JP3524231B2 - Fm−cwレーダ装置及びfm−cwレーダ法における雑音成分判定方法 - Google Patents

Fm−cwレーダ装置及びfm−cwレーダ法における雑音成分判定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数が3角波状
に変化するようにFM変調された高周波信号を送信し、
送信波と反射波のビート信号の周波数及び変調信号に同
期した周波数の変化から目標物体までの距離を算出する
FM−CWレーダ装置に関し、特に、FM−CWレーダ
装置における雑音を低減させるための判定手法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】FM−CWレーダ装置は、目標物体との
相対速度と距離を同時に計測できるレーダ方式であり、
自動車等の車間距離の監視装置として使用されている。
図18はFM−CWレーダ装置の基本的な構成を示す図
である。図18において、参照番号11は3角波状の変
調信号を発生する変調信号発生回路であり、12は周波
数が変調信号発生回路11の出力する3角波状の変調信
号に従って周波数が変化する高周波発振器であり、14
は発振器12の出力を送信する送信アンテナであり、1
5は送信アンテナ14から出力され目標物体で反射され
て戻ってきた信号を受信する受信アンテナであり、13
は発振器12から送信アンテナ14に出力される電力の
一部を分岐する方向性結合器であり、16は方向性結合
器13で分岐された高周波信号と受信アンテナ15から
の受信信号を混合してビート信号を出力するミキサであ
る。
【0003】図19は、目標物体の相対速度がゼロの時
の受信信号を示す図であり、(1)は送信信号と受信信
号の周波数の変化を示し、(2)はビート信号の周波数
の変化を示す。送信信号の周波数は、図19の(1)に
示すように3角波状に変化する。f0 は送信信号の中心
周波数を示し、Δfは周波数の変化幅を示し、fmは3
角波の周波数を示す。目標物体の相対速度がゼロであれ
ば、目標物体で反射された信号の周波数は変化せず、送
信アンテナから目標物体までの距離を往復する往復時間
分だけ受信信号が遅れるため、図19の(1)に示すよ
うに、受信信号の周波数は送信信号より往復時間分だけ
遅れて変化する。従って、送信信号と受信信号のビート
信号をとると、その周波数は図19の(2)のように変
化する。すなわち、ビート信号の周波数が所定期間一定
値frになる。このfrは受信信号の送信信号に対する
遅れ分に対応しており、往復時間、すなわちアンテナか
ら目標物体までの距離の2倍に比例する。目標物体まで
の距離をRとすると、R=fr・c/(fm・Δf)
(cは光速)の関係がある。従って、frを検出すれば
アンテナから目標物体までの距離が判明する。
【0004】目標物体の相対速度がゼロでない時には、
上記の目標物体までの距離による受信信号の遅れに、ド
プラ効果による受信信号の周波数の変化が重畳される。
図20は、目標物体の相対速度がゼロでない時の受信信
号を示す図であり、(1)は送信信号と受信信号の周波
数の変化を示し、(2)はビート信号の周波数の変化を
示す。相対速度がゼロでない時には、ドプラ効果により
受信信号の周波数が変化する。遠ざかる場合には受信信
号の周波数が減少し、近づく場合には受信信号の周波数
が増加する。例えば、送信信号の周波数が増加する部分
では、受信信号の周波数は遅れて増加するが、目標物体
が近づくとすると、ドプラ効果のため受信信号の周波数
は増加するため、図20の(1)に示すように、周波数
の差は相対速度がゼロの時に比べてドプラ効果による周
波数の変化分fdだけ小さくなる。また、送信信号の周
波数が減少する部分では、受信信号の周波数は遅れて減
少するが、目標物体が近づくとすると、ドプラ効果のた
め受信信号の周波数は減少するため、図20の(1)に
示すように、周波数の差は相対速度がゼロの時に比べて
fdだけ大きくなる。従って、ビート信号の周波数は、
図20の(2)に示すように、目標物体までの距離で決
定されるビート信号の周波数frに対して、送信信号の
周波数が増加及び減少する部分で、それぞれドプラ効果
によるfdだけ増加及び減少した周波数になる。従っ
て、frとfdを検出すれば、目標物体までの距離と相
対速度が算出できる。目標物体の相対速度をvとする
と、v=(c/2f0 )×fdの関係がある。
【0005】発振器2は、印加される3角波変調信号に
応じて発振周波数を変化させる必要があり、電圧制御発
振器(VCO)が使用される。自動車等の車間距離の監
視装置として使用されるFM−CWレーダ装置では、前
方の目標物体までの距離は高々100m、相対速度は1
00km/hであるから、十分な距離測定精度を確保す
るためには、最大周波数偏移量を100MHz程度と
し、また十分な相対速度測定精度を確保するためには送
信周波数帯としてミリ波帯を使用しなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のミリ
波FM−CWレーダでは、非常に大きな周波数偏移のF
M変調を行なうために、電圧制御型発振器の発振周波数
対出力電力特性の傾斜により、VCO出力に変調信号と
ほぼ同じ周波数成分を有するAM成分が重畳される。以
下、このAM成分の発生を説明する。
【0007】図21は、VCOの印加電圧と出力電力の
関係を示す図である。図示のように、印加電圧に対して
出力電力が変化する。いま、図22の(1)に示すよう
に、電圧Vcを中心としてVbとVaの間で三角波状に
変化する変調信号をVCOに印加すると、VCOから出
力される信号の周波数は変調信号のように変化するが、
上記のように、出力電力は印加電圧によって変化するた
め、同時に出力信号の電力も図22の(1)に示す信号
のように変化することになる。
【0008】VCOからの出力信号は、ミキサ16で周
波数変換されるが、ミキサ16におけるAM検波によっ
て発生する電圧は局発電力に比例するので、電力が図2
2の(1)のように変化していれば、(2)に示すよう
なAM雑音が検波されることになる。図23は、FM−
CWレーダにおいて、上記のような雑音が存在する場合
の周波数解析の結果を示す図である。図示のように、目
標物体までの距離に対応した周波数値にピークを生じる
と共に、変調周波数の整数倍の周波数にピークを生じ
る。ここでは目標物体を1個とした場合を示したが、レ
ーダが複数の物体を捕らえる場合には、複数の物体に対
応する複数のピークが生じる。
【0009】実際には、FM変調するための三角波の周
波数、すなわち、AM雑音の周波数と、目標物体から反
射してきた波をFM検波した反射信号の周波数値は近い
ため、受信S/Nが劣化するという問題がある。特に、
目標物体までの距離が近い場合には、図18で説明した
ように、frが小さくなり、AM雑音の周波数に近くな
るため、一層S/Nが劣化する。このため送信出力を大
きくしなければ、必要な探知範囲を確保できないという
課題があった。このため、高価なインパットダイオード
やガンダイオード等を発振器に使用しているのが現状で
ある。
【0010】このような問題を解決するため、特開平5
−40169号公報には、一方の経路にのみ第2の変調
手段を設け、ミキサ16の出力をこの第2の変調手段の
周波数で周波数変換するようにしたFM−CWレーダが
開示されている。この文献には、更に、図24に示すよ
うに、もう一方の経路にスイッチング手段を設け、この
スイッチング手段を第2の変調手段と同じ変調信号で動
作させることにより、雑音を更に低減した構成が開示さ
れている。
【0011】本発明は、FM−CWレーダにおいて、特
開平5−40169号公報に開示された雑音低減技術と
は異なるより簡単な構成で雑音を低減でき、更には特開
平5−40169号公報に開示された雑音低減技術と組
み合わせることにより、一層の雑音低減が可能な雑音低
減技術の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明のFM−
CWレーダの基本構成を示す図である。図1に示すよう
に、本発明のFM−CWレーダは、3角波状の変調信号
を発生する変調信号発生手段11と、変調信号発生手段
11の出力する変調信号に従って、周波数変調された高
周波信号を出力する発振器12と、発振器12の出力す
る高周波信号を送信する送信アンテナ14と、送信アン
テナ14から放射された高周波信号の目標物体での反射
信号を受信する受信アンテナ15と、発振器12から送
信アンテナ14に出力される高周波信号の一部を分離す
る方向性結合器13と、方向性結合器13の分離した高
周波信号と受信アンテナ15の受信した反射信号を混合
してビート信号を出力するミキサ16と、ミキサ16の
出力するビート信号の周波数成分を解析する周波数解析
手段17とを備え、ビート信号の周波数及び変調信号に
同期した周波数の変化から目標物体までの距離を算出す
るFM−CWレーダ装置において、上記目的を達成する
ために、受信アンテナ15からミキサ16までの経路に
設けられ、入力される信号の位相を変化させる位相変化
手段18と、周波数解析手段17の出力する周波数成分
における、位相変化手段18での位相変化に対応したレ
ベル変化を検出することにより、雑音成分を判定する雑
音判定手段20とを備えることを特徴とする。
【0013】位相変化手段18は、方向性結合器13か
ら送信アンテナ14への経路又は方向性結合器13から
ミキサ16までの経路に設けてもよく、複数の箇所に設
けてもよい。また、本発明のFM−CWレーダ法におけ
る雑音成分判定方法は、3角波状の変調信号に従って周
波数変調された高周波信号を送信し、高周波信号の目標
物体での反射信号を受信し、高周波信号と反射信号を混
合してビート信号を生成し、ビート信号の周波数成分を
解析し、その周波数及び変調信号に同期した周波数の変
化から目標物体までの距離を算出するFM−CWレーダ
法における雑音成分判定方法であって、解析結果から、
前記ビート信号の周波数毎のレベルを記憶する第1記憶
工程と、送信する高周波信号、受信した反射信号、混合
される高周波信号の少なくと1つの位相を所定量変化さ
せる位相変化工程と、位相変化後の、解析結果から、ビ
ート信号の周波数毎のレベルを記憶する第2記憶工程
と、第1記憶工程と第2記憶工程で記憶された各周波数
のレベル差を比較し、所定以上のレベル差の周波数を雑
音と判定する比較工程とを備えることを特徴とする。
【0014】図1においては、発振器12より小さい周
波数の信号を発生する低周波発振器19を設け、位相変
化手段18における位相変化量は、低周波発振器19の
出力する信号に従って変化するようにしているが、かな
らずしもこれに限らず、位相変化手段18は位相変化量
を連続的に変化させても段階的に変化させてもよい。マ
イクロ波回路においては、図20から図22で説明した
AM雑音に加えて、回路内での不要な反射によりAM雑
音を生じる。図2は、FM−CWレーダ装置における雑
音の経路例を示す図である。例えば、送信アンテナ14
は、高周波信号を送信するが、VSWRより反射も起こ
る。アイソレーション手段により反射信号が雑音となる
のを防止しているが、漏れを完全には防止できないた
め、雑音が生じる。この雑音は方向性結合器13を介し
てミキサ16へ混入し、ビート信号で雑音を生じる。更
に、ミキサ16から受信アンテナ15への経路へ漏れた
高周波信号は、受信アンテナ15で反射され、同様にミ
キサ16へ混入し、ビート信号で雑音を生じる。
【0015】このような雑音は、ミキサ16で混合され
ビート信号に混入するため、ビート信号を周波数解析す
ると、目標物体に対応するピークの他に不要なピークを
生じる。雑音のミキサ16での位相が一致すると雑音は
干渉して大きなピークを生じるが、逆に位相が180°
異なる場合には相互に打ち消し合ってピークは小さくな
る。本発明では、経路の途中に位相変化手段を配置し、
信号の位相を変化させているため、ビート信号の周波数
成分の内雑音に相当する部分については、位相変化手段
による位相変化に伴ってピークの値が変動する。図3
は、位相変化に伴うビート信号におけるピーク値の変化
例を示す図である。図示のように、目標物体に相当する
周波数のピーク値は変動しないが、雑音成分については
ピーク値が変動する。言い換えれば、位相を変化させた
時にピーク値が変化するのは雑音といえる。
【0016】本発明の第1の態様のFM−CWレーダ装
置では、位相変化手段18により位相を変化させ、雑音
判定手段20がビート信号の周波数成分におけるレベル
変化を検出することにより、雑音成分であることを判定
している。雑音成分であることが判明すれば、除去等が
可能になる。また、本発明は、図24に示したような雑
音を除去するためにスイッチング手段を設けた従来例と
組み合わせることも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】図4は、本発明の第1実施例の構
成を示す図である。図4において、参照番号11は3角
波状の変調信号を発生する変調信号発生回路であり、1
2は変調信号発生回路11の出力する変調信号に従っ
て、周波数変調された高周波信号を出力するVCO等の
発振器であり、14は発振器12の出力する高周波信号
を送信する送信アンテナであり、15は送信アンテナ1
4から放射された高周波信号の目標物体での反射信号を
受信する受信アンテナであり、13は発振器12から送
信アンテナ14に出力される高周波信号の一部を分離す
る方向性結合器であり、16は方向性結合器13の分離
した高周波信号と受信アンテナ15の受信した反射信号
を混合してビート信号を出力するミキサであり、17は
ミキサ16の出力するビート信号の周波数成分を解析す
るFFT(ファースト・フーリエ・トランスファ)であ
り、図1の周波数解析手段に相当する。20はコンピュ
ータであり、FFT17の出力から目標物体までの距離
や相対速度の算出等の処理を行う。以上の部分は、従来
のFM−CWレーダ装置と同じであり、ここでは詳しい
説明を省略する。発振器12、方向性結合器13、ミキ
サ16、及び位相可変回路18は、高周波回路2として
形成され、変調信号発生回路11、FFT17、及びコ
ンピュータ20は信号処理回路1として形成される。
【0018】図4において、参照番号18は位相可変回
路であり、受信アンテナ15で受信した信号の位相を遅
延させて変化させる。遅延量はコンピュータ20からの
入力信号に従って変化する。コンピュータ20は、FF
T17の出力するビート信号の周波数解析結果からピー
ク値を検出する。目標物体が複数の場合には、ピーク値
も複数存在するが、ビート信号に雑音が混入していると
雑音の周波数にもピークを生じて、目標物体であるか雑
音であるかの判別ができない。本実施例では、コンピュ
ータ20が一旦FFT17の出力するビート信号の周波
数解析結果からピーク値の周波数とそのレベルを記憶し
た後、コンピュータ20から位相可変回路18に出力す
る信号を変化させ、位相可変回路18における遅延量を
変化させる。遅延量は、例えば、FM−AM雑音の周期
の数分の1から数倍程度で変化できることが望ましい。
位相可変回路18における遅延量を変化させた後、ビー
ト信号の周波数解析結果からピーク値の周波数とそのレ
ベルを記憶した、位相を変化させる前のレベルと比較す
る。位相可変回路18における遅延量が変化すると、ビ
ート信号の周波数解析結果において、目標物体に対応す
るピークはレベルが変化しないが、雑音の分は変化する
ので、所定量以上レベルが変化した周波数成分は雑音で
あると判定する。この判定結果に従って、雑音と判定さ
れたピークは除去するようにする。従って、コンピュー
タ20が図1の雑音判定手段に相当する。
【0019】次に、位相可変回路について説明する。位
相を変化させる回路としては従来から各種提案されてお
り、それらを使用することが可能である。図5は、導波
管51、53の途中に金属又は誘電体の板52、54を
挿入できるようにし、その挿入量に応じて遅延量が変化
する移相器であり、(1)はC性の移相器を、(2)は
L性の移相器を示す。
【0020】図6は、入力線路55と出力線路56の間
に2つの長さの異なる線路57と58を設けた回路であ
る。各線路はPINダイオード59で接続されている。
スイッチング信号のレベルを切り換えることにより、線
路57と58のいずれかの線路が選択され、遅延量が変
化する。図7は、入力線路60と出力線路61の間に、
一方が開放された線路62を設け、その途中をPINダ
イオードを介して接地すると共に、スイッチング信号が
印加されるようにした回路である。スイッチング信号の
レベルを切り換えることにより、信号が線路62を通過
する経路が変化し、線路長が変化する。これにより遅延
量が変化する。このような回路はハイブリッド回路で実
現される。
【0021】図8は、入力線路64と出力線路65の間
にサーキュレータ66を設け、サーキュレータ66から
一方が開放された線路62を延ばし、その途中をPIN
ダイオードを介して接地すると共に、スイッチング信号
が印加されるようした回路である。図9は、図7の回路
と同様の線路をハイブリッド回路で構成し、一方の端を
バラクタダイオード72を介して接地した回路である。
【0022】図10は、図8の回路の線路76の一方を
バラクタダイオード77を介して接地した回路である。
以上、図5から10に示した移相器は、いずれも位相可
変回路18として使用することが可能である。本実施例
のように、位相を変化させてビート信号の周波数成分に
おいて変化する分を雑音と判定して除去可能にすること
により、発振器12として使用されるVCOは、比較的
発振周波数の変動に対する出力変動の大きな図11のよ
うな回路のものが使用可能になる。
【0023】次に、ビート信号の処理について、図12
を参照して説明する。ミキサ16の出力するビート信号
は、FFT17で高速フーリエ変化処理を施され、その
周波数成分が解析される。コンピュータ20はビート信
号の周波数解析結果からピークを抽出し、その周波数と
レベルを記憶する。次に、位相可変回路18の位相を変
化させ、上記と同様の処理を行う。そして、位相を変化
させた前後のピークを比較し、そのレベルが大きく変化
する周波数を検出する。レベルが大きく変化する周波数
は雑音であるから、そのようなピークは除去し、残りの
ピークから目標物体の距離を演算して出力する。このよ
うな処理の後、更に位相を変化させ、同様の処理を繰り
返す。
【0024】図4の実施例では、位相可変回路18は、
受信アンテナ15とミキサ16の間に配置されたが、図
13及び図14に示すように、方向性結合器13から送
信アンテナ14への経路、又は方向性結合器13からミ
キサ16への経路に設けることもできる。動作は同じで
ある。図15は、送信と受信を兼用のアンテナで行う送
受兼用アンテナを使用する場合FM−CWレーダ装置に
本発明を適用した第2実施例のFM−CWレーダ装置の
構成を示す図である。
【0025】図15を図4と比較して明らかなように、
第1実施例と異なるのは、送信アンテナ14と受信アン
テナ15の替わりに送受兼用アンテナ22が設けられ、
送信信号と受信信号を分離するためのサーキュレータ2
1が設けられている点である。サーキュレータ21とし
ては、マジックT回路等を有する従来のサーキュレータ
が使用できる。この場合も、位相可変回路18を設ける
位置は図13及び図14と同様に変更可能である。
【0026】図16は、図24に示したスイッチング回
路を図4の第1実施例に追加した第3実施例の構成を示
す図である。図4と比較して明らかなように、第3実施
例のFM−CWレーダ装置においては、発振器12の出
力する信号の周波数より小さな周波数の信号を出力する
低周波発振器19と、位相可変回路18の出力を発振器
19の信号に従ってAM変調するスイッチング回路23
とミキサ16出力をベースバンド帯域に復調するミキサ
24が設けられており、他は第1実施例と同じである。
【0027】図17はPINダイオードを使用して実現
したスイッチング回路23の構成例を示す図である。位
相可変回路18は、低周波発振器19の出力する信号に
従って、遅延量を変化させる。コンピュータ20は低周
波発振器19の出力する信号を受け、位相可変回路18
における位相の変化に応じたビート信号のFFT処理結
果を解析する。
【0028】スイッチング回路23及びミキサ24を設
ける効果については、特開平5−40169号公報に開
示されているので、ここでは説明を省略する。いずれに
しろ、本発明は、特開平5−40169号公報に開示さ
れている構成に組み合わせて適用することが可能であ
り、これにより雑音を一層低減して目標物体の検出精度
を向上させることが可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な構成でFM−AM雑音を低減したFM−CWレー
ダ装置が実現でき、目標物体の検出精度を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFM−CWレーダ装置の基本構成を示
す図である。
【図2】FM−CWレーダ装置における雑音経路を説明
する図である。
【図3】本発明において、位相変化に伴う周波数のレベ
ル変化を説明する図である。
【図4】第1実施例のFM−CWレーダ装置の構成を示
す図である。
【図5】位相可変回路の例(その1)を示す図である。
【図6】位相可変回路の例(その2)を示す図である。
【図7】位相可変回路の例(その3)を示す図である。
【図8】位相可変回路の例(その4)を示す図である。
【図9】位相可変回路の例(その5)を示す図である。
【図10】位相可変回路の例(その6)を示す図であ
る。
【図11】第1実施例で使用されるVCOの構成例を示
す図である。
【図12】第1実施例で、位相変化させて雑音を判定す
る処理を示す図である。
【図13】位相可変回路の配置の変形例(その1)を示
す図である。
【図14】位相可変回路の配置の変形例(その2)を示
す図である。
【図15】本発明を送受兼用アンテナを有するFM−C
Wレーダ装置に適用した第2実施例の構成を示す図であ
る。
【図16】本発明をスイッチング回路を有するFM−C
Wレーダ装置に適用した第2実施例の構成を示す図であ
る。
【図17】第2実施例で使用するスイッチング回路の構
成例を示す図である。
【図18】FM−CWレーダの構成を示す図である。
【図19】FM−CWレーダにおける相対速度がゼロの
物体による受信信号を示す図である。
【図20】FM−CWレーダにおける相対速度を有する
物体による受信信号を示す図である。
【図21】VCOの印加電圧−出力電力特性を示す図で
ある。
【図22】FM−AM雑音の発生を説明する図である。
【図23】周波数解析結果における雑音の影響を示す図
である。
【図24】雑音を除去する従来例の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
11…変調信号発生手段 12…VCO 13…方向性結合器 14…送信アンテナ 15…受信アンテナ 16…ミキサ 17…FFT回路 18…位相変化手段 20…雑音判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−40169(JP,A) 特開 平4−265882(JP,A) 特開 平6−118163(JP,A) 特開 平5−264723(JP,A) 特開 平6−138217(JP,A) 特開 平6−244604(JP,A) 特開 平6−132702(JP,A) 実開 平3−95978(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3角波状の変調信号を発生する変調信号
    発生手段(11)と、 該変調信号発生手段(11)の
    出力する前記変調信号に従って、周波数変調された高周
    波信号を出力する発振器(12)と、 該発振器(12)の出力する高周波信号を送信する送信
    アンテナ(14)と、 該送信アンテナ(14)から放射された高周波信号の目
    標物体での反射信号を受信する受信アンテナ(15)
    と、 前記発振器(12)から前記送信アンテナ(14)に出
    力される前記高周波信号の一部を分離する方向性結合器
    (13)と、 該方向性結合器(13)の分離した前記高周波信号と前
    記受信アンテナ(15)の受信した反射信号を混合して
    ビート信号を出力するミキサ(16)と、 該ミキサ(16)の出力する前記ビート信号の周波数成
    分を解析する周波数解析手段(17)とを備え、前記ビ
    ート信号の周波数及び前記発振信号に同期した周波数の
    変化から目標物体までの距離を算出するFM−CWレー
    ダ装置において、 前記方向性結合器(13)から前記送信アンテナ(1
    4)への経路、前記受信アンテナ(15)から前記ミキ
    サ(16)までの経路、及び前記方向性結合器(13)
    から前記ミキサ(16)までの経路の少なくと1か所に
    設けられ、入力される信号の位相を変化させる位相変化
    手段(18)と、 前記周波数解析手段(17)の出力する周波数成分にお
    ける、前記位相変化手段(18)での位相変化に対応し
    たレベル変化を検出することにより、雑音成分を判定す
    る雑音判定手段(20)とを備えることを特徴とするF
    M−CWレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記発振器(12)より小さい周波数の
    信号を発生する低周波発振器(19)を備え、 前記位相変化手段(18)における位相変化量は、前記
    低周波発振器(19)の出力する信号に従って変化する
    請求項1に記載のFM−CWレーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記送信アンテナ(14)から送信され
    る信号及び前記受信アンテナ(15)で受信された信号
    の少なくとも一方を断続させるスイッチング手段(2
    1)と、 該スイッチング手段(21)の断続信号を前記ミキサ
    (16)の出力に混合する第2のミキサ(22)とを備
    える請求項1に記載のFM−CWレーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記送信アンテナ(14)から送信され
    る信号及び前記受信アンテナ(15)で受信された信号
    の少なくとも一方を断続させるスイッチング手段(2
    1)と、 該スイッチング手段(21)の断続信号を前記ミキサ
    (16)の出力に混合する第2のミキサ(22)とを備
    え、 前記スイッチング手段(21)は、前記低周波発振器
    (19)の信号又はそれから生成された信号に従って、
    断続動作を行う請求項2に記載のFM−CWレーダ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記位相変化手段(18)は、位相変化
    量を連続的に変化させることが可能である請求項2に記
    載のFM−CWレーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記位相変化手段(18)は、位相変化
    量を段階的に変化させる請求項2に記載のFM−CWレ
    ーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記位相変化手段(18)は、導波管へ
    の金属又は誘電体の挿入量により位相変化量が変化する
    導波管型の移相器である請求項1から6のいずれか1項
    に記載のFM−CWレーダ装置。
  8. 【請求項8】 前記位相変化手段(18)は、経路長の
    異なる2つ以上の線路を、PINダイオードによって切
    り換える移相器である請求項1から6のいずれか1項に
    記載のFM−CWレーダ装置。
  9. 【請求項9】 前記位相変化手段(18)は、線路に接
    続されたダイオードを駆動することにより、当該ハイブ
    リッド線路の線路長を変化させる反射型移相器である請
    求項1から6のいずれか1項に記載のFM−CWレーダ
    装置。
  10. 【請求項10】 前記位相変化手段(18)は、サーキ
    ュレータと、該サーキュレータから延びる線路に接続さ
    れたダイオードを駆動することにより、線路長を変化さ
    せる反射型移相器である請求項1から6のいずれか1項
    に記載のFM−CWレーダ装置。
  11. 【請求項11】 前記ダイオードは、PINダイオード
    である請求項9又は10に記載のFM−CWレーダ装
    置。
  12. 【請求項12】 前記ダイオードは、バラクタダイオー
    ドである請求項9又は10に記載のFM−CWレーダ装
    置。
  13. 【請求項13】 3角波状の変調信号に従って周波数変
    調された高周波信号を送信し、前記高周波信号の目標物
    体での反射信号を受信し、前記高周波信号と前記反射信
    号を混合してビート信号を生成し、該ビート信号の周波
    数成分を解析し、その周波数及び前記変調信号に同期し
    た周波数の変化から目標物体までの距離を算出するFM
    −CWレーダ法における雑音成分判定方法であって、 前記解析結果から、前記ビート信号の周波数毎のレベル
    を記憶する第1記憶工程と、 送信する前記高周波信号、受信した前記反射信号、混合
    される前記高周波信号の少なくと1つの位相を所定量変
    化させる位相変化工程と、 位相変化後の、前記解析結果から、前記ビート信号の周
    波数毎のレベルを記憶する第2記憶工程と、 前記第1記憶工程と前記第2記憶工程で記憶された各周
    波数のレベル差を比較し、所定以上のレベル差の周波数
    を雑音と判定する比較工程とを備えることを特徴とする
    FM−CWレーダ装置における雑音成分判定方法。
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