JP3510433B2 - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP3510433B2
JP3510433B2 JP31525796A JP31525796A JP3510433B2 JP 3510433 B2 JP3510433 B2 JP 3510433B2 JP 31525796 A JP31525796 A JP 31525796A JP 31525796 A JP31525796 A JP 31525796A JP 3510433 B2 JP3510433 B2 JP 3510433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MPEG2(Movi
ng Picture Experts Group 2)等に準拠する大規模な動
画像情報を高速に動き補償して復号する画像処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】MPEG2に代表される動画像情報のデ
ィジタル圧縮処理技術の要素技術として、圧縮された動
画像情報を復号する際に、画像の動き(移動)をベクト
ル量で記述した所謂「動きベクトル」に従って、或る時
間位置の画面(フレーム)の画像情報から別の時間位置
の画面の画像情報を構築する技術があり、所謂「動き補
償」と呼ばれている。
【0003】このように、復号する際に動き補償を行う
ことを前提として圧縮された動画像情報を復号するため
の映像デコーダとして、図6にその構成を示すような画
像処理装置が知られている。即ち、同図に示す画像処理
装置は、MPEG2に準拠して圧縮された画像情報を動
き補償して復号するもので、圧縮された画像情報を復号
するためのMPEG2デコーダ3と、該デコーダ3によ
り復号された画像情報を一時的に記憶しておくためのダ
イナミックRAM(Dynamic Random Access Memory)等か
らなるメモリ5とから構成される。なお、MPEG2デ
コーダ3は、例えばスタンダードセル等の手法を用いて
LSI(Large Scale Integrated circuit) チップ等と
して具現化される。
【0004】このように構成された従来の画像処理装置
では、MPEG2デコーダ3により復号した或る時間位
置の画面の画像情報を一旦メモリ5に記憶しておく。そ
して、別の時間位置の画面における或る局所領域の画像
はメモリ5に記録された或る時間位置の画面における或
る局所領域の画像が移動してきたものと考え、この局所
領域の画像の移動方向及び移動量を表す動きベクトルに
従って、メモリ5に記憶された画像情報を読み出して動
き補償を行い、別の時間位置の画面の画像情報を構築す
る。この動き補償は、上述の「或る局所領域」を単位と
して画面全体にわたって順次行われるが、以下の説明に
おいては、動き補償を行う上での画面上の処理単位であ
る「局所領域」を「画像ブロック」と記すこととする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、M
PEG2等が対象とする動画像情報のデータ量は、JP
EG等が対象とする静止画像情報に比較して規模が大き
なものとなる。この上、画面のサイズが大きくなり、し
かも1秒間の画像のコマ数が増えると、そのデータ量は
著しく増加し、図6に示す従来の装置を構成するMPE
G2デコーダ3やメモリ5が処理すべきデータ量が著し
く増えることとなる。
【0006】しかし、標準的なMPEGデコーダLSI
は、縦480画素、横720画素、1秒間あたり30フ
レーム程度の解像度を有するNTSC(National Televi
sionSystem Committee)方式などの画像情報を対象とし
た復号処理能力しかなく、このため、1個の標準的なM
PEGデコーダLSIのみでは、縦1080画素、横1
920画素、1秒間あたり30フレーム程度の解像度を
有するHDTV(HighDefinition TeleVision)方式など
の大規模な画像情報を復号することはできない。
【0007】そこで、HDTVクラスの大規模な画像情
報を、標準的なMPEGデコーダLSIを用いて復号し
ようとする場合、図7にその構成を例示すように、復号
処理を並列化した装置が考えられる。即ち、同図に示す
画像処理装置は、画面を画像領域A及びBの2つの領域
に分割し、これら画像領域A及びBに対応する画像情報
を処理する2系統のMPEG2デコーダ3a,3b及び
メモリ5a,5bを備え、これら画像領域A及びBに対
応する画像情報を並列処理して復号した後、それぞれの
MPEG2デコーダ3a,3bにより復号して得られた
画像情報を結合器6aにより結合して、1画面分の復号
された画像情報を構成するものである。
【0008】ところが、MPEG2等では、前述のよう
に、動き補償を行う場合、動きベクトルに従ってメモリ
をアクセスして、必要とする画像ブロックの画像情報を
読み出すものとなっており、図7に示す装置の構成で
は、画像領域Aの画像情報の処理を受け持つデコーダ3
aは画像領域Bの画像情報を記憶するメモリ5bをアク
セスすることができない。従って、例えば画像領域Aに
属する或る画像ブロックについて動き補償するに際して
動きベクトルが画像領域Bの画像ブロックの画像情報を
参照するものである場合には、この動きベクトルが指定
する画像情報を参照して動き補償を行うことができず、
画像領域AとBとの境界付近での画像の動きが不自然な
ものとなる。
【0009】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、動画像情報を画面の複数の画像領域に対
応づけて分割して並列的に復号するに際し、画像領域の
境界付近で動き補償が不能となることがなく、画面全体
にわたって適切な動き補償を行うことができる画像処理
装置を提供することを課題とする。
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決達成するため、以下の構成を有する。即ち、第1の発
明に係る画像処理装置は、画面を垂直方向に隣接する第
1番目から第N番目(Nは2以上の整数)までのN個の
画像領域に分割し、該画像領域を単位として前記画面の
画像情報を並列的に動き補償して復号する画像処理装置
であって、前記第1番目から第N番目の画像領域に対応
づけて、前記画像情報を第1から第Nの画像情報に分割
する情報分割手段と、前記第1から第Nの画像情報を第
1から第Nの復号情報にそれぞれ復号する第1から第N
の復号手段と、前記第1番目から第N番目の画像領域の
それぞれを前記垂直方向に隣接するように、かつ垂直方
向のサイズが少なくとも前記動き補償での動きベクトル
垂直方向の取り得る最大値よりも大きく設定されたと
ころの2分割して得られる第1番目から第2N番目まで
の小画像領域に対応づけて、前記第1から第Nの復号情
報を第1から第2Nの参照情報に分割してそれぞれ記憶
する第1から第2Nの記憶手段と、前記第1から第Nの
復号情報を前記第1番目から第N番目の画像領域に対応
づけて結合する情報結合手段とを備え、前記第1から第
Nの復号手段は、前記第1から第Nの画像情報を前記第
1から第Nの復号情報にそれぞれ復号するに際し、該第
1から第Nの復号手段の第M(Mは1以上N以下の整
数)の復号手段が第2M−2から第2M+1の記憶手段
の何れかをアクセスして第2M−2から第2M+1の参
照情報を参照することにより、前記第1から第Nの相対
位置が一致する画像情報について並列的に動き補償を行
うことを特徴とする画像処理装置の構成を有する。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】また、第2の発明に係る画像処理装置は、
画面を垂直方向に隣接する第1番目から第N番目(Nは
2以上の整数)までのN個の画像領域に分割し、該画像
領域を単位として前記画面の画像情報を並列的に動き補
償して復号する画像処理装置であって、前記画像情報を
輝度情報と色差情報とに分割する第1の情報分割手段
と、前記第1番目から第N番目の画像領域に対応づけ
て、前記第1の情報分割手段により分割された輝度情報
または色差情報を第1から第Nの画像情報に分割する第
2の情報分割手段と、前記第1から第Nの画像情報を第
1から第Nの復号情報にそれぞれ復号する第1から第N
の復号手段と、前記第1番目から第N番目の画像領域の
それぞれを前記垂直方向に隣接するように、かつ垂直方
向のサイズが少なくとも前記動き補償での動きベクトル
垂直方向の取り得る最大値よりも大きく設定されたと
ころの2分割して得られる第1番目から第2N番目まで
の小画像領域に対応づけて、前記第1から第Nの復号情
報を第1から第2Nの参照情報に分割してそれぞれ記憶
する第1から第2Nの記憶手段と、前記第1から第Nの
復号情報を前記第1番目から第N番目の画像領域に対応
づけて結合する情報結合手段とを備え、前記第1から第
Nの復号手段は、前記第1から第Nの画像情報を前記第
1から第Nの復号情報にそれぞれ復号するに際し、該第
1から第Nの復号手段の第M(Mは1以上N以下の整
数)の復号手段が第2M−2から第2M+1の記憶手段
の何れかをアクセスして第2M−2から第2M+1の参
照情報を参照することにより、前記第1から第Nの相対
位置が一致する画像情報についてそれぞれ並列的に動き
補償を行うことを特徴とする画像処理装置の構成を有す
る。
【0017】さらにまた、第3の発明に係る画像処理装
置は、画面を垂直方向に隣接する第1番目から第N番目
(Nは2以上の整数)までのN個の画像領域に分割し、
該画像領域を単位として前記画面の画像情報を並列的に
動き補償して復号する画像処理装置であって、前記画像
情報を色成分に基づいて分割する第1の情報分割手段
と、前記第1番目から第N番目の画像領域に対応づけ
て、前記第1の情報分割手段により分割された画像情報
を第1から第Nの画像情報に分割する第2の情報分割手
段と、前記第1から第Nの画像情報を第1から第Nの復
号情報にそれぞれ復号する第1から第Nの復号手段と、
前記第1番目から第N番目の画像領域のそれぞれを前記
垂直方向に隣接するように、かつ垂直方向のサイズが少
なくとも前記動き補償での動きベクトルの垂直方向の
り得る最大値よりも大きく設定されたところの2分割し
て得られる第1番目から第2N番目までの小画像領域に
対応づけて、前記第1から第Nの復号情報を第1から第
2Nの参照情報に分割してそれぞれ記憶する第1から第
2Nの記憶手段と、前記第1から第Nの復号情報を前記
第1番目から第N番目の画像領域に対応づけて結合する
情報結合手段とを備え、前記第1から第Nの復号手段
は、前記第1から第Nの画像情報を前記第1から第Nの
復号情報にそれぞれ復号するに際し、該第1から第Nの
復号手段の第M(Mは1以上N以下の整数)の復号手段
が第2M−2から第2M+1の記憶手段の何れかをアク
セスして第2M−2から第2M+1の参照情報を参照す
ることにより、前記第1から第Nの相対位置が一致する
画像情報についてそれぞれ並列的に動き補償を行うこと
を特徴とする画像処理装置の構成を有する。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】以下、上記構成された本発明の作用につい
て述べる。即ち、第1の発明に係る画像処理装置によれ
ば、情報分割手段は、垂直方向に隣接するように分割さ
れた画面の第1番目から第N番目の各画像領域に対応づ
けて画像情報を分割し、第1番目から第N番目の復号手
段のそれぞれは、情報分割手段により分割された第1番
目から第N番目の各画像領域の画像情報を並列的に復号
して、第1から第2Nの記憶手段のそれぞれに与える。
ここで、第1から第2Nの記憶手段は、第1から第Nの
復号手段が復号した画像情報を、第1から第Nの画像領
域のそれぞれをさらに2分割して得られる第1番目から
第2N番目の小画像領域に対応づけて、第1から第2N
の参照情報としてそれぞれ記憶する。この結果、復号手
段により復号された1画像領域分の画像情報は、連続す
る奇数番と偶数番との1対の記憶手段に分割して記憶さ
れる。そして、第1番目から第N番目の各復号手段が情
報分割手段により分割された画像情報を復号する場合、
第M(Mは1以上N以下の整数)の復号手段は、第2M
−2から第2M+1の記憶手段の何れかをアクセスして
第2M−2から第2M+1の参照情報を参照することに
より、前記第1から第Nの画像情報について並列的に動
き補償を行う。情報結合手段は、第1及び第2の復号手
段により動き補償して復号された第1から第Nの復号情
報を結合して、画像情報を再構築する。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】さらにまた、第2の発明に係る画像処理装
置によれば、第1の情報分割手段は画像情報を輝度情報
と色差情報とに分割し、第2の情報分割手段は、垂直方
向に隣接するように分割された画面の第1番目から第N
番目の画像領域に対応づけて第1の情報分割手段により
分割された輝度情報または色差情報を第1から第Nの画
像情報にさらに分割する。第1から第Nの復号手段のそ
れぞれは、第1及び第2の情報分割手段により分割され
た第1から第Nの画像情報を並列的に復号し、独立にア
クセス可能な第1から第2Nの記憶手段に分割して記憶
する。即ち、第1から第2Nの記憶手段は、第1から第
Nの復号手段が復号した画像情報を、第1から第Nの画
像領域のそれぞれをさらに2分割して得られる第1番目
から第2N番目の小画像領域に対応づけて、第1から第
2Nの参照情報としてそれぞれ記憶する。従って、復号
手段により復号された1画像領域分の画像情報は、連続
する奇数番と偶数番との1対の記憶手段に分割して記憶
される。そして、第1から第Nの各復号手段が第1及び
第2の情報分割手段により分割された第1から第Nの画
像情報を復号する場合、第M(Mは1以上N以下の整
数)の復号手段は、第2M−2から第2M+1の記憶手
段の何れかをアクセスして第2M−2から第2M+1の
参照情報を参照することにより、前記第1から第Nの画
像情報について並列的に動き補償を行う。情報結合手段
は、第1及び第2の復号手段により動き補償して復号さ
れた第1から第Nの復号情報を結合して、画像情報を再
構築する。このように、1画像領域分の画像情報は奇数
番と偶数番の1対の記憶手段に分割して記憶されるの
で、各復号手段は、記憶手段を単位としてアクセスする
ことにより、「或る画像領域」を動き補償するにあたっ
て、動きベクトルが「別の画像領域」にまたがっていた
としても、「別の画像領域」での復号動作に干渉を与え
ることなく、この動きベクトルに従って記憶手段をアク
セスして「或る画像領域」の動き補償を行うことができ
る。
【0028】さらにまた、第3の発明に係る画像処理装
置によれば、第1の情報分割手段は画像情報を色成分に
基づいて分割し、第2の情報分割手段は、垂直方向に隣
接するように分割された画面の第1番目から第N番目の
画像領域に対応づけて第1の情報分割手段により分割さ
れた画像情報を第1から第Nの画像情報にさらに分割す
る。第1から第Nの復号手段のそれぞれは、第1及び第
2の情報分割手段により分割された第1から第Nの画像
情報を並列的に復号し、独立にアクセス可能な第1から
第2Nの記憶手段に分割して記憶する。即ち、第1から
第2Nの記憶手段は、第1から第Nの復号手段が復号し
た画像情報を、第1から第Nの画像領域のそれぞれをさ
らに2分割して得られる第1番目から第2N番目の小画
像領域に対応づけて、第1から第2Nの参照情報として
それぞれ記憶する。従って、復号手段により復号された
1画像領域分の画像情報は、連続する奇数番と偶数番と
の1対の記憶手段に分割して記憶される。そして、第1
から第Nの各復号手段が第1及び第2の情報分割手段に
より分割された第1から第Nの画像情報を復号する場
合、第M(Mは1以上N以下の整数)の復号手段は、第
2M−2から第2M+1の記憶手段の何れかをアクセス
して第2M−2から第2M+1の参照情報を参照するこ
とにより、前記第1から第Nの画像情報について並列的
に動き補償を行う。情報結合手段は、第1及び第2の復
号手段により動き補償して復号された第1から第Nの復
号情報を結合して、画像情報を再構築する。このよう
に、1画像領域分の画像情報は奇数番と偶数番の1対の
記憶手段に分割して記憶されるので、各復号手段は、記
憶手段を単位としてアクセスすることにより、「或る画
像領域」を動き補償するにあたって、動きベクトルが
「別の画像領域」にまたがっていたとしても、「別の画
像領域」での復号動作に干渉を与えることなく、この動
きベクトルに従って記憶手段をアクセスして「或る画像
領域」の動き補償を行うことができる。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図1から図5を参照しなが
ら、本発明の実施の形態に係る画像処理装置について詳
細に説明する。ここで、図1は、第1の実施の形態に係
る画像処理装置の構成を表すブロック図、図2は第1の
実施形態に係る画像処理装置の動き補償の動作を説明す
るための説明図、図3は図1に示す第1の実施形態の装
置の構成において画面の分割数を3分割に拡張した場合
のブロック図、図4は第2の実施の形態に係る画像処理
装置の構成を表すブロック図、図5は図4に示す第2の
実施形態に係る装置の構成において輝度情報に関して画
面を2分割した場合のブロック図である。なお、各図に
おいて、同一要素または相当する要素には同一符号を付
す。
【0033】(第1の実施の形態について)先ず、図1
から図3を用いて、本発明の第1の実施形態に係る画像
処理装置について説明する。本実施形態の画像処理装置
は、画面を分割して得られる各画像領域に対応する画像
情報を複数のデコーダが参照可能に構成され、各デコー
ダが動き補償を行うに際して、そのデコーダが動き補償
の対象とする画像領域以外の画像領域の画像情報を動き
ベクトルに従って参照することが可能なように構成され
る。これにより、画像領域境界付近において、動きベク
トルに従った動き補償を可能とするものである。
【0034】即ち、図1に示す本実施形態の画像処理装
置は、後述する図2に示すように、画面を上下2分割し
て得られる画像領域RA及びRBに対応するそれぞれの
画像情報を並列処理するものであって、圧縮された画像
情報のビットストリームを、その画面上の位置を検出し
て上下2つの画像領域RA及びRBに対応づけて分割
(スライス)するスライス検出器1(情報分割手段の前
段)と、該スライス検出器1により分割された上下の画
像領域RA及びRBのそれぞれに対応する画像情報を後
述のデコーダ3A及び3Bの動作タイミングに合うよう
に時間調整してそれぞれ出力するFIFO(First-In Fi
rst-Out)からなるバッファ2A及び2B(情報分割手段
の後段)と、該バッファ2A及び2Bにより時間調整さ
れた上下の画像領域RA及びRBに対応する画像情報の
それぞれを動き補償して復号するデコーダ3A及び3B
(複数の復号手段)と、該デコーダ3Aまたは3Bの何
れかを選択して後述のメモリ5A−2に接続するセレク
タ4A−2(復号手段の一部)と、前記デコーダ3Aま
たは3Bの何れかを選択して後述のメモリ5B−1に接
続するセレクタ4B−1(復号手段の一部)と、前記デ
コーダ3Aが復号した画像情報を動き補償の際の参照情
報として記憶する記憶部5A(複数の記憶手段の一部)
と、前記デコーダ3Bが復号した画像情報を記憶する記
憶部5B(複数の記憶手段の一部)と、前記デコーダ3
A及び3Bにより動き補償して復号された上下の画像領
域RA及びRBに対応する画像情報を結合して一画面分
の画像情報を構成する結合器6(情報結合手段)とを備
えて構成される。
【0035】また、記憶部5A及び5Bのそれぞれは、
独立にアクセス可能なメモリ5A−1,5A−2(複数
のメモリ空間)及びメモリ5B−1,5B−2(複数の
メモリ空間)を有して構成される。このうち、メモリ5
A−2及び5B−1は、それぞれセレクタ4A−2及び
4B−1を介してデコーダ3Aまたは3Bの何れかに選
択的に接続される。逆に言うと、メモリ5A−2及び5
B−1は、デコーダ3A及び3Bの何れからも選択的に
アクセス可能に構成されている。なお、メモリ5A−1
及び5B−2は、それぞれデコーダ3A及び3Bによっ
てのみ直接的にアクセスが可能となっている。
【0036】ここで、記憶部5A及び5Bが動き補償の
際の参照情報として記憶する画像情報と画面の各画像領
域との対応関係について説明しておく。図2に各メモリ
に記憶される画像情報と画面(画像領域)との対応関係
を示すように、記憶部5A及び5Bは、例えば画面を垂
直方向(上下)に隣接するように2分割して得られる画
像領域RA及びRBに対応する画像情報をデコーダ3A
及び3Bからそれぞれ入力して参照情報として記憶す
る。
【0037】この記憶部5Aを構成するメモリ5A−1
及び5A−2は、画像領域RAをさらに垂直方向に隣接
するように2分割して得られる小領域RA1及びRA2
(小画像領域)に対応づけて、デコーダ3Aから入力す
る画像領域RAの画像情報を分割して記憶し、同様に、
記憶部5Bを構成するメモリ5B−1及び5B−2は、
画像領域RBを2分割して得られる小領域RB1及びR
B2に対応づけて、デコーダ3Bから入力する画像領域
RBの画像情報を分割して記憶する。
【0038】ところで、MPEG2では、動きベクトル
がとり得る最大値が規定されており、図2に示す各小領
域RA1〜RB2の垂直方向のサイズ(高さ)は各画像
ブロックの動きベクトルが取り得る最大値よりも大きく
設定される。これにより、或る小領域に属する画像ブロ
ックの動きベクトルが、2つ以上離れた小領域の画像情
報を参照することがなくなり、後述するように、デコー
ダ3A及び3Bが各画像領域RA及びRBの画像情報を
並列に処理する過程において同一のメモリを同時にアク
セスすること(所謂メモリのバッティング)がなくな
る。このように、動きベクトルの最大値と小領域のサイ
ズとの関係は、メモリのバッティングの観点から規定さ
れる。
【0039】ただし、必要とする画像品質を得ることが
できれば、必ずしも厳密にこれらの関係を遵守して、メ
モリのバッティングを完全に回避する必要はなく、視覚
上、所定の画像品質が得られる範囲内で小領域のサイズ
を動きベクトルが取り得る最大値よりも小さくして、或
る程度のメモリのバッティングを許容することし、メモ
リの記憶容量を節約するように構成してもよい。
【0040】なお、本実施形態では、小領域RA1〜R
B2が垂直方向に隣接するように分割されたことに対応
して、垂直方向(縦方向)のサイズを規定したが、小領
域が隣接する方向において、各小領域のサイズが動きベ
クトルの最大値よりも大きければよく、仮に小領域が水
平方向に隣接するものであれば、小領域の水平方向(横
方向)のサイズが動きベクトルの最大値よりも大きけれ
ばよい。
【0041】以下、このように構成された本実施形態の
画像処理装置の動き補償の動作について説明する。前述
のように、MPEGに準拠する画像情報を復号する場
合、画像ブロックを単位として動きベクトルに従って順
次動き補償を行う。即ち、図1に示すデコーダ3Aは、
先ず、図2に示す小領域RA1に属する画像ブロックa
1に相当する部分から動き補償を開始し、これと平行し
て、デコーダ3Bは小領域RB1に属するブロックb1
に相当する部分から動き補償を開始する。
【0042】ここで、画像領域RAに属する画像ブロッ
クa1〜a5の位置と、画像領域RBに属する画像ブロ
ックb1〜b5の位置とは、それぞれの画像領域におけ
る相対位置が一致するものとなっている。従って、画像
領域RAに属する画像ブロックa1〜a5と画像領域R
Bに属する画像ブロックb1〜b5との画面上の距離
は、小領域の垂直方向のサイズの2倍分だけ離れ、これ
により、その最大値が小領域の垂直方向のサイズを超え
ることのない画像ブロックa1〜a5及び画像ブロック
b1〜b5のそれぞれの動きベクトルは、後述するよう
に、各画像情報について並列に動き補償を行う過程にお
いて、同一の小領域を参照することがなくなる。
【0043】このように、記憶部5A及び5Bがそれぞ
れ記憶する画像情報と画面の各画像領域との対応関係が
設定されて、以下のように動き補償が行われる。即ち、
先ず、図2に示す画像ブロックa1に相当する部分を動
き補償する場合、この画像ブロックa1の動きベクトル
は、小領域RA1の内部に収まっており、デコーダ3A
は、メモリ5A−1を直接アクセスして画像ブロックa
1の動きベクトルに従って動き補償を行う。
【0044】一方、上述の画像ブロックa1に相当する
部分の処理と平行して、画像ブロックb1に相当する部
分の動き補償が行われる。この場合、この画像ブロック
b1の動きベクトルがとり得る垂直方向の最大範囲は、
小領域RA2とRB1との両方にまたがっている。従っ
て、この場合、セレクタ4A−2及び4B−1の選択状
態はデコーダ3Bに設定され、デコーダ3Bは、セレク
タ4A−2または4B−1を介してメモリ5A−2また
は5B−1の何れかをアクセスして動き補償を行う。
【0045】次に、ブロックa2に相当する部分を動き
補償する場合、この画像ブロックa2の動きベクトルが
取り得る垂直方向の最大範囲は依然として小領域RA1
の内部に収まっているので、デコーダ3Aは、メモリ5
A−1をアクセスして動き補償を行う。
【0046】一方、上述のブロックa2に相当する部分
の処理と平行して、ブロックb2に相当する部分の動き
補償が行われる。この場合、この画像ブロックb2の動
きベクトルが取り得る垂直方向の最大範囲は小領域RB
1の中に収まっている。従って、この場合、セレクタ4
B−1の選択状態はデコーダ3Bに維持され、デコーダ
3Bはセレクタ4B−1を介してメモリ5B−1をアク
セスして動き補償を行う。なお、この場合、メモリ5A
−2は、デコーダ3A及び3Bの何れにもアクセスされ
ないので、セレクタ4A−2の選択状態はどのようであ
ってもよい。
【0047】次に、画像ブロックa3に相当する部分を
動き補償する場合、この画像ブロックa3の動きベクト
ルが取り得る垂直方向の最大範囲は、小領域RA1とR
A2との両方にまたがっている。従って、この場合、セ
レクタ4A−2の選択状態はデコーダ3Aに変更され、
デコーダ3Aはメモリ5A−1または5A−2の何れか
をアクセスして動き補償を行う。
【0048】一方、上述の画像ブロックa3に相当する
部分の処理と平行して、画像ブロックb3に相当する部
分の動き補償が行われる。この場合、この画像ブロック
b3の動きベクトルがとり得る垂直方向の最大範囲は、
小領域RB1とRB2との両方にまたがっている。従っ
て、この場合、セレクタ4B−1の選択状態はデコーダ
3Bに維持され、デコーダ3Bはメモリ5B−1または
5B−2の何れかをアクセスして動き補償を行う。
【0049】次に、画像ブロックa4に相当する部分を
動き補償する場合、この画像ブロックa4の動きベクト
ルがとり得る垂直方向の最大範囲は小領域RA2の内部
に収まっているので、セレクタ4A−2の選択状態はデ
コーダ3Aに維持され、デコーダ3Aは、このセレクタ
4A−2を介してメモリ5A−2をアクセスして動き補
償を行う。
【0050】一方、上述の画像ブロックa4に相当する
部分の処理と平行して、画像ブロックb4に相当する部
分の動き補償が行われる。この場合、この画像ブロック
b4の動きベクトルがとり得る垂直方向の最大範囲は、
小領域RB2の内部に収まっているので、デコーダ3B
はメモリ5B−2をアクセスして動き補償を行う。な
お、この場合、メモリ5B−1は、デコーダ3A及び3
Bの何れにもアクセスされないので、セレクタ4B−1
の選択状態はどのようであってもよい。
【0051】最後に、画像ブロックa5に相当する部分
を動き補償する場合、この画像ブロックa5の動きベク
トルがとり得る垂直方向の最大範囲は、小領域RA2と
RB1との両方にまたがっている。従って、この場合、
セレクタ4A−2の選択状態はデコーダ3Aに維持され
ると共にセレクタ4B−1の選択状態はデコーダ3Aに
変更され、デコーダ3Aは、セレクタ4A−2または4
B−1を介してメモリ5A−2または5B−1の何れか
をアクセスして動き補償を行う。
【0052】一方、上述の画像ブロックa5に相当する
部分の処理と平行して、画像ブロックb5に相当する部
分の動き補償が行われる。この場合、この画像ブロック
b5の動きベクトルは小領域RB2の内部に収まってい
るので、デコーダ3Bは、メモリ5B−2をアクセスし
て動き補償を行う。
【0053】このように、画像ブロックa1〜a5と画
像ブロックb1〜b5とを並列的に動き補償して復号処
理する過程において、この復号処理の対象となっている
画像ブロックに応じてセレクタ4A−2及び4B−1の
選択状態が設定され、デコーダ3A及び3Bは、同一の
メモリを同時にアクセスする場合がない。また、画面上
の任意の画像ブロックについても画像ブロックa1〜a
5またはb1〜b5の何れかに含めて表現することがで
き、デコーダ3A及び3Bは、それぞれの動きベクトル
に従って動き補償に必要な画像情報(参照情報)が記憶
されたメモリをバッティングを生じることなく並列にア
クセスする。
【0054】従って、本実施形態の画像処理装置によれ
ば、前述の従来装置のように単純に分割された画像情報
を参照して動き補償する場合と異なり、画像領域RAと
RBとの境界でも動き補償を正常に行って、それぞれの
画像領域に対応する画像情報について並列に動き補償を
行うことが可能となり、自然な動きが再現された画像情
報を構築することができる。
【0055】なお、上述の図1に示す本実施形態の画像
処理装置は、画面を2分割して得られる画像領域RA及
びRBに対応づけて画像情報を並列処理するものとして
構成したが、必要に応じて分割数(並列処理段数)を増
やしてもよい。例えば画面を3分割して得られる画像領
域に対応づけて画像情報を並列して復号しようとする場
合、図3に示すように、図1に示す装置の構成おいて、
さらにバッファ2C、デコーダ3C、セレクタ4C−
1、記憶部5C(メモリ5C−1,5C−2)の各要素
を加えて構成すればよい。
【0056】なお、この場合のスライス検出器1及び結
合器6は、新たに加えた上述の要素に対応するために機
能が拡張されたものとして構成されると共に、各記憶部
5A〜5Cは、画面の分割数の増加に応じて記憶容量が
調整(減少)されたものとして構成される。
【0057】また、上述した図1及び図3に示す本実施
形態の画像処理装置の場合、記憶部(例えば記憶部5
A)を2つのメモリ(例えばメモリ5A−1及び5A−
2)から構成して、これら2つのメモリを独立にアクセ
ス可能な記憶部5Aのメモリ空間としたが、そもそも各
メモリ(5A−1〜5C−2)を独立した記憶部として
取り扱ってもよく、この場合、ひとつのデコーダが復号
した画像情報を2つの記憶部に分割して記憶するものと
なる。
【0058】このように構成した場合、例えば、図3に
示すデコーダ3B(第Mの復号手段)は、処理の対象と
する画像ブロックの位置によって、メモリ5A−2(第
2M−2の記憶手段)からメモリ5C−1(第2M+1
の記憶手段)の何れかをアクセスして、これらのメモリ
に記憶された画像情報(参照情報)を参照して動き補償
を行う。
【0059】さらに、本実施形態では、図1及び図3に
示す記憶部(例えば記憶部5A)を2つのメモリから構
成して、独立にアクセス可能な複数のメモリ空間を実現
したが、記憶部は各画像領域の小領域毎に独立してアク
セス可能であればよく、例えばデュアルポートメモリな
どのように複数のアドレスを同時に指定が可能なデバイ
ス用いて構成することも可能である。
【0060】さらにまた、本実施形態では、例えばデコ
ーダ3Aがアクセス可能なメモリの個数を、各セレクタ
の選択状態によって最大3個(メモリ5A−1,5A−
2,5B−1)までとしたが、各デコーダがすべてのメ
モリをアクセス可能に構成してもよい。
【0061】(第2の実施の形態について)次に、図4
及び図5を用いて、本発明の第2の実施の形態に係る画
像処理装置について説明する。前述の第1の実施形態の
画像処理装置は、画面上の物理的な領域である画像領域
に対応づけて画像情報を分割して並列処理を行うもので
あるが、本実施形態の画像処理装置は、輝度や色差など
の属性(データ構造)に着目して画像情報を分割して並
列処理を行うものである。
【0062】一般に、カラー画像情報は、輝度と色差、
またはRGB(Red-Green-Blue)等の各成分に分解して符
号/復号の処理がなされる。本実施形態の画像処理装置
は、この点に着目して構成されたものであって、カラー
画像情報を輝度成分(輝度情報)及び色差成分(色差情
報)の各成分の復号処理を別々のデコーダに分担させ
て、輝度成分及び色差成分のそれぞれの動き補償を並列
に行うものである。
【0063】即ち、図4に示す本実施形態の画像処理装
置は、カラー画像情報のビットストリームを入力して、
カラー画像情報の輝度成分及び色差成分をそれぞれ復号
する輝度用デコーダ30及び色差用デコーダ31と、該
輝度用デコーダ30及び色差用デコーダ31が復号した
画像情報の輝度成分及び色差成分をそれぞれ格納する輝
度用メモリ50及び色差用メモリ51とを備えて構成さ
れる。
【0064】このように構成された本実施形態の装置の
場合、輝度用デコーダ30及び色差用デコーダ31は、
カラー画像情報のビットストリームを入力して、それぞ
れカラー画像情報の輝度成分及び色差成分を復号し、輝
度用メモリ50及び色差用メモリ51にそれぞれ格納す
る。
【0065】ここで、動き補償を行う場合、輝度用デコ
ーダ30及び色差用デコーダ31は、輝度用メモリ50
及び色差用メモリ51を動きベクトルに従ってそれぞれ
アクセスして、必要とする画像ブロックの画像情報を読
み出し、この画像情報を用いて動き補償した画像情報の
輝度成分及び色差成分を、後段側に接続されるD/Aコ
ンバータ(図示なし)に与える。
【0066】このように、本実施形態の装置では、カラ
ー画像情報を輝度成分と色差成分とに分割して並列処理
することにより、ひとつのデコーダの負担が過大となら
ないように処理の対象とするデータ量を抑えるものとな
っている。なお、本実施形態では、輝度成分と色差成分
とからなるカラー画像情報を復号するものとして装置を
構成したが、前述のように、RGB系のカラー画像情報
を復号する装置として構成する場合には、カラー画像情
報を、R(Red)成分、G(Green)成分、B(Blue)成分の色
成分に分割して、各色成分毎に画像情報を並列に動き補
償して復号するように構成すればよく、処理の対象とす
る画像情報の種類に応じて分割の基準を適切に選択すれ
ばよい。
【0067】(第3の実施の形態について)次に、図5
を用いて、本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装
置について説明する。前述のように、第2の実施形態の
画像処理装置は、画像情報を輝度成分と色差成分とに分
割して並列処理するものとして構成したが、図5に示す
本実施形態の画像処理装置は、第1の実施形態の装置と
第2の実施形態の装置とを組み合わせて構成されたもの
であり、輝度成分と色差成分との並列に処理する過程に
おいて、画面を分割して得られる画像領域に対応づけ
て、輝度成分または色差成分の処理をさらに並列化する
ように構成したものである。
【0068】ところで、輝度成分を処理する上での画面
の分割数と、色差成分を処理する上での画面の分割数と
は必ずしも同一にする必要はない。即ち、MPEG等で
は、画像情報の輝度成分に対して色差成分は間引かれて
画像の画素数が減ったものとなっており、このため、一
般に輝度成分に比較して色差成分の復号には処理能力を
それほど必要としない。
【0069】本実施形態の装置は、この点に着目して、
そのデータ量に応じて輝度成分と色差成分との処理を担
うデコーダの配分数を調整して構成したものであり、デ
ータ量が多い輝度成分の復号処理には2個のデコーダを
配分してさらに並列処理化すると共に、データ量が比較
的少ない色差成分の復号には1個のデコーダを配分する
ことにより、画像情報のデータ構造に整合させて、効率
的にデコーダを配分して構成したものである。
【0070】即ち、図5に示す画像処理装置は、図1に
示す第1の実施形態の装置を輝度成分の処理系として用
い、さらに、色差成分の処理を行うために、図1に示す
装置の構成に図4に示す色差用デコーダ31と色差用メ
モリ51とからなる色差成分の処理系を加えて構成した
ものである。
【0071】ただし、図5に示す装置を構成するスライ
ス検出器1は、圧縮された画像データのビットストリー
ムを、輝度成分と色差成分とに分割すると共に、輝度成
分については、画面を垂直方向に隣接するように2分割
して得られる各画像領域に対応づけてさらに2分割する
ものとして構成される。
【0072】また、同図に示すデコーダ3A,3B及び
デコーダ31は、スライス検出器1から入力する画像情
報の輝度成分及び色差成分のそれぞれを復号するものと
して構成され、このうち、デコーダ3A及び3Bは、画
像領域に対応づけてさらに2分割された輝度成分のそれ
ぞれを復号する。さらに、結合器6は、輝度用のデコー
ダ3A,3B及び色差用のデコーダ3Cのそれぞれが復
号した画像情報の輝度成分及び色差成分を一画面の画像
情報に結合するものとして構成される。
【0073】このように構成された本実施形態の装置
は、画像情報を輝度成分と色差成分とに分割して動き補
償の復号処理を並列に行うと共に、輝度成分については
画面の各画像領域に対応づけてさらに分割して復号処理
を並列化し、画像情報のデータ構造に応じてデコーダの
配分が適正化されたものとして実現される。
【0074】なお、本実施形態では、輝度成分の処理に
対しては2個のデコーダを配分し、色差成分に対しては
1個のデコーダを配分して構成したが、デコーダの配分
はこれに限られるものではなく、各成分のデータ量とデ
コーダ単体の処理能力とに応じて、その配分を適切に定
めればよい。同様に、画像情報がRGB系のものである
場合にも、各色成分のデータ量等に応じてデコーダの配
分を定めればよい。
【0075】上述の第1及び第3の実施形態の説明にお
いて、並列処理のための画面の分割方向を垂直方向とし
たが、画面の分割方向はこれに限定されるものではな
く、水平方向(左右)や2次元方向であってもよく、更
には、適当にこれらの分割方向を組み合わせて構成する
こともでき、必要に応じて分割の方向を適切に定めれば
よい。
【0076】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、以下のような効果を得ることができる。即
ち、第1の発明に係る画像処理装置によれば、画面を分
割して得られる複数の画像領域に対応する画像情報を参
照して動き補償を並列に実行するに際し、或る画像領域
の画像情報を複数の復号手段(デコーダ)が参照可能な
ように構成したので、動きベクトルが他の画像領域の参
照情報(画像情報)を参照する場合であっても、必要と
する参照情報を参照して動き補償を並列に行うことがで
き、各画像領域の境界付近でも画像の動きが自然な画像
情報に復号することができる。しかも、画像情報を並列
に処理するので、復号手段単体の性能を上げることな
く、大規模な画像情報を高速に動き補償して復号するこ
とができる。
【0077】
【0078】
【0079】さらにまた、第2の発明に係る画像処理装
置によれば、第1の発明に係る画像処理装置により得ら
れる効果を併せて得ることができ、輝度及び色差成分か
らなる大規模な画像情報をさらに一層高速に動き補償し
て復号することができる。
【0080】
【0081】さらにまた、第3の発明に係る画像処理装
置によれば、第1の発明に係る画像処理装置により得ら
れる効果を得ることができ、RGB等の色成分からなる
大規模な画像情報をさらに一層高速に動き補償して復号
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成を
表すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係る画像処理装置の動き補
償の動作を説明するための説明図である。
【図3】第1の実施の形態に係る画像処理装置において
画面の分割数を3分割に拡張した場合の構成を表すブロ
ック図である。
【図4】第2の実施の形態に係る画像処理装置の構成を
表すブロック図である。
【図5】第2の実施の形態に係る画像処理装置において
輝度成分に関して画面を2分割して並列処理する場合の
構成を表すブロック図である。
【図6】MPEG2に準拠した従来の画像処理装置を表
すブロック図である。
【図7】動き補償を並列処理する従来の画像処理装置の
動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 スライス検出器 2A,2B,2C バッファ 3A,3B,3C デコーダ 4A−2,4B−1,4B−2,4C−1 セレクタ 5A〜5C 記憶部 5A−1,5A−2,5B−1,5B−2,5C−1,
5C−2 メモリ 6 結合器 30 輝度用デコーダ 31 色差用デコーダ 50 輝度用メモリ 51 色差用メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 7/24 - 7/68

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画面を垂直方向に隣接する第1番目から
    第N番目(Nは2以上の整数)までのN個の画像領域に
    分割し、該画像領域を単位として前記画面の画像情報を
    並列的に動き補償して復号する画像処理装置であって、 前記第1番目から第N番目の画像領域に対応づけて、前
    記画像情報を第1から第Nの画像情報に分割する情報分
    割手段と、 前記第1から第Nの画像情報を第1から第Nの復号情報
    にそれぞれ復号する第1から第Nの復号手段と、 前記第1番目から第N番目の画像領域のそれぞれを前記
    垂直方向に隣接するように、かつ垂直方向のサイズが少
    なくとも前記動き補償での動きベクトルの垂直方向の
    り得る最大値よりも大きく設定されたところの2分割し
    て得られる第1番目から第2N番目までの小画像領域に
    対応づけて、前記第1から第Nの復号情報を第1から第
    2Nの参照情報に分割してそれぞれ記憶する第1から第
    2Nの記憶手段と、 前記第1から第Nの復号情報を前記第1番目から第N番
    目の画像領域に対応づけて結合する情報結合手段とを備
    え、 前記第1から第Nの復号手段は、前記第1から第Nの画
    像情報を前記第1から第Nの復号情報にそれぞれ復号す
    るに際し、該第1から第Nの復号手段の第M(Mは1以
    上N以下の整数)の復号手段が第2M−2から第2M+
    1の記憶手段の何れかをアクセスして第2M−2から第
    2M+1の参照情報を参照することにより、前記第1か
    ら第Nの相対位置が一致する画像情報について並列的に
    動き補償を行うことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 画面を垂直方向に隣接する第1番目から
    第N番目(Nは2以上の整数)までのN個の画像領域に
    分割し、該画像領域を単位として前記画面の画像情報を
    並列的に動き補償して復号する画像処理装置であって、 前記画像情報を輝度情報と色差情報とに分割する第1の
    情報分割手段と、 前記第1番目から第N番目の画像領域に対応づけて、前
    記第1の情報分割手段により分割された輝度情報または
    色差情報を第1から第Nの画像情報に分割する第2の情
    報分割手段と、 前記第1から第Nの画像情報を第1から第Nの復号情報
    にそれぞれ復号する第1から第Nの復号手段と、 前記第1番目から第N番目の画像領域のそれぞれを前記
    垂直方向に隣接するように、かつ垂直方向のサイズが少
    なくとも前記動き補償での動きベクトルの垂直方向の
    り得る最大値よりも大きく設定されたところの2分割し
    て得られる第1番目から第2N番目までの小画像領域に
    対応づけて、前記第1から第Nの復号情報を第1から第
    2Nの参照情報に分割してそれぞれ記憶する第1から第
    2Nの記憶手段と、 前記第1から第Nの復号情報を前記第1番目から第N番
    目の画像領域に対応づけて結合する情報結合手段とを備
    え、 前記第1から第Nの復号手段は、前記第1から第Nの画
    像情報を前記第1から第Nの復号情報にそれぞれ復号す
    るに際し、該第1から第Nの復号手段の第M(Mは1以
    上N以下の整数)の復号手段が第2M−2から第2M+
    1の記憶手段の何れかをアクセスして第2M−2から第
    2M+1の参照情報を参照することにより、前記第1か
    ら第Nの相対位置が一致する画像情報についてそれぞれ
    並列的に動き補償を行うことを特徴とする画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】 画面を垂直方向に隣接する第1番目から
    第N番目(Nは2以上の整数)までのN個の画像領域に
    分割し、該画像領域を単位として前記画面の画像情報を
    並列的に動き補償して復号する画像処理装置であって、 前記画像情報を色成分に基づいて分割する第1の情報分
    割手段と、 前記第1番目から第N番目の画像領域に対応づけて、前
    記第1の情報分割手段により分割された画像情報を第1
    から第Nの画像情報に分割する第2の情報分割手段と、 前記第1から第Nの画像情報を第1から第Nの復号情報
    にそれぞれ復号する第1から第Nの復号手段と、 前記第1番目から第N番目の画像領域のそれぞれを前記
    垂直方向に隣接するように、かつ垂直方向のサイズが少
    なくとも前記動き補償での動きベクトルの垂直方向の
    り得る最大値よりも大きく設定されたところの2分割し
    て得られる第1番目から第2N番目までの小画像領域に
    対応づけて、前記第1から第Nの復号情報を第1から第
    2Nの参照情報に分割してそれぞれ記憶する第1から第
    2Nの記憶手段と、 前記第1から第Nの復号情報を前記第1番目から第N番
    目の画像領域に対応づけて結合する情報結合手段とを備
    え、 前記第1から第Nの復号手段は、前記第1から第Nの画
    像情報を前記第1から第Nの復号情報にそれぞれ復号す
    るに際し、該第1から第Nの復号手段の第M(Mは1以
    上N以下の整数)の復号手段が第2M−2から第2M+
    1の記憶手段の何れかをアクセスして第2M−2から第
    2M+1の参照情報を参照することにより、前記第1か
    ら第Nの相対位置が一致する画像情報についてそれぞれ
    並列的に動き補償を行うことを特徴とする画像処理装
    置。
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