JP3523332B2 - ε−カプロラクタムの精製法 - Google Patents

ε−カプロラクタムの精製法

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JP3523332B2
JP3523332B2 JP16542294A JP16542294A JP3523332B2 JP 3523332 B2 JP3523332 B2 JP 3523332B2 JP 16542294 A JP16542294 A JP 16542294A JP 16542294 A JP16542294 A JP 16542294A JP 3523332 B2 JP3523332 B2 JP 3523332B2
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デーエスエム ナムローゼ フェンノートシャップ
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D201/00Preparation, separation, purification or stabilisation of unsubstituted lactams
    • C07D201/16Separation or purification

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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不均一の水素添加触媒
の存在下で水素を使用した水/ε−カプロラクタム混合
物の水素添加を含むε−カプロラクタムの精製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】重合してナイロン6を製造するために必
要な純度を有するε−カプロラクタムを得るために、た
とえばシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位によ
り製造される不純なε−カプロラクタムはいくつかの精
製工程に導かれる。これらの精製工程の1つが、ここで
述べるように、実質的に水およびε−カプロラクタムか
らなる混合物と不飽和不純物との水素添加である。水/
ε−カプロラクタム混合物の水素添加は、不純なε−カ
プロラクタム中に存在するこれらの不飽和化合物を水素
添加するために実施する。これらの不飽和化合物の存在
は不利である、それというのもこれらは、ε−カプロラ
クタムを重合することにより製造されるナイロン6の物
理的機械的特性を低下させることがありうるからであ
る。水素添加により形成される飽和化合物は反対に、ナ
イロン6のこれらの物理的機械的特性に影響を与えず、
更にこれらの化合物は水素添加工程に続く蒸留工程でよ
り簡単に除去される。
【0003】そのような方法は欧州特許公開第4114
55号明細書に記載されている。この明細書には、三相
系(気体、液体、固体)で、水性ε−カプロラクタム混
合物および気体の水素を底部から上方に向かって支持さ
れたパラジウムまたはニッケル触媒からなる固定床を通
過させることによる、75〜95重量%の水性ε−カプ
ロラクタム混合物の精製が記載されている。
【0004】この公知の方法では、反応器に供給される
水素の量は反応中に消費される水素の量に比べてかなり
多い。残りの水素の量は焼却されるかまたは水素添加反
応に再循環される。後者の場合は水素は圧縮器を通過
し、反応器に戻ったときに適当な圧力を有するように保
証されている。この方法の欠点は、水素の性質のため
に、より安全な程度で生じるように多くの量の水素を処
理しなければならないことである。この方法のもう1つ
の欠点は、この系で循環内で多くの量の水素を維持する
ためにかなり大きな圧縮器を必要とすることである。残
りの水素の量を焼却する場合は、水素の燃焼価が水素の
価格より低いために経済的に魅力のないものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ε−
カプロラクタムを精製するための効率がよく、より安全
な方法を提供することであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は、まずε−カ
プロラクタム/水混合物を気体の水素と接触させ、水素
をε−カプロラクタム/水混合物に溶かし、引き続きこ
の水素を含有する混合物を水素添加触媒と接触させ、水
素添加の間に存在する水素90〜100%を水/ε−カ
プロラクタム混合物に溶解させることにより解決され
る。有利には、水素98〜100%を水/ε−カプロラ
クタム混合物に溶解させる。たとえば水素98%が混合
物に溶解している場合は、残りの水素2%は気相に存在
する。
【0007】本発明の方法では、実質的に水、ε−カプ
ロラクタムおよび不飽和の不純物からなる混合物を精製
して、欧州特許公開第411455号明細書に記載の方
法により精製したε−カプロラクタムと同じ純度のε−
カプロラクタムを生じることができるが、水素添加後に
多くの量の未反応の水素が残留しない。このことはより
簡単な反応装置の使用を可能にする。更に未反応の水素
を再循環する装置または水素を焼却する装置を設置する
必要がない。
【0008】本発明の方法では、欧州特許公開第411
455号明細書に記載の方法に比べて水素添加反応器内
の液体の滞留時間を実質的に短縮することができる。短
い滞留時間は有利である、それというのも反応器充填物
が同じであるのにより小さな反応器体積を使用すること
ができるか、または同じ反応器体積を使用してより多く
の反応器充填物を使用することができるからである。
【0009】本発明の方法により、水素添加反応器中に
水素が気体の形でほとんど存在しない。従来技術で明ら
かな従来の発想とは対照的に、反応器条件下で反応混合
物に溶解することができる水素の量はε−カプロラクタ
ムの精製に十分である。水素はその小さな分子の大きさ
により圧縮することが困難な気体であり、少ない水素の
使用は改良された安全性を生じる。
【0010】不均一な触媒は水素を含有する反応混合物
と種々の方法で接触させることができる。水素添加はた
とえば、触媒粒子が精製すべき混合物中で懸濁している
撹拌した貯蔵反応器内で実施することができる(スラリ
ー相法)。スラリー相法の欠点は、水素添加反応後に触
媒粒子および精製された混合物を付加的な工程で分離し
なければならないことである。たとえば濾過によるその
ような分離工程は煩雑である。従って、水素添加はより
有利には、反応器内で固定した触媒を使用した固定床反
応器内で実施し、触媒および反応混合物を分離するため
の付加的な工程を省くことができる。
【0011】ε−カプロラクタム/水混合物を気体の水
素と接触させる場合は、混合物は完全にまたは部分的に
水素で飽和される。
【0012】反応混合物が水素で飽和される割合は一般
に50〜100%である。有利には反応混合物の飽和の
割合は80〜100%である。反応混合物中の水素の量
は、気体の水素を溶かす場合の温度、圧力および水素と
混合物の接触時間に依存する。飽和の割合は、一定の温
度および圧力で混合物中に溶解することができる水素の
最大量の%である。最大量より多くの水素を添加するこ
とにより気相が存在する。水/ε−カプロラクタム混合
物中の水素の溶解度は、本発明による方法で処理するこ
とができる混合物に関する純粋な水中の水素の溶解度に
ほぼ匹敵する(従ってε−カプロラクタム濃度に関係し
ない)ことが判明した。
【0013】水/ε−カプロラクタム混合物中のε−カ
プロラクタムの重量%(水素を除く)は10〜95重量
%であってもよい。多くの量の水素を溶解することが可
能であるので、低いε−カプロラクタム含量が有利であ
る。しかしながら、きわめて低いε−カプロラクタム含
量は不利である、それというのもこの場合には多くの量
の不活性の水が循環し、かつ蒸発するからである。従っ
てε−カプロラクタム含量は30重量%より高いのが有
利である。ε−カプロラクタム含量は有利には50重量
%より低く、きわめて有利には40重量%未満である。
【0014】水素添加の温度は一般に20〜160℃で
ある。一般にあまり低くない温度を選択する、それは低
い温度では反応時間がより長いからである。高い温度は
ε−カプロラクタムの品質に不利な影響を与えるので温
度は一般にあまり高くないのがよい。従って温度は有利
には70〜130℃、きわめて有利には80〜100℃
である。
【0015】水素添加の圧力は0.1〜15MPaであ
ってもよい。高い圧力が有利である、それというのも、
高い圧力は水/ε−カプロラクタム混合物中で多くの量
の水素を溶解することを可能にするからである。不純物
含量が一般に多くの量の水素を必要とするほど高くない
ので、あまりに高過ぎる圧力は不要である。更にきわめ
て高い圧力は高価な実施装置を必要とするという欠点を
有する。従って一般に圧力は0.3〜5MPaである。
【0016】本発明による方法はバッチ式で実施するこ
とができる。有利には本発明による方法は連続的方法で
実施する。
【0017】水素添加の滞留時間または接触時間は不均
一な触媒と水素を含有する水/ε−カプロラクタム混合
物を接触させるために選択される方法に依存する。触媒
が反応器内に固定されている反応器(固定床反応器)を
選択する場合は、連続的方法での滞留時間は一般に10
秒より長く、特に30秒より長く、一般に滞留時間は1
0分より短く、特に7分より短い。
【0018】精製されるε−カプロラクタムの量に対す
る使用される水素の量は、温度、圧力、水素の飽和およ
び溶解度の割合、および水素添加される不純物の割合に
依存する。
【0019】使用する場合に未反応の水素を再利用しな
い場合は、精製されるカプロラクタムの重量に対する水
素の体積量(水を除く)は、一般に、0.001〜2N
3/トンラクタム(ε−カプロラクタム1モルに対し
てH25×10~6〜1.0×10~2モル)であり、有利
には0.1〜1Nm3/トンラクタム(ε−カプロラク
タム1モルに対してH25×10~4〜5×10~3モル)
である。
【0020】水/ε−カプロラクタム混合物中の水素の
溶解は当業者に周知の任意の方法により実施することが
できる。有利には混合物を一定の水素圧が維持されてい
る混合機内で水素と接触させる。水素と混合物との集中
的な接触は水素が混合物に溶解することを保証する。そ
のような方法は有利には連続的に実施する。引き続き水
素を含有する混合物を水素添加触媒とたとえば分離した
反応器内で接触させる。
【0021】一般に水素を水/ε−カプロラクタム混合
物に溶解する間の圧力および温度は水素添加反応中に維
持される圧力および温度と実質的に同じである。特定の
条件に依存して、たとえば熱回収の場合には、水素の溶
解が行われる圧力および温度と水素添加の圧力および温
度との間にある程度大きな相違が存在してもよい。
【0022】水素添加触媒は任意の周知の不均一な水素
添加触媒であってもよい。そのような触媒の例は、酸化
アルミニウム上のルテニウム、酸化アルミニウム上のロ
ジウム、炭素上の白金、炭素上のパラジウム、ラネーニ
ッケル、シリカ上のニッケルおよび酸化アルミニウム上
のニッケルである。ニッケルを含有する触媒の使用が有
利である。
【0023】適当なニッケル触媒は一般に金属および担
体に対して5〜80重量%のニッケル含量を有する。こ
の触媒はニッケルのほかにZr、Mn、CuまたはCr
のような活性剤を含有してもよい。活性剤含量は一般に
1〜20重量%である。
【0024】パラジウムを含有する不均一な触媒を使用
する場合は、パラジウム含量は一般に0.01〜10重
量%である。
【0025】固定床反応器を使用する場合は活性金属が
担体の外側の表面上に存在する触媒を使用する。そのよ
うな触媒は予め形成された担体(たとえばペレット、球
またはリボン)を金属塩、たとえば金属硝酸塩の水溶液
と接触させ、乾燥し、引き続き焼成する方法を使用して
製造することができる。
【0026】選択される予め形成された担体の大きさ
は、許容できなくなる固定床をこえる圧力の低下を生じ
ないで可能な限り小さい。たとえばペレットの平均粒子
直径は一般に1〜5mmである。
【0027】新たに製造された触媒を使用する場合は、
この触媒は、金属酸化物を還元して触媒活性の遊離金属
を生じるためにしばしば活性化しなければならない。
【0028】触媒の活性化は任意の周知の方法で実施す
ることができる。たとえば水素を使用して金属酸化物を
還元することができる。欧州特許公開第411455号
明細書の例3においては、たとえば温度を段階的に80
から200℃に上昇しながら8時間かけて気体の水素が
触媒上を通過することにより触媒を活性化する。しかし
ながら、水素添加触媒を活性化するこの周知の方法は不
利である、それというのもこの方法により多くの量の貴
重な水素が消費されるからである。活性化される触媒を
水素が溶解された水に接触させた場合に、70〜100
℃の温度で活性化を実施できることが判明した。活性化
の圧力は0.1〜10MPaであってもよい。欧州特許
公開第411455号明細書に記載の活性化と比較して
前記の活性化は有利である、それというのも、(1)触
媒の活性化を低い(最高)温度で実施し、(2)触媒の
活性化をその場で実施し、従って特に活性化のための触
媒床を気体の水素が通過するための特別な設備が必要で
なく、かつ(3)過剰な水素の使用が必要でないためで
ある。
【0029】触媒の活性化に必要な水素の水溶液を製造
するために、水、ε−カプロラクタムおよび不飽和の不
純物の混合物に水素を溶解する前記と同じ方法により水
素を水に溶解することができる。触媒活性化法に関して
は、水素を水に溶解するために使用される反応条件は、
触媒を活性化するために使用される温度および圧力のよ
うな反応条件と実質的に同じである。
【0030】触媒の活性化は、前記の水、ε−カプロラ
クタム、水素および不飽和の不純物の混合物を使用して
実施することもできる。この混合物を70〜100℃の
温度で前記の精製におけると同じ方法で水素添加触媒と
接触させることができる。この混合物を直接使用する利
点は、作業工程を適用せずに精製を開始した場合に、そ
の場で触媒の活性化を実施できることである。通常の作
業条件下では、前記の水素を含有する水/ε−カプロラ
クタム混合物を使用して、高い純度のε−カプロラクタ
ムが得られる程度に触媒を活性化するためには12〜4
8時間で十分である。
【0031】精製されるε−カプロラクタムは、ドイツ
特許出願公開第2508247号明細書に記載の発煙硫
酸中のベックマン転位またはほかの製造方法、たとえば
英国特許第1342550号明細書に記載の、酸性イオ
ン交換体の存在下の転位反応により製造することができ
る。米国特許第5169870号明細書に記載のナイロ
ン6の解重合により得られたカプロラクタムは、有利に
は本発明による方法を使用して精製することもできる。
【0032】実際には、蒸発および蒸留により水/ε−
カプロラクタムの混合物を精製する(米国特許第456
3308号明細書に記載)ことにより得られたε−カプ
ロラクタムの純度は、過マンガン酸塩吸収指数(PA
N)により表される。PANはISO8660に従って
決定される。水、ε−カプロラクタムおよび不飽和不純
物の未精製の混合物から得られたε−カプロラクタムは
一般に4〜6の範囲のPANを有する。本発明の方法に
より精製した水/ε−カプロラクタムの混合物から得ら
れたε−カプロラクタムのPANは4より低く、一般に
1より高い。有利にはPANは3である。
【0033】最終的に得られたε−カプロラクタムの純
度を表すもう1つの方法はPM指数(過マンガン酸塩指
数)による。PANと同様にPM指数は酸化の尺度であ
る。より高いPM指数はより少ない量の酸化可能な不純
物が存在することを表す。純度を表すもう1つの方法は
不飽和化合物の量(ppm)による。
【0034】過マンガン酸塩指数(=PM指数)は、2
93°K(=20℃)のカプロラクタム溶液100ml
(3.00g/100ml)に過マンガン酸カリウム
1.00ml(0.0020モル/l)を添加した後で
この溶液の色が基準溶液の色と同じになる瞬間までの秒
の時間の経過の指数として定義される。基準溶液は水1
l中の硝酸コバルト(Co(NO32・6H2O)30
00mgおよびジクロム酸カリウム12mgからなる。
PM指数は以下に記載の実験および実施例の比較目的の
ためにのみ使用することができる。
【0035】
【実施例】本発明を以下の実施例により説明する。本発
明は実施例に限定されない。
【0036】例1〜3 これらの例のカプロラクタム水溶液は発煙硫酸中のシク
ロヘキサノンオキシムのベックマン転位およびアンモニ
アでの中和、ベンゼン抽出、引き続く水での再抽出によ
り得られた。中和後混合物を1.0lの撹拌した反応器
にベンゼンと共に導入した(混合物3g/ベンゼン1.
5g)。得られた混合物を15分撹拌し、引き続き2つ
の相、水相およびベンゼン相が形成され、これらを相分
離により分離した。
【0037】水相を再び反応器に新たなベンゼンと共に
導入した(ベンゼン5.0g/水相10.0g)。混合
物を再び15分撹拌し、引き続き2つの相に分離した。
ベンゼンでのこの抽出工程を付加的に2回繰り返した。
得られた4つのベンゼン相を新たな水と混合した(25
g/ベンゼン相100g)。この混合物を15分撹拌
し、引き続き2つの相に分離した。
【0038】この水の抽出を付加的に2回繰り返した。
ベンゼン抽出から得られた水相および水抽出から得られ
た水相をいっしょに混合した。これにより水中の35重
量%カプロラクタム溶液が得られた。本発明による方法
を使用して、工程a)でこの溶液を水素で飽和させ、か
つ工程b)でこの溶液を水素添加触媒上を通過させるこ
とにより、この混合物を更に処理した。
【0039】a)連続的に作動した、撹拌したタンク
(直径100mm、充填高さ100mmおよび加熱ジャ
ケットを装備した)内で、水中の35重量%のカプロラ
クタム溶液を、0.6MPaの一定の水素圧、pH7お
よび第1表に記載の温度を維持した水素流で完全に予め
飽和させた。
【0040】b)ニッケル触媒(アルミナ/シリカ上の
(酸化)ニッケル約50重量%、直径3mm、長さ8m
m)25ml(20g)を充填した垂直な管型反応器
(直径34mm、充填高さ27mmおよび加熱ジャケッ
トを装備した)を通過して、水素で飽和したカプロラク
タム溶液の連続的な流れを定着させた。この流れは底部
から上に向かって第1表と同じ温度で、6バールでpH
7で触媒床を通過した(流動速度に関しては第1表を参
照)。その場で触媒の活性化が行われた。
【0041】12時間後最初のサンプルを取り出した。
このサンプルを米国特許第4563308号明細書の例
1に記載のように蒸発および蒸留により更に処理し、そ
の後PAN指数およびPM指数および水素添加される混
合物の全部の量を測定した。結果を第1表および第2表
に記載した。水素添加を10日間連続した。最終生成物
の精製は第2表に記載の結果から著しく逸脱しなかっ
た。これは触媒の活性化が12時間後に完了したことを
示す。
【0042】 第1表 例 温度 液体の流量 水素消費量 滞留時間 (℃) (g/h) (nl/h) (秒) 1 90 250 0.03 145 2 85 500 0.03 75 3 100 250 0.022 145 g/h=1時間あたりの水/ε−カプロラクタム/水素
混合物のグラム nl/h=撹拌したタンク内で消費される1時間あたり
の水素の標準リットルであり、反応器を通過する水素流
の量に等しい。
【0043】溶解した水素を有する水/ε−カプロラク
タム混合物は例1〜3のすべてにおいて均一な混合物で
あった(気相は存在しなかった)。
【0044】水素添加から供給され、および排出された
カプロラクタム溶液中の不飽和化合物の量を測定した。
結果を第2表に記載した。
【0045】 第2表 例 PAN PM 供給量 排出量 (秒) ppm ppm 1 1.8 39000 10 1未満 2 2.1 35000 5 1未満 3 1.9 45000 10 1未満 PAN:ISO8660により測定した PM指数:より高い数値はより少ない量の酸化可能な不
純物が存在することを示す。
【0046】比較例A 更に精製(水素添加)せずに例1の水中の35重量%の
カプロラクタム混合物を例1に記載と同じ方法で蒸発
し、蒸留した。このカプロラクタムはPAN5およびP
M12000秒を有することが判明した。
【0047】比較例B〜E これらの実験で使用される35重量%カプロラクタム水
溶液は例1で使用されたのと同じであった(抽出後)。
この一連の実験において欧州特許公開第411455号
明細書に記載の沸騰カラムを使用した。例1〜3と反対
に水素添加の間に多くの量の気体の水素が存在した。
【0048】a)垂直な管型反応器(直径34mm、充
填高さ27mm、加熱ジャケット)にすでに活性化され
たニッケル触媒(アルミナ上のニッケル/酸化ニッケル
約50重量%、直径(d)に関しては第3表を参照、長
さ5〜8mm)250ml(160g)を充填した。気
体の水素(25nl/h)および水中のカプロラクタム
溶液(35重量%カプロラクタム)を90分かけて底部
から上に向かって触媒床を通過して供給することにより
水素添加を実施した。これを90℃で、0.6MPaお
よびpH7で行った。ほかの条件は第3表に記載した。
不飽和化合物の濃度は供給および排出の両方の流れで測
定した。
【0049】 第3表 例 温度 滞留時間 液体の流量 水素の流量 触媒直径 (℃) (分) (g/h) (nl/h) (mm) B 90 18 250 25 1.6 C 90 18 250 25 3.2 D 90 9 500 25 1.6 E 90 9 500 25 3.2 蒸発および蒸留による水中のカプロラクタム溶液の純度
の向上(例1に記載と同様に)により第4表に示された
最終生成物の特性が得られた。
【0050】 第4表 例 PAN PM 供給量 排出量 ppm ppm B 1.9 35000 11 1未満 C 2.3 35000 11 1未満 D 2.3 37000 11 1未満 E 3.0 27000 11 2 結果から、同じ充填量およびより長い滞留時間の充填し
た沸騰カラムの使用により匹敵する純度が得られ、水素
の消費量が何倍も多いことが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨハネス フランシスクス ハーフェル コルト アメリカ合衆国 ジョージア マルティ ネス ハリファックス コート 412 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 201/16

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不均一の水素添加触媒の存在下で混合物
    の水素を使用した水/ε−カプロラクタム混合物の水素
    添加を含むε−カプロラクタムの精製法において、まず
    ε−カプロラクタム/水混合物を気体の水素と接触さ
    せ、この水素をε−カプロラクタム/水混合物に溶か
    し、引き続きこの水素を含有する混合物を水素添加触媒
    と接触させ、水素添加の間に存在する水素90〜100
    %を水/ε−カプロラクタム混合物に溶解させることを
    特徴とするε−カプロラクタムの精製法。
  2. 【請求項2】 水素98〜100%を水/ε−カプロラ
    クタム混合物に溶解させる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 精製されるε−カプロラクタム1モルに
    対する水素のモル量がε−カプロラクタム1モルに対し
    て水素5×10~4〜5×10~3モルである請求項1また
    は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ε−カプロラクタム濃度が10〜95重
    量%である請求項1から3までのいずれか1項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 ε−カプロラクタム濃度が10〜40重
    量%である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 温度が70〜130℃である請求項1か
    ら5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 温度が80〜100℃である請求項6記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 水素添加を固定床内で実施する請求項1
    から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 水素添加を連続的に実施し、滞留時間が
    10秒〜10分である請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 水素を含有する水/ε−カプロラクタ
    ムを水素添加触媒と70〜100℃の温度で接触させる
    ことによりその場で触媒の活性化を実施する請求項1か
    ら9までのいずれか1項記載の方法。
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