JP3519180B2 - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP3519180B2 JP16270795A JP16270795A JP3519180B2 JP 3519180 B2 JP3519180 B2 JP 3519180B2 JP 16270795 A JP16270795 A JP 16270795A JP 16270795 A JP16270795 A JP 16270795A JP 3519180 B2 JP3519180 B2 JP 3519180B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、能動型制御を行う防振
装置に係わり、特にエンジン振動の車体への伝達を阻止
するための防振装置に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、自動車のエンジンは防振装置に
よって車体へ支持されており、この防振装置はエンジン
振動の車体への伝達を阻止している。 【0003】このような防振装置として、液体封入式防
振装置が提案されている。液体封入式防振装置は、受圧
液室と副液室とを有しており、受圧液室と副液室とが制
限通路で連結されている。この防振装置に振動が入力す
ると、制限通路での液体の共振および粘性抵抗により減
衰力が発生し、振動が吸収される。 【0004】ところで、エンジンはシリンダ内の燃料の
爆発によって回転力を発生する。この爆発による回転力
によりクランクシャフトにトルク変動が生じ、エンジン
が加振される。エンジン振動の最大のものとしては、こ
のトルク変動によるものが挙げられる。 【0005】そして、エンジンの回転数は数百〜数千回
転と幅広く、爆発の圧力変動による加振力、即ちエンジ
ン振動の周波数も幅広いものとなっている。ところが、
制限通路での共振周波数の範囲は狭く、所定の周波数の
振動は効果的に吸収できるが、所定の周波数を越えた周
波数の振動が入力すると動ばね定数が上がって振動吸収
能力が低下する。上記欠点を解消するために、制限通路
を複数個設けた液体封入式防振装置も提案されている
が、内部構造が複雑になり大型化する。従って、実際の
防振装置に設けられる制限通路の数は2〜3個が限度で
あり、広範囲の周波数にわたる振動を確実に吸収するこ
とができなかった。 【0006】そこで、図4に示すような防振装置が考え
られるようになった。この図4に示すように、この種の
防振装置は、頂部101と筒部102とをゴムなどで形
成される弾性体103で連結し、この弾性体103に
て、エンジンの重量を支持する構造となっている。 【0007】また、一対の液室となる受圧液室104及
び副液室105を設けると共に、オリフィスとなる制限
通路106を設け、この制限通路106でこれらの液室
104、105が互いに連通されている。 【0008】さらに、図4に示す防振装置では、受圧液
室104の隔壁となる板ばね107が受圧液室104の
下側に設けられ、この板ばね107の受圧液室とは反対
側に磁化可能な材料からなる振動板108が固着されて
いる。また、振動板108とは所定の間隔を有して磁石
体109が対向して取り付けられている。この磁石体1
09は、磁化可能な材料からなる電磁石本体部110
と、電磁石本体部110の振動板に対向する対向面に設
けられる永久磁石111と、これら電磁石本体部110
および永久磁石111の周囲に設けられる励磁コイル1
12とを備えてなり、電磁石本体部110と励磁コイル
112とで電磁石113を構成している。 【0009】そして、搭載されたエンジンが作動して振
動が発生した場合には、弾性体103の変形及び液室1
04、105を連通する制限通路106内の液体の共振
および粘性抵抗で振動を吸収すると共に、センサ114
からの信号に基づいて電磁石113により振動板108
を変位させて、受圧液室104の液圧をコントロールし
ている。 【0010】この場合、通常状態では、磁石体109の
永久磁石111が振動板108を引っ張る力と、振動板
108を受圧液室104側位置に保持する板ばね107
のばね力とが釣り合っていることにより、振動板108
と永久磁石111との間には所定の間隔が形成されるよ
うになっており、一方、磁石体109の励磁コイル11
2に通電して電磁石113を磁化させた際には、電磁石
113による磁力と永久磁石111の磁力との協働によ
って、振動板108が微振動変位するようになってい
る。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】ここで、このような従
来の防振装置にあっては、対峙する永久磁石111およ
び振動板108の対向面間の間隔を一定に形成すること
が製造上の問題で難しく、磁石体109に対して振動板
108が多少傾いた状態で取り付けられる場合があっ
て、特に、エンジン側から大振幅の入力が装置に加わっ
た場合や、これに伴って電磁石113に大電流を流し振
動板108を作動させる場合には、間隔の狭い部分で振
動板108と磁石体109とが衝突し、衝突音が発生す
る不具合が生じてまう。また、この不具合を生じさせな
いために、永久磁石111あるいは振動板108の対向
面にゴム等の弾性体115を貼り付け、振動板108が
永久磁石111に近接移動する際、両者の間に弾性体1
15を介在させてこの弾性体115の弾性変形によって
衝撃を緩衝し、かつ永久磁石111と振動板108とが
直接密着しないようにしている。なお、図4の例では弾
性体115を振動板108の対向面に貼着している。 【0012】しかしながら、このものは、振動板108
が磁石体109へ近接移動して弾性体115と永久磁石
111とが当接した後は、永久磁石111と振動板10
8との間に弾性体115が介在しているため、圧縮変形
された弾性体115の厚み分が永久磁石111と振動板
108との間に必要以上の間隔として残されてしまい、
振動板108が所望される移動変位を行い得ず、液室1
04内の液圧の変化を円滑に吸収することが難しくな
り、伝達された振動を吸収することが出来なくなる恐れ
がある。また、近接移動時で弾性体と対向面とが当接し
た際に必要最小限の間隔となるよう弾性体を圧縮変形さ
せることは、材質上あるいは製造上の問題から困難であ
り未だ実用に供していない。 【0013】本発明は上記事実を考慮し、振動部材と磁
石体との衝突音を発生させることなく、振動部材を最大
限に振動させ、防振特性の向上をも図れる防振装置を提
供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明は、振動発生部お
よび振動受部の一方に連結される第一の取付部材と、振
動発生部および振動受部の他方に連結される第二の取付
部材と、前記第一の取付部材と前記第二の取付部材との
間に介在配設された弾性体と、この弾性体を隔壁の一部
として振動発生時に拡縮する受圧液室と、この受圧液室
に制限通路を介して連結される副液室と、前記受圧液室
の隔壁の他の一部を構成し振動可能に支持された振動部
材と、この振動部材と対向し前記振動部材を振動させる
ための加振力を発生する磁石体を含み前記振動部材と対
向して配置された磁石体側部材と、この磁石体側部材お
よび前記振動部材のそれぞれの対向面の一方に形成され
た溝部と、基端側が前記溝部内に挿入された状態で固定
されると共に、先端側が一方の前記対向面から他方の前
記対向面側へ突出するように設けられた弾性体よりなる
ストッパー部材とを備えた防振装置であって、前記溝部
の溝幅を前記ストッパ部材における基端側の幅よりも広
くし、しかも前記振動部材が前記磁石体側部材からの磁
力で吸引され、前記振動部材が前記ストッパ部材へ圧接
すると、前記ストッパ部材が、前記溝部内から突出して
いた先端側の一部が前記溝部内へ押し込まれるように圧
縮変形されつつ、一方の前記対向面と他方の前記対向面
との間を所望の間隔に保持することを特徴とする防振装
置である。 【0015】 【作用】本発明の上記構成によれば、ストッパ部材の基
端側が溝部内に挿入された状態で固定されると共に、こ
のストッパ部材の先端側が一方の対向面から他方の対向
面側へ突出するように設けられ、前記溝部の溝幅が前記
ストッパ部材における基端側の幅よりも広くされ、しか
も振動部材が磁石体側部材からの磁力で吸引され、振動
部材が前記ストッパ部材へ圧接すると、ストッパ部材
が、溝部内から突出していた先端側の一部が前記溝部内
へ押し込まれるように圧縮変形されつつ、一方の対向面
と他方の対向面との間を所望の間隔に保持する。従っ
て、弾性体の厚みを考慮することなく振動部材を磁石体
に対し所望の微小間隔まで近接させるよう調整すること
が容易に可能である。 【0016】 【実施例】以下、さらに具体的な実施例でもって説明す
る。 【0017】図1は、本発明の一実施例を示したもので
ある。図1に示すように、この防振装置1には、第一の
取付部材としてのカップ状の下部取付台2が備えられて
いる。この下部取付台2の底板2Bは円板状とされ、下
面には取付ボルト3が立設されている。底板2Bの周囲
は円筒状の立壁部2Aとされ、上端部には半径方向外方
に延びるフランジ部2Cが形成されている。 【0018】この下部取付台2は、本実施例では、自動
車の車体4へ載置され、前記取付ボルト3へナット5が
螺合することによって固定されている。 【0019】下部取付台2の上側には外筒6が配設され
ている。この外筒6の下端部には板ばね7が固定され、
外筒6の開口部を蓋閉している。板ばね7の下方には平
面状の下面8Aを有する振動板8がボルト9で螺着さ
れ、すなわち振動板8が板ばね7によって懸架されるよ
う構成されている。なお、板ばね7と振動板8とで振動
部材10を構成する。 【0020】外筒6は、上側へ行くにしたがって内外径
が拡大されており、上側の内周に環状の弾性体11が加
硫接着されている。弾性体11の一部は後述する外筒6
のフランジ部6Aまで薄肉状に延設されている。弾性体
11としては、天然ゴム,ブタジエンゴム,スチレンブ
タジエンゴム,あるいはこれらの混合ゴムなどの公知の
ゴム材が用いられている。 【0021】外筒6の下端部にはフランジ部6Aが設け
られており、フランジ部6Aの外周側が内側に絞られ
て、前記下部取付台2のフランジ部2Cとの間に板ばね
7を挟持している。 【0022】弾性体11の中央には固着部12が配設さ
れている。固着部12は、上側へ行くにしたがって内外
径が拡大されたカップ状とされ、上端にはフランジ部1
2Bが形成されており、円筒部12Aの外周面からフラ
ンジ部12Bの一部にかけて前記弾性体11が加硫接着
されている。 【0023】固着部12の上側には、第二の取付部材と
しての空気室形成部13が配設される。 【0024】空気室形成部13は、略ハット状に形成さ
れており、下端のフランジ部13Aが固着部12のフラ
ンジ部12Bの外周でカシメ固定されている。 【0025】固着部12と空気室形成部13との間に
は、ダイアフラム14が配設されており、ダイアフラム
14の周縁部は前記固着部12のフランジ部12Bと空
気室形成部13のフランジ部13Aとの間に挟持されて
いる。 【0026】空気室形成部13とダイアフラム14との
間は空気室15とされており、内部は必要に応じて外気
と連通される。また、空気室形成部13の外側軸芯部に
はエンジン側の取り付け要とされる取付ボルト16が立
設されている。 【0027】この空気室形成部13には、図示しないエ
ンジンが取り付けられたブラケット17が搭置されてお
り、ブラケット17を貫通した取付ボルト16にはナッ
ト18が螺合されている。 【0028】固着部12とダイアフラム14との間は副
液室19とされており、固着部12と板ばね7との間
は、受圧液室20とされている。固着部12の底部12
Cの中央には透孔21が穿設されており、この透孔21
に臨むように制限通路形成部材22が副液室19側に配
設されている。制限通路形成部材22は、副液室19の
内壁に沿ったカップ形状に形成されており、副液室19
の内側に嵌められて副液室19と受圧液室20との間の
隔壁として機能する。さらに制限通路形成部材22に
は、その外周にCの字状に周溝が形成されて、副液室1
9内壁との間で制限通路22Aを構成する。前記周溝の
両端部の一方は副液室19に、他方は受圧液室20にそ
れぞれ連通している。 【0029】なお、これら受圧液室20、副液室19の
内部にはエチレングリコール等の液体が充填されてい
る。 【0030】下部取付台2には電磁石23が取り付けら
れている。この電磁石23は、磁化可能な材料からなる
電磁石本体部24と励磁コイル25とから構成されてい
る。 【0031】電磁石本体部24は、例えば軟鉄等で円筒
形状に形成され、その一端面が前記振動板8の下面8A
と対向配置される。この一端面と下面8Aとは同心的に
かつ同面積を有するよう構成されている。そして、前記
一端面側には同心的に円環状の凹溝24Aが刻設され、
すなわち本体部24は、一端面側で中央円筒部24Bと
外周環状部24Cとに分離されて構成される。この凹溝
24Aには後述するように励磁コイル25が収納され
る。また、中央円筒部24Bおよび外周環状部24Cの
端面24D、24Eは平滑に形成され、且つ中央円筒部
24Bの端面24Dより外周環状部24Cの端面24E
の方が軸方向外方に突出して位置するように構成されて
いる。 【0032】励磁コイル25は、樹脂等の絶縁物からな
るコイルボビン26を有し、このコイルボビン26は、
電磁石本体部24の周囲に配設される巻胴部26Aと、
この巻胴部26Aの両端に形成された上方フランジ部2
6Bおよび下方フランジ部26Cとから構成される。こ
のコイルボビン26には、巻胴部26Aの外周側で且つ
上方フランジ部26Bと下方フランジ部26Cとの間に
線材27が巻回され、これによって励磁コイル25を構
成している。 【0033】なお、下方フランジ部26Cには線材27
への通電用電線28が取り付けられ、この下方フランジ
部26C部分で電線28の一端と線材27とが接続され
る。電線28は装置外部へ引き出され、他端が電源側に
接続されている。 【0034】また、前記中央円筒部24Bの端面24D
には平板状の永久磁石29が貼着されている。そしてこ
の永久磁石29の上面29Aは前記振動板8の下面8A
から所定寸法離間して配置され、前記上面29Aと前記
下面8Aとは平行に構成される。なお、永久磁石29の
上面29A側と下面29B側とはそれぞれ互いに異極と
なるよう着磁されている。この永久磁石29と電磁石2
3とで磁石体30を構成している。 【0035】ここで、前記外周環状部24Cの円環状の
端面24Eは、前記永久磁石29の上面29Aと同一平
面位置となるよう構成されている。この端面24Eは、
必要に応じて上面29Aより前記下面8Aから離間した
位置に来るよう構成されてもよく、すなわち、この端面
24Eが前記上面29Aより前記下面8A側に突出しな
いように構成されることが好ましい。 【0036】また同様に、前記コイルボビン26におけ
る上方フランジ部26Bの上方端面31は、前記永久磁
石29の上面29Aと同一平面位置となるよう構成され
ている。この上方端面31は、必要に応じて上面29A
より前記下面8Aから離間した位置に来るよう構成され
てもよく、すなわち、この上方端面31が前記上面29
Aより前記下面8A側に突出しないように構成されるこ
とが好ましい。 【0037】前記上方フランジ部26Aの上方端面31
には、凹部としての周溝32が円環状に刻設され、この
周溝32には、ストッパー部材としてのゴム環状体33
が設置されている。ゴム環状体33は、天然ゴム,ブタ
ジエンゴム,スチレンブタジエンゴム,あるいはこれら
の混合ゴムなどの公知のゴム材で構成され、前記振動板
8への対向面は曲面で形成されている。従って、ゴム環
状体33と振動板8とが当接する際には円環状に線接触
することとなる。 【0038】このゴム環状体33は、振動板8が当接し
ない自然状態で、前記永久磁石29の上面29Aより前
記振動板8の下面8A側に突出するように構成されてい
る。また、振動板8が大きな磁力で吸引されると、この
振動板8の下面8Aとゴム環状体33の突出部分は当接
し、ゴム環状体33は圧縮変形されてその突出部分の多
くは周溝32内へ押し込まれ、そしてこの状態で、前記
上面29Aと前記下面8Aとの間が所望の微小間隔とな
るように構成されている。 【0039】なお、前記永久磁石上面29Aと前記振動
板下面8Aとの間に形成された隙間34は、必要に応じ
て密閉された空気室として構成される。 【0040】次に本実施例の作用を説明する。車両が例
えば70〜80km/hで走行するとエンジンのシェイ
ク振動(例えば、周波数15Hz未満)が発生する。そ
してこのシェイク振動が防振装置1に入力されると、振
動は空気室形成部13及び固着部12を介して弾性体1
1へ伝わり、これによって弾性体11が弾性変形して受
圧液室20が拡縮する。受圧液室20が拡縮すると、内
部の液体が制限通路22Aを介して受圧液室20と副液
室19との間を行き来し、液体が制限通路22A内で共
振することによって大きな減衰力が発生する。これによ
って、エンジンシェイク振動が吸収される。 【0041】また、エンジンがアイドリング運転の場合
にはアイドル振動(例えば、周波数20〜50Hz)が
生じ、さらに、車速が100km/h以上、エンジン回
転数が3000rpm以上の場合等には、こもり音の発
生原因となる高周波振動(例えば、周波数80Hz以
上)が生じる。そして、これらの振動が入力されると上
述のシェイク振動吸収用の制限通路22Aは目詰まりを
起こし、振動を吸収し得なくなるが、本実施例の防振装
置1では、受圧液室20の液圧が上昇しないように振動
板8の振動が制御されるので、制限通路22Aの中を液
体が流れなくなるような高い周波数の振動が入力しても
動ばね定数が高くなることはなく、周波数の高い振動を
吸収することができる。 【0042】振動板8は、電磁石23の励磁コイル25
に通電されていないとき、永久磁石29が板ばね7を弾
性変形させながら振動板8を吸引しているため、永久磁
石29による磁力と振動板8を懸架している板ばね7の
ばね力とが釣り合った位置に保持され、このとき振動板
8と永久磁石29とは所定の間隔を隔てて対峙すること
になる。 【0043】この状態から、装置に伝達された高周波数
の振動に応じて、励磁コイル25に対し一方向の電流が
流されると、電磁石23は磁化されて板ばね7のばね力
に抗して振動板8を吸引し、振動板8を電磁石23側に
移動変位させる。このとき、振動板8の下面8Aとゴム
環状体33とは当接し、ゴム環状体33は前記下面8A
と周溝31の底面とで挟まれて圧縮変形され、振動板8
は隙間34を狭めながら所定の変位位置まで移動する。
なお、電磁石23の使用範囲中で最も大きな磁力で吸引
されたとき、振動板8と磁石体30とは、永久磁石29
の上面29Aより振動板8側に僅かに突出したゴム環状
体33によって、隙間34の間隔が僅かな微小間隔とな
る位置で対峙するよう構成されており、従って、振動板
8は磁石体30に対し常に直接密着することはない。 【0044】さらに、励磁コイル25に対し他方向の電
流が流されると、電磁石23による磁力線方向は反転し
て永久磁石29の磁力線と逆方向となり、永久磁石29
の吸引力を弱めるため、板ばね7のばね力によって、振
動板8は通電していない状態の位置よりさらに電磁石2
3とは離間方向に移動変位する。 【0045】従って、上述のように高周波数の振動に応
じて振動板8が振動するため、受圧液室20の液圧を可
変制御して周波数の高い振動を吸収することができる。 【0046】次に、本発明に係る防振装置の第二実施例
を図2に示し、この図に基づき本実施例を説明する。な
お、第一実施例で説明した部材と同一の部材は重複した
説明を省略する。 【0047】図2に示すように、下部取付台2における
円筒状の立壁部2Aの内周側には、段部2Dが形成され
ている。この立壁部2Aは電磁石23におけるハウジン
グを構成しており、そして段部2Dの端面2Eは、振動
板8の下面8A周縁部分と対向して配置される。端面2
Eには円環状の周溝32が刻設され、この周溝32には
円環状のストッパー部材としてのゴム環状体が配設さ
れ、振動板8が磁石体30に近接移動する際に当接可能
に構成される。そして、この例の装置においても、実施
例1の装置と同様に、隙間34の間隔が僅かな微小間隔
となるよう振動板8を保持するものである。 【0048】次に、本発明に係る防振装置の第三実施例
を図3に示し、この図に基づき本実施例を説明する。な
お、第一実施例で説明した部材と同一の部材には同一に
符号を付し、重複した説明を省略する。 【0049】この例の防振装置は、特にディーゼルエン
ジンを支持するに適したもので、すなわち、ディーゼル
エンジンはガソリンエンジンに比べ数倍大きな振幅の振
動が発生するものがあり、その場合には、振動部材の振
動のみによってでは高周波振動に対して十分ばね定数を
下げることが困難となるものであるが、本装置はこれに
対処したものである。図3に示すように、外筒6にはそ
の両端にフランジ部6A,6Bが形成され、これらフラ
ンジ部6A,6Bには筒状の閉蓋部材37がカシメ固定
されている。閉蓋部材37の周面上には少なくとも1箇
所の窓部が穿設され、この窓部はゴム膜からなる第二の
ダイヤフラム39が加硫接着等により固着され閉塞され
る。そしてこの外筒6,閉蓋部材37および第二のダイ
ヤフラム39により液密に形成された空間内には、エチ
レングリコール等の液体が充填され第二の副液室38が
構成される。 【0050】また、フランジ部6A,6B間の外筒外周
には樹脂等からなる第二の制限通路形成部材35が環装
されている。この第二の制限通路形成部材35には、そ
の内周にCの字状に周溝が形成されて、外筒6の外周と
の間で第二の制限通路36が構成されている。前記周溝
の両端部の一方は、外筒6の外周に穿設された透孔6C
で受圧液室20と連通され、またその他方は、第二の制
限通路形成部材35に穿設された透孔35Aで第二の副
液室38と連通されている。この第二の制限通路36
は、アイドル振動を吸収するように調整され、上述した
制限通路22Aよりもその断面積が大きく、また長さは
短く形成されることが好ましい。 【0051】この例の防振装置における作用を説明する
と、まず、エンジンのシェイク振動(例えば、周波数1
5Hz未満)が防振装置1に入力されると、この振動に
伴う受圧液室20の拡縮によって内部の液体が制限通路
22Aを介して受圧液室20と副液室19との間を行き
来し、液体が制限通路22A内で共振することによって
大きな減衰力が発生しこのシェイク振動が吸収される。 【0052】また、エンジンのアイドル振動(例えば、
周波数20〜50Hz)やこもり音の発生原因となる高
周波振動(例えば、周波数80Hz以上)が防振装置1
に入力されると、制限通路22Aは目詰まりを起こして
液体は流通しなくなるが、入力振動に応じて励磁コイル
25に対し所定の電流が反転供給されることによって電
磁石23は振動部材10を振動させ、受圧液室20の液
圧を可変制御して周波数の高い振動を吸収するよう作用
する。なお、振動板8と磁石体30とは、ゴム環状体3
3によって隙間34の間隔が僅かな微小間隔となる位置
で対峙するよう構成されており、従って、振動板8は磁
石体30に対し常に直接密着することはない。さらに、
本実施例のものは、アイドル振動を吸収するよう調整さ
れた第二の制限通路36を有しており、従って、アイド
ル振動が入力されると、この振動に伴う受圧液室20の
拡縮によって内部の液体が第二の制限通路36を介して
受圧液室20と第二の副液室38との間を行き来し、液
体が第二の制限通路36内で共振することによって大き
な減衰力が発生し、アイドル振動が吸収されるように作
用する。 【0053】このことは、例えばディーゼルエンジンで
は一般に発生する振動が大きく、また、振動部材を振動
させる周波数領域の中ではアイドル振動は比較的振幅が
大きいため、振動部材による制御だけではアイドル振動
を確実に抑制し難い場合も想定されるが、本実施例で
は、アイドル振動の際に振動部材の振動と第二の制限通
路における液体の流動との共働により、アイドル振動を
確実に吸収することができる。 【0054】なお本実施例のものにおいては、アイドル
振動発生時には振動部材を振動することなく第二の制限
通路における液体の流動のみで振動を抑制し、それより
高周波の振動発生時のみ振動部材を振動させて振動吸収
させるよう制御してもよい。 【0055】なお、上述の三つの実施例においては、ス
トッパー部材として円環状のゴムを用いたが、同一円上
に複数個のゴムを連続的、あるいは不連続的に配置する
ようにしてもよく、この場合には、設置箇所に対応した
溝構造としてもよい。また、ストッパー部材を設置する
溝は、永久磁石29の上面29Aあるいは電磁石本体部
24における外周環状部24Cの端面24Eに刻設して
もよい。さらに、ストッパー部材を設置する溝は、振動
板8の下面8Aに形成し、この溝内にゴム環状体を貼着
して構成してもよい。 【0056】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、請求の
範囲に記載した構成により、振動部材と磁石体との衝突
音を発生させることなく、振動部材を最大限に振動さ
せ、防振特性の向上をも図れる防振装置を提供すること
が出来る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を示した縦断面図である。 【図2】本発明の他の実施例を示した縦断面図である。 【図3】本発明のさらに他の実施例を示した縦断面図で
ある。 【図4】本発明の従来技術を示した縦断面図である。 【符号の説明】 1 防振装置 2 下部取付台(第一の取付部材) 7 板ばね(振動部材) 8 振動板(振動部材) 11 弾性体 13 空気室形成部(第二の取付部材) 14 ダイアフラム 19 副液室 20 受圧液室 22A 制限通路 23 電磁石(磁石体) 29 永久磁石(磁石体) 32 周溝(凹部) 33 ゴム環状体(ストッパー部材) 34 隙間

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 振動発生部および振動受部の一方に連結
    される第一の取付部材と、振動発生部および振動受部の
    他方に連結される第二の取付部材と、前記第一の取付部
    材と前記第二の取付部材との間に介在配設された弾性体
    と、この弾性体を隔壁の一部として振動発生時に拡縮す
    る受圧液室と、この受圧液室に制限通路を介して連結さ
    れる副液室と、前記受圧液室の隔壁の他の一部を構成し
    振動可能に支持された振動部材と、この振動部材と対向
    し前記振動部材を振動させるための加振力を発生する磁
    石体を含み前記振動部材と対向して配置された磁石体側
    部材と、この磁石体側部材および前記振動部材のそれぞ
    れの対向面の一方に形成された溝部と、基端側が前記溝
    部内に挿入された状態で固定されると共に、先端側が一
    方の前記対向面から他方の前記対向面側へ突出するよう
    に設けられた弾性体よりなるストッパー部材とを備えた
    防振装置であって、前記溝部の溝幅を前記ストッパ部材における基端側の幅
    よりも広くし、 しかも前記振動部材が前記磁石体側部材からの磁力で吸
    引され、前記振動部材が前記ストッパ部材へ圧接する
    と、前記ストッパ部材が、前記溝部内から突出していた
    先端側の一部が前記溝部内へ押し込まれるように圧縮変
    形されつつ、一方の前記対向面と他方の前記対向面との
    間を所望の間隔に保持する ことを特徴とする防振装置。
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