JP3518728B2 - 隔膜型電気化学式ガス検出器 - Google Patents

隔膜型電気化学式ガス検出器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術の分野】本発明は、気体透過性の隔
膜を介して気体を電解液に接液させ、隔膜に形成されて
いる作用極と対極との間の電気的変化から気体の濃度を
検出する隔膜型電気化学式ガス検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】隔膜型電気化学式ガス検出器は、気体透
過性を備えたテフロンなどの多孔質材からなる隔膜の接
液側に作用極となる金属膜を形成して対極とともに電解
液に浸漬し、隔膜を透過した気体による作用極と対極と
の間の電気的変化により気体の濃度を検出するように構
成されている。
【0003】このような検出器は、隔膜を介して容器内
の電解液に気体を取り込む関係上、隔膜やセルを構成す
る容器の大気開放口から電解液の水分が蒸発して、極端
な場合には電解液の水位が隔膜よりも下方に低下して検
出が不能となったり、また検出器の姿勢の変化により作
用極全体が大気に晒されて作用極の特性が極端に変動し
て、次の測定までに時間を要する等の問題がある。
【0004】このような問題を解消するため、通常、作
用極の表面にセルの底部まで延びる濾紙等の多孔質シー
トを接触させ、電解液の液面が低下したり、検出器全体
の姿勢が変化した場合にも、多孔質シートに吸収されて
いる電解液により作用極が直接空気に接触するのを防止
して、検出不能となるのを回避することが行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、輸送等によ
り急激な気圧の変動を受けると、外側を凸とするように
隔膜が塑性的に変形してしまい、多孔質シートとの間に
間隙が生じることがある。このように一旦間隙が形成さ
れてしまうと、電解液を吸収している多孔質シートが隔
壁として作用し、電解液の作用極側への移動を阻止して
いまい、検出器の姿勢に関わりなく作用極が大気に晒さ
れてしまうという新たな問題が発生する。このような問
題を解消するために、特開平9-318589号公報に見られる
ように接液側に作用極が形成された気体透過性の隔膜に
より封止された窓を備えたセルに、硫酸と常温で固体状
のポリエチレングリコール、例えば分子量が200万以
上のものを、4wt%以上含有させた隔膜型電気化学式
ガス検出器を提案した。
【0006】これによれば、接液側に作用極が形成され
た気体透過性の隔膜により封止された窓を備えたセル
に、硫酸とポリエチレングリコールとを混合して調製さ
れた電解液と、対極とを収容して、ポリエチレングリコ
ールの粘着性により作用極を常に接液状態に維持するこ
とができるものの、時間の経過とともに粘性が徐々に低
下し、さらにはガス検出感度が経時的に大きく変化する
等の不都合が見いだされた。本発明はこのような問題に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、検出感度の経時的変化を抑え、かつ粘性やガス検出
感度の経時的変化を或程度抑制することができる隔膜型
電気化学式ガス検出器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、接液側に作用極が形成され
た気体透過性の隔膜により封止された窓を備えたセル
に、10規定以下の硫酸と分子量400万以上のポリエ
チレングリコール、前記ポリエチレングリコールが
1.0乃至3.5wt%となるように混合した電解液を
収容するようにした。
【0008】
【発明の実施の態様】そこで以下に本発明の詳細を図示
した実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実
施例を定電位電解式ガス検出器に例を採って示すもので
あって、図中符号1は、セル容器で、後述する電解液2
を収容し、その対向する2つの面には通孔3、4が設け
られている。一方の通孔3には、これを封止するように
外側にOリング等のパッキング5を介してガス導入口6
a,6a‥‥を有する押さえ蓋6により隔膜7が液密に
張設されている。
【0009】隔膜7は、電解液側に被検ガスを酸化、還
元するのに適した金属、例えば酸化白金(PtO)や、
酸化ルテリウム(RuO2)等の金属の微粉末とフッ素
樹脂粉末を混合したものを、通気性と撥水性を備えたフ
ッ素樹脂等の多孔質膜8に塗布、焼結したり、また反応
性スパッタリング等により作用極となる膜9が作り付け
て構成されている。
【0010】また、他方の通孔4には対極に適した物質
の膜10を形成した隔膜11が押さえ蓋12より液密に
設けられている。
【0011】これら作用極、対極となる膜9、10はリ
ード線を介して測定回路に接続され、これら膜9、10
間を流れる検出器電流を測定して被検ガスの濃度を測定
するようなっている。
【0012】一方、電解液2は、被検ガスに対して作用
極となる膜9とともに酸化、還元反応を起こすための主
成分となる10規定以下の硫酸に、膜9、10に粘着し
て表面から流れ落ちない程度の粘着度を発現させる濃
度、この実施例では、分子量が400万以上のポリエチ
レングリコールを1.0乃至3.5wt%を混合して調
整されている。
【0013】この実施例において、被検ガスが隔膜
透過して、電解液2に溶け込むと、電解液2で被検ガス
の解離反応と、作用極となる膜9での酸化反応や還元反
応が進行して、透過した被検ガスの濃度に比例した電子
が生成され、検出器電流が流れる。
【0014】一方、使用中には電解液2を構成している
硫酸がその吸水性により大気中の水分をセル容器1内に
取り込む。この取り込まれた水分は、ポリエチレングリ
コールの極めて高い親水性により電解液全体に溶解し
て、流れ出し易い水自体として残存することができな
い。
【0015】一方、電解液の水分が徐々に蒸発すると、
電解液に含まれているポリエチレングリコールの濃度が
上昇して粘着力が大きくなり、膜9、10の表面に薄い
層2aを形成しつつ水位を低下させることになる。もと
より、隔膜型電気化学式ガス検出器は、作用極、及び対
極の膜9、10が電解液2により湿潤されて、導電関係
が維持されていれば、ガス検出機能を失うことが無いの
で、外部から流れ込んだ気体の濃度に対応した検出器電
流が発生する。
【0016】また、検出器全体の姿勢が極端に変化して
電解液2が膜9、10から離れた場合にあっても、上述
したように電解液2はポリエチレングリコールの高い粘
着力により膜9、10及びセル容器1の内面に薄い層を
形成してこれらを電解液2で湿潤させて導電関係を維持
するので、元の姿勢に戻された状態では、気体の濃度に
対応した検出信号を直ちに出力する。
【0017】ちなみにポリエチレングリコールを3.5
wt%含む本実施例では検出器を転倒させて24時間放
置した場合でも被検ガスを正常に測定することができ、
ポリエチレングリコールの濃度を1.0wt%まで低下
させた場合にあっても転倒時間が3時間程度であれば被
検ガスを測定することができた。
【0018】なお、長時間の使用により封止領域のOリ
ング等のパッキン5がへたって封止力が低下したり、ま
た製造過程で封止領域に異物が混入していた場合にも、
電解液2がポリエチレングリコールにより粘着力と粘性
を高められているため、漏れ出すことができない。すな
わち、図1のパッキン5と隔膜7との間に直径0.2m
mの白金線を介装して一部領域の封止力を強制的に低下
させ、電解液のポリエチレングリコールの濃度を変えて
漏洩の有無を検査した。1.0wt%未満のものでは漏
れ出しが生じたものの、1.0wt%以上で含むものに
あっては漏洩が見られなかった。
【0019】また、ポリエチレングリコールが検出感度
に及ぼす影響を調査するため、被検ガスの濃度を一定に
維持して、電解液中のポリエチレングリコールの濃度を
変えながら検出器電流を調査したところ、図2に示した
ように分子量400万以上のポリエチレングリコールを
含有する電解液は、検出感度が最も高く、しかも経時的
変化が少なかった。
【0020】一方、硫酸として6規定、10規定、18
規定のものを用意し、これらに分子量400万以上のポ
リエチレングリコールを3.5wt%含有させて電解液
を調製し、検出感度の経時変化を調査したところ、図3
に示したように10規定以下のものでは、検出器電流の
変化が極めて少なかった。同様に粘度の経時的変化を調
査したところ、10規定以下の硫酸では粘度の低下が見
られず、硫酸によるポリエチレングリコールの分解を防
止できることが判明した。
【0021】また、念のため電解液の色の変化を調査し
たところ、表1に示したように硫酸濃度6規定の電解液
では色変化がなく、また10規定のものでは、検出器の
寿命程度の時間では変化がほとんど無かった。
【0022】
【表1】
【0023】なお、10規定の硫酸にポリエチレングリ
コールを溶解させた電解液を遮光性容器に収容して自然
光の下に放置したところ、粘度の低下の度合、及び変色
の進行を効果的に防止できることが判明した。 このこ
とから、セルを遮光性材料により構成することにより、
電解液の経時的変化を一層確実に防止することができ
る。
【0024】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
ポリエチレングリコールの粘着力により液位や姿勢が変
化した場合にでも、作用極が電解液の層を介して接液状
態に維持されて検出不能に至る事態を避けつつ、センサ
ーとしての感度の経時的変化や、また電解液の粘性の低
下を可及的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す装置を、電解液の水位
が低下した状態で示す図である。
【図2】ポリエチレングリコールの分子量毎の検出感度
の経時変化を示す線図である。
【図3】硫酸の濃度毎の検出感度の経時的変化を示す線
図である。
【図4】硫酸の濃度毎の電解液濃度の経時的変化を示す
線図である。
【符号の説明】
1 セル容器 2 電解液 3 窓 9 作用極となる膜 10 対極となる膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−318589(JP,A) 特開 平9−243594(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 - 27/49

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接液側に作用極が形成された気体透過性
    の隔膜により封止された窓を備えたセルに、10規定以
    下の硫酸と分子量400万以上のポリエチレングリコー
    、前記ポリエチレングリコールが1.0乃至3.
    5wt%となるように混合した電解液収容した隔膜型
    電気化学式ガス検出器。
  2. 【請求項2】 前記セルが遮光性材料により構成され
    ている請求項1に記載の隔膜型電気化学式ガス検出器。
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