JP3515766B2 - 二硫化炭素の除去方法 - Google Patents
二硫化炭素の除去方法Info
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Description
して知られる二硫化炭素の除去方法に関する。
炭素(CS2 )は、きわめて引火性が強く、無色で屈折
率の大きい液体であり、ガス化して空気と混合すると爆
発する危険性が高い(爆発限界1.3〜50.0%)こ
とが知られている。従って、例えば、PFC(パーフル
オロコンパウンド)を分離精製する際、障害となるSF
6 を活性炭により分解する場合、系内に遊離した硫黄と
活性炭とが局所的な温度上昇のもとで反応し、副生成物
としてCS2 が発生すると、精留塔内に排出されずに蓄
積され、長期運転時に濃縮が進み、それがために、爆発
する危険が高まるので、その発生を抑制するか、適切に
除去する必要があった。
で精留塔中に残留した成分中のCS 2 、具体的にはPF
C混合物中のSF6 の分解成分と活性炭との反応により
発生したCS2 を含むガス等のガス混合物中のCS
2 を、低エネルギーで、簡便に効率的に除去できる方法
を提供することにある。
含むガスと水酸化カルシウムもしくはソーダライムと
を、水酸化カルシウムもしくはソーダライム中の水分量
を減少させるとともに水酸化カルシウムもしくはソーダ
ライム中の二酸化炭素(CO2)を除去もしくは減少させ
た状態で、接触させることを特徴とする二硫化炭素の除
去方法を提供することにより、上記目的を達成したもの
である。
方法について詳しく説明する。水酸化カルシウムもしく
はソーダライム中の水分量を減少させるとともに二酸化
炭素を除去もしくは減少させる方法としては、水酸化カ
ルシウムもしくはソーダライムを冷却処理及び不活性ガ
ス雰囲気下での加熱処理を行う方法、水酸化カルシウム
もしくはソーダライムを不活性ガス雰囲気下での加熱処
理を行う方法、水酸化カルシウムもしくはソーダライム
に不活性ガスをパージする方法等が挙げられる。
イムを冷却処理及び加熱処理を行う方法の好ましい具体
例としては、水酸化カルシウムもしくはソーダライム
を、0℃前後に冷却した後、窒素等の不活性ガス雰囲気
下で25〜300℃で加熱処理を行うことである。水酸
化カルシウムもしくはソーダライムを冷却処理すること
により、水酸化カルシウムもしくはソーダライム中の二
酸化炭素を低減することができ、その後不活性ガス雰囲
気下で加熱処理することにより、水酸化カルシウムもし
くはソーダライム中の水分量(OHの量)をも減少させ
ることができる。周知のように、水酸化カルシウムは、
加熱とともに、水分を放出して行き、580℃で酸化カ
ルシウムになる。しかしながら、通常の(例えば市販
の)水酸化カルシウムもしくはソーダライムを、30〜
300℃、好ましくは50〜200℃、特に好ましくは
60〜100℃の温度下で、好ましくは8時間以下、特
に好ましくは0.5〜2.0時間加熱処理すると、水酸
化カルシウムもしくはソーダライムが活性化し、二硫化
炭素(CS2)を吸着する作用が増加する。即ち、水酸化
カルシウムもしくはソーダライムは、通常含有する水分
量であっても、また水分量を減少しすぎても、吸着の効
果は良くない。
は、二酸化炭素の吸着剤として知られているが、大気中
等の環境下で水酸化カルシウムやソーダライムに取り込
まれた二酸化炭素が、水酸化カルシウムやソーダライム
によるCS2 の吸着を阻害する。更に、水酸化カルシウ
ムもしくはソーダライムを加熱処理すると、取り込まれ
ていた二酸化炭素自身と反応し、安定な炭酸カルシウム
が生成することによって、CS2 吸着の効果を低下させ
てしまう。そのため、このような二酸化炭素を取り除く
ことにより、吸着効果が向上するのである。二酸化炭素
の除去方法としては、水酸化カルシウムもしくはソーダ
ライムを所定温度まで冷却する方法が挙げられる。具体
的な温度としては−30〜10℃、好ましくは−20〜
3℃、特に好ましくは−10〜0℃までに冷却すること
が必要である。このように冷却して二酸化炭素の溶解度
を減少させることにより、取り込まれた二酸化炭素を脱
離させる。この冷却は、不活性ガス雰囲気下で行うこと
が好ましい。以上のように、不活性ガス雰囲気下で所定
温度まで冷却後、不活性ガス雰囲気下で25〜300
℃、好ましくは50〜200℃、更に好ましくは60〜
100℃まで加熱処理を行うことにより、水酸化カルシ
ウムもしくはソーダライム中の水分量を減少させるとと
もに水酸化カルシウムもしくはソーダライム中の二酸化
炭素を効率的に除去もしくは減少させることができる。
イムを冷却せずに不活性ガス雰囲気下での加熱処理のみ
を行う方法の場合は、水酸化カルシウムもしくはソーダ
ライムを窒素等の不活性ガス雰囲気下で好ましくは30
〜300℃、更に好ましくは50〜200℃、特に好ま
しくは60〜100℃で加熱処理を行うのが良い。
ーダライムに不活性ガスをパージする方法の好ましい具
体例としては、不活性ガスが窒素であり、水酸化カルシ
ウムもしくはソーダライムの1.0gに対し、窒素を
0.003〜0.040m3 、更に好ましくは0.02
0〜0.040m3 、特に好ましくは0.030〜0.
040m3 パージすることである。不活性ガスのパージ
量が少ないと、二酸化炭素及び水分量を低減できず、ま
た0.040m3 を超えて0.10m3 まで多くして
も、効果はほぼ同じである。
炭素を除去もしくは減少させることにより、水酸化カル
シウムもしくはソーダライムが、二酸化炭素に阻害され
ることなく有効に二硫化炭素を吸着できるので好まし
い。
り前処理した水酸化カルシウムもしくはソーダライムと
二硫化炭素を含むガスとを接触させる。該接触は、不活
性ガス雰囲気下で加熱接触させることが、より多くの二
硫化炭素を吸着できるので好ましい。不活性ガスとして
は窒素が好ましく、加熱温度としては25〜360℃、
特に好ましくは270〜330℃である。このような加
熱接触により、水酸化カルシウムもしくはソーダライム
から遊離する酸素が、二硫化炭素の吸着に有効に働くよ
うである。
くはソーダライムに、アルカリ金属化合物より選ばれる
少なくとも1種類の成分を添加することにより、二硫化
炭素をより効果的に除去することができる。該アルカリ
金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、酸化ナトリウム、酸化カリウム等が挙げられ、これ
らの中でもアルカリ金属がナトリウム、カリウムである
ものが特に好ましく、単独で添加しても良いし、組み合
わせて添加しても良い。その添加量としては、水酸化カ
ルシウムもしくはソーダライムの量に対し、計1〜10
重量%、特に1〜5重量%が好ましい。
ムとしては、適度の大きさに破砕又は成形することが圧
力損失が小さくなるので好ましく、加熱条件下で接触さ
せることでは、比表面積が大きいことが望ましい。具体
的には、2.0〜10.0mm程度の粒度(比表面積約
2.0〜20m2 /g)のものを使用するが、その形
状、見掛け密度等は適宜選択すれば良い。また、本発明
の処理対象の二硫化炭素を含むガスとしては、制限され
るものではないが、本発明は、二硫化炭素を含むガスと
して、PFC精製工程でPFC混合物中のSF6 の分解
成分と活性炭との反応により発生したCS2 を含むガス
等に好適に適用することができる。
るが、本発明は以下の実施例に制限されるものではな
い。
長さ500mmのSUS製パイプを垂直に設置し、層高
300mmの高さになるようにソーダライム679gを
充填した。充填したソーダライムの前処理としてソーダ
ライム1.0gに対して窒素(N2 )を0.030m3
パージした。次いで、ソーダライムを充填した反応器
に、二硫化炭素(CS2 )の濃度が一定の1010pp
mで導入できるようにN2 にて希釈した混合ガスをマス
フローコントローラーにて754cc/minの流量で
導入した。反応器の出口側配管には、主排気ラインから
サンプリングポートを設置し、サンプルガスを採取し
た。サンプルガスの分析はガスクロマトグラフィー/質
量分析計(HEWLETT PACKARD社製:HP5973) によって行っ
た(分析装置の検出下限:3vol.ppm)。ソーダ
ライムのCS2 の処理能力は、出口ガス中のCS2濃度
が導入ガス中のCS2 濃度の約5%(50ppm)に達
した時点で破過とした。その結果を下記表1に示す。即
ち、この表1に示すCS2 処理量とは、出口ガス中のC
S2 濃度が50ppmを越えるまでの処理剤(ソーダラ
イム)1gが処理するCS2 量のことである。
ーダライムの前処理として、ソーダライム1.0gに対
してN2 を0.005m3 パージした以外は、実施例1
と同じ条件でCS 2 の除害試験を行った。その結果を下
記表1に示す。
ーダライムに対してN2 パージによる前処理を行わず、
それ以外は実施例1と同じ条件でCS2 の除害試験を行
った。その結果を下記表1に示す。
むガスを処理する際、使用したソーダライムの充填層の
中心が300℃になるように外部から加熱した以外は、
実施例1と同じ条件でCS2 の除害試験を行った。その
結果を下記表1に示す。
ーダライムを水酸化カルシウムとした以外は、実施例1
と同じ条件でCS2 の除害試験を行った。その結果を下
記表1に示す。
たソーダライムの前処理として、N2 雰囲気下で、充填
層の中心が80℃(実施例5)、100℃(実施例
6)、300℃(実施例7)になるように外部から2時
間加熱した後、25℃まで冷却した以外は、実施例1と
同じ条件でCS2 の除害試験を行った。その結果を下記
表2に示す。
ーダライムの前処理として、N2 雰囲気下で、充填層の
中心が500℃になるように外部から2時間加熱した
後、25℃まで冷却した以外は、実施例1と同じ条件で
CS2 の除害試験を行った。その結果を下記表2に示
す。
したソーダライムの前処理として、0℃まで冷却後、N
2 雰囲気下で、充填層の中心が25℃(実施例8)、1
00℃(実施例9)になるように外部から2時間加熱し
た後、25℃まで冷却した以外は、実施例1と同じ条件
でCS2 の除害試験を行った。その結果を下記表2に示
す。
使用したソーダライムを水酸化カルシウムとした以外
は、実施例6と同じ条件で(実施例10)、また実施例
9において使用したソーダライムを水酸化カルシウムと
した以外は、実施例9と同じ条件で(実施例11)、そ
れぞれCS2 の除害試験を行った。その結果を下記表2
に示す。
使用したソーダライムに水酸化ナトリウム及び水酸化カ
リウムを1.5〜5.0重量%添加した以外は、実施例
1と同じ条件でCS2 の除害試験を行った。その結果を
下記表3に示す。
ーダライムの前処理として、空気雰囲気下で、充填層の
中心が100℃になるように外部から2時間加熱した
後、25℃まで冷却して使用した以外は、実施例1と同
じ条件でCS2 の除害試験を行った。その結果を下記表
3に示す。
たソーダライムを水酸化カルシウムとした以外は、実施
例12と同じ条件でCS2 の除害試験を行った。その結
果を下記表3に示す。
ば、PFC精製工程で精留塔中に残留した成分中のCS
2 、具体的にはPFC混合物中のSF6 の分解成分と活
性炭との反応により発生したCS2 を含むガス等のガス
混合物中のCS2 を、低エネルギーで、簡便に効率的に
除去できる。
Claims (10)
- 【請求項1】 二硫化炭素を含むガスと水酸化カルシウ
ムもしくはソーダライムとを、水酸化カルシウムもしく
はソーダライム中の水分量を減少させるとともに水酸化
カルシウムもしくはソーダライム中の二酸化炭素を除去
もしくは減少させた状態で、接触させることを特徴とす
る二硫化炭素の除去方法。 - 【請求項2】 水酸化カルシウムもしくはソーダライム
を冷却処理及び不活性ガス雰囲気下での加熱処理を行う
ことにより、水酸化カルシウムもしくはソーダライム中
の水分量を減少させるとともに水酸化カルシウムもしく
はソーダライム中の二酸化炭素を除去もしくは減少させ
る請求項1記載の二硫化炭素の除去方法。 - 【請求項3】 水酸化カルシウムもしくはソーダライム
の冷却処理及び不活性ガス雰囲気下での加熱処理が、水
酸化カルシウムもしくはソーダライムを−30〜10℃
に冷却後、不活性ガス雰囲気下で25〜300℃で加熱
処理することにより行われる請求項2記載の二硫化炭素
の除去方法。 - 【請求項4】 水酸化カルシウムもしくはソーダライム
を不活性ガス雰囲気下での加熱処理を行うことにより、
水酸化カルシウムもしくはソーダライム中の水分量を減
少させるとともに水酸化カルシウムもしくはソーダライ
ム中の二酸化炭素を除去もしくは減少させる請求項1記
載の二硫化炭素の除去方法。 - 【請求項5】 水酸化カルシウムもしくはソーダライム
の不活性ガス雰囲気下での加熱処理が、水酸化カルシウ
ムもしくはソーダライムを不活性ガス雰囲気下で30〜
300℃で加熱処理することにより行われる請求項4記
載の二硫化炭素の除去方法。 - 【請求項6】 水酸化カルシウムもしくはソーダライム
に不活性ガスをパージすることにより、水酸化カルシウ
ムもしくはソーダライム中の水分量を減少させるととも
に水酸化カルシウムもしくはソーダライム中の二酸化炭
素を除去もしくは減少させる請求項1記載の二硫化炭素
の除去方法。 - 【請求項7】 水酸化カルシウムもしくはソーダライム
1.0gに対し、不活性ガスを0.003〜0.040
m3 パージする請求項6記載の二硫化炭素の除去方法。 - 【請求項8】 二硫化炭素を含むガスと水酸化カルシウ
ムもしくはソーダライムとを、不活性ガス雰囲気下、2
5〜360℃で接触させる請求項1〜7の何れかに記載
の二硫化炭素の除去方法。 - 【請求項9】 不活性ガスが、窒素である請求項2〜8
の何れかに記載の二硫化炭素の除去方法。 - 【請求項10】 水酸化カルシウムもしくはソーダライ
ムに、アルカリ金属化合物より選ばれる少なくとも1種
類の成分を添加する請求項1〜9の何れかに記載の二硫
化炭素の除去方法。
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---|---|---|---|
JP2001167218A JP3515766B2 (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | 二硫化炭素の除去方法 |
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JP2002361033A JP2002361033A (ja) | 2002-12-17 |
JP3515766B2 true JP3515766B2 (ja) | 2004-04-05 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001167218A Expired - Lifetime JP3515766B2 (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | 二硫化炭素の除去方法 |
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JP (1) | JP3515766B2 (ja) |
-
2001
- 2001-06-01 JP JP2001167218A patent/JP3515766B2/ja not_active Expired - Lifetime
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---|---|
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