JP3524020B2 - カーペット裏打ち用ホットメルト組成物 - Google Patents

カーペット裏打ち用ホットメルト組成物

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JP3524020B2
JP3524020B2 JP19179299A JP19179299A JP3524020B2 JP 3524020 B2 JP3524020 B2 JP 3524020B2 JP 19179299 A JP19179299 A JP 19179299A JP 19179299 A JP19179299 A JP 19179299A JP 3524020 B2 JP3524020 B2 JP 3524020B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルト組成
物、特にキッチン、バス等の家庭用カーペットの裏打ち
用として用いられるホットメルト組成物及びそれを用い
たカーペットに関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用のカーペットは、耐久性、柔軟
性、耐汚染性、滑り止め等の種々の特性を付与するため
に、カーペットの裏面に、種々の樹脂を主体とする組成
物を用いて裏打ちされている。これらの組成物をカーペ
ットの裏面に塗工する方法を用いると、簡単、容易にカ
ーペットに種々の特性を付与することができるので、カ
ーペット裏打ち用として種々の組成物が検討されてい
る。このような家庭用カーペットの裏打ち用の組成物と
して、軟質PVC(ポリ塩化ビニル)、SBR(スチレ
ン・ブタジエンゴム)、EVA(エチレン−酢酸ビニル
共重合体)、EVAとAPAO(非結晶性ポリオレフィ
ン)の混合物が知られている。
【0003】これらのうち軟質PVCは、耐久性、柔軟
性、成形性に優れているが、耐熱性が低く、更に、PV
Cは塩素を含むので、近年焼却処分時にダイオキシン類
を発生する原因と成り得ることから使用が敬遠されてい
る。また、SBRは、最終的な性能に優れているが、加
工にはSBRラテックスを用いるので乾燥工程が必要で
あり、加工性に劣るという問題が有る。一方、EVAは
加工性に優れるものの、柔軟性に劣り、滑り止め効果が
低いという短所がある。更に、EVAとAPAOの混合
物は、EVAと比較して柔軟性に優れ、滑り止め効果が
高まるものの、その柔軟性や滑り止め効果は充分に改良
されてはいないという問題点が有る。
【0004】従って、従来のカーペット裏打ち用組成物
を用いて加工されたカーペットは滑り止め性等が充分で
ないので、滑り止め等の性能が充分に施されたカーペッ
トを簡単に製造する方法が提供されていないという問題
が有る。更に、そのようなカーペットが提供されていな
いという問題も有る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解決するためになされたもので、その課題は、柔軟
性、加工性、滑り止め効果の少なくとも1つの特性が、
今までのカーペット裏打ち用組成物と比較して改良され
た特性のバランスのよいカーペットの裏打ち用ホットメ
ルト組成物を提供することである。更に、本発明の別の
課題は、カーペットの滑り止め効果等の改良されたカー
ペットを簡単に製造する製造方法を提供することであ
る。更に、本発明の他の課題は、滑り止め効果等の改良
されたカーペットを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨によ
れば、新たなカーペット裏打ち用ホットメルト組成物が
提供され、(A)ポリスチレンブロックと水素添加型の
ポリオレフィンブロックから成るブロック共重合体、
(B)ポリスチレンブロック補強樹脂、並びに(C)可
塑剤及び/又は非結晶性ポリオレフィンを含んで成るホ
ットメルト組成物であって、これは、特に、カーペット
の滑り止め加工に用いるホットメルト組成物として好適
である。
【0007】本発明において、「(A)ポリスチレンブ
ロックと水素添加型のポリオレフィンブロックから成る
ブロック共重合体」とは、ハードなブロック(H)とし
て機能するポリスチレンブロック並びに弾性を有するソ
フトなブロック(S)として機能する水素添加型のポリ
オレフィンブロックから成るブロック共重合体をいい、
ゴム弾性を有する熱可塑性エラストマーであって、
(A)はある程度のゴム弾性を有することによって本発
明のカーペット裏打ち用ホットメルト組成物に、柔軟
性、強靭性を与え、滑り止め効果等を付与することがで
きるものである。
【0008】(A)における「ポリスチレンブロック」
とは、本発明のホットメルト組成物の特性に悪影響を与
えない限り、ポリスチレンブロックに通常ポリスチレン
に含有される他のポリマーが含まれていてもよい。ポリ
スチレンブロックは、(A)の軟化点、凝集力等の物性
に影響を与え、結果として本発明のホットメルト組成物
の軟化点、凝集力等の特性に影響を与え得るものであ
る。
【0009】(A)における「水素添加型のポリオレフ
ィンブロック」とは、水素添加されて全ての二重結合が
実質的に飽和したポリオレフィンから成るブロックであ
って、例えば、−CH2CH2CH(C25)−CH2
であるポリエチレン/ブチレン(以下「EB」とい
う。)、−CH2CH2CH(CH3)−CH2−であるポ
リエチレン/プロピレン(以下「EP」という。)をい
う。水素添加型のポリオレフィンブロックは、(A)の
ゴム弾性等の物性に影響を与え、結果として本発明のホ
ットメルト組成物の滑り止め性能、柔軟性等の特性に影
響を与え得るものである。これらの水素添加型のポリオ
レフィンブロックは、単独又は組み合わせて用いること
ができる。
【0010】本発明のホットメルト組成物においては、
(A)のポリスチレンブロックと水素添加型のポリオレ
フィンブロックの重量比(ポリスチレンブロック/水素
添加型のポリオレフィンブロック)は、0.1〜0.7
が好ましく、0.1〜0.5がより好ましく、0.2〜
0.4が特に好ましい。
【0011】更に、本発明のホットメルト組成物におい
ては、(A)としてH−S型のジブロック共重合体、H
−S−H型のトリブロック共重合体及びそれらの混合物
から選択される少なくとも1種を使用することが好まし
い。具体的には、例えば、H−S型のジブロック共重合
体とH−S−H型のトリブロック共重合体の混合物にH
−S−H型のトリブロック共重合体を組み合わせて
(A)として用いることができる。このようなH−S型
のジブロック共重合体とH−S−H型のトリブロック共
重合体が混合された混合物を(A)として用いる場合、
(A)はトリブロック共重合体を、5〜100重量%含
むのが好ましく、10〜90重量%含むのがより好まし
く、20〜85重量%含むのが特に好ましい。トリブロ
ック共重合体は耐熱性に優れるが、ジブロック共重合体
をトリブロック共重合体に混合することで、本発明のホ
ットメルト組成物の溶融粘度を低下せしめ、塗工粘度を
低くし、密着性を向上することができる。
【0012】上述したような(A)ブロック共重合体
は、公知の方法で製造することができるが、市販のもの
を使用することができる。例えば、シェル化学(株)か
らクレイトンG(KRATON G)という商品名で、旭化成工
業(株)からタフテックHシリーズという商品名で市販
されている。これらのものは単独又は組み合わせて使用
することができる。
【0013】本発明において「(B)ポリスチレンブロ
ック補強樹脂」とは、(A)のポリスチレンブロックの
機能を強化し、(A)の凝集力を高め、(A)の高温時
の性能(回復性、弾性等)を向上することによって、本
発明のホットメルト組成物の高温時の性能を向上する樹
脂をいう。例えば、α−メチルスチレンの重合体、α−
メチルスチレン系の共重合体、スチレンの重合体、ビニ
ルトルエンの重合体等を例示することができる。特に、
α−メチルスチレンの重合体及びα−メチルスチレン系
の共重合体が好ましい。
【0014】上述したような(B)ポリスチレンブロッ
ク補強樹脂は、公知の方法で製造することができるが、
市販のものを使用することができる。例えば、理化ハー
キュレス(株)からエンデックスという商品名で、理化
ハーキュレス(株)からクリスタレックスという商品名
で市販されている。これらのものは単独又は組み合わせ
て使用することができる。
【0015】更に、本発明のホットメルト組成物におい
ては、(B)ポリスチレンブロック補強樹脂の軟化点が
140℃以上が好ましく、150℃以上がより好まし
く、155℃以上が特に好ましい。
【0016】本発明において「(C)可塑剤及び/又は
非結晶性ポリオレフィン」とは、本発明のホットメルト
組成物に柔軟性及び濡れ性を付与し、更に粘性を低下さ
せる等を目的として配合される。ここで「可塑剤」と
は、一般的に用いられている可塑剤であってよく、本発
明のホットメルト組成物に悪影響を与えないものであれ
ば特に限定されるものではない。例えば、パラフィン系
オイル、ナフテン系オイル、芳香族オイル等の可塑化オ
イル類;ポリペンテン等の液状炭化水素重合体類;パラ
フィンワックス、フィッシャートロプッシュ法による合
成ワックス、低分子量ポリエチレンワックス、酸化ワッ
クス、低分子量ポリプロピレンワックス、カスターワッ
クス等のワックス類を例示することができる。特に、可
塑化オイル類が好ましい。このような可塑剤として市販
のものを使用することができ、例えば、出光興産(株)
製のMCオイル(商品名)、昭和シェル(株)製のシェ
ルフレックス(商品名)、等を例示することができる。
【0017】また、「非結晶性ポリオレフィン」とは、
例えば、非結晶性のポリプロピレン、非結晶性のエチレ
ンとプロピレンの共重合体、非結晶性のプロピレンと1
−ブテンの共重合体をいう。非結晶性ポリオレフィン
は、公知の方法で製造することができるが、市販のもの
を使用することができ、例えば、宇部興産(株)製のウ
ベタック(UBETAC)(商品名)、ヒュルス(株)製のベ
ストプラスト(商品名)、等を例示することができる。
【0018】非結晶性ポリオレフィンの軟化点は、10
0〜180℃が好ましく、105〜170℃がより好ま
しく、125〜160℃が特に好ましい。非結晶性ポリ
オレフィンの190℃の溶融粘度は、200〜1500
0cpsが好ましく、300〜10000cpsがより
好ましく、400〜8500cpsが特に好ましい。
(C)可塑剤及び/又は非結晶性ポリオレフィンは、単
独又は組み合わせて使用することができる。
【0019】本発明のホットメルト組成物においては、
(A)ブロック共重合体を20〜50重量%含むのが好
ましく、20〜45重量%含むのがより好ましく、25
〜45重量%含むのが特に好ましい。(B)ポリスチレ
ンブロック補強樹脂を5〜55重量%含むのが好まし
く、5〜35重量%含むのがより好ましく、5〜25重
量%含むのが特に好ましい。(C)可塑剤及び/又は非
結晶性ポリオレフィンを20〜55重量%含むのが好ま
しく、25〜55重量%含むのがより好ましく、30〜
55重量%含むのが特に好ましい。
【0020】本発明のホットメルト組成物においては、
ホットメルト組成物において通常使用される各種の「添
加剤」を、更に、含むことができる。ここで「添加剤」
とは、ホットメルト組成物の特性を総合的に向上させ、
カーペットの裏打の容易さ及び裏打ち後のカーペットの
品質を維持させるものであって、例えば、耐熱性、耐酸
化性、耐侯性を向上するための安定剤(酸化防止剤
等)、紫外線による劣化を防止するための紫外線吸収
剤、難燃化剤、ホットメルト接着剤のブロッキング防止
剤及び収縮率抑制のための無機フィラー等から選ばれる
少なくとも1種を例示することができる。
【0021】このような添加剤としては通常使用されて
いるものであれば使用することができる。酸化防止剤と
しては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化
防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。紫外線吸収剤
としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤や、
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が
好ましい。上述の添加剤は、単独もしくは混合して使用
することができる。
【0022】上述の本発明のホットメルト組成物は、カ
ーペットの裏打ち用として使用することができるが、特
に、カーペットの滑り止め用として好適である。本発明
においては、本発明のホットメルト組成物を、カーペッ
トの裏打ちに通常使用される塗工方法を用いて、カーペ
ットに塗工することによって、簡単、容易に、滑り止め
効果等に優れるカーペットを製造することができる。塗
工は、カーペットの裏面の全面に行っても良いが、線
状、帯状等に行うこともできる。更に、本発明のホット
メルト組成物を用いてカーペットを裏打ちすることで、
カーペットの滑り止め効果等が向上したカーペットを提
供することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例及び比較例は
本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって
何ら限定されるものではない。
【0024】実施例及び比較例のホットメルト組成物を
製造するために用いた成分を以下に示す。(A)は、ポ
リスチレンブロックと水素添加型のポリオレフィンブロ
ックから成るブロック共重合体であって、(A1)は、
水素添加型のポリオレフィンがエチレンとブチレンの共
重合体であり、ポリスチレンブロック/水素添加型のポ
リオレフィンブロック(重量比)が29/71であり、
メルトフローレート(MFR)(200℃、5.0k
g)が1.0g/minであるスチレン−エチレン/ブ
チレン−スチレンの構造を有するトリブロック共重合体
(シェル化学(株)製クレイトン(KRATON)G1652
(商品名))である。(A2)は、水素添加型のポリオ
レフィンがエチレンとブチレンの共重合体であり、ポリ
スチレンブロック/水素添加型のポリオレフィンブロッ
ク(重量比)が30/70であり、MFR(200℃、
5.0kg)が60g/minであり、スチレン−エチ
レン/ブチレン−スチレンの構造を有し、70%のジブ
ロック共重合体を含有するトリブロック共重合体(シェ
ル化学(株)製クレイトン(KRATON)G1726(商品
名))である。
【0025】(B)は、ポリスチレンブロック補強樹脂
であって、(B1)は、軟化点が155℃であるα−メ
チルスチレン系の共重合体(理化ハーキュレス(株)製
エンデックス155(商品名))である。(B2)は、
軟化点が140℃であるα−メチルスチレンの重合体
(理化ハーキュレス(株)製クリスタレックス5140
(商品名))である。(C)は、可塑剤又は非結晶性ポ
リオレフィンであって、(C1)は、可塑剤(宇部興産
(株)製MCオイル(商品名))である。(C2)は、
軟化点が150℃、190℃の溶融粘度が1500cp
sの非結晶性のポリプロピレン(宇部興産(株)製ウベ
タックUT−2115(商品名))である。
【0026】(D)は、結晶性のポリオレフィンであっ
て、(D1)は、軟化点155℃の結晶性のポリプロピ
レンワックス(三洋化成工業(株)製ビスコール550
P(商品名))である。ここで(A)〜(D)の物性
は、以下の方法を用いて測定した。軟化点は、JIS
K2207に記載の環球法を用いて測定した。MFR
は、ASTM D1238に記載の方法を用いて測定し
た。溶融粘度は、ブルックフィールド社製回転粘度計を
用いて測定した。
【0027】実施例1 ホットメルト接着剤の調製 水素添加型のポリオレフィンがエチレンとブチレンの共
重合体であって、ポリスチレンブロック/水素添加型の
ポリオレフィンブロック(重量比)が29/71であ
り、MFR(200℃、5.0kg)が1.0g/mi
nである、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンの
構造を有するトリブロック共重合体(シェル化学(株)
製クレイトン(KRATON)G1652(商品名))(A
1):30重量部、ポリスチレンブロック補強樹脂であ
って、軟化点が155℃であり、α−メチルスチレン系
の共重合体(理化ハーキュレス(株)製エンデックス1
55(商品名))(B1):20重量部、可塑剤(出光
興産(株)製MCオイル(商品名))(C1):50重
量部、の組成となるように成分(A1)、(B1)及び
(C1)を容器に仕込み、加熱しつつ均一に混合して溶
解した。この組成物を100重量部として0.6重量部
の安定剤(住友化学工業(株)製スミライザーBP−1
01(商品名))を添加して実施例1のホットメルト組
成物を得た。尚、実施例1のホットメルト組成物の
(A)は、トリブロック共重合体を100重量%含む。
【0028】ホットメルト組成物の評価 (1)ホットメルト組成物の粘度 ホットメルト組成物の粘度は、ブルックフィールド社製
回転粘度計を用いて、180℃において測定した。実施
例1のホットメルト組成物の粘度は7200cpsであ
った。 (2)ホットメルト組成物の軟化点 ホットメルト組成物の軟化点は、成分(A)〜(D)の
軟化点の測定に用いた方法と同様の方法を用いて評価し
た。実施例1のホットメルト組成物の軟化点は123℃
であった。 (3)滑り止め評価用カーペットの作製 ロールコータを用いてカーペットの裏面にホットメルト
組成物を100g/m 2となるように180℃において
塗布した後、室温に冷却することで滑り止め評価用カー
ペットを作製した。得られたカーペットは、7cm×5
cmの大きさ及び10cm×5cmの大きさの2種類の
大きさに切り以下の評価に供した。
【0029】(4)ホットメルト組成物の滑り止め性能 ホットメルト組成物の滑り止め性能は、JIS P81
47に記載の方法と同様の方法を用いて、静摩擦係数を
測定することによって行った。試験方法として水平方法
を用い、大きさが7cm×5cmの評価用カーペットに
ついて、おもりを2kg、移動速度を75mm/min
とし、水平板としてガラス板を用いて室温で静摩擦力を
測定した。実施例1のホットメルト組成物の静摩擦係数
は1.0より大きい値であった。尚、この静摩擦係数が
大きいほど、ホットメルト組成物の滑り止め性能は高
い。
【0030】(5)ホットメルト組成物の耐洗濯性 ホットメルト組成物の耐洗濯性は、JIS L0217
の付表1の103に記載の方法と同様の方法を用いて、
大きさが7cm×5cmの評価用カーペットについて洗
濯処理を行った後、上述のホットメルト滑り止め性能の
評価に記載の方法と同様の方法を用いて、静摩擦係数を
測定することによって行った。実施例1のホットメルト
組成物の静摩擦係数は0.7であった。この静摩擦係数
が大きいほど、ホットメルト組成物は洗濯後であっても
より高い性能を維持していることを意味し、ホットメル
ト組成物の耐洗濯性は高い。
【0031】(6)ホットメルト組成物の残存粘着性 ホットメルト組成物の残存粘着性は、2枚の大きさが7
cm×5cmの評価用カーペットの滑り加工した面同士
を重ね合わせた場合のブロッキングの発生の有無を観察
することによって行った。ブロッキングが全く発生しな
かったものを◎、きわめて弱いブロッキングが発生した
が実質的に問題のないものを○、ブロッキングが発生し
たものを×とした。実施例1のホットメルト組成物の残
存粘着性は◎であった。
【0032】(7)ホットメルト組成物のカーペットへ
の接着性 ホットメルト組成物のカーペットへの接着性は、ホット
メルト接着剤の残存粘着性の評価においてブロッキング
が発生して粘着した2枚の評価用カーペットを剥した場
合に、糸抜けが発生するか否かを目視で観察することに
よって評価した。糸抜けが発生しなかったものを合格、
発生しなかったものを不合格とした。実施例1のホット
メルト組成物は、残存粘着性が◎でカーペットにブロッ
キングが発生しなかったので、カーペットへの接着性に
ついて評価するまでもなく合格であった。
【0033】(8)ホットメルト組成物の耐熱性 ホットメルト組成物の耐熱性は、大きさが10cm×5
cmの評価用カーペットをステンレス板の上に載せ、5
00gの荷重を加えたまま、80℃において1日間保管
した後、評価用カーペットからステンレス板へ、ホット
メルト組成物の移行の有無を目視で観察することによっ
て評価した。ホットメルト組成物の移行が全く認められ
なかったものを合格、移行が認められたものを不合格と
した。実施例1のホットメルト組成物の耐熱性は合格で
あった。
【0034】(9)塩ビシートへのホットメルト組成物
が含む可塑剤の移行性 塩ビシートへのホットメルト組成物が含む可塑剤の移行
性は、大きさが10cm×5cmの評価用カーペットを
Pタイル(塩ビシート)の上に載せ、500gの荷重を
加えたまま、60℃において5日間保管した後、評価用
カーペットからPタイルへ、ホットメルト組成物が含有
する可塑剤の移行の有無を目視で観察することによって
評価した。ホットメルト組成物が含む可塑剤がPタイル
に移行したことが認められなかったものを合格とし、可
塑剤の移行が認められたものを不合格とした。実施例1
のホットメルト組成物の可塑剤の移行性は合格であっ
た。
【0035】(10)ホットメルト組成物の総合評価 以上の各項目の評価結果を総合的に勘案して、総合評価
を行った。総合評価の主たる観点は、滑り止め性能と耐
洗濯性である。静摩擦係数が共に0.5以上を合格と
し、静摩擦係数の一方でも0.5未満の場合を不合格と
した。実施例1のホットメルト組成物の総合評価は、合
格であった。
【0036】実施例2〜4 実施例2〜4については、実施例1において使用した成
分を表1に示す成分及びその量に変更した以外は、実施
例1と同様に使用して実施例2〜4のホットメルト接着
剤を得た。尚、実施例2、3、4のホットメルト組成物
の(A)は、トリブロック共重合体を、各々83、6
5、40重量%含む。実施例1に記載した方法と同様の
方法を使用して、実施例2〜4のホットメルト接着剤を
評価した。結果は、表1に示した。
【0037】比較例1及び2 比較例1及び2については、実施例1において使用した
成分を表1に示す成分及びその量に変更した以外は、実
施例1と同様に使用して比較例1及び2のホットメルト
接着剤を得た。尚、比較例1及び2のホットメルト組成
物の(A)は、トリブロック共重合体を、各々90、1
00重量%含む。実施例1に記載した方法と同様の方法
を使用して、比較例1及び2のホットメルト接着剤を評
価した。結果は、表1に示した。
【0038】
【表1】 a)単位は重量部である。b)単位はcps(180
℃)である。 c)単位は℃である。d)静摩擦係数で示す。
【0039】
【発明の効果】本発明のカーペット裏打ち用ホットメル
ト組成物は、(A)ポリスチレンブロックと水素添加型
のポリオレフィンブロックから成るブロック共重合体、
(B)ポリスチレンブロック補強樹脂、並びに(C)可
塑剤及び/又は非結晶性ポリオレフィンを含んで成るか
ら、従来から知られているカーペット裏打ち用ホットメ
ルト組成物と比較して、柔軟性、加工性、滑り止め効果
の少なくとも1つの特性が改良される。従って、特性の
バランスの良いカーペット裏打ち用ホットメルト組成物
を提供することができる。更に、本発明のホットメルト
組成物を、カーペットに塗工することによって、簡単、
容易に、滑り止め効果等に優れるカーペットを製造する
製造方法を提供することができる。更に、カーペットの
滑り止め効果等が向上したカーペットを提供することが
できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−23336(JP,A) 特開 昭48−40833(JP,A) 特開 平11−106730(JP,A) 特開 昭64−51487(JP,A) 特開 平7−11219(JP,A) 特開 平10−183081(JP,A) 特開 昭50−60536(JP,A) 特開 平9−125035(JP,A) 特表 平9−505840(JP,A) 深田寛,新高分子文庫16,ホットメル ト接着の実際,株式会社高分子刊行会, 1979年 5月20日,298 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47G 27/02 C09J 4/00 - 201/10 C08L 7/00 - 101/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリスチレンブロックと水素添加型
    のポリオレフィンブロックから成るブロック共重合体、 (B)ポリスチレンブロック補強樹脂、並びに (C)可塑剤及び/又は非結晶性ポリオレフィンを含ん
    で成るカーペット裏打ち用ホットメルト組成物であっ
    て、 カーペットの滑り止め用のホットメルト組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ブロック共重合体の水素添加型の
    ポリオレフィンが、エチレンとブチレンの共重合体であ
    る請求項1に記載のホットメルト組成物。
  3. 【請求項3】 (A)ブロック共重合体のポリスチレン
    ブロックと水素添加型のポリオレフィンブロックの重量
    比(ポリスチレンブロック/水素添加型のポリオレフィ
    ンブロック)が0.1〜0.7である請求項1又は2
    記載のホットメルト組成物。
  4. 【請求項4】 (A)ブロック共重合体が、トリブロッ
    ク共重合体を5〜100重量%含有する請求項1〜3の
    いずれかに記載のホットメルト組成物。
  5. 【請求項5】 (B)ポリスチレンブロック補強樹脂の
    軟化点が140℃以上である請求項1〜4のいずれかに
    記載のホットメルト組成物。
  6. 【請求項6】(A)ブロック共重合体:20〜50重量
    % (B)ポリスチレンブロック補強樹脂:5〜55重量
    %、並びに (C)可塑剤及び/又は非結晶性ポリオレフィン:20
    〜55重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のホ
    ットメルト組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれかに記載のホット
    メルト組成物を、カーペットの裏面に塗工して製造され
    たカーペット。
  8. 【請求項8】 請求項1〜のいずれかに記載のホット
    メルト組成物を、カーペットの裏面に塗工するカーペッ
    トの製造方法。
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