JP3513505B2 - プラズマcvd装置、光電変換素子および光電変換素子の製造方法 - Google Patents

プラズマcvd装置、光電変換素子および光電変換素子の製造方法

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JP3513505B2 JP2001395260A JP2001395260A JP3513505B2 JP 3513505 B2 JP3513505 B2 JP 3513505B2 JP 2001395260 A JP2001395260 A JP 2001395260A JP 2001395260 A JP2001395260 A JP 2001395260A JP 3513505 B2 JP3513505 B2 JP 3513505B2
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gas
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD装
置、光電変換素子および光電変換素子の製造方法に関
し、特に原料ガスの供給形態を改良したプラズマCVD
装置、このプラズマCVD装置によりpin構造を持つ
微結晶シリコン層または多結晶シリコン層のうち、実質
的に真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコ
ン層を製膜した太陽電池のような光電変換素子および光
電変換素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の表面処理装置、例えばプラズマC
VD装置は、図4に示すように反応容器101と、この
反応容器内に配置され、加熱用ヒーターを内蔵した被処
理物を支持するための支持電極102と、前記反応容器
101内に前記支持電極102と所望の距離離間して平
行に配置され、前記支持電極側に複数のガス吹き出し孔
103が開口された中空状の平板電極104と、この平
板電極104にインピーダンス整合器105を通して高
周波電力を供給するため高周波電源106と、前記平板
電極104に絶縁管107を介してその平板電極104
の中空部に連通するように連結された原料ガスおよびキ
ャリアガスを含む混合ガスを供給するためのガス供給管
108と、前記反応容器101内のガス排気するための
真空ポンプのような排気設備(図示せず)が連結された
排気管109とを具備した構造を有する。
【0003】このようなCVD装置において、例えばp
in構造の薄膜結晶性シリコン層(微結晶シリコン層ま
たは多結晶シリコン層)を有する例えば太陽電池のよう
な光電変換素子における発電層である前記i型の微結晶
シリコン層または多結晶シリコン層は次のような方法に
より製膜される。すなわち、接地電位とする前記支持電
極102に被処理物110を支持させた後、真空ポンプ
を作動して前記反応容器101内のガスを排気管109
を通して排気し、さらに被処理物110を加熱し、さら
に排気を続行しながら、原料ガスである例えばSiH4
とキャリアガスであるH2との混合ガスをガス供給管1
08から前記平板電極104の中空部に供給し、その平
板電極104の複数のガス吹き出し孔103から前記支
持電極102に向けて吹き出す。このとき、微結晶シリ
コン層または多結晶シリコン層を製膜するためにH2
SiH4の流量比を10倍以上に設定する。前記反応容
器101内が所定の圧力に到達した後、高周波電源10
6から高周波電力をインピーダンス整合器105を通し
て前記平板電極104に供給することにより、接地電位
の前記支持電極102との間でプラズマ111を発生さ
せる。このようなプラズマ111の発生により前記Si
4が解離して前記被処理物110表面にi型の微結晶
シリコン層または多結晶シリコン層が製膜される。
【0004】前述したCVD装置は、SiH4とH2との
混合ガスをガス供給管108から平板電極104に絶縁
管107を通して供給し、この平板電極104の複数の
吹き出し孔103から前記混合ガスを被処理物110が
支持された支持電極102に向けて吹き出す際、前記支
持電極102(被処理物110)と前記平板電極104
との距離を短くすることにより、前記SiH4のプラズ
マ111中での飛行距離が短くなって、結果として前記
SiH4の滞留時間が短くなるため、微粒子の生成を抑
制して膜中への微粒子の取り込みを防ぐことができる。
しかしながら、このように支持電極102と平板電極1
04との距離を短くした状態で微結晶シリコン層または
多結晶シリコン層の製膜速度を高める目的で前記平板電
極104の複数の吹き出し孔103から被処理物110
が支持された支持電極102に向けて吹き出すガス(主
に原料ガスであるSiH4)の流量を増大させると、製
膜されたシリコン層の厚さが不均一になる。すなわち、
前記吹き出し孔103から吹き出されるガスはH2/S
iH4の流量比が10倍以上のSiH4とH2との混合ガ
スであるため、SiH4の流量の増大に伴って前記吹き
出し孔103から多量の混合ガスを吹き出すことにな
り、かつ前記支持電極102と前記平板電極104との
距離が短いために、前記支持電極102の被処理物11
0に対する前記混合ガスの指向性が高くなる。その結
果、ガス吹き出し孔103の対向する被処理物110表
面部分とそれ以外の被処理物110の表面部分との間で
膜厚のばらつきを生じて不均一になる。
【0005】一方、従来のプラズマCVD装置において
微結晶シリコン層または多結晶シリコン層の厚さの均一
化を重視、つまり前記混合ガスの指向性を抑えるために
前記支持電極102(被処理物110)と前記平板電極
104との距離を長くすると、前記SiH4のプラズマ
111中での飛行距離が長くなって、結果として前記S
iH4の滞留時間が長くなるため、微粒子が生成し易く
なってシリコン層の製膜中に取り込まれる微粒子の量が
増大する。製膜されたi型の微結晶シリコン層または多
結晶シリコン層に微粒子が取り込まれ、そのi型の微結
晶シリコン層または多結晶シリコン層に欠陥を生じる。
このような欠陥を持つi型の微結晶シリコン層または多
結晶シリコン層を有する光電変換素子は、光電変換効率
が著しく低下する。
【0006】したがって、従来のプラズマCVD装置で
は製膜中での微粒子の取り込みを防ぐと、膜厚の均一化
が犠牲になり、膜厚の均一化を重視すると欠陥の要因に
なる微粒子の生成、取り込みが生じるという問題点があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製膜時に膜
中に取り込まれる微粒子量の低減と膜厚の均一化を両立
することが可能なプラズマCVD装置を提供しようとす
るものである。
【0008】本発明は、pin構造またはnip構造を
持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を有する
光電変換素子の製造において、少なくとも実質的に真性
のi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層の製
膜中に取り込まれる微粒子の量を著しく低減すると共に
その厚さを均一化でき、さらに前記i型の微結晶シリコ
ン層または多結晶シリコン層を(110)優先配向させ
ることを可能にした光電変換素子の製造方法を提供しよ
うとするものである。
【0009】本発明は、pin構造またはnip構造を
持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を有し、
少なくとも実質的に真性のi型の微結晶シリコン層また
は多結晶シリコン層の製膜中に取り込まれる微粒子の量
を著しく低減され、かつその厚さを均一化でき、さらに
前記i型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を
より一層効果的に(110)優先配向された光電変換素
子を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプラズマC
VD装置は、反応容器と、前記反応容器内に配置され、
加熱用ヒーターを内蔵し、被処理物を支持すると共に接
地電位とした支持電極と、前記反応容器内に前記支持電
極と所望の距離隔てて平行に配置され、前記支持電極側
に複数のガス吹き出し孔が開口された中空棒を組み合わ
せたはしご型電極と、前記はしご型電極に高周波電力を
供給するための高周波電源と、前記はしご型電極に絶縁
管を介して連結され、原料ガスを供給するための第1ガ
ス供給手段と、前記反応容器内に前記支持電極と反対側
の前記はしご型電極側に配置され、前記支持電極側にキ
ャリアガスを供給するための第2ガス供給手段と、前記
反応容器内のガスを排気するためのガス排気手段と、を
具備したことを特徴とするものである。
【0011】本発明に係る光電変換素子の製造方法は、
基板上にpin構造またはnip構造を持つ微結晶シリ
コン層または多結晶シリコン層を有する光電変換素子を
製造するに際し、前記pin構造またはnip構造を持
つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層のうち、少
なくとも実質的に真性のi型の微結晶シリコン層または
多結晶シリコン層は、請求項1記載のプラズマCVD装
置における反応容器内の支持電極に前記基板を有する被
処理物を支持させ、前記反応容器内のガスをガス排気手
段により排気し、前記支持電極の加熱ヒーターにより前
記被処理物を加熱し、原料ガスであるSi含有ガスを第
1ガス供給手段およびはしご型電極のガス吹き出し孔か
ら前記支持電極の被処理物に向けて供給すると共にキャ
リアガスであるH2を前記はしご型電極背面の第2ガス
供給手段から前記支持電極の被処理物に向けて供給し、
高周波電源から前記はしご型電極に高周波電力を供給し
て接地電位の前記支持電極との間でプラズマを発生させ
て製膜されることを特徴とするものである。
【0012】本発明に係る別の光電変換素子の製造方法
は、基板上にpin構造またはnip構造を持つ微結晶
シリコン層または多結晶シリコン層を有する光電変換素
子を製造するに際し、前記pin構造またはnip構造
を持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層のう
ち、少なくとも実質的に真性のi型の微結晶シリコン層
または多結晶シリコン層は、請求項1記載のプラズマC
VD装置における反応容器内の支持電極に前記基板を有
する被処理物を支持させ、前記反応容器内のガスをガス
排気手段により排気し、前記支持電極の加熱ヒーターに
より前記被処理物を加熱し、原料ガスであるSiH4
SiH2Cl2、SiHCl3およびSiCl4から選ばれ
る少なくとも1つの塩素化ケイ素系化合物ガスとを第1
ガス供給手段およびはしご型電極のガス吹き出し孔から
前記支持電極の被処理物に向けて供給すると共にキャリ
アガスであるH2を前記はしご型電極背面の第2ガス供
給手段から前記支持電極の被処理物に向けて供給し、高
周波電源から前記はしご型電極に高周波電力を供給して
接地電位の前記支持電極との間でプラズマを発生させて
製膜されることを特徴とするものである。
【0013】本発明に係る光電変換素子は、前述したい
ずれかの方法で製造されることを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明に係るタンデム型光電変換素子は、
前述したいずれかの方法で製造されたpin型ユニッ
ト、もしくはnip型ユニットを少なくとも1組み含む
ことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】(第1実施形態)図1は、この第1実施形
態のプラズマCVD装置を示す概略図、図2は図1のプ
ラズマCVD装置に組み込まれるはしご型電極を示す斜
視図である。
【0017】反応容器1内には、被処理物13を保持
し、図示しない加熱ヒーターを内蔵した支持電極2が配
置されている。この支持電極2は、接地されている。は
しご型電極3は、前記支持電極2の下方に所望距離隔て
て対向配置されている。このはしご型電極3は、図2に
示すように前記支持電極2側に複数のガス吹き出し孔4
が開口された中空棒を組み合わせた矩形形状をなし、原
料ガスの供給部材を兼ねた構造を有する。
【0018】原料ガスを供給するための第1ガス供給管
5は、外部から前記反応容器1を貫通して前記はしご型
電極3に絶縁管6を介して連結されている。高周波電源
7は、インピーダンス整合器8を通して前記はしご型電
極3に接続されている。なお、前記絶縁管6は前記高周
波電源7から高周波電力を前記はしご型電極3に供給し
た時に高周波電力が前記第1ガス供給管5に流れるのを
防止する役目をなす。
【0019】中空で矩形状をなすガス供給部材9は、前
記反応容器1内に前記はしご型電極3の下方に位置する
ように配置されている。このガス供給部材9は、前記は
しご型電極3と対向する面にその中空部と連通する複数
のガス吹き出し孔10が開口されている。キャリアガス
を供給するための第2ガス供給管11は、外部から前記
反応容器1を貫通して前記ガス供給部材9に連結されて
いる。なお、前記第2ガス供給管11は接地されてい
る。これらガス供給部材9および第2ガス供給管11に
より第2ガス供給手段を構成している。
【0020】排気管12は、前記反応容器1の下部側面
に連結され、かつ他端が図示しない真空ポンプのような
排気設備に連結されている。
【0021】前記はしご型電極3と前記支持電極2に支
持される被処理物13表面との距離(d)は、10〜2
0mmにすることが好ましい。この距離(d)を10m
m未満にすると、前記はしご型電極3の複数のガス吹き
出し孔4から前記被処理物13に向けて吹き出す原料ガ
スの指向性が強まり、製膜された膜厚が不均一になる虞
がある。一方、前記距離(d)が20mmを超えると、
製膜速度の低下、結晶性の低下の虞がある。
【0022】次に、前述したプラズマCVD装置の作用
を説明する。
【0023】図1に示すプラズマCVD装置の支持電極
2に被処理物13を保持させた後、図示しない真空ポン
プを作動して排気管12を通して前記反応容器1内を真
空排気する。つづいて、前記支持電極2に内蔵された加
熱ヒーターに通電し、前記被処理物13を所望温度に加
熱する。加熱ヒーターによる加熱温度が十分安定した
後、第2ガス供給管11からキャリアガスをガス供給部
材9に供給し、このガス供給部材9の複数のガス吹き出
し孔10から反応容器1内の前記支持電極2に向けて吹
き出し、同時に第1ガス供給管5から原料ガスを前記は
しご型電極3に供給し、このはしご型電極3の複数のガ
ス吹き出し孔4を通して反応容器1内の前記支持電極2
に向けて吹き出し、前記反応容器1内を所定の圧力に制
御する。被処理物13の温度および反応容器1内の圧力
が十分安定した後、高周波電源7から高周波電力をイン
ピーダンス整合器8を通して前記はしご型電極3に供給
することにより、このはしご型電極3と接地電位とした
前記支持電極2との間にプラズマ14を発生させ、前記
支持電極2に保持された前記被処理物13上に所定の膜
を製膜する。
【0024】このような製膜において、前記はしご型電
極3と前記支持電極2に支持された被処理物13表面
(裏面)との距離を短くすることにより、原料ガスが前
記はしご型電極3と前記支持電極2の間に生成されるプ
ラズマ14中を飛行する距離を短くできるため、そのプ
ラズマ14中で生成される微粒子の量を著しく低減する
ことができる。
【0025】また、原料ガスおよびこの原料ガスの少な
くとも10倍以上の流量のキャリアガスをそれぞれ第1
ガス供給管5および第2ガス供給管11から分けて供給
し、前記原料ガスのみを前記はしご型電極3を経由して
そのはしご型電極3の複数のガス吹き出し孔4を通して
反応容器1内の前記支持電極2に向けて吹き出すことに
よって、従来のように原料ガスおよびキャリアガスの混
合ガスを平板電極の複数のガス吹き出し孔から被処理物
に向けて吹き出させる場合に比べて、吹き出すガスの流
速を1/10以下に著しく低減できる。このため、前記
はしご型電極3と前記支持電極2に支持された被処理物
13表面(裏面)との距離を短くしても、吹き付けるガ
スの指向性を緩和できる。その結果、前記はしご型電極
3のガス吹き出し孔4の対向する被処理物13表面部分
とそれ以外の被処理物13の表面部分との間で膜厚のば
らつきを防止して、均一な膜を製膜することができる。
【0026】さらに、支持電極2に対向して配置される
図2に示すはしご型電極3は、高周波電力が供給された
ときの電界強度が従来の平板電極に比べて高いために、
プラズマの生成条件である支持電極2との距離(d)お
よび反応容器1内の圧力の余裕度を向上させることがで
きる。
【0027】以上、第1実施形態のプラズマCVD装置
によれば製膜時に膜中に取り込まれる微粒子量の低減と
膜厚の均一化を両立でき、微粒子に起因する欠陥が少な
い良好な膜質で均一な膜厚を有する所望の膜を製膜する
ことができる。
【0028】次に、本発明に係る光電変換素子、例えば
太陽電池の製造方法を前述した図1および図2に示すプ
ラズマCVD装置を参照して説明する。
【0029】(第1工程)透明絶縁性基板上に第1透明
電極を形成する。
【0030】前記透明絶縁性基板は、例えば光透過を示
すソーダライムガラスから作られる。
【0031】前記第1透明電極は、例えば酸化錫(Sn
2)、酸化インジウム錫(ITO)のような金属酸化
物から作られる。ここでは、水素による第1透明電極の
還元を抑制するため数十nmの厚さの酸化亜鉛膜(図示
せず)を第1透明電極上へ形成する。
【0032】(第2工程)前述した図1に示すプラズマ
CVD装置の支持電極2に前記第1透明電極が形成され
た透明絶縁性基板を被処理物13として保持させた後、
図示しない真空ポンプを作動して排気管12を通して前
記反応容器1内を真空排気する。つづいて、前記支持電
極2に内蔵された加熱ヒーターに通電し、前記被処理物
13を所望温度に加熱する。加熱ヒーターによる加熱温
度が十分安定した後、第2ガス供給管11からキャリア
ガスであるH2をガス供給部材9に供給し、このガス供
給部材9の複数のガス吹き出し孔10から反応容器1内
の前記支持電極2に向けて吹き出し、同時に、第1ガス
供給管5から原料ガスであるSi含有ガス(例えばSi
4)およびp型不純物ガスを前記はしご型電極3に供
給し、このはしご型電極3の複数のガス吹き出し孔4を
通して反応容器1内の前記支持電極2とはしご型電極3
と間の領域に吹き出し、反応容器1内を所定の圧力に制
御する。被処理物13の温度および反応容器1内の圧力
が十分安定した後、高周波電源7から高周波電力をイン
ピーダンス整合器8を通して前記はしご型電極3に供給
することにより、このはしご型電極3と接地電位とした
前記支持電極2との間にプラズマ14を発生させ、前記
被処理物13の第1透明電極上にp型の微結晶シリコン
層または多結晶シリコン層を製膜する。
【0033】前記p型不純物としては、例えばB26
を用いることができる。
【0034】(第3工程)p型の微結晶シリコン層また
は多結晶シリコン層を製膜した後、高周波電力および原
料ガスの供給を停止し、反応容器1内を真空排気する。
つづいて、前記支持部材2に内蔵された加熱ヒーターに
通電し、前記被処理物13の基板を所望温度に加熱す
る。加熱ヒーターによる加熱温度が十分安定した後、第
2ガス供給管11からキャリアガスであるH2をガス供
給部材9に供給し、このガス供給部材9の複数のガス吹
き出し孔10から反応容器1内の前記支持電極2に向け
て吹き出し、同時に、第1ガス供給管5から原料ガスで
あるSi含有ガス(例えばSiH4)を前記はしご型電
極3に供給し、このはしご型電極3の複数のガス吹き出
し孔4を通して反応容器1内の前記支持電極2とはしご
型電極3と間の領域に吹き出し、反応容器1内を所定の
圧力に制御する。被処理物13の温度および反応容器1
内の圧力が十分安定した後、高周波電源7から高周波電
力をインピーダンス整合器8を通して前記はしご型電極
3に供給することにより、このはしご型電極3と接地電
位とした前記支持電極2との間にプラズマ14を発生さ
せ、前記被処理物13のp型の微結晶シリコン層または
多結晶シリコン層上に実質的に真性のi型の微結晶シリ
コン層または多結晶シリコン層を製膜する。
【0035】前記支持電極2の加熱ヒーターによる前記
被処理物13の加熱は、120〜400℃の温度にする
ことが好ましい。
【0036】前記反応容器1内の圧力を0.1〜5To
rrの範囲に設定することが好ましい。
【0037】前記第1供給手段5から供給するSi含有
ガスとしてSiH4を用いた場合、このSiH4と前記第
2供給手段11から供給するキャリアガスであるH2
の流量比をH2/SiH4で30〜70倍に設定すること
が好ましい。H2/SiH4の流量比を前記範囲に設定す
ることによって、製膜速度を低下させることなく微結晶
シリコン層または多結晶シリコン層を製膜することが可
能になる。
【0038】反応容器1内に供給する原料ガスは、Si
2Cl2、SiHCl3およびSiCl4から選ばれる少
なくとも1つの塩素化ケイ素系化合物ガスをさらに含有
することを許容する。このような塩素化ケイ素系化合物
ガスを原料ガスに添加することによって、前記支持電極
2の加熱ヒーターによる被処理物の透明絶縁性基板を1
20〜300℃の比較的低温の加熱条件の下で(11
0)優先配向性を有する実質的に真性のi型の微結晶シ
リコン層または多結晶シリコン層の製膜をすることが可
能になる。
【0039】前記塩素化ケイ素系化合物ガスは、前記S
iH4と前記塩素化ケイ素系化合物ガスの合計流量に対
して流量比で1〜80%の範囲にて前記反応容器1に供
給することが好ましい。前記塩素化ケイ素系化合物ガス
の流量比を1%未満にすると、120〜300℃の比較
的低温の加熱条件の下では膜質が良好なi型の微結晶シ
リコン層または多結晶シリコン層の製膜をすることが困
難になる。一方、前記塩素化ケイ素系化合物ガスの流量
比が80%を超えると、i型微結晶シリコン層または多
結晶シリコン層がCl、Cl2等にエッチングされ製膜
速度が低下する、またi型シリコン層がアモルファス化
する虞がある。より好ましい前記塩素化ケイ素系化合物
ガスの流量比は、10%〜40%である。
【0040】前記塩素化ケイ素系化合物ガスの流量比を
1〜80%に設定することによって、(110)優先配
向がより向上され、かつ塩素を1×1018cm-3〜8×
10 20cm-3含有する実質的に真性のi型の微結晶シリ
コン層または多結晶シリコン層を形成することが可能に
なる。
【0041】(第4工程)i型の微結晶シリコン層また
は多結晶シリコン層を製膜した後、高周波電力および原
料ガスの供給を停止し、反応容器1内を真空排気する。
つづいて、前記支持電極2に内蔵された加熱ヒーターに
通電し、前記被処理物13を所望温度に加熱する。加熱
ヒーターによる加熱温度が十分安定した後、第2ガス供
給管11からキャリアガスであるH2をガス供給部材9
に供給し、このガス供給部材9の複数のガス吹き出し孔
10から反応容器1内の前記支持電極2に向けて吹き出
し、同時に、第1ガス供給管5から原料ガスであるSi
含有ガス(例えばSiH4)およびn型不純物ガスを前
記はしご型電極3に供給し、このはしご型電極3の複数
のガス吹き出し孔4を通して反応容器1内の前記支持電
極2とはしご型電極3と間の領域に吹き出し、反応容器
1内を所定の圧力に制御する。被処理物13の温度およ
び反応容器1内の圧力が十分安定した後、高周波電源7
から高周波電力をインピーダンス整合器8を通して前記
はしご型電極3に供給することにより、このはしご型電
極3と接地電位とした前記支持電極2との間にプラズマ
14を発生させ、前記被処理物13のi型の微結晶シリ
コン層または多結晶シリコン層上にn型の微結晶シリコ
ン層または多結晶シリコン層を製膜する。この後、前記
被処理物をプラズマCVD装置の反応容器1から取り出
し、前記n型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン
層上に第2透明電極および裏面電極を順次形成して太陽
電池を製造する。この太陽電池は、透明絶縁性基板側か
ら太陽光のような光を入射させて前記pin構造の微結
晶シリコン層または多結晶シリコン層で光電変換させる
ことにより起電される。
【0042】前記n型不純物ガスとしては、例えばPH
3等を用いることができる。
【0043】前記第2透明電極は、例えば酸化インジウ
ム錫(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛から作られる。
【0044】前記裏面電極は、例えばAl、Agから作
られる。
【0045】なお、前述した透明絶縁性基板側から光を
入射するタイプの太陽電池の製造において第1透明電極
側からp型、i型、n型の微結晶シリコン層または多結
晶シリコン層を順次製膜してpin構造としたが、n
型、i型、p型の微結晶シリコン層または多結晶シリコ
ン層を順次製膜してnip構造としてもよい。
【0046】また、前記第1透明電極と前記pin構造
またはnip構造を持つ微結晶シリコン層または多結晶
シリコン層との間に、p、i、nの配列が前記微結晶シ
リコン層または多結晶シリコン層と同様なpin構造ま
たはnip構造を持つアモルファスシリコン層を配置す
ることを許容する。
【0047】さらに、本発明において第2透明電極側か
ら光を入射するタイプの太陽電池の製造方法にも同様に
適用することができる。この太陽電池の製造において、
第1透明電極側からn型、i型、p型の微結晶シリコン
層または多結晶シリコン層を順次製膜してnip構造と
したり、p型、i型、n型の微結晶シリコン層または多
結晶シリコン層を順次製膜してpin構造としたり、い
ずれでもよい。また、前記nip構造またはpin構造
を持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層と前記
第2透明電極との間に、p、i、nの配列が前記微結晶
シリコン層または多結晶シリコン層と同様なnip構造
またはpin構造を持つアモルファスシリコン層を配置
することを許容する。
【0048】以上、前述した光電変換素子の製造におい
て図1および図2に示すプラズマCVD装置を用いて支
持電極2に基板を有する被処理物13を支持させ、ガス
排気管12を通して排気し、前記被処理物13を加熱
し、原料ガスであるSi含有ガス(例えばSiH4)を
第1ガス供給管5およびはしご型電極3のガス吹き出し
孔4から前記支持電極2の被処理物13に向けて吹き出
すと共にキャリアガスであるH2を前記はしご型電極3
背面の第2ガス供給管11およびガス供給部材9のガス
吹き出し孔10から前記支持電極2の被処理物13に向
けて吹き出し、高周波電源7から前記はしご型電極3に
高周波電力を供給して接地電位の前記支持電極2との間
に浮遊微粒子の量が著しく少ないプラズマ14を発生さ
せることができ、前記被処理物13表面への微粒子の取
り込みを著しく低減できる。このため、微粒子の取り込
み量が少なく、欠陥が少ない良好な膜質を有し、かつ均
一な膜厚を有する実質的に真性のi型の微結晶シリコン
層または多結晶シリコン層を製膜することが可能にな
る。その結果、高い光電変換効率を示す光電変換素子を
製造することができる。
【0049】また、原料ガスであるSi含有ガス(例え
ばSiH4)を第1ガス供給管5から、キャリアガスで
あるH2を第2ガス供給管11からそれぞれ分けて供給
し、はしご型電極3と接地電位とした前記支持電極2と
の間にプラズマ14を発生させることによって、前記i
型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を(11
0)優先配向させることができ、より高い光電変換効率
を有する光電変換素子を製造することができる。
【0050】さらに、第1ガス供給管5からSiH4
SiH2Cl2、SiHCl3およびSiCl4から選ばれ
る少なくとも1つの塩素化ケイ素系化合物ガスとの混合
ガスを原料ガスとしてはしご型電極3を経由して支持電
極2に支持された被処理物13に向けて供給し、支持電
極2とはしご型電極3との間にプラズマ14を発生させ
ることによって、120〜300℃の比較的低温の加熱
条件の下で(110)優先配向性がより一層高い実質的
に真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン
層を製膜することが可能になる。その結果、さらに高い
光電変換効率を示す光電変換素子を製造することができ
る。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0052】(実施例1)この実施例1では、透明絶縁
性基板側から光を入射するタイプでpin構造が微結晶
シリコンからなる太陽電池の製造工程を図3を参照して
説明する。
【0053】まず、光透過を有する50mm×50mm
×1mmのソーダライムガラスからなる透明絶縁性基板
21上に酸化錫(SnO2)とこれよりも薄い酸化亜鉛
(ZnO)の二膜層からなる第1透明電極22を形成し
た。
【0054】次いで、前述した図1に示すプラズマCV
D装置における反応容器1内の支持電極2に前記透明電
極22が形成された透明絶縁性基板21を被処理物13
として保持させた後、図示しない真空ポンプを作動して
排気管12を通して前記反応容器1内を1×10 8
orr以下に真空排気した。つづいて、前記支持電極2
に内蔵された加熱ヒーターに通電し、前記被処理物13
の基板を160℃に加熱した。加熱ヒーターによる加熱
温度が十分安定した後、第2ガス供給管11からキャリ
アガスであるH2をガス供給部材9に供給し、このガス
供給部材9の複数のガス吹き出し孔10から反応容器1
内の前記支持電極2に向けて吹き出し、同時に、第1ガ
ス供給管5から原料ガスであるSiH4およびB26
前記はしご型電極3に供給し、このはしご型電極3の複
数のガス吹き出し孔4を通して反応容器1内の前記支持
電極2とはしご型電極3と間の領域に吹き出し、反応容
器1内を500mTorrの圧力に制御した。被処理物
13の基板21の温度および反応容器1内の圧力が十分
安定した後、高周波電源7からの高周波電力をインピー
ダンス整合器8を通してはしご型電極3に供給すること
により、このはしご型電極3と接地電位とした前記支持
電極2との間にプラズマ14を発生させ、前記支持電極
2に支持された前記被処理物13の第1透明電極22上
に厚さ30nmのp型微結晶シリコン層23を製膜し
た。
【0055】次いで、p型の微結晶シリコン層23を製
膜した後、高周波電力および原料ガスの供給を停止し、
反応容器1内を真空排気した後、下記条件で厚さ1.5
μmの実質的に真性のi型微結晶シリコン層24を製膜
した。
【0056】・基板温度:180℃、 ・圧力:1Torr、 ・はしご型電極−基板間隔:15mm、 ・高周波電力:10W、 ・第1ガス供給管5から供給される原料ガス流量:モノ
シランガス(SiH4)5sccm、 ・第2ガス供給管11から供給されるキャリアガス流
量:水素ガス(H2)300sccm。
【0057】次いで、i型微結晶シリコン層24の製膜
後、高周波電力および原料ガスの供給を停止し、反応容
器1内を排気管12を通して前記反応容器1内を1×1
8Torr以下に真空排気した。つづいて、支持電
極2に内蔵された加熱ヒーターに通電し、前記被処理物
13の基板21を160℃に加熱した。加熱ヒーターに
よる加熱温度が十分安定した後、第2ガス供給管11か
らキャリアガスであるH2をガス供給部材9に供給し、
このガス供給部材9の複数のガス吹き出し孔10から反
応容器1内の前記支持電極2に向けて吹き出し、同時
に、第1ガス供給管5から原料ガスであるSiH4およ
びPH3を前記はしご型電極3に供給し、このはしご型
電極3の複数のガス吹き出し孔4を通して反応容器1内
の前記支持電極2とはしご型電極3と間の領域に吹き出
し、反応容器1内を700mTorrの圧力に制御し
た。被処理物13の基板21の温度および反応容器1内
の圧力が十分安定した後、高周波電源7から高周波電力
をインピーダンス整合器8を通してはしご型電極3に供
給することにより、このはしご型電極3と接地電位とし
た前記支持電極2との間にプラズマ14を発生させ、前
記支持電極2に支持された前記被処理物13のi型の微
結晶シリコン層24上にn型の微結晶シリコン層25を
製膜した。この後、前記被処理物13をプラズマCVD
層の反応容器1から取り出し、前記n型微結晶シリコン
層25に酸化インジウム(ITO)からなる第2透明電
極26およびAlからなる裏面電極27を順次形成して
図3に示す太陽電池を製造した。
【0058】(比較例1)前述した図4に示すプラズマ
CVD装置を用いてi型の微結晶シリコン層を下記条件
で製膜した。
【0059】・基板サイズ:50mm×50mm×1m
m、 ・基板温度:180℃、 ・圧力:1Torr、 ・平行平板電極−基板間間隔(d):15mm、 ・高周波電力:30W、 ・ガス流量:モノシランガス(SiH4)5sccm、 水素ガス(H2)300sccm、 ・膜厚:1.5μm。
【0060】(比較例2)前述した図4に示すプラズマ
CVD装置を用いてi型の微結晶シリコン層を下記条件
で製膜した。
【0061】・基板サイズ:50mm×50mm×1m
m、 ・基板温度:180℃、 ・圧力:1Torr、 ・平行平板電極−基板間間隔(d):30mm、 ・高周波電力:30W、 ・ガス流量:モノシランガス(SiH4)5sccm、 水素ガス(H2)300sccm、 ・膜厚:1.5μm。
【0062】実施例1および比較例1,2において製膜
したi型の微結晶シリコン層について、直径5μm以上
の微粒子状生成物の存在密度、中心部分の40mm×4
0mmの範囲内での膜厚分布およびX線回折法で(22
0)/(111)配向比を測定した。ここで、配向比と
は、θ−2θ法で計測したX線回折ピークのうち、(2
20)面により回折した強度の、(111)面により回
折した強度に対する比で表す。その結果、下記表1に示
す。
【0063】
【表1】
【0064】前記表1から明らかなように実施例1によ
り製膜された実質的に真性のi型の微結晶シリコン層
は、微粒子に起因する欠陥密度が低く、かつ均一な膜厚
を有し、さらに高い(220)/(111)配向比を有
することがわかる。
【0065】これに対し、平行平板電極−基板間間隔
(d)を15mmに設定した比較例1により製膜された
i型の微結晶シリコン層は、微粒子に起因する欠陥密度
が低いものの、膜厚が不均一で、さらに(220)/
(111)配向比も低いことがわかる。
【0066】一方、平行平板電極−基板間間隔(d)を
30mmと比較例1に比べて長くした比較例2により製
膜されたi型の微結晶シリコン層は、均一な膜厚を有す
るものの、微粒子に起因する欠陥密度が高く、さらに
(220)/(111)配向比も低いことがわかる。
【0067】さらに、本実施例1により得られた太陽電
池の光電変換効率は、図4に示すプラズマCVD装置を
用いてi型の微結晶シリコン層を製膜した比較例1の太
陽電池に比べて1.072倍であった。
【0068】(実施例2)図1に示すプラズマCVD装
置を用いてi型微結晶シリコン層を下記条件で製膜した
以外、実施例1と同様な方法により太陽電池を製造し
た。
【0069】・基板温度:180℃、 ・圧力:1Torr、 ・はしご型電極−基板間隔(d):15mm、 ・高周波電力:10W、 ・第1ガス供給管5から供給される原料ガス流量:モノ
シランガス(SiH4)4sccm、ジクロロシランガ
ス(SiH2Cl2)1sccm([モノシランガス+ジ
クロロシランガス]の合計流量に対する流量比で20
%) ・第2ガス供給管11から供給されるキャリアガス流
量:水素ガス(H2)300sccm。
【0070】・膜厚:1.5μm。
【0071】実施例2において製膜した実質的に真性の
i型の微結晶シリコン層について、直径5μm以上の微
粒子状生成物の存在密度、中心部分の40mm×40m
mの範囲内での膜厚分布およびX線回折法で(220)
/(111)配向比を測定した。その結果、微粒子状生
成物の存在密度は7.5個/mm2、膜厚分布は±5
%、(220)/(111)配向比は26で、実施例1
に比べて高配向性のi型の微結晶シリコン層を製膜でき
ることがわかる。
【0072】また、本実施例2により得られた太陽電池
の光電変換効率は、前述した図4に示すプラズマCVD
装置を用いてi型の微結晶シリコン層を製膜した比較例
1の太陽電池に比べて1.097倍であった。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、製
膜時に膜中に取り込まれる微粒子量の低減と膜厚の均一
化を両立し、欠陥の少ない膜質が良好で、均一な膜厚を
有する所望の膜を製膜することが可能なプラズマCVD
装置を提供することができる。
【0074】本発明によれば、pin構造またはnip
構造を持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を
有する光電変換素子の製造において、少なくとも実質的
に真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン
層の製膜中に取り込まれる微粒子の量を著しく低減する
と共にその厚さを均一化でき、さらに前記i型の微結晶
シリコン層または多結晶シリコン層を(110)優先配
向させることを可能にし、光電変換効率が向上された光
電変換素子の製造方法を提供することができる。
【0075】本発明によれば、pin構造またはnip
構造を持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を
有し、少なくとも実質的に真性のi型の微結晶シリコン
層または多結晶シリコン層の製膜中に取り込まれる微粒
子の量を著しく低減され、かつその厚さを均一化でき、
さらに前記i型の微結晶シリコン層または多結晶シリコ
ン層をより一層効果的に(110)優先配向され、光電
変換効率が向上された光電変換素子を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のプラズマCVD装置を
示す概略図。
【図2】図1に組み込まれたはしご型電極を示す平面
図。
【図3】本発明の実施例1で製造された太陽電池の構造
を示す断面図。
【図4】従来のプラズマCVD装置を示す概略図。
【符号の説明】
1…反応容器、 2…支持電極、 3…はしご型電極、 4,10…ガス吹き出し孔、 5…第1ガス供給管、 6…絶縁管、 7…高周波電源、 8…インピーダンス整合器、 9…ガス供給部材、 11…第2ガス供給管、 12…排気管、 13…被処理物、 14…プラズマ、 21…透明絶縁性基板、 22…第1透明電極、 23…p型微結晶シリコン層、 24…i型微結晶シリコン層、 25…n型微結晶シリコン層、 26…第2透明電極、 27…裏面電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 要治 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所 内 (72)発明者 森田 章二 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所 内 (56)参考文献 特開 平11−121381(JP,A) 特開 平7−330488(JP,A) 特開2001−77029(JP,A) 特開2000−277439(JP,A) 特開 平6−260434(JP,A) 特開2000−232073(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C23C 16/509 H01L 31/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器と、 前記反応容器内に配置され、加熱用ヒーターを内蔵し、
    被処理物を支持すると共に接地電位とした支持電極と、 前記反応容器内に前記支持電極と所望の距離隔てて平行
    に配置され、前記支持電極側に複数のガス吹き出し孔が
    開口された中空棒を組み合わせたはしご型電極と、 前記はしご型電極に高周波電力を供給するための高周波
    電源と、 前記はしご型電極に絶縁管を介して連結され、原料ガス
    を供給するための第1ガス供給手段と、 前記反応容器内に前記支持電極と反対側の前記はしご型
    電極側に配置され、前記支持電極側にキャリアガスを供
    給するための第2ガス供給手段と、 前記反応容器内のガスを排気するためのガス排気手段
    と、を具備したことを特徴とするプラズマCVD装置。
  2. 【請求項2】 前記支持電極に支持された被処理物表面
    と前記はしご型電極との距離は、10〜20mmである
    ことを特徴とする請求項1記載のプラズマCVD装置。
  3. 【請求項3】 基板上にpin構造またはnip構造を
    持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を有する
    光電変換素子を製造するに際し、 前記pin構造またはnip構造を持つ微結晶シリコン
    層または多結晶シリコン層のうち、少なくとも実質的に
    真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層
    は、請求項1記載のプラズマCVD装置における反応容
    器内の支持電極に前記基板を有する被処理物を支持さ
    せ、前記反応容器内のガスをガス排気手段により排気
    し、前記支持電極の加熱ヒーターにより前記被処理物を
    加熱し、原料ガスであるSi含有ガスを第1ガス供給手
    段およびはしご型電極のガス吹き出し孔から前記支持電
    極の被処理物に向けて供給すると共にキャリアガスであ
    るH2を前記はしご型電極背面の第2ガス供給手段から
    前記支持電極の被処理物に向けて供給し、高周波電源か
    ら前記はしご型電極に高周波電力を供給して接地電位の
    前記支持電極との間でプラズマを発生させて製膜される
    ことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくともi型の微結晶シリコン層また
    は多結晶シリコン層の製膜において、前記第1供給手段
    から供給する前記Si含有ガスは、SiH4であること
    を特徴とする請求項3記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板上にpin構造またはnip構造を
    持つ微結晶シリコン層または多結晶シリコン層を有する
    光電変換素子を製造するに際し、 前記pin構造またはnip構造を持つ微結晶シリコン
    層または多結晶シリコン層のうち、少なくとも実質的に
    真性のi型の微結晶シリコン層または多結晶シリコン層
    は、請求項1記載のプラズマCVD装置における反応容
    器内の支持電極に前記基板を有する被処理物を支持さ
    せ、前記反応容器内のガスをガス排気手段により排気
    し、前記支持電極の加熱ヒーターにより前記被処理物を
    加熱し、原料ガスであるSiH4とSiH2Cl2、Si
    HCl3およびSiCl4から選ばれる少なくとも1つの
    塩素化ケイ素系化合物ガスとを第1ガス供給手段および
    はしご型電極のガス吹き出し孔から前記支持電極の被処
    理物に向けて供給すると共にキャリアガスであるH2
    前記はしご型電極背面の第2ガス供給手段から前記支持
    電極の被処理物に向けて供給し、高周波電源から前記は
    しご型電極に高周波電力を供給して接地電位の前記支持
    電極との間でプラズマを発生させて製膜されることを特
    徴とする光電変換素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも前記i型の微結晶シリコン層
    または多結晶シリコン層の製膜において、前記支持電極
    の加熱ヒーターにより120〜400℃の温度に加熱す
    ることを特徴とする請求項3または5記載の光電変換素
    子の製造方法。
  7. 【請求項7】 少なくともi型の微結晶シリコン層また
    は多結晶シリコン層の製膜において、前記反応容器の圧
    力を0.1〜5Torrの範囲に設定することを特徴と
    する請求項3または5記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 少なくともi型の微結晶シリコン層また
    は多結晶シリコン層の製膜において、前記第1供給手段
    から供給する原料ガスであるSiH4と前記第2供給手
    段から供給するキャリアガスであるH2との流量比をH2
    /SiH4で30〜70倍に設定することを特徴とする
    請求項4または5記載の光電変換素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記塩素化ケイ素系化合物ガスは、前記
    SiH4と前記塩素化ケイ素系化合物ガスの合計流量に
    対して流量比で1〜80%の範囲にて前記反応容器に供
    給されることを特徴とする請求項5記載の光電変換素子
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項3〜9のいずれかの方法で製造
    したことを特徴とする光電変換素子。
  11. 【請求項11】 請求項3〜9のいずれかの方法で製造
    したpin型ユニット、もしくはnip型ユニットを少
    なくとも1組含むことを特徴とするタンデム型光電変換
    素子。
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