視し、該温度が所定値以上となる
とき、エンジンの任意気筒への燃料噴射を停止する、す
なわち減筒制御する装置として構成されている。
【0118】また、同第3の実施例の装置にあっても、
先の図1〜図7に示される構成、或いはサーミスタ35
2やパワートランジスタ3417の特性は第1、或いは
第2の実施例の装置に共通するものであり、それら共通
する要素についての重複する説明は割愛する。
【0119】以下、前記態様でのパワートランジスタ3
417の周囲温度の監視のもとに同第3の実施例の装置
において実行される減筒制御について詳述する。前述し
たように、上記トランジスタ3417の許容される周囲
温度が82.5℃であって、予測される電子制御装置3
0内の最高温度が例えば90℃であるとするとき、8
2.5〜90℃の範囲で上記トランジスタ3417がそ
の接合温度の許容値を超え、破壊する可能性がでてく
る。
【0120】そこで同第3の実施例の装置では、エンジ
ンへの燃料噴射に際し、同エンジンの任意気筒への燃料
噴射を停止することで、同トランジスタ3417がその
許容値を超えて加熱されることを防止する。
【0121】すなわち、こうして減筒制御を実行するよ
うにすれば、例えば4気筒エンジンの場合には特定の2
気筒、或いはランダムに定める任意の2気筒への燃料噴
射を強制停止させるようにすれば、発生するトルクは約
1/2になる。したがって、この場合もエンジン1の高
回転運転を良好に制限することができ、ひいては上記ト
ランジスタ3417の発生電力Pを制限することができ
るようになる。
【0122】以下に、その具体手法を説明する。この第
3の実施例の装置にあって、電子制御装置30(CPU
311)は、図11に示される減筒制御ルーチンを実行
する。この減筒制御ルーチンもエンジン1の各気筒に対
する燃料の噴射タイミング毎に起動され実行されるもの
であり、ROM312に予め登録されている。
【0123】さていま、該ルーチンが起動されたとする
と、電子制御装置30は前述同様、マルチプレクサ32
5及びA/D変換器326を通じてサーミスタ352の
出力を取り込み、先の図7に示したマップに基づきこの
取り込んだ値から周囲温度を演算し、該演算した周囲温
度が限界値(ここでの例では82.5℃)以上か否かを
判定する(ステップS301)。
【0124】この結果、上記演算した周囲温度が限界値
に達していない旨判定される場合には、当該気筒が何れ
の気筒であれ、その全ての気筒に対し周知の通常の燃料
噴射動作を実行する(ステップS302)。
【0125】他方、同演算した周囲温度が限界値以上で
ある旨判定される場合には、 (1)当該気筒が第1或いは第3気筒であれば、それら
気筒に対する燃料噴射を強制停止する。 (2)当該気筒が第2或いは第4気筒であれば、それら
気筒に対する燃料噴射を通常通り実行する。 といった減筒制御を実行する(ステップS303)。
【0126】このような減筒制御が実行されるときには
上述のように、その発生トルクは約1/2になり、自ず
とエンジン1の高回転運転も制限されるようになる。そ
して、こうしてエンジン1の高回転運転が制限されれ
ば、上記トランジスタ3417の発生電力Pも自ずと制
限され、ひいてはその許容値を超えての加熱等も未然に
防がれるようになる。
【0127】このように、同第3の実施例の装置によっ
ても、先の第1或いは第2の実施例の装置と同様、イグ
ナイタ341の出力トランジスタを放熱フィン上に取り
付けたり、或いは同トランジスタとして耐熱性のある高
価なトランジスタを使用せずとも、その使用限界温度範
囲を超えての発熱といったものは的確に抑えられるよう
になる。
【0128】(第4実施例)図12に、この発明にかか
るエンジンの電子制御装置の第4の実施例を示す。この
第4の実施例の装置は、イグナイタが内蔵されるエンジ
ンの電子制御装置にあって、同イグナイタの出力トラン
ジスタ近傍に配設したサーミスタを通じてその周囲温度
を監視し、該温度が所定値以上となるとき、エンジンへ
の燃料噴射量を所定に減量する装置として構成されてい
る。
【0129】また、同第4の実施例の装置にあっても、
先の図1〜図7に示される構成、或いはサーミスタ35
2やパワートランジスタ3417の特性は第1〜第3の
実施例の装置に共通するものであり、それら共通する要
素についての重複する説明は割愛する。
【0130】以下、前記態様でのパワートランジスタ3
417の周囲温度の監視のもとに同第4の実施例の装置
において実行される噴射量減量制御について詳述する。
例えば、トランジスタ3417の許容される周囲温度が
82.5℃であって、予測される電子制御装置30内の
最高温度が90℃であるとするとき、82.5〜90℃
の範囲で上記トランジスタ3417がその接合温度の許
容値を超え、破壊する可能性がでてくることは既に述べ
た。
【0131】そこで同第4の実施例の装置では、エンジ
ンへの燃料噴射に際し、同エンジンの各気筒に噴射する
燃料量を減量することで、上記トランジスタ3417が
その許容値を超えて加熱されることを防止する。
【0132】すなわち、燃料噴射量が適正な量から例え
ば20%減少されれば、それに応じて発生トルクも減少
される。したがって、この場合もエンジン1の最高回転
数を制限することができ、ひいては上記トランジスタ3
417の発生電力Pを制限することができるようにな
る。
【0133】以下に、その具体手法を説明する。この第
4の実施例の装置にあって、電子制御装置30(CPU
311)は、図12に示される噴射量減量ルーチンを実
行する。この噴射量減量ルーチンは、エンジン1に対す
る燃料噴射量の算出後に起動され実行されるものとす
る。そしてこれも、ROM312に予め登録されてい
る。
【0134】さていま、該ルーチンが起動されたとする
と、電子制御装置30は前述同様、マルチプレクサ32
5及びA/D変換器326を通じてサーミスタ352の
出力を取り込み、先の図7に示したマップに基づきこの
取り込んだ値から周囲温度を演算し、該演算した周囲温
度が限界値(ここでの例では82.5℃)以上か否かを
判定する(ステップS401)。
【0135】この結果、上記演算した周囲温度が限界値
に達していない旨判定される場合にはそのまま同ルーチ
ンを抜ける。他方、同演算した周囲温度が限界値以上で
ある旨判定される場合には、周知の手法にて算出されて
いる燃料の適正噴射量から20%減量した値を燃料噴射
量として設定して、RAM313の所定の領域に登録さ
れている同燃料噴射量についてのデータを更新する(ス
テップS402)。
【0136】このような燃料噴射量の減量制御が実行さ
れるときには、その減量された量に応じて発生トルクが
低減し、エンジン1の最高回転数も自ずと制限されるよ
うになる。
【0137】そして、こうしてエンジン1の最高回転数
が制限されれば、上記トランジスタ3417の発生電力
Pも自ずと制限され、ひいてはその許容値を超えての加
熱等も未然に防がれるようになる。
【0138】このように、この第4の実施例の装置によ
っても、先の第1〜第3の実施例の装置と同様、イグナ
イタ341の出力トランジスタを放熱フィン上に取り付
けたり、或いは同トランジスタとして耐熱性のある高価
なトランジスタを使用せずとも、その使用限界温度範囲
を超えての発熱といったものは的確に抑えられるように
なる。
【0139】(第5実施例)次に、この発明にかかるエ
ンジンの電子制御装置の第5の実施例について説明す
る。
【0140】この第5の実施例の装置は、イグナイタが
内蔵されるエンジンの電子制御装置にあって、同イグナ
イタの出力トランジスタ近傍に配設したサーミスタを通
じてその周囲温度を監視し、該温度が所定値以上となる
とき、エンジンの吸気絞り弁すなわちスロットルバルブ
を吸気量が抑えられる側に強制駆動する装置として構成
されている。
【0141】この第5の実施例の装置も、基本的には先
の第1〜第4の実施例の装置と同様の構成を有するもの
であるが、同第5の実施例の装置の場合には特に、先の
図1に示されるスロットルバルブ12の開度を電子制御
装置30からも制御することのできる構成になっている
とする。
【0142】すなわち、同第5の実施例の装置では、前
述の如く演算した周囲温度が限界値以上となる旨判定さ
れるとき、電子制御装置30を通じて、エンジンへの吸
気量が抑えられる側に上記スロットルバルブ12の開度
を強制駆動することによって同エンジンの最高回転数を
制限するようにする。
【0143】したがって、こうした第5の実施例の装置
によっても、上述した第1〜第4の実施例の装置に準じ
た態様で、イグナイタ341のパワートランジスタ(出
力トランジスタ)3417の使用限界温度範囲を超えて
の発熱といったものを的確に抑えることができるように
なる。
【0144】なお、同第5の実施例の装置の構成として
は他に、周知のサブスロットルが設けられるエンジンに
あって、そのサブスロットルの開度を上記の態様で制御
する構成とすることもできる。
【0145】(第6実施例)ところで、上記第1〜第5
の実施例においては、サーミスタ352を使用して電子
制御装置30(パワートランジスタ3417)の周囲温
度を監視するようにしたが、他に例えば、定電流駆動さ
れるダイオードがあれば、その順方向電圧に基づいても
こうした周囲温度を監視することはできる。
【0146】図13〜図16に、この発明にかかるエン
ジンの電子制御装置の第6の実施例として、こうした定
電流駆動されるダイオードの順方向電圧に基づいて上記
周囲温度を監視するようにした装置の一例を示す。
【0147】同第6の実施例の装置では、図13及び図
14に示されるように、上記定電流駆動されるダイオー
ドとして、車速センサ28の波形整形回路334にあっ
て、そのセンサ信号を2値化するための比較基準電位を
生成するダイオード3342を流用する。そして、同ダ
イオード3342の順方向電圧VFをマルチプレクサ3
25を介してA/D変換器326に取り込むようにす
る。なお、図13に示す電子制御装置30のその他の構
成は先の図2に示した電子制御装置30と同様であり、
ここでの重複する説明は割愛する。
【0148】はじめに、図14を参照して、上記波形整
形回路334の概要を説明する。同図14に示されるよ
うに、波形整形回路334は、上記ダイオード3342
の他、該ダイオード3342と直列に接続されてその他
方端に電源電圧が印加される抵抗器3341、コンパレ
ータ3344、このコンパレータ3344の入力抵抗3
343、及び同コンパレータ3344の出力抵抗334
5をそれぞれ具えて構成されている。
【0149】同波形整形回路334では、コンパレータ
3344による電源電圧以下の比較が困難なために、上
記ダイオード3342によって、その順方向電圧VF分
だけグランド電位から浮かせた電圧を作るようにしてい
る。そして、こうしてコンパレータ3344の反転入力
端子(−端子)電位を上記電圧VF分だけ浮かせた状態
でその非反転入力端子(+端子)に車速センサ(ピック
アップコイル)28の出力信号を入力することで、前記
車輪の回転数に応じた周期を有する2値のパルス信号が
同コンパレータ3344から出力されるようにしてい
る。
【0150】このような波形整形回路334によれば、
上記ダイオード3342には基本的に、これに直列接続
された上記抵抗器3341の抵抗値とその印加電圧とに
より決定される電流しか流れない。
【0151】そこで同第6の実施例の装置では、こうし
て定電流駆動される上記ダイオード3342の順方向電
圧VF−温度特性に基づいて、電子制御装置30内の温
度、すなわち前記パワートランジスタ3417(図3、
図4)の周囲温度を監視するようにしている。
【0152】図15に、ダイオード3342の定電流駆
動時におけるVF(順方向電圧)−温度特性を示す。ダ
イオード3342は、理想的には、同図15に実線にて
示されるような特性をもつ。したがって、前記A/D変
換器326の分解能を5mVとすれば、3℃程度の分解
能で上記周囲温度を監視することが可能となる。
【0153】ところが通常、ダイオードのVF−電流特
性にはばらつきが存在する。そして、該VF−電流特性
のばらつきは、上記VF−温度特性にも同図15に破線
にて示されるような態様でのばらつきを招き、上記電圧
VFに基づく正確な温度測定を困難としている。
【0154】そこで同第6の実施例の装置では、図16
に示される校正・求温ルーチンを通じて上記ばらつきを
校正し、該校正した特性に基づく正確な温度を求めるよ
うにしている。なお、この校正・求温ルーチンは、図1
3に示されるROM312に予め登録されており、16
ms毎の時間割り込みにて起動されるものとする。
【0155】さて同第6の実施例の装置にあって、電子
制御装置30(CPU311)は、該ルーチンの起動に
基づき、まず (1)電源+Bオン後の電圧変動による影響を避けるた
めに、ステップS501にて、同電源オン後の所定の時
間(例えば1秒)内であるか否かを判定する。 (2)次いでステップS502にて、前記冷却水温及び
吸気温が共に0〜30℃の範囲にあるか否かを判定す
る。 (3)更にステップS503にて、これら冷却水温と吸
気温との差が3℃以内であるか否かを判定する。 (4)そしてステップS504にて、エンジン回転数N
Eが0rpmであるか否かを判定する。 といった判定処理を実行し、これら(1)〜(4)の条
件が全て満たされているとき、当該車両全体が一定温度
になっているものとみなして、次のVF(順方向電圧)
の校正処理を実行する。
【0156】同校正処理において、同電子制御装置30
(CPU311)はまず、ステップS511にて、上記
ダイオード3342の順方向電圧VFをA/D変換器3
26を通じて読み込む。
【0157】そして、上記(1)〜(4)の条件が全て
満たされている当該時点にあっては、上記ダイオード3
342の温度も前記冷却水温に等しいと考えられるた
め、ここではこの冷却水温から、先の図15の特性に基
づき、理想的な順方向電圧VFの値を求める。例えばい
ま、冷却水温=吸気温=10℃であったとすれば、同図
15の特性により、理想の順方向電圧VFは「0.7
2」Vとなる。
【0158】こうして順方向電圧VFについての理想値
を求めた電子制御装置30は次に、ステップS512に
て、この順方向電圧VFについての理想値と上記読み込
んだ実測値との差をオフセット電圧として求め、バック
アップRAM314(図13)に記憶する。例えば、上
記読み込んだ順方向電圧VFについての実測値が「0.
73」Vであったとすれば、上記理想値「0.72」V
との差「−0.01」Vがオフセット電圧として上記バ
ックアップRAM314に記憶される。
【0159】一方、上記(1)〜(4)の条件の何れか
1つでも満たされない場合、同電子制御装置30は、ス
テップS521以降の求温処理を実行する。すなわちこ
の求温処理において、電子制御装置30(CPU31
1)はまず、ステップS521にて、上述同様、上記ダ
イオード3342の順方向電圧VFをA/D変換器32
6を通じて読み込む。
【0160】そして、次のステップS522にて、該読
み込んだ順方向電圧VFを上記記憶しているオフセット
電圧に基づき校正する。例えば、この読み込んだ順方向
電圧VFの実測値が「0.7」Vであったとすると、こ
の値に対する上記オフセット電圧「−0.01」Vの加
算により、その校正値は「0.69」Vとなる。
【0161】こうして上記順方向電圧VFについての校
正値を求めた電子制御装置30は更に、ステップS52
3にて、この校正値から、先の図15の理想特性に基づ
き、その監視対象とする温度を求める。ここでの例で
は、上記校正値「0.69」Vに基づき25℃といった
温度が前記周囲温度として求められることとなる。
【0162】このように、同第6の実施例の装置によれ
ば、先の第1〜第5の実施例の装置の如く温度測定専用
のサーミスタを設けなくとも、前記周囲温度を正確に求
めることができるようになる。
【0163】もっとも、同第6の実施例の装置にあって
も、こうして周囲温度を求めた後は、その限界値(前述
の例では82.5℃)との比較に基づき、先の第1〜第
5の実施例の装置に準じた態様で、エンジン1の燃料カ
ット回転数を制限したり、最高回転数を制限するなど、
前記パワートランジスタ3417の発生電力を制限する
処理が実行されることとなる。
【0164】なお、この第6の実施例の装置において
は、周囲温度監視用のダイオードとして、車速センサ2
8の波形整形回路334に使用されているダイオード3
342を流用しているが、定電流駆動されるものでさえ
あれば、それら流用するダイオードの選定は任意であ
る。
【0165】また例えば、同周囲温度監視用のダイオー
ドを別途に追加する構成とすることもできる。この場
合、経済的には多少不利となるものの、同ダイオードを
前記パワートランジスタ3417のより近傍に配設する
など、自由度の高い配置選択が可能となる。
【0166】(第7実施例)先の第1の実施例において
は、エンジン1が6気筒エンジンであるとして且つ、前
記(1)式の各要素が、(a)VCEsat(コレクタ
−エミッタ間飽和電圧)=0.5V、(b)ICO(コ
レクタ電流飽和値)=10A、(c)+B(電源電圧)
=16V、(d)点火コイル16の1次コイル抵抗値=
1.6Ω、(e)T(通電時間)=3ms、(f)TO
(点火周期=120゜CA)=3.3ms(エンジン回
転数6000rpm相当)といった値をとるものとし
て、前記パワートランジスタ3417の発生電力Pを算
出した(P=4.5W)。
【0167】しかし、上記電源電圧+Bが、例えば1
4.0V以下となる場合であっても、エンジン1は正常
に運転される。そしてこの場合、同(1)式の各要素
が、(a)VCEsat(コレクタ−エミッタ間飽和電
圧)=0.5V、(b)ICO(コレクタ電流飽和値)
=8.75A、(c)+B(電源電圧)=14V、
(d)点火コイル16の1次コイル抵抗値=1.6Ω、
(e)T(通電時間)=3ms、(f)TO(点火周期
=120゜CA)=3.3ms(エンジン回転数600
0rpm相当)といった値をとるものとすると、前記パ
ワートランジスタ3417の発生電力Pは、 P=0.5V×8.75A×(3ms/3.3ms) =3.9W となる。
【0168】したがって、ここでも同パワートランジス
タ3417の接合温度の最大定格が150℃、また接合
部一周囲温度の熱抵抗が15℃/Wであるとすれば、同
トランジスタ3417の許容される周囲温度は、 150℃−15℃/W×3.9W=91℃ となる。
【0169】この91℃といった温度は、予測される電
子制御装置30内の最高温度(上記トランジスタ341
7の周囲温度)である90℃を上回っている。すなわ
ち、上記電源電圧が14Vを超えなければ、決して同ト
ランジスタ3417の発生電力Pがこの許容温度91℃
を超えることはない。
【0170】したがってここでの例によれば、電源電圧
が14Vを越えている場合にのみ、エンジン1の燃料カ
ット回転数を制限するなど、同トランジスタ3417の
発生電力Pを制限する処理を行えば、その破壊等も確実
に回避されるようになる。
【0171】図17及び図18に、こうした原理に基づ
いて構成したこの発明にかかるエンジンの電子制御装置
の第7の実施例を示す。すなわちこの第7の実施例の装
置は、イグナイタが内蔵されるエンジンの電子制御装置
にあって、イグナイタの出力トランジスタ周囲の温度を
バッテリ電圧(電源電圧)に換算して監視し、該換算し
たバッテリ電圧が所定の限界値以上となるとき、エンジ
ンの高回転燃料カット判定値の引き下げを行う装置とし
て構成されている。
【0172】以下に、その詳細について説明する。図1
7に示されるように、同第7の実施例の装置では、車両
のバッテリ29から適宜の分圧回路を介してその電圧を
抽出し、該抽出したバッテリ電圧をマルチプレクサ32
5を介してA/D変換器326に取り込むようにしてい
る。
【0173】図18に、同第7の実施例の装置が実行す
る燃料カット判定値変更ルーチンを示す。なお同ルーチ
ンも、ROM312に予め登録されており、例えば16
ms毎の時間割り込みにて起動されるものとする。
【0174】すなわちいま、該ルーチンが起動されたと
すると、電子制御装置30はまず、前記マルチプレクサ
325及びA/D変換器326を通じてバッテリ29の
電圧値を取り込み、該取り込んだ電圧値が前記周囲温度
の限界値に対応する所定の値(ここでの例では14V)
以上か否かを判定する(ステップS601)。
【0175】この結果、バッテリ29の電圧値が上記所
定の値に達していない旨判定される場合にはそのまま当
該処理を終える。他方、バッテリ29の電圧値が同所定
の値以上である旨判定される場合には、例えば判定値6
000rpmに設定されているエンジン1の高回転燃料
カット回転数を例えば回転数5330rpmに引き下げ
る(ステップS602)。
【0176】この高回転燃料カット判定値が通常、RO
M312からRAM313にロードされて燃料カット制
御の実行時に参照されるようになっていることは第1の
実施例の装置において前述した通りである。
【0177】こうして該判定値が引き下げ更新されるこ
とにより、同電子制御装置30では、該更新された値以
上の回転数では燃料噴射を全面的に禁止するようにな
り、エンジン回転数も該更新された値以上には上昇しな
くなる。そしてこうしてエンジンの最高回転数が制限さ
れれば、上記トランジスタ3417の発生電力Pも自ず
と制限され、ひいてはその許容値を超えての加熱等も未
然に防がれるようになることも、先の第1の実施例の装
置において前述した通りである。
【0178】以上のように、この第7の実施例の装置に
よれば、上記イグナイタのパワートランジスタ(出力ト
ランジスタ)を放熱フィン上に取り付けたり、或いは同
トランジスタとして耐熱性のある高価なトランジスタを
使用せずとも、そして更には同トランジスタの周囲温度
を直接監視したりせずとも、その使用限界温度範囲を超
えての発熱といったものは的確に抑えられるようにな
る。
【0179】なお、同第7の実施例の装置は、上記周囲
温度を電源電圧(バッテリ電圧)に換算して監視する手
段を、先の第1の実施例の装置による高回転燃料カット
回転数の判定値を引き下げて前記イグナイタ出力トラン
ジスタへの通電周期を制限する通電制限制御に適用した
ものであるが、同監視手段が、先の第2〜第5の実施例
の装置による各通電制限制御についても同様に適用でき
るものであることは勿論である。
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】そして、上記周囲温度監視手段としては、 ・前記出力トランジスタの近傍に配設されたサーミスタ
と、該サーミスタの端子間電圧に基づいて同出力トラン
ジスタの周囲温度を演算する演算手段とを具えるもの。 ・同電子制御装置内に配されて定電流駆動されるダイオ
ードと、該ダイオードの順方向電圧に基づいて前記出力
トランジスタの周囲温度を演算する演算手段とを具える
もの。 ・前記出力トランジスタの周囲温度をバッテリの電圧値
に換算して監視するもの。 等々があり、また、上記出力トランジスタへの通電周期
を制限する通電制限制御としては、 ・エンジンの高速回転に伴う燃料カット回転数の判定値
を引き下げて、この引き下げた前記判定値にエンジンの
最高回転数制限することで前記出力トランジスタへの通
電周期を制限する燃料カット判定値変更手段を具えるも
の。 ・エンジンへの燃料噴射を所定の短時間ずつ間引きして
同エンジンの最高回転数を低下せしめることで前記出力
トランジスタへの通電周期を制限する燃料噴射間引き手
段を具えるもの。 ・エンジンの任意気筒への燃料噴射を停止して同エンジ
ンの高回転運転を制限することで前記出力トランジスタ
への通電周期を制限する減筒制御手段を具えるもの。 ・エンジンへの燃料噴射量を所定に減量して同エンジン
の最高回転数を低下せしめることで前記出力トランジス
タへの通電周期を制限する噴射量減量手段を具えるも
の。 ・エンジンの吸気絞り弁(スロットルバルブ、サブスロ
ットル)を吸気量が抑えられる側に強制駆動して同エン
ジンの最高回転数を低下せしめることで前記出力トラン
ジスタへの通電周期を制限する吸気制限手段を具えるも
の。 等々がある。
【0184】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、エンジンの電子制御装置に内蔵されるイグナイタの
出力トランジスタの、使用限界となる温度範囲を超えて
の発熱を的確に抑えることができる。
【0185】そしてこのため、いたずらに放熱にコスト
をかけずとも、確実にそれら素子の保護を図ることがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるエンジンの電子制御装置が制
御対象とするエンジン並びにその周辺装置の一例につい
てその概略を模式的に示す略図である。
【図2】この発明にかかるエンジンの電子制御装置の第
1の実施例についてその装置構成を示すブロック図であ
る。
【図3】同実施例の装置に内蔵されるイグナイタ、及び
該イグナイタに外付けされる点火コイルについてその回
路構成例を示す回路図である。
【図4】同実施例の装置の主にイグナイタ部分について
そのプリント基板上の概略構成を示す斜視図である。
【図5】同イグナイタの出力トランジスタ(スイッチン
グ素子)の電圧並びに電流波形を示すタイムチャートで
ある。
【図6】同イグナイタの出力トランジスタ近傍に配設さ
れるサーミスタの温度−電圧特性テーブルを示す略図で
ある。
【図7】同サーミスタの温度−電圧特性テーブルに基づ
きマップ化された温度演算マップ例を示すグラフであ
る。
【図8】同第1の実施例の装置を通じて実行される燃料
カット判定値変更処理についてその処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図9】この発明にかかるエンジンの電子制御装置の第
2の実施例を通じて実行される計時処理についてその処
理手順を示すフローチャートである。
【図10】同第2の実施例の装置を通じて実行される燃
料噴射間引き処理についてその処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図11】この発明にかかるエンジンの電子制御装置の
第3の実施例を通じて実行される減筒制御についてその
制御手順を示すフローチャートである。
【図12】この発明にかかるエンジンの電子制御装置の
第4の実施例を通じて実行される燃料噴射量の減量処理
についてその処理手順を示すフローチャートである。
【図13】この発明にかかるエンジンの電子制御装置の
第6の実施例についてその装置構成を示すブロック図で
ある。
【図14】同第6の実施例の装置の主に車速センサ用波
形整形回路についてその回路構成例を示す回路図であ
る。
【図15】図14に示されるダイオードの定電流駆動時
における順方向電圧−温度特性を示すグラフである。
【図16】同第6の実施例の装置を通じて実行される上
記ダイオード特性の校正処理、並びに同ダイオード特性
に基づく求温処理についてその処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図17】この発明にかかるエンジンの電子制御装置の
第7の実施例についてその装置構成を示すブロック図で
ある。
【図18】同第7の実施例の装置を通じて実行される燃
料カット判定値変更処理についてその処理手順を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、2…シリンダ、3…ピストン、4…シリ
ンダヘッド、5…燃焼室、6…点火プラグ、7…吸気バ
ルブ、8…吸気マニホールド、9…燃料噴射弁、10…
吸気管、11…サージタンク、12…スロットルバル
ブ、13…エアクリーナ、14…排気バルブ、15…排
気マニホールド、16…点火コイル、17…ディストリ
ビュータ、20…水温センサ、21…吸気温センサ、2
2…スロットルポジションセンサ、23…吸気管内圧力
センサ、24…酸素濃度センサ、25…回転角センサ、
26…気筒判別センサ、27…シグナルロータ、28…
車速センサ、29…バッテリ、30…電子制御装置、3
01…ケース、302…コネクタ、303…プリント基
板、304…カバー、310…マイクロコンピュータ、
311…CPU、312…ROM、313…RAM、3
14…バックアップRAM、315…入出力ポート、3
16…入力ポート、317…出力ポート、318…コモ
ンバス、319…クロック発生器、321、322、3
23、324、331…バッファ回路、325…マルチ
プレクサ、326…A/D変換器、332…コンパレー
タ、333、334…波形整形回路、335…配線(ダ
イオード順方向電圧取り込み配線)、341…駆動回路
(イグナイタ)、342…駆動回路、351…抵抗器
(プルアップ抵抗)、352…サーミスタ、353…配
線(サーミスタ出力取り込み配線)、361…配線(バ
ッテリ電圧取り込み配線)、3341、3343、33
45、3411、3412、3414、3416…抵抗
器、3342…ダイオード、3344…コンパレータ、
3413、3417…トランジスタ、3415…ツェナ
ーダイオード(フライバックダイオード)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−67425(JP,A) 特開 平5−231291(JP,A) 特開 昭60−128957(JP,A) 特開 平6−167228(JP,A) 特開 昭62−233476(JP,A) 特開 平6−272597(JP,A) 特開 平5−157035(JP,A) 実開 平2−101054(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 11/00 F02D 41/22 F02D 45/00 F02P 3/055

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン並びにその周辺装置の駆動を統括
    的に管理するマイクロコンピュータ前記マイクロコ
    ンピュータから出力される駆動指令に基づいて点火コイ
    ルへの通電を制御するイグナイタの出力トランジスタ
    と、前記マイクロコンピュータから出力される駆動指令
    に基づいて燃料噴射弁を駆動する駆動回路とを有するエ
    ンジンの電子制御装置であって、 前記出力トランジスタの周囲温度を監視する周囲温度監
    視手段と、 該監視される周囲温度若しくはその相当値が所定の限界
    値以上となるとき、エンジンの高速回転に伴う燃料カッ
    ト回転数の判定値を引き下げて、この引き下げた前記判
    定値にエンジンの最高回転数を制限することで前記出力
    トランジスタへの通電周期を制限する燃料カット判定値
    変更手段と、 を具えることを特徴とするエンジンの電子制御装置。
  2. 【請求項2】エンジン並びにその周辺装置の駆動を統括
    的に管理するマイクロコンピュータと、前記マイクロコ
    ンピュータから出力される駆動指令に基づいて点火コイ
    ルへの通電を制御するイグナイタの出力トランジスタ
    と、前記マイクロコンピュータから出力される駆動指令
    に基づいて燃料噴射弁を駆動する駆動回路とを有するエ
    ンジンの電子制御装置であって、 前記出力トランジスタの周囲温度を監視する周囲温度監
    視手段と、 該監視される周囲温度若しくはその相当値が所定の限界
    値以上となるとき、エンジンへの燃料噴射を所定の短時
    間ずつ間引きして同エンジンの最高回転数を低下せしめ
    ることで前記出力トランジスタへの通電周期を制限する
    燃料噴射間引き手段 を具えることを特徴とするエンジン
    の電子制御装置。
  3. 【請求項3】エンジン並びにその周辺装置の駆動を統括
    的に管理するマイクロコンピュータと、前記マイクロコ
    ンピュータから出力される駆動指令に基づいて点火コイ
    ルへの通電を制御するイグナイタの出力トランジスタ
    と、前記マイクロコンピュータから出力される駆動指令
    に基づいて燃料噴射弁を駆動する駆動回路とを有するエ
    ンジンの電子制御装置であって、 前記出力トランジスタの周囲温度を監視する周囲温度監
    視手段と、 該監視される周囲温度若しくはその相当値が所定の限界
    値以上となるとき、エンジンの任意気筒への燃料噴射を
    停止して同エンジンの高回転運転を制限することで前記
    出力トランジスタへの通電周期を制限する減筒制御手段
    を具えることを特徴とするエンジンの電子制御装置。
  4. 【請求項4】エンジン並びにその周辺装置の駆動を統括
    的に管理するマイクロコンピュータと、前記マイクロコ
    ンピュータから出力される駆動指令に基づいて点火コイ
    ルへの通電を制御するイグナイタの出力トランジスタ
    と、前記マイクロコンピュータから出力される駆動指令
    に基づいて燃料噴射弁を駆動する駆動回路とを有するエ
    ンジンの電子制御装置であって、 前記出力トランジスタの周囲温度を監視する周囲温度監
    視手段と、 該監視される周囲温度若しくはその相当値が所定の限界
    値以上となるとき、エンジンへの燃料噴射量を所定に減
    量して同エンジンの最高回転数を低下せしめることで前
    記出力トランジスタへの通電周期を制限する噴射量減量
    手段 を具えることを特徴とするエンジンの電子制御装
    置。
  5. 【請求項5】エンジン並びにその周辺装置の駆動を統括
    的に管理するマイクロコンピュータと、前記マイクロコ
    ンピュータから出力される駆動指令に基づいて点火コイ
    ルへの通電を制御するイグナイタの出力トランジスタ
    と、前記マイクロコンピュータから出力される駆動指令
    に基づいて燃料噴射弁を駆動する駆動回路とを有するエ
    ンジンの電子制御装置であって、 前記出力トランジスタの周囲温度を監視する周囲温度監
    視手段と、 該監視される周囲温度若しくはその相当値が所定の限界
    値以上となるとき、エンジンの吸気絞り弁を吸気量が抑
    えられる側に強制駆動して同エンジンの最高回転数を低
    下せしめ ることで前記出力トランジスタへの通電周期を
    制限する吸気制限手段 を具えることを特徴とするエンジ
    ンの電子制御装置。
  6. 【請求項6】前記周囲温度監視手段は、前記出力トラン
    ジスタの近傍に配設されたサーミスタと、該サーミスタ
    の端子間電圧に基づいて同出力トランジスタの周囲温度
    を演算する演算手段とを具えて構成される請求項1乃至
    5の何れか一項に記載のエンジンの電子制御装置。
  7. 【請求項7】前記周囲温度監視手段は、同電子制御装置
    内に配されて定電流駆動されるダイオードと、該ダイオ
    ードの順方向電圧に基づいて前記出力トランジスタの周
    囲温度を演算する演算手段とを具えて構成される請求項
    1乃至の何れか一項に記載のエンジンの電子制御装
    置。
  8. 【請求項8】前記ダイオードは、電子制御装置内に同周
    囲温度監視手段として別途に配設されるものである請求
    に記載のエンジンの電子制御装置。
  9. 【請求項9】前記ダイオードは、電子制御装置内に制御
    部品として予め配設されているものが流用される請求項
    記載のエンジンの電子制御装置。
  10. 【請求項10】前記演算手段は、 電源投入後所定の時間以内であること、及びエンジンの
    冷却水温並びに吸気温が共に所定の第1の温度以下でそ
    の温度差も所定の第2の温度以下であること、及びエン
    ジンが回転していないことの論理積条件が満たされるこ
    とに基づき前記ダイオードの順方向電圧−温度特性を校
    正する手段と、 前記条件の何れか1つでも満たされなくなるとき、該ダ
    イオードの校正された順方向電圧−温度特性に基づいて
    その都度の温度を前記出力トランジスタの周囲温度とし
    て算出する手段と、 を具えて構成される請求項7または8または9記載のエ
    ンジンの電子制御装置。
  11. 【請求項11】前記周囲温度監視手段は、前記出力トラ
    ンジスタの周囲温度をバッテリの電圧値に換算して監視
    するものであり、 前記出力トランジスタは、この換算されたバッテリの電
    圧値が所定の限界値以上となるとき、その通電周期が制
    限されるものである請求項1乃至5の何れか一項に記載
    のエンジンの電子制御装置。
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