JP3522340B2 - 固体撮像素子 - Google Patents

固体撮像素子

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JP3522340B2
JP3522340B2 JP15088294A JP15088294A JP3522340B2 JP 3522340 B2 JP3522340 B2 JP 3522340B2 JP 15088294 A JP15088294 A JP 15088294A JP 15088294 A JP15088294 A JP 15088294A JP 3522340 B2 JP3522340 B2 JP 3522340B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は固体撮像素子及びその
駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図20は従来の固体撮像素子の構造を模
式的に示す平面図である。また、図21及び図22は、
それぞれ図19のAA線及びBB線における断面構造を
模式的に示す断面図である。
【0003】光検出器19a,19b,19cがY方向
に配列されて設けられている。光検出器19bは、絶縁
膜15a,15bによって、それぞれ光検出器19a,
19cと絶縁されている。
【0004】これらの光検出器19a,19b,19c
に対してX方向に隣接して、電荷転送部39がY方向に
延びて敷設されている。電荷転送部39は例えばCCD
から構成されている。光検出器19bと電荷転送部39
とは伝達部2bによって接続されている。同様にして光
検出器19cと電荷転送部39とは伝達部2cによって
接続されている。勿論、図示されないが、光検出器19
aと電荷転送部39とは他の伝達部で接続されている。
【0005】光検出器19bは半導体基板8において形
成されており、伝達部2bは半導体基板8のうち表面に
露呈している部分21bと、これと絶縁して設けられた
トランスファーゲート22bとから構成されている。伝
達部2cも同様にして半導体基板8の部分21cと、ト
ランスファーゲート22cとから構成されている。
【0006】図20が繁雑になるのを避けるため一部省
略して描いているが、トランスファーゲート22bは電
荷伝達制御ライン5bに接続されている。電荷伝達制御
ライン5bはX方向に延びて敷設されている。電荷伝達
制御ライン5cも同様にして設けられ、トランスファー
ゲート22cと接続されている。
【0007】電荷転送部39は電荷転送ゲート31b,
31cを備えており、これらはそれぞれトランスファー
ゲート22b,22cを含んでいる。電荷転送ゲート3
1b,31cは重なっている領域があるが、互いに絶縁
されている。
【0008】この様な構造はX方向、Y方向のいずれに
も周期的に配列されている。即ち構成単位Uで示される
構造がX方向、Y方向のいずれにも周期的に配列されて
いる。構成単位UのX方向の長さUx 及びY方向の長さ
y は、それぞれ図21及び図22に示されている。
【0009】光検出器19bを例に採って、図20乃至
図22において示された固体撮像素子の動作を説明す
る。光検出器19bはこれに照射された光を受光する事
によって信号電荷を発生する。つまり光を電荷に変換す
る機能を果たす。かかる機能は、半導体基板8と、半導
体基板8の導電型とは反対の導電型を有する半導体層と
のPN接合によってや、ショットキーダイオードを用い
て光検出器を構成することによって実現できる。
【0010】この信号電荷は、光検出器19bに隣接し
て設けられた半導体層13bに与えられる。そして伝達
部2bを介して電荷が電荷転送部39に与えられる。伝
達部2bにおける電荷の伝達はトランスファーゲート2
2bの電位によって制御される。
【0011】図23はトランスファーゲート22bに与
えられる電位φTGの変化を示すタイミングチャートであ
る。電位φTGは周期的にパルス状に活性化し、その1周
期は1フレームと呼ばれる。ここでは半導体基板8がn
型の場合を想定しており、電位φTGがグランド電位GN
Dから電位VTGに上昇することによって半導体基板8の
部分21bの表面近傍にチャネルができる。
【0012】図24及び図25は、伝達部2bを介して
光検出器19bから電荷転送部39に電荷が伝達される
様子を示すポテンシャル図である。いずれも横軸には光
検出器19b、伝達部2b、電荷転送部39の位置を採
り、縦軸にはポテンシャルの深さを採っている。但し簡
単のため、半導体層13bに関しては省略している。ポ
テンシャルの深さが下になるほど、電位は高いことを示
している。図24は電位φTGが活性化していない場合
を、図25は活性化している場合を、それぞれ示してい
る。
【0013】図25に示されるように、伝達部2bにお
けるポテンシャルが深い(電位φTGが電位VTGにあ
る場合)と、光検出器19bの電位レベルは伝達部のポ
テンシャルL1と同じレベルとなる。従って、図24に
示されるように、電位φTGがグランド電位GNDにある
光検出器19bはフローティング状態となり、その電位
レベルはポテンシャルL1に固定され、伝達部2bの電
位がVTGからGNDの間にある部分で信号電荷が蓄積さ
れる。
【0014】換言すれば、電位φTGが電位VTGにある場
合の伝達部2bにおけるポテンシャルの深さLが、光検
出器19bのリセットレベルとなる。そして電位φTG
グランド電位GNDに低下して伝達部2bにおけるポテ
ンシャルの深さが減少すると、光検出部19bにおいて
電荷が蓄積されて行く。この蓄積は1フレームの間に行
われ、その後電位φTGが電位VTGに上昇すると、光検出
部19bに蓄積されていた全ての電荷Q19b1が電荷転送
部39に伝達される。ここで電荷転送部39が転送でき
る信号電荷の電荷量は、電荷転送部39の蓄積容量によ
って決まる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】一方、固体撮像素子の
感度を向上させるには、光検出器19a,19b,19
cの面積を増大させ、素子全体の面積に対する光検出器
が占める面積(画素エリア)の比である開口率を向上す
ることが効果的である。しかし画素エリアを拡大すると
電荷転送部39の占める面積が削減され、転送可能な電
荷量が減少する。
【0016】特に赤外線に感度を持つ固体撮像素子で
は、信号電荷の大部分はバックグラウンドとなる背景信
号が殆どであり、各光検出器間の信号差は僅かである。
従って、発生する信号電荷を増大させるべく単純に開口
率を向上させても、読み出し可能な電荷量が却って減少
し、高感度化が阻まれるという問題点があった。かかる
問題点は、光検出器及び電荷転送部を同一基板上に形成
するモノリシック型固体撮像素子において特に顕著であ
る。
【0017】また、信号電荷の内、外部に読み出すこと
ができるものの最大値は電荷転送部39に蓄積できる電
荷量によって制限される。これを増大させるためには電
荷転送ゲート31bの電位を高くする必要がある。トラ
ンスファーゲート22bは電荷転送ゲート31bと接続
されているので、電荷転送部39が信号電荷を転送して
いる間に光検出器19bから電荷転送部39に電荷が移
らないようにするためには、伝達部2bにおけるチャネ
ル形成のしきい値を高く設定する必要がある。
【0018】この場合しきい値が高いために、伝達部2
bにおけるチャネルポテンシャルは浅くなる。このため
に光検出器19bのリセットレベルは高くなり、光検出
器19bにおいて蓄積できる電荷量が減少してしまう。
【0019】つまり従来の技術において、電荷転送部3
9において転送可能な電荷量を増大させることは、却っ
て光検出器19bにおいて蓄積できる電荷量を減少さ
せ、却って読み出し可能な電荷量を減少させてしまうと
いう問題点があった。
【0020】一方、HgCdTe等を用いたハイブリッ
ド型赤外線固体撮像素子では背景信号を排出することに
より、転送すべき電荷の低減が図られている。ハイブリ
ッド型赤外線固体撮像素子では光検出器と電荷転送部と
は別々に構成される。
【0021】ハイブリッド型固体撮像素子では光検出部
から電荷転送部に信号電荷を読み出す前に、スキミング
動作と呼ばれる操作で背景信号が排出される。しかしこ
のスキミング動作をモノリシック型固体撮像素子に適用
しようとすると、新たに排出用のゲートとドレインを、
光検出部及び電荷転送部と同一基板上に付加する必要が
ある。かかる排出用のゲートとドレインを光検出部が配
列される平面上に設けると、画素エリアは小さくなる。
これは結局のところ感度の低下を招来してしまうことと
なる。
【0022】この発明は上記の問題点を解消するために
なされたもので、排出用のゲート及びドレインのための
領域を、光検出部が配列される平面上には特に設けるこ
となく信号電荷の一部を排出し、開口率を向上させて、
固体撮像素子の感度を向上させる技術を提供することを
目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明のうち請求項1
にかかるものは、(a)第1の方向及び前記第1の方向
とは垂直な第2の方向について2次元的な配列がなさ
れ、それぞれが受光した光を信号電荷に変換する、複数
の光検出部と、(b)前記光検出部の第1方向に隣接し
て前記第2方向に延びて敷設され、前記信号電荷の第1
の部分を前記光検出部から転送する少なくとも一つの電
荷転送手段と、(c)前記光検出部に対応して前記光検
出部の前記第2の方向に隣接して設けられ、前記信号電
荷の第2の部分を前記光検出部から排出する電荷排出素
子とを備える固体撮像素子である。そして前記電荷排出
素子は(c−1)前記信号電荷の前記第2の部分を排出
するチャネルを発生させるMIS構造を有し、前記チャ
ネルは前記第1の方向及び前記第2の方向のいずれにも
垂直な第3の方向に発生する。
【0024】この発明のうち請求項2にかかるものは、
請求項1記載の固体撮像素子であって、前記電荷排出素
子の各々は(c−2)対応する前記光検出部に電気的に
接続された第1の半導体領域と、(c−3)前記チャネ
ルを介して前記第1の半導体領域と電気的に接続される
第2半導体領域とを有する。
【0025】この発明のうち請求項3にかかるものは、
請求項1記載の固体撮像素子であって、前記光検出部、
前記電荷転送手段及び前記電荷排出素子は同一の半導体
基板上に形成される。そして前記光検出部は前記半導体
基板とPN接合を形成する第1の半導体領域を有し、前
記電荷排出素子の各々は(c−2)前記チャネルを介し
て前記第1の半導体領域と電気的に接続される第2半導
体領域を更に有する。
【0026】この発明のうち請求項4にかかるものは、
請求項2記載の固体撮像素子であって、前記電荷排出素
子は、対応する前記光検出部と、当該光検出部に隣接す
る前記光検出部との間に設けられる。
【0027】この発明のうち請求項5にかかるものは、
請求項2記載の固体撮像素子であって、前記第2半導体
領域は前記電荷排出素子の何れにおいても共有される。
【0028】この発明のうち請求項6にかかるものは、
請求項2記載の固体撮像素子であって、前記第2半導体
領域は、前記チャネルを介して電気的に接続される前記
第1の半導体領域と第3の方向において対向する領域に
選択的に形成される。
【0029】この発明のうち請求項7にかかるものは、
(a)第1の方向及び前記第1の方向とは垂直な第2の
方向について2次元的な配列がなされ、それぞれが受光
した光を信号電荷に変換する、複数の光検出部と、
(b)前記信号電荷の第1の部分を前記光検出部から転
送する少なくとも一つの電荷転送手段と、(c)前記光
検出部に対応して設けられ、前記信号電荷の第2の部分
を前記光検出部から排出する電荷排出素子とを備える固
体撮像素子である。そして前記電荷排出素子は(c−
1)前記信号電荷の前記第2の部分を排出するチャネル
を発生させるMIS構造を有し、前記チャネルは前記第
1の方向及び前記第2の方向のいずれにも垂直な第3の
方向に発生する。前記電荷排出素子の各々は(c−2)
対応する前記光検出部に電気的に接続された第1の半導
体領域と、(c−3)前記チャネルを介して前記第1の
半導体領域と電気的に接続される第2半導体領域とを有
する。前記電荷排出素子は、対応する前記光検出部と、
当該光検出部に隣接する前記光検出部との間に設けられ
る。そして前記電荷排出素子の各々は(c−4)前記チ
ャネルに隣接する絶縁壁と、(c−5)前記絶縁壁を介
して前記チャネルの発生/消滅を制御するゲートとを更
に有する。そして前記ゲートは前記第2半導体領域と電
気的に接続される。
【0030】この発明のうち請求項8にかかるものは、
請求項7記載の固体撮像素子であって、前記第2半導体
領域は前記電荷排出素子の何れにおいても共有される。
【0031】この発明のうち請求項9にかかるものは、
請求項7記載の固体撮像素子であって、前記第2半導体
領域は前記チャネルを介して電気的に接続される前記第
1の半導体領域と第3の方向において対向する領域に選
択的に形成される。
【0032】この発明のうち請求項10にかかるもの
、請求項9記載の固体撮像素子であって、前記電荷排
出素子の各々は(c−6)対応する前記光検出部と共に
前記電荷排出素子自身を挟む前記光検出部に電気的に接
続され、前記チャネルを介して前記第1の半導体領域と
電気的に接続される第3の半導体領域を更に有する。
【0033】この発明のうち請求項11にかかるもの
は、請求項9記載の固体撮像素子であって、前記電荷転
送手段は前記第2の方向に配列された前記光検出部毎に
対応して設けられ、(d)前記第2の方向に走査しつ
つ、前記第1の方向毎に一斉に前記信号電荷の前記第1
部分を前記電荷転送手段へ伝達する電荷伝達制御回路
と、(e)前記電荷転送手段において電荷を前記第1の
方向へ順次転送するタイミングを制御する電荷転送制御
手段と、(f)前記第2の方向に走査しつつ、前記信号
電荷の前記第1部分が前記電荷転送手段へ伝達される時
刻よりも所定時間だけ前にパルス的に前記チャネルを発
生させる電荷排出制御回路と、(g)前記電荷転送手段
の全てに接続され、前記信号電荷の前記第1部分を前記
第1の方向毎に出力する出力部とを更に備える。
【0034】この発明のうち請求項12にかかるもの
は、請求項6記載の固体撮像素子であって、前記電荷排
出素子の各々は(c−6)対応する前記光検出部と共に
前記電荷排出素子自身を挟む前記光検出部に電気的に接
続され、前記チャネルを介して前記第1の半導体領域と
電気的に接続される第3の半導体領域を更に有する。
【0035】
【0036】
【作用】この発明のうち請求項1にかかる固体撮像素子
においては、光検出部で得られる信号電荷のうち、第2
の部分を電荷排出素子によって排出し、第1の部分のみ
を電荷転送手段に与える。通常、光検出部で得られる信
号電荷の殆どは背景信号に対応するので、第2の部分を
排出することにより、電荷転送部に与えられる背景信号
は低減される。電荷排出素子において発生するチャネル
は第3の方向に形成されるので、信号電荷の第2の部分
は第3の方向に排出される。
【0037】この発明のうち請求項2にかかる固体撮像
素子においては、第1の半導体領域、第2の半導体領域
が縦型MISトランジスタを構成し、これらの間にチャ
ネルが形成される。
【0038】この発明のうち請求項3にかかる固体撮像
素子においては、第1の半導体領域が光検出部の構成要
素となる。
【0039】この発明のうち請求項4にかかる固体撮像
素子においては、隣接する光検出部の間においてチャネ
ルが第3の方向に設けられる。
【0040】この発明のうち請求項5にかかる固体撮像
素子においては、いずれの光検出器から得られた信号電
荷に対しても、その第2の部分が第2の半導体領域へ排
出される。
【0041】この発明のうち請求項6にかかる固体撮像
素子においては、第2の半導体領域が、第3の方向に平
行な2つの方向から光検出器へ向かう光の入射を妨げな
い。
【0042】この発明のうち請求項7にかかる固体撮像
素子においては、第2半導体領域に与えられる電位によ
ってゲートに与えられる電位が制御される。
【0043】この発明のうち請求項8にかかる固体撮像
素子においては、いずれの光検出器から得られた信号電
荷に対しても、その第2の部分が第2の半導体領域へ排
出される。
【0044】この発明のうち請求項9にかかる固体撮像
素子においては、第2の半導体領域が、第3の方向に平
行な2つの方向から光検出器へ向かう光の入射を妨げな
い。
【0045】この発明のうち請求項10及び請求項12
にかかる固体撮像素子においては、第3半導体層は第1
半導体層と同様に機能するので、チャネル幅が実効的に
増大する。
【0046】この発明のうち請求項11にかかる固体撮
像素子においては、第1の方向に配列された光検出器に
おいて、所定期間において受光された光に対応する信号
電荷が転送される。
【0047】
【0048】
【0049】
【実施例】
A.固体撮像素子の構造についての実施例: (a−1)第1実施例:図1はこの発明の第1実施例に
かかる固体撮像素子の構造を模式的に示す平面図であ
る。図2及び図3はそれぞれ図1のCC線及びDD線に
おける断面構造を模式的に示す断面図である。図1乃至
図3は、従来の固体撮像素子の構造を示す図20乃至図
22にそれぞれ対応している。
【0050】固体撮像素子は、例えばp型の半導体基板
8においてモノリシックに形成されている。そして半導
体基板8には、導電型の異なる、例えばn型の半導体層
7aが埋め込まれて形成されている。
【0051】光検出器1a,1b,1cは従来の技術に
おける光検出器19a,19b,19cと同様にY方向
に配列される。また、電荷転送部3は光検出器1a,1
b,1cに対してX方向に隣接して、電荷転送部39と
同様にY方向に延びて敷設されている。この様な構造は
従来の場合と同様、X方向、Y方向のいずれにも周期的
に配列されている。即ち構成単位Wで示される構造がX
方向、Y方向のいずれにも周期的に配列されている。
【0052】ただし、電荷転送部3のX方向の寸法は、
電荷転送部39のそれよりも細い。そのため電荷転送部
3がその上部に備える電荷転送ゲート30b,30cの
幅も、電荷転送部39が備える電荷転送ゲート31b,
31cの幅よりも細い。
【0053】一方、光検出器1a,1b,1cのX方向
の寸法は、光検出器19a,19b,19cのそれより
も広い。このため、第1実施例において構成単位WのX
方向の長さWx は従来の技術における構成単位Uのそれ
x と同一であっても開口率が大きい。
【0054】従来の技術において、光検出器1a,1b
を分離していた絶縁膜15aが設けられていた位置には
縦型MOSトランジスタ4aが設けられている。同様に
して光検出器1b,1cを分離していた絶縁膜15bが
設けられていた位置には縦型MOSトランジスタ4bが
設けられている。
【0055】縦型MOSトランジスタ4aは、光検出器
1aに接続された半導体層14a及び半導体層7aをそ
れぞれソース及びドレインとする。そしてトレンチ状の
絶縁膜42aに包まれた電極41aをゲートとしてい
る。電極41aは例えば絶縁膜42a内に充填されたポ
リシリコンを用いることができる。
【0056】同様にして縦型MOSトランジスタ4b
は、光検出器1bに接続された半導体層14b及び半導
体層7a、並びに絶縁膜42bに包まれた電極41bを
ゲートとしている。
【0057】半導体層14a,14bの導電型はn型で
あり、半導体基板8の導電型と反対である。
【0058】図1が繁雑になるのを避けるために一部を
省略しているが、従来技術と同様にしてX方向に延びて
敷設される電荷伝達制御ライン5b,5cが設けられて
いるほか、電荷排出制御ライン6a,6bもX方向に延
びて敷設されている。電荷排出制御ライン6a,6bは
それぞれ縦型MOSトランジスタ4a,4bの上方を通
っており、それぞれゲート41a,41bに接続されて
いる。
【0059】縦型MOSトランジスタ4aと光検出器1
bとの間にはp型の半導体層は存在しない。両者の間に
は半導体基板8の表面が領域8bにおいて露呈してい
る。同様にして縦型MOSトランジスタ4bと光検出器
1cとの間には半導体基板8の表面が領域8cにおいて
露呈している。領域8b,8cは絶縁膜で覆われていて
もよい。
【0060】従って、縦型MOSトランジスタ4aにお
いてゲート41aに高い電位が与えられ、絶縁膜42a
の近傍の半導体基板8においてチャネル43aが形成さ
れても、縦型MOSトランジスタ4aは光検出器1aに
おいて蓄積された信号電荷のみを半導体層7aに与え、
他の光検出器、例えば光検出器1bにおいて蓄積された
信号電荷を排出することはない。即ち、各縦型MOSト
ランジスタ4a,4bは光検出器1a,1bに対応して
設けられ、対応する光検出器において蓄積された信号電
荷のみが、それぞれチャネル43a,43bを通って排
出される。
【0061】このようにして、光検出器1bに蓄積され
た信号電荷の一部(第1の部分)は従来と同様にして伝
達部21bを介して電荷転送部に伝達される一方、信号
電荷の他の一部(第2の部分)は縦型MOSトランジス
タ4bによって半導体層7aへ排出することができる。
従って、第2の部分を排出し、第1の部分のみを電荷転
送部3に伝達することにより背景信号の影響を少なく
し、各光検出器間の差異を損なわずに少量の電荷で高い
感度を得ることができる。そして電荷転送部3に必要な
面積は小さくて済む。
【0062】しかも、排出するための縦型MOSトラン
ジスタは光検出器の間に設けられるので、これに必要な
面積は小さくて済む。第1実施例においては、構成単位
Wの長さWy は、構成単位UのそれUy と同一に設定さ
れている。
【0063】このため、構成単位の面積が同一であって
も光検出器の面積(画素エリア)を増大させることがで
き、開口率を向上させることができる。そしてこのよう
に光検出器の面積が大きくなって、蓄積される信号電荷
が多量となっても、電荷転送部3において転送されるの
はその第1の部分のみであるので、電荷転送部3に必要
な面積は小さくて済む。
【0064】なお、光検出器をPN接合によって形成す
ることで、半導体層14a,14b,…の形成を省略す
ることもできる。図4に示すようにn型半導体層140
a,140b,…を基板8上で形成すれば、光検出器1
a,1b,…が構成されると共に、半導体を14a,1
4b,…の機能も果たすので、構成が簡易となる。
【0065】その一方、光検出器をショットキーダイオ
ードによって構成した場合には、半導体層14a,14
b,…がガードリングとしても機能する。
【0066】以上のようにして、第1実施例にかかる固
体撮像素子では、開口率の向上と高感度化とがトレード
オフの関係に陥ることがないので、感度の向上した固体
撮像素子を提供することができる。
【0067】特に赤外線に対して高い感度を有する固体
撮像素子においては、発生する信号電荷の殆どが、背景
温度で決まる輻射を変換したものであり、各光検出器間
の信号の差のみを電荷転送部に読み出すことにより、開
口率の向上は直接に感度の向上につながる。
【0068】或いは観点を変えれば、本発明を適用しつ
つ従来と同一の開口率に保つことにより、別の角度から
の効果を得ることができる。この場合には電荷転送部3
の領域を大きく確保できるので、信号電荷の転送におい
て必要なクロックの電圧を低減することができる。従っ
て、電荷転送部で発生する消費電力が低減されるばかり
でなく、電荷を読み出す部分での消費電力をも抑制する
ことができる。例えば電荷を読み出すのにフローティン
グディフュージョンアンプを用いる場合には、そのリセ
ットトランジスタを通過する電流が低減するので、ここ
での消費電力を低減することができる。特に、赤外線検
出に用いられる固体撮像素子のように冷却を必要とする
場合には、その冷却を行う手段に必要な電力の消費をも
抑制することになる。
【0069】なお、特許請求の範囲にいう第1の方向と
はX方向を、第2の方向とはY方向を、第3の方向とは
半導体基板8の厚み方向を指している。そして電荷転送
手段は電荷転送部3のみならず伝達部2b,2cを含め
て示している。
【0070】(a−2)第2実施例:図5はこの発明の
第2実施例にかかる固体撮像素子の構造を模式的に示す
断面図であり、図1のDD断面を示している。第2実施
例は半導体層7aの代わりに半導体層7bを設けている
点のみが第1実施例と異なる。
【0071】半導体層7bは半導体基板8に埋め込まれ
て形成されているのではなく、その一面が固体撮像素子
の裏面(光検出素子が形成されている面と反対側の面)
において露出している。このため、半導体層7bは半導
体層7aよりも容易に形成できるという効果がある。
【0072】(a−3)第3実施例:図6はこの発明の
第3実施例にかかる固体撮像素子の構造を模式的に示す
平面図である。図7は図6のEE線における断面構造を
模式的に示す断面図である。図6及び図7は、第1実施
例の固体撮像素子の構造を示す図1及び図3にそれぞれ
対応している。
【0073】第2実施例は半導体層7aの代わりに半導
体層71a,71b,…を設けている点のみが第1実施
例と異なる。但し図5が繁雑になることを避けるため、
電荷転送ゲート30b,30c、電荷転送制御ライン5
b,5c、電荷排出制御ライン6a,6bは省略されて
いる。
【0074】半導体層71a,71b,…はそれぞれ半
導体層14a,14b,…に対向するようにして半導体
基板8の裏面に選択的に形成されており、それぞれ縦型
MOSトランジスタ4a,4bのドレインとして機能す
る。
【0075】このような構成においても、光検出器1
a,1bのそれぞれにおいて蓄積された信号電荷のう
ち、背景信号に相当する第2の部分はそれぞれ縦型MO
Sトランジスタ4a,4bを介して半導体層71a,7
1bへと排出される。
【0076】半導体層71a,71b,…はX方向に延
びて形成されている。電荷転送部3に対してX方向に隣
接する光検出器1d,1e,1fの間には、縦型MOS
トランジスタ4d,4eが形成されており、半導体層7
1a,71bは、それぞれにおいてドレインとして機能
する。
【0077】従って、半導体層71a,71b,…はY
方向において同一の位置にある複数の光検出器において
蓄積される信号電荷の第2の部分を共通して排出するこ
とができる。
【0078】しかも第3実施例にかかる固体撮像素子に
おいては、半導体基板8の裏面から光が入射する場合に
も、これが光検出器に到達することを妨げることがな
い。そのため、例えば半導体基板8がシリコンで形成さ
れていた場合における赤外線の検出などのように、半導
体基板8が検出すべき光を透過させる場合には、裏面か
らの光をも検出することを妨げずに、第1実施例の効果
を得ることができる。
【0079】(a−4)第4実施例:図8はこの発明の
第4実施例にかかる固体撮像素子の構造を模式的に示す
平面図である。図9は図8のFF線における断面構造を
模式的に示す断面図である。図8及び図9は、第1実施
例の固体撮像素子の構造を示す図1及び図3にそれぞれ
対応している。
【0080】第4実施例においては第2実施例と同様
に、半導体基板8の裏面全体に半導体層7bを形成して
いる。しかし第2実施例とは異なり、光検出器1a,1
b,1cは従来技術と同様に絶縁膜15a,15bで隔
たっている。そして縦型MOSトランジスタ40a,4
0bが絶縁膜15a,15bの下方でそれぞれ形成され
ている。
【0081】縦型MOSトランジスタ40aは絶縁膜4
2bに囲まれたゲート41aを有しており、ゲート41
aは半導体層7bと接続される。これを実現するために
絶縁膜42bは第1及び第2実施例とは異なり、底面を
有しない。同様にして縦型MOSトランジスタ40bは
半導体層7bと接続されたゲート41bを有し、ゲート
41bは筒状の絶縁膜41bを介して半導体基板8と対
峙している。
【0082】このように、ゲート41a,41b,…が
同電位となるので、これらを有する縦型MOSトランジ
スタ40a,40b,…の駆動は一斉に行われる。従っ
て、固体撮像素子の全ての光検出器のリセットを一斉に
行う場合には、第4実施例に示す構造を用いることによ
り電荷排出制御ライン6a,6bを別途設ける必要がな
く、簡単な構造で第2実施例と同様の効果を得ることが
できる。
【0083】信号電荷の第2の部分の排出を行う場合に
は、各縦型MOSトランジスタ40a,40b,…のし
きい値電圧以上の電圧を半導体層7bに与え、これらを
飽和状態で駆動させる。
【0084】全ての光検出器のリセットを一斉に行う場
合には、光検出器1bと絶縁膜15aとの間に半導体層
12bを設けることができる。半導体層12bは縦型M
OSトランジスタ40aのソースとして機能し、光検出
器1bから排出されるべき信号電荷の第2の部分はチャ
ネル43bのみならず、チャネル44bからも排出され
ることになる。
【0085】同様にして、光検出器1cと絶縁膜15b
との間に半導体層12cを設け、これを縦型MOSトラ
ンジスタ40bのソースとして機能させることができ
る。
【0086】このような構成を採ることにより、第4実
施例では上記の効果の他、信号電荷の第2の部分を排出
するチャネル幅を実効的に増大させることができ、信号
電荷の第2の部分の排出を速やかに行うことができると
いう効果も付随する。
【0087】(a−5)第5実施例:図10はこの発明
の第5実施例にかかる固体撮像素子の構造を模式的に示
す平面図である。図11は図9のGG線における断面構
造を模式的に示す断面図である。図10及び図11は、
第1実施例の固体撮像素子の構造を示す図1及び図3に
それぞれ対応している。
【0088】第5実施例は半導体層7aの代わりに半導
体層72a,72b,…を設けている点のみが第4実施
例と異なる。半導体層72aはゲート41aにおいてこ
れに接続され、半導体層14a,12bに対向して設け
られている。同様にして半導体層72bはゲート41a
においてこれに接続され、半導体層14a,12bに対
向して設けられている。
【0089】縦型MOSトランジスタ49aは絶縁膜1
5aの下方において、ゲート41aと共に、半導体層1
4a,12bをソースとし、半導体層72aをドレイン
として構成される。そしてこれが駆動されることによ
り、光検出器1a,1bの蓄積する信号電荷の第2の部
分が排出される。
【0090】同様にして、縦型MOSトランジスタ49
bは絶縁膜15bの下方において、ゲート41bと共
に、半導体層14b,12cをソースとし、半導体層7
2bをドレインとして構成される。そしてこれが駆動さ
れることにより、光検出器1b,1cの蓄積する信号電
荷の第2の部分が排出される。
【0091】以上のように構成されるので、第5実施例
の第4実施例に対する関係は第3実施例の第1実施例に
対する関係と同様であり、光検出部1a,1b,1cに
半導体基板8を透過してくる光をも検出させつつ、第4
実施例と同様の効果を得ることができる。
【0092】B.固体撮像素子の駆動方法に関する実施
例:以下では、上記の様に構成された固体撮像素子の駆
動方法を説明する。簡単のため、第1実施例で示された
場合の光検出器19bに蓄積された電荷の転送に関して
説明するが、他の光検出器であっても、他の実施例であ
っても同様の説明ができる。
【0093】(b−1)第6実施例:図12はこの発明
の第6実施例を説明する、トランスファーゲート22b
に与えられる電位φTG及び縦型MOSトランジスタ4b
のゲート41bに与えられる電位φMGの変化を示すタイ
ミングチャートである。また、図13乃至図15は伝達
部2b及び縦型MOSトランジスタ4bの動作を示すポ
テンシャル図である。
【0094】電位φMGが、縦型MOSトランジスタ4b
においてチャネルを形成するのに必要な電位VMGに達し
ておらず、また電位φTGが電位VTGに達してもいないと
きには、光検出器1bにはポテンシャルの井戸が形成さ
れており、信号電荷は蓄積されて行く。このような電荷
蓄積期間TQ は時刻t1 まで継続する。そして時刻t1
の直前には図13に示されるように、電荷Q1b1 ,Q
1b2 の合計が光検出器1bに蓄えられているとする。
【0095】その後、時刻t1 において電位φTGが電位
TGに達すると、伝達部2bにおけるポテンシャルが下
がり、電荷Q1b1 が伝達部2bを通って電荷転送部3に
与えられる(図14)。電荷Q1b1 が信号電荷の第1の
部分に相当する。
【0096】そして時刻t2 において電位φTGがグラン
ド電位GNDに低下すると、再び伝達部2bにおけるポ
テンシャルが上昇し、光検出器1bから伝達部2bを介
しての電荷転送部3への信号電荷の伝達は行われない。
【0097】一方、時刻t2 において電位φMGが電位V
MGに達し、縦型MOSトランジスタ4bのチャネルポテ
ンシャルが深くなる。つまり縦型MOSトランジスタ4
bにおいてチャネルが形成され、電荷Q1b2 がチャネル
を介して半導体層7aと排出される(図15)。電荷Q
1b2 が信号電荷の第2の部分に相当する。
【0098】そしてこのときの縦型MOSトランジスタ
4bのポテンシャルレベルL2が光検出器1bのリセッ
トレベルとなる。
【0099】この後時刻t3 において電位φMGもグラン
ド電位GNDに低下すると、再びポテンシャルの井戸が
光検出器1bにおいて形成され、次に電位φTGが電位V
TGに立ち上がる時刻t4 まで電荷蓄積期間TQ が継続す
る。
【0100】以上のように、伝達部2bにおいて信号電
荷の第1の部分Q1b1 を電荷転送部3に与えるタイミン
グと、縦型MOSトランジスタ4bにおいてチャネルを
介して信号電荷の第2の部分Q1b2 を排出するタイミン
グとをずらせて固体撮像素子を駆動することにより、信
号電荷の第1の部分の転送とは別に光検出器1bに蓄積
される信号電荷のリセットレベルを設定することができ
る。
【0101】このため、縦型MOSトランジスタ4bに
おけるチャネル形成のしきい値を低く設定することによ
り、リセットレベルのポテンシャルを深く設定すること
ができる。例えばそのポテンシャルを光検出器1bの破
壊耐圧まで設定することができる。
【0102】しかも信号電荷の第1の部分を増大させる
ことがないので、信号電荷の第1の部分の転送に必要な
電荷転送部3の寸法を低減することができる。従って第
1実施例で説明されたように、画素エリアを増大させる
ことができ、固体撮像素子の感度を向上させることがで
きる。
【0103】特に、信号電荷量の多い高温背景の撮像
や、波長域が10μm帯以上の撮像において効果的であ
る。
【0104】(b−2)第7実施例:図16は、この発
明の第7実施例を説明する、電位φTG,φMGの変化を示
すタイミングチャートである。
【0105】電位φMGの活性化するタイミングは、電位
φTGの活性化が終了する時刻よりも遅い。つまり電位φ
TGの活性化が時刻t2 において終了し、その後時刻t5
において電位φMGが活性化する。そして時刻t6 におい
て電位φMGの活性化が終了する。このため、電荷蓄積期
間TQ は時刻t6 〜t4 の間に制限される。
【0106】電位φTGの活性化が終了してから電位φMG
が活性化するまでの時刻t2 〜t5においても、光検出
器1bには信号電荷が蓄積される。しかし、時刻t5
6においてこの信号電荷は縦型MOSトランジスタ4
bを介して排出される。従って、これらの電荷は電荷転
送部3によって転送されることはない。
【0107】つまり、電荷転送部3の駆動によって信号
蓄積期間TQ を自由に制御でき、電子シャッターを実現
することができる。電子シャッターを実現する技術は従
来から存在し、例えば特開昭58−125965号公報
に示されている。しかしここに開示されている技術が基
板に平行なMOSゲートを使用しているのに対し、本願
の発明では縦型MIS構造を用いているという点で異な
っており、開口率の向上という点において利点を有して
いる。
【0108】(b−3)第8実施例:図17はこの発明
の第8実施例を説明する、伝達部2b及び縦型MOSト
ランジスタ4bの動作を示すポテンシャル図である。
【0109】第8実施例においては縦型MOSトランジ
スタ4bのチャネルポテンシャルP4bを、伝達部2bの
それP2bよりも深く設定しておく。これにより、光検出
器1bにおいて蓄積される信号電荷の電荷量を制限し、
過剰な電荷を縦型MOSトランジスタ4bを介して排出
することができる。図16では電荷Q1b1 ,Q1b2 ,Q
1b3 の合計に設定しており、図12で示された場合と等
量の電荷に制限している。
【0110】このように、光検出器1bにおいて蓄積さ
れる信号電荷の過剰な電荷を縦型MOSトランジスタ4
bを介して排出することにより、過剰な電荷が電荷転送
部や他の光検出器に紛れ込む、いわゆるブルーミングと
呼ばれる現象を回避することができる。
【0111】勿論、縦型MOSトランジスタ4bのドレ
インとして機能する半導体層7aのポテンシャルは、縦
型MOSトランジスタ4bのチャネルポテンシャルより
も深く設定し、過剰な電荷を排出できるようにしておく
必要がある。
【0112】ブルーミングを回避する手段としては、特
公昭59−17581号において開示されるようなバイ
ポーラ動作のパンチスルー現象を利用するものもある
が、本願の発明では縦型MIS構造を用いているという
点で異なっている。
【0113】C.応用例: (c−1)第9実施例:図18はこの発明の第9実施例
を模式的に示す回路図であり、図19はその動作を説明
するタイミングチャートである。
【0114】図18は複数の光検出器が配列されてい
る。ここでは8行×4列の場合が例示されている。即ち
光検出器1i1,1i2,1i3,1i4(i=1〜8)が同一
行に並んでいる。また、光検出器11j,12j,…,18j
(j=1〜4)が同一列に並んでいる。
【0115】列方向には4本の電荷転送部31 ,32
3 ,34 が敷設されており、電荷転送部3j には光検
出器11j,12j,…,18jが接続されている。例えば、
第9実施例において図17に示された光検出器111,,
21,131及び電荷転送部31 の位置関係は、第1実施
例において図1に示された光検出器1a,1b,1c及
び電荷転送部3の位置関係と同様である。
【0116】簡単のため図示されないが、各光検出器に
対して図1に示された伝達部2bと同様の伝達部が設け
られており、各行において共通して制御される。電荷伝
達制御ライン91i は光検出器1i1,1i2,1i3,1i4
の各々の伝達部の駆動を制御する。電荷伝達制御ライン
91i (i=1〜8)はトランスファーゲート走査回路
91に接続されており、電荷伝達制御ライン91i の電
位φTGi を順次活性化させて行く(図19)。つまりト
ランスファーゲート走査回路91は光検出器1ijにおい
て蓄積された信号電荷を一行毎に順次列方向に走査して
電荷転送部31,32 ,33 ,34 に与えて行く。電荷
伝達制御ライン91i は第1実施例における電荷伝達制
御ライン5b,5c,…に相当する。
【0117】このようにして列方向に走査して電荷転送
部31 ,32 ,33 ,34 に与えられた信号電荷は、電
荷転送制御回路92によって順次列方向に転送されてゆ
き、蓄積部94を介して行方向電荷転送素子95に与え
られる。そして出力プリアンプ96によって信号電荷が
シリアルに読み出される。かかる技術は例えば特開昭6
0−183881号公報において開示されている。但
し、簡単のため図18においては電荷転送制御回路92
による転送の様子は示していない。
【0118】本発明の第9実施例においては、各光検出
器1ijに対して図1に示された縦型MOSトランジスタ
4bと同様の縦型MOSトランジスタが設けられてお
り、各行において共通して制御される。これらの駆動の
制御は電荷排出制御ライン93i (i=1〜8)によっ
て行われる。そして電荷排出制御ライン93i は電荷排
出制御回路93の制御を受け、図18に示されるような
電位φMGi が与えられる。電荷排出制御ライン93i
第1実施例における電荷排出制御ライン6a,6b,…
に相当する。電荷排出制御回路93は電荷転送制御回路
92と同様の構成を用いることで実現することが可能で
ある。
【0119】既に第1実施例で説明したように、それぞ
れの光検出器において蓄積される信号電荷の第2の部分
の排出は別々に制御することができる。また、第7実施
例において説明したように、電荷転送部に電荷を伝達す
るタイミングと、電荷を排出するタイミングとを異なら
せることにより、電子シャッターの機能を付与する異が
できる。従って、電位φMGi を順次活性化させて行くこ
とにより、それぞれの行における電荷蓄積期間TQ を等
しくすることができる。
【0120】電子シャッターを実現する技術は、例えば
特公昭61−17287号公報においてバイポーラ動作
を用いたものが開示されている。しかし、本願の第9実
施例では、各行毎に電荷を排出するタイミングを制御す
ることができるので、各行の電荷蓄積期間、即ちシャッ
タースピードを制御することができる。よって、全光検
出器に対するシャッタースピードを同一にすることがで
きる。
【0121】
【発明の効果】この発明のうち請求項1にかかる固体撮
像素子においては、電荷転送部に与えられる第1の部分
が低減できるので、電荷転送部に必要な面積も低減され
る。しかも第2の部分の排出に必要な電荷排出素子は、
第3の方向に信号電荷の第2の部分を排出するので、電
荷排出素子を構成するのに大きな面積を必要としない。
従って光検出部の面積を大きくすることができ、開口率
を向上させて感度を向上させることができる。
【0122】この発明のうち請求項2にかかる固体撮像
素子においては、縦型MISトランジスタが構成される
ので、第3の方向に信号電荷の第2の部分を排出するこ
とができる。
【0123】この発明のうち請求項3にかかる固体撮像
素子においては、第1の半導体領域が光検出器と別に設
ける必要がないため、構成が簡易となる。
【0124】この発明のうち請求項4にかかる固体撮像
素子においては、特に電荷排出素子の為の領域を設ける
ことなくチャネルが形成されるので、更に開口率を向上
させて感度を向上させることができる。
【0125】この発明のうち請求項5にかかる固体撮像
素子においては、第2の半導体領域が共有されるので、
単一の半導体領域で第2の半導体領域を構成することが
可能となり、簡易な構造で請求項1の効果を得ることが
できる。
【0126】この発明のうち請求項6にかかる固体撮像
素子においては、光検出器に対し、第3の方向に平行な
何れの方向から入射する光をも検出することができるの
で、特に裏面入射型の固体撮像素子において効果的であ
る。
【0127】この発明のうち請求項7にかかる固体撮像
素子においては、ゲートに電位を与えるための配線を別
途必要としないので、簡易な構造で請求項1の効果を得
ることができる。
【0128】この発明のうち請求項8にかかる固体撮像
素子においては、第2の半導体領域が共有されるので、
単一の半導体領域で第2の半導体領域を構成することが
可能となり、簡易な構造で請求項1の効果を得ることが
できる。
【0129】この発明のうち請求項9にかかる固体撮像
素子においては、光検出器に対し、第3の方向に平行な
何れの方向から入射する光をも検出することができる。
【0130】この発明のうち請求項10及び請求項12
にかかる固体撮像素子においては、光検出器から信号電
荷の第2の部分を速やかに排出することができる。
【0131】この発明のうち請求項11にかかる固体撮
像素子においては、配列された光検出器を第1の方向毎
に第2の方向に走査して信号電荷を転送する際に、全て
の光検出器に対してシャッターが開く時間を同一に設定
することができる。
【0132】
【0133】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例を示す平面図である。
【図2】 この発明の第1実施例を示す断面図である。
【図3】 この発明の第1実施例を示す断面図である。
【図4】 この発明の第1実施例を示す断面図である。
【図5】 この発明の第2実施例を示す断面図である。
【図6】 この発明の第3実施例を示す平面図である。
【図7】 この発明の第3実施例を示す断面図である。
【図8】 この発明の第4実施例を示す平面図である。
【図9】 この発明の第4実施例を示す断面図である。
【図10】 この発明の第5実施例を示す平面図であ
る。
【図11】 この発明の第5実施例を示す断面図であ
る。
【図12】 この発明の第6実施例を説明するタイミン
グチャートである。
【図13】 この発明の第6実施例を説明するポテンシ
ャル図である。
【図14】 この発明の第6実施例を説明するポテンシ
ャル図である。
【図15】 この発明の第6実施例を説明するポテンシ
ャル図である。
【図16】 この発明の第7実施例を説明するタイミン
グチャートである。
【図17】 この発明の第8実施例を説明するポテンシ
ャル図である。
【図18】 この発明の第9実施例を示す回路図であ
る。
【図19】 この発明の第9実施例を説明するタイミン
グチャートである。
【図20】 従来の技術を示す平面図である。
【図21】 従来の技術を示す断面図である。
【図22】 従来の技術を示す断面図である。
【図23】 従来の技術を示すタイミングチャートであ
る。
【図24】 従来の技術を説明するポテンシャル図であ
る。
【図25】 従来の技術を説明するポテンシャル図であ
る。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1ij 光検出器、2b,2c 伝達
部、3 電荷転送部、4a,4b 40a,40b 縦
型MOSトランジスタ、43a,43b,44b,44
c,49a,49b チャネル,41a,41b ゲー
ト、7a,7b,71a,71b,72a,72b 半
導体層。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)第1の方向及び前記第1の方向と
    は垂直な第2の方向について2次元的な配列がなされ、
    それぞれが受光した光を信号電荷に変換する、複数の光
    検出部と、 (b)前記光検出部の第1方向に隣接して前記第2方向
    に延びて敷設され、前記信号電荷の第1の部分を前記光
    検出部から転送する少なくとも一つの電荷転送手段と、 (c)前記光検出部に対応して前記光検出部の前記第2
    の方向に隣接して設けられ、前記信号電荷の第2の部分
    を前記光検出部から排出する電荷排出素子とを備え、 前記電荷排出素子は (c−1)前記信号電荷の前記第2の部分を排出するチ
    ャネルを発生させるMIS構造を有し、 前記チャネルは前記第1の方向及び前記第2の方向のい
    ずれにも垂直な第3の方向に発生する固体撮像素子。
  2. 【請求項2】 前記電荷排出素子の各々は (c−2)対応する前記光検出部に電気的に接続された
    第1の半導体領域と、 (c−3)前記チャネルを介して前記第1の半導体領域
    と電気的に接続される第2半導体領域とを有する請求項
    1記載の固体撮像素子。
  3. 【請求項3】 前記光検出部、前記電荷転送手段及び前
    記電荷排出素子は同一の半導体基板上に形成され、 前記光検出部は前記半導体基板とPN接合を形成する第
    1の半導体領域を有し、前記電荷排出素子の各々は (c−2)前記チャネルを介して前記第1の半導体領域
    と電気的に接続される第2半導体領域を更に有する請求
    項1記載の固体撮像素子。
  4. 【請求項4】 前記電荷排出素子は、対応する前記光検
    出部と、当該光検出部に隣接する前記光検出部との間に
    設けられる、請求項2記載の固体撮像素子。
  5. 【請求項5】 前記第2半導体領域は、前記電荷排出素
    子の何れにおいても共有される、請求項2記載の固体撮
    像素子。
  6. 【請求項6】 前記第2半導体領域は、前記チャネルを
    介して電気的に接続される前記第1の半導体領域と 第
    3の方向において対向する領域に選択的に形成される、
    請求項2記載の固体撮像素子。
  7. 【請求項7】 (a)第1の方向及び前記第1の方向と
    は垂直な第2の方向について2次元的な配列がなされ、
    それぞれが受光した光を信号電荷に変換する、複数の光
    検出部と、 (b)前記信号電荷の第1の部分を前記光検出部から転
    送する少なくとも一つの電荷転送手段と、 (c)前記光検出部に対応して設けられ、前記信号電荷
    の第2の部分を前記光検出部から排出する電荷排出素子
    とを備え、 前記電荷排出素子は (c−1)前記信号電荷の前記第2の部分を排出するチ
    ャネルを発生させるMIS構造を有し、 前記チャネルは前記第1の方向及び前記第2の方向のい
    ずれにも垂直な第3の方向に発生し、 前記電荷排出素子の各々は (c−2)対応する前記光検出部に電気的に接続された
    第1の半導体領域と、 (c−3)前記チャネルを介して前記第1の半導体領域
    と電気的に接続される第2半導体領域と を有し、 前記電荷排出素子は、対応する前記光検出部と、当該光
    検出部に隣接する前記光検出部との間に設けられ、 前記電荷排出素子の各々は (c−4)前記チャネルに隣接する絶縁壁と、 (c−5)前記絶縁壁を介して前記チャネルの発生/消
    滅を制御するゲートとを更に有し、 前記ゲートは前記第2半導体領域と電気的に接続され
    体撮像素子。
  8. 【請求項8】 前記第2半導体領域は、前記電荷排出素
    子の何れにおいても共有される、請求項7記載の固体撮
    像素子。
  9. 【請求項9】 前記第2半導体領域は、前記チャネルを
    介して電気的に接続される前記第1の半導体領域と第3
    の方向において対向する領域に選択的に形成される、請
    求項7記載の固体撮像素子。
  10. 【請求項10】 前記電荷排出素子の各々は (c−6)対応する前記光検出部と共に前記電荷排出素
    子自身を挟む前記光検出部に電気的に接続され、前記チ
    ャネルを介して前記第1の半導体領域と電気的に接続さ
    れる第3の半導体領域を更に有する、請求項9記載の固
    体撮像素子。
  11. 【請求項11】 前記電荷転送手段は前記第2の方向に
    配列された前記光検出部毎に対応して設けられ、 (d)前記第2の方向に走査しつつ、前記第1の方向に
    配列された前記光検出部に関して一斉に前記信号電荷の
    前記第1部分を前記電荷転送手段へ伝達する電荷伝達制
    御回路と、 (e)前記電荷転送手段において電荷を前記第1の方向
    へ順次転送するタイミングを制御する電荷転送制御手段
    と、 (f)前記第2の方向に走査しつつ、前記信号電荷の前
    記第1部分が前記電荷転送手段へ伝達される時刻よりも
    所定時間だけ前にパルス的に前記チャネルを発生させる
    電荷排出制御回路と、 (g)前記電荷転送手段の全てに接続され、前記信号電
    荷の前記第1部分を前記第1の方向に関して順次出力す
    る出力部とを更に備える、請求項9記載の固体撮像素
    子。
  12. 【請求項12】 前記電荷排出素子の各々は (c−6)対応する前記光検出部と共に前記電荷排出素
    子自身を挟む前記光検出部に電気的に接続され、前記チ
    ャネルを介して前記第1の半導体領域と電気的に接続さ
    れる第3の半導体領域を更に有する、請求項6記載の固
    体撮像素子。
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