JP3514922B2 - ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる食品添加剤 - Google Patents

ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる食品添加剤

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JP3514922B2
JP3514922B2 JP23859496A JP23859496A JP3514922B2 JP 3514922 B2 JP3514922 B2 JP 3514922B2 JP 23859496 A JP23859496 A JP 23859496A JP 23859496 A JP23859496 A JP 23859496A JP 3514922 B2 JP3514922 B2 JP 3514922B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリグリセリン脂
肪酸エステルからなる食品添加剤に関する。更に詳しく
は、モノ脂肪酸エステル体を従来品に比べ高純度で含有
するポリグリセリン脂肪酸エステルからなる食品添加剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリグリセリン脂肪酸エステルは
食品添加物として認可され、使用量も次第に増加してい
る。一般に、このエステルは、原料として重合度の異な
るポリグリセリンと鎖長の異なる脂肪酸とを組合わせる
ことにより広い範囲のHLB値のエステルが得られ、ま
た酸性領域で高い安定性を示すことから、特に食品分野
において、乳化剤や粘度調整剤として広く用いられてい
る。このポリグリセリン脂肪酸エステルの製造法として
は、(1)ポリグリセリンと脂肪酸のエステル化反応、
(2)ポリグリセリンと脂肪酸エステルとのエステル交
換反応、(3)ポリグリセリンと油脂とのエステル交換
反応、(4)グリシドールと脂肪酸モノグリセライドと
の付加重合反応、(5)グリシドールと脂肪酸との付加
重合反応などがある。このうち、(2)〜(3)の方法
については反応性、生成したポリグリセリン脂肪酸エス
テルの品質、純度、などから制約の多い方法である。
【0003】(1)の方法はJAOCS(Journal of A
merican 0il Chemists’ Society)第58巻、第878
頁(198l年)に記載され、ポリグリセリンと脂肪酸
とをアルカリ触媒の存在下にエステル化反応を行ってポ
リグリセリン脂肪酸エステルを得る方法が開示されてい
る。また特開平6ー41007号公報にも同様の方法が
開示されている。(4)の方法については、USP4,
515,775に記載されている。(5)の方法につい
ては、今までに、グリセリンのモノ脂肪酸エステルに関
しては特開昭51−65705号公報に記載されてい
る。しかしながら、この公報に開示された技術によれ
ば、不活性な溶剤の存在下で高度百分比率のカルボン酸
−1−モノグリセライド(後記化学式[1]においてn
の値が平均で1である。)を製造する方法で、グリセリ
ンの重合度が平均で1のものであり、ポリグリセリンの
モノ脂肪酸エステルに関しては、全く言及されておら
ず、実際の検討がなされていない。
【0004】なお、グリシドールの付加重合反応を使用
した技術としては、(1)〜(3)の方法で使用するポ
リグリセリンを製造する際のグリセリンとグリシドール
の付加重合反応(特公平1−55254号公報、特公平
4−11532号公報、特公平5−1291号公報)ま
たは脂肪酸とグリシドールの付加重合反応後、加水分解
反応を経たポリグリセリンの製造(特公平4−6962
1号公報)、ポリグリセリンモノアルキルエーテル、ポ
リグリセリンモノアルキルチオエーテルの製造(USP
3,821,372、USP3,966,398、US
P4,087,466等)等が開示されている。
【0005】しかしながら、特公平4−69621号公
報に記載されている脂肪酸とグリシドールの付加重合反
応後、加水分解反応を経由したポリグリセリンの製造で
は、用いる脂肪酸が低級(炭素数2〜6)脂肪酸であ
り、かつ、目的はポリグリセリンの製造であり、ポリグ
リセリン脂肪酸エステルについては全く言及されていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】従来、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルを製造する場合は、前記(1)の方法
で製造されている。この方法では、一般に、原料のポリ
グリセリンとしては、反応活性水酸基が平均で4〜10
のものが使用され、モノ置換の脂肪酸エステル体を製造
しようとしても、使用する脂肪酸の当量に対し、反応活
性水酸基の割合が多く、生成したポリグリセリン脂肪酸
エステル中には、目的とするモノ脂肪酸エステル体のみ
ならず、未反応のポリグリセリン、ジエステル、トリエ
ステル、テトラエステル等の多置換エステル化物が残存
していることが指摘されている(N.Garti,et al,J. of
Am. Oil Chem. Soc.,59,317-319(1982))。
【0007】また、(4)の脂肪酸モノグリセライドに
グリシドールを付加重合反応させる場合でも、原料の脂
肪酸モノグリセライドの精製の度合により、反応生成物
の純度が大きく作用される。特に、グリセリンと脂肪酸
との反応により得られる、脂肪酸モノグリセライドを原
料に使用した場合には、前記の(1)と同様に、原料中
にグリセリン成分の残存が認められ、グリシドールの付
加重合反応で得られたポリグリセリン脂肪酸エステル中
のモノ脂肪酸エステル体含有率は約40%であり、残り
の60%程度は未反応のグリセリンおよび2置換以上の
エステルとなることが認められている(津田滋、モノグ
リセリド、P67(1985)、槙書店)。
【0008】このように、従来使用されているポリグリ
セリン脂肪酸エステルには、未置換のポリグリセリンお
よび2置換以上のエステル化物が多く残存し、それらを
界面活性剤、乳化安定剤等の食品添加剤に応用した場合
に、表面張力の低下、分散力の低下、起泡力の低下、乳
化安定性の低下が危惧されている。
【0009】一方、未置換のポリグリセリンの除去方法
としては、水溶性有機溶剤及び水の中から選ばれた少な
くとも1種と、非水溶性有機溶剤の中から選ばれた少な
くとも1種とを併用した混合溶剤で未反応ポリグリセリ
ンを分液除去する方法(特開昭63−23837号公
報)、エステル化反応生成物の溶液をアルキルシリル化
シリカゲルと接触、吸着させ未反応ポリグリセリンを除
去する方法(特開平3−81252号公報)、水溶性有
機溶剤及び水または塩析剤を含む水溶液を併用して未反
応ポリグリセリンを抽出除去する方法(特開平6−41
007号公報)が提案されている。
【0010】しかしながら、特開昭63−23837号
公報記載の方法では、非水溶性有機溶剤として述べられ
ているベンゼン、トルエン等の芳香族系炭化水素は、そ
の安全性に疑問が持たれ、食品用途に関しては問題があ
る。また、この方法に於ては、ポリグリセリンに対する
脂肪酸の反応モル比が1以下に限定されており、1を越
えるモル比の場合の有効性については記載されていな
い。また、反応モル比が1以下の場合でも、トルエン/
メタノール系などでは、含水メタノール相にかなりの量
の高HLBのポリグリセリン脂肪酸エステルが移行する
ことが認められ、さらに、トルエン/メタノール系など
では、未反応ポリグリセリンの分離が極めて不十分であ
るなど工業的に実施するにはいくつもの問題点がある。
また特開平3−81252号公報記載のアルキルシリル
化シリカゲルによって分割する方法は、運転コストが高
く、また操作も煩雑であるという欠点がある。さらに、
これらの先行技術は特開平6−41007号公報記載方
法も含め未反応ポリグリセリンは除去できるが、2置換
以上のエステル化物の除去は不可能であるという欠点を
有している。
【0011】そこで、界面活性剤、乳化安定剤等の食品
添加剤に応用した場合に、表面張力の向上、分散力の向
上、起泡力の向上、乳化安定性の向上が期待される、モ
ノ脂肪酸エステル体含有率の高いポリグリセリン脂肪酸
エステルおよびその製造方法が求められていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するものであって、特定の方法によりモノ脂肪酸エス
テル体含有率の高いポリグリセリン脂肪酸エステルが得
られるとの知見に基づき、その方法で得られる前記ポリ
グリセリン脂肪酸エステルからなる食品添加剤を提供す
るものである。すなわち本発明によれば、一般式
[2]で示される脂肪酸とグリシドールをリン酸系酸性
触媒の存在下で反応させて得られた下記一般式[1]で
示されるモノ脂肪酸エステル体をアルコール系溶媒及び
/又は蒸留水を溶離液とするオクタデシルシリル基結合
シリカゲルカラムを用いる高速液体クロマトグラフィー
で分離し紫外線吸収検出器を用いて検出されるピーク面
積比で表した含有率70%以上含むポリグリセリン脂
酸エステルからなる食品添加剤。
【化2】 が提供される。
【0013】前記ピーク面積比が70%未満であるポリ
グリセリン脂肪酸エステルでは、界面活性剤、乳化安定
剤等の食品添加剤に応用した場合に、表面張力の低下、
分散力の低下、起泡力の低下、乳化安定性の低下が観測
される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリグリセリン脂
肪酸エステルを製造する際に、グリシドールと脂肪酸と
の付加重合反応で用いられる一般式[2]で示される脂
肪酸としては、炭素数7〜22の脂肪酸が用いられ、好
ましくは炭素数8以上のものであり、飽和脂肪酸でも不
飽和脂肪酸でもよく、また直鎖状脂肪酸でも側鎖をもつ
脂肪酸でも、更には炭素鎖がヒドロキシル基で置換され
た置換脂肪酸でもよい。これらの脂肪酸としては、例え
ばカプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、
イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン
酸、エルカ酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸
などがある。これらは各単独で使用できるほか、2種以
上を任意に混合して反応に用いてもよい。前記脂肪酸の
中では、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸が好ましい。
【0015】前記脂肪酸とグリシドールの反応はリン酸
系酸性触媒の存在下で反応させることが必要である。こ
こで言うリン酸系酸性触媒としては、リン酸類またはリ
ン酸のエステル類であり、具体的には、リン酸、無水リ
ン酸、ポリリン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリ
ン酸、三リン酸、四リン酸などのリン酸類または、メチ
ルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェー
ト、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッ
ドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェ
ート等の酸性リン酸エステル類などを用いることができ
る。なお、これらの酸性リン酸エステルはモノエステル
体、ジエステル体、及びそれらの混合物のいずれも使用
することができる。以上の中では、リン酸および酸性リ
ン酸エステルを用いることが好ましい。
【0016】なお、上記触媒は1種を単独で使用しても
よく、また2種以上を混合して使用してもよい。触媒の
添加量は脂肪酸に対して0.01〜10重量%、好まし
くは0.1〜5重量%である。0.01量%未満では反
応速度が小さく、10重量%を越えると、効果の向上は
期待できず、使用する触媒によっては、触媒が開始剤と
なるグリシドールの付加重合体が多く生成し、好ましく
ない。
【0017】反応方法は、反応容器中に脂肪酸をとり、
これに前記の触媒を添加し、グリシドールを少量ずつ添
加しながら反応を行う。反応温度は50〜180℃、好
ましくは70〜160℃であり、より好ましくは120
〜140℃である。50℃未満では反応速度が小さく、
また180℃を越えると着色が激しくなり、230℃以
上ではグリシドールが分解して副反応を起こし好ましく
ない。この場合、反応温度の上昇を防止するために、グ
リシドールと反応しない低沸点化合物を添加してもよ
い。また反応は窒素ガス雰囲気下で行うことが望まし
く、必要に応じて加圧してもよい。
【0018】以上の反応により脂肪酸にグリシドールが
付加重合してより高重合度のポリグリセリン脂肪酸エス
テルが生成する。生成するポリグリセリン脂肪酸エステ
ルに高濃度で含まれる一般式[1]で示されるモノ脂肪
酸エステル体のnはグリセリンの平均量体数であり、反
応させる脂肪酸とグリシドールのモル比と略同じであ
り、容易に変えることができる。生成物は、モノ脂肪酸
エステル体含有率の高い、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルである。すなわち、前記方法で得られ本発明に用いる
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、カラムクロマト分析
法で溶離し、紫外線吸収検出器を用いて検出される前記
一般式[1]で示されるモノ脂肪酸エステル体のピーク
面積比で表した含有率が70%以上である。ここでカラ
ムクロマト分析法とは、官能基としてオクタデシルシリ
ル基、オクチルシリル基、ブチルシリル基、トリメチル
シリル基、フェニルシリル基を結合したシリカゲルを担
体として用いる逆相分配カラム分析法、官能基としてシ
アノプロピル基、アミノプロピル基を有するシリカゲル
を担体として用いる順相分配カラム分析法、官能基とし
て4級アンモニウム基、フェニルスルホン酸基を有する
イオン交換カラム分析法、多孔性シリカゲルの吸着カラ
ム分析法が挙げられる。これらの分析法において、好ま
しくはオクタデシルシリル(ODS)基が結合したシリ
カゲルを担体として用いる逆相分配カラム分析法が使用
される。また分離性能を向上させるため、カラムサイズ
は4.6mmφ×250mm以上が好ましく、カラムを
直列に繋ぐと分離能を向上させることができるので、よ
り好ましい。前記モノ脂肪酸エステル体のピーク面積比
が70%以上とは、具体的には下記HPLC(高速液体
クロマトグラフィー)の分析条件において、モノ脂肪酸
エステルに帰属されるピーク面積比が全ピーク面積に対
し70%以上であることを意味する。
【0019】逆相分配カラム分析法により分析する場合
を以下に説明する。展開溶媒は、ポリグリセリン脂肪酸
エステルの脂肪酸の種類やグリシドールの付加モル数に
より異なるため、被検体の溶解性および分離性から展開
溶媒を決定することが好ましい。具体的には、被検体の
溶解性および分離性に優れた具体的な展開溶媒として
は、アルコール系の溶媒および/または蒸留水が好まし
く、具体的には、ポリグリセリンラウリン酸エステルに
はメタノールを、ポリグリセリンステアリン酸エステル
にはエタノールを使用することが好ましい。
【0020】展開溶媒の流速は、使用するカラムの耐圧
及び得られるクロマトグラムの分離度合により選択し、
通常0.05〜1.0ml/minの範囲、より好まし
くは、0.1〜0.8ml/minの範囲である。カラ
ム温度は、好ましくは30〜60℃の範囲である。な
お、紫外線吸収検出器の波長は210nmを用いる。
【0021】HPLCに供する試料は、使用する展開液
を溶媒として用いることが好ましく、濃度及び注入量は
被検体の溶解性および分離性に優れた量を選択する。具
体的には、試料の濃度は1〜50%が好ましく、注入量
は0.1〜20μlが好ましい。
【0022】含有量の測定は、以下に従う。ODSカラ
ムによるHPLC分析では、一般に極性の順に溶離され
る。従って、ポリグリセリン同士であれば、まず極性の
高い無置換ポリグリセリンが溶離され、次いでポリグリ
セリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリンジ脂肪酸エ
ステルが検出される。一方、グリセリンモノ脂肪酸エス
テル同士であれば、極性の高いポリグリセリンエステル
が最初に溶離され、最後にグリセリンモノエステルが溶
離される。従ってポリグリセリンとグリセリン脂肪酸エ
ステルの標準品を同条件でHPLC分析し、標準品と検
体との保持時間を比較検討し、グリセリンモノエステル
の溶離以降に溶離されるものをジエステル以上の多置換
エステ成分とした。モノ脂肪酸エステル体の含有率
(%)は、以下に従いピーク面積比で表すこととした。
分析チャートから、ポリグリセリンのピーク面積、ポリ
グリセリンのモノ脂肪酸エステル(「ポリグリセリン」
とあるが、本発明においてはグリセリン部分はポリグリ
セリンからモノグリセリンまでを含む。)のピーク面
積、およびジエステル以上の多置換エステル成分のピー
ク面積を求めた。次いで、下記計算式に従い算出した。
なお、溶媒は、ピーク位置がポリグリセリン、モノ脂肪
酸エステル、ジエステル以上の多置換エステルのいずれ
のピークとも重複しないものを選択した。また下記計算
式は、溶媒の保持時間がジエステルの溶離以降であるこ
とを前提とする。実施例で用いたもの以外のHPLCの
典型的な分析条件は、下記の通りである。
【0023】計算式:ポリグリセリンのモノ脂肪酸エス
テル体の含有率(%)={ポリグリセリンのモノ脂肪酸
エステル体のピーク面積/(ポリグリセリンのピーク面
積+ポリグリセリンのモノ脂肪酸エステルのピーク面積
+ジエステル以上の多置換エステルのピーク面積)}×
100(%)
【0024】<HPLCの分析条件(1)> カラム:Wakosil 5C18×2(和光純薬工業
(株)製:逆相分配カラムであるオクタデシルシリル基
を官能基として持つカラム、サイズ:4.6mmφ×2
50mm)、展開溶媒:メタノール、流速:0.75m
l/min.、カラムオーブン温度:40℃、検出方
法:紫外線吸収法(λ=210nm)、試料濃度:10
%(溶媒:メタノール)、注入量:5μl。各成分のリ
テンションタイムは、例えばポリグリセリンラウリン酸
エステルの場合、ポリグリセリン:8分以前、モノラウ
リン酸エステル体:8分〜12分、ジラウリン酸エステ
ル体以上:12分以降である。
【0025】<HPLCの分析条件(2)> カラム:Wakosil II 5C18HG(和光純
薬工業(株)製:逆相分配カラムであるオクタデシルシ
リル基を官能基として持つカラム、サイズ:4.6mm
φ×250mm)、展開溶媒:メタノール、流速:0.
2ml/min.、カラムオーブン温度:40℃、検出
方法:紫外線吸収法(λ=210nm)、試料濃度:5
%(溶媒:メタノール)、注入量:10μl、各成分の
リテンションタイムは、ポリグリセリン:14分以前、
モノエステル体:14分〜16.5分、ジエステル体以
上:16.5分以降、メタノール成分:18分。
【0026】<HPLCの分析条件(3)> カラム:Wakosil 5C18とWakosil
II 5C18HG(いずれも和光純薬工業(株)製:
逆相分配カラムであるオクタデシルシリル基を官能基と
して持つカラム、サイズ:4.6mmφ×250mm)
を直列につないだ。展開溶媒:エタノール、流速:0.
2ml/min.、カラムオーブン温度:40℃、検出
方法:紫外線吸収法(λ=210nm)、試料濃度:5
%(溶媒:EtOH)、注入量:10μl。各成分のリ
テンションタイムは、ポリグリセリン:28.5分以
前、モノエステル体:28.5分〜34分、ジエステル
体以上:34分以降、エタノール成分:39分。
【0027】また、前記で得られるポリグリセリン脂
酸エステルは、必要に応じて種々の精製工程を経て更に
精製したのち本発明の食品添加剤に使用することも可能
であり、また好ましい。具体的な精製方法としては、
(イ)減圧下に飽和加熱水蒸気を吹き込んで水蒸気脱臭
を行う脱臭方法、(ロ)次亜燐酸ソーダまたは過酸化水
素による漂白等の脱色方法等がある。また別の方法
(ハ)としては、水を添加し、加熱した後に脱水する方
法がある。加熱温度としては60〜200℃、加熱時間
は、温度にもよるが0.5〜15時間、特に好ましくは
1〜7時間である。脱水は蒸留、共沸蒸留、減圧蒸留な
どに依ることができ、蒸留する際の加熱温度は、100
〜200℃の範囲である。添加する水の量はポリグリセ
ン脂肪酸エステルに対して0.1〜20重量%、好ま
しくは1〜10重量%である。例えば、上記(ハ)の方
法を実施した場合、ポリグリセリン脂肪酸エステル中の
オキシラン酸素濃度は500ppm(0.05%)程度
から100ppm未満にまで低下する。なお、オキシラ
ン酸素濃度は前記J. of Am. Oil Chem. Soc.のCd.9-57
に規定された滴定法、またはプロトンNMRを用いてポ
リグリセリンに由来するメチレンプロトンとメチンプロ
トンによって帰属される3.4ppmと4.4ppmと
の間のケミカルシフトのピーク面積値に対するオキシラ
ン基由来のメチレンプロトンによって帰属される2.7
ppmと2.8ppmとのケミカルシフトのピーク面積
値の比を測定することによって測定することができる。
【0028】以上の通り、本発明においては、モノ脂肪
酸エステル体含量の高いポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、特にはグリシドールと脂肪酸との付加重合反応によ
り、モノ脂肪酸エステル体の前記ピーク面積で表した含
有率が70%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステル
を界面活性剤や乳化安定剤等の食品添加剤として使用す
るので、表面張力の向上、分散力の向上、起泡力の向
上、乳化安定性の向上などの効果がある。
【0029】従って、本発明で用いる一般式[1]で示
されるモノ脂肪酸エステル体含量の高いポリグリセリ
肪酸エステル(以下、高純度ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルという。)は、従来からポリグリセリン脂肪酸エ
ステル等が使用されている食品添加剤としての種々の用
途に用いられ、その目的とする機能を十分に発揮するこ
とができる。以下、これらを例示する。
【0030】(1)本発明で用いる高純度ポリグリセリ
肪酸エステルは、パン、ケーキ、菓子類の製造時に用
いられる油脂組成物の乳化剤として用いることができ
る。例えば、特開平6−22690号公報に記載されて
いるように、小麦粉などからなるパン生地を焼成する際
に、小麦粉中の各成分は物理的、化学的、生化学的反応
変化を受けるが、品質の良いパン製造には焼成工程を厳
密に管理する必要があり、安定した品質のものを得るた
め、大豆油、綿実油、ナタネ油等の油脂、必要に応じて
呈味剤を含む水相分からなる油脂組成物が用いられる。
その油脂組成物には乳化剤が用いられるが、このような
パン製造用油脂組成物の乳化剤として前記高純度ポリグ
リセリン脂肪酸エステルを用いることができる。同様に
特開平6−53号公報にはバターケーキ類をオールイン
ミックス方式にて製造するに際し、油中水型油脂組成物
を使用する方法が記載されている。その際、油脂組成物
全体に対し0.2〜10重量%の範囲で乳化剤が使用さ
れるが、前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エステルはこ
のバターケーキ類等の製菓用油脂組成物の乳化剤として
も有用である。また特開平6−269244号公報に
は、スポンジケーキ、スナックケーキ、シーフォンケー
キ、半生菓子等のケーキ類の製造に際して、生地の安
定、釜落ちがしにくく、ボリュームのあるケーキとする
ため、水、ソルビトール、液糖などの水相に乳化剤、乳
清タンパク質等を加えた起泡性乳化油脂組成物が使用さ
れる。このような乳化剤としても、前記高純度ポリグリ
セリン脂肪酸エステルを使用することができる。さらに
また特開平6−78672号公報には、パンに適用した
場合には生地のべたつきも少なく良好な風味、食感を与
えるもので、水、油脂、糖質、乳化剤を含有する水中油
型乳化組成物において、油脂の含有率が35〜75重量
%、糖質が少なくともソルビトールを含み10〜50重
量%であり、前記乳化剤の含有率が水相に対して5〜2
5重量%である高油分水中油型乳化組成物が記載されて
いる。そして前記乳化剤として、HLB値7〜16のポ
リグリセリン脂肪酸エステルが使用されている。このよ
うな用途に対しても前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを同様に使用することができる。
【0031】(2)特開平6−125711号公報には、
ココア飲料を保存したときに起こる油脂浮上やココア粉
末の沈澱を防ぐため、ショ糖油脂酸エステル1〜25重
量%、グリセリン脂肪酸エステル3〜36重量%、ソル
ビタン脂肪酸エステル1〜11重量%、結晶セルロース
26〜90重量%、およびκ−カラギーナン2〜5重量
%からなるココア飲料用乳化安定剤が開示されている
が、前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エステルは前記グ
リセリン脂肪酸エステルの代りに、あるいはそれと共
に、ココア飲料用乳化安定剤配合剤として用いることが
できる。また、特開平6−38682号公報には、ココ
ア成分、乳成分、甘味料および水からなる混合液に、該
混合液に含まれる脂肪分に対して親油性ポリグリセリン
脂肪酸エステルを0.2〜5.0重量%の割合で添加し
てなるココア飲料が開示されている。前記高純度ポリグ
リセリン脂肪酸エステルは前記親油性ポリグリセリン脂
肪酸エステルの代りに使用することができる。
【0032】(3)前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エス
テルは、以下のようにでん粉食品の添加剤として使用す
ることができる。特開平6−276972号公報には、
ゆで上がりの早い麺類とするため、鶏卵を0.5〜40
重量部およびリゾリン油質を0.01〜0.5部含有す
る麺類品質改良剤が開示されている。また必要に応じて
食品用界面活性剤を0.1〜10重量部配合してもよい
旨が記載されている。前記高純度ポリグリセリン脂肪酸
エステルをこのような麺類品質改良剤配合用界面活性剤
として使用することができる。また特開平6−1977
17号公報には茹で、蒸し麺類を製造する際に緑豆加工
澱粉またはそれと乳化剤を併用することにより麺類のほ
ぐれ性が極めて良好になること、乳化剤としてポリグリ
セリン脂肪酸エステル等が使用されることが記載されて
いる。乳化剤は製めん原料に対して0.1〜20重量%
使用されるが、前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルをこのような乳化剤として用いることができる。更に
特開平6−225684号公報には、食用油脂0〜20
重量%、グリセリン有機酸脂肪酸エステル及びステアリ
ル乳酸塩0.05〜20重量%、HLBが12以上であ
るポリグリセリン脂肪酸エステル及び又はショ糖脂肪酸
エステル0.01〜5重量%、水分50〜90重量%か
らなる10℃で流動性のあるでん粉食品の品質改良用組
成物が開示されている。この組成物をパン、ドーナッ
ツ、饅頭、団子、麺、スパゲティ等の食品に使用する
と、製造時における生地同士ないし機械への付着を防
ぎ、体積の増加や食感の改良、製造後のでん粉の経時的
変化による食感の低下防止作用を発揮するとされてい
る。前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エステルは、前記
ポリグリセリン脂肪酸エステルに代えてこのようなでん
粉食品の品質改良用組成物の配合物として使用すること
ができる。
【0033】(4)前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エス
テルは、以下のように水産ねり製品の添加剤として使用
することができる。特開平6−22730号公報には、
水産ねり製品にポリグリセリン脂肪酸エステルを含む品
質改良剤を添加する冷凍すりみの製造法が開示されてい
る。すなわち、冷凍すり身のあし形成能保持効果および
白度改善効果があることが明らかにされている。添加量
としては、すり身に対して1重量%以下、好ましくは
0.1〜0.5重量%である。また特開平6−9071
3号公報には、ほたて貝の卵巣およびまたは精巣を含む
魚介物のすり身に、水分、油脂分、還元澱粉糖化物と共
に0.1〜2重量%のHLB13以上のポリグリセリン
脂肪酸エステル乳化剤を添加して、食塩と共に混練し、
成形後加熱処理する練り製品の製造法が記載されてい
る。前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリ
グリセリン脂肪酸エステルに代わり、これらのような水
産練り製品の添加剤として使用することができる。更に
特開平6−113727号公報には、魚肉中に、卵白お
よびカラギーナンを含有する水中油滴型乳化液を注入す
ることにより、魚肉と油脂との結着性を改良する技術が
記載されている。これにより、魚の食感、風味を損なう
ことなく、適度な固さを保ち、バサつくことのない食感
の優れた魚肉ハムが得られると記載されている。またこ
の乳化液に添加する乳化剤の一つにグリセリン脂肪酸エ
ステルが挙げられている。このような魚肉ハム製造用水
中油滴型乳化液用乳化剤としても、前記高純度ポリグリ
セリン脂肪酸エステルを用いることができる。
【0034】(5)特開平6−209704号公報には、
コーヒーや紅茶に添加したときにもフェザリングやオイ
ルオフがなく、あるいは料理等に使用でき、動植物油脂
および乳化剤としてエステル化度3以下のポリグリセリ
ン飽和脂肪酸エステルを含有する水中油型乳化油脂組成
物が開示されている。そして溶解した油脂に乳化剤とし
てを0.1〜1.5重量%配合することが開示されてい
る。前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エステルも同じ用
途に使用することができる。
【0035】(6)特開平6−253718号公報には、
小麦粉に0.1重量%以下の炭酸カルシウム、0.5重
量%以下のグリセリン脂肪酸エステル、及び0.5重量
%以下の卵白から選ばれた一種を添加配合して、常温長
時間中種法製パン用小麦粉配合物が記載されている。こ
れにより、中種の発酵時間を延長しても品質の良いパン
を製造することができるとされている。前記高純度ポリ
グリセリン脂肪酸エステルは、前記グリセリン脂肪酸エ
ステルの代替として、用いることができる。
【0036】(7)特開平6−113799号公報には、
ナチュラルチーズ、水分および脱脂粉乳を均質化してな
るチーズ均質液に乳酸菌を接種して乳酸発酵せしめてp
H3.6〜4.5の乳酸チーズ発酵液を得、これに約5
〜50%の糖質を加えてなるサワーチーズ飲料が記載さ
れている。さらに脱脂粉乳以外に脂肪の分散乳化促進剤
として、グリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤を使
用してもよい旨が記載されている。前記高純度ポリグリ
セリン脂肪酸エステルも、このようなサワーチーズ飲料
用脂肪分散乳化促進剤として使用することができる。
【0037】(8)特開平6−153884号公報には、
柿の葉抽出物(フラボノイド類)とトコフェロール、ま
たは柿の葉抽出物とトコフェロール及び没食子酸とを有
効成分とすることを特徴とする、食品用鮮度保持剤が開
示されている。またこの鮮度保持剤は、親油性の乳化物
に調製されているのが使用上便利であるが、その際に乳
化剤(界面活性剤)として、ポリグリセリン脂肪酸エス
テルが例示されている。本発明で提供される高純度ポリ
グリセリン脂肪酸エステルはこの界面活性剤としても使
用することができる。
【0038】(9)特開平6−62734号公報には、脂
肪を含む酸乳飲料において、キトサンとポリグリセリン
脂肪酸エステルを使用する脂肪含有酸乳飲料が開示され
ている。これにより、好ましい酸味感である酸性下での
脂肪球の安定性が改良されるとされているが、前記高純
度ポリグリセリン脂肪酸エステルは前記ポリグリセリン
脂肪酸エステルに代えて、このような脂肪含有乳酸飲料
用添加剤として使用することができる。
【0039】(10)特開平6−189682号公報には、
ロール掛け、コンチング処理したチョコレート生地、水
性成分、高HLBのポリグリセリン脂肪酸エステルおよ
び低HLBのポリグリセリン脂肪酸エステルを混合し
て、油中水型に乳化した水分含量が2重量%以上50重
量%以下の含水チョコレート類が記載されている。前記
低HLBのポリグリセリン脂肪酸エステルとしては好ま
しくはHLB2〜4、高HLBのものとしては、好まし
くはHLB11〜13のポリグリセリン脂肪酸エステル
である。前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エステルを前
記何れかのポリグリセリン脂肪酸エステルとして用いる
ことができる。
【0040】(11)特開平6−90663号公報には、油
脂含有量が10重量%から40重量%であり、乳化剤と
してリゾレシチンを含有する酵素処理レシチン、モノグ
リセリン脂肪酸エステル含有量が50重量%から70重
量%である中純度モノグリセリン脂肪酸エステル、こは
く酸モノグリセライド及びレシチンを含有するコーヒー
クリームが開示されている。これにより、常温で安定な
乳化を保ち、かつ、0℃以下で保存した後、解凍しても
乳化破壊を起こさない凍結耐性を有するコーヒークリー
ムが得られると記載されている。また実施例には、油相
部を構成するパーム核油25.5重量部に対して、他の
乳化剤とともに前記中純度モノグリセライドを0.2部
使用している。前記高純度ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルは前記のようなコーヒークリーム用乳化剤として用い
ることができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明で使用される高純度ポリグリセ
ン脂肪酸エステルの製造および得られた高純度ポリグ
リセリン脂肪酸エステルを界面活性剤や乳化剤等の食品
添加剤としての使用効果を評価した評価結果を具体的に
実施例等により説明する。なお、実施例および比較例を
通じて、HPLCの分析条件は下記の通りである。
【0042】(HPLCの分析条件) カラム:Wakosil 5C18×2(和光純薬工業
(株)製:逆相分配カラムであるオクタデシルシリル基
を官能基として持つカラム、サイズ:4.6mmφ×2
50mm)、展開溶媒:メタノール、流速:0.75m
l/min.、カラムオーブン温度:40℃、検出方
法:紫外線吸収法(λ=210nm)、試料濃度:10
%(溶媒:メタノール)、注入量:5μl。各成分のリ
テンションタイムは、例えばポリグリセリンラウリン酸
エステルの場合、ポリグリセリン:8分以前、モノラウ
リン酸エステル体:8分〜12分、ジラウリン酸エステ
ル体以上:12分以降である。
【0043】(実施例1) 窒素導入管、撹拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの4ツ口フラスコにラウリン酸
0.5mol(100.16g)とリン酸(85%品)
0.0622gを加え、140℃に加熱した。次いで、
反応温度を140℃に保ちながらグリシドール3.0m
ol(222.24g)を5時間かけて滴下し、系中の
オキシラン濃度が0.1%未満になるまで反応を続け
た。冷却後反応物を取り出し、ポリグリセリンラウリン
酸エステル(ヘキサグリセリンラウレート)を約300
g得た。得られたポリグリセリンラウリン酸エステルを
前記したHPLCの分析条件で評価した。また、乳化剤
や界面活性剤等の添加剤として各種食品用途への使用効
果を評価するための共通かつ基礎的評価方法として、得
られたポリグリセリンラウリン酸エステルの10%水溶
液を調製し、30秒間振動(手動)させ、泡立ち性およ
び状態を目視で観察した。またHPLCにより得られた
チャートを図1に示した。更に、HPLCからの解析に
よる成分分析結果および泡立ち性および状態の評価結果
を表−1に示した。
【0044】(実施例2) 窒素導入管、撹拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの4ツ口フラスコにラウリン酸
0.5mol(100.16g)とリン酸(85%品)
0.0810gを加え、140℃に加熱した。次いで、
反応温度を140℃に保ちながらグリシドール3.0m
ol(222.24g)を5時間かけて滴下し、系中の
オキシラン濃度が0.1%未満になるまで反応を続け
た。冷却後反応物を取り出し、ポリグリセリンラウリン
酸エステル(ヘキサグリセリンラウレート)を約300
g得た。得られたポリグリセリンラウリン酸エステルを
HPLCで評価した。また、得られたポリグリセリンラ
ウリン酸エステルの10%水溶液を調製し、30秒間振
動(手動)させ、泡立ち性および状態を目視で観察し
た。HPLCにより得られたチャートを図2に示した。
また、HPLCからの解析による成分分析結果および泡
立ち性および状態の評価結果を表−1に示した。
【0045】(実施例3) 窒素導入管、撹拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの4ツ口フラスコにラウリン酸
0.5mol(100.16g)とリン酸(85%品)
0.0810gを加え、140℃に加熱した。次いで、
反応温度を140℃に保ちながらグリシドール4.0m
ol(296.32g)を5時間かけて滴下し、系中の
オキシラン濃度が0.1%未満になるまで反応を続け
た。冷却後反応物を取り出し、ポリグリセリンラウリン
酸エステル(オクタグリセリンラウレート)を約400
g得た。得られたポリグリセリンラウリン酸エステルを
HPLCで評価した。また、得られたポリグリセリンラ
ウリン酸エステルの10%水溶液を調製し、30秒間振
動(手動)させ、泡立ち性および状態を目視で観察し
た。HPLCにより得られたチャートを図3に示した。
また、HPLCからの解析による成分分析結果および泡
立ち性および状態の評価結果を表−1に示した。
【0046】(実施例4) 窒素導入管、撹拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの4ツ口フラスコにラウリン酸
0.5mol(100.16g)とリン酸(85%品)
0.118gを加え、140℃に加熱した。次いで、反
応温度を140℃に保ちながらグリシドール5.0mo
l(370.40g)を5時間かけて滴下し、系中のオ
キシラン濃度が0.1%未満になるまで反応を続けた。
冷却後反応物を取り出し、ポリグリセリンラウリン酸エ
ステル(デカグリセリンラウレート)を約470g得
た。得られたポリグリセリンラウリン酸エステルをHP
LCで評価した。また、得られたポリグリセリンラウリ
ン酸エステルの10%水溶液を調製し、30秒間振動
(手動)させ、泡立ち性および状態を目視で観察した。
HPLCにより得られたチャートを図4に示した。ま
た、HPLCからの解析による成分分析結果および泡立
ち性および状態の評価結果を表−1に示した。
【0047】(実施例5) 窒素導入管、撹拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの4ツ口フラスコにラウリン酸
0.5mol(100.16g)とEAP(モノエチル
アシッドホスフェートとジエチルアシッドホスフェート
の混合物、日本化学工業(株)製)0.105gを加
え、140℃に加熱した。次いで、反応温度を140℃
に保ちながらグリシドール5.0mol(370.40
g)を5時間かけて滴下し、系中のオキシラン濃度が
0.1%未満になるまで反応を続けた。冷却後反応物を
取り出し、ポリグリセリンラウリン酸エステル(デカグ
リセリンラウレート)を約470g得た。得られたポリ
グリセリンラウリン酸エステルをHPLCで評価した。
また、得られたポリグリセリンラウリン酸エステルの1
0%水溶液を調製し、30秒間振動(手動)させ、泡立
ち性および状態を目視で観察した。HPLCで得られた
チャートを図5に示した。また、HPLCからの解析に
よる成分分析結果および泡立ち性および状態の評価結果
を表−1に示した。
【0048】(比較例1:触媒を使用しない場合) 窒素導入管、撹拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの4ツ口フラスコにラウリン酸
0.5mol(100.16g)を加え、140℃に加
熱した。次いで、反応温度を140℃に保ちながらグリ
シドール3.0mol(222.24g)を5時間かけ
て滴下し、系中のオキシラン濃度が0.1%未満になる
まで反応を続けた。冷却後反応物を取り出し、ポリグリ
セリンラウリン酸エステルを約300g得た。得られた
ポリグリセリンラウリン酸エステルをHPLCで評価し
た。また、得られたポリグリセリンラウリン酸エステル
の10%水溶液を調製し、30秒間振動(手動)させ、
泡立ち性および状態を目視で観察した。HPLC分析で
得られたチャートを図6に示した。また、HPLC分析
からの解析による成分分析結果および泡立ち性および状
態の評価結果を表−1に示した。
【0049】(比較例2:触媒にパラトルエンスルホン
酸(PTS)を使用した場合) 窒素導入管、撹拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの4ツ口フラスコにラウリン酸
0.5mol(100.16g)とPTS0.371g
を加え、140℃に加熱した。次いで、反応温度を14
0℃に保ちながらグリシドール3.0mol(222.
24g)を5時間かけて滴下し、系中のオキシラン濃度
が0.1%未満になるまで反応を続けた。冷却後反応物
を取り出し、ポリグリセリンラウリン酸エステルを約3
00g得た。得られたポリグリセリンラウリン酸エステ
ルをHPLCで評価した。また、得られたポリグリセリ
ンラウリン酸エステルの10%水溶液を調製し、30秒
間振動(手動)させ、泡立ち性および状態を目視で観察
した。HPLCで得られたチャートを図7に示した。ま
た、HPLCからの解析による成分分析結果および泡立
ち性および状態の評価結果を表−1に示した。
【0050】(比較例3:脂肪酸モノグリセリドとグリ
シドールの反応の場合) 窒素導入管、撹拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの4ツ口フラスコにラウリン酸
モノグリセリド0.5mol(137g)を加え、触媒
としてナトリウムメチラート(NaOCH3:28%メ
ターノール溶液)0.45gを添加し、90℃に加熱し
た。次いで、反応温度を90℃に保ちながらグリシドー
ル2.5mol(185.2g)を5時間かけて滴下
し、系中のオキシラン濃度が0.1%未満になるまで反
応を続けた。冷却後反応物を取り出し、ポリグリセリ
ウリン酸エステルを約300g得た。得られたポリグ
リセリンラウリン酸エステルをHPLCで評価した。ま
た、得られたポリグリセリンラウリン酸エステルの10
%水溶液を調製し、30秒間振動(手動)させ、泡立ち
性および状態を目視で観察した。HPLC分析で得られ
たチャートを図8に示した。また、HPLCからの解析
による成分分析結果および泡立ち性および状態の評価結
果を表−1に示した。
【0051】(比較例4:脂肪酸とポリグリセリンとの
反応の場合) 窒素導入管、撹拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの4ツ口フラスコにポリグリセ
リン(ダイセル化学工業(株)製PGL06:ヘキサグ
リセリン、水酸基価960)175.3g(0.5mo
l)を取り、80℃に加熱し、反応温度を80℃に保ち
ながらラウリン酸0.5mol(100.16g)を加
え溶解させた。次いで、炭酸ナトリウム0.75gと亜
硫酸水素ナトリウム0.25gを加え、210℃でエス
テル化反応を行った。2時間の反応で、酸価が0.89
となり、100℃に冷却後反応生成物を取り出した。得
られたポリグリセリンラウリン酸エステルをHPLCで
評価した。また、得られたポリグリセリンラウリン酸エ
ステルの10%水溶液を調製し、30秒間振動(手動)
させ、泡立ち性および状態を目視で観察した。HPLC
分析で得られたチャートを図9に示した。また、HPL
Cからの解析による成分分析結果および泡立ち性および
状態の評価結果を表−1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】(比較例5〜14:市販品ポリグリセリン
脂肪酸エステルの評価結果) ポリグリセリンと脂肪酸の反応より製造される市販品ポ
リグリセリン脂肪酸エステルとして、SYグリスター
(阪本薬品工業製)の5品番(MO−310、MO−7
50、ML−310、ML−500、ML−750)、
ポエム(理研ビタミン製)の2品番(J−6021、J
−0021)、ユニグリ(日本油脂製)の2品番(GO
−106、GL−106)およびサンソフトQ12S
(太陽化学製)を選択し、それぞれのポリグリセリン脂
肪酸エステルに関し10%水溶液を調製し、30秒間振
動(手動)させ、泡立ち性および状態を目視で観察し
た。また、HPLC分析で得られたチャートを図10か
ら図19に示した。また、HPLCからの解析による成
分分析結果および泡立ち性および状態の評価結果を表−
2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】(製造例1:ヘキサグリセリンステアレー
トの製造例) 窒素導入管、攪拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの四ツ口フラスコにステアリン
酸0.5mol(142g)とリン酸(85%品)0.
3gを加え、140℃に加熱した。次いで反応温度を1
40℃に保ちながらグリシドール3.0mol(222
g)を5時間かけて滴下し系中のオキシラン濃度が0.
1%未満になるまで反応を続けた。冷却後反応物を取り
出しヘキサグリセリンステアレートを得た。得られたヘ
キサグリセリンステアレートを前記したHPLCを用い
てモノエステル体含量を測定したところ、75%であっ
た。
【0056】(製造例2:デカグリセリンパルミテート
の製造例) 窒素導入管、攪拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの四ツ口フラスコに、パルミチ
ン酸0.5mol(128g)とリン酸(85%品)
0.2gを加え、140℃に加熱した。次いで反応温度
を140℃に保ちながらグリシドール5.0mol(3
70g)を7時間かけて滴下し系中のオキシラン濃度が
0.1%未満になるまで反応を続けた。冷却後反応物を
取り出しデカグリセリンパルミテートを得た。得られた
デカグリセリンパルミテートを前記したHPLCを用い
てモノエステル体含量を測定したところ、72%であっ
た。
【0057】(製造例3:デカグリセリンオレートの製
造例) 窒素導入管、攪拌機、冷却管、温度調節器、滴下シリン
ダーを備えた1リットルの四ツ口フラスコに、オレイン
酸0.5mol(141g)とリン酸(85%品)0.
3gを加え、140℃に加熱した。次いで反応温度を1
40℃に保ちながらグリシドール5.0mol(370
g)を7時間かけて滴下し系中のオキシラン濃度が0.
1%未満になるまで反応を続けた。冷却後反応物を取り
出しデカグリセリンオレートを得た。得られたデカグリ
セリンオレートを前記したHPLCを用いてモノエステ
ル体含量を測定したところ、75%であった。
【0058】(製造例4:ヘキサグリセリンステアレー
トの製造例) 窒素導入管、攪拌機、冷却管、温度調節器を備えた5リ
ットルの四ツ口フラスコにグリセリン3000gと水酸
化ナトリウムを30g入れ、窒素気流下150mmHg
の減圧下で生成水を除去しながら240℃まで加熱し2
4時間保持し、ヘキサグリセリンの反応物を得た。得ら
れたヘキサグリセリンをイオン交換樹脂を使用し脱Na
OHを行った。得られたものの水酸基価は970であっ
た。窒素導入管、攪拌機、冷却管、温度調節器を備えた
1リットル四ツ口フラスコに、ステアリン酸0.5mo
l(142g)を入れ、水酸化ナトリウム0.4gを入
れ、上記で得たヘキサグリセリン0.5mol(231
g)を仕込み窒素気流下で生成水を除去しながら、25
0℃で反応してヘキサグリセリンステアレートを得た。
得られたヘキサグリセリンステアレートを前記したHP
LCを用いて、モノエステル体含量を測定したところ、
56%であった。
【0059】(製造例5:デカグリセリンパルミテート
の製造例) 窒素導入管、攪拌機、冷却管、温度調節器を備えた5リ
ットルの四ツ口フラスコにグリセリン3000gと水酸
化ナトリウムを30g入れ、窒素気流下150mmHg
の減圧下で生成水を除去しながら240℃まで加熱し3
5時間保持し、デカグリセリンの反応物を得た。得られ
たデカグリセリンをイオン交換樹脂を使用し脱NaOH
を行った。得られたものの水酸基価は890であった。
1リットル四ツ口フラスコに、パルミチン酸0.6mo
l(153.6g)を入れ、水酸化ナトリウム0.4g
を入れ、上記で得たデカグリセリン0.6mol(45
4.8g)を仕込み窒素気流下で生成水を除去しなが
ら、250℃で反応してデカグリセリンパルミテートを
得た。得られたデカグリセリンパルミテートを前記した
HPLCを用いて、モノエステル体含量を測定したとこ
ろ、63%であった。
【0060】(製造例6:デカグリセリンオレートの製
造例) 1リットル四ツ口フラスコに、オレイン酸0.6mol
(153.6g)を入れ、水酸化ナトリウム0.5gを
入れ、製造例5で得られたデカグリセリン0.6mol
(454.8g)を仕込み窒素気流下で生成水を除去し
ながら、250℃で反応してデカグリセリンオレートを
得た。得られたデカグリセリンオレートを前記したHP
LCを用いて、モノエステル体含量を測定したところ、
59%であった。
【0061】(実施例6:バターケーキ類用油脂組成物
の製造) 融点35℃の魚油硬化油60重量部と精製大豆油15重
量部、ステアリン酸グリセライド(モノエステル体含量
90%)5重量部を加熱溶解し、油相部とした。次に水
14重量部に製造例1より得られたヘキサグリセリンス
テアリン酸エステル6重量部を添加分散し、加温し水相
部とした。油相部を攪拌しながら水相部を徐々に加えて
乳化、混合後、急冷可塑化機(コンビネーター)を通
し、油脂組成物を得た。
【0062】(比較例15) 融点35℃の魚油硬化油60重量部と精製大豆油15重
量部、ステアリン酸グリセライド(モノエステル体含量
90%)5重量部を加熱溶解し、油相部とした。次に水
14重量部に市販品のポリグリセリンラウリン酸エステ
ル6重量部を添加分散し、加温し水相部とした。油相部
を攪拌しながら水相部を徐々に加えて乳化、混合後、急
冷可塑化機(コンビネーター)を通し、油脂組成物を得
た。
【0063】(試験例1) 実施例6及び比較例15で得られた油脂組成物を用い表
−3に記載した配合でバターケーキ生地をオールインミ
ックス式にて、生地比重が0.8となるまでホイップし
た後、得られた生地400gを180℃オーブンにて焼
成した。得られたバターケーキについて、生地状態及び
食感について官能評価を行った。結果を表−4に示し
た。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】表−4に示したように、実施例6で得られ
たバターケーキは、比較例15で得られたものに比し
て、生地の状態及び食感とも良好なものであった。
【0067】(実施例7:ココア飲料) ココアパウダー(カカオバター10重量%含有)1重量
部、牛乳15重量部、ショ糖5重量部、製造例2より得
られたデカグリセリンパルミテート1重量部及び温水7
8重量部を混合し、70℃に加熱した後、高速ミキサー
で5分間攪拌し、ホモジナイザーにて均質化した後、缶
に充填した。
【0068】(比較例16) ココアパウダー(カカオバター10重量%含有)1重量
部、牛乳15重量部、ショ糖5重量部、製造例5より得
られたデカグリセリンパルミチン酸エステル1重量部及
び温水78重量部を混合し、70℃に加熱した後、高速
ミキサーで5分間攪拌し、ホモジナイザーにて均質化し
た後、充填した。
【0069】(試験例2) 実施例7及び比較例16で調製された缶を室温にて、静
置し経時的に10缶ずつ開缶し浮遊物の有無について観
察した。その結果を表−5に示した。
【0070】
【表5】
【0071】実施例7で得られたココア飲料は、5日目
で浮遊物が認められず比較例16で得られたココア飲料
は5日目で浮遊物を認められた。
【0072】(実施例8) 準強力粉1000gに対し、製造例3より得られたデカ
グリセリンオレート3gに粉末かんすい7g、食塩10
g、水300gを配合し、ミキサーで15分間混合し、
定法により圧延、切り出し(最終めん帯1.5mm、切
り歯#20角)を行って得られためんを蒸し器で7分間
蒸し、流水で30秒間水洗を行った。水切り後、ポリエ
チレン袋に蒸しめんを170gずつ充填密封した。
【0073】(比較例17) 準強力粉1000gに対し、製造例6より得られたデカ
グリセリンオレート3gに粉末かんすい7g、食塩10
g、水300gを配合し、ミキサーで15分間混合し、
定法により圧延、切り出し(最終めん帯1.5mm、切
り歯#20角)を行って得られためんを蒸し器で7分間
蒸し、流水で30秒間水洗を行った。水切り後、ポリエ
チレン袋に蒸しめんを170gずつ充填密封した。
【0074】(試験例3) 実施例8及び比較例17で調製された蒸しめんを5℃の
冷蔵庫で5日間保存した後、フライパンに油をひき、蒸
しめんを炒め、パネラー20名にてめん線のほぐれ性、
食味・食感について評価した。めん線のほぐれ評価は箸
を用いて試食する際に、めん線のほぐれ具合について、
極めてよいものを10点、極めて悪いものを1点とする
10段階評価を行いパネラー20名の平均値で示した。
食味・食感の評価は、極めてよいものを10点、極めて
悪いものを1点とする10段階評価を行いパネラー20
名の平均値で示した。結果を表−6に示した。
【0075】
【表6】
【0076】実施例8で得られた蒸しめんは、比較例1
7で得られた蒸しめんに比べて、ほぐれ、食感、食味と
もに良好であった。
【0077】(実施例9) ソルビット粉末750gを105℃に加熱して溶融し、
これに製造例3により得られたデカグリセリンオレート
100gを80℃に加熱したものを加え、90℃以上に
保ちながらホモミキサーで5分間激しく攪拌した。80
℃付近に保ったジャケット付ニーダーに分散液を移し、
粒径80メッシュ以下のソルビット微粉末130gを加
え10分間混合した。混合物を冷却した後粉砕し、16
メッシュのふるいを通し、粉末状の冷凍すり身添加用品
質改良剤を得た。
【0078】(比較例18) ソルビット粉末750gを105℃に加熱して溶融し、
これに製造例6により得られたデカグリセリンオレート
100gを80℃に加熱したものを加え、90℃以上に
保ちながらホモミキサーで5分間激しく攪拌した。80
℃付近に保ったジャケット付ニーダーに分散液を移し、
粒径80メッシュ以下のソルビット微粉末130gを加
え10分間混合した。混合物を冷却した後粉砕し、16
メッシュのふるいを通し、粉末状の冷凍すり身添加用品
質改良剤を得た。
【0079】(試験例4) スケトウダラから定法により得られた脱水肉5kgに、
実施例9又は比較例18の改良剤125gにしょ糖20
0g、ピロリン酸及びポリリン酸ナトリウム各5gを加
え小型サイレントカッターで5分間混合し、均一とし
た。このすり身をポリエチレン製の袋に2.5kgずつ
充填した後ー30℃で凍結し、3週間後に一夜冷蔵庫
(5℃)に放置し自然解凍した。このすり身2kgをサ
イレントカッターに入れ、すり身に対して食塩3%及び
ばれいしょ澱粉5%を添加して13分間練り上げ、折径
48mmの塩化ビニリデン製フィルムに充填し、結糸し
た後90℃の熱湯中で30分間加熱して蒲鉾を製造し
た。ハンター白度及び蒲鉾の弾力を測定した。結果は表
−7に示した。
【0080】
【表7】
【0081】実施例9は比較例18に比して白度及び弾
力の点で優れたものであった。
【0082】(実施例10) サラダ油40重量部、酢酸15重量部、食塩2.0重量
部、キサンタンガム0.2重量部、水41.8重量部、
製造例1で得られたヘキサグリセリンステアレート1重
量部を添加し、ホモミキサーを使用して、10000r
pm、2分間の乳化を行いドレッシングを調製した。得
られたドレッシングのpHは、4.0であった。
【0083】(比較例19) サラダ油40重量部、酢酸15重量部、食塩2.0重量
部、キサンタンガム0.2重量部、水41.8重量部、
製造例4で得られたヘキサグリセリンステアレート1重
量部を添加し、ホモミキサーを使用して、10000r
pm、2分間の乳化を行いドレッシングを調製した。得
られたドレッシングのpHは、4.0であった。
【0084】(試験例5) 実施例10及び比較例19より得られた乳化ドレッシン
グを40℃で10日保存した。その結果実施例10では
油層分離が全く見られなかったのに対し、比較例19よ
り得られた乳化ドレッシングでは、サラダ油の10重量
%が分離を生じていた。
【0085】(実施例11) 醤油88.8重量部、サラダ油10重量部、キサンタン
ガム0.2重量部に製造例1で得られたヘキサグリセリ
ンステアレート1重量部を添加し、ホモミキサーを使用
して10000rpm、2分間の乳化を行いたれを調製
した。
【0086】(比較例20) 醤油88.8重量部、サラダ油10重量部、キサンタン
ガム0.2重量部に、製造例4で得られたヘキサグリセ
ンステアレート1重量部を添加し、ホモミキサーを使
用して10000rpm、2分間の乳化を行いたれを調
製した。
【0087】(試験例6) 実施例11又は比較例20により得られたたれを40
℃、4日間保存した。その結果実施例11のたれは、油
層分離を起こさないのに対し、比較例20のたれは、サ
ラダ油の20重量%が分離を起こしていた。
【0088】(実施例12) ヤシ硬化油20.0重量部、脱脂粉乳2.5重量部、カ
ゼインナトリウム2.5重量部、水74重量部に製造例
1で得られたヘキサグリセリンステレート1重量部を添
加し、ホモミキサーを使用して10,000rpm、2
分間の乳化処理を行いコーヒークリームを調製した。
【0089】(比較例21) ヤシ硬化油20.0重量部、脱脂粉乳2.5重量部、カ
ゼインナトリウム2.5重量部、水74重量部に製造例
4で得られたヘキサグリセリンステアリン酸エステル1
重量部を添加し、ホモミキサーを使用して10,000
rpm、2分間の乳化処理を行いコーヒークリームを調
製した。
【0090】(試験例7) 実施例12及び比較例21より得られたコーヒークリー
ムを40℃、4日間保存した。目視による状態変化を表
−8に示した。
【0091】
【表8】
【0092】実施例12で得られたコーヒークリームは
比較例21で得られたコーヒークリームに比べて、乳化
が安定であった。
【0093】
【発明の効果】以上、実施例、比較例および試験例等に
よる具体的説明により明らかなように、本発明により、
モノ脂肪酸エステル体含有率の高いポリグリセリン脂
酸エステルを界面活性剤、乳化安定剤等の食品添加剤に
応用した場合に、表面張力の向上、分散力の向上、起泡
力の向上、乳化安定性の著しい向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリグリセリンラウリン酸
エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図2】実施例2で得られたポリグリセリンラウリン酸
エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図3】実施例3で得られたポリグリセリンラウリン酸
エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図4】実施例4で得られたポリグリセリンラウリン酸
エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図5】実施例5で得られたポリグリセリンラウリン酸
エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図6】比較例1で得られたポリグリセリンラウリン酸
エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図7】比較例2で得られたポリグリセリンラウリン酸
エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図8】比較例3で得られたポリグリセリンラウリン酸
エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図9】比較例4で得られたポリグリセリンラウリン酸
エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図10】比較例5で用いた市販のポリグリセリン脂肪
酸エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図11】比較例6で用いた市販のポリグリセリン脂肪
酸エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図12】比較例7で用いた市販のポリグリセリン脂肪
酸エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図13】比較例8で用いた市販のポリグリセリン脂肪
酸エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図14】比較例9で用いた市販のポリグリセリン脂肪
酸エステルについてのHPLCによるチャートである。
【図15】比較例10で用いた市販のポリグリセリン脂
肪酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図16】比較例11で用いた市販のポリグリセリン脂
肪酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図17】比較例12で用いた市販のポリグリセリン脂
肪酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図18】比較例13で用いた市販のポリグリセリン脂
肪酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
【図19】比較例14で用いた市販のポリグリセリン脂
肪酸エステルについてのHPLCによるチャートであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23L 1/325 101 A23L 1/325 101D 2/38 2/38 C 3/3517 3/3517 B01F 17/38 B01F 17/38 (56)参考文献 特開 昭62−153256(JP,A) 特開 昭58−185537(JP,A) 特開 平6−41007(JP,A) 特開 平3−81252(JP,A) 特開 昭63−23837(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/03 - 1/035 C07C 69/33 - 69/675

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[2]で示される脂肪酸とグリシ
    ドールをリン酸系酸性触媒の存在下で反応させて得られ
    た下記一般式[1]で示されるモノ脂肪酸エステル体を
    アルコール系溶媒及び/又は蒸留水を溶離液とするオク
    タデシルシリル基結合シリカゲルカラムを用いる高速液
    体クロマトグラフィーで分離し紫外線吸収検出器を用い
    て検出されるピーク面積比で表した含有率70%以上含
    むポリグリセリン脂肪酸エステルからなる食品添加剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 Rの炭素数が7以上である請求項1に
    載のポリグリセリン脂肪酸エステルからなる食品添加
    剤。
  3. 【請求項3】 食品添加剤が、製パン・製菓用油脂組成
    物の乳化剤である請求項1または2に記載の食品添加
    剤。
  4. 【請求項4】 食品添加剤が、ココア飲料用乳化安定剤
    である請求項1または2に記載の食品添加剤。
  5. 【請求項5】 食品添加剤が、でん粉食品の添加剤であ
    る請求項1または2に記載の食品添加剤。
  6. 【請求項6】 食品添加剤が、水産練り製品の添加剤で
    ある請求項1または2に記載の食品添加剤。
  7. 【請求項7】 食品添加剤が、水中油型乳化油脂組成物
    用乳化剤である請求項1または2に記載の食品添加剤。
  8. 【請求項8】 食品添加剤が、常温長時間中種法製パン
    用小麦粉配合物である請求項1または2に記載の食品添
    加剤。
  9. 【請求項9】 食品添加剤が、サワーチーズ飲料用脂肪
    分散乳化促進剤である請求項1または2に記載の食品添
    加剤。
  10. 【請求項10】 食品添加剤が、食品鮮度保持剤用乳化
    剤である請求項1または2に記載の食品添加剤。
  11. 【請求項11】 食品添加剤が、コーヒークリーム用乳
    化剤である請求項1または2に記載の食品添加剤。
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