JP3515017B2 - 魚釣用両軸受型リ−ル - Google Patents
魚釣用両軸受型リ−ルInfo
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- JP3515017B2 JP3515017B2 JP20115499A JP20115499A JP3515017B2 JP 3515017 B2 JP3515017 B2 JP 3515017B2 JP 20115499 A JP20115499 A JP 20115499A JP 20115499 A JP20115499 A JP 20115499A JP 3515017 B2 JP3515017 B2 JP 3515017B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デットポイント作
用で付勢力が付勢される付勢部材の付勢力が操作部材の
作動時強く作用されるように改良した魚釣用両軸受型リ
−ルに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、魚釣用両軸受型リ−ルはスプ−ル
を備えたスプ−ル軸をリ−ル本体に回転自在に支持し、
前記スプ−ル軸をハンドルの回転操作に連動回転させて
釣糸を前記スプ−ルに巻回保持する構成であり、前記ス
プ−ルを釣糸放出状態と釣糸巻取り状態に切り換えるク
ラッチ機構を備えた構成は公知である。前記クラッチ機
構は通常、振り分けバネ等のデットポイント作用によっ
て釣糸放出状態位置と釣糸巻取り位置とに振り分け保持
されている。 【0003】しかし、従来の振り分けバネはクラッチの
作動範囲によってバネの作用角が決定されてしまうた
め、 クラッチの作動範囲を短くして操作性を向上さ
せようとすると、バネによる振り分け力が小さくなり、
キャステング時に発生する慣性モ−メントでハンドルが
回転した際にクラッチが誤復帰をする恐れがある。 前記ハンドル回転による誤復帰を防止するべく、振
り分けバネのバネ力を強くすると組み込み時にバネを変
形させて組込むことが困難になり、生産性が低下する。 等の不具合が指摘されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、クラッチ機構を振り分けバネ等のデットポイント
作用によって釣糸放出状態位置と釣糸巻取り位置とに振
り分け保持する時、バネによる振り分け力が小さいと、
キャステング時に発生する慣性モ−メントでハンドルが
回転した際にクラッチが誤復帰をする恐れがあり、振り
分けバネのバネ力を強くすると組み込み時にバネを変形
させて組込むことが困難になり、生産性が低下する等の
不具合があること。 【0005】本発明の目的は前記欠点に鑑み、振り分け
力が小さくとも強く作用して誤復帰が確実に防止できる
魚釣用両軸受型リ−ルを提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係わる本発明は、リ−ル本体に回転自在
に支持されたスプ−ルに釣糸を巻回する釣糸巻取り駆動
機構を備え、該スプ−ルを釣糸放出状態と釣糸巻取り状
態に切り換えるべく、リ−ル本体に設けられた外部操作
部材の操作でクラッチ作動体を作動させて該釣糸巻取り
駆動機構と該スプ−ルとを係脱するクラッチ機構を備え
た魚釣用リ−ルにおいて、該クラッチ作動体とリ−ル本
体間に取付けられた該クラッチ作動体を釣糸放出位置と
釣糸巻取位置に夫々付勢する付勢部材の支持端部を変位
可能とする移動案内部を該クラッチ作動体側又はリ−ル
本体側の何れか一方の支持端部に設けたことを要旨とす
るものである。 【0007】 【発明の実施の形態】請求項1の本発明により、クラッ
チの作動範囲を短くして操作性を向上させながら、付勢
部材6の支持端部6aが移動案内部3f、3hの中で変
位することでデットポイントラインaと支持端部6aと
の間隔を広く出来る為、クラッチ作動体3、3′の振り
分けが確実に行えるので、キャステング時に発生する慣
性モ−メントでハンドルが回転した際に支持端部6aが
デットポイントラインaを越え難いのでクラッチの誤復
帰を防止出来、節度感のあるクラッチ作動が可能とな
る。バネ力の小さい付勢部材6で大きな振り分け力が得
られ、付勢部材6のバネ力を大きくしなくても確実にク
ラッチ作動体3、3′を振り分け保持できるので、付勢
部材6を組み込む時に付勢部材6を変形させて組み込む
ことが容易になり、生産性が向上する。 【0008】 【実施例】以下、図示の実施例によって本発明を説明す
ると、図1から図7は第1実施例で図1は魚釣用両軸受
型リ−ルの要部断面背面図、図2はクラッチ操作機構の
ハンドルがわ側板内側の要部拡大断面背面図、図3はク
ラッチオンの釣糸巻取り状態のハンドルがわ側板内側の
一部断面側面図、図4は側枠とクラッチ作動体とクラッ
チ切換操作部材の斜視図、図5は図3の要部拡大一部断
面側面図、図6はクラッチオフの釣糸放出状態のハンド
ルがわ側板内側の一部断面側面図、図7は図6の要部拡
大一部断面側面図である。 【0009】第1実施例はクラッチ作動体が回動される
タイプの魚釣用両軸受型リ−ルである。魚釣用両軸受型
リ−ルはリ−ル本体Aが側枠1とリ−ル側板10、11
で構成され、側枠1の左右両側枠1a、1bが複数本の
支柱12とリ−ル脚13の固定板1cで一体的に平行に
保持されて左右両側枠1a、1bの外側には夫々リ−ル
側板10、11が取り付けられている。図1の側枠1a
に図示しない軸受が設けられ、図2の側枠1bには軸受
14が、リ−ル側板11に軸受15が設けられてスプ−
ル軸2が支持され、スプ−ル軸2の大径部2aに固定し
たスプ−ル16が左右両側枠1a、1b間に回転可能に
設けられている。 【0010】スプ−ル16の巻胴部外周には図示しない
釣糸17が巻回され、スプ−ル軸2の左側の一端は図示
しないスラスト受けに当てられ、右側の他端は調整ツマ
ミ18内のスラスト受け19に当てられている。軸受1
4は側枠1bの筒部1d内に、軸受15はリ−ル側板1
1の筒部内に取り付けられている。リ−ル側板11内は
ギヤボックスに構成されると共に、クラッチ作動体3で
操作されるクラッチ機構が収容されている。クラッチ機
構は、スプ−ル軸2の係合部2bと係合・離脱されるピ
ニオン4の係合部4aと、クラッチ作動体3と、クラッ
チ作動体3に連結されたクラッチ切換操作部材5と、ク
ラッチ板20と、爪車21の複数個のキックピン22
と、キックレバ−7とで構成されている。 【0011】クラッチ作動体3は図3から図7のよう
に、環状部3aと、クラッチレバ−3bと、環状部3a
の端面に形成された一対のクラッチカム3cと、環状部
3aの端面に植設されたクラッチ切換えピン22と、環
状部3aの外周に形成されたバネ掛け部3dとで構成さ
れている。クラッチ作動体3の環状部3aは側枠1bの
筒部1e外周に回動自在に嵌合され、環状部3aは図2
のように、側枠1bの筒部1eに固定された係合ピン2
4と環状部3aに形成された周方向の長孔3eで抜け止
めされている。クラッチ作動体3は図3、図5のよう
に、バネ掛け部3dと側枠1bに掛け止めされたデット
ポイントバネからなる付勢部材6でクラッチオンの釣糸
巻取り状態とクラッチオフの釣糸放出状態に付勢され
る。クラッチレバ−3bの回動範囲を規制するピン2
5、26が側枠1bに植設されている。 【0012】バネ掛け部3dには長孔からなる移動案内
部3fが形成されている。デットポイントバネからなる
付勢部材6の一方の支持端部6aは移動案内部3fに変
位可能に挿入され、他方の支持端部6bは側枠1bに穿
設された透孔に挿入されている。左右両側枠1a、1b
の内側面にはクラッチ切換操作部材5の両端が上下に移
動自在に摺接され、左右両側枠1a、1bに透孔1f、
1gが形成されてクラッチ切換操作部材5の両端に形成
された突出部5a、5bが移動自在に挿入されている。
クラッチ切換操作部材5には親指が載せられる操作面5
cが形成されている。クラッチレバ−3bの一端には長
孔が穿設されてクラッチ切換操作部材5の突出部5bに
形成されたピン5dが挿入されている。 【0013】リ−ル側板11内のスプ−ル軸2にはピニ
オン4が摺動自在に嵌合され、スプ−ル軸2の係合部2
bとピニオン4の係合部4aがクラッチ切換操作部材5
とクラッチ作動体3で回動されるクラッチカム3cとク
ラッチ板20で係合・離脱されるように構成されてい
る。ピニオン4には駆動歯車27が噛合されて駆動歯車
27はハンドル軸28に回り止め嵌合され、ドラグ制動
部材の摩擦板と制動板を介して押圧されてリ−ル側板1
1から突出されたハンドル軸28にハンドル29が取り
付けられている。ハンドル軸28の一端は図2のよう
に、側枠1bの穴に嵌合されて止め板30で抜け止めさ
れ、他端はハンドル軸28に螺合されたドラグ調整ツマ
ミ31の筒部を介してリ−ル側板11に取り付けられた
軸受32で回転自在に支持されている。 【0014】クラッチ板20は両端が側枠1bに固定さ
れた支柱33、33に嵌められ、図示しない発条で前記
スプ−ル軸2の係合部2bとピニオン4の係合部4aが
係合される方向に付勢されている。クラッチ板20には
図2、図3のようにピニオン4の溝4bに嵌まる円弧状
の凹部が形成されている。 【0015】ハンドル軸28の一端側には爪車21が嵌
合されて摩擦板が圧接され、他端にハンドル29が回り
止め嵌合されてナット34で抜け止めされている。爪車
21には図3のように複数個のキックピン22が固定さ
れている。爪車21の外側には図2、図3のようにバネ
板35、35で挟まれた逆転防止爪36が軸37で回動
自在に軸承され、バネ板35、35は爪車21の両側面
を挟み込み、逆転防止爪36の先端は爪車21の外周に
形成された係止歯に係合自在に臨まされている。逆転防
止爪36の外側には逆転防止爪36の回動を度当りする
ピン38が設けられている。爪車21の外側には図3の
ように軸39でキックレバ−7が回動自在に支持されて
一端7aは爪車21のキックピン22の回動領域内に臨
まされ、他端7bはクラッチ作動体3のクラッチ切換え
ピン23に臨まされている。 【0016】魚釣用両軸受型リ−ルの動作は、図2、図
3のスプ−ル軸2の係合部2bとピニオン4の係合部4
aが係合されたクラッチオンの釣糸巻取り状態でスプ−
ル16に釣糸が巻回される方向にハンドル28が回転さ
れると、駆動歯車27でピニオン4が回転されてスプ−
ル16に釣糸が巻き取られる。次にクラッチオンの釣糸
巻取り状態で親指がクラッチ切換操作部材5の操作面5
cに載せられて操作面5cが押圧操作されると、クラッ
チ作動体3のクラッチレバ−3bが図6のように下方に
回動されてクラッチオフの釣糸放出状態となる。この回
動操作で環状部3aの端面に形成された一対のクラッチ
カム3cが回動されてクラッチ板20が押し上げられ
る。クラッチ板20が押し上げられると、ピニオン4が
移動してスプ−ル軸2の係合部2bとピニオン4の係合
部4aの係合が解除されて図6のクラッチオフの釣糸放
出状態となってスプ−ル16が自由回転可能になる。 【0017】次にスプ−ル16に釣糸が巻回される方向
にハンドル29が回転されると、駆動歯車27が回転さ
れると共に爪車21が回転され、キックピン22がキッ
クレバ−7の一端7aに当接されてキックレバ−7が図
6で反時計方向に回動される。この回動でキックレバ−
7の他端7bがクラッチ作動体3の環状部3aの端面に
植設されたクラッチ切換えピン23に当接されて環状部
3aが回動される。クラッチ作動体3の環状部3aの回
動で、一対のクラッチカム3cがクラッチ板20位置か
ら外されるので、ピニオン4が移動してスプ−ル軸2の
係合部2bとピニオン4の係合部4aが係合されてクラ
ッチオンの釣糸巻取り状態となり、ハンドル29の回転
でスプ−ル16が回転される。 【0018】図3のクラッチオンの釣糸巻取り状態でデ
ットポイントバネからなる付勢部材6の一方の支持端部
6aは移動案内部3fの右側に位置され、図6のクラッ
チオフの釣糸放出状態でデットポイントバネからなる付
勢部材6の一方の支持端部6aは移動案内部3fの左側
に位置されることになる。クラッチオンの釣糸巻取り状
態とクラッチオフの釣糸放出状態で一方の支持端部6a
が右側から左側に変位可能で、スプ−ル軸2の中心とデ
ットポイントバネからなる付勢部材6の他方の支持端部
6bを結ぶデットポイントラインaより一方の支持端部
6aの切り換え後の夫々の位置が変位しない従来例より
遠くなるので、振り分け力が小さい付勢部材6で大きな
振り分け力が得られる。 【0019】前記のように魚釣用両軸受型リ−ルが構成
されると、クラッチの作動範囲を短くして操作性を向上
させながら、付勢部材6の支持端部6aが移動案内部3
fの中で変位することでデットポイントラインaと支持
端部6aとの間隔を広く出来る為、クラッチ作動体3の
振り分けが確実に行えるので、キャステング時に発生す
る慣性モ−メントでハンドルが回転した際に支持端部6
aがデットポイントラインaを越え難いのでクラッチの
誤復帰を防止出来、節度感のあるクラッチ作動が可能と
なる。バネ力の小さい付勢部材6で大きな振り分け力が
得られ、付勢部材6のバネ力を大きくしなくても確実に
クラッチ作動体3を振り分け保持できるので、付勢部材
6を組み込む時に付勢部材6を変形させて組み込むこと
が容易になり、生産性が向上する。 【0020】図8から図12は第2実施例で、図8は魚
釣用両軸受型リ−ルの要部断面平面図と要部拡大平面
図、図9はクラッチオンの釣糸巻取り状態のハンドルが
わ側板内側の一部断面側面図、図10はクラッチオフの
釣糸放出状態のハンドルがわ側板内側の一部断面側面
図、図11は図9の要部拡大一部断面側面図、図12は
図10の要部拡大一部断面側面図である。 【0021】第2実施例では、クラッチ作動体が摺動す
るタイプの魚釣用両軸受型リ−ルである。クラッチ作動
体3′は板状に形成された摺動板部3gの側部に長手方
向の長孔からなる移動案内部3hと、長手方向の上端に
横向き長孔の係合部3iと、クラッチ板20が作動され
るカム状の作動部3j、3kと、二股の延長片3m、3
nと、屈曲係合部3oと、一方の延長片3mに長孔3p
と、延長片3mの一側に屈曲部3qとが形成されてい
る。クラッチ作動体3′は図9、図11のように、長孔
からなる移動案内部3hと側枠1bに掛け止めされたデ
ットポイントバネからなる付勢部材6でクラッチオンの
釣糸巻取り状態とクラッチオフの釣糸放出状態に付勢さ
れる。デットポイントバネからなる付勢部材6の一方の
支持端部6aは移動案内部3hに変位可能に挿入され、
他方の支持端部6bは側枠1bに穿設された透孔に挿入
されている。 【0022】長孔3pには側枠1bに固定されたピン4
0が嵌められ、延長片3m上に解除片8が重ねられて解
除片8に穿設された長孔8aにピン40が嵌められてい
る。解除片8には切欠部8bとバネ掛け部8cが形成さ
れてバネ掛け部8cにバネ41の一端が係合され、バネ
41の他端は側枠1bに固定されたピン42に係合され
ている。延長片3mと解除片8の他側の側枠1bに係止
ピン43が固定されている。前記クラッチレバ−44が
取り付けられた軸部からなるクラッチ切換操作部材9は
リ−ル側板11に回動自在に支持され、クラッチ切換操
作部材9にクラッチレバ−44がビス45で取り付けら
れている。クラッチ切換操作部材9には偏芯係合部9a
と孔からなるバネ掛け部9bが設けられると共にデット
ポイントバネ6′の一端部6aが挿入係合され、他端部
6bは側枠1bに穿設された透孔に挿入係合されてい
る。 【0023】クラッチ切換操作部材9には偏芯係合部9
aと孔からなるバネ掛け部9bが設けられると共にデッ
トポイントバネ6′の一端部6aが挿入係合され、他端
部6bは側枠1bに穿設された透孔に挿入係合されてい
る。図8では偏芯係合部9aはクラッチ作動体3′の横
向き長孔の係合部3iに挿入されて簡略図示されてい
る。図9、図10ではクラッチ作動体3′とクラッチ切
換操作部材9との間に連結レバ−46が設けられ、連結
レバ−46は軸部47で側枠1bに回動自在に支持さ
れ、長孔46aが一方の腕部に他方の腕部に屈曲された
係合部46bが形成されて長孔46aに前記偏芯係合部
9aが挿入されている。係合部46aはクラッチ作動体
3′の横向き長孔の係合部3iに挿入されている。 【0024】クラッチ機構は、スプ−ル軸2の係合部2
bと係合・離脱されるピニオン4の係合部4aと、クラ
ッチ作動体3′と、クラッチ作動体3′に連結されたク
ラッチ切換操作部材9と、クラッチ板20と、爪車21
の複数個のキックピン22と、解除片8とで構成されて
いる。他の構成は前記実施例と略同一である。 【0025】第2実施例の魚釣用両軸受型リ−ルの動作
は、スプ−ル軸2の係合部2bとピニオン4の係合部4
aが係合されたクラッチオンの釣糸巻取り状態でハンド
ル29が回転されると、駆動歯車27でピニオン4とス
プ−ル軸2が回転されてスプ−ル16に釣糸17が巻き
取られる。この時駆動歯車27と爪車21が図9で時計
方向に回転されると、爪車21とバネ板35、35の摩
擦でバネ板35、35と逆転係止爪36は反時計方向に
回動されて逆転係止爪36の先端は爪車21の係止歯か
ら離間され、爪車21が駆動歯車27と一体に回転され
る。 【0026】次にスプ−ル16が釣糸17の繰出しで逆
回転されると、駆動歯車27と爪車21は反時計方向に
回転され、バネ板35、35と逆転係止爪36は時計方
向に回動されて逆転係止爪36の先端は爪車21の係止
歯に係止される。この係止で爪車21は停止状態とな
り、駆動歯車27のみ回転される。次にクラッチレバ−
44が図10のように下方の反時計方向に回動される
と、クラッチ切換操作部材9の偏芯係合部9aで連結レ
バ−46が時計方向に回動され、係合部46aと係合部
3iでクラッチ作動体3′が右下方向に摺動される。 【0027】この摺動でクラッチ板20が作動部3j、
3kで上昇されてピニオン4の係合部4aとスプ−ル軸
2の係合部2bの係合が離脱されてクラッチオフの釣糸
放出となり、スプ−ル16はフリ−回転状態となる。前
記のようにクラッチ作動体3′が摺動された時、延長片
3mも図10で右下方向に摺動されるので、係止ピン4
3と屈曲部3qで回動が係止されていた解除片8がバネ
41で反時計方向に回動され、解除片8の切欠部8bは
キックピン22に当接可能位置に臨まされる。 【0028】次にハンドル29が釣糸巻取方向に回転さ
れると、駆動歯車27と爪車21が図10で時計方向に
回転され、キックピン22が解除片8の切欠部8bに当
接されて解除片8が左方向に押し戻され、解除片8の左
端がクラッチ作動体3′の屈曲係合部3oを押し上げて
クラッチ作動体3′が後退され、作動部3j、3kとク
ラッチ板20の係合が解除されてピニオン4の係合部4
aとスプ−ル軸2の係合部2aが係合されてクラッチオ
ンの釣糸巻取り状態となる。クラッチオンの釣糸巻取り
状態でハンドル29が回転されると、ピニオン4とスプ
−ル軸2が回転されてスプ−ル16が回転され、スプ−
ル16に釣糸17が巻き取られる。クラッチオフの釣糸
放出状態の図10でクラッチレバ−44が時計方向に回
動されると、クラッチ切換操作部材9と連結レバ−46
でクラッチ作動体3′が上方に摺動されてクラッチオン
の釣糸巻取り状態となる。 【0029】図9のクラッチオンの釣糸巻取り状態でデ
ットポイントバネからなる付勢部材6の一方の支持端部
6aは移動案内部3hの上側に位置され、図10のクラ
ッチオフの釣糸放出状態でデットポイントバネからなる
付勢部材6の一方の支持端部6aは移動案内部3hの下
側に位置されることになる。クラッチオンの釣糸巻取り
状態とクラッチオフの釣糸放出状態で一方の支持端部6
aが上側から下側に変位可能で、連結レバ−46の軸部
47の中心とデットポイントバネからなる付勢部材6の
他方の支持端部6bを結ぶデットポイントラインaをク
ラッチ作動体3′の横向き長孔の係合部3iに挿入され
た連結レバ−46の係合部46aが左上側又は右下側に
乗り越えることで、一方の支持端部6aの切り換え後の
夫々の位置が変位しない従来例より上側又は下側になる
ので、振り分け力が小さい付勢部材6で大きな振り分け
力が得られる。 【0030】前記説明では移動案内部をクラッチ作動体
3、3′に設けたが、側枠1に設けてもよい。前記説明
ではリ−ル本体Aは左右両側枠1a、1bと支柱12と
固定板1cが一体に形成されたが、別体に形成して左右
両側枠1a、1bを平行に保持してもよい。前記説明で
はハンドル29がリ−ル本体1の右側に設けられた例で
示したが、ハンドルが左側のリ−ルに実施してもよい。 【0031】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。 【0032】請求項1により、クラッチの作動範囲を短
くして操作性を向上させながら、付勢部材の支持端部が
移動案内部の中で変位することでデットポイントライン
と支持端部との間隔を広く出来る為、クラッチ作動体の
振り分けが確実に行えるので、キャステング時に発生す
る慣性モ−メントでハンドルが回転した際に支持端部が
デットポイントラインを越え難いのでクラッチの誤復帰
を防止出来、節度感のあるクラッチ作動が可能となる。
バネ力の小さい付勢部材で大きな振り分け力が得られ、
付勢部材のバネ力を大きくしなくても確実にクラッチ作
動体を振り分け保持できるので、付勢部材を組み込む時
に付勢部材を変形させて組み込むことが容易になり、生
産性が向上する。
用で付勢力が付勢される付勢部材の付勢力が操作部材の
作動時強く作用されるように改良した魚釣用両軸受型リ
−ルに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、魚釣用両軸受型リ−ルはスプ−ル
を備えたスプ−ル軸をリ−ル本体に回転自在に支持し、
前記スプ−ル軸をハンドルの回転操作に連動回転させて
釣糸を前記スプ−ルに巻回保持する構成であり、前記ス
プ−ルを釣糸放出状態と釣糸巻取り状態に切り換えるク
ラッチ機構を備えた構成は公知である。前記クラッチ機
構は通常、振り分けバネ等のデットポイント作用によっ
て釣糸放出状態位置と釣糸巻取り位置とに振り分け保持
されている。 【0003】しかし、従来の振り分けバネはクラッチの
作動範囲によってバネの作用角が決定されてしまうた
め、 クラッチの作動範囲を短くして操作性を向上さ
せようとすると、バネによる振り分け力が小さくなり、
キャステング時に発生する慣性モ−メントでハンドルが
回転した際にクラッチが誤復帰をする恐れがある。 前記ハンドル回転による誤復帰を防止するべく、振
り分けバネのバネ力を強くすると組み込み時にバネを変
形させて組込むことが困難になり、生産性が低下する。 等の不具合が指摘されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、クラッチ機構を振り分けバネ等のデットポイント
作用によって釣糸放出状態位置と釣糸巻取り位置とに振
り分け保持する時、バネによる振り分け力が小さいと、
キャステング時に発生する慣性モ−メントでハンドルが
回転した際にクラッチが誤復帰をする恐れがあり、振り
分けバネのバネ力を強くすると組み込み時にバネを変形
させて組込むことが困難になり、生産性が低下する等の
不具合があること。 【0005】本発明の目的は前記欠点に鑑み、振り分け
力が小さくとも強く作用して誤復帰が確実に防止できる
魚釣用両軸受型リ−ルを提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係わる本発明は、リ−ル本体に回転自在
に支持されたスプ−ルに釣糸を巻回する釣糸巻取り駆動
機構を備え、該スプ−ルを釣糸放出状態と釣糸巻取り状
態に切り換えるべく、リ−ル本体に設けられた外部操作
部材の操作でクラッチ作動体を作動させて該釣糸巻取り
駆動機構と該スプ−ルとを係脱するクラッチ機構を備え
た魚釣用リ−ルにおいて、該クラッチ作動体とリ−ル本
体間に取付けられた該クラッチ作動体を釣糸放出位置と
釣糸巻取位置に夫々付勢する付勢部材の支持端部を変位
可能とする移動案内部を該クラッチ作動体側又はリ−ル
本体側の何れか一方の支持端部に設けたことを要旨とす
るものである。 【0007】 【発明の実施の形態】請求項1の本発明により、クラッ
チの作動範囲を短くして操作性を向上させながら、付勢
部材6の支持端部6aが移動案内部3f、3hの中で変
位することでデットポイントラインaと支持端部6aと
の間隔を広く出来る為、クラッチ作動体3、3′の振り
分けが確実に行えるので、キャステング時に発生する慣
性モ−メントでハンドルが回転した際に支持端部6aが
デットポイントラインaを越え難いのでクラッチの誤復
帰を防止出来、節度感のあるクラッチ作動が可能とな
る。バネ力の小さい付勢部材6で大きな振り分け力が得
られ、付勢部材6のバネ力を大きくしなくても確実にク
ラッチ作動体3、3′を振り分け保持できるので、付勢
部材6を組み込む時に付勢部材6を変形させて組み込む
ことが容易になり、生産性が向上する。 【0008】 【実施例】以下、図示の実施例によって本発明を説明す
ると、図1から図7は第1実施例で図1は魚釣用両軸受
型リ−ルの要部断面背面図、図2はクラッチ操作機構の
ハンドルがわ側板内側の要部拡大断面背面図、図3はク
ラッチオンの釣糸巻取り状態のハンドルがわ側板内側の
一部断面側面図、図4は側枠とクラッチ作動体とクラッ
チ切換操作部材の斜視図、図5は図3の要部拡大一部断
面側面図、図6はクラッチオフの釣糸放出状態のハンド
ルがわ側板内側の一部断面側面図、図7は図6の要部拡
大一部断面側面図である。 【0009】第1実施例はクラッチ作動体が回動される
タイプの魚釣用両軸受型リ−ルである。魚釣用両軸受型
リ−ルはリ−ル本体Aが側枠1とリ−ル側板10、11
で構成され、側枠1の左右両側枠1a、1bが複数本の
支柱12とリ−ル脚13の固定板1cで一体的に平行に
保持されて左右両側枠1a、1bの外側には夫々リ−ル
側板10、11が取り付けられている。図1の側枠1a
に図示しない軸受が設けられ、図2の側枠1bには軸受
14が、リ−ル側板11に軸受15が設けられてスプ−
ル軸2が支持され、スプ−ル軸2の大径部2aに固定し
たスプ−ル16が左右両側枠1a、1b間に回転可能に
設けられている。 【0010】スプ−ル16の巻胴部外周には図示しない
釣糸17が巻回され、スプ−ル軸2の左側の一端は図示
しないスラスト受けに当てられ、右側の他端は調整ツマ
ミ18内のスラスト受け19に当てられている。軸受1
4は側枠1bの筒部1d内に、軸受15はリ−ル側板1
1の筒部内に取り付けられている。リ−ル側板11内は
ギヤボックスに構成されると共に、クラッチ作動体3で
操作されるクラッチ機構が収容されている。クラッチ機
構は、スプ−ル軸2の係合部2bと係合・離脱されるピ
ニオン4の係合部4aと、クラッチ作動体3と、クラッ
チ作動体3に連結されたクラッチ切換操作部材5と、ク
ラッチ板20と、爪車21の複数個のキックピン22
と、キックレバ−7とで構成されている。 【0011】クラッチ作動体3は図3から図7のよう
に、環状部3aと、クラッチレバ−3bと、環状部3a
の端面に形成された一対のクラッチカム3cと、環状部
3aの端面に植設されたクラッチ切換えピン22と、環
状部3aの外周に形成されたバネ掛け部3dとで構成さ
れている。クラッチ作動体3の環状部3aは側枠1bの
筒部1e外周に回動自在に嵌合され、環状部3aは図2
のように、側枠1bの筒部1eに固定された係合ピン2
4と環状部3aに形成された周方向の長孔3eで抜け止
めされている。クラッチ作動体3は図3、図5のよう
に、バネ掛け部3dと側枠1bに掛け止めされたデット
ポイントバネからなる付勢部材6でクラッチオンの釣糸
巻取り状態とクラッチオフの釣糸放出状態に付勢され
る。クラッチレバ−3bの回動範囲を規制するピン2
5、26が側枠1bに植設されている。 【0012】バネ掛け部3dには長孔からなる移動案内
部3fが形成されている。デットポイントバネからなる
付勢部材6の一方の支持端部6aは移動案内部3fに変
位可能に挿入され、他方の支持端部6bは側枠1bに穿
設された透孔に挿入されている。左右両側枠1a、1b
の内側面にはクラッチ切換操作部材5の両端が上下に移
動自在に摺接され、左右両側枠1a、1bに透孔1f、
1gが形成されてクラッチ切換操作部材5の両端に形成
された突出部5a、5bが移動自在に挿入されている。
クラッチ切換操作部材5には親指が載せられる操作面5
cが形成されている。クラッチレバ−3bの一端には長
孔が穿設されてクラッチ切換操作部材5の突出部5bに
形成されたピン5dが挿入されている。 【0013】リ−ル側板11内のスプ−ル軸2にはピニ
オン4が摺動自在に嵌合され、スプ−ル軸2の係合部2
bとピニオン4の係合部4aがクラッチ切換操作部材5
とクラッチ作動体3で回動されるクラッチカム3cとク
ラッチ板20で係合・離脱されるように構成されてい
る。ピニオン4には駆動歯車27が噛合されて駆動歯車
27はハンドル軸28に回り止め嵌合され、ドラグ制動
部材の摩擦板と制動板を介して押圧されてリ−ル側板1
1から突出されたハンドル軸28にハンドル29が取り
付けられている。ハンドル軸28の一端は図2のよう
に、側枠1bの穴に嵌合されて止め板30で抜け止めさ
れ、他端はハンドル軸28に螺合されたドラグ調整ツマ
ミ31の筒部を介してリ−ル側板11に取り付けられた
軸受32で回転自在に支持されている。 【0014】クラッチ板20は両端が側枠1bに固定さ
れた支柱33、33に嵌められ、図示しない発条で前記
スプ−ル軸2の係合部2bとピニオン4の係合部4aが
係合される方向に付勢されている。クラッチ板20には
図2、図3のようにピニオン4の溝4bに嵌まる円弧状
の凹部が形成されている。 【0015】ハンドル軸28の一端側には爪車21が嵌
合されて摩擦板が圧接され、他端にハンドル29が回り
止め嵌合されてナット34で抜け止めされている。爪車
21には図3のように複数個のキックピン22が固定さ
れている。爪車21の外側には図2、図3のようにバネ
板35、35で挟まれた逆転防止爪36が軸37で回動
自在に軸承され、バネ板35、35は爪車21の両側面
を挟み込み、逆転防止爪36の先端は爪車21の外周に
形成された係止歯に係合自在に臨まされている。逆転防
止爪36の外側には逆転防止爪36の回動を度当りする
ピン38が設けられている。爪車21の外側には図3の
ように軸39でキックレバ−7が回動自在に支持されて
一端7aは爪車21のキックピン22の回動領域内に臨
まされ、他端7bはクラッチ作動体3のクラッチ切換え
ピン23に臨まされている。 【0016】魚釣用両軸受型リ−ルの動作は、図2、図
3のスプ−ル軸2の係合部2bとピニオン4の係合部4
aが係合されたクラッチオンの釣糸巻取り状態でスプ−
ル16に釣糸が巻回される方向にハンドル28が回転さ
れると、駆動歯車27でピニオン4が回転されてスプ−
ル16に釣糸が巻き取られる。次にクラッチオンの釣糸
巻取り状態で親指がクラッチ切換操作部材5の操作面5
cに載せられて操作面5cが押圧操作されると、クラッ
チ作動体3のクラッチレバ−3bが図6のように下方に
回動されてクラッチオフの釣糸放出状態となる。この回
動操作で環状部3aの端面に形成された一対のクラッチ
カム3cが回動されてクラッチ板20が押し上げられ
る。クラッチ板20が押し上げられると、ピニオン4が
移動してスプ−ル軸2の係合部2bとピニオン4の係合
部4aの係合が解除されて図6のクラッチオフの釣糸放
出状態となってスプ−ル16が自由回転可能になる。 【0017】次にスプ−ル16に釣糸が巻回される方向
にハンドル29が回転されると、駆動歯車27が回転さ
れると共に爪車21が回転され、キックピン22がキッ
クレバ−7の一端7aに当接されてキックレバ−7が図
6で反時計方向に回動される。この回動でキックレバ−
7の他端7bがクラッチ作動体3の環状部3aの端面に
植設されたクラッチ切換えピン23に当接されて環状部
3aが回動される。クラッチ作動体3の環状部3aの回
動で、一対のクラッチカム3cがクラッチ板20位置か
ら外されるので、ピニオン4が移動してスプ−ル軸2の
係合部2bとピニオン4の係合部4aが係合されてクラ
ッチオンの釣糸巻取り状態となり、ハンドル29の回転
でスプ−ル16が回転される。 【0018】図3のクラッチオンの釣糸巻取り状態でデ
ットポイントバネからなる付勢部材6の一方の支持端部
6aは移動案内部3fの右側に位置され、図6のクラッ
チオフの釣糸放出状態でデットポイントバネからなる付
勢部材6の一方の支持端部6aは移動案内部3fの左側
に位置されることになる。クラッチオンの釣糸巻取り状
態とクラッチオフの釣糸放出状態で一方の支持端部6a
が右側から左側に変位可能で、スプ−ル軸2の中心とデ
ットポイントバネからなる付勢部材6の他方の支持端部
6bを結ぶデットポイントラインaより一方の支持端部
6aの切り換え後の夫々の位置が変位しない従来例より
遠くなるので、振り分け力が小さい付勢部材6で大きな
振り分け力が得られる。 【0019】前記のように魚釣用両軸受型リ−ルが構成
されると、クラッチの作動範囲を短くして操作性を向上
させながら、付勢部材6の支持端部6aが移動案内部3
fの中で変位することでデットポイントラインaと支持
端部6aとの間隔を広く出来る為、クラッチ作動体3の
振り分けが確実に行えるので、キャステング時に発生す
る慣性モ−メントでハンドルが回転した際に支持端部6
aがデットポイントラインaを越え難いのでクラッチの
誤復帰を防止出来、節度感のあるクラッチ作動が可能と
なる。バネ力の小さい付勢部材6で大きな振り分け力が
得られ、付勢部材6のバネ力を大きくしなくても確実に
クラッチ作動体3を振り分け保持できるので、付勢部材
6を組み込む時に付勢部材6を変形させて組み込むこと
が容易になり、生産性が向上する。 【0020】図8から図12は第2実施例で、図8は魚
釣用両軸受型リ−ルの要部断面平面図と要部拡大平面
図、図9はクラッチオンの釣糸巻取り状態のハンドルが
わ側板内側の一部断面側面図、図10はクラッチオフの
釣糸放出状態のハンドルがわ側板内側の一部断面側面
図、図11は図9の要部拡大一部断面側面図、図12は
図10の要部拡大一部断面側面図である。 【0021】第2実施例では、クラッチ作動体が摺動す
るタイプの魚釣用両軸受型リ−ルである。クラッチ作動
体3′は板状に形成された摺動板部3gの側部に長手方
向の長孔からなる移動案内部3hと、長手方向の上端に
横向き長孔の係合部3iと、クラッチ板20が作動され
るカム状の作動部3j、3kと、二股の延長片3m、3
nと、屈曲係合部3oと、一方の延長片3mに長孔3p
と、延長片3mの一側に屈曲部3qとが形成されてい
る。クラッチ作動体3′は図9、図11のように、長孔
からなる移動案内部3hと側枠1bに掛け止めされたデ
ットポイントバネからなる付勢部材6でクラッチオンの
釣糸巻取り状態とクラッチオフの釣糸放出状態に付勢さ
れる。デットポイントバネからなる付勢部材6の一方の
支持端部6aは移動案内部3hに変位可能に挿入され、
他方の支持端部6bは側枠1bに穿設された透孔に挿入
されている。 【0022】長孔3pには側枠1bに固定されたピン4
0が嵌められ、延長片3m上に解除片8が重ねられて解
除片8に穿設された長孔8aにピン40が嵌められてい
る。解除片8には切欠部8bとバネ掛け部8cが形成さ
れてバネ掛け部8cにバネ41の一端が係合され、バネ
41の他端は側枠1bに固定されたピン42に係合され
ている。延長片3mと解除片8の他側の側枠1bに係止
ピン43が固定されている。前記クラッチレバ−44が
取り付けられた軸部からなるクラッチ切換操作部材9は
リ−ル側板11に回動自在に支持され、クラッチ切換操
作部材9にクラッチレバ−44がビス45で取り付けら
れている。クラッチ切換操作部材9には偏芯係合部9a
と孔からなるバネ掛け部9bが設けられると共にデット
ポイントバネ6′の一端部6aが挿入係合され、他端部
6bは側枠1bに穿設された透孔に挿入係合されてい
る。 【0023】クラッチ切換操作部材9には偏芯係合部9
aと孔からなるバネ掛け部9bが設けられると共にデッ
トポイントバネ6′の一端部6aが挿入係合され、他端
部6bは側枠1bに穿設された透孔に挿入係合されてい
る。図8では偏芯係合部9aはクラッチ作動体3′の横
向き長孔の係合部3iに挿入されて簡略図示されてい
る。図9、図10ではクラッチ作動体3′とクラッチ切
換操作部材9との間に連結レバ−46が設けられ、連結
レバ−46は軸部47で側枠1bに回動自在に支持さ
れ、長孔46aが一方の腕部に他方の腕部に屈曲された
係合部46bが形成されて長孔46aに前記偏芯係合部
9aが挿入されている。係合部46aはクラッチ作動体
3′の横向き長孔の係合部3iに挿入されている。 【0024】クラッチ機構は、スプ−ル軸2の係合部2
bと係合・離脱されるピニオン4の係合部4aと、クラ
ッチ作動体3′と、クラッチ作動体3′に連結されたク
ラッチ切換操作部材9と、クラッチ板20と、爪車21
の複数個のキックピン22と、解除片8とで構成されて
いる。他の構成は前記実施例と略同一である。 【0025】第2実施例の魚釣用両軸受型リ−ルの動作
は、スプ−ル軸2の係合部2bとピニオン4の係合部4
aが係合されたクラッチオンの釣糸巻取り状態でハンド
ル29が回転されると、駆動歯車27でピニオン4とス
プ−ル軸2が回転されてスプ−ル16に釣糸17が巻き
取られる。この時駆動歯車27と爪車21が図9で時計
方向に回転されると、爪車21とバネ板35、35の摩
擦でバネ板35、35と逆転係止爪36は反時計方向に
回動されて逆転係止爪36の先端は爪車21の係止歯か
ら離間され、爪車21が駆動歯車27と一体に回転され
る。 【0026】次にスプ−ル16が釣糸17の繰出しで逆
回転されると、駆動歯車27と爪車21は反時計方向に
回転され、バネ板35、35と逆転係止爪36は時計方
向に回動されて逆転係止爪36の先端は爪車21の係止
歯に係止される。この係止で爪車21は停止状態とな
り、駆動歯車27のみ回転される。次にクラッチレバ−
44が図10のように下方の反時計方向に回動される
と、クラッチ切換操作部材9の偏芯係合部9aで連結レ
バ−46が時計方向に回動され、係合部46aと係合部
3iでクラッチ作動体3′が右下方向に摺動される。 【0027】この摺動でクラッチ板20が作動部3j、
3kで上昇されてピニオン4の係合部4aとスプ−ル軸
2の係合部2bの係合が離脱されてクラッチオフの釣糸
放出となり、スプ−ル16はフリ−回転状態となる。前
記のようにクラッチ作動体3′が摺動された時、延長片
3mも図10で右下方向に摺動されるので、係止ピン4
3と屈曲部3qで回動が係止されていた解除片8がバネ
41で反時計方向に回動され、解除片8の切欠部8bは
キックピン22に当接可能位置に臨まされる。 【0028】次にハンドル29が釣糸巻取方向に回転さ
れると、駆動歯車27と爪車21が図10で時計方向に
回転され、キックピン22が解除片8の切欠部8bに当
接されて解除片8が左方向に押し戻され、解除片8の左
端がクラッチ作動体3′の屈曲係合部3oを押し上げて
クラッチ作動体3′が後退され、作動部3j、3kとク
ラッチ板20の係合が解除されてピニオン4の係合部4
aとスプ−ル軸2の係合部2aが係合されてクラッチオ
ンの釣糸巻取り状態となる。クラッチオンの釣糸巻取り
状態でハンドル29が回転されると、ピニオン4とスプ
−ル軸2が回転されてスプ−ル16が回転され、スプ−
ル16に釣糸17が巻き取られる。クラッチオフの釣糸
放出状態の図10でクラッチレバ−44が時計方向に回
動されると、クラッチ切換操作部材9と連結レバ−46
でクラッチ作動体3′が上方に摺動されてクラッチオン
の釣糸巻取り状態となる。 【0029】図9のクラッチオンの釣糸巻取り状態でデ
ットポイントバネからなる付勢部材6の一方の支持端部
6aは移動案内部3hの上側に位置され、図10のクラ
ッチオフの釣糸放出状態でデットポイントバネからなる
付勢部材6の一方の支持端部6aは移動案内部3hの下
側に位置されることになる。クラッチオンの釣糸巻取り
状態とクラッチオフの釣糸放出状態で一方の支持端部6
aが上側から下側に変位可能で、連結レバ−46の軸部
47の中心とデットポイントバネからなる付勢部材6の
他方の支持端部6bを結ぶデットポイントラインaをク
ラッチ作動体3′の横向き長孔の係合部3iに挿入され
た連結レバ−46の係合部46aが左上側又は右下側に
乗り越えることで、一方の支持端部6aの切り換え後の
夫々の位置が変位しない従来例より上側又は下側になる
ので、振り分け力が小さい付勢部材6で大きな振り分け
力が得られる。 【0030】前記説明では移動案内部をクラッチ作動体
3、3′に設けたが、側枠1に設けてもよい。前記説明
ではリ−ル本体Aは左右両側枠1a、1bと支柱12と
固定板1cが一体に形成されたが、別体に形成して左右
両側枠1a、1bを平行に保持してもよい。前記説明で
はハンドル29がリ−ル本体1の右側に設けられた例で
示したが、ハンドルが左側のリ−ルに実施してもよい。 【0031】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。 【0032】請求項1により、クラッチの作動範囲を短
くして操作性を向上させながら、付勢部材の支持端部が
移動案内部の中で変位することでデットポイントライン
と支持端部との間隔を広く出来る為、クラッチ作動体の
振り分けが確実に行えるので、キャステング時に発生す
る慣性モ−メントでハンドルが回転した際に支持端部が
デットポイントラインを越え難いのでクラッチの誤復帰
を防止出来、節度感のあるクラッチ作動が可能となる。
バネ力の小さい付勢部材で大きな振り分け力が得られ、
付勢部材のバネ力を大きくしなくても確実にクラッチ作
動体を振り分け保持できるので、付勢部材を組み込む時
に付勢部材を変形させて組み込むことが容易になり、生
産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例で、魚釣用両軸受型リ−ルの要部断
面背面図である。 【図2】同クラッチ操作機構のハンドルがわ側板内側の
要部拡大断面背面図である。 【図3】同クラッチオンの釣糸巻取り状態のハンドルが
わ側板内側の一部断面側面図である。 【図4】同側枠とクラッチ作動体とクラッチ切換操作部
材の斜視図である。 【図5】同図3の要部拡大一部断面側面図である。 【図6】同クラッチオフの釣糸放出状態のハンドルがわ
側板内側の一部断面側面図である。 【図7】同図6の要部拡大一部断面側面図である。 【図8】第2実施例で、魚釣用両軸受型リ−ルの要部断
面平面図と要部拡大平面図である。 【図9】同クラッチオンの釣糸巻取り状態のハンドルが
わ側板内側の一部断面側面図である。 【図10】同クラッチオフの釣糸放出状態のハンドルが
わ側板内側の一部断面側面図である。 【図11】同図9の要部拡大一部断面側面図である。 【図12】同図10の要部拡大一部断面側面図である。 【符号の説明】 A リ−ル本体 3、3′ クラッチ作動体 3f、3h 移動案内部 6 付勢部材 6a、6b 支持端部 16 スプ−ル
面背面図である。 【図2】同クラッチ操作機構のハンドルがわ側板内側の
要部拡大断面背面図である。 【図3】同クラッチオンの釣糸巻取り状態のハンドルが
わ側板内側の一部断面側面図である。 【図4】同側枠とクラッチ作動体とクラッチ切換操作部
材の斜視図である。 【図5】同図3の要部拡大一部断面側面図である。 【図6】同クラッチオフの釣糸放出状態のハンドルがわ
側板内側の一部断面側面図である。 【図7】同図6の要部拡大一部断面側面図である。 【図8】第2実施例で、魚釣用両軸受型リ−ルの要部断
面平面図と要部拡大平面図である。 【図9】同クラッチオンの釣糸巻取り状態のハンドルが
わ側板内側の一部断面側面図である。 【図10】同クラッチオフの釣糸放出状態のハンドルが
わ側板内側の一部断面側面図である。 【図11】同図9の要部拡大一部断面側面図である。 【図12】同図10の要部拡大一部断面側面図である。 【符号の説明】 A リ−ル本体 3、3′ クラッチ作動体 3f、3h 移動案内部 6 付勢部材 6a、6b 支持端部 16 スプ−ル
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A01K 89/00 - 89/08
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】リ−ル本体に回転自在に支持されたスプ−
ルに釣糸を巻回する釣糸巻取り駆動機構を備え、該スプ
−ルを釣糸放出状態と釣糸巻取り状態に切り換えるべ
く、リ−ル本体に設けられた外部操作部材の操作でクラ
ッチ作動体を作動させて該釣糸巻取り駆動機構と該スプ
−ルとを係脱するクラッチ機構を備えた魚釣用リ−ルに
おいて、該クラッチ作動体とリ−ル本体間に取付けられ
た該クラッチ作動体を釣糸放出位置と釣糸巻取位置に夫
々付勢する付勢部材の支持端部を変位可能とする移動案
内部を該クラッチ作動体側又はリ−ル本体側の何れか一
方の支持端部に設けたことを特徴とする魚釣用両軸受型
リ−ル。
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JP20115499A JP3515017B2 (ja) | 1999-07-15 | 1999-07-15 | 魚釣用両軸受型リ−ル |
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