JP3514754B2 - 肝臓癌の治療 - Google Patents

肝臓癌の治療

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の背景] 本発明は、肝癌すなわち肝臓癌の治療に関する。
【0002】 両生動物のペプチド ボンベシン(bombesin)、pGlu
−Gln−Arg−Leu−Gly−Asn−Gln−Trp−Ala−Val−Gly
−His−Leu−Met−NH2(アナスタシ(Anastasi)ら、エ
クスペリエンティア(Experientia)27巻、166〜167頁
(1971))は、哺乳動物のガストリン放出ペプチド(GR
P)、たとえばブタGRP、Ala−Pro−Val−Ser−Val−Gly
−Gly−Gly−Thr−Val−Leu−Ala−Lys−Met−Tyr−Pro
−Arg−Gly−Asn−His−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu
−Met−NH2(マクドナルド(McDonald)ら、バイオケミ
カル アンド バイオフィジカル リサーチ コミュニ
ケーション(Biochem.Biophys.Res.Commun.)、90巻、2
27〜233頁(1979))およびヒトGRP、Val−Pro−Leu−P
ro−Ala−Gly−Gly−Gly−Thr−Val−Leu−Thr−Lys−M
et−Tyr−Pro−Arg−Gly−Asn−His−Trp−Ala−Val−G
ly−His−Leu−Met−NH2に密接に関連している。
【0003】 ボンベシンは、小細胞肺癌(SCLC)を含む数多くのヒ
ト癌細胞系に対する成長因子であることが見い出され、
ヒト乳癌および前立腺癌中に検出されている(ヘイブマ
ン(Haveman)ら編、リーセント リザルツ イン キ
ャンサー リサーチ−ペプチド ホルモンズ イン ラ
ング キャンサー(Recent Results in Cancer Researc
h−Peptide Hormones in Lung Cancer)、スプリンガー
−バーグ(Springer−Verlag)、ニューヨーク(198
6))。これら多くの癌がGRPまたはボンベシンに関連性
のあるペプチドホルモンを分泌することが知られてい
る。その結果、ボンベシンに対するアンタゴニストが、
これらの癌の治療のための薬剤として提案されてきた。
【0004】 カチッタ(Cuttitta)らは、ボンベシンに対する特異
的なモノクローナル抗体が、ヌードマウスに異種移植し
たヒト小細胞肺癌細胞系の成長を生体内で(in vivo)
阻害することを立証した(カチッタら、キャンサー サ
ーベイ(Cancer Survey)4巻、707〜727頁(198
5))。ボンベシンの***効果に応答性のある3Tマウス
線維芽細胞においてザハリイ(Zachary)とローゼング
ルト(Rozengurt)は、サブスタンスP アンタゴニス
ト(スパンチド(Spantide))がボンベシンのアンタゴ
ニストとして作用することを認めた(ザハリイら、プロ
シーディング オブ ナショナル アカデミー オブ
サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.)(USA)、82巻7616
〜7620頁(1985))。ハインツ−エリアン(Heinz−Eri
an)らは、ボンベシンの12番目のHisをD−Pheに置換し
てモルモット膵臓由来の分散腺房(acini)におけるボ
ンベシン アンタゴニスト活性を観察した(ハインツ−
エリアンら、アメリカン ジャーナル オブ フィジオ
ロジイ(Am.J.of Physiol.)252巻、G439〜G442頁(198
7))。リビエル(Rivier)は、分子内ジスルフィド架
橋を組込んでボンベシンの生物活性を有するC−末端デ
カペプチドのコンホメーションの自在性を限定すること
を意図した研究を報告した;しかしながらビエルは前記
修飾をなしたボンベシン類似体は、アンタゴニスト活性
を何ら示さないと述べた(リビエルら、コンペティティ
ブ アンタゴニスツ オブ ペプチド ホルモンズ(Co
mpetitive Antagonists of Peptide Hormones)、イン
ターナショナル シンポジウム オン ボンベシン−ラ
イク ペプチズ イン ヘルス アンド ディジーズ
(International Symposium on Bombesin−Like Peptid
es in Health and Disease)の抄録中、ローマ、イタリ
ア(1987年10月))。
【0005】 ボンベシンは、ホルモンの放出ならびに膵、胃、腸の
分泌および腸の運動の促進を含む、胃腸管に対する直接
および間接の効果のいずれをも示す。ボンベシンによっ
て放出されるガストリンおよびコレシストキニン(Chol
ecystokinin)(CCK)は、正常の胃腸粘膜の維持もさる
ことながら、正常および腫瘍の組織の増殖の増大におい
ても役割を果たすことが示されている。ヌードマウス内
へ異種移植したヒト結腸および胃癌の成長は、ガストリ
ン投与によって促進され、そののちセクレチンを添加す
ると阻害され(タナカ(Tanaka)ら、トーカク ジャー
ナル オブ エクスペリメンタル メディシン(Tokaku
J.Exp.Med.)148巻、459頁(1986))、さらにガスト
リンレセプターを有するMC−26マウス結腸癌の増殖は、
ペンタガストリンによって促進され(ウィンセット(Wi
nsett)ら、サージェリイ(Surgery)99巻、302頁(198
0))、ガストリンレセプターのアンタゴニストである
プログルミドによって阻害される(ビューシャンプ(Be
auchamp)ら、アニュアル サージェリイ(Ann.Surg.)
202巻、303頁(1985))。ボンベシンは、正常ホストの
膵臓の栄養剤として働くと同時に異種移植したヒト膵臓
腫瘍の組織の成長阻害剤としても働くことが見い出され
た(アレクサンダー(Alexander)ら、パンクレアス(P
ancreas)3巻247頁(1988))。
【0006】 一般的でない省略形: シクロヘキシル−Ala=CHxAla=シクロヘキシルアラニ
【0007】
【化1】
【0008】 pGlu=ピログルタミン酸
【0009】
【化2】
【0010】 Nle=ノルロイシン
【0011】
【化3】
【0012】 Cpa=パラ−クロロ−フェニルアラニン Hypro=ヒドロキシプロリン β−Nal=β−ナフチルアラニン Sar=サルコシン F5−Phe=ペンタ−フルオロ−フェニルアラニン Sta(スタチン)=(3S,4S)−4−アミノ−3−ヒドロ
キシ−6−メチルヘプタン酸であり化学構造は:
【0013】
【化4】
【0014】 AHPPA=(3S,4S)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−
フェニルペンタン酸であり化学構造は:
【0015】
【化5】
【0016】 ACHPA=(3S,4S)−4−アミノ−5−シクロヘキシル−
3−ヒドロキシペンタン酸であり、化学構造は:
【0017】
【化6】
【0018】 R=右(D)立体配置;S=左(L)立体配置;ならびに
ラセミ体=RとSの等量混合体 1−メチル−His;3−メチル−His=ヒスチジンの1また
は3位で窒素原子にメチル(CH3)基:
【0019】
【化7】
【0020】 Met−オキシド=メチオニンオキシド
【0021】
【化8】
【0022】 α−アミノ酸の同定基とは(たとえばピログルタミン
酸のばあい、下記参照)、α−カルボニル炭素原子、α
−アミノ窒素原子、または水素原子以外の、不斉α−炭
素原子に結合した原子または原子の集団をいう。例示す
ると、アラニンの同定基はCH3、バリンの同定基は(C
H32CH、リジンの同定基はH3N+(CH2、そしてフェ
ニルアラニンの同定基は(C6H6)CH2である。β−また
はγ−アミノ酸の同定基は、それぞれβ−またはγ−炭
素原子に結合した同様の原子または原子集団である。明
記していないばあいには、同定基は、α、β、またはγ
アミノ酸のものでありうる。ピログルタミン酸のばあ
い、同定基は−NH−CO−CH2−CH2−よりなる。
【0023】 [発明の概要] 本発明は、哺乳動物被検体(subject)の肝癌、すな
わち肝臓の癌を、被検体に治療上有効な量のボンベシン
類似体を含有する組成物を投与することにより治療する
方法を特色とする。「ボンベシン類似体」という語を、
下に定義する。前記治療に用いられうる1つのクラスの
ボンベシン類似体は、全部で7から10までのあいだのア
ミノ酸残基を含むペプチドであって、かつ下記一般式を
有する:
【0024】
【化9】
【0025】 (式中、 A0=Gly、またはpGLu、Nle、α−アミノ酪酸、Ala、Va
l、Gln、Asn、Leu、Ile、p−X−Phe(ここでXはH、
F、Cl、Br、NO2、OH、CH3)、Trp、β−Nal、Cysのい
ずれかのD−もしくはL−異性体、または欠失してい
る; A1=pGlu、Nle、α−アミノ酪酸、Ala、Val、Gln、As
n、Leu、Ile、p−X−Phe(ここでXはH、F、Cl、B
r、NO2、OH、またはCH3)、Asp、Glu、F5−Phe、Trp、
β−Nal、Cys、LysのいずれかのD−もしくはL−異性
体、または欠失している; A2=Gly、またはpGlu、Ala、Val、Gln、Asn、Leu、Il
e、p−X−Phe(ここでXはH、F、Cl、Br、NO2、O
H、またはCH3)、Trp、β−Nal、Asp、Glu、His、1−
メチル−His、3−メチル−His、Cys、Lysのいずれかの
D−もしくはL−異性体、または欠失している; A3=p−X−Phe(ここでXはH、F、Cl、Br、NO2、O
H、またはCH3)、β−Nal、またはTrpのいずれかのD−
またはL−異性体; A4=Ala、Val、Gln、Asn、Gly、Leu、Ile、Nle、α−ア
ミノ酪酸、p−X−Phe(ここでXはH、F、Cl、Br、N
O2、OH、またはCH3)、Trp、またはβ−Nal; A5=Gln、Asn、Gly、Ala、Leu、Ile、Nle、α−アミノ
酪酸、Val、p−X−Phe(ここでXはH、F、Cl、Br、
NO2、OH、またはCH3)、Trp、Thr、またはβ−Nal; A6=Sar、GlyまたはAla、N−メチル−Ala、Val、Gln、
Asn、Leu、Ile、p−X−Phe(ここでXはH、F、Cl、
Br、NO2、OH、またはCH3)、Trp、Cys、β−Nalのいず
れかのD−異性体、または欠失している; A7=1−メチル−His、3−メチル−His、His、Lys、As
p、またはGlu; A8=Leu、Ile、Val、Nle、α−アミノ酪酸、Trp、Thr、
β−Nal、Lys、Asp、Glu、またはCys; A9=Met、Met−オキシド、Leu、Ile、Nle、α−アミノ
酪酸、p−X−Phe(ここでXはH、F、Cl、Br、NO2
OH、またはCH3)、Trp、β−Nal、CHxAla、Cysのいずれ
かのL−異性体、または欠失している; R1およびR2はそれぞれ独立に、H、C1-12のアルキル、C
7-10のフェニルアルキル、COE1(ここでE1はC1-12のア
ルキル、C3-20のアルケニル、C3-20のアルキニル、フェ
ニル、ナフチル、またはC7-10のフェニルアルキル)、
またはC1〜C12のアシル、かつR1およびR2は、類似体の
N−末端アミノ酸残基のα−炭素に隣接した窒素に結合
しており;ただし、R1またはR2のうちの1つがCOE1であ
るばあいには、いま1つはHでなければならない;また
R3はOH、NH2、C1-12のアルコキシ、C7-10のフェニルア
ルコキシ、またはC3-20のナフチルアルコキシであっ
て、類似体のC−末端アミノ酸残基のα−カルボニル炭
素に結合している; ただし、A0が存在するばあい、A1はpGluであってはなら
ず;A0またはA1が存在するばあい、A2はpGluであっては
ならない;さらにA0が欠失しておりかつA1がpGluである
とき、R1およびR2のうちの1つはHでなければならな
い;さらにA0が欠失していてA1がpGluでないとき、A1
A9に結合しうる、またはA0およびA1が欠失しており、A2
がpGluでないばあい、A2はA9に結合しうる、またはA0
A1およびA2が欠失しているばあい、A3はA9に結合しう
る;さらに両側の末端残基がそれぞれAspまたはGlu、お
よびLysでありえないばあい、AspまたはGluの側鎖カル
ボキシル基がアミド架橋を介してLysのε−アミノ基に
結合しうる;さらにA1またはA2のいずれかがCysであり
うるばあい、A8またはA9のいずれかとジスルフィド架橋
を介して結合しうる、A8またはA9のいずれかがCysであ
りうるばあいA1またはA2のいずれかにジスルフィド架橋
を介して結合しうる;そしてさらにA0およびA1が欠失し
ていてA6がD−Alaであるばあい、A8−A9−R3はLeu−Me
t−NH2であってはならない)またはそれらの薬学上許容
しうる塩。
【0026】 この開示においては、アミノ酸配列の式はポリペプチ
ド鎖の慣習的な表記法に従って、N−末端が左、C−末
端が右になっている。また、アミノ酸残基が光学的に活
性なばあい、D−体が特に示されていなければ意味して
いるのはL−体の立体配置である。アミノ酸残基のあい
だの線は、アミノ酸をつなぐペプチド結合をあらわす。
COE1は、
【0027】
【化10】
【0028】 をあらわす。
【0029】 前記の一般式(A)の好適な化合物には: A0=pGlu、Gly、D−Phe、または欠失している; A1=pGlu、D−Phe、D−Ala、D−β−Nal,D−Cpa、D
−Asn、Cys、または欠失している; A2=pGlu、Asn、Gln、His、1−メチル−His、3−メチ
ル−His、Cys、または欠失している; A3=Trp; A4=Ala; A5=Val; A6=Sar、Gly、D−Phe、またはD−Ala; A7=His; A8=Leu、またはCys; A9=Met、Leu、Ile、Nle、Phe、またはCysのいずれかの
L−異性体であるものが含まれる。
【0030】 前記一般式(A)の2つのとくに好適な2つの化合物
は: D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Met−N
H2 (コード名BIM−26218)および D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Leu−N
H2 (コード名BIM−26187)である。
【0031】 本発明の肝癌治療法に適した、別のクラスのボンベシ
ン類似体は、全部で7から10までのあいだのアミノ酸残
基を含むペプチドであって、かつ下記一般式を有する:
【0032】
【化11】
【0033】 (式中、 A0=pGlu、Gly、Nle、α−アミノ酪酸、またはAla、Va
l、Gln、Asn、Leu、Ile、Met、p−X−Phe(ここでX
はF、Cl、Br、NO2、OH、H、またはCH3)、Trp、Cys、
もしくはβ−NalのいずれかのD−異性体、または欠失
している; A1=pGlu、Nle、α−アミノ酪酸のいずれかのD−もし
くはL−異性体、またはAla、Val、Gln、Asn、Leu、Il
e、Met、p−X−Phe(ここでXはF、Cl、Br、NO2、O
H、H、またはCH3)、F5−Phe、Trp、Cysもしくはβ−N
alのいずれかのD−異性体、または欠失している; A2=pGlu、Gly、Ala、Val、Gln、Asn、Leu、Ile、Met、
p−X−Phe(ここでXはF、Cl、Br、NO2、OH、H、ま
たはCH3)、Trp、Cys、β−Nal、His、1−メチル−Hi
s、または3−メチル−His; A4=Ala、Val、Gln、Asn、Gly、Leu、Ile、Nle、α−ア
ミノ酪酸、Met、p−X−Phe(ここでXはF、Cl、Br、
NO2、OH、H、またはCH3)、Trp、Cys、またはβ−Nal; A5=Gln、Asn、Gly、Ala、Leu、Ile、Nle、α−アミノ
酪酸、Met、Val、p−X−Phe(ここでXはF、Cl、B
r、OH、H、またはCH3)、Trp、Thr、またはβ−Nal; A6=Sar、GlyまたはAla、N−メチル−Ala、Val、Gln、
Asn、Leu、Ile、Met、p−X−Phe(ここでXはF、C
l、Br、NO2、OH、H、またはCH3)、Trp、Cys、もしく
はβ−NalのいずれかのD−異性体; A7=1−メチル−His、3−メチル−His、またはHis; R1およびR2はそれぞれ独立に、H、C1-12のアルキル、C
7-10のフェニルアルキル\COE1(ここでE1はC1-20のア
ルキル、C3-20のアルケニル、C3-20のアルキニル、フェ
ニル、ナフチル、またはC1-10のフェニルアルキル)、
またはC112のアシルであり、ただし、R1またはR2のう
ちの1つがCOE1であるばあい、いま1つはHでなければ
ならない;さらにR1およびR2は、類似体のN−末端アミ
ノ酸残基のα−炭素に隣接した窒素に結合している; Wは、A7のα−カルボニル炭素に結合しており、下記の
基のうちの1つである:
【0034】
【化12】
【0035】 (式中、R3はCHR20−(CH2n1(ここでR20はHまたはO
Hのいずれか;かつn1は1か0のいずれか)、または欠
失している、またZ1はGly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、
Asp、Asn、Glu、Gln、p−X−Phe(ここでXはH、
F、Cl、Br、NO2、OHまたはCH3)、F5−Phe、Trp、Cy
s、Met、Pro、HyPro、シクロヘキシル−Ala、またはβ
−Nalのアミノ酸のいずれかの同定基;さらにV1はOR4
または
【0036】
【化13】
【0037】 のいずれかである、 (ここでR4はC1-20のアルキル、C3-20のアルケニル、C
3-20のアルキニル、フェニル、ナフチル、またはC7-10
のフェニルアルキルのいずれかであって、R5、およびR6
はそれぞれ独立に、H、C1-12のアルキル、C7-10のフェ
ニルアルキル、低級アシル、または、
【0038】
【化14】
【0039】 (ここで、R22はH、C1-20のアルキル、C7-10のフェニ
ルアルキル、または低級アシルのいずれかであり);R5
またはR6のうちの1つが−NHR22であれば、いま1つは
Hである));
【0040】
【化15】
【0041】 (式中、R5はCH2−NH、CH2−S、CH2−O、CO−CH2、CH
2−CO、またはCH2−CH2であり、さらにZ2およびZ3はそ
れぞれ独立に、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Asp、A
sn、Glu、Gln、β−Nal、p−X−Phe(ここでXはH、
F、Cl、Br、NO2、OH、またはCH3)、F5−Phe、Trp、Cy
s、Met、Pro、HyPro、またはCHxAlaのアミノ酸のいずれ
かの同定基であり;さらにV2はOR6または
【0042】
【化16】
【0043】 のいずれかである、 (ここでR4、R6、R7、およびR8はそれぞれ独立に、H、
低級アルキル、低級フェニルアルキル、または低級ナフ
チルアルキルである));
【0044】
【化17】
【0045】 (式中、Z4はGly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Asp、As
n、Glu、β−Nal、Gln、p−X−Phe(ここでXはH、
F、Cl、Br、NO2、OH、またはCH3)、F5−Phe、Trp、Cy
s、Met、Pro、またはHyProのアミノ酸のいずれかの同定
基であり;さらにR9、R10、およびR11はそれぞれ独立
に、H、低級アルキル、低級フェニルアルキル、または
低級ナフチルアルキル);または
【0046】
【化18】
【0047】 (式中、R12およびR13はそれぞれ独立に、H、低級アル
キル、低級フェニルアルキル、低級ナフチルアルキルで
ある); ただし、A0が存在するばあい、A1はpGluであってはなら
ない;さらにA0またはA1が存在するばあい、A2はpGluで
あってはならない;さらにA0が欠失していてA1がpGluで
あるばあい、R1およびR2のうちの1つはHでなければな
らない;さらにR12またはR13のいずれかがHでないばあ
い、A7はHis、A6はGly、A5はVal、A4はAla、A2はHisで
あり、またR1またはR2のいずれかがHでないばあい、A1
は欠失していてはならない;さらにまた、 (I)から(IV)の基に関していずれの不斉炭素原子も
R、Sまたはラセミ混合体でありうる)またはそれらの
薬学上許容しうる塩。
【0048】 本発明に用いられる類似体は、前記一般式(B)中に
修飾の1つを有していてもよい:すなわち、生物学的に
活性な部位のアミノ酸残基と隣接したアミノ酸残基との
あいだのペプチド結合のかわりに、非ペプチド結合(ま
たは偽ペプチド結合);または2つの天然アミノ酸残基
のかわりに合成アミノ酸、たとえばスタチン、AHPPA、
またはACHPA、β−アミノ酸、またはγ−アミノ酸残
基;またはC−末端アミノ酸残基を欠失させて、その時
点のC−末端基へ置換基を付加し、類似体が誘導される
前のペプチドの天然N−末端アミノ酸残基とは異なるN
−末端残基を存在させることのいずれかである。スタチ
ン、AHPPA、およびACHPAは前記のごとく定義した化学構
造を有する。
【0049】 非ペプチド結合とは、2つの残基のあいだの結合に関
与している炭素原子がカルボニル炭素からメチレン炭
素、すなわち、CH2−NHに還元されている;かまたは、
それよりは好ましさが少ないが、CO−NHがCH2−S、CH2
−O、CH2−CH2、CH2−CO、またはCO−CH2のいずれかに
置換されていることを意味している。この開示中、−ψ
[CH2NH]−の表記は、非ペプチドのCH2−NH結合を示す
のに用いられている。
【0050】 非ペプチド結合の化学の詳細な議論は、コイ(Coy)
ら(1988)テトラヘドロン(Tetrahedron)44巻、3号8
35〜841頁、ツーウェ(Tourwe)(1985)、ヤンセン
キミカ アクタ(Janssen Chim.Acta)3巻3〜15頁、1
7〜18頁、およびスパトラ(Spatola)(1983)ケミスト
リー アンド バイオケミストリー オブ アミノ ア
シッズ、ペプチズ、アンド プロテインズ(Chemistry
and Biochemistry of Amino Acids,Peptides,and Prote
ins)掲載(ビイ、ウェインシュタイン(B.Weinstei
n)、編)、マーセル デッカー(Marcel Dekker)、ニ
ューヨークおよびバーゼル、267〜357頁に示され、すべ
てをここに参考文献としてあげる。カルボニル炭素をメ
チレン炭素へと還元するペプチド結合の還元法は、コイ
ら、米国特許出願出願番号第879,348号明細書に記載さ
れており、これもここに参考文献としてあげる。ここで
用いられる「ペプチド」の語は、伝統的なペプチド、お
よび前記非ペプチド結合を含むアミノ酸配列の両方をい
う。
【0051】 本発明に用いられる類似体を作るための、天然に生ず
るペプチドの修飾の1つは、前記一般式(B)における
アミノ末端位について記載したような、分子のアミノ末
端の修飾であり;たとえば、A0である、またはA0が欠失
しているばあいA1である、またはA0およびA1がいずれも
欠失しているばあいA2であるN−末端アミノ酸残基が、
芳香族D−異性体、またはアルキル化されたアミノ酸残
基であってもよい。
【0052】 一組の、一般式(B)の好適な化合物には: A0=Gly、D−Phe、または欠失している; A1=p−Glu、D−Phe、D−Ala、D−β−Nal\D−Cp
a、またはD−Asn; A2=Gln、His、1−メチル−His、3−メチル−His; A4=Ala; A5=Val; A6=Sar、Gly、D−Phe、またはD−Ala; A7=His; さらにここで、Wが(I)であってR3がCH2またはCH2
CH2であるばあい、Z1はLeuまたはPheの同定基であり;W
が(I)であってR3がCHOH−CH2であるばあい、Z1はLe
u、CHxAla、またはPheの同定基であり、R5およびR6はそ
れぞれHである;またWが(I)であるばあい、V1はNH
R6であってR6はNH2である;Wが(II)であってR5がCH2
NHであるばあい、Z2およびZ3はそれぞれ独立に、Leuま
たはPheの同定基である;Wが(III)であるばあい、Z4
Leuまたはp−X−Phe(ここでXはH、F、Cl、Br、NO
2、OHまたはCH3)のいずれか1つの同定基である;さら
にR9、R10およびR11はそれぞれ独立に、H、低級アルキ
ル、低級フェニルアルキル、または低級ナフチルアルキ
ルである;また、Wが(IV)のばあい、R12およびR13
それぞれHでありR1およびR2はそれぞれ独立にH、低級
アルキル、または低級アシルであるものが含まれる。
【0053】 この中のとくに好適な2つの化合物は: D−Cpa−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−ψ[CH
2NH]−Phe−NH2 (コード名 BIM−26159)、および D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−ψ[CH
2NH]−Cpa−NH2 (コード名 BIM−26189)である。
【0054】 一般式(B)の好適な化合物の別の一組には、A0が欠
失し、A2がGlnであって、WはR3が欠失し、V1がR4がC
1-20のアルキル、C3-20のアルケニル、C3-20のアルキニ
ル、フェニル、ナフチルまたはC7-10のフェニルアルキ
ルのいずれかであるようなOR4である(I)であるもの
が含まれる。
【0055】 この中のとくに好適な2つの化合物は、 D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−N−メチル−D−Ala−
His−Leu−メチルエステル、およびD−F5−Phe−Gln−
Trp−Ala−Val−D−Ala−His−Leu−メチルエステル である。
【0056】 前記の一般式(A)および(B)中、R1またはR2のい
ずれかが脂肪族、芳香族、または親油性の基であるばあ
いに、生体内での活性は長時間持続させることができ、
本発明の合成物の標的組織への輸送は促進されうる。
【0057】 本発明の治療用組成物はさらに薬学上許容しうる担体
物質、たとえばマンニトール、ラクトース、炭酸マグネ
シウム、またはペプチドがそれとのミセルを形成しうる
リン脂質を含有することが好ましい。
【0058】 ボンベシン類似体のようなペプチドは酸性pHにおいて
安定であるが、塩基性条件および/または膵臓の酵素
(トリプシン/キモトリプシン)の存在下では速やかに
分解するばあいが通例である。したがって、経口投与の
際には、このような物質は膵臓の酵素および腸内環境
(pHおよび細菌)から保護される必要がある。さらにグ
ルコースのような共輸送作用物質が、経口の生物学的利
用率のために必要であるかもしれない。
【0059】 経口投与に好適な治療用組成物の例としては、丸剤、
錠剤、カプセル剤、または液剤(liquid)が含まれる。
組成物を被検体に経口投与するばあい、充分に長時間に
わたって被検体の胃の中でペプチドを分解から保護しう
る物質でペプチドを被覆することがとくに好ましい。こ
うすることで、すべてかまたはほとんどのペプチド分子
が、完全な形で小腸内に達し、吸収されるようになる。
【0060】 また、静脈内または皮下投与のような非経口的な経路
を介して被検体に投与すべく、たとえば液剤のような好
適な剤形に治療用組成物を調製することも可能である。
他の投与の経路としては、経皮的(たとえば、局所的−
浸透増強剤(penetration enhancer)を含むかまたは含
まないクリームを用いる、または電気浸透法(iontopho
retic)による)および経粘膜的(たとえば鼻、腟、頬
または肺の)があげられる。さらに、肝の潅流による腫
瘍部位へのターゲッティングデリバリーを行なうことも
できる。
【0061】 治療用組成物は筋肉内投与に適した生物分解性の徐放
性一般製剤の形とすることもできる。最高の効力のため
には、0次(zero order)放出であることがもっとも好
ましい。治療用組成物を投与するのにツィクロマット
(Zykromat)BT1ペリストールティックポンプ(フェー
リング ラボラトリーズ(Ferring Laboratories)社
製、サファーン(Suffern)、ニューヨーク)のような
埋め込み可能なまたは外付けのポンプを用いることによ
って0次放出が達成しうる。
【0062】 「治療上有効な量」、「薬学的に許容しうる塩または
コンプレックス」および「薬学的に許容しうる担体」と
いう用語は、以下にそれぞれ定義する。
【0063】 本発明の他の特徴および利点は、好適な実施態様の以
下の記載ならびに請求の範囲により明らかとなるであろ
う。
【0064】 [好適な実施態様の詳細な説明] 構造 本発明に用いられる治療用組成物は、一般構造、すな
わち、「発明の概要」に前掲の一般式(A)または
(B)を有する。それらはすべて7から10のアミノ酸残
基を含むボンベシン類似体である。ここで用いる「ボン
ベシン類似体」という語は、天然に生ずる、構造的に関
連性のあるペプチド、すなわち、ボンベシン、ニューロ
メジンB、ニューロメジンC、リトリン、およびGRPの
全配列またはそれらの一部の配列を示すペプチドの1つ
から誘導され、それらと類似の生物学的活性を有するペ
プチドをいう。これら天然に生ずるペプチドの関連する
アミノ酸配列を下に列挙する。:
【0065】 本発明に用いられる類似体は、(1)コイらの1990年
3月30日出願の米国特許出願出願番号第502,438号明細
書、これは1989年8月21日出願の米国特許出願出願番号
第397,169号の一部継続出願であり、これは1989年7月
7日出願の米国特許出願出願番号第376,555号、および1
989年8月16日出願の米国特許出願出願番号第394,727号
の一部継続出願であり、これらは両方とも1989年3月2
日出願の米国特許出願出願番号第317,941号の一部継続
出願であり、これは1988年12月9日出願の米国特許出願
出願番号第282,328号の一部継続出願であり、次いでこ
れは1988年10月14日出願の米国特許出願出願番号第257,
998号の一部継続出願であり、次いでこれは1988年9月2
3日出願の米国特許出願出願番号第248,771号明細書の一
部継続出願であって、次いでこれは、コイらの1988年6
月16日出願の米国特許出願出願番号第207,759号の一部
継続出願であり、これはさらにコイらの1988年6月8日
出願の米国特許出願出願番号第204,171号明細書の一部
継続出願であって、これは次いでコイらの1988年3月25
日出願の米国特許出願出願番号第173,311号の一部継続
出願であり、さらにこれはコイらの1987年9月24日出願
の米国特許出願出願番号第100,571号の一部継続出願で
ある;および(2)ボードン(Bogden)らの1990年5月
9日出願の米国特許出願出願番号第520,225号明細書、
次いでこれはボードンらの1989年11月21日出願の米国特
許出願出願番号第440,039号の一部継続出願である、に
記載されている。これらの出願はすべて同一の譲受人に
譲渡されており、ここでは参考文献としてあげる。
【0066】 ボンベシン類似体は、以下の文献にも記載されてい
る:ザハリイら、プロシーディング オブ ナショナル
アカデミー オブ サイエンス82巻、7616頁(198
5);ハイムブルック(Heimbrook)ら、「シンセティッ
ク ペプチズ:アプローチズ トゥ バイオロジカル
プロブレムズ(“Synthetic Peptides:Approaches to B
iological Problems")、ユー シー エル エー シ
ンポジウム オン モレキュラー アンド セルラー
バイオロジー(UCLA Symposium on Mol.and Cell.Bio
l.)新版、86巻、タム アンド カイザー(Tam and Ka
iser)編;ハインツ−エリアンら、アメリカン ジャー
ナル オブ フィジオロジー、G439頁(1986);マーチ
ネツ(Martinez)ら、ジャーナル オブ メディカル
ケミストリー(J.Med.Chem.)、28巻、1874頁(198
5);ガルゴスキー(Gargosky)ら、バイオケミカル
ジャーナル(Biochem.J.)、247巻、427頁(1987);ド
ゥブリュール(Dubreuil)ら、ドラッグ デザイン ア
ンド デリバリー(Drug Design and Delivery)、2
巻、49頁、ハーウッド アカデミック パブリシャーズ
(Harwood Academic Publishers)、GB(1987);ヘイ
ッキラ(Heikkila)ら、ジャーナル オブ バイオロジ
カル ケミストリー(J.Biol.Chem.)、262巻、16456頁
(1987);カラニカス(Caranikas)ら、ジャーナル
オブ メディカル ケミストリー、25巻、1313頁(198
2);サイード(Saeed)ら、ペプチズ(Peptides)、10
巻、597頁(1989);ロセル(Rosell)ら、トレンズ
イン ファーマコロジャル サイエンス(Trends in Ph
armacological Sciences)、3巻、211頁(1982);ラ
ンドバーグ(Lundberg)ら、プロシーディング オブ
ナショナル アカデミー オブ サイエンス、80巻、11
20頁(1983);エングバーグ(Engberg)ら、ネイチャ
ー(Nature)、293巻、222頁(1984);ミツラヒ(Mizr
ahi)ら、ヨーロピアン ジャーナル オブ ファーマ
コロジー(Euro.J.Pharma.)、82巻、101頁(1982);
リーンダー(Leander)ら、ネイチャー、294巻、467頁
(1981);ウォル(Woll)ら、バイオケミカル バイオ
フィジカル リサーチ コミュニケーション、155巻、3
59頁(1988);リビエルら、バイオケミストリー(Bioc
hem.)、17巻、1766頁(1978);カチッタら、キャンサ
ー サーベイズ(Cancer Surveys)、4巻、707頁(198
5);アウメラス(Aumelas)ら、インターナショナル
ジャーナル オブ ペプチド リサーチ(Int.J.Peptid
e Res.)、30巻、596頁(1987);これらもすべて、こ
こでは参考文献としてあげる。
【0067】 類似体は、薬学的に許容しうるうたとえば酸付加塩の
ような塩、または亜鉛、鉄などとの金属コンプレックス
のかたちで供給しうる。酸付加塩の具体例としては、酢
酸、乳酸、パモ酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、
アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸、酒
石酸、メタンスルホン酸またはトルエンスルホン酸のよ
うな有機酸との酸付加塩、タンニン酸またはカルボキシ
メチルセルロースのような重合酸との酸付加塩、ならび
に塩酸、臭酸、硫酸またはリン酸のような無機酸との酸
付加塩があげられる。
【0068】 類似体の合成 ボンベシン類似体 pGlu−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−ψ[CH2
NH]−Leu−NH2の合成は下記のとおりである。他のボン
ベシン類似体は、下記合成法を適切に修飾することによ
り調製した。
【0069】 第1段階は、以下のように中間体、pGlu−Gln−Trp−
Ala−Val−Gly−His(ベンジロキシカルボニル)−Leu
−ψ[CH2NH]−Leu−ベンズヒドリルアミン樹脂を調製
することであった。
【0070】 塩素イオン型のベンズヒドリルアミン−ポリスチレン
樹脂(ベガ バイオケミカルズ(Vega Biochemicals)
社)(0.97g、0.5ミリモル)を、下記の反応サイクルを
行なうようにプログラムされたベックマン(Beckman)9
90Bペプチド合成機の反応容器中に入れた:(a)塩化
メチレン;(b)塩化メチレン中33%トリフルオロ酢酸
(TFA)(2回、それぞれ1および25分間);(c)塩
化メチレン;(d)エタノール;(e)塩化メチレン;
および(f)クロロホルム中10%トリエチルアミン。
【0071】 中和した樹脂をα−t−ブトキシカルボニル(「Bo
c」)−Leuおよびジイソプロピルカルボジイミド(それ
ぞれ1.5ミリモル)とともに塩化メチレン中で1時間撹
拌し、そののちえられたアミノ酸樹脂を、前記洗浄プロ
グラムの段階(a)から(f)までのサイクルにかけ
た。ファーレンツ(Fehrentz)およびカストロ(Castr
o)、シンセシス(Synthesis)、676頁(1983)の方法
により調製したBOC−Leuアルデヒド(1.25ミリモル)を
5mlの乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、樹脂
TFA塩の懸濁液に添加し、次いで100mg(2ミリモル)の
シアノボロヒドリドナトリウムを添加した(ササキ(Sa
saki)およびコイ、ペプチズ8巻、119〜121頁(198
7);コイら、同上)。1時間撹拌したのち、樹脂混合
物はニンヒドリン反応(1分)に対して陰性であること
が見い出され、遊離のアミノ基が完全に誘導化されてい
ることが示された。
【0072】 ついで下記のアミノ酸(1.5ミリモル)をジイソプロ
ピルカルボジイミド(1.5ミリモル)の存在下で引き続
き結合させ、さらにえられたアミノ酸樹脂を前記と同じ
方法の洗浄/脱ブロッキング段階(a)から(f)まで
のサイクルにかけた: BOC−His(ベンジロキシカルボニル)、BOC−Gly(6M過
剰のp−ニトロフェニルエステルとして結合)、BOC−V
al、BOC−Ala、BOC−Trp、BOC−Gln(6M過剰のp−ニト
ロフェニルエステルとして結合)、およびpGlu。完成し
た樹脂はメタノールで洗浄し、風乾した。
【0073】 前記樹脂(1.6g、0.5ミリモル)をアニソール(5ml)
と無水フッ化水素(35ml)と0℃にて混合し、45分間撹
拌した。過剰のフッ化水素は、乾燥窒素流下で速やかに
蒸発させ、エーテルにて遊離ペプチドを沈殿させて洗浄
した。粗ペプチドを、最少容量の2M酢酸中に溶解し、セ
ファデックスG−25(ファルマシア ファイン ケミカ
ルズ(Pharmacia Fine Chemicals)社製)のカラム(2.
5×100mm)にて溶出した。ついで、UV吸収および薄層ク
ロマトグラフィー(TLC)によって主成分を含むとする
画分を集めて少量にまで蒸発させ、オクタデシルシラン
−シリカ(ワットマン(Whatman)LRP−1、15〜20μm
メッシュサイズ)のカラム(2.5×50cm)に付した。
【0074】 ペプチドは、0〜30%アセトニトリル(0.1%トリフ
ルオロ酢酸水溶液中)の直線的濃度勾配で溶出した。画
分は、TLCおよび分析高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)により調べて、最高の純度のものがえられるように
集めた。水から溶液をくり返し凍結乾燥して白い綿毛状
粉末として60mgの生成物をえた。
【0075】 HPLCおよびTLCにより、生成物は均質であることがわ
かった。酸加水分解物のアミノ酸分析によって、ペプチ
ドの組成を確認した。Leu−ψ[CH2NH]−Leu結合の存
在は、高速原子衝撃質量分析によって実証した。 pGlu−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Phe−ψ[CH2N
H]−Leu−NH2、pGlu−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His
−Leu−ψ[CH2NH]−Leu−NH2、pGlu−Gln−Arg−Leu
−Gly−Asn−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−D−Phe−Leu
−Met−NH2、pGlu−Gln−Arg−Leu−Gly−Asn−Gln−Tr
p−Ala−Val−Gly−D−Phe−Leu−Leu−NH2、pGlu−Gl
n−Arg−Tyr−Gly−Asn−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−D
−Phe−Leu−Met−NH2または他のペプチドは、前記の方
法を適切に変更することにより、同様に同程度の収率で
調製された。
【0076】 D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−ψ
[CH2NH]−D−Phe−NH2の固相合成は、下記のように
行なった: まず、BOC−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His
(トシル)−Leu−ψ[CH2NH]−D−Phe−ベンズヒド
リルアミン樹脂を合成した。
【0077】 塩素イオン型のベンズヒドリルアミン−ポリスチレン
樹脂(アドバンスド ケムテック(Advanced ChemTec
h)社)(1.25g、0.5ミリモル)を、下記の反応サイク
ルを行なうようにプログラムされたアドバンスド ケム
テックACT200ペプチド合成機の反応容器中に入れた:
(a)塩化メチレン;(b)塩化メチレン中33%トリフ
ルオロ酢酸(2回、それぞれ1および25分間);(c)
塩化メチレン;(d)エタノール;(e)塩化メチレ
ン;(f)クロロホルム中10%トリエチルアミン。
【0078】 中和した樹脂をBOC−D−フェニルアラニンおよびジ
イソプロピルカルボジイミド(それぞれ1.5ミリモル)
とともに塩化メチレン中で1時間撹拌し、そののちえら
れたアミノ酸樹脂を、前記洗浄プログラムの段階(a)
から(g)までのサイクルにかけた。ついでTFA処理に
よってBOC基を除去した。ファーレンツおよびカストロ
の方法(同上)により調製したBOC−Leuアルデヒド(1.
25ミリモル)を5mlの乾燥DMF中に溶解して、樹脂TFA塩
の懸濁液に添加し、次に100mg(2ミリモル)のシアノ
ボロヒドリドナトリウムを添加した。1時間撹拌したの
ち、樹脂化合物はニンヒドリン反応(1分)に対して陰
性であることが見い出され、遊離のアミノ基が完全に誘
導化されていることが示された。
【0079】 ついで下記のアミノ酸(1.5ミリモル)を引き続き同
じ方法で結合させた:BOC−His(ベンジロキシカルボニ
ル)、BOC−Gly、BOC−Val、BOC−Ala、BOC−Trp、BOC
−Gln(1等量のヒドロキシベンゾトリアゾール存在下
で結合)、BOC−D−Phe(1等量のヒドロキシベンゾト
リアゾール存在下で結合)。乾燥ののちペプチド樹脂は
1.93gの重量であった。
【0080】 樹脂(1.93g、0.5ミリモル)はアニソール(5ml)と
無水フッ化水素(35ml)と0℃にて混合し、45分間撹拌
した。過剰のフッ化水素は乾燥窒素流下で速やかに蒸発
させ、エーテルにて遊離ペプチドを沈殿させて洗浄し
た。粗ペプチドを最少容量の2M酢酸中に溶解し、セファ
デックスG−25のカラム(2.5×100mm)にて溶出した。
ついでUV吸収およびTLCにより主成分を含むとする画分
を集めて少量にまで蒸発させ、バイダック(Vydac)オ
クタデシルシラン(10〜15μM)のカラム(2.5×50c
m)に付した。これを15〜45%アセトニトリル(0.1%ト
リフルオロ酢酸水溶液中)の直線的濃度勾配で溶出し
た。画分は、TLCおよび分析HPLCにより調べて、最高の
純度のものがえられるように集めた。水から溶液をくり
返し凍結乾燥して、白い綿毛状粉末として120mgの生成
物をえた。
【0081】 生成物はHPLCおよびTLCにより均質であることがわか
った。酸加水分解物のアミノ酸分析によってペプチドの
組成を確認した。Leu−ψ[CH2NH]ペプチド結合の存在
は、高速原子衝撃質量分析によって実証した。
【0082】 類似体D−Cpa−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu
−ψ[CH2NH]−Phe−NH2(BIM−26159)は、D−Pheを
D−Cpaに置き換えることにより同様の方法で合成され
うる。
【0083】 [D−Phe1、His7、desMet9]リトリン、D−Phe−Gl
n−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−NH2の固相合成は、
下記のように行なった。
【0084】 ステップ(1):塩素イオン型のベンズヒドリルアミ
ン−ポリスチレン樹脂(アドバンスド ケムテック社
(0.62グラム、0.25ミリモル)を、下記の反応サイクル
を行なうようにプログラムされたACT200ペプチド合成機
の反応容器中に入れた:(a)塩化メチレン;(b)塩
化メチレン中33%トリフルオロ酢酸(2回、それぞれ1
および25分間);(c)塩化メチレン;(d)エタノー
ル;(e)塩化メチレン;(f)クロロホルム中10%ト
リエチルアミン。
【0085】 中和した樹脂をBOC−Leuおよびジイソプロピルカルボ
ジイミド(それぞれ1.5ミリモル)とともに塩化メチレ
ン中で1時間撹拌し、そののちえられたアミノ酸樹脂
を、前記洗浄プログラムの段階(a)から(g)までの
サイクルにかけた。ついで下記のアミノ酸(1.5ミリモ
ル)を引き続き同じ方法で結合させた:BOC−His(ベン
ジロキシカルボニル)、BOC−Gly、BOC−Val、BOC−Al
a、BOC−Trp、BOC−Gln(6M過剰のp−ニトロフェニル
エステルとして結合)、およびBOC−D−Phe(ヒドロキ
シベンゾトリアゾール中で結合)。乾燥ののちペプチド
樹脂は0.92gの重量であった。
【0086】 ステップ(2):ついで樹脂(0.92g)をアニソール
(5ml)、ジチオスレイトール(200mg)および無水フッ
化水素(35ml)と0℃にて混合し、45分間撹拌した。過
剰のフッ化水素は乾燥窒素流下で速やかに蒸発させ、エ
ーテルにて遊離ペプチドを沈殿させて洗浄した。粗ペプ
チドを最少容量の2M酢酸中に溶解し、セファデックスG
−25のカラム(2.5×100cm)にて溶出した。ついでUV吸
収およびTLCにより主成分を含むとする画分を集めて少
量にまで蒸発させ、バイダックオクタデシルシラン(10
〜15μM)のカラム(2.5×50cm)に付した。カラム
は、0〜30%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸
水溶液中)の直線的濃度勾配で溶出した。画分は、TLC
によって調べ、最高の純度のものがえられるように集め
た。水から溶液をくり返し凍結乾燥して、白い綿毛状粉
末をえた;この生成物は、HPLCおよびTLCにより均質で
あることがわかった。酸加水分解物のアミノ酸分析によ
ってペプチドの組成を確認した。
【0087】 D−β−Nal−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−
NH2の合成は、前記と同じ方法を用いてなしとげた[ス
テップ(1)では0.62g、0.25ミリモルのベンズヒドリ
ルアミン樹脂、およびステップ(2)では0.92g]
【0088】 N−アセチル−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−
His−Leu−NH2の合成は、塩化メチレン中無水酢酸を用
いて最終的なBOC基の除去と樹脂のアセチル化を行なっ
たことを除いては前記と同じ方法を用い、ステップ
(1)で0.62g(0.25ミリモル)のベンズヒドリルアミ
ン樹脂を用い、ステップ(2)で0.92gの樹脂をアニソ
ールとともに混合して、なしとげた。
【0089】 [Sta8、desMet9]リトリンの合成は下記のとおりに
行なった。ペプチドが、ペプチド結合だけしか含まない
ばあい、スタチン、AHPPA、またはACHPA残基を類似体の
いずれか2つのアミノ酸と置換した。たとえば[Sta8
desMet8]リトリンは第1にスタチンを樹脂に結合さ
せ、ついでBOC−His(ベンジロキシカルボニル)を添加
して続行することにより、同様に調製した。
【0090】 スタチンまたはBOC−スタチンは、リッチ(Rich)
ら、1978、ジャーナル オブ オーガニック ケミスト
リー(J.Organic Chem.)、43巻、3624頁;およびリッ
チら、1980、ジャーナル オブ メディカル ケミスト
リー、23巻27頁の方法にしたがって合成し、AHPPAおよ
びACHPAは、ヒューイ(Hui)ら、1987、ジャーナル オ
ブ メディカル ケミストリー、30巻、1287頁;シュダ
(Schuda)ら、1988、ジャーナル オブ オーガニック
ケミストリー、53巻、873頁;およびリッチら、198
8、ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー、5
3巻、869頁の方法にしたがって合成した。
【0091】 ペプチドpGlu−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta
−NH2の固相合成は、BOC−スタチン(リッチら、ジャー
ナル オブ オーガニック ケミストリー1978、43巻、
3624頁の方法により調製)をまずはじめにメチルベンズ
ヒドリルアミン−ポリスチレン樹脂に結合する下記の方
法を用いてなしとげた。アセチル化ののち、中間体p−
Glu−Gln−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His(ベンジロキ
シカルボニル)−Sta−メチルベンズヒドリルアミン樹
脂を調製した。この調製に用いた合成法を下に詳述す
る:
【0092】 1.メチルベンズヒドリルアミン樹脂へのBOC−スタチン
の取り込み。 塩素イオン型のメチルベンズヒドリルアミン−ポリス
チレン樹脂(ベガ バイオケミカルズ社)(1.0g、0.73
ミリモル)を、ベガ250Cカップラー(Coupler)ペプチ
ド合成機の反応容器中に入れた。合成機は、下記の反応
を行なうようにプログラムされた: (a)塩化メチレン;(b)クロロホルム中10%トリエ
チルアミン;(c)塩化メチレン;および(d)ジメチ
ルホルムアミド。
【0093】 BOC−スタチン(1.46ミリモル)、ジイソプロピルカ
ルボジイミド(2ミリモル)、およびヒドロキシベンゾ
トリアゾール水和物(1.46ミリモル)よりジメチルホル
ムアミド中0℃にて1時間で作った前合成活性エステル
とともに、中和した樹脂を18時間混合した。えられたア
ミノ酸樹脂は合成機上でジメチルホルムアミド、ついで
塩化メチレンを用いて洗浄した。この時点での樹脂混合
物はカイザー(Kaiser)ニンヒドリン試験(5分)によ
り、樹脂に84%のレベルのスタチンが取り込まれている
ことが見い出された。
【0094】 塩化メチレン中でアミノ酸−樹脂を15分間、N−アセ
チルイミダゾール(5ミリモル)と混合することによ
り、アセチル化を行なった。樹脂の遊離アミノ基の94〜
99%のレベルの誘導が、カイザーニンヒドリン試験(5
分)により示された。ついでBOC−スタチン−樹脂を塩
化メチレンで洗浄した。
【0095】 2.残りのアミノ酸の結合 ペプチド合成機は、下記の反応サイクルを行なうよう
にプログラムされた:(a)塩化メチレン;(b)塩化
メチレン中33%トリフルオロ酢酸(TFA)(2回、それ
ぞれ5および25分間);(c)塩化メチレン;(d)イ
ソプロピルアルコール;(e)クロロホルム中10%トリ
エチルアミン;および(f)塩化エチレン。
【0096】 そののち下記のアミノ酸(2.19ミリモル)が、引き続
いてジイソプロピルカルボジイミド(4ミリモル)の
み、またはジイソプロピルカルボジイミド(4ミリモ
ル)+ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(1.47また
は0.73ミリモル)によって結合され、その結果えられた
ペプチド樹脂は合成機上でジメチルホルムアミドさらに
塩化メチレンを用いて洗浄し、ついで前記方法における
洗浄および脱ブロッキング段階の(a)から(f)まで
のサイクルにかけた。
【0097】 BOC−His(ベンジロキシカルボニル)(2等量のヒド
ロキシベンゾトリアゾール存在下で結合);BOC−Gly;BO
C−Val;BOC−AlaおよびBOC−Trp(1等量のヒドロキシ
ベンゾトリアゾール水和物と0℃で1時間反応させて作
られた前合成ヒドロキシベンゾトリアゾール活性エステ
ルとして係合);BOC−GlnおよびpGlu(これも、1等量
のヒドロキシベンゾトリアゾール水和物と0℃にて1時
間反応させて作られた前合成ヒドロキシベンゾトリアゾ
ールの活性エステルとして結合)。そののち、完成した
ペプチド樹脂をメタノールで洗浄し、風乾した。
【0098】 前記ペプチド樹脂(1.60g、0.73ミリモル)はつい
で、アニソール(2.5ml)、ジチオスレイトール(50m
g)、および無水フッ化水素(30ml)と0℃にて1時間
混合した。過剰のフッ化水素は乾燥窒素流下で速やかに
蒸発させ、エーテルにて遊離ペプチドを沈殿させて洗浄
した。粗ペプチドを100mLの1M酢酸中に溶解し、溶液は
そののち減圧下で蒸発させた。粗ペプチドを最少容量の
メタノール/水1/1中に溶解し、10容量の酢酸エチルを
用いて分離した(triturated)。
【0099】 分離したペプチドは、オクタデシルシラン−シリカ
(ワットマン パーティシル(Partisil)10 ODS−2
M9)のカラム(内径9.4mm×50cm)に付した。ペプチ
ドは0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中、0.1%トリフルオ
ロ酢酸/アセトニトリル(20/80)の20〜80%直線濃度
勾配にて溶出した。画分をTLCおよび分析HPLCによって
調べ、最高の純度のものがえられるように集めた。水か
ら溶液を凍結乾燥して、白い綿毛状粉末として77mgの生
成物をえた。
【0100】 ボンベシン類似体、D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−G
ly−His−Leu−Leu−NH2(BIM−26187)の合成は下記の
とおりである。他のボンベシン類似体は下記の合成法を
適切に修飾することにより調製した。
【0101】 1)4−メチルベンズヒドリルアミンへのBOC−Leuの取
込み。 塩素イオン型の4−メチルベンズヒドリルアミン−ポ
リスチレン樹脂(バケム(Bachem)社)(0.72meq/g)
を、下記の反応サイクルを行なうようにプログラムされ
たACT200ペプチド合成機(アドバンスド ケムテック
社)の反応容器中に入れた:(a)塩化メチレン;
(b)クロロホルム中10%トリエチルアミン;(c)塩
化メチレン;および(d)ジメチルホルムアミド。
【0102】 中和した樹脂を塩化メチレン中でBOC−Leuおよびジイ
ソプロピルカルボジイミド(それぞれ3モル等量)と1
時間混合した。えられたアミノ酸樹脂はジメチルホルム
アミドを用いて合成機上で洗浄し、ジメチルホルムアミ
ド中5%無水酢酸で5分間処理した。ついで、ジメチル
ホルムアミドおよび塩化メチレンを用いて洗浄した。
【0103】 2)残りのアミノ酸の結合 ペプチド合成機は、下記の反応サイクルを行なうよう
にプログラムされた:(a)塩化メチレン;(b)塩化
メチレン中33%トリフルオロ酢酸(TFA)(2回、それ
ぞれ5および25分間);(c)塩化メチレン;(d)イ
ソプロピルアルコール;(e)クロロホルム中10%トリ
エチルアミン;および(f)塩化メチレン。
【0104】 そののち下記のアミノ酸(3モル等量)を引き続いて
同じ方法により結合した。:BOC−Leu、BOC−His(トシ
ル)、BOC−Gly、BOC−Val、BOC−Ala、BOC−Trp、BOC
−Gln(1等量のヒドロキシベンゾトリアゾール存在下
で結合)、BOC−D−Phe(1等量のヒドロキシベンゾト
リアゾール存在下で結合)。そののち完成した樹脂をメ
タノールで洗浄し、風乾した。
【0105】 前記ペプチド樹脂(1.41g)は、アニソール(5mL)、
ジチオスレイトール(50mg)、および無水フッ化水素
(25ml)と0℃にて1時間混合した。過剰のフッ化水素
は乾燥窒素流下で速やかに蒸発させ、残渣をエーテルを
用いて洗浄した。粗ペプチドを100mlの4M酢酸中に溶解
し、溶液はそののち減圧下で蒸発させた。粗ペプチドを
最少容量のメタノール/水中に溶解し、酢酸エチルを用
いて分離した。分離したペプチドは、オクタデシルシラ
ン−シリカ(ワットマン パーティシル10 ODS−2M9)
のカラム(内径9.4mm×50cm)に付した。ペプチドは0.1
%TFA水溶液中、0.1%TAF/アセトニトリル(50/50)の2
0〜80%直線濃度勾配にて溶出した。画分を分析HPLCに
よって調べ、適切な画分を少量にまで蒸発させて、さら
に凍結乾燥し、無色の粉末として65mgの生成物をえた。
【0106】 [D−Cpa1、β−Leu8、desMet9]リトリンを含む他
の化合物、またはたとえば、CHxAla8もしくはNle9を含
む化合物は前記のごとくに調製した;スタチン、AHPP
A、ACHPA、β−アミノ酸、またはγ−アミノ酸残基は、
BOC誘導体として結合することにより天然α−アミノ酸
残基のばあいと同じように添加した。
【0107】 ペプチド合成用の樹脂は、ペプチドのC−末端の化学
構造にしたがって選択した。より詳しくは、メリフィー
ルド(Merrifield)樹脂は、開裂にともなってカルボキ
シルC−末端を生じるエステル結合により第1アミノ酸
に結合させた;他方メチルベンズヒドリルアミンおよび
ベンズヒドリルアミン樹脂は開裂にともなってアミドC
−末端を生じる2級アミン結合によって第1アミノ酸に
結合させた。
【0108】 C−末端で修飾されたペプチドは、前記の方法を適切
に修飾することにより調製した。たとえば、O−メチル
エステル誘導体は、キャンブル(Camble)ら、「アイ
シー アイ 216140 ア ポテント イン ビボ アン
タゴニスト アナログ オブ ボンベシン/ガストリン
リリーシング ペプチド デライブド フロム ザ
C−ターミナル シーケンス ラッキング ザ ファイ
ナル メチオニン レジデュー」(“ICI 216140 A Pot
ent In Vivo Antagonist Analogue of Bombesin/Gastri
n Releasing Peptide Derived From the C−Terminal S
equence Lacking the Final Methionine Residue")、
ライフ サイエンス(Life Science)、10〜11月1989に
記載のように合成した。これを、ここで参考文献として
あげる。
【0109】 キャンブルらはトリメチルアセチルで修飾されたN−
末端およびメチルエステルで修飾されたC−末端を有す
るボンベシン類似体の合成を述べている。この類似体、
(CH33C−CO−His−Trp−Ala−Val−D−Ala−His−L
eu−OCH3は前記したような固相法によって合成された。
N−末端トリメチルアセチル修飾は、ペプチドと対応す
る無水物の反応によってえることができる。C−末端メ
チルエステル修飾は、ペプチド樹脂をメタノールおよび
トリエチルアミンで処理することによりえることができ
る。
【0110】 本発明のペプチドは、ペプチド内に2つのシステイン
残基が存在するばあいジスルフィド架橋の形成によっ
て、またはCys−Cysジスルフィド結合がなければ下記の
例に示す方法にしたがって環化されてもよい。
【0111】 HF開裂によりペプチド−樹脂エステルからえられた粗
ペプチド酸はDMF(0.1%〜1%濃度)中に溶解し、縮合
剤(たとえばBOP試薬、DEPC試薬、DPPA試薬、または他
のいずれの縮合剤でも)、ついで塩基(たとえば、トリ
エチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)で室温に
て1〜3日処理した。真空で乾燥するまで溶媒を除去し
たのち、残渣を通常の方法にしたがってHPLCにより精製
した。D−Phe1がアミド架橋を介してLeu9に共有結合し
た環状[D−Phe1、Leu8、Leu9]リトリンの環化は、BO
P試薬としてベンゾトリアゾール−1−イロキシトリス
(ジメチルアミン)フォスフォニウムヘキサフルオロフ
ォスフェート、DEPC試薬として、ジエチルシアノフォス
フェートおよびDPPA試薬としてジフェニルフォスフォリ
ルアジドを用いて前記の方法にしたがってなしとげられ
た。
【0112】 (類似体の抗肝癌活性の定量) 腫瘍系統(system): ナショナル キャンサー インスティテュート(Nati
onal Cancer Institute)のエイチ プー モーリス
(H.P.Morris)博士より入手したM5123肝癌細胞を、バ
ッファロ系ラットにN−(2−フルオレニルフタルアミ
ド酸)の摂取により誘導し、引き続き移植して樹立し
た。免疫欠損の無胸腺マウスにM5123肝癌細胞を移植す
ると徐々に増殖する致死性の腫瘍が再現性良くえられ
た。
【0113】 分析方法(system): ボンベシン類似体の肝癌細胞に対する増殖抑制効果を
定量するために2つの生体内での分析方法、すなわち腎
被膜下の分析および皮下腫瘍の分析を行なった。
【0114】 (1)腎被膜下の分析 腎被膜下の分析は、固形の悪性腫瘍から調製した腫瘍
異種移植片に対する化学療法剤を検査するための迅速な
生体内での方法として考案されたものである。抗腫瘍ス
クリーニングの方法としては、ヒトおよびネズミの両者
の腫瘍が無胸腺雌性マウスの異種移植として検査される
ことができる。本分析の詳細については、ボーデン、エ
ー イー(Bogden,A.E.)らのア ラピッド スクリー
ニングメソッド フォー テスティング ケモセラピュ
ーティック エイジェンツ アゲインスト ヒューマン
テューモア ゼノグラフツ(a rapid screening meth
od for testing chemotherapeutic agents against hum
an tumor xenografts)(プロシーディング オブ シ
ントム ユース オブ アサイミック(ヌード)マイス
イン キャンサー リサーチ(Proc.Symp.Use of Ath
ymic(Nude)Mice in Cancer Research)231頁掲載、ハ
ウチェンズ(Houchens)ら編、グスタフ フィッシャー
(Gustav Fischer)、ニューヨーク(1978))を参照さ
れたい。
【0115】 その考案の基礎は、固形の腫瘍が不均一な細胞集団
(生合成機能、増殖能力、薬物および成長因子への感受
性、ならびに抗原もしくは受容体の発現の点で不均一)
からなっていることや上皮性/基質性の関連の複雑さが
腫瘍の増殖に影響するのみならず、他の機能的な特徴に
も影響することを考慮することにある。
【0116】 腎被膜下移植に腫瘍断片を用いることにより、受容体
反応、細胞間接触および細胞集団の空間的な関係に必須
の細胞膜、ならびに自己分泌と傍分泌効果の安定性に必
須である腫瘍断片中の組織の両者の完全な状態が維持さ
れる。ボンベシン類似体のような、薬物または生物学的
応答調節剤に対する腫瘍の応答が、このように比較的完
全な微環境内で、クローン原性および非クローン原性の
いずれもの多細胞集団の総合的な応答(net response)
として測定される。さらに実際的には存在する細胞間環
境のアクセシビリティ(accessibility)の障壁をも提
供する。
【0117】 さらに、移植時ならびに実験終了時にふたたび腫瘍異
種移植片の大きさをその場で(in situ)測定すること
により、試験化合物に対する腫瘍の感受性を評価するた
めの、腫瘍の大きさの変化の、きわめて単純なパラメー
タを用いることが可能となる。最初に測定することによ
り、薬効の評価のための各異種移植片そのものの基準が
えられ、すべて臨床的に重要であるパラメータである、
進行、安定化、部分的寛解および完全寛解の点で、薬物
に対する腫瘍の応答が測定できる。
【0118】 本分析において、移植・確立されたM5123肝癌細胞か
ら調製した異種移植片を、まず免疫欠損無胸腺雌性マウ
スに移植し、ついでボンベシン類似体、BIM−26159処置
を行なった。より明確には、0日目に、32匹の無胸腺雌
性マウスにM5123ラット肝癌細胞の1mmの立方体断片を腎
被膜下に移植した。BIM−26159を用いた処置は、1日目
に開始し、注射1回あたり250、50および5μg、皮
下、1日2回、1〜12日(毎日)のスケジュールで行な
われた。13日目にマウスを殺し、0日目から13日間のあ
いだの腫瘍の大きさの変化を定量するために、腎臓を摘
出して腫瘍の大きさを測定した。
【0119】 腫瘍の大きさは、オクラー(ocular)ユニット(OM
U、10 OMU=1mm)の目盛りを付した接眼鏡(ocular)
マイクロメーターを備えた立体鏡を用いてその場で測定
した。各腫瘍につき2つの垂直な(perpendicular)直
径を測り、13日目にわたる平均腫瘍直径の差を算出し
た。
【0120】 (2)皮下の分析 腎被膜下の分析と異なり、皮下の分析においては、腫
瘍異種移植切片は腎皮膜下ではなく皮下に移植され、そ
の移植後、随時処置を開始することができる。
【0121】 本分析では、腫瘍は無胸腺雌性マウスの右脇腹に皮下
移植され、試験化合物、BIM−26159、BIM−26187、BIM
−26189、BIM−26218、BIM−26223およびBIM−26228、
ならびにコントロールは左脇腹に皮下注射された。BIM
−26159、BIM−26187、BIM−26189の構造については前
記の「発明の概要」を参照のこと。BIM−26223およびBI
M−26228の構造は下記のとおりてある: BIM−26223: D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Phe−Leu−N
H2 BIM−26228: D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−CHxAla−Leu−NH2
【0122】 移植された腫瘍の処置に対する応答を、以下のように
モニターした。腫瘍の長さおよび幅を最初に感度のよい
ヴェルニーア(Vernier)カリパスを用いて測定した。
ついで、腫瘍重量を次の方法に基づいて計算した:[長
さ(mm)×幅(mm)]/2ミリグラム。腫瘍の大きさま
たは重量に加えて、この分析方法では「遅延時間」のパ
ラメータ、すなわち、ある大きさに達するための腫瘍の
増殖能におよぼす初期の処置の効果、が可能である。
【0123】 1つの実験では、32匹のマウスに、0日目にM5123肝
癌細胞異種移植片を皮下移植し、1群あたり8匹の4群
に無作為に分けた。ボンベシン類似体BIM−26159を、注
射1回あたり250、50、10μg、皮下、1日2回、1〜1
8日(毎日)投与した。
【0124】 いま1つの実験では、我々は5つのボンベシン類似
体、すなわち、BIM−26187、BIM−26189、BIM−26218、
BIM−26223およびBIM−26228の活性を18日間にわたって
試験した。40匹のマウスに0日目にM5123肝癌細胞異種
移植片を皮下移植し、ついでコントロール群の10匹と各
6匹の試験群に無作為に分けた。すべての化合物を、注
射あたり100μg、皮下、1日2回、1〜18日(毎日)
投与した。
【0125】 結果: 図1に示すのは、無胸腺雌性マウスに移植した肝癌細
胞の増殖に対するBIM−26159の腎被膜下の分析により定
量した効果である。調べた3種の投与量すべて、すなわ
ち5、50、および250μg/注射、皮下、1日2回、1〜
9日(毎日)、においてこのボンベシン類似体は13日の
期間にわたって肝の腫瘍の成長を有意に、すなわち約20
%(すなわち[100− %試験/コントロール
%])減少させる効果があった。このような効果が、投
与量が注射あたり5μgと低くても観察されることは注
目すべきである。同じ結果を表1にも示す。
【0126】
【表1】
【0127】 BIM−26159の増殖抑制効果は、皮下の分析を行なった
ばあい、より顕著であった。図2および表2の両方に示
すように、このボンベシン類似体は、種々の投与量で肝
癌細胞の成長を大いに減じた。注射あたり50μgの投与
量、皮下、1日2回、1〜9日(毎日)、において18日
を越える期間にわたって腫瘍の成長を75%減じる効果が
あった。より低い量(10μg)およびより高い量(250
μg)で投与されたBIM−26159は、わずかに低い抗腫瘍
活性(それぞれ、72%および66%抑制)を示し、逆さベ
ル型の量反応性を呈した(図2)。同じ実験で、移植し
た腫瘍の成長を種々の時間のポイントすなわち、4日、
8日、11日、15日でもモニターした。図3に明瞭に示さ
れるように、移植した腫瘍の成長速度は、3種のすべて
の投与量でのBIM−26159による処置で、8日ののちにコ
ントロールに比して、大変遅かった。
【0128】
【表2】
【0129】 5つの他のボンベシン類似体についても皮下の分析に
よって抗腫瘍活性を調べ、その結果を表3に示す。BIM
−26189、BIM−26218、BIM−26217の3つの類似体が、
移植した肝癌細胞の成長を18日の期間にわたってそれぞ
れ、44%、30%および17%減じた。他方、2つの類似
体、BIM−26223およびBIM−26228はわずかに腫瘍細胞の
成長を賦活化した。
【0130】
【表3】
【0131】 用途 構造式(A)および(B)で示されるボンベシン類似
体は、肝臓癌の生体内治療に用いることができる。
【0132】 投与量は治療される状態、選択される投与経路、およ
び類似体の比活性に依存し、最終的には治療にあたる医
師または獣医師が決定することになろう。ここでは、治
療にあたる医師または獣医師が決定するような活性類似
体の量を「治療上有効な量」といい、それは好ましくは
100μg/kg/日から50mg/kg/日の範囲内である。
【0133】 類似体は、治療される状態にふさわしければいかなる
経路で投与してもよい。好ましくは、類似体は治療を受
ける被検体の血流に注射される。しかしながら、治療さ
れる状態や用いる類似体の活性に応じて、静脈内、皮
下、筋肉内、腹膜内、鼻、口、などのように経路を変え
ることは、当業者により難なく認められることであろ
う。
【0134】 ボンベシン類似体を純粋かまたは実質上純粋な化合物
として投与することも可能であるが、薬学的製剤または
調製物として提供することが好ましい。
【0135】 家畜用およびヒト用の使用の両方に対して、本発明の
製剤は、前記本発明のペプチド類似体を、1またはそれ
より多くの薬学的に許容しうるそれらのための担体、お
よび随意には他の治療用の成分とともに含むものであ
る。
【0136】 担体は、製剤中の1またはそれより多くの活性成分に
適合し(さらに好ましくは、ペプチドを安定化しう
る)、および治療を受ける被検体にとって有害でないと
いう点で「許容しうる」ものでなければならない。望ま
しくは、製剤には酸化剤またはペプチドと不適合である
と知られている他の物質を含有すべきではない。たとえ
ば、環の形状のボンベシン類似体は酸化されており;そ
こで賦形剤として還元剤が存在するとシスチンの二硫黄
架橋(disulfur bridge)の開裂をひきおこしてしまう
であろう。他方、高い酸化状態にあると、システインス
ルホキシドの形成やトリプトファンの酸化を招きうる。
結論としては、注意深く賦形剤を選択することが重要だ
ということである。前に指摘したように、pHがいま一つ
の重要な因子であり、生成物をわずかに酸性の条件(pH
5から6)に緩衝化しておくことが必要である。
【0137】 製剤は、便宜上投与単位形態で提供されてもよく、製
薬の技術においてよく知られたいかなる方法によって調
製されてもよい。すべての方法に、1またはそれより多
くの活性成分を1またはそれより多くの副成分より構成
される担体とあわせる段階が含まれる。
【0138】 通例、活性成分を、細かく分割された固型担体と均一
にかつ完全に混和することにより、錠剤または粉末剤用
の製剤を調製し、そののち、錠剤のばあいのように必要
であれば生成物を所望の形状および大きさに成型する。
【0139】 他方、静脈内投与に好適な製剤は、便宜上1またはそ
れより多くの活性成分の滅菌水溶液を含んでなる。好ま
しくは、該溶液は治療を受ける被検体の血液と等張であ
る。便宜的には、このような製剤は水溶液を作るために
固型の1またはそれより多くの活性成分を水に溶解し、
該溶液を滅菌に付すことにより調製するとよい。製剤
は、単回または複数回分の投与量を含む形で、たとえば
密封したアンプルまたはバイアルで提供されるとよい。
【0140】 (その他の実施態様) 前記記載事項は、本発明における特定の実施態様に限
ったものである。しかしながら、本発明の利点の一部ま
たはすべてを達成しつつ、変化や改良を本発明に加えて
もよいことは明らかであろう。このような実施態様もま
た下記の請求の範囲内にあるものである。 [図面の簡単な説明]
【図1】 図1は、腎皮膜下分析により、無胸腺雌性マウスに13
日間移植した肝癌に対するボンベシン類似体、BIM−261
59の成長阻害効果を示すグラフである。
【図2】 図2は、皮下分析により、無胸腺雌性マウスに18日間
移植した肝癌に対するBIM−26159の成長阻害効果を示す
グラフである。
【図3】 図3は、皮下分析により、無胸腺雌性マウスに移植し
た肝癌への種々の時点でのBIM−26159の成長阻害効果を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 503107635 アドミニストレイターズ オブ ザ ト ュラン エデュケーショナル ファンド アメリカ合衆国、70112 ルイジアナ州、 ニューオーリンズ、トュラン アベニュ ー 1430、トュラン ユニバーシティ メディカル センター (72)発明者 ボードン、アーサー イー アメリカ合衆国、01747 マサチューセ ッツ州、ホープデイル、ローレルウッド ドライブ 212 (72)発明者 コイ、デビッド エイチ アメリカ合衆国、70115 ルイジアナ州、 ニューオーリンズ、ペリエヤー ストリ ート 4319 (72)発明者 キム、スン ヒュク アメリカ合衆国、02167 マサチューセ ッツ州、チェストナット ヒル、ホィッ トネー ストリート 20 (72)発明者 モロー、ジャック−ピエール アメリカ合衆国、01568 マサチューセ ッツ州、アプトン、ウェストバロ ロー ド 159 (56)参考文献 国際公開91/004040(WO,A1) J.Pathol.,Vol.160, No.2(1990)p.169A Chemical Carcinog enesis 2,edited by A.Columbano,et a l.(1991)p.619−623 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Met−N
    H2のボンベシン類似体またはそれらの薬学上許容しうる
    塩を薬学上許容しうる担体物質と混合することを含んで
    なる肝癌治療のための薬剤の製造法。
  2. 【請求項2】式: D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Leu−N
    H2のボンベシン類似体またはそれらの薬学上許容しうる
    塩を薬学上許容しうる担体物質と混合することを含んで
    なる肝癌治療のための薬剤の製造法。
  3. 【請求項3】式: D−Cpa−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−ψ[CH
    2NH]−Phe−NH2のボンベシン類似体またはそれらの薬
    学上許容しうる塩を薬学上許容しうる担体物質と混合す
    ることを含んでなる肝癌治療のための薬剤の製造法。
  4. 【請求項4】式: D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−ψ[CH
    2NH]−Cpa−NH2のボンベシン類似体またはそれらの薬
    学上許容しうる塩を薬学上許容しうる担体物質と混合す
    ることを含んでなる肝癌治療のための薬剤の製造法。
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